JP2005273898A - アシスト装置および操作ケーブルユニット - Google Patents

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伊知朗 奥野
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Abstract

【課題】 軽量に構成することができるアシスト装置およびそれを用いた操作ケーブルユニットを提供する。
【解決手段】 導管が取りつけられるハウジング2と、内索12a、12bの端部同士を連結し、ハウジング内に摺動自在に支持されるスライダ3と、そのスライダに固定されるラック4と、そのラックと噛み合い、ハウジング2内に回転自在に設けられるギヤ5と、そのギヤと共廻りするように設けられ、半径方向外向きに延びるレバー6と、そのレバーの自由端とハウジングとの間に介在されるスプリング7とを備え、前記レバー6とスプリング7とのなす角度が、操作ストロークが小さいときに小さく、操作ストロークが大きくなるにつれて大きくなるように構成されているアシスト装置1。
【選択図】 図1










Description

本発明はアシスト装置および操作ケーブルユニットに関する。さらに詳しくは、自動二輪車のクラッチケーブルなどの操作力をアシストするアシスト装置ならびにそのようなクラッチケーブルなどに用いられる操作ケーブルユニットに関する。
特許第3052640号公報
自動二輪車のクラッチケーブルやブレーキケーブルには、導管と、その導管内に摺動自在に挿通される内索とからなるプルコントロールケーブルが用いられる。そして内索の一端は、操作レバー(あるいは操作ペダル)に連結され、他端はクラッチ機構のレリーズレバーに連結されている。そのレリーズレバーは、クラッチハブを常時「入り」側に付勢するリターンバネの付勢力に抗してクラッチハブを「切り」側に操作するものである。そして操作レバーを握ると、内索を介してレリーズレバーを、前記リターンバネの付勢力に抗して「切り」側に操作することができる。それによりギヤチェンジが可能になる。
しかし山道などではギヤチェンジが頻繁であり、クラッチの入り切り操作も煩雑である。さらに操作レバーの操作力は、操作の初期は弱いものの、操作の終期ではリターンバネの撓み量が大きくなるため、かなり大きくなる。そのため操縦者の負担が大きい。従来、このようなクラッチの操作力を軽減するものとして、油圧式パワークラッチが知られている。さらに操作レバーの動きをセンサで検出し、その信号でクラッチ操作ケーブルの一端をドラムに巻き取り、他端でレリーズレバーを操作するパワーアシスト装置が提案されている(特許文献1参照)。
前記油圧式パワークラッチは、油圧発生用のポンプやシリンダを要するので、重量が重く、とくに低排気量のバイクなどには採用しがたい。また、モータ駆動でケーブルを巻き取るパワーアシスト装置は、巻き取りドラムの設置スペースが大きくなる。さらにモータに求められる最大トルクが大きくなり、モータ重量が増加する。本発明は低排気量のバイクでも採用しやすい、比較的軽量に構成することができるアシスト装置およびそれを用いた操作ケーブルユニットを提供することを技術課題としている。
本発明の引きケーブルのアシスト装置(請求項1)は、一端が操作対象物のリターンバネで常時戻り方向に付勢されると共に他端をそのリターンバネの付勢力に抗して引き操作する引きケーブルに用いられるアシスト装置であって、前記引きケーブルの操作に伴って移動する係合部材と、その係合部材を、操作ストロークが大きくなるにつれて大きい力で操作方向に付勢する付勢手段と、前記引きケーブルの係合部材近辺、係合部材および付勢手段を保持するハウジングとを備えていることを特徴としている。なお、ここで「大きくなるにつれて大きい力で」というのは、すべての操作ストロークの範囲で大きくなっていく場合のほか、主要な範囲で大きくなる場合も含む(以下同様)。
このようなアシスト装置においては、前記付勢手段が、バネと、そのバネの反発力を前記係合部材の移動量が大きくなるにつれて大きい力に増力して係合部材に伝達する増力機構とからなるものが好ましい(請求項2)。
また、前記係合部材が引きケーブルが延びている方向に延びているラックであり、前記付勢手段が、そのラックと噛み合い、ハウジング内に回転自在に設けられるギヤと、そのギヤと共廻りするように設けられ、半径方向外向きに延びるレバーと、そのレバーの自由端とハウジングとの間に介在されるバネとを備えており、前記レバーとバネのなす角度が、前記操作ストロークが小さいときに小さく、操作ストロークが大きくなるにつれて大きくなるように構成されているものが好ましい(請求項3)。その場合、前記ラックを引き操作の方向に付勢する補助バネをさらに備えているものが好ましい(請求項4)。
さらに前記アシスト装置においては、前記付勢手段が、前記ハウジング内に回転自在に設けられ、前記係合部材と当接する当接片を備えている回転部材と、その回転部材を、当接片が係合部材と係合する向きに付勢するバネとを備えており、前記当接片が、前記操作ストロークが小さいときに回転中心から遠い部位で前記係合部材と当接し、操作ストロークが大きくなるにつれて回転中心から近い部位で当接するように構成されているものであってもよい(請求項5)。
また、前記付勢手段が、前記ハウジング内に回転自在に設けられ、前記係合部材と当接する当接片を備えている回転部材と、その回転部材を、当接片が係合部材と係合する向きに付勢するバネとを備えており、前記当接片が、操作ストロークが小さいときにケーブルの移動方向に対して大きい角度で係合部材を付勢し、操作ストロークが大きくなるにつれて小さい角度で付勢するように、回転部材の略半径方向に延びているものであってもよい(請求項6)。
前記回転部材を備えている場合においては、前記バネは、その一端がハウジングによって支持され、他端が前記回転部材と係合している捻りコイルバネないし渦巻きバネであるものが好ましい(請求項7)。さらに前記いずれの場合においても、引きケーブルが一端側と他端側とに分離されると共に前記係合部材によって連結されており、かつ、その係合部材が前記ハウジング内で引きケーブルが延びている方向に摺動自在にガイドされているものが好ましい(請求項8)。
その場合、前記分離された引きケーブルのうち、操作側の引きケーブルの端部が係合部材に対して操作方向に移動自在に設けられ、かつ、その端部と係合部材との間に、引きケーブルの有効長を短くする向きに付勢する付勢手段が介在されているものがさらに好ましい(請求項9)。
本発明の操作ケーブルユニットは、導管と、それらの導管内に摺動自在に通されている引きケーブルと、前記導管および引きケーブルの途中に介在されている前記いずれかのアシスト装置とを備え、前記導管が操作側と被操作側に分離されるとともに前記ハウジングによって互いに連結されていることを特徴としている(請求項10)。
本発明のアシスト装置(請求項1)は、引きケーブルを操作方向に引き操作するとき、付勢手段が引きケーブルの途中の係合部材を操作方向に付勢する。そのため、その「引き操作力と付勢手段の付勢力の和」に応じた操作力で、操作対象のリターンバネの付勢力に抗して操作することができる。したがって実際に引きケーブルを操作する力、すなわち「リターンバネの戻り方向の付勢力」−「アシストによる付勢力」は、リターンバネの付勢力よりも小さい力で済む。そして付勢手段は、操作ストロークが小さいときは、付勢力をほとんど発揮しないか、小さい力で付勢するだけであるので、操作していない状態におけるリターンスプリングの作用への影響が少ない。そして操作ストロークが大きくなるにつれて大きい力で操作方向に付勢するので、引きケーブルを操作する力が減少する。したがって比較的に楽に操作することができる。なお、ストロークのすべての範囲で大きくならない場合でも、ストロークの全範囲を操作するエネルギは減少するので、操作が楽である。
このようなアシスト装置において、前記付勢手段が、バネと、そのバネの反発力を前記係合部材の移動量が大きくなるにつれて大きい力に増力して係合部材に伝達する増力機構とからなる場合(請求項2)は、バネの付勢力を増力機構を介して係合部材に伝達する。そして係合部材の移動量が小さい場合は増力機構がほとんど作用せず、移動量が大きくなるにつれて増大作用が大きくなる。すなわち一般的なバネは、付勢方向に対する力は、変形量が大きい復元の初期には付勢力が大きく、変形量が少なくなる復元の後半では復元力が小さくなる。そこで増力機構を介在させて、係合部材の移動量が小さい復元の初期に付勢力を小さくして伝えるようにし、移動量が大きくなるにつれて付勢力を大きくするという、通常のバネの復元力による付勢力の作用と逆に作用させるように構成したのである。それにより、バネと増力機構という簡易な機械的な構成で、適切なアシスト力を実現することができる。
前記係合部材が引きケーブルが延びている方向に延びているラックであり、前記付勢手段が、そのラックと噛み合い、ハウジング内に回転自在に設けられるギヤと、そのギヤと共廻りするように設けられ、半径方向外向きに延びるレバーと、そのレバーの自由端とハウジングとの間に介在されるバネとを備えており、前記レバーとバネのなす角度が、前記操作ストロークが小さいときに小さく、操作ストロークが大きくなるにつれて大きくなるように構成されている場合(請求項3)は、レバーがバネとほぼ一致している状態では付勢トルクが小さく、レバーとバネの角度が大きくなると付勢トルクが大きくなる。そして付勢トルクはギヤとラックにより、ケーブルの操作方向に変換される。したがってシンプルな構成で前記付勢手段を構成することができる。なお、バネが引っ張りバネの場合は、バネのハウジングへの取り付け位置はレバーの先端とは逆方向であり、バネが圧縮バネの場合はレバーの先端の延長方向に取り付ける。
前記ラックを引き操作の方向に付勢する補助バネをさらに備えている場合(請求項4)は、レバーとラックピニオンとを介して作用するバネによる非線形の付勢力に、略線形の付勢力が加わるので、クラッチ操作用レバーなど、引きケーブルの操作フィーリングが向上する。
前記付勢手段が、前記ハウジング内に回転自在に設けられ、前記係合部材と当接する当接片を備えている回転部材と、その回転部材を、当接片が係合部材と係合する向きに付勢するバネとを備えており、前記当接片が、前記操作ストロークが小さいときに回転中心から遠い部位で前記係合部材と当接し、操作ストロークが大きくなるにつれて回転中心から近い部位で当接するように構成されている場合(請求項5)は、バネの付勢力が回転部材を介して係合部材に伝達される。
そして回転部材の回転量が小さいとき、すなわち操作ストロークが小さいときは、回転中心からの距離が遠い部位で当接片が係合部材を付勢するので、バネの付勢力はそれほど増大されずに、あるいは減少した状態で係合部材に伝達される。逆に回転部材の回転量が大きいとき、すなわち操作ストロークが大きいときは、回転中心からの距離が小さい部位で当接片が係合部材を付勢するので、バネの付勢力は増大した状態で係合部材に伝達される。このようにこのアシスト装置では、回転角度に応じて当接片の係合部材との当接位置が変化し、それにより操作ストロークが大きくなるほどアシスト力を増大させることができる。
また、前記付勢手段が、前記ハウジング内に回転自在に設けられ、前記係合部材と当接する当接片を備えている回転部材と、その回転部材を、当接片が係合部材と係合する向きに付勢するバネとを備えており、前記当接片が、操作ストロークが小さいときにケーブルの移動方向に対して大きい角度で係合部材を付勢し、操作ストロークが大きくなるにつれて小さい角度で付勢するように、回転部材の略半径方向に延びているアシスト装置(請求項6)においては、回転部材の回転に伴って、当接片による係合部材を付勢する角度が移動方向に対して直角に近い角度から平行に近い角度まで変化する。そのため、回転部材の回転量が小さいときは付勢手段による付勢力の操作方向の分力が小さく、回転力が大きくなるにつれて操作方向の分力を大きくなる。そのため、操作量が大きくなるほどアシスト力を増大させることができる。
前記バネが、その一端がハウジングによって支持され、他端が前記回転部材と係合している捻りコイルバネないし渦巻きバネである場合(請求項7)は、回転部材が回転しても、バネから回転部材へスムーズに弾性付勢力が伝達される。しかもバネに蓄積される弾性エネルギを大きくすることができる。
前記引きケーブルが一端側と他端側とに分離されると共に前記係合部材によって連結されており、かつ、その係合部材が前記ハウジング内で引きケーブルが延びている方向に摺動自在にガイドされている場合(請求項8)は、付勢手段から引きケーブルへの力の伝達が確実である。また、付勢手段が係合部材に斜め方向に当接する場合でも、引きケーブルに関して横方向の力はハウジングのガイドによって支持されるので、引きケーブルには横方向の力が加わらず、スムーズに移動することができる。
前記分離された引きケーブルのうち、操作側の引きケーブルの端部が係合部材に対して操作方向に移動自在に設けられ、かつ、その端部と係合部材との間に、引きケーブルの有効長を短くする向きに付勢する付勢手段が介在されている場合(請求項9)は、たとえばクラッチ操作用レバーなど、引きケーブルの操作部の遊び量を調整することができる。
本発明の操作ケーブルユニット(請求項10)は、前述のアシスト装置を備えているので、リターンバネへの影響が少なく、しかもストロークエンド近辺でも引きケーブルの他端を軽い操作力で操作することができる。
つぎに図面を参照しながら本発明のアシスト装置および操作ケーブルユニットの実施の形態を説明する。図1は本発明のアシスト装置の一実施形態を示す要部正面図、図2は図1のアシスト装置の操作状態を示す要部正面図、図3は図1のアシスト装置のIII-III線断面図、図4は図1のアシスト装置の組立前の状態を示す斜視図、図5は図1のアシスト装置を備えたクラッチケーブルユニットの正面図、図6は図1のクラッチケーブルユニットの作用を示すグラフ、図7は本発明のアシスト装置の他の実施形態を示す正面図、図8aはそのアシスト装置の底面図、図8bはそのアシスト装置におけるスプリングポストの他の実施形態を示す斜視図、図9a、図9bおよび図9cはそれぞれ図7のIXa-IXa線断面図、IXb-IXb線断面図、IXc-IXc線断面図、図10は図7のアシスト装置の要部斜視図、図11は図7のアシスト装置を用いたクラッチケーブルユニットの作用を示すグラフ、図12は本発明のアシスト装置の他の実施形態を示す要部正面図、図13はそのアシスト装置の操作状態を示す要部正面図、図14はそのアシスト装置の一部切り欠き正面図、図15は図14のXV-XV線断面図、図16はそのアシスト装置の組立前の状態を示す斜視図、図17はそのアシスト装置を備えたクラッチケーブルユニットの正面図、図18はそのクラッチケーブルユニットの作用を概念的に示すグラフである。
図1に示すアシスト装置1は、ハウジング2と、そのハウジングに形成されるガイド溝2aによって摺動自在にガイドされるスライダ3と、そのスライダに固定されたラック4と、そのラックと噛み合うようにハウジング2に回転自在に支持されるギヤ5と、そのギヤに固定されたレバー6と、レバーの先端とハウジング2の間に張り渡されるスプリング7とを備えている。なお符号8は箱状のカバーであり(図3参照)、符号9はハウジング2とカバーの間をシールするガスケットである。
このアシスト装置1は自動二輪車のクラッチ操作用のものであり、図5に示すように、導管11a、11bと、それらの導管内に摺動自在に収容される内索12a、12bとからなるコントロールケーブル13の途中に介在されて用いられる。導管11a、11bは途中で分割され、分割された導管11a、11bの端部はそれぞれ前記ハウジング2に互いに同心状に取り付けられる。内索12a、12bも途中で分割され、分割された内索の端部はそれぞれ図1に示すようにスライダ3に係止されている。なお、コントロールケーブル13の途中だけでなく、コントロールケーブルと操作レバーの間、あるいはコントロールケーブルとクラッチのレリーズレバーの間に介在させることもできる。
前記ハウジング2のガイド溝2aはスライダ3とラック4をストロークの全体にわたって収容することができる大きさを備えた略矩形状を呈している。ハウジング2の側面には、前記導管(図5の符号11a、11b)の端部に固着したケーブルキャップ31と螺合するネジ穴33、33が形成され、それらのネジ穴がガイド溝2aの両端と連通している。図3に示すように、ガイド溝2aの前面の開口は、スライダ3の主要な移動範囲が板状のスライダカバー3aによって塞がれており、その内面でスライダ3をガイドしている。ガイド溝2aの上部には前記ギヤ5を収容するための凹所2bがガイド溝と連通するように形成されている。凹所2bの内面にはシャフト5aが立設されており、ハウジング2の裏面側からナット5bで固定されている。
前記ギヤ5は2個のボールベアリング5cを介してシャフト5aに回転自在に支持されている。ギヤ5の先端は角柱形に形成され、レバー6の基部に形成された角形の孔と嵌合し、さらに溶接などで接合されている。それによりレバー6とギヤ5とは一緒に回転する。前記カバー8は箱形を呈しており、その周囲の端部にはガスケット9を収容するための無端状の溝8aが形成されている。ハウジング2の対応する部位には、ガスケット9を加圧するための突条2cが突設されている。
前記スライダ3は図4に示すように略直方体の形態を呈し、その上部に形成した嵌合凹部3bとラック4の下部に形成した嵌合突起4aとが嵌合している。さらにスライダ3の下面側から挿入したネジ3cをラック4の嵌合突起4aの下面に形成した雌ネジと螺合して固定している(図3参照)。スライダ3の両端近辺には、内索12a、12bの端部に固着したケーブルエンド35を係止するための係止穴36が形成されている。それらの係止穴36は、内索を挿入するための導入溝37と連通しており、導入溝37はスライダ3の端面側に設けられる挿通溝38と連通している。
図4に示すように、レバー6の先端にはピン状のスプリングポスト7aが立設されており、ハウジング2のガイド溝2aの左上の部位には第2のスプリングポスト7bが立設されている。前記スプリング7はこの実施形態では引っ張りコイルバネであり、その両端の引っかけ部がそれぞれのスプリングポスト7a、7bの環状の係止溝に係止されている。
前記レバー6とスライダ3およびスプリング7の位置関係は、つぎのようになっている。まず図1に示すようにスライダ3が右端にあるとき、レバー6がほぼ右向きで、スプリング7の中心線L1とレバー6の中心線L2とのなす角度θ1が小さく、ギヤ5の回転中心を挟んでスプリングポスト7a、7b同士が互いに逆方向に配置され、かつ、ほぼ直線上に並んでいる。そのためスプリング7の付勢力が大きくても、レバー6を回転させるトルクは小さい。なおこの実施形態では、レバー6の中心線L2はスプリング7の中心線L1を超えて上側にきている。そのため、スプリング7の付勢力はレバー6およびギヤ5を反時計方向に回転させるように作用する。そのとき、スプリング7の付勢力に基づくレバー6の回転方向のトルクはレバー6の半径Lrとギヤ5の有効径との比率でさらに増力されている。
図1の状態からスライダ3が左側に移動すると、ギヤ5とラック4の噛み合いにより、ギヤ5およびレバー6は時計方向に回動する。そのときスプリング7の付勢力により、その回動はアシストされている。そして図2に示すようにスライダ3が左端にくると、レバー6は下方に回動してレバー6の中心線L2とスプリング7の中心線L1とが大きい角度θ2を呈する。レバー6を時計方向に回転させようとするトルクTはレバー6の半径Lr×スプリングの付勢力Fsの接線成分、あるいはスプリングの中心線L1と回転中心との距離R2×スプリングの付勢力Fsであるので、レバー6の回転角度が大きくなると、レバー6を回転させようとするトルクTが大きくなる。そのため、スプリングポスト7a、7b同士の距離が短くなってスプリング7の付勢力が弱くなっても、レバー6のトルクが大きくなる。ただしレバー6の角度がある程度大きくなり、直角に近づくと、距離R2がそれほど増加せず、スプリング7の付勢力Fsが減少するので、逆にトルクTが小さくなる。そのため、図2のようにスプリング7の中心線L1とレバー6の中心線L2の角度は最大で60度程度としている。
上記のように、スライダ3は右端にあるときは右方向に弱い力で付勢されており、左に移動するときは途中で付勢力がなくなり、さらに左に移動すると次第に大きい力で左側に付勢されることになる。したがって自動二輪車の運転者にとっては、坂道の走行時などに何度もクラッチの入り切りを繰り返す場合でも、楽にクラッチ操作をすることができる。
上記のアシスト装置1は図5のようにコントロールケーブル13の途中に介在させることにより、クラッチケーブルの操作力を軽減することができる。図5では左側のコントロールケーブル13の内索12aがクラッチレバーに連結され、右側のコントロールケーブル13の内索12bがクラッチのレリーズレバーに連結される。コントロールケーブル13と、その途中に介在させたアシスト装置1とにより、クラッチケーブルユニット63が構成される。
図6は図5のクラッチケーブルユニット63の左側の内索12aにロードセルを介在させて往復引き操作した場合のレバー6の角度Lθとアシスト力F1との関係を示すグラフである。ただしレバー角度は図1の状態のときを0度とし、時計方向に度で表示している。アシスト力F1はニュートンで示している。このグラフによれば、レバー角度が76度程度で最大に達し、それ以降は逆に低下することがわかる。なお、角度6度程度でマイナスの付勢力になっているのは、レバー6が反時計方向に付勢されていることを示す。符号F2はアシスト力がない場合のケーブルを引き操作するときの操作力(クラッチ側のリターンスプリングによる付勢力と摩擦抵抗の和)である。符号F2rはケーブルを引きながらクラッチのレリーズバネの付勢力を受けながら戻し方向に操作するときの操作力である。行きと戻りで差があるのは、摩擦抵抗と考えられる。そしてそれらの操作力からアシスト力を減じた「F2−F1」および「F2r−F1」が、アシストを受けながら往復操作する場合を示している。なお、操作ストロークの最後の方では、アシスト力がそれほど大きくないが、全範囲を操作するエネルギが減少する(グラフF1の下方の面積分)。したがって運転者にとって操作が楽になる。
図7〜12は前述のアシスト装置1を一部改良したものを示している。このアシスト装置1Aでは、スプリング7のバネ力を増大すると共に、レバー6の有効長さとギヤ5の有効半径の比であるレバー比を大きくしている。そのため、アシスト力が増大している。なお、バネ力およびレバー比を大きくしたことに伴い、レバー6を支持するシャフト5aの先端を略L字状の支持部材5dで支持している。支持部材5dの基部はハウジング2に固定されている。
また、図7および図8aに示す場合は、図4の場合と同様に、スプリング7の両端に円弧状のフック7cを形成し、スプリングポスト7a、7bの先端に形成した係止溝7dに係止している。しかし図8bに示すように、スプリング7の端部に貫通孔7eを形成した板状のフックプレート7fを固着して、そのフックプレート7fをスプリングポスト7bに嵌合させると共に、スプリングポスト7bの先端にEリング7gなどの係止部材を設けて抜け止めとするのが好ましい。それによりスプリング7のバネ力が強力であっても、スプリングポスト7a、7bから外れにくくなる。フックプレート7fの両側縁には、スプリング7の内面と嵌合する溝7hが形成されており、スプリング7の端部を溶接などで固定している。以下、他の改良点について説明するが、図1のアシスト装置1と実質的に同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。
さらにこのアシスト装置1Aでは、スライダ3を操作方向に付勢する補助スプリング71を併設している。すなわち、スライダ3の被操作側(図7の右側)の端面に当接するようにスライドプレート72を配置し、そのスライドプレート72をスライドシャフト73を介して補助スプリング71で被操作側に付勢している。この実施形態ではスライドシャフト73は2本設けている(図8、図10参照)。それらのスライドシャフト73は、ネジ74aでハウジング2に固定したガイドブラケット74により摺動自在にガイドしている。なお、図8の符号74bは、ガイドブラケット74に突設した係止ピンであり、ハウジング2に形成した穴に係止してガイドブラケット74の姿勢を支持し、1本のネジ74aだけでガイドブラケット74を安定して固定できるようにしている。
ガイドブラケット74の左側に突出しているスライドシャフト73の先端には、2本のスライドシャフト73の先端同士を連結するバネ受け75を取り付けると共に、ガイドブラケット74とバネ受け75との間に補助スプリング71を介在させている。補助スプリング71は圧縮コイルスプリングであり、それぞれのスライドシャフト73の周囲に装着している。なお、ハウジング2には、スライドシャフト73、バネ受け75および補助スプリング71を収容する凹所76が形成されている。
このアシスト装置1Aでは、補助スプリング71がバネ受け75を介してスライドシャフト73を図7の左側に付勢する。そのため、スライドシャフト73に対してスライドプレート72で連結されているスライダ3を、間接的に操作側に付勢する。この付勢力はレバー6およびそのレバーを付勢するスプリング7による非線形の付勢力と異なり、ケーブル操作量に略比例する付勢力を与える。そのため、クラッチレバーなどの引きケーブルの操作フィーリングが向上する。
また、補助スプリング71でスライダ3を直接付勢させず、スライドプレート72およびスライドシャフト73を介して付勢するようにしているので、狭いスペースでも充分な付勢力を与えることができる。また、2本のスライドシャフト73および2本の補助スプリング71を採用しているので、スライダ3を充分強い力で、しかもまっすぐに付勢することができる。なお、補助スプリング71として、圧縮コイルスプリングに代えて、引っ張りバネを採用することもできる。その場合はスライドシャフト73やガイドブラケット74を省略できるが、引っ張りバネの端部を係止するスプリングポストなどをハウジング2に設ける必要がある。
さらに本実施形態では、図9cに示すように、スライダ3に凹所77を設け、その凹所77内に操作方向に摺動自在にスライドブロック78を収容している。そして操作側の内索12aの端部の索端金具79をそのスライドブロック78に係止すると共に、スライドブロック78と凹所77の内壁との間にスライドブロック78を被操作側(図7の右側)に付勢するバネ80を介在させている。このバネ80は圧縮コイルスプリングであり、スライダ3を操作方向に付勢することができるが、その作用よりもむしろ内索12aの弛みをとることにより、クラッチレバーの遊び量を調整する作用を奏するものである。すなわち図9cの状態からクラッチレバーを引くと、操作側の内索12aに引かれてスライドブロック78が左側に移動し、スライダ3に当接する。そして当接した後に、スライダ3が左側に移動する。このようにスライドブロック78がスライダ3に当接するまでの距離がクラッチレバーの遊び量になる。
なお、この実施形態では図9cに示すように、スライドブロック78のスライダカバー3aと当接する側に、内索12a側に延びる延長片81を設け、スライダカバー3aによるガイド性を高めている。スライダ3に形成した凹所77にはその延長片81を摺動自在に収容する延長空所82を設けると共に、その延長空所82を利用して、内索12aの周囲に装着したバネ80を収容している。前記延長片81は、バネ80が上下方向にずれないようにガイドする作用を奏する。
図7のアシスト装置1Aに左右の内索12a、12bおよび導管11a、11bを組み付けて、図5に示すものと同様のクラッチケーブルユニットを構成し、内索12aのストロークと荷重との関係を測定した結果を図11に示す。符号は図6で使用した符号と同一である。このグラフからわかるように、図1のアシスト装置1に比してアシスト力F1がかなり大きく、レバー操作に要する実際の操作力「F2−F1(引き操作)」、「F2r−F1(戻り操作)」が低く、しかもなだらかになっていることがわかる。
つぎに図12〜18を参照して本発明のアシスト装置および操作ケーブルユニットの他の実施形態を説明する。図12に示すアシスト装置10は、自動二輪車のクラッチ操作用に使用され、導管11a、11bとそれらの導管内に摺動自在に収容される内索(引きケーブル)12a、12bとからなるクラッチ操作用のコントロールケーブル13の途中に介在されるものである(図17参照)。このアシスト装置10は、有底筒状のベースハウジング15と、そのベースハウジング内に略径方向に摺動自在に収容されるスライダ(ジョイント)16とを備えている。導管は途中で分割され、分割された導管11a、11bの端部はそれぞれベースハウジング15に同心状に取りつけられている。内索も途中で分割され、分割された内索12a、12bの端部はスライダ16に係止されている。図12の符号17は後述するロータ18から突出する当接片である。
図14および図15に示すように、ベースハウジング15の開口部側には、有底筒状のロータケース19の底部側がネジ20によって固定され、ロータケース19の内部にロータ18が回転自在に収容されている。そしてロータケース19の開口端にはロータカバー21がネジ22によって取りつけられている。ロータカバーとロータ18の間には、ロータ18を回転付勢する捻りコイルバネ23が、機能的な意味で介在されている。ベースハウジング15、ロータケース19およびロータカバー21は全体としてハウジングを構成している。
図16に示すように、前記ベースハウジング15は、浅い有底円筒状の形態を呈し、開口部側の外周の2個所に、自動二輪車の車体に取りつけるための取りつけ部24が突設されている。さらにロータケース19を取りつけるための取りつけ部25が4個所に設けられている。それらの取りつけ部24、25はそれぞれネジを通すための貫通孔を備えている。なお車体に取りつけるための取りつけ部24の貫通孔には、補強用のカラー24aが嵌合されている。ベースハウジング15の内部には、中心軸からいくらかずらした位置に、スライダ16を案内するガイド溝27が形成されている。この実施形態では、ガイド溝27の側壁は2枚のガイド壁28によって構成されている。ただし単なる凹所でガイド溝27を構成することもできる。それらのガイド壁28の中央部には、板状のスライダカバー29を取りつけるための取りつけ部28aが上下に突出するように設けられている。
さらにこの実施形態では、ベースハウジング15の側壁15aが図12の右側に膨らむように突出しており、それによりガイド溝27が右側へ延長され、スライダ16のストロークが延びている。また側壁15aにおける前記ガイド溝27の左右の端部と対応する部位には、それぞれ導管固定用の筒状の突出部30が設けられている。それらの突出部30には、導管の端部にカシメ付けられるケーブルキャップ31を螺合するためのネジ穴33が、ハウジングの内面まで貫通するように形成されている。ケーブルキャップ31は従来公知のものであり、前述の分割された導管11の端部に被せてカシメ付けるための薄肉円筒状のカシメ部31aと、内索12を通すための円筒状のガイド部31bとからなる。ガイド部31bの外周には前記突出部30の雌ネジと螺合する雄ネジが形成され、固定用のナット32が螺合されている。
前記スライダ16は、略直方体の形態を有し、図16に示すように、前面に円柱状のピン34が突出している。さらに背面には内索12a、12bの先端に固着されるケーブルエンド35を係止するための2個の係止穴36が形成され、それぞれの係止穴36は、ケーブルエンド35に続く内索12a、12bを導入するための導入溝37と連通している。その導入溝37は、スライダ16の底面側まで貫通しており、底面側から端面側にかけて形成される挿通溝38と連通しており、底面にはL字状の溝となっている。なお図16では、見やすいように導入溝37と挿通溝38を上側にした状態で示している。内索12は、縦方向にした状態でケーブルエンド35を係止穴36に嵌合させ、挿通溝38に沿って横向きに倒すことにより、端面側に引き延ばすことができる。
前記一対のガイド壁28には、スライダ16の前面側のガイドのために板状のスライダカバー29が皿ネジなどで取りつけられる。スライダカバー29の上端および下端の中央には、皿ネジを通すための突出部および座グリ付きの貫通孔が形成されている。さらにスライダカバー29の中央部には、スライダ16のピン34を通すための長孔40が形成されている。スライダカバー29の左端はベースハウジング15の内面と嵌合する円弧状にされ、右端は外向きに突出した側壁の内面と嵌合するように幅が狭くされた矩形状の突出片29aが延ばされている。
前記ロータケース19は、有底円筒状の形態を有し、底面側の外周の4個所にベースハウジング15に取りつけるための突出部42が設けられている。突出部にはネジ(図15の符号20参照)と螺合する雌ネジが形成されている。ロータケース19の開口部側の外周にも、ロータカバー(図15の符号21参照)を取りつけるための突出部43が設けられ、取り付け用のネジと螺合する雌ネジが形成されている。ロータケース19の底板44の中央には、ローラ18を回転自在に支持する軸45が突出している。そして底板44には、軸45を避けるように、ロータ18の当接片を通すための略扇状の開口46が形成されている。なお、スライダのピン34を通すための円弧状の開口を形成することもできる。ロータケース19の内面には、多数の突条47がそれぞれ軸方向に平行に突出している。それらの突条47はガスケット59を保持するためのものである。
前記ロータ18は図16に示すように、中心のボス48、間隔をあけてその外側に同心状に設けられるバネ支持部49、さらにその外側に同心状に設けられる外周壁50、および底壁51を備えている。底壁51の中心部からボス48にかけて、ロータケース19の軸45と嵌合する穴52が形成されている(図15参照)。ボス48の前面側には、図15のロータカバー21の内面中央から突出する支持軸53と嵌合する穴54が形成されている。さらにバネ支持部49とボス48とは半径方向に延びる壁55で連結されており、その壁55に捻りコイルバネ23の一端を係止するためのバネ係止溝56が形成されている。
さらにロータ18の背面側には、スライダ16のピン34と当接する当接片17が突設されている。当接片17は図12などに示すように、略半径方向に延びている。
前記捻りコイルバネ23は、円筒状を呈しており、図14に示すように両端はそれぞれ半径方向内向きに延びている。捻りコイルバネ23は、あらかじめ初期撓みが付与された状態でロータ18とロータカバー21の間に係止させており、そのため、ロータ18には図12の時計回り(矢印T方向)に付勢力が加わる。
図14および図15に示すロータカバー21は、ローターケース19の開口端を塞ぐものであり、開口端内面と嵌合する筒状の嵌合突起58と、ロータ18のボス48の穴54と嵌合する支持軸53とを有する。嵌合突起58の周囲には環状のガスケット59が設けられ、ロータカバー21とロータケース19の間をシールしている。なおローターケース19のベースハウジング15と当接する部位には環状の溝60が形成され、その溝60にガスケット61が収容されている。ベースハウジング15の対応する部位には、その溝60と嵌合する環状の突条62が形成されている。そのガスケット61はロータケース19とベースハウジング15との間をシールするものである。
上記のように構成されるアシスト装置10は、図17に示すように自動二輪車のクラッチ操作用のコントロールケーブル13の途中に介在され、クラッチケーブルユニット63として用いられる。コントロールケーブル13の左側の内索12aはクラッチレバーに連結され、右側の内索12bはクラッチ本体のレリーズレバーに連結される。レリーズレバーは常時リターンバネの付勢力により、右側の内索12bを右側へ、すなわちレリーズレバー側に引いている。それにより、スライダ16を介して左側の内索12aも右側に引かれている。
この状態では、図12に示すようにスライダ16がガイド溝27内の右端にきている。そしてスライダ16のピン34がロータの回転中心Oから遠い位置(距離R)にある。そのため、ロータが捻りコイルバネの付勢トルクTで時計方向に回転付勢されても、ピン34に加わる付勢力F0(=T/R)は小さい。しかも付勢力の方向がスライダ16のガイド方向に対して90度近い角度であるので、付勢力のガイド方向の成分(アシスト力)F1が小さい。そのため、捻りコイルバネの付勢力によってピン34を左側に付勢するアシスト力が弱く、レリーズレバーのリターンバネの力を減少させる働きが小さい。そのためクラッチ本体への影響が少ない。
上記の状態からクラッチレバーを握る操作をすると、図13に示すように左側の内索12aが左側に引かれ、スライダ16も左側に移動する。それに伴ってピン34と回転中心Oの距離Rが短くなる。そのため、ロータ18から受ける回転付勢力(F0)が大きくなる。しかも付勢力のガイド方向に対する角度が小さくなり、たとえば図13の状態ではほぼ30度程度になる。そのため回転付勢力F0のガイド方向の成分F1、すなわちアシスト力が大きくなる。なお、捻りコイルバネの付勢力自体は、撓み量が少なくなるので、小さくなっていく。しかし捻りコイルバネ全体の蓄積されるエネルギが大きいので、それほど低下せず、アシスト力全体として増加していく。
上記のようにこのアシスト装置10を採用すると、クラッチレバーの操作の初期の段階ではアシスト力が弱く、操作するに従ってアシスト力が大きくなる。この作用を図18を参照して説明する。図18のグラフで符号F2はレリーズレバーを戻そうとするクラッチ本体側のリターンバネの付勢力であり、図12では右側に内索12bを引っ張る。そして符号F1がリターンバネに抗してケーブルに働くアシスト力である。レリーズレバーの付勢力(アシストなしのときの操作力)F2は、操作していないときがもっとも小さく、操作するに従って撓み量が大きくなる。同様にスライダ16へのアシスト力F1は、操作の初期で小さく、前述のように操作するにしたがって大きくなる。そのため、リターンバネの戻し方向の付勢力F2からアシスト力F1を減じて得られる実際の操作力(F2−F1)はそれほど増大しない。すなわち比較的傾きが少ない平坦なグラフとなる。そのためクラッチ操作が楽になる。
前記実施形態では、ロータの当接片の当接面は平坦にしているが、円弧状など、湾曲した形状でもよい。また、当接面と当接するピン34は円柱状であるが、楕円柱状など、他の形態を有するものでもよい。ただしピン34と当接する面は滑らかにするほうが、当接面との当接位置が滑らかに変化するので好ましい。さらに前記実施形態ではロータを円筒状としているが、回転を支持する部位(ボス部など)、当接片およびバネ係止部を備えているものであればよく、たとえばレバーなどの形態であってもよい。また、図12などの実施形態では、操作していない状態ではわずかに操作方向のアシスト力が作用しているが、アシスト力がゼロであってもよく、さらにマイナス(戻り方向)に付勢するものであってもよい。
また、前記実施形態ではロータ(回転部材)を回転付勢するバネとして、捻りコイルバネを採用しているが、渦巻きバネでもよく、さらにロータを回転付勢するように連結できるのものであれば、引っ張りバネや圧縮バネ、空気バネなども採用することができる。さらにバネのほか、操作レバーなどの操作開始で回転を開始し、操作終了で回転するモータによってロータを回転駆動するようにしてもよい。その場合もモータの駆動トルクはほぼ一定でよく、そのため最大トルクを低くすることができる。
また前記実施形態ではクラッチ操作用コントロールケーブルにアシスト装置を介在させているが、アクセル操作用のケーブルやブレーキ操作用のケーブルに採用することもできる。さらに自動二輪車のほか、自転車、自動車、その他の工業製品の遠隔操作用の引きコントロールケーブルに用いることもできる。
本発明のアシスト装置の一実施形態を示す要部正面図である。 図1のアシスト装置の操作状態を示す要部正面図である。 図1のアシスト装置のIII-III線断面図である。 図1のアシスト装置の組立前の状態を示す斜視図である。 図1のアシスト装置を備えたクラッチケーブルユニットの正面図である。 図1のクラッチケーブルユニットの作用を示すグラフである。 本発明のアシスト装置の他の実施形態を示す正面図である。 図8aはそのアシスト装置の底面図、図8bはそのアシスト装置におけるスプリングポストの他の実施形態を示す斜視図である。 図9aは図7のIXa-IXa線断面図、図9bは図7のIXb-IXb線断面図、図9cは図7のIXc-IXc線断面図である。 図7のアシスト装置の要部斜視図である。 図7のアシスト装置を用いたクラッチケーブルユニットの作用を示すグラフである。 本発明のアシスト装置の他の実施形態を示す要部正面図である。 図12のアシスト装置の操作状態を示す要部正面図である。 図12のアシスト装置の一部切り欠き正面図である。 図14のXV-XV線断面図である。 図12のアシスト装置の組立前の状態を示す斜視図である。 図12のアシスト装置を備えたクラッチケーブルユニットの正面図である。 図17のクラッチケーブルユニットの作用を概念的に示すグラフである。
符号の説明
1 アシスト装置
2 ハウジング
2a ガイド溝
2b 凹所
2c 突条
3 スライダ
3a スライダカバー
3b 嵌合凹部
3c ネジ
4 ラック
4a 嵌合突起
5 ギヤ
5a シャフト
5b ナット
5c ボールベアリング
5d 支持部材
6 レバー
7 スプリング
7a、7b スプリングポスト
7c フック
7d 係止溝
7e 貫通孔
7f フックプレート
7g Eリング
7h 溝
8 カバー
9 ガスケット
L1 スプリングの中心線
L2 レバーの中心線
Lr レバー半径
R2 距離
θ1、θ2 スプリングとレバーの角度
F1 アシスト力
F2 アシストなしのケーブルを引くときの操作力
F2r アシストなしのケーブルを戻すときの操作力
10 アシスト装置
11、11a、11b 導管
12、12a、12b 内索
13 コントロールケーブル
15 ベースハウジング
15a 側壁
16 スライダ
17 当接片
17a 当接面
18 ロータ
19 ロータケース
20 ネジ
21 ロータカバー
22 ネジ
23 捻りコイルバネ
24、25 取りつけ部
24a カラー
27 ガイド溝
28 ガイド壁
28a 取りつけ部
29 スライダカバー
29a 突出片
30 突出部
31 ケーブルキャップ
31a カシメ部
31b ガイド部
32 ナット
33 ネジ穴
34 ピン
35 ケーブルエンド
36 係止穴
37 導入溝
38 挿通溝
40 長孔
42 突出部
43 突出部
44 底板
45 軸
46 開口
47 突条
48 ボス
49 バネ支持部
50 外周壁
51 底壁
52 穴
53 支持軸
54 穴
55 壁
56 バネ係止溝
58 嵌合突起
59 ガスケット
60 溝
61 ガスケット
62 突条
63 クラッチケーブルユニット
O 回転中心
R 距離
F0 当接片によるピンの付勢力
71 補助スプリング
72 スライドプレート
73 スライドシャフト
74 ガイドブラケット
74a ネジ
74b 係止ピン
75 バネ受け
76 凹所(ハウジング)
77 凹所(スライダ)
78 スライドブロック
79 索端金具
80 バネ
81 延長片
82 延長空所

Claims (10)

  1. 一端が操作対象物のリターンバネで常時戻り方向に付勢されると共に他端をそのリターンバネの付勢力に抗して引き操作する引きケーブルに用いられるアシスト装置であって、
    前記引きケーブルの操作に伴って移動する係合部材と、
    その係合部材を、操作ストロークが大きくなるにつれて大きい力で操作方向に付勢する付勢手段と、
    前記引きケーブルの係合部材近辺、係合部材および付勢手段を保持するハウジング
    とを備えている引きケーブルのアシスト装置。
  2. 前記付勢手段が、バネと、そのバネの反発力を前記係合部材の移動量が大きくなるにつれて大きい力に増力して係合部材に伝達する増力機構とからなる請求項1記載のアシスト装置。
  3. 前記係合部材が引きケーブルが延びている方向に延びているラックであり、
    前記付勢手段が、そのラックと噛み合い、ハウジング内に回転自在に設けられるギヤと、そのギヤと共廻りするように設けられ、半径方向外向きに延びるレバーと、そのレバーの自由端とハウジングとの間に介在されるバネとを備えており、
    前記レバーとバネのなす角度が、前記操作ストロークが小さいときに小さく、操作ストロークが大きくなるにつれて大きくなるように構成されている、
    請求項1記載のアシスト装置。
  4. 前記ラックを引き操作の方向に付勢する補助バネをさらに備えている請求項3記載のアシスト装置。
  5. 前記付勢手段が、
    前記ハウジング内に回転自在に設けられ、前記係合部材と当接する当接片を備えている回転部材と、
    その回転部材を、当接片が係合部材と係合する向きに付勢するバネとを備えており、
    前記当接片が、前記操作ストロークが小さいときに回転中心から遠い部位で前記係合部材と当接し、操作ストロークが大きくなるにつれて回転中心から近い部位で当接するように構成されている、
    請求項1記載のアシスト装置。
  6. 前記付勢手段が、
    前記ハウジング内に回転自在に設けられ、前記係合部材と当接する当接片を備えている回転部材と、
    その回転部材を、当接片が係合部材と係合する向きに付勢するバネとを備えており、
    前記当接片が、操作ストロークが小さいときにケーブルの移動方向に対して大きい角度で係合部材を付勢し、操作ストロークが大きくなるにつれて小さい角度で付勢するように、回転部材の略半径方向に延びている請求項1記載のアシスト装置。
  7. 前記バネが、その一端がハウジングによって支持され、他端が前記回転部材と係合している捻りコイルバネないし渦巻きバネである請求項4または5記載のアシスト装置。
  8. 前記引きケーブルが一端側と他端側とに分離されると共に前記係合部材によって連結されており、かつ、その係合部材が前記ハウジング内で引きケーブルが延びている方向に摺動自在にガイドされている請求項1記載のアシスト装置。
  9. 前記分離された引きケーブルのうち、操作側の引きケーブルの端部が係合部材に対して操作方向に移動自在に設けられ、かつ、その端部と係合部材との間に、引きケーブルの有効長を短くする向きに付勢する付勢手段が介在されている請求項8記載のアシスト装置。
  10. 導管と、その導管内に摺動自在に通されている引きケーブルと、前記導管および引きケーブルの途中に介在されている請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9のいずれかに記載のアシスト装置とを備え、前記導管が操作側と被操作側に分離されるとともに前記ハウジングによって互いに連結されている操作ケーブルユニット。
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