JP2005277159A - 強誘電体メモリ素子の製造方法および強誘電体メモリ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】強誘電体メモリ素子形成プロセスにおいて発生する水素雰囲気によって、強誘電体層が還元ダメージを受けない強誘電体メモリ素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】強誘電体キャパシタ周辺に水素バリア膜を配置し、この水素バリア膜のバリア性能を向上させるため、成膜後にマイクロ波による選択的加熱をおこない、強誘電体キャパシタに熱ダメージを与えることなく水素バリアの結晶性を向上させる。
【選択図】 図18

Description

本発明は強誘電体メモリ素子の製造方法に関する。
強誘電体特有の自発分極を利用した不揮発性メモリ素子(強誘電体メモリ素子)は、その高速書き込み/読み出し、低電圧動作等の特徴から、既存の不揮発性メモリのみならず、SRAM(スタティックRAM)やDRAM等の殆どのメモリに置き換わる可能性を秘めた究極のメモリとして注目されている。強誘電体材料としては数々の候補が挙げられているが、中でもチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)をはじめとするペロブスカイト型酸化物やSrBi2Ta29等のビスマス層状化合物が極めて優れた強誘電特性を示すため有望視されている。
一般に上述の酸化物材料をキャパシタ絶縁層として用いる場合、上電極形成後に、各メモリ素子間の電気的絶縁を主目的としてSiO2等の層間絶縁膜で被覆される。その成膜手法としては、段差被覆性に優れるCVD(Chemical Vapor Deposition)法をもちいるのが一般的である。ところがこのような成膜手法をもちいると、反応副生成物として水素が発生する。特に活性化した水素がSiO2及び上電極を透過して強誘電体薄膜まで到達すると、その還元作用によって強誘電体の結晶性が損なわれ、電気特性が著しく劣化してしまう。また、スイッチング素子としてのMOSトランジスタは、素子製造工程で発生するシリコン単結晶中の格子欠陥によって特性が劣化するため、最終段階において水素混合窒素ガス中で熱処理を施す必要がある。ところがこの工程における水素濃度は上述の層間絶縁膜形成時にくらべてさらに高濃度であり、強誘電体薄膜に与えるダメージはより深刻となる。
このような水素による強誘電体キャパシタの還元劣化を防止するため、強誘電体薄膜キャパシタを形成後、これを覆うように保護膜を成膜して水素の侵入を阻止する方法が試みられている。この保護膜は一般的に水素バリア膜と称されている。
水素バリア膜の有力候補として酸化物材料が精力的に研究されている。IrOxはその代表例であり、耐還元性がしらべられている。たとえば、J.Electrochem.Soc.136,1740(1989)やSurface Science 144,451(1984)では、違った成膜手法で作製されたIrOx膜間で、還元雰囲気に対する耐性が調べられている。これらの報告によれば、結晶性の違いによって還元され易さは大きく異なり、結晶性が良いほどIrOx水素耐性に優れている。一例として、単結晶のIr表面を酸化して得られた薄IrOx膜は、700℃近い高温の水素雰囲気においても還元されないという結果が掲載されている。このような結晶性の良好なIrOx薄膜をキャパシタ上に形成すれば、水素雰囲気中においてもIrOx自体が還元され難く、十分な水素バリア効果が期待できる。ところがIrOxは導電性を有するため、キャパシタの上電極上にのみ形成する必要がある。キャパシタの側壁部からの水素侵入を防止するためには、側壁部もカバーする絶縁性の水素バリア膜が必要であった。
絶縁性の水素バリア膜としては、各種酸化物が有力材料として検討されている。たとえば特開平10-321811ではチタン酸塩、ジルコン酸塩、ニオブ酸塩、タンタル酸塩、錫酸塩、ハフニウム酸塩、マンガン酸塩を適用している。これらの酸化物は一般的にスパッタリング法などによって強誘電体キャパシタ上に形成されるが、高融点あるいは低蒸気圧の材料をターゲットとしてもちいた場合は、得られた薄膜はアモルファス状態となる。十分な水素バリア性能を得るためには結晶性の薄膜であることが望ましいため、しばしば成膜後にアニール処理を施すことによってアモルファス薄膜を結晶性薄膜に改質する手段が採用される。しかしながら、水素バリア膜は強誘電体とキャパシタ側壁部において接触しているため、熱処理時に両界面において互いに元素拡散が発生し、強誘電体の結晶性を乱してしまう。また、熱処理温度によっては強誘電体層から蒸気圧の高い元素が揮発することによって、組成比が変わってしまう。いずれの場合においても、材料本来の強誘電特性が発揮されなくなるため、メモリ素子としての信頼性が著しく低下してしまうという問題点があった。
本発明の強誘電体メモリ素子の製造方法は、強誘電体層にダメージを与えることなく結晶性の良好な水素バリア膜を強誘電体キャパシタ上に形成し、プロセスに起因した強誘電体薄膜の還元劣化を防止することを目的としている。
本発明の強誘電体メモリ素子の製造方法は、半導体基板上に、下部電極、酸化物強誘電体薄膜、上部電極を順次成膜して積層膜を形成する工程、2)前記積層膜をパターニングして強誘電体薄膜キャパシタを形成する工程、3)前記強誘電体薄膜キャパシタ上に水素バリア膜を成膜する工程、および4)前記水素バリア膜をパターニングする工程を含む強誘電体メモリ素子の製造方法において、前記3)工程の後に前記半導体基板にマイクロ波を照射することによって前記水素バリア膜を加熱することを特徴とする。
上記方法によれば、水素バリア膜のみを選択的に加熱することができるため、強誘電体層に熱的なダメージを与えることなく水素バリア膜の結晶性を向上させることができるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子の製造方法は、1)半導体基板上に、下部電極、酸化物強誘電体薄膜、上部電極を順次成膜して積層膜を形成する工程、2)前記積層膜をパターニングして強誘電体薄膜キャパシタを形成する工程、3)前記強誘電体薄膜キャパシタ上に水素バリア膜を成膜する工程、および4)前記水素バリア膜をパターニングする工程を含む強誘電体メモリ素子の製造方法において、前記4)工程の後に前記半導体基板にマイクロ波を照射することによって前記水素バリア膜を加熱することを特徴とする。
上記方法によれば、前記水素バリア膜は既にパターニングされているので、結晶性が向上することによって硬質な膜に変化しても、エッチングによる加工性を懸念する必要がなくなるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子の製造方法は、前記半導体基板の表面側からおこなわれることを特徴とする。
上記方法によれば、もっとも効率的に前記水素バリア膜のみを選択加熱することができるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子の製造方法は、前記水素バリア膜としてアルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、マグネシウムあるいはタンタルのいずれかの元素をひとつ以上含有する酸化物をもちいることを特徴とする。
上記方法によれば前記水素バリア膜が効率的に前記マイクロ波を吸収して加熱されるため、膜質が飛躍的に向上して優れた水素バリア性能が得られるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子の製造方法は、前記水素バリア膜に前記マイクロ波の吸収体が含有されていることを特徴とする。
上記方法によれば、マイクロ波の吸収体が効率的にマイクロ波を吸収して発熱するため、周辺の前記水素バリア膜材料をより高温に加熱することができるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子の製造方法は、前記マイクロ波の吸収体は前記水素バリア膜中に均一に分散されていることを特徴とする。
上記方法によれば、より均一に前記水素バリア膜が加熱されるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子の製造方法は、前記マイクロ波の吸収体は前記水素バリア膜の表面に配置されていることを特徴とする。
上記方法によれば、前記水素バリア膜の表面側から加熱が進行するため、強誘電体への熱伝達を低減することができるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子の製造方法は、前記マイクロ波の吸収体は前記水素バリア膜の下に配置されていることを特徴とする。
上記方法によれば前記水素バリア膜の下側から加熱が進行するため、前記マイクロ波の吸収体の結晶構造を反映して、前記水素バリア膜を結晶性良く結晶化させることができるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子の製造方法は、前記マイクロ波の吸収体として、SiC,ZnO、AlNあるいはSnO2のいずれかをもちいることを特徴とする。
上記方法によれば、前記マイクロ波の吸収体がもっとも効率的にマイクロを吸収するため、短時間で所望温度まで発熱するという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子の製造方法は、前記マイクロ波が2GHzから30GHzの範囲の単一波長であることを特徴とする。
上記方法によれば、前記水素バリア膜以外の部位が加熱されず、熱ダメージを防止できるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子の製造方法は、前記3)工程において前記水素バリア膜はアモルファス状態であることを特徴とする。
上記方法によれば、前記水素バリア膜は一様な温度分布で加熱されるため、均一な膜質が得られるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子は、半導体基板上に下部電極、酸化物強誘電体薄膜および上部電極を順次積層して形成された強誘電体薄膜キャパシタと、この上に設けられた水素バリア膜とを含む強誘電体メモリ素子において、前記水素バリア膜の表面にマイクロ波帯の電磁波吸収体が配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記半導体基板にマイクロ波を照射することによって、前記水素バリア膜のみを加熱することができるため、前記酸化物強誘電体薄膜の結晶性を損なうことなく前記水素バリア膜の膜質を向上させることが可能となり、前記強誘電体薄膜キャパシタのプロセス劣化を防止することができるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子は、半導体基板上に下部電極、酸化物強誘電体薄膜および上部電極を順次積層して形成された強誘電体薄膜キャパシタと、この上に設けられた水素バリア膜とを含む強誘電体メモリ素子において、前記水素バリア膜の下部にマイクロ波帯の電磁波吸収体が配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記半導体基板にマイクロ波を照射することによって、前記水素バリア膜のみを加熱することができるため、前記酸化物強誘電体薄膜の結晶性を損なうことなく前記水素バリア膜の膜質を向上させることが可能となり、前記強誘電体薄膜キャパシタのプロセス劣化を防止することができるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子は、半導体基板上に下部電極、酸化物強誘電体薄膜および上部電極を順次積層して形成された強誘電体薄膜キャパシタと、この上に設けられた水素バリア膜とを含む強誘電体メモリ素子において、前記水素バリア膜中にマイクロ波帯の電磁波吸収体が分散されていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記半導体基板にマイクロ波を照射することによって、前記水素バリア膜のみを均一に加熱することができるという効果を有する。
本発明の強誘電体メモリ素子は、前記マイクロ波帯の電磁波吸収体がSiC,ZnOあるいはAlNのいずれかの材料をひとつ以上含有することを特徴とする。
上記構成によれば、前記半導体基板にマイクロ波を照射することによって、前記水素バリア膜のみをより短時間で効率よく加熱することができるため、前記水素バリア膜の膜質をさらに向上させることが可能となるという効果を有する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
はじめに図1をもちいて強誘電体薄膜素子の積層過程を模式的に説明する。
単結晶シリコン基板101上にスイッチングトランジスタ102となるMOSトランジスタ及び素子分離領域103を形成し、さらに層間絶縁膜としてボロン燐ドープシリコン酸化膜(BPSG)104を成膜した。
次にリソグラフィ工程により、コンタクトホール形成用のレジストパターンを形成後、ドライエッチング法によりコンタクトホールを開口した。ポリシリコン膜を堆積した後、燐をドーピングした。続けて化学的機械的研磨によりポリシリコン膜を研磨し、コンタクトホール内にポリシリコンプラグ105を形成した。
次に下電極とポリシリコンプラグ105とのバリアメタル層106として窒化チタン膜をスパッタリング法により成膜した。この上に下部電極として白金107を成膜した。以上の工程によって得られた積層構造を図1に示す。
白金107の上にスピンコート法によって鉛、ジルコニウムおよびチタンを含む有機溶液を塗布し、乾燥をおこなうことにより前駆体膜を得た。このスピンコートと乾燥の工程は前駆体膜が所望の膜厚に達するまで繰り返した。最後に550℃で1時間の酸素アニール処理を施すことにより、結晶性薄膜であるPb(Zr,Ti)O3(以下PZTと表記)108を得た。この上にスパッタリング法により上部電極として白金109を成膜した。
次に、下部電極、PZT薄膜および上部電極を所望サイズにパターニングすることによりPZT薄膜キャパシタを形成した。再度酸素雰囲気におけるアニール処理を施した後、このキャパシタ表面を被覆するように水素バリア膜として、TiOx薄膜110をスパッタリング法によって成膜した。さらに連続してSnO2薄膜をTiOx薄膜110の上に成膜した(図中には示さず省略)。
次に基板にマイクロ波を照射した。マイクロ波による加熱装置としては、特開平6−172012に記載されているような装置構成のものを用いることができる。周波数や加熱炉の構成は、被加熱対象に併せて最適化すればよく、本実施例においては発信周波数と電磁波出力はそれぞれ30GHz、20kWであった。TiOx薄膜110の表面温度をモニターしながら、最高温度700℃に到達したのち、この温度で5分間保持した。所定時間経過後、マイクロ波を遮断して基板を冷却した。
TiOx上にプラズマ化学気相成長法によりTEOS(Tetraethylorthosilicate)-SiO2膜111を堆積した。強誘電体薄膜キャパシタの上部電極と電気的コンタクトを得るための開口部を設けた後、金属配線112を形成した。得られた素子構造を図2に示す。これは特にスタック型と呼ばれ、メモリセルの高集積化にきわめて有利なメモリセル構造のひとつである(試料1)。
一方、比較のためTiOx薄膜110を成膜したあと、この上にSnO2薄膜を形成せずにマイクロ波照射をおこなってメモリセルを作製した(試料2)。
それぞれの作製方法で得られたメモリ素子の特性を比較することにした。ここでは強誘電体薄膜キャパシタの強誘電特性に注目することにした。上下電極間に適当な交流電圧を印加したとき、上下電極には印加電圧の大きさと向きに依存してある一定量の電荷が誘起される。この様子をモニターするため、横軸に印加電圧、縦軸に電荷量をプロットすると分極軸の反転に起因した強誘電体特有のヒステリシスループが得られる。電圧ゼロのときの分極量は残留分極量と称され、この値の大きいほど電荷量すなわち信号が大きく、読み出しに有利であるといえる。
図3はPZTキャパシタを形成した直後のヒステリシスループを示す。図4と図5にはそれぞれ試料1ならびに試料2で得られたヒステリシスループを示す。図から明らかなように、試料1ではPZTキャパシタ形成直後と比較して強誘電特性の劣化が少ない。一方、試料2ではヒステリシスループが細り、大幅な特性劣化の生じていることがわかる。両試料の製造工程の違いによって加工工程後に大きな特性差が現れることが明らかになった。すなわちTiOx薄膜110上のSnO2薄膜の有無に依存して、プロセス劣化の程度が大きく異なったと考えられる。
本実施例に記載した強誘電体メモリの作製方法においては、TEOS成膜工程において発生する水素がキャパシタの特性劣化を引き起こす大きな要因である。これを防止する目的で両試料ともに、強誘電体薄膜キャパシタの直上に水素バリア膜としTiOxて薄膜110を形成した。しかしながら試料2においては、TiOx薄膜110のバリア性能が不十分であり、水素が容易にキャパシタ内部に侵入したと考えられる。PZT薄膜が還元されることによって、本来の強誘電特性が大きく損なわれ、ヒステリシス特性は大幅な劣化を示した。一方、試料1では特性劣化は認められず、ほぼ初期同等である。
基板にマイクロ波を照射したとき、試料1においてはこれによって薄TiOx膜110の表面温度は700℃まで上昇していることがわかっている。これは主にTiOx110上のSnO2がマイクロ波を吸収して自己発熱したためである。その結果TiOx薄膜110が加熱され、その結晶性が劇的に向上したものと考えられる。また成膜段階ではアモルファス状態のTiOxも混在していると考えられるが、これも結晶性のにTiOx変化することが予想される。結晶性の向上したがTiOxがTEOS-SiO2成膜工程において発生する水素を遮断し、PZT薄膜内部への水素侵入を防止したものと考えられる。一方、試料2においては、マイクロ波を照射してもTiOx薄膜110の表面温度は100℃に満たない程度であることがわかっている。マイクロ波の吸収体が薄TiOx膜110上に配置されていないためであり、その結果、TiOx110は加熱されず、成膜された時点から膜質は変わっていない。水素バリア性能が不十分な状態のまま、TEOS-SiO2膜111が成膜されたため、PZT108の結晶性が大きく損なわれてしまった。
優れた水素バリア性能を有するTiOx薄膜を強誘電体薄膜キャパシタ上に形成することは、その後のプロセスに起因して発生する水素を遮断する上で極めて重要であり、そのためにはマイクロ波の照射によって表面にマイクロ波吸収体が配置されたTiOx薄膜を加熱することがきわめて有効であることがわかった。
実施例1においては、水素バリア膜として強誘電体キャパシタ上に形成したTiOx薄膜110をマイクロ波照射によって加熱した。本実施例においては、比較のためTiOx薄膜110の加熱をランプアニールによっておこなった。到達温度および保持時間は試料1のマイクロ加熱のときと同じとした。すなわち700℃まで昇温し、この温度にて5分間保持した。次に試料1と同様にTEOS-SiO2膜111を形成した。これを試料3とする。PZTキャパシタの強誘電特性をしらべたところ、図6に示されるようなヒステリシスループが得られた。
図4と比較すると明らかなように、試料3では強誘電特性の劣化が著しい。水素バリアとして形成したTiOx110を試料1と同様に加熱焼成したにも関わらず、TEOS-SiO2膜111成膜後に大きな特性劣化が認められる。TiOx薄膜110は、試料3においても加熱によって結晶性が向上し、水素バリア性能が強化されていることに変わりないはずであるが、結果は期待と大きく矛盾している。要因は加熱方法の違いと考えられる。
試料1と試料3とで加熱時における基板温度をモニターすることにした。今度はTiOx薄膜110表面の温度と同時に、基板裏面の温度も測定した。基板裏面の温度測定結果を図7に示す。
図7から明らかなように、試料1においては基板の最高到達温度は100℃に満たない。これは材料によって異なるマイクロ波の吸収特性に依存した結果と考えられる。基板であるシリコンは、照射したマイクロ波に対しては吸収がわずかであり、そのためマイクロ波照射を継続しても基板温度は高くならない。一方、TiOx薄膜は、この上に配置されたSnO2によるマイクロ波吸収によって効率よく加熱される。さらにマイクロ波はTiOxを透過してPZTキャパシタの上部電極109に達するが、上部電極109は導電性材料である白金であり、この表面にて反射されてしまう。したがって上部電極109を透過してその下のPZT108を加熱することはない。その結果、マイクロ波を基板に照射した場合、TiOx薄膜110は高温に加熱される反面、基板とこの上のPZTキャパシタは温度上昇しないという特徴的な現象が生じる。
PZT108は実施例1で記載のとおり、550℃で結晶化されているため、これより高温に加熱されることは結晶性の劣化を招く。PZT構成元素のうち蒸気圧の高い鉛が蒸発し、このとき酸素も一緒に抜けるためである。これに伴ってPZT本来の分極量が得られなくなってしまう。すなわちメモリ素子としての性能は著しく損なわれる。したがって、PZTキャパシタ形成以降は、高温における基板処理は好ましくなく、その点、マイクロ波照射は、PZT108の温度上昇を防止しつつ、所望の温度で水素バリアであるTiOx110を昇温することができるため、きわめて有効な加熱方法であるといえる。
一方、図7から明らかなように、試料3に適用した従来のランプ加熱では、基板裏面も700℃まで温度上昇している。TiOx110の結晶性が加熱によって向上し、水素バリア性能が強化された反面、この段階においてPZTの結晶性が損なわれた。その結果、TEOS-SiO2成膜後も所望特性が得られなかったと考えられる。
PZT108の結晶性を損なうことなく、TiOx薄膜110の水素バリア性能を向上させる手段として、マイクロ波照射がきわめて有効な手段であることが明らかになった。
はじめにクロスポイント型強誘電体メモリ素子の構造を説明する。
図8は、強誘電体メモリ素子を模式的に示す平面図であり、図9は、図1のA−A線に沿って強誘電体メモリ装置の一部を模式的に示す断面図である。
強誘電体メモリ素子1000は、メモリセルアレイ100と、周辺回路部200とを有する。そして、メモリセルアレイ100と周辺回路部200とは、異なる層に形成されている。周辺回路部200は、メモリセルアレイ100の外側の領域において形成されている。具体的には、周辺回路部の形成領域A200は、メモリセルアレイの形成領域A100の外側の領域において設けられている。この例では、下層に周辺回路部200が、上層にメモリセルアレイ100が形成されている。周辺回路部200の具体例としては、Yゲート、センスアンプ、入出力バッファ、Xアドレスデコーダ、Yアドレスデコーダまたはアドレスバッファを挙げることができる。
メモリセルアレイ100は、行選択のための下部電極(ワード線)12と、列選択のための上部電極(ビット線)16とが直交するように配列されている。すなわち、X方向に沿って下部電極12が所定ピッチで配列され、X方向と直交するY方向に沿って上部電極16が所定ピッチで配列されている。なお、下部電極12がビット線、上部電極16がワード線でもよい。
メモリセルアレイ100は、図9に示すように、第1層間絶縁層10の上に第1水素バリア膜40を挟んで設けられている。具体的にはメモリセルアレイ100は、第1層間絶縁層10上に、第1水素バリア膜40を挟んで、下部電極12、強誘電体キャパシタを構成する強誘電体層14、中間電極18および上部電極(上電極)16が積層されて構成されている。強誘電体層14および中間電極18は、下部電極12と上部電極16との交差領域に設けられている。すなわち、下部電極12と上部電極16との交差領域において、メモリセルが構成されている。
ここでメモリセル領域の下部には設けられた第1水素バリア膜40は、後工程において発生した水素が基板側から下部電極方向へ浸透してきたとき、これを遮断する役割を果たす。このことによって、メモリセル領域において、下電極側から浸透してきた水素が強誘電体層14へ到達して、強誘電体層14を還元劣化するのを防止することができる。第1水素バリア膜40の材料としてはアルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、マグネシウムあるいはタンタルの酸化物を挙げることができる。単元素の酸化物のみならず、これらの酸化物を二つ以上含有する複合酸化物であってもよい。いずれの場合も優れた水素バリア機能を期待できる。本実施例においてはアルミニウムの酸化物(AlOx)をもちいた。
また、少なくともメモリセルアレイ100の全面を覆うように、第2水素バリア膜42が形成されている。第2水素バリア膜42を形成することにより、第2水素バリア膜42の形成後の工程(たとえばパシベーション膜形成工程)で発生する水素によって、強誘電体キャパシタ20の強誘電体層14が還元されるのを抑えることができる。ここで第一水素バリア膜40、あるいは第2水素バリア膜42の材質は、絶縁性を有し、かつ、水素バリア機能を有すれば特に限定されない。特に優れた水素バリア性能を有する材料として、前述の第1水素バリア膜40と同じく、アルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、マグネシウムあるいはタンタルの酸化物を挙げることができる。単元素の酸化物のみならず、これらの酸化物を二つ以上含有する複合酸化物であってもよい。本実施例においてはアルミニウムの酸化物(AlOx)をもちいた。
第2水素バリア膜42は、周辺回路部の形成領域A200には、形成されていないことができる。これにより、メモリセルアレイ100における強誘電体層16が水素により還元されるのを抑えつつ、周辺回路部200を水素により回復することができる。
第1保護層36と、第2保護層38との間には、第3水素バリア膜44が形成されている。第3水素バリア膜44は、少なくともメモリセルアレイ領域A100に形成されることができる。第3水素バリア膜44を形成することにより、第3水素バリア膜44の形成後の工程(たとえばパシベーション膜形成工程)で発生する水素によって、メモリセルアレイ100における強誘電体層16が水素により還元されることをより確実に抑えることができる。第3水素バリア膜44の材質は、水素バリア機能を有すれば特に限定されず、絶縁性であっても非絶縁性であってもよい。第3水素バリア膜44が絶縁性の材質からなる場合には、第3水素バリア膜44の材質は、第2水素バリア膜42の材質で例示したものをとることができる。また、第3水素バリア膜44が導電性の材質からなる場合には、第3水素バリア膜44の材質としては、チタン、酸化イリジウム、窒化チタン、アルミニウム、を挙げることができる。本実施例においてはアルミニウムの酸化物(AlOx)をもちいた。
また、第3水素バリア膜44は、周辺回路領域A200には形成されていないことができる。これにより、メモリセルアレイ100における強誘電体層16が水素により還元されるのを抑えつつ、周辺回路部200を水素により回復することができる。
周辺回路部200は、図8に示すように、前記メモリセルに対して選択的に情報の書き込みもしくは読み出しを行うための各種回路を含み、例えば、下部電極12を選択的に制御するための第1駆動回路50と、上部電極34を選択的に制御するための第2駆動回路52と、センスアンプなどの信号検出回路(図示せず)とを含む。
また、周辺回路部200は、図9に示すように、半導体基板210上に形成されたMOSトランジスタ212を含む。MOSトランジスタ212は、ゲート絶縁層212a,ゲート電極212bおよびソース/ドレイン領域212cを有する。各MOSトランジスタ212は素子分離領域214によって分離されている。MOSトランジスタ212が形成された半導体基板210上には、第1層間絶縁層10が形成されている。そして、周辺回路部200とメモリセルアレイ100とは、第1配線層80によって電気的に接続されている。
次に、強誘電体メモリ素子1000における書き込み,読み出し動作の一例について述べる。
まず、読み出し動作においては、選択セルのキャパシタに読み出し電圧「V0」が印加される。これは、同時に‘0’の書き込み動作を兼ねている。このとき、選択されたビット線を流れる電流またはビット線をハイインピーダンスにしたときの電位をセンスアンプにて読み出す。このとき、非選択セルのキャパシタには、読み出し時のクロストークを防ぐため、所定の電圧が印加される。
書き込み動作においては、‘1’の書き込みの場合は、選択セルのキャパシタに「−V0」の電圧が印加される。‘0’の書き込みの場合は、選択セルのキャパシタに、該選択セルの分極を反転させない電圧が印加され、読み出し動作時に書き込まれた‘0’状態を保持する。このとき、非選択セルのキャパシタには、書き込み時のクロストークを防ぐため、所定の電圧が印加される。
上述の素子構造において、水素バリア膜は第1水素バリア膜40、第2水素バリア膜42ならびに第3水素バリア膜44である。本実施例においては、いずれも材料としてAlOxをもちいている。これらの水素バリア膜に対しても、実施例1に記載した方法と同様な方法でマイクロ波照射による加熱をおこなった。以下にその手順を図9に示した素子の断面構造に基づいて説明する。
第1層間絶縁層形成後、はじめに第1水素バリア膜40が成膜される。成膜手法としてターゲットとしてメタルアルミニウムをもちいたRFスパッタリング法を適用した。投入RFパワーや基板温度によって膜質は変わるが、成膜後の加熱が均一におこなわれるようにアモルファス状態で形成するのが望ましい。部分的に結晶化した状態では、マイクロ波の照射時に部分的に局所加熱され、クラック等の機械的な破壊を招く可能性がある。
放電ガスはアルゴンと酸素の混合ガスを主成分として、これに微量の窒素を混ぜた。窒素の微量添加によって、成膜されたAlOx中にはAlNも混入される。その混入量は放電ガス中の窒素分圧に依存し、任意に調整できる。AlOx自体はマイクロ波にたいしてほぼ透明であるため、吸収による発熱量は大きくない。一方、このAlNはマイクロ波を吸収して自己発熱し、これによってAlOxが加熱される。
AlOx中におけるAlNの分布は上述のスパッタガスを調整することで任意に調節できる。最初から窒素を添加した場合は、膜中に均一にAlNが分布する。したがってAlNのマイクロ波吸収によって膜全体が均一に加熱される。成膜初期段階のみ窒素を添加すると、AlOx膜の下部領域にのみAlNが混在する。この場合は、AlOx膜の下部から加熱され、下地の結晶構造を反映してAlOxの結晶化を所望の結晶方位に進行させることができる。逆に成膜後半にのみ窒素を添加すると、AlOx膜の上部領域にのみAlNが混在する。この場合は、AlOx膜の表面から加熱されるため、強誘電体キャパシタ側への熱伝播が抑制され、熱ダメージを防止する上では都合が良い。
次に基板にマイクロ波を照射した。マイクロ波の周波数を2.45GHz、出力を100kWとした。成膜段階においてAlOxはアモルファス状態であり、X線回折法によってピークは観測されない。マイクロ波の照射によって、少なくともAlOx由来の回折ピークが観測される程度まで結晶化を進行させた。次にメモリセル以外の領域はエッチングによって第1水素バリア膜が除去される。第1水素バリア膜が残される領域は図8に示されるように、上部電極16と下部電極12が交差して形成される強誘電体キャパシタのエリアのみとなる。
次に下部電極12、強誘電体層14を積層し、これを所定ピッチにてストライプ状にパターニングした。このストライプと直交するように中間電極18を介して所定ピッチでストライプ状に形成された上部電極16を形成した。
次に第2水素バリア膜42を前記第1水素バリア膜40と同様な手法で成膜した。さらに前記第1水素バリア膜40にたいする方法と同様な条件でマイクロ波による加熱をおこない、第2水素バリア膜42の結晶化をおこなった。結晶化後は、第1水素バリア膜40と同じエリアを残して、周辺をエッチングにより除去した。
次に第1保護層36を形成し、所望位置にコンタクトホールを開口したあと、ここに配線材料を堆積した。パターニングによって配線層80を形成し、メモリセルアレイ100と周辺回路部200とを接続した。
次に第3水素バリア膜44を前記第1水素バリア膜40と同様な手法で成膜した。さらに前記第1水素バリア膜40にたいする方法と同様な条件でマイクロ波による加熱をおこない、第3水素バリア膜44の結晶化をおこなった。結晶化後は、第1水素バリア膜40と同じエリアを残して、周辺をエッチングにより除去した(試料4)。
一方比較のため、従来法によって試料作製をおこなった。すなわちここでは水素バリア膜の材料、積層位置は試料4と同じとし、マイクロ波の照射をおこなわないで試料を作製した(試料5)。
第2保護層38を形成したあと、それぞれの試料でメモリセルアレイ100の特性をしらべた。試料4ならびに試料5で得られた結果をそれぞれ図10と図11に示す。図から明らかなように、試料4の強誘電特性はプロセス後も初期同等であるにもかかわらず、試料5では大幅な性能劣化の生じていることがわかる。
本発明のメモリ素子構造においても、第一保護層36あるいは第二保護層38の形成時に発生する水素は、強誘電体層14を還元劣化させる原因となり得る。たとえば第一保護層の材料はTEOS-SiO2膜であり、第二保護層38の材料はSiNである。いずれの成膜過程においても、原料分解の過程で高濃度の水素が副生成物として発生する。これが強誘電体層14まで到達するのを防ぐためには、第1水素バリア膜40、第2水素バリア膜42および第3水素バリア膜44等の水素バリア膜を形成する必要があるが、試料5のようにas-depoのままではバリア性能が不十分であった。一方、試料4で実施したように、水素バリア膜を形成したあと、マイクロ波照射によって水素バリア膜を加熱することがその膜質向上すなわち水素バリア性能の向上にきわめて有効であることがわかった。
なお、本発明の試料4においてはそれぞれの水素バリア膜42、44、46に対するマイクロ波照射は、水素バリア膜42、44、46をパターニングしたあとに実施した。これはマイクロ波照射前の方が、パターニングし易いためである。マイクロ波照射後においては、エッチング条件を最適化することによってパターニング可能であれば、順序はどちらでも良い。
次に本実施例における試料4の強誘電体メモリ素子構成において、マイクロ波の照射方法を図面をもちいて説明する。まず基板面の定義として、強誘電体層14を形成する面を表面、反対側を裏面とする。
図12から図14は図9におけるメモリセルアレイ領域Aの形成過程を順を追って示す図である。
図12は第1水素バリア膜40を形成後、下部電極12を成膜してパターニングした後の状態を模式的に示す図である。第一水素バリア膜の加熱すなわち改質を目的としたマイクロ波照射は下電極12成膜前であれば、基板裏面からであっても基板表面からであっても良い。下部電極12を成膜後、あるいはさらにパターニング後であれば、基板裏面からおこなう必要がある。基板表面からマイクロ波を照射しても、下部電極12が導電性の金属であるためこれの表面で反射され、内部へは浸入しない。したがって下部電極12の下部に配置された第一水素バリア膜にマイクロ波が到達しない。
図13は強誘電体メモリセルアレイ100を形成したあと、第2水素バリア膜42を形成した後の状態を模式的に示す図である。第2水素バリア膜の加熱すなわち改質を目的としたマイクロ波照射は基板表面側から実施する。
図14は第2保護膜38形成前における素子の断面図を模式的に示す図である。第3水素バリア膜44の加熱すなわち改質を目的としたマイクロ波照射は基板表面側から実施する。図15は第二保護層形成後の完成図である。
上記第1水素バリア膜40、第2水素バリア膜42および第3水素バリア膜44中におけるマイクロ波吸収体(AlN)の配置について図16から図18をもちいて説明する。たとえば水素バリア膜として第一水素バリア膜40を例に挙げる。第一水素バリア膜40中におけるAlN400の配置としては図16に示されるように、AlOxの下部領域に配置することができる。これはスパッタ成膜の初期段階においてガスの主成分としてアルゴンと窒素の混合ガスを使用することによっておこなわれる。また、図17に示されるように、AlN400はAlOxの表面付近のみ配置することができる。これはスパッタ成膜の最終段階においてガス成分を主にアルゴンと窒素の混合ガスに切り替えることによっておこなわれる。また、図18に示されるようにAlN400は、AlOx中に均一に分散させることができる。これはスパッタ成膜中、ガスとして常にアルゴンと酸素および窒素の混合ガスをもちいることでおこなわれる。第二水素バリア膜42ならびに第3水素バリア膜44についても第一水素バリア膜40と同様にAlN400を配置することができる。
実施例3においては、第1水素バリア膜40、第2水素バリア膜42および第3水素バリア膜44の材料として、アルミニウムの酸化物(AlOx)をもちいた。AlOxの代わりにチタンの酸化物(TiOx),ハフニウムの酸化物(HfOx),ジルコニウムの酸化物(ZrOx),マグネシウムの酸化物(MgO),あるいはタンタルの酸化物(Ta25)を適用して、同様な評価をおこなった。第二保護層38形成後のメモリセルアレイの特性を評価したところ、AlOxをもちいたときと同様のヒステリシスループが得られた。すなわち、いずれの酸化物ともにAlOxと同等の優れた水素バリア性能を発揮することがわかった。
また、水素バリア膜の材料だけではなく、マイクロ波吸収体としてもいくつかの材料をもちいることができる。実施例1においてはマイクロ波の吸収体としてSnO2をもちいた。また実施例3においてはAlNをもちいた。本実施例においては代わりにZnOあるいはSiCを適用しても、同様なマイクロ波の吸収効果が得られた。すなわち水素バリア膜として適用したTiOx(実施例1)あるいはAlOx(実施例3)がマイクロ波の照射によって加熱され、その膜質が向上することによって優れた水素バリア性能を発現した。
実施例1に記載の試料1の断面を模式的に示す図。 実施例1に記載の試料1の断面を模式的に示す図。 実施例1において素子の初期の強誘電特性を示す図。 試料1の強誘電特性を示す図。 試料2の強誘電特性を示す図。 試料3の強誘電特性を示す図。 試料1ならびに試料3で測定した基板裏面の温度推移を示す図。 実施例3に記載のクロスポイント型強誘電体メモリ素子の平面図。 実施例3に記載のクロスポイント型強誘電体メモリ素子の断面図。 試料4の強誘電特性を示す図。 試料5の強誘電特性を示す図。 実施例3に記載のクロスポイント型強誘電体メモリ素子においてメモリセルアレイ領域の一作製工程を示す図。 実施例3に記載のクロスポイント型強誘電体メモリ素子においてメモリセルアレイ領域の一作製工程を示す図。 実施例3に記載のクロスポイント型強誘電体メモリ素子においてメモリセルアレイ領域の一作製工程を示す図。 実施例3に記載のクロスポイント型強誘電体メモリ素子においてメモリセルアレイ領域の一作製工程を示す図。 水素バリア膜中におけるマイクロ吸収体の配置形態を模式的に表す図。 水素バリア膜中におけるマイクロ吸収体の配置形態を模式的に表す図。 水素バリア膜中におけるマイクロ吸収体の配置形態を模式的に表す図。
符号の説明
101.シリコン基板
102.スイッチングトランジスタ
103.素子分離領域
104.層間絶縁膜
105.ポリシリコンプラグ
106.バリアメタル層
107.白金
108.SBT薄膜
109.白金
110.TiOxとSnO2の積層酸化膜
111.SiO2
112.金属配線
10 第1層間絶縁層
12 下部電極
14 強誘電体層
16 上部電極
18 中間電極層
36 第1保護層
38 第2保護層
40 第1水素バリア膜
42 第2水素バリア膜
44 第3水素バリア膜
50 第1駆動回路
52 第2駆動回路
70 絶縁層
72 第1絶縁層
400 マイクロ波吸収体であって、実施例3においてはAlN
500 マイクロ波の照射形態を模式図
100 メモリセルアレイ
110 半導体基板
212 MOSトランジスタ
212a ゲート絶縁層
212b ゲート電極
212c ソース/ドレイン領域
214 素子分離領域
200 周辺回路部
1000 強誘電体メモリ素子

Claims (15)

  1. 1)半導体基板上に、下部電極、酸化物強誘電体薄膜、上部電極を順次成膜して積層膜を形成する工程、2)前記積層膜をパターニングして強誘電体薄膜キャパシタを形成する工程、3)前記強誘電体薄膜キャパシタ上に水素バリア膜を成膜する工程、および4)前記水素バリア膜をパターニングする工程を含む強誘電体メモリ素子の製造方法において、前記3)工程の後に前記半導体基板にマイクロ波を照射することによって前記水素バリア膜を加熱することを特徴とする強誘電体メモリ素子の製造方法。
  2. 1)半導体基板上に、下部電極、酸化物強誘電体薄膜、上部電極を順次成膜して積層膜を形成する工程、2)前記積層膜をパターニングして強誘電体薄膜キャパシタを形成する工程、3)前記強誘電体薄膜キャパシタ上に水素バリア膜を成膜する工程、および4)前記水素バリア膜をパターニングする工程を含む強誘電体メモリ素子の製造方法において、前記4)工程の後に前記半導体基板にマイクロ波を照射することによって前記水素バリア膜を加熱することを特徴とする強誘電体メモリ素子の製造方法。
  3. 前記マイクロ波の照射が、前記半導体基板の表面側からおこなわれることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の強誘電体メモリ素子の製造方法。
  4. 前記水素バリア膜としてアルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、マグネシウムあるいはタンタルのいずれかの元素をひとつ以上含有する酸化物をもちいることを特徴とする請求項1から請求項3に記載の強誘電体メモリ素子の製造方法。
  5. 前記水素バリア膜に前記マイクロ波の吸収体が含有されていることを特徴とする請求項1から請求項4に記載の強誘電体メモリ素子の製造方法。
  6. 前記マイクロ波の吸収体は前記水素バリア膜中に均一に分散されていることを特徴とする請求項1から請求項4に記載の強誘電体メモリ素子の製造方法。
  7. 前記マイクロ波の吸収体は前記水素バリア膜の表面に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4に記載の強誘電体メモリ素子の製造方法。
  8. 前記マイクロ波の吸収体は前記水素バリア膜の下に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4に記載の強誘電体メモリ素子の製造方法。
  9. 前記マイクロ波の吸収体として、SiC,ZnO、AlNあるいはSnO2のいずれかをもちいることを特徴とする請求項5から請求項8に記載の強誘電体メモリ素子の製造方法。
  10. 前記マイクロ波が2GHzから30GHzの範囲の単一波長であることを特徴とする請求項1から請求項9に記載の強誘電体メモリ素子の製造方法。
  11. 前記3)工程において前記水素バリア膜はアモルファス状態であることを特徴とする請求項1から請求項10に記載の強誘電体メモリ素子の製造方法。
  12. 半導体基板上に下部電極、酸化物強誘電体薄膜および上部電極を順次積層して形成された強誘電体薄膜キャパシタと、この上に設けられた水素バリア膜とを含む強誘電体メモリ素子において、前記水素バリア膜の表面にマイクロ波帯の電磁波吸収体が配置されていることを特徴とする強誘電体メモリ素子。
  13. 半導体基板上に下部電極、酸化物強誘電体薄膜および上部電極を順次積層して形成された強誘電体薄膜キャパシタと、この上に設けられた水素バリア膜とを含む強誘電体メモリ素子において、前記水素バリア膜の下部にマイクロ波帯の電磁波吸収体が配置されていることを特徴とする強誘電体メモリ素子。
  14. 半導体基板上に下部電極、酸化物強誘電体薄膜および上部電極を順次積層して形成された強誘電体薄膜キャパシタと、この上に設けられた水素バリア膜とを含む強誘電体メモリ素子において、前記水素バリア膜中にマイクロ波帯の電磁波吸収体が分散されていることを特徴とする強誘電体メモリ素子。
  15. 前記マイクロ波帯の電磁波吸収体がSiC,ZnOあるいはAlNのいずれかの材料をひとつ以上含有することを特徴とする請求項12から請求項14記載の強誘電体メモリ素子。
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