本発明の一実施形態について図1ないし図14に基づいて説明すると以下の通りである。
本実施形態に係る写真撮影プリント装置1は、利用者の写真を撮影する機能(撮影機能)、撮影した写真に対して落書きなどの編集を利用者に行わせる機能(編集機能)、及び編集された画像をプリントする機能(プリント機能)を備えているものである。
(写真撮影プリント装置の外観的構成)
まず、図2〜図4を参照しながら、写真撮影プリント装置1の外観について説明する。図2は、本実施形態に係る写真撮影プリント装置1を上方から見た際の平面図である。同図に示すように、写真撮影プリント装置1は、利用者を被写体として撮影するカメラユニット(撮影手段)2を備える本体装置3、被写体の背景となる背景シート4とを備えている。本体装置3から背景シート4までの周囲および上部は、外部からの光を遮断する遮光幕によって覆われ、これにより利用者の写真撮影が行われる撮影空間5が形成されている。さらに、写真撮影プリント装置1は、利用者に編集を行わせる編集領域6および事後接客領域7を備えている。なおここでは、撮影空間5と編集領域6と事後接客領域7とが別に設けられているが、何れか2つが1つになっていても、全てが1つになっていてもかまわない。
(撮影空間の構成)
図3は、写真撮影プリント装置1における撮影空間5側における斜視図である。なお、以下で示す撮影空間の構成は、あくまで一実施例であり、被写体の撮影を行うことが可能な構成であればどのような構成であっても構わない。
同図に示すように、装置本体3には、撮影空間5側において、カメラユニット2、撮影処理用タッチパネル(画像表示部)8、硬貨投入口9が備えられている。また、撮影空間5内には、被写体を照明する照明装置として、蛍光灯、ストロボランプ、反射板(これらは装置本体3内に設置されているため、図示せず)、および拡散板11・11が配備される。また、図示はしないが、ガイダンス音声、BGMなどの音声を出力するスピーカが、装置本体3、撮影空間5内、編集空間6内、および事後接客領域7内などに配備されている。
撮影処理用タッチパネル8は、例えば液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイやCRT(cathode ray tube)等の表示面にタッチセンサを設けて構成されている。この撮影処理用タッチパネル8には、撮影処理における各種メッセージや画像などが表示される。具体的には、撮影処理用タッチパネル8には、デモ画面、オープニング画面、課金処理指示画面、撮影処理における各種操作内容等が表示される。また、撮影処理用タッチパネル8には、撮影時の撮影画面などいわゆるライブビュー画像が表示される。これにより、カメラユニット2に向かって撮影ポーズをとる利用者は、リアルタイムで自身の姿を視認することができ、自身のポーズを確認しながら、撮影処理を行うことができる。
なお、撮影処理用タッチパネル8とは別に、ライブビュー画像を表示させるための表示手段を設けた構成としてもよい。
硬貨投入口9は、利用者がプレイ料金として所定金額の硬貨を投入するための投入口である。硬貨返却口10は、釣り銭が生じた場合や、硬貨が投入された後でリセットされた場合に、硬貨を利用者に対して返却するための返却口である。また、装置本体3の内部には、利用者から徴収した硬貨を蓄積する硬貨容器(図示せず)が設けられている。
蛍光灯は、撮影時の照明として機能するとともに、通常時の撮影空間の照明としても機能する。具体的には、蛍光灯は、撮影時にカメラユニット2が撮影するライブビューにおける光量、つまり、利用者が撮影の構図やポーズを考えている期間の光量を確保する。それとともに、例えば、「きれいな写真がとれそう」という印象を利用者に与えるといったような、照明による撮影空間の演出を行う。蛍光灯は、本体装置3内において、カメラユニット2の両側に配備される。
ストロボランプは、撮影時の写真閃光灯として機能するものであり、本体装置3内において、カメラユニット2の両側に配備される。
反射板は、蛍光灯やストロボランプからの光を前方に反射させるためのものであり、光を拡散板11・11の方向に導くように設置される。反射板は、その反射面がステンレス等から構成され、形状としては、拡散板11・11に光を集められるような形状であればいよい。
拡散板11・11は、反射板にて反射された光を拡散して撮影空間に出射させるためのものである。拡散板11・11は、例えば、薄い乳白色のアクリル板などによって構成されている。形状としては、本実施形態では、発光面が略平面状となっており、また、鉛直方向に長い長方形である。
なお、必要に応じて、照明装置16からの光量が変化したり、照明方向が変更したりするようになっていてもよい。
スピーカは、利用者に対して各種操作上のガイダンス音声や効果音、BGM(back ground music)などを出力するものである。
背景シート4は、撮影の背景を演出するものである。なお、背景シート4は、切り替え可能に構成されていてもよい。つまり、撮影処理時において、撮影における背景を利用者の好みに応じて演出でききるよう、背景シート4を切り替えることができるようになっていてもよい。この場合、背景シート4として、例えば様々な色、あるいは様々な絵柄や模様のカーテンを複数枚背景となる位置に用意しておき、これらを切り替えることによって、利用者の好みに応じた背景を演出することを可能とする背景演出装置31(図示せず)が設けられることになる。この背景演出装置31は、モータによって機械制御によって切り替え可能なモータ式カーテン31aを備えた構成となっていてもよいし、利用者がめくったりスライドさせたりすることによって切り替え可能な手動式カーテン31bを備えた構成となっていてもよい。
(編集空間、事後接客領域の構成)
図4は、写真撮影プリント装置1における編集領域6側における斜視図である。なお、以下で示す編集空間および事後接客領域の構成は、あくまで一実施例であり、利用者が撮影画像に対して編集を行うことが可能な構成、および、利用者に対して出力されたプリントを提供することが可能な構成であればどのような構成であっても構わない。
同図に示すように、装置本体3には、編集領域6側において、編集処理用タッチパネル(画像表示部)12、およびタッチペン13a・13bが設けられている。加えて、装置本体3には、事後接客領域7側の側面において、事後接客用タッチパネル14、および撮影後のプリントが排出されるプリント排出口15が設けられている。
編集処理用タッチパネル12は、装置本体3の編集領域6側に設けられており、例えば液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイやCRT等の表示面にタッチセンサを設けて構成されている。編集処理用タッチパネル12は、落書きなどの編集処理における各種メッセージや画像などを表示する。具体的には、編集処理用タッチパネル12には、落書きなどの画像編集処理時における編集対象の画像および各種編集ツールなどが表示される。
そして、編集処理用タッチパネル12の近傍(図4では編集処理用タッチパネル12の左右)には、タッチペン13a・13bが備えられている。利用者は、このタッチペン13a・13bを編集処理用タッチパネル12に接触させることによって、処理の進行に応じて表示されるボタンを選択したり、落書きなどの画像描画を行ったりすることが可能となる。ここで、図4に示すように、装置本体3には、タッチペン13a・13bが、2つ設置されていることにより、2人の利用者が同時に落書き処理などを入力することができる。
あるいは、装置本体2には、編集処理用タッチパネル12a・12bおよびタッチペン13a・13bが2組並設されていてもよい。この場合に、2つの編集処理用タッチパネル12a・12bにそれぞれに表示された撮影画像に、2人の利用者が同時に落書き処理などを入力することができる。なお、このように編集処理用タッチパネル12a・12bが2つあり、異なる画像をそれぞれ表示させることができると、利用者は、別々の画像に対して落書き処理などを入力することもできる。また、落書き処理において、一方の編集処理用タッチパネル12aから入力された落書き処理を他方の編集処理用タッチパネル12bに反映される反映処理や落書き可能範囲を制限する処理などが行われるようになっていてもよい。
なお、編集処理用タッチパネル12近傍にスピーカを設けておき、利用者に編集作業の指示等を与える音声を出力できるようになっていると好ましい。また、編集処理用タッチパネル12近傍に蛍光灯が設けられていると、編集領域6を明るく照らすことができるため好ましい。また、編集領域6には、専用の囲い、例えば、カーテンが設けられていてもよい。このようなカーテンを設けることにより、他人に編集作業を覗かれることがない。そのため利用者は、落ち着いて編集作業を行うことができる。
事後接客用タッチパネル(画像表示部)14は、装置本体3の事後接客領域7側に設けられており、例えば液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイやCRT(cathode ray tube)等の表示面にタッチセンサを設けて構成されている。事後接客用タッチパネル14は、プリント処理を待つ利用者に対して、何らかの情報を表示する機能を実現するものである。
なお、事後接客用タッチパネル14近傍にもスピーカを設けておき、利用者に事後接客のための音声を出力できるようになっていると好ましい。また、事後接客用タッチパネル14近傍に蛍光灯が設けられていると、事後接客領域7を明るく照らすことができるため好ましい。また、事後接客領域7に、専用の囲い、例えば、カーテンが設けられていると好ましい。専用の囲いがあると、他人に事後接客用タッチパネル12上の画面を覗かれることがないため、利用者は、落ち着いて画面を見たり、事後接客領域7での作業を落ち着いて行うことができる。ただし、事後接客用タッチパネル14は、本発明においては必須の構成ではなく、設けられていなくてもよい。
プリント排出口15は、撮影処理および編集処理を終えた後に、後述のプリンタによってプリントされた写真プリントが排出される箇所である。このプリンタは、装置本体3の内部における事後接客領域7側に配置されており、編集作業を終了すると、利用者は、事後接客領域7に移動して写真プリントを取り出すことになる。
このような構成の写真撮影プリント装置1によれば、撮影処理を行う撮影空間5と編集処理を行う編集領域6と事後接客領域7とが分離されているため、撮影空間5と編集領域6と事後接客領域7とにおいて三重に接客することが可能となり、利用者の回転率を高めることが可能となっている。
なお、撮影空間5と編集領域6と事後接客領域7とが分離されていなくてもかまわない。また、タッチパネルも3カ所にあるが、例えば、1つのタッチパネルで、撮影処理、編集処理、事後接客処理における表示が全て行われてもよい。あるいは、2カ所にタッチパネルがあり、撮影処理、編集処理、事後接客処理における表示の何れか2つが同じタッチパネルで行われるようになっていてもよい。
また、写真撮影プリント装置1には、撮影空間5に利用者がいることを撮影空間5の外に向けて表示するためのランプ等が外側に設けられていてもかまわない。また、撮影空間5、編集領域6、事後接客領域7に荷物置スペースや荷物掛けフック等が設けられていると、利用者は荷物を視界内に入れることができるので、置き引きを防止することができる。なお、上記設置物の設置位置は特に限定されない。
(写真撮影プリント装置の機能的説明)
次に、上記写真撮影プリント装置1の機能的な構成について、図6に示すブロック図を参照しながら説明する。同図に示すように、写真撮影プリント装置1は、前記したカメラユニット2、撮影処理用タッチパネル8、編集処理用タッチパネル12、事後接客用タッチパネル14、照明装置16、および背景演出装置31に加えて、制御装置20、記憶装置30、電源装置32、課金処理部33、IDタグリーダ/ライタ34、プリンタ(画像出力部)35、およびプリント紙ユニット40を備えている。
なお、図6において、編集処理用タッチパネル12が備える表示部12aは、編集処理用タッチパネル12における表示部に相当するものであり、入力部(入力手段)12bは、編集処理用タッチパネル12におけるタッチパネルに相当するものである。同様に、撮影処理用タッチパネル8および事後接客用タッチパネル14における表示部8a・14a、入力部8b・14bも、それぞれの表示部および入力部に相当するものである。
電源装置32は、写真撮影プリント装置1が備える各種構成に対して電力供給を行うためのものである。
課金処理部33は、硬貨投入口9からの代金投入、及び硬貨返却口10からの返却処理などを制御するものであり、利用者から徴収する課金に関する処理を行うブロックである。課金処理部33による課金状況に応じて、制御装置20が該当利用者に対する動作を制御する。
IDタグリーダ/ライタ34及びプリンタ35は、プリンタユニットを構成しており、このプリンタユニットに対して、写真プリントの出力媒体となるプリント紙(プリント媒体)42及びIDタグ41がプリント紙ユニット40としてセットで納入されるようになっている。
プリンタ35は、出力すべき画像データが制御装置20から送られてくると、その画像データに基づいてプリント紙42に印刷を行うものである。このプリンタ35としては、例えば昇華型プリンタが用いられる。なお、昇華型プリンタを用いる場合には、プリント紙42及びIDタグ41に加えて、昇華型用インクフィルムがセットとなって納入されることになる。
IDタグリーダ/ライタ34は、IDタグ41に記録されている各種識別情報を読み出して制御装置20に出力する。IDタグ41は、メモリ機能を有するICチップなどによって構成されるものである。上記識別情報としては、固有ID、用紙枚数、用紙種類、及び、インク固有の色情報(インクフィルムがセットとなっている場合)などが挙げられる。
制御装置20は、IDタグリーダ/ライタ34で読み取った識別情報に基づいて、装着されたプリント紙42及びインクフィルムが、当該写真撮影プリント装置1において利用可能なものであるかを判定し、利用可能である場合にのみプリンタ35を動作可能とする。すなわち、写真撮影プリント装置1において指定されているプリント紙42及びインクフィルム以外は使用できないように設定されていることになる。
また、IDタグ41に記録されている用紙枚数情報に基づいて、プリント紙42を使用するごとに用紙枚数をカウントダウンしていくことによって、残りの用紙枚数を把握することが可能となる。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた際に、これを表示手段などによって警告するような構成としておけば、利用者の利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となる。なお、用紙枚数をカウントダウンする際には、IDタグ41に記録されている用紙枚数情報も書き換えるようにする。これにより、用紙を使い切った場合には、IDタグ41に記録されている用紙枚数情報も0となり、このIDタグ41を無効にすることが可能となる。
また、IDタグ41に記録されている用紙種類情報や、インク固有の色情報を読み出すことによって、これらを考慮して画像データの色成分などを補正することにより、その用紙やインクフィルムに的確な画像出力を行うことが可能となる。
IDタグ41としては、無線によりデータ通信を行うことが可能な非接触型IDタグと、端子が設けられた接触型IDタグとがあり、IDタグリーダ/ライタ34としては、これらのどちらか一方あるいは両方に対応したものとなる。
なお、上記の例では、IDタグを利用して利用可能なプリント紙であるか否かを確認するようになっているが、これに限定するものではなく、例えば、プリント紙及びインクフィルムを梱包する梱包材などにプリントされているバーコードなどを利用して確認するような構成としてもよい。しかしながら、バーコードを用いる場合には、含めることのできる情報量が少ないことや、例えば用紙枚数のカウントダウンによる情報の書き換えができない、などの問題がある。
なお、上記のプリント紙42としては、通常の紙状媒体である紙状シートであってもよいし、粘着シート及び該粘着シールの粘着面に貼り付けられている剥離シートからなるシールシートであってもよい。
制御装置20は、写真撮影プリント装置1内における上述した各種構成の動作を統括的に制御するものである。この制御装置20は、照明制御部51、背景制御部52、編集処理部(編集手段)53、撮影処理部54、印刷処理部(画像出力手段)55、および事後接客処理部56を備えた構成となっている。
撮影処理部54は、撮影空間5において撮影処理が行われる際の制御を行うブロックである。すなわち、撮影処理部54は、撮影処理における各種メッセージや、カメラユニット2によって撮影されているライブビュー画像などを、撮影処理用タッチパネル8が備える表示部8aに表示させる処理を行う。また、撮影処理部54は、撮影処理用タッチパネル8が備える入力部8bからの利用者による入力指示に従って各種撮影設定を行ったり、撮影指示に従って撮影画像データを取得し、この撮影画像データを記憶装置30に記憶させる処理を行う。また、撮影処理部54は、撮影処理時に、照明制御部51および背景制御部52に対して指示を行う。
照明制御部51は、撮影処理部54からの指示に従って、照明装置16の照明動作の制御を行うブロックである。背景制御部52は、撮影処理部54からの指示に従って、背景演出装置31の背景演出動作の制御を行うブロックである。
編集処理部53は、撮影処理が行われた後に、撮影画像に対して落書きなどの編集処理が行われる際の制御を行うブロックである。すなわち、編集処理部53は、撮影画像データを記憶装置30から読み出すとともに、これを編集処理用タッチパネル12における表示部12aに表示させ、入力部12bからの利用者による入力指示に従って画像編集処理を行う。そして、編集処理部53は、編集処理が終了した後に、編集処理済画像データを記憶装置30に記憶させる処理を行う。なお、編集処理部53の詳細については後述する。
事後接客処理部56は、事後接客に関する処理を行う。すなわち、事後接客処理部56は、事後接客用タッチパネル14が備える表示部14aに事後接客用の画面表示を行うとともに、入力部14bからの利用者による入力指示に従って、事後接客に関する入力処理を行う。
印刷処理部55は、編集処理が終了した後に、記憶装置30から編集処理済画像データを読み出し、これをプリンタ35から出力させる処理を行うブロックである。
記憶装置(記憶部)30は、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものである。この記憶装置30に記憶される内容としては、制御装置20を動作させる上で必要となる制御プログラム、OS(operating system)プログラム、およびその他各種プログラム、カメラユニット2における動作設定値、撮影画像データ、編集処理済画像データなどが挙げられる。カメラユニット2における動作設定値としては、装置出荷時やメンテナンス時などに設定されるホワイトバランスの値、撮影画像の明暗などを調整する際の画像処理に関する各種パラメータ値などが挙げられる。
(全体処理の流れ)
次に、上記写真撮影プリント装置1における処理の流れについて、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、ステップ1(以降、S1のように称する)において、硬貨の投入があるか否かの確認を行う。ここで、利用者による硬貨投入口9から硬貨の投入があることを確認すると(S1においてYES)、次のS2に進む。ここで、硬貨の投入を確認できない場合には(S1においてNO)、硬貨の投入を待つ。すなわち、客待ち状態を維持する。この客待ち状態では、例えば、撮影処理用タッチパネル8にデモ画面等を表示させておいてもよい。
S2では、撮影処理が行われる。この撮影処理では、背景用のカーテンの選択や実際の撮影処理などが行われる。ここで、利用者は、撮影処理用タッチパネル8のライブビュー画像を確認しながら、自分の立ち位置やポーズなどを考え、準備が整い次第、撮影開始指示を行うことによって撮影が行われる。
そして、S3において、S2における撮影開始からの経過時間が設定時間(ここでは、2分)を超えたか否かを判断する。超えていない場合には(S3においてNO)、S2における撮影処理が繰り返し行われる。なお、ここでは、経過時間が2分をオーバーした場合に撮影処理の終了を行う設定になっているが、例えば、撮影枚数が累積限度なった場合や、利用者によって撮影処理の終了指示が出されることにより、撮影処理が終了されるようになっていてもよい。ここで撮影処理によって生成された撮影画像データは、記憶装置30に記憶される。
S3において、経過時間が2分を超えたことが確認されると(S3においてYES)、撮影処理用タッチパネル8に、利用者を編集領域6に移動する案内が表示されて、S4に進む。
S4では、編集処理が行われる。編集処理部21は、記憶装置30から編集対象となる画像、すなわち撮影画像データを読み出し、編集処理用タッチパネル12の表示部12aに編集対象となる画像、すなわち撮影処理によって生成された画像が表示する制御を行う。この画像に対してタッチペン13a.13bを用いて落書きなどの編集処理が行われる。この編集処理の詳細については後述する。
そして、S5において、S4における編集開始からの経過時間が設定時間(ここでは、2分)を超えたか否かを判断する。超えていない場合には(S5においてNO)、S4に戻って編集処理を継続する。なお、ここでは、経過時間が2分をオーバーした場合に撮影処理の終了を行う設定になっているが、例えば、利用者によって編集処理の終了指示が出されることにより、編集処理が終了されるようになっていてもよい。また、利用者による編集処理の作業が終了すると、利用者の指示に基づいて、または自動的に、編集処理した各画像をどのような配置でプリント紙42に印刷するのかが決定されてもよい。
S5において、経過時間が2分を超えたことが確認されると(S5においてYES)、編集処理用タッチパネル12に、利用者を事後接客領域7に移動する案内を表示して、S6に進む。
S6では、事後接客処理が行われる。この事後接客処理では、S4において編集が施された画像データに基づいて、プリンタ35がプリント紙42に対して画像出力し、これをプリント排出口15から排出する間(あるいは、排出した後の一定期間まで)に、事後接客用タッチパネル14に何らかの画像、例えばゲーム等、を表示する。なお、この事後接客用の表示が、編集処理用タッチパネル12で行われてもよい。上記ゲームの表示は、例えば、記憶装置30、第1画像処理部22、タッチパネル制御部21等により行われればよい。
以上のシーケンスによって、写真撮影プリント装置1における、撮影処理、編集処理から事後接客処理に至る一連の動作が終了する。
(編集処理)
次に、編集処理の詳細について説明する。撮影処理が終了したことが確認されると、利用者は撮影空間5から編集空間6に移動し、編集処理用タッチパネル12を用いて編集処理が開始される。図7に、編集画面の例を示す。同図に示す編集画面例では、表示画面上における左上隅に編集処理を行うことが可能な制限時間の残り時間が表示される。また、表示画面上における中央には、編集対象となる画像、すなわち撮影処理によって生成された撮影画像データが編集対象画像として表示され、この画像に対してタッチペン13a・13bを用いて落書きなどの編集処理が行われることになる。この画像の左には、編集処理を行うためのツール類の選択領域が表示される。ツール類としては、例えば複数の種類からなるペンおよびその色、消しゴム、および複数のスタンプなどが挙げられる。
また、編集対象画像の右には、編集対象となる画像を選択するための選択画像、すなわち、上記の撮影処理において複数回撮影が行われた場合の各撮影画像データが表示される。利用者は、タッチペン13a・13bによって選択画像をタッチすることによって、中央に編集対象として表示される画像を切り替えることが可能となっている。
また、表示画面上における右下隅には、編集処理を終了するための「落書きおわり」ボタンが表示される。編集処理は、利用者によって「落書きおわり」ボタンが押された場合、あるいは編集処理に割り当てられた残り時間がなくなった場合に終了することになる。
(編集処理部の詳細)
次に、編集処理部53についてより詳細に説明する。図1は、編集処理部53、ならびに編集処理に関わる構成としての編集処理用タッチパネル12および記憶装置30の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、編集処理部53は、編集処理制御部53a、軌跡画像描画処理部(軌跡描画手段)53b、軌跡画像設定部(軌跡画像設定手段)53c、および描画軌跡認識部(描画軌跡認識手段)53dを備えている。また、記憶装置30には、撮影処理によって撮影された撮影画像データを記憶する撮影画像データ記憶部30c、編集処理が行われた編集画像データを記憶する編集画像データ記憶部30a、および軌跡画像のデータを記憶する軌跡画像データ記憶部30bが設けられている。
編集処理制御部53aは、編集処理全般を制御するブロックであり、入力部12bからの利用者による指示入力に基づいて、各種編集処理を行うとともに、編集処理結果を表示部12aに表示する制御を行う。また、編集処理制御部53aは、編集処理が行われた編集画像を、編集画像データ記憶部30aに記憶する制御も行う。
描画軌跡認識部53dは、後述するペンツールあるいは連続スタンプツールによって入力が行われる場合に、入力部12bからの利用者による描画入力に基づく描画軌跡線を認識するブロックである。ここで、描画軌跡線とは、タッチペン13a・13bが編集処理用タッチパネル12に接触し、接触した状態を保ったまま編集処理用タッチパネル12上を移動し、編集処理用タッチパネル12から離れるまでの接触軌跡による線を示している。
軌跡画像描画処理部53bは、描画軌跡認識部53dによって認識された描画軌跡線に基づいて、後述するペンツールあるいは連続スタンプツールによる所定の軌跡画像を編集画像に描画するブロックである。軌跡画像描画処理部53bが軌跡画像を描画する際には、利用者によって選択されたペンツールあるいは連続スタンプツールに関する軌跡画像データを、軌跡画像データ記憶部30bから読み出して処理を行う。軌跡画像描画処理部53bによって描画された軌跡画像の情報は編集処理制御部53aに伝えられ、編集画像の表示および編集画像データの記憶に反映される。
軌跡画像設定部53cは、入力部12bからの利用者による指示入力に基づいて、上記軌跡画像の設定処理を行うブロックである。利用者によって新たに作成された軌跡画像のデータは軌跡画像データ記憶部30bに記憶され、軌跡画像描画処理部53bによる描画処理によって利用可能な状態となる。
(ペンツールの詳細)
次に、編集処理において、上記の軌跡画像として用いられるペンツールについて説明する。図8に、編集画面において、ペンツールを利用する際に関連する表示の表示例を示す。同図に示す表示例では、ペンのカテゴリーを選択するカテゴリー選択領域A1、選択されているカテゴリーに含まれるペンの種類を表示するペン種選択領域A2、および編集対象画像が表示される画像表示領域A3が示されている。この表示画面において、ペンツールによる描画が行われる際の処理は、描画軌跡認識部53d、軌跡画像描画処理部53b、および編集処理制御部53aによって行われる。
利用者によって、カテゴリー選択領域A1に表示されているペンのカテゴリーの中から特定のペンのカテゴリーが選択されると、選択されたカテゴリーに属するペンの種類がペン種選択領域A2に表示される。図8に示す例では、「自作ペン」というカテゴリーが選択されており、「自作ペン」というカテゴリーに属するペンの種類がペン種選択領域A2に表示されている。
「自作ペン」というカテゴリーは、利用者によって自作されたペンが登録されているカテゴリーである。すなわち、現在プレイを行っている利用者によって自作されたペンのみならず、以前にプレイを行った利用者によって自作されたペンも「自作ペン」のカテゴリーに含まれるペン種として登録されていることになる。
また、ペン種選択領域A2には、その上部領域にペンの太さを選択する太さ選択ボタンが表示されている。利用者によって画像表示領域A3においてペン入力動作が行われると、ペン種選択領域A2において選択されているペン種で、太さ選択ボタンによって選択されているペンの太さのペンによる描画が行われる。これにより、利用者は、様々な形態の線を用いて落書きを行うことが可能となっている。
ここで、ペンツールの定義について説明する。ペンツールとは、タッチペン13a・13bが編集処理用タッチパネル12に接触し、接触した状態を保ったまま編集処理用タッチパネル12上を移動し、編集処理用タッチパネル12から離れるまでの接触軌跡を所定の画像で描画するものである。ここで、編集処理用タッチパネル12によって認識される接触軌跡は、基本的に不連続な経由位置情報として得られるものである。よって、認識された接触軌跡に単純に対応させて所定の画像を描画した場合には、タッチペン13a・13bの移動が早く、隣り合う経由位置が大きく離れてしまう場合には、連続したペン軌跡画像にはならないことになる。そこで、ペンツールの場合、不連続な各経由位置情報の間を補間することによって連続的な描画軌跡線を算出し、この連続的な描画軌跡線に対応するペン軌跡画像が描画されるようになっている。
また、ペン種選択領域A2の右上領域には、「ペンを参考にして自作」と表示された自作開始ボタンが表示されている。この自作開始ボタンが利用者によって選択されると、後述する自作ペン編集画面に画面表示が切り換えられ、自作ペンの編集が行われる。なお、自作開始ボタンが押された際に、ペン種選択領域A2においてペンの種類が選択されている場合には、選択されているペンの種類に基づいて自作ペンが作成されることになる。
(自作ペンの作成方法)
図9は、自作ペン編集画面の画面表示例を示している。同図に示す表示例では、ペン先の描画領域としてのペン先描画領域A4、ペンの形態を調整するための複数のパラメータが表示されるパラメータ領域A5、および、ペン先描画領域A4に描画されているペン先に基づいて、パラメータ領域A5によって設定されているパラメータで描画が行われた場合のペン描画イメージが表示される描画イメージ領域A6が示されている。この表示画面において、自作ペンの編集処理が行われる際の処理は、軌跡画像設定部53cおよび編集処理制御部53aによって行われる。
ペン先描画領域A4では、利用者によって自作ペンのペン先の描画が行われるようになっている。このペン先描画領域A4では、ペン先の描画を行う際のツールとして、フチ用ペンと中身用ペンとが用意されている。フチ用ペンは、当該自作ペンによってペンツールとしての描画が行われる際に、中身用ペンによって上書きされないフチ部分を描画するためのツールである。中身用ペンは、当該自作ペンによってペンツールとしての描画が行われる際に、フチ用ペンによって描画されたフチ部分、および、当該中身用ペンによって描画された中身部分によって上書きされる中身部分を描画するためのツールである。
ペン先描画領域A4の下部には、色選択領域A7が設けられている。この色選択領域A7において選択されている色によって、ペン先の描画が行われることになる。なお、図示はしないが、ペン先の描画を行う際のペンの種類を選択可能とするペン先描画用ペン種選択領域が設けられていてもよい。
パラメータ領域A5は、パラメータとして、グラデーション処理、ペンの軌跡補間、ラメ、かすれぐあい、立体化、太さ変化、および透明度の調整を行うためのボタンが表示されている。
グラデーション処理のパラメータは、当該自作ペンによって描画が行われた際に、ペン領域にグラデーション処理を施すか否かを選択するものとなっている。パラメータの選択肢としては、グラデーション処理を行うONボタンと、グラデーション処理を行わないOFFボタンとが用意されている。なお、グラデーションの強さを離散的あるいは連続的に変化させることができるようなパラメータとなっていてもよい。
グラデーション処理は、ペン領域のフチ部分から中央部分にかけて濃度や色が徐々に変化するような効果を与えるようになっている。これにより、ペン領域を立体的な感じに見せることが可能となる。図10(a)に、グラデーション処理を行ったペン描画の例を示す。同図に示すように、ペン領域が重なった部分については、後から描画したペン画像によって、前に描画されたペン画像が上書きされるようになっている。
ペンの軌跡補間のパラメータは、当該自作ペンによって描画が行われた際に、ペン軌跡の補間をどの程度の割合で行うかを選択するものとなっている。パラメータの選択肢としては、連続、50%、および0%の3種類の例を示しているが、選択肢の数がより多くてもよいし、補間率を連続的に反歌させることができるようになっていてもよい。
補間率を連続、すなわち100%とすると、通常のペンツールのように、ペン軌跡を完全に保管して連続したペン描画が行われ、補間率を下げていくに従って、補間画像の描画間隔が広げられるようになる。そして、補間率を0%にすると、補間画像同士の間隔が完全に分離し、各補間画像はペン先の形状として描画されることになる。図10(b)に、補間率を80%、50%、0%とした場合のペン描画の例を示す。
ラメのパラメータは、当該自作ペンによって描画が行われた際に、ペン領域およびその近傍にきらきらと光るような描画処理、たとえば、ランダムに星を描画するような処理を行うか否かを選択するものとなっている。パラメータの選択肢としては、ラメ処理を行うONボタンと、ラメ処理を行わないOFFボタンとが用意されている。
かすれぐあいのパラメータは、当該自作ペンによって描画が行われた際に、ペン描画領域をかすれさせたような効果を施す度合いを選択するものとなっている。パラメータの選択肢としては、かすれ効果を施さない「なし」、70%、50%の3種類の例を示しているが、選択肢の数がより多くてもよいし、かすれぐあいを連続的に変化させることができるようになっていてもよい。
立体化のパラメータは、当該自作ペンによって描画が行われた際に、ペン先を立体とみなして3次元の光源計算をすることによって、ペン描画領域を立体的に描画する処理を施すか否かを選択するものとなっている。立体化処理の具体例としては次のような処理が挙げられる。図11(a)において、Aで示しているペン先描画画像が、側面から見た場合に、B1やB2で示した形状となるように3次元計算が行われる。そして、このような3次元画像のデータとして3次元のメモリ空間に描画するとともに、描画された3次元画像データの見え方をレンダリングして、ペン描画領域の色や濃度などを演算する。このような演算処理によって立体化処理が行われる。パラメータの選択肢としては、立体化処理を行う「あり」ボタンと、立体化処理を行わない「なし」ボタンとが用意されている。
太さ変化のパラメータは、当該自作ペンによって描画が行われた際に、ペン描画領域の太さを周期的あるいはランダムに変化させる処理を行うか否かを選択するものとなっている。パラメータの選択肢としては、太さ変化処理を行う「あり」ボタンと、太さ変化処理を行わない「なし」ボタンとが用意されている。図11(b)に、太さ変化処理を行ったペン描画領域の例を示す。同図に示すように、太さ変化処理を行うと、モコモコした感じのペン描画を行うことができる。
透明度のパラメータは、当該自作ペンによって描画が行われた際に、ペン描画領域の透明度を選択するものとなっている。パラメータの選択肢としては、半透明化処理を全く行わない「なし」、50%、70%の3種類の例を示しているが、選択肢の数がより多くてもよいし、透明度を連続的に変化させることができるようになっていてもよい。図11(c)に、半透明化処理を行ったペン描画領域の例を示す。同図に示すように、半透明化処理を行うと、ペン描画領域においても、撮影画像が透けて見えるような状態とすることができる。
以上のように、ペン先描画領域A4においてペン先の描画が行われ、パラメータ領域A5で各種パラメータの設定が行われると、それに応じてリアルタイムで、描画イメージ領域A6にペン描画イメージが表示されるようになっている。これにより、利用者は、ペン描画イメージを見ながらペン先の描画や各種パラメータの設定を行うことができるので、自分の好みにあった自作ペンを作成することが可能となる。
ここで、描画イメージ領域A6において、ペン描画イメージを動画によって表示するようになっていてもよい。すなわち、ペンの書き始めから書き終わりまでのペン描画イメージの変化状態を動画で表示することによって、自作ペンによって描画が行われる際の様子をよりリアルに利用者に伝えることが可能となる。
描画イメージ領域A6の下部には、「名前を付けて保存」ボタンが示されている。利用者が自作ペンの編集を完了した際にこのボタンが押されることによって、編集した自作ペンを登録することが可能となる。ここで、自作ペンの登録を行う際には、利用者が該当自作ペンに対して任意の名前を設定することが可能となっている。登録された自作ペンは、図8に示す編集画面において、自作ペンのカテゴリーが選択された場合に、登録した名前とともにペン種選択領域A2に表示される。これにより、自作ペンによる落書き処理を行うことが可能となる。
ここで、既に登録されている自作ペンと全く同じ名前の設定が利用者によって指示されて場合には、同じ名前があるので名前を変更してほしい旨のメッセージが出される。また、利用者が登録しようとしている自作ペンと全く同じ設定の自作ペンが既に登録されている場合には、既に登録されている自作ペンと全く同じである旨のメッセージが出され、登録がキャンセルされるようになっていてもよい。
以上のように生成された自作ペンを用いて、軌跡画像描画処理部53bによって描画が行われる際の処理の流れについて、図14に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
まずS11において、ペン先描画領域A6に描画されたペン先画像のデータが軌跡画像データ記憶部30bから読み込まれる。次に、読み込まれたペン先画像に対して、パラメータ領域A5によって設定されたパラメータが軌跡画像データ記憶部30bから読み込まれ、これらのパラメータに基づいて描画用ペン先画像が生成される(S12)。すなわち、描画用ペン先画像は、グラデーション処理、かすれぐあい、立体化、および透明度のパラメータに基づいてペン先画像を調整することによって生成される。次に、描画軌跡認識部53dにおいて、入力部12bから利用者によって入力された接触軌跡情報に基づいて、補間を行うことにより描画軌跡線が生成される(S13)。
その後、S14において、描画軌跡線に沿って描画用ペン先画像を描画する際に、立体化を行うパラメータが設定されている場合に立体計算が行われる。また、S15において、描画軌跡線に沿って描画用ペン先画像を描画する際に、太さ変化を行うパラメータが設定されている場合に太さ変化計算が行われる。
以上のようなペン軌跡画像に関する演算処理が完了すると、演算結果に基づいてペン軌跡画像が編集画像に描画される(S16)。また、ラメ処理を行うパラメータが設定されている場合には、ペン軌跡画像上およびその周辺領域にラメ画像の描画が行われる(S17)。以上によって、自作ペンによる描画が完了する。
(連続スタンプツール)
次に、ペンツールに類似するツールとしての連続スタンプツールについて説明する。連続スタンプツールは、例えば「コロコロスタンプ」「ペタペタスタンプ」などと称されるものである。連続スタンプツールの定義としては、タッチペン13a・13bが編集処理用タッチパネル12に接触し、接触した状態を保ったまま編集処理用タッチパネル12上を移動し、編集処理用タッチパネル12から離れるまでの接触軌跡に基づく描画軌跡線に、所定の間隔で所定のスタンプ画像(単位画像)を不連続に描画するものである。所定のスタンプ画像は、全て同じ画像であってもよいし、描画軌跡線に沿って複数種類の画像が周期的に変化するように描画されるようになっていてもよい。
ここで、連続スタンプツールにおいて描画される各スタンプ画像を全て同じ画像とする場合には、上記したペンツールにおいて、補間率を0%とした場合とほぼ同じ描画状態となる。すなわち、自作ペンを作成する際に、ペン先の形状として描画された画像が1つのスタンプ画像として、描画軌跡線に沿って不連続に描画されることになる。
一方、連続スタンプツールにおいて描画される各スタンプ画像を、複数種類の画像とする場合には、上記のようなペンツールでは対応できないことになる。そこで、連続スタンプツールに関しても自作を行うことを可能とするために、本実施形態では、以下で示すような処理が行われるようになっている。
図12に、編集画面において、連続スタンプツールを利用する際に関連する表示の表示例を示す。同図に示す表示例では、連続スタンプツールのカテゴリーを選択するカテゴリー選択領域B1、選択されているカテゴリーに含まれる連続スタンプの種類を表示する連続スタンプ種選択領域B2、および編集対象画像が表示される画像表示領域B3が示されている。この表示画面において、連続スタンプツールによる描画が行われる際の処理は、描画軌跡認識部53d、軌跡画像描画処理部53b、および編集処理制御部53aによって行われる。
利用者によって、カテゴリー選択領域B1に表示されている連続スタンプのカテゴリーの中から特定の連続スタンプのカテゴリーが選択されると、選択されたカテゴリーに属する連続スタンプの種類が連続スタンプ種選択領域B2に表示される。図12に示す例では、「自作コロコロスタンプ」というカテゴリーが選択されており、「自作コロコロスタンプ」というカテゴリーに属する連続スタンプの種類が連続スタンプ種選択領域B2に表示されている。
「自作コロコロスタンプ」というカテゴリーは、利用者によって自作された連続スタンプが登録されているカテゴリーである。すなわち、現在プレイを行っている利用者によって自作された連続スタンプのみならず、以前にプレイを行った利用者によって自作された連続スタンプも「自作コロコロスタンプ」のカテゴリーに含まれる連続スタンプ種として登録されていることになる。
また、連続スタンプ種選択領域B2の上領域には、「自分で作る!」と表示された自作開始ボタンが表示されている。この自作開始ボタンが利用者によって選択されると、後述する自作連続スタンプ編集画面に画面表示が切り換えられ、自作連続スタンプの編集が行われる。なお、自作開始ボタンが押された際に、連続スタンプ種選択領域B2において連続スタンプの種類が選択されている場合には、選択されている連続スタンプの種類に基づいて自作連続スタンプが作成されることになる。
(自作連続スタンプの作成方法)
図13は、自作連続スタンプ編集画面の画面表示例を示している。同図に示す表示例では、自作する連続スタンプにおけるスタンプ画像の表示順を示す連続スタンプ表示領域B7、スタンプ画像を手書きで形成する場合に用いられるスタンプ画像描画用ペンの種類が表示されるペン種選択領域B8、スタンプ画像の種類が表示されるスタンプ画像種領域B6、連続スタンプにおける各スタンプ画像の大きさや向きを調整するためのスタンプ画像調整ボタン領域B4、ラメ効果を施すためのきらきらボタンB5、および編集完了ボタンB9が示されている。この表示画面において、自作連続スタンプの編集処理が行われる際の処理は、軌跡画像設定部53cおよび編集処理制御部53aによって行われる。
連続スタンプ表示領域B7では、利用者によって連続スタンプにおけるスタンプ画像の表示順が設定される。この表示例では、連続スタンプは4つのスタンプ画像が周期的に描画されるものとなっているが、連続スタンプに含まれるスタンプ画像の数は4つに限らず、2つ以上であれば連続スタンプとして機能することになる。各スタンプ画像は、スタンプ画像種領域B6に表示されているスタンプ画像例から選択してもよいし、ペン種選択領域B8に表示されているペン種が利用者によって選択され、利用者によって直接スタンプ画像が描画されてもよい。
また、各スタンプ画像は、スタンプ画像調整ボタン領域B4によって大きさや向きを調整することが可能となっている。例えば、大きさ調整ボタンによって各スタンプ画像の大きさを調整することによって、周期的にスタンプ画像の大きさが変化するような連続スタンプを作成することができる。また、例えば、向き調整ボタンによって各スタンプ画像の向きを調整することによって、周期的にスタンプ画像の向きが変化するような連続スタンプを作成することができる。
また、きらきらボタンB5がONとなると、連続スタンプ画像領域およびその近傍にきらきらと光るような描画処理、たとえば、ランダムに星を描画するような処理が行われる。これにより、連続スタンプの装飾性を高めることができる。
利用者が自作連続スタンプの編集を完了した際に、編集完了ボタンB9が押されることによって、編集した自作連続スタンプを登録することが可能となる。ここで、自作連続スタンプの登録を行う際には、利用者が該当自作連続スタンプに対して任意の名前を設定することが可能となっている。登録された自作連続スタンプは、図12に示す編集画面において、自作コロコロスタンプのカテゴリーが選択された場合に、登録した名前とともに連続スタンプ種選択領域B2に表示される。これにより、自作連続スタンプによる落書き処理を行うことが可能となる。
ここで、既に登録されている自作連続スタンプと全く同じ名前の設定が利用者によって指示されて場合には、同じ名前があるので名前を変更してほしい旨のメッセージが出される。また、利用者が登録しようとしている自作連続スタンプと全く同じ設定の自作連続スタンプが既に登録されている場合には、既に登録されている自作連続スタンプと全く同じである旨のメッセージが出され、登録がキャンセルされるようになっていてもよい。
なお、自作ペン編集画面と同様に、自作連続スタンプの編集が行われると、それに応じてリアルタイムで、連続スタンプ描画イメージが表示されるようになっていてもよい。この場合、利用者は、連続スタンプ描画イメージを見ながら連続スタンプの編集を行うことができるので、自分の好みにあった自作連続スタンプを作成することが可能となる。
また、連続スタンプ描画イメージを動画によって表示するようになっていてもよい。すなわち、連続スタンプの書き始めから書き終わりまでの連続スタンプ描画イメージの変化状態を動画で表示することによって、自作連続スタンプによって描画が行われる際の様子をよりリアルに利用者に伝えることが可能となる。
なお、写真撮影プリント装置1は、プレイの順番待ちをしている利用者に対して接客を行うための事前接客用タッチパネルを備えている構成とすることも可能である。この構成の場合、上記の自作ペンおよび自作連続スタンプの作成編集処理を、この事前接客用タッチパネルにおいて行うことが可能となっていてもよい。また、待ち時間が一定時間以上となった場合にのみ、事前接客用タッチパネルによって自作ペンおよび自作連続スタンプの作成編集処理を行うことが可能となっていてもよい。
なお、上記実施形態の制御装置20が備える各機能ブロックや各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の制御装置20の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。