JP2005273326A - 床面化粧構造及び床面化粧方法 - Google Patents

床面化粧構造及び床面化粧方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005273326A
JP2005273326A JP2004089730A JP2004089730A JP2005273326A JP 2005273326 A JP2005273326 A JP 2005273326A JP 2004089730 A JP2004089730 A JP 2004089730A JP 2004089730 A JP2004089730 A JP 2004089730A JP 2005273326 A JP2005273326 A JP 2005273326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floor
decorative
floor surface
thickness
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004089730A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunitomo Mizushima
邦具 水島
Masamitsu Ishii
正光 石井
Koji Sugio
康志 杉尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiken Trade and Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiken Trade and Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiken Trade and Industry Co Ltd filed Critical Daiken Trade and Industry Co Ltd
Priority to JP2004089730A priority Critical patent/JP2005273326A/ja
Publication of JP2005273326A publication Critical patent/JP2005273326A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 凹みや傷が付き難く、優れた寸法安定性を有するとともに、既設の床材の防音性能を低下させず、容易に原状復帰できる床面化粧構造及び床面化粧方法を提供する。
【解決手段】 鉱物質繊維、有機繊維、無機粉状体及び結合剤を必須成分とする比重1.3〜1.7で厚さ2〜6mmの硬質繊維板の表面に化粧加工を施した化粧薄板9を、厚さ0.5〜4mmのクッション材10を介して床材2の床面に貼着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、床面化粧構造及び床面化粧方法に関する。
マンション等では、木質の床板の裏面に防音層を接着した防音構造床材を、コンクリートスラブの上に接着剤で貼り付けた防音床が多く採用されている。これらの木質の床材は、数年の使用により、傷が入ったり、凹んだりして、床面の美観が損なわれる。そして、これらを張り替える場合は、床材を剥がす作業、コンクリートスラブにこびりついた接着剤を剥がす作業、新しい床材を施工する作業を含め、かなりの時間がかかるうえ、工事の際に生じる騒音問題のため、マンションの床をリフォームするということは容易ではなかった。
手軽にマンションをリフォームする方法として、裏面に防音層を備えた薄い合板からなる床面化粧材、又は、特許文献1にあるようなMDFからなる化粧薄板の裏面にクッション材を備えた床面化粧材を、既設の床板の表面に接着する床面化粧方法がある。しかし、合板やMDFは、梅雨時期の湿気の高い時期に吸湿膨張して伸び、継ぎ目部分でピックアップと呼ばれる現象を起こし易い。また、乾燥時期には乾燥収縮により、継ぎ目部分で目隙と呼ばれる現象を起こす場合がある。そのために、床面化粧材と既存床面とを接着剤で強固に接合する必要があった。従って、引渡し時に現状復帰が必要な賃貸マンション等では、床面化粧を気軽に行うことができなかった。
実用新案登録第3042756号公報
また、化粧薄板の継ぎ目におけるピックアップや目隙を改善するには、無機材料などの寸法安定性の高い材質を用いればよい。しかし、一般に寸法安定性の高い材料は剛性が高く、合板やMDFを使用した床面化粧構造に比べ、特に軽量床衝撃音に対する防音性能が悪い。これは、床板の見かけ上の剛性が化粧薄板の分だけ高くなり、床面に加わった衝撃を吸収できないため、衝撃音としてコンクリートスラブに伝え易くなるからである。このため寸法安定性の高い化粧薄板を使用する場合には、床板と化粧薄板との間に厚いクッション材を積層して防音効果を高めねばならないが、クッション材を厚くすると、前記化粧薄板が沈み込み易くなるので、化粧薄板自身が破損しやすいという問題があった。
本発明は、前記問題点に鑑み、凹みや傷が付き難く、優れた寸法安定性を有するとともに、既設の床材の防音性能を低下させず、容易に原状復帰できる床面化粧構造及び床面化粧方法を提供することを課題とする。
本発明にかかる床面化粧構造は、鉱物質繊維、有機繊維、無機粉状体及び結合剤を必須成分とする比重1.3〜1.7で厚さ2〜6mmの硬質繊維板の表面に化粧加工を施した化粧薄板を、厚さ0.5〜4mmのクッション材を介して床材の床面に貼着した構成からなる。
本発明によれば、床面は、化粧薄板で覆われるので美観に優れる。特に、前記化粧薄板を構成する硬質繊維板は、凹んだり傷付いたりし難いので、床面化粧による美観を長期にわたって維持できる。また、前記硬質繊維板は、耐水性に優れ、寸法変化が小さいので、簡易な接着方法で床面化粧を行っても、継ぎ目にピックアップや目隙が発生し難い。さらに、前記化粧薄板を、厚さ0.5から4mmのクッション材を介して貼着することで床材の防音性能を低下させずに床面化粧が可能となる。
また、本発明にかかる前記床材は、床板と、該床板の裏面に接着された防音材とからなる防音構造床材であってもよい。
本実施形態のように床材が防音性能を有している場合は、防音性能を低下させずに施工できる。
本発明にかかる床面化粧方法は、既設の床材の床面に、厚さ0.5〜4mmのクッション材を貼着した後、前記クッション材の上面に、鉱物質繊維、有機繊維、無機粉状体及び結合剤を必須成分とする比重1.3〜1.7で厚さ2〜6mmの硬質繊維板の表面に化粧加工を施した化粧薄板を貼着する工程からなる。
本発明によれば、床面は、化粧薄板で覆われるので美観に優れる。特に、前記化粧薄板を構成する硬質繊維板は、凹んだり傷付いたりし難いので、床面化粧による美観を長期にわたって維持できる。また、前記硬質繊維板は、耐水性に優れ、寸法変化が小さいので、簡易な接着方法で床面化粧を行っても、継ぎ目にピックアップや目隙が発生し難い。さらに、前記化粧薄板を、厚さ0.5から4mmのクッション材を介して貼着することで床材の防音性能を低下させずに床面化粧が可能となる。
また、本発明にかかる床面化粧方法は、鉱物質繊維、有機繊維、無機粉状体及び結合剤を必須成分とする比重1.3〜1.7で厚さ2〜6mmの硬質繊維板の表面に化粧加工を施した化粧薄板の裏面に、厚さ0.5〜4mmのクッション材を予め接着した床面化粧材を、既設の床材の床面に貼着する工程からなってもよい。
本実施形態によれば、前述の効果に加え、化粧薄板の裏面にクッション材を予め接着した床面化粧材を使用するので、現場での作業工程が少なく、作業効率が高い。
また、本発明にかかる前記既設の床材は、床板と、該床板の裏面に接着された防音材とからなる防音構造床材であってもよい。
床材が防音性能を有している場合であっても、本発明にかかる床面化粧方法によれば、防音性能を低下させずに施工できるという効果がある。
図1は、本発明にかかる床面化粧構造を有する防音床の実施形態の断面図である。この実施形態は、コンクリートスラブ1の上面にL−45の防音性能を有する防音構造床材2を接着剤3で直張りした防音床に、床面化粧材4を両面テープ5で貼着したものである。前記防音構造床材2は、厚さ9mmの木質合板からなる床板6の裏面に、厚さ4mmの不織布からなる防音材7をホットメルト接着剤8で接着したものである。前記床面化粧材4は、化粧薄板9の裏面にクッション材10をホットメルト接着剤11で接着したものである。そして、前記化粧薄板9は、厚さ3mmの硬質繊維板12の両面に厚さ0.25mmのナラ単板13を尿素−メラミン系接着剤14でそれぞれ接着するとともに、上面にのみUV塗装15を施したものである。
本実施形態に使用する硬質繊維板の製造方法を説明する。
先ず、鉱物質繊維、結合剤、有機繊維及び無機粉状体を水中に投入し、これに撥水剤、消泡剤及び顔料等の添加剤を加え攪拌し、固形成分率が数%のスラリーを得る。次いで凝集剤等の補助添加剤を加えて凝集させた後、前記スラリーを長網式又は丸網式の抄造機で抄造し、脱水し、熱風通風ドライヤーで乾燥させ、比重0.3〜0.7のセミキュアマットを得る。このとき、乾燥させる前に、仮圧締(80〜110℃、5〜7kg/cm、30〜150sec)を行うことが、セミキュアマットの剛性を高め、ハンドリング性を向上させるのでより好ましい。さらに前記セミキュアマットを高温高圧条件下で熱圧プレス(150〜250℃、10〜30kg/cm、3〜30分程度)することによって、比重1.3〜1.7、厚み2〜6mmの硬質繊維板を得る。この熱圧プレスは、前記セミキュアマットの全面に均一な圧力で長時間のプレスを行う必要があるため、バッチ式の単段又は多段式の熱圧プレス機を使用することが好ましい。また、ベルトプレスを使用することにより、連続的に生産することも可能である。
鉱物質繊維としては、例えば、ロックウール、スラグウール、ミネラルウール、ガラスウール、ガラス繊維等が挙げられ、これらを単体で、あるいは、複数を混合して用いる。また、有機繊維としては、例えば、ナイロン繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン繊維及び各種ゴム繊維が挙げられ、これらを単体で、あるいは、複数を混合して用いる。
有機繊維と鉱物質繊維とは、合計して35〜70重量%、好ましくは45〜55重量%となる範囲で配合する必要がある。これは、有機繊維と鉱物質繊維との合計量が35%未満であると、抄造したときにマット切れを起こしやすくなるとともに、脱水及び乾燥して得られたセミキュアマットの曲げ強度が非常に弱くなり、セミキュアマットのハンドリングが難しくなるからである。また、有機繊維と鉱物質繊維との合計量が70重量%を超えると、相対的に添加される結合剤及び無機粉状体の添加量が少なくなるため、熱圧プレスしたときに密度が上がり難く、板材としての強度が不足するからである。
鉱物質繊維は、硬質繊維板の剛性を高める働きがあり、有機繊維は、硬質繊維板に靭性を付与する働きがある。有機繊維を一定重量添加した場合に、有機繊維が太いほど及び長いほど靭性が高くなるが、細く短い有機繊維はあまり靭性に寄与しない。一方、細くて長い繊維は抄造しにくく、太くて短い繊維は、抄造適性がよい。従って、強度と抄造適正との両方を考慮して、最適な太さと長さとを決定する必要がある。抄造適正については、鉱物質繊維、結合剤、有機繊維及び無機粉状体の配合比により、微妙に異なるが、有機繊維は、長さ1〜5mm、太さは0.5〜40デニール程度(1デニールは90000メートルで1グラムの重量を持つ太さ)が好ましい。より好ましくは、長さ2〜3mm、太さ0.8〜20デニール程度の有機繊維を使用するとよい。また、有機繊維の配合量が少ないと、硬質繊維板は硬くて脆い板となり、有機繊維の配合量が多いと、相対的に鉱物質繊維の添加量が少なくなるため、硬質繊維板の剛性が不足する。このため、有機繊維を3〜15重量%の範囲で配合することにより、硬質繊維板に木材のような靭性を与えることが必要である。
無機粉状体としては、比重の重い炭酸カルシウム、酸化アルミ、硫酸バリウム等や、比重の軽いシラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体、バーミキュライト等が挙げられ、これらを単体で、あるいは、複数を混合して用いる。
無機粉状体は、20〜55重量%となる範囲で配合する必要がある。これは、無機粉状体が20重量%未満であると、得られたセミキュアマットを高温高圧条件下で熱圧プレスしても密度が上がり難いからであり、一方、無機粉状体が55重量%を越えると、相対的に添加される鉱物質繊維の添加量が少なくなり、セミキュアマットの曲げ強度が小さくなりハンドリングが困難になるからである。
特に、シラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体等の比重の軽い無機粉状体は、2重量%以下とすることが好ましい。これは、無機粉状体は、比重調整の役目も果たし、硬質繊維板を重くするためには比重の重いものを使用し、軽くするためには比重の軽いものを使用するが、比重の軽い無機粉状体を多量に使用すると、硬質繊維板に必要な均質性と耐久性とを損なうおそれがあるためである。また、着色顔料を無機粉状体の一部として使用して、硬質繊維板に着色を行うこともできる。
結合剤としては、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、ポリビニールアルコール、アクリルエマルジョン又は酢ビエマルジョン又はこれらの変性物、澱粉(コーンスターチ等)、大豆粉、小麦粉等が挙げられ、これらを単体で、あるいは、複数を混合して用いる。
結合剤は、5〜25重量%の範囲での配合する必要がある。これは、配合量が5重量%未満であると、セミキュアマットが強度不足を生じ、添加量が25重量%を超えると、相対的に鉱物質繊維の添加量が少なくなり、特に、曲げ強度が弱くなるためである。
また、結合剤の中で、ポリビニールアルコール、アクリルエマルジョン又は酢ビエマルジョン又はこれらの変性物、澱粉、大豆粉、小麦粉、イソシアネート樹脂等の低温で反応するものは、スラリーを抄造、脱水、乾燥させて得られたセミキュアマットの曲げ性能を向上させ、ハンドリング性を向上させることが可能である。しかし、これらの低温で反応する結合剤の添加量が多くなると、最終的に得られる床材の寸法安定性が悪くなる。このため、低温で反応する結合剤の使用量は5重量%以下であることが望ましい。高温で反応する結合剤は、セミキュアマットを得る際の80℃〜110℃の熱では完全に硬化せず、セミキュアマットを150〜250℃の高温高圧下における熱圧プレスで完全に硬化することにより、最終的に得られる硬質繊維板に優れた寸法安定性を与える。従って、セミキュアマットのハンドリング性を上げるために低温で反応する結合剤と、最終的に得られる硬質繊維板の強度及び耐水性を向上させる高温で反応する結合剤との少なくとも2種類を併用することが望ましい。
こうして得られた硬質繊維板の表面に化粧加工を施すことで本発明に使用する化粧薄板が得られる。化粧加工としては、硬質繊維板の片面又は両面に床として好ましい色彩や模様を有する化粧シートを貼り付ける方法がある。化粧シートとしては、突き板、紙、樹脂含浸紙、オレフィンシート、ポリエチレンテレフタレートシート及びこれらの複合品等が挙げられる。また、これらの化粧シートの上にさらに塗装を施してもよいし、予め塗装を施したシートを硬質繊維板に貼り付けてもよい。塗装としては、例えば、ウレタン塗装、UV塗装、EB塗装などが挙げられる。また、化粧シートを貼らずに、硬質繊維板に直接塗装のみを施してもよく、化粧シートの上から、V溝等の溝加工や面取り加工を施した後に塗装してもよい。
前述したように無機粉状体の一部に着色顔料を使用して硬質繊維板の内部の色を、化粧加工した表面の色に近似した色に着色すれば、硬質繊維板の表面に化粧シートを貼り、溝加工を行った後に透明なUV塗装を行った場合にも、化粧シートと溝部の色調に違和感のない化粧薄板が得られる。また、表面に塗装のみを行った化粧薄板でも、表面の塗装色と硬質繊維板内部の色とが近似していれば、化粧薄板の表面に硬質繊維板にまで達する傷が付いた場合でも傷が目立ちにくい。
また、化粧薄板の上面のみに化粧シートを貼ると、温度変化や含水率の変化による伸縮量が表と裏とで異なり、化粧薄板に反りが発生することがある。このため、裏面にバッカー材を貼り付ける事が望ましい。バッカー材には、表面に貼った化粧シートと同じ素材のシートを使用することがより望ましい。また、床暖房用フロアの上貼り床材として使用する場合には、バッカー材のさらに表面又はバッカー材の代わりに熱伝導率の高いアルミシートを貼り付けることが望ましい。さらに、裏面に設けられたバッカー材は、置き敷き施工を想定した場合、比重1.5〜1.8、厚さ1〜3mmの無機フィラーで強化されたシートであることが好ましい。
化粧薄板は、切りっ放しでもよいが、実加工を施すことが好ましい。また、実形状については、一般的に使用される合いじゃくり、本実又は雇い実形状等が適用可能である。本発明では、このような化粧薄板をクッション材を介して床面に貼着する。クッション材は、一般的に用いられる合成樹脂発泡体や合成樹脂不織布などが使用可能である。
クッション材の役割は、軽量床衝撃音の改善と不陸(床面の凹凸)調整であり、0.5mm未満の場合はクッション材としての効果が期待できず、4mmを超える場合は化粧薄板がクッションの動きに追従できず、床材が破損する場合がある。従って、クッション材は0.5〜4mm、好ましくは、1mm〜3mmのクッションを使用する。例えば、オレフィン系発泡体の場合は発泡倍率5〜40倍程度、オレフィン系不織布の場合は50〜150g/mのものが好適である。
以上のような構成の床面化粧構造の特徴を説明する。
本発明で使用する有機繊維を含んだ硬質繊維板は、鉱物性繊維の働きで剛性があって表面が傷つき難く、木質合板やMDFに比べて温度や含水率による寸法変化が小さい。さらに、本発明に使用する硬質繊維板は、有機繊維の働きで従来の木質合板やMDFのような靭性があり、衝撃や曲げ等によっても破損し難いという特徴を備えている。このような硬質繊維板に、化粧加工を施した化粧薄板は、床面の美観を継続して保つことができ、継ぎ目にピックアップや目隙が発生しない。さらに、このような化粧薄板をクッション材を介して床板に貼着するので、床面が不陸であっても剛性の高い化粧薄板を床面の凹凸にかかわらず平坦に敷き詰めることができる。さらに、このクッション材の働きで、床材が床板の裏面にクッション材を有するような防音構造床材であったとしても、化粧薄板が床板の軽量衝撃音に対する防音性能を低下させず、防音床構造全体としてもその防音性能を維持できる。
また、本発明の最大の利点は、化粧薄板を構成する硬質繊維板の寸法安定性が高いため、従来の床面化粧構造のように、継ぎ目のピックアップや目隙を防止する目的で化粧薄板を床板に強固に貼着する必要がなく、両面テープ等の簡易な手段で貼着できることである。このため、賃貸住宅の床板に本発明にかかる床面化粧を施しても、退居時には床面化粧を撤去して容易に原状復帰できる。
前述の実施形態では、クッション材を化粧薄板の裏面に予め貼り付けていたが、化粧薄板とクッション材とを分離した状態で施工現場に搬入し、床面にクッション材を貼着した後、その上に化粧薄板を貼着してもよい。これは、後から撤去することを考慮すると、たとえ両面テープといえども、接着面積をできる限り小さくすることが望ましいからである。化粧薄板は、作業者が取り扱い易いように、長さ0.9〜2m、幅0.3〜1.2m程度の大きさであることが好ましい。そこで、化粧薄板に予め貼着したクッション材も同時に同じ大きさに分割してしまうと、それぞれのクッション材を床板に貼着するためにより多くの両面テープを使用しなければならない。しかし、クッション材はロール状にして大きいままで運搬することができるので、このような大きなクッション材を使用して床面に貼着するための両面テープの使用量を少なくすることができる。このように、床面をできるだけ少ない枚数のクッション材で覆ってから、前記クッション材の上面に化粧薄板を貼着することで、より撤去し易い床面化粧構造が得られる。
以上のように、本発明の床面化粧方法は、現場での床面化粧の作業性を重視する場合には、化粧薄板の裏面に予めクッション材を接着しておき、既設の床板の床面に、化粧薄板とクッション材とを同時に貼着することが好ましい。また、後の撤去の作業性を重視する場合には、既設の床板の床面に、クッション材を貼着してから、化粧薄板を貼着することが好ましい。
(予備試験1)
以上のような利点を有する本発明の床面化粧構造及び床面化粧方法に、使用する化粧薄板を、異なる構成の化粧薄板と比較し、本発明の効果を明確にする。
(適合品1)
鉱物質繊維としてロックウール45重量%と、耐熱性有機繊維としてナイロン繊維(長さ5mm、直径25μm)5重量%と、無機粉状体として炭酸カルシウム40重量%と、結合剤としてスターチ3重量%及び粉体フェノール樹脂7重量%とを水中に投入して固形成分5%のスラリーを得、これに消泡剤を微量添加して攪拌した。前記スラリーを長網式抄造機で抄造した後、サクションポンプで脱水し、含水率50%の湿潤マットを得た。この湿潤マットに温度90℃、圧力0.7MPa、加圧時間1分のプレス条件で第1次熱圧プレスを行いプレセミキュアマットを得た。このプレセミキュアマットをウォーターカッターで30cm×90cmの大きさに切断し、220℃に調整した熱風ドライヤーで乾燥することにより、含水率5%、厚さ7mm、比重0.45のセミキュアマットを得た。
前記セミキュアマットの表裏面それぞれに樹脂液をフローコーターで400g/mずつ塗布して含浸させた。前記樹脂液は、アクリルエマルジョン80重量部にラテックス20重量部を添加するとともに、水で希釈して樹脂率35%に調整したものに、1重量%の浸透剤、0.05重量%の消泡剤、0.05重量%の離型剤をそれぞれ添加したものである。そして、前記セミキュアマットの両側に3.0mmのディスタンスバーを配置し、温度190℃、圧力1.5MPa、加圧時間20分のプレス条件で第2次熱圧プレスを行い、厚さ3.3mmの硬質繊維板を得た。
前記硬質繊維板の表裏面をサンダーがけし、面均一な厚さ3.0mmの硬質繊維板を得た。この時の外観を目視したところ、樹脂強化された面均一な表面を確認できた。さらに、前記硬質繊維板の表裏面に、酢ビエマルジョン及びイソシアネートを混合した接着剤(130g/m)を塗布して厚さ0.45mmのカバ乾燥単板をそれぞれ貼り付けた。そして、前記カバ乾燥単板の表面にUV塗装を施して化粧薄板を得、これをサンプルとした。
(比較品1)
鉱物質繊維としてロックウール50重量%と、無機粉状体として炭酸カルシウム40重量%と、結合剤としてスターチ3重量%及び粉体フェノール樹脂7重量%とを水中に投入して得た固形成分5%のスラリーから、適合品1と同様の処理を行って得た化粧薄板をサンプルとした。
(比較品2)
市販の合板(厚さ3.3mm)の表裏面にサンダーがけを行い、厚さ3.0mmの合板を得た。この合板の表裏面に、酢ビエマルジョン及びイソシアネートを混合した接着剤を塗布(130g/m)して0.45mmのカバ乾燥単板を貼り付けた。さらに、前記カバ乾燥単板の表面にUV塗装を施し、合板を基材とする化粧薄板を得、これをサンプルとした。
前記3種類のサンプルに耐熱乾燥試験(60℃、96時間)及びシャルピー衝撃試験を行った結果を表1に示す。
Figure 2005273326
耐熱乾燥試験の結果、適合品1及び比較品1の収縮率は、比較品2の約3分の1でしかなく、床面化粧に使用した際に、継ぎ目にピックアップや目隙を生じさせない値である。またシャルピー衝撃試験の結果、適合品1は、比較品2より靭性が低いが床面化粧に使用しても落下物などの衝撃で破損しない程度である。しかし、比較品1のシャルピー衝撃試験の結果は、比較品2の約半分の値しかなく、床面化粧への適用には問題がある。以上のように、適合品1は、床面化粧に使用される化粧薄板として、必要な靭性を備えるだけでなく、寸法安定性が高く、ピックアップや目隙が生じないことが分かった。
(予備試験2)
また、更に配合及び製造工程の異なる化粧薄板を試作し、弾性率(MOE)、曲げ破壊強度(MOR)及びシャルピー衝撃強度を測定した。
(適合品2)
鉱物質繊維として50重量%のロックウールと、有機繊維として5重量%のポリエステル繊維及び3重量%のポリエチレン繊維と、無機粉状体として24重量%の炭酸カルシウムと、結合剤として3重量%のスターチ及び15重量%のフェノール樹脂とを水中に投入し、固形成分2%のスラリーを得、これに消泡剤を微量添加して攪拌した。ポリエステル繊維は太さ1デニール、長さ3mm、ポリエチレン繊維は太さ2デニール、長さ5mmのものを使用した。攪拌後、凝集剤を添加して凝集させ、このスラリーを長網式抄造機で抄造し、さらにサクションポンプで脱水し、含水率50%の湿潤マットを得た。この湿潤マットを90℃、0.7MPa、1分のプレススケジュールで熱圧プレスし、セミキュアマットを得た。このセミキュアマットをウォーターカッターで1尺×3尺の大きさに切断し、220℃に調整した熱風ドライヤーで、含水率5%、厚さ8mm、比重0.6となるまで更に乾燥させた。ついで、前記セミキュアマットの両側に3.5mmのディスタンスバーを配置し、190℃、1.5MPa、5分のプレススケジュールで熱圧プレスを行い、厚さ3.6mm、比重1.35の硬質繊維板を得た。
この硬質繊維板の両面にサンダーがけを行い、比重1.35、厚さ3.0mmの硬質繊維板を得た。さらに、この硬質繊維板の表裏面に、尿素−メラミン系の接着剤を使用して厚さ0.25mmのナラ単板をそれぞれ貼り付けた後、表面側にUV塗装を施し、硬質繊維板を基材とする化粧薄板を得、これをサンプルとした。
(比較品3)
鉱物質繊維として55重量%のロックウールと、無機粉状体として27重量%の炭酸カルシウムと、結合剤として3重量%のスターチ及び15重量%のフェノール樹脂とを水中に投入し、固形成分2%のスラリーを得た。そして、このスラリーに消泡剤を微量添加して攪拌した後、適合品2と同様の処理を行って硬質繊維板を得、この硬質繊維板の両面にサンダーがけを行い、比重1.35、厚さ3.0mmの硬質繊維板を得た。さらに、この硬質繊維板の表裏面に、適合品2と同様に厚さ0.25mmのナラ単板をそれぞれ貼り付け後、その表面側にUV塗装を施して硬質繊維板を基材とする化粧薄板を得、これをサンプルとした。
(比較品4)
市販の合板(厚さ3.3mm)の表裏面にサンダーがけを行い、厚さ3.0mmの合板を得た。この合板の表裏面に適合品2と同様に厚さ0.25mmのナラ単板を貼り付けた後、表面側にUV塗装を施して木質合板を基材とする化粧薄板を得、これをサンプルとした。
これらの適合品2及び比較品3,4の弾性率(MOE)、曲げ破壊強度(MOR)及びシャルピー衝撃強度の測定結果を表2に示す。
Figure 2005273326
このように、有機繊維を配合した本発明にかかる硬質繊維板を使用した適合品2は、有機繊維を配合していない硬質繊維板を使用した比較品3及び一般的な合板を使用した比較品4と比較すると、弾性率及び曲げ破壊強度において最も大きな値を示した。そして、シャルピー衝撃試験の結果も、適合品2は、比較品4よりも劣るものの、実用上は問題ないと考えられる範囲内であった。しかしながら、比較品3の強度は非常に低く、床面化粧に適用すると、床面に誤ってものを落下させたときに衝撃によって破損するおそれがある。以上の結果から、適合品2が、床面化粧に使用される化粧薄板として、従来の木質合板からなる比較品4と遜色ない強度を有することを改めて確認できた。
続いて、前記適合品2及び比較品3,4を使用して実際の防音構造床材(ブランク)に以下のような床面化粧を施した。
(ブランク)
L−45の防音性能を有する床材(オトユカフロアEG45)を評価の基準となるブランクとした。
(実施例1)
前記適合品2の裏面に発泡倍率12倍、厚さ1.5mmのポリエチレン発泡体を反応性ホットメルト接着剤で貼り付けて表面化粧材を得、この表面化粧材をブランクの床面に両面テープで貼着した。
(実施例2)
前記適合品2の裏面に坪量100g/mのポリプロピレン不織布を反応性ホットメルト接着剤で貼り付けて表面化粧材を得、この表面化粧材を、ブランクの床面に両面テープで貼着した。
(比較例1)
前記比較品4を両面テープでブランクの床面に直接(クッション材を介さずに)貼着した。
(比較例2)
前記適合品2を、両面テープでブランクの床面に直接(クッション材を介さずに)貼着した。
(比較例3)
前記比較品3の裏面に発泡倍率12倍、厚さ1.5mmのポリエチレン発泡体を反応性ホットメルト接着剤で貼り付けて表面化粧材を得、この表面化粧材をブランクの床面に両面テープで貼着した。
(比較試験1)
以上の実施例1,2及び比較例1から3に耐キャスター試験(荷重25kgの単輪鉄キャスターを500回往復)を行った。凹み量の測定結果及び外観評価結果を表3に示す。
Figure 2005273326
このようにキャスター試験の結果は、凹み量及び外観評価によって行った。合板を基材として使用した比較例1に比べ、実施例1、実施例2及び比較例2は、凹み量が極めて小さく良好であった。外観からも、比較例1はナラ単板が剥離していたのに対して、実施例1、実施例2及び比較例2は、ナラ単板の剥離もなく、表面に問題となるような大きな変化は見当たらなかった。しかし、比較例3は、ナラ単板が剥離しただけではなく、硬質繊維板そのものが破損していた(このため凹み量の測定は不可能であった)。これは、比較試験1から、硬質繊維板に有機繊維を特徴的に配合したことが、硬質繊維板の靭性を向上させ、このような床面化粧材に適した特性を与えたことが判明した。
(比較試験2)
次に、実施例1,2、比較例1から3及びブランクの軽量衝撃音による騒音レベルの測定結果を試験環境の暗騒音とともに表4に示す。
Figure 2005273326
この結果を理解し易いように、遮音等級L−45の要求仕様とともに、図2に示す。ここで、実際の住宅で問題となる軽量衝撃音は、主に125〜250Hz(高くとも500HZ以下)であるため、特にこの範囲に注目されたい。図2から明らかなように、比較例2以外は、ほぼ同等で、L−45の防音性能を有していることが確認できる。つまり、本発明の実施形態である床面化粧構造がクッション材の種類を問わず、床材の防音性能を低下させないことが明らかになった。
以上のように、本発明にかかる床面化粧構造及び床面化粧方法は、既設の床材の防音性能を低下させず、凹みや傷が付き難い。また、優れた寸法安定性を有しているため、床材の床面に強固に貼着しなくてもピックアップや目隙が発生しないので、両面テープなどで簡易に貼着できる一方、容易に床面から撤去して原状復帰できることが分かった。
本発明にかかる床面化粧構造を有する防音床の断面図。 本発明にかかる床面化粧構造と他の床面化粧構造の軽量衝撃音測定結果を示すグラフ。
符号の説明
2 防音構造床材
4 床面化粧材
5 両面テープ
6 床板
7 防音材
9 化粧薄板
10 クッション材
12 硬質繊維板
13 ナラ単板(化粧加工)
15 UV塗装(化粧加工)

Claims (5)

  1. 鉱物質繊維、有機繊維、無機粉状体及び結合剤を必須成分とする比重1.3〜1.7で厚さ2〜6mmの硬質繊維板の表面に化粧加工を施した化粧薄板を、厚さ0.5〜4mmのクッション材を介して床材の床面に貼着したことを特徴とする床面化粧構造。
  2. 前記床材が、床板と、該床板の裏面に接着された防音材とからなる防音構造床材であることを特徴とする請求項1に記載の床面化粧構造。
  3. 既設の床材の床面に、厚さ0.5〜4mmのクッション材を貼着した後、前記クッション材の上面に、鉱物質繊維、有機繊維、無機粉状体及び結合剤を必須成分とする比重1.3〜1.7で厚さ2〜6mmの硬質繊維板の表面に化粧加工を施した化粧薄板を、貼着することを特徴とする床面化粧方法。
  4. 鉱物質繊維、有機繊維、無機粉状体及び結合剤を必須成分とする比重1.3〜1.7で厚さ2〜6mmの硬質繊維板の表面に化粧加工を施した化粧薄板の裏面に、厚さ0.5〜4mmのクッション材を予め接着した床面化粧材を、既設の床材の床面に貼着することを特徴とする床面化粧方法。
  5. 前記既設の床材が、床板と、該床板の裏面に接着された防音材とからなる防音構造床材であることを特徴とする請求項3又は4に記載の床面化粧方法。
JP2004089730A 2004-03-25 2004-03-25 床面化粧構造及び床面化粧方法 Pending JP2005273326A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004089730A JP2005273326A (ja) 2004-03-25 2004-03-25 床面化粧構造及び床面化粧方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004089730A JP2005273326A (ja) 2004-03-25 2004-03-25 床面化粧構造及び床面化粧方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005273326A true JP2005273326A (ja) 2005-10-06

Family

ID=35173289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004089730A Pending JP2005273326A (ja) 2004-03-25 2004-03-25 床面化粧構造及び床面化粧方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005273326A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013536335A (ja) * 2010-08-12 2013-09-19 周嘉陵 複合化粧コンクリートおよびその工法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013536335A (ja) * 2010-08-12 2013-09-19 周嘉陵 複合化粧コンクリートおよびその工法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6689451B1 (en) Pre-finished and durable building material
CA2597797A1 (en) Decorative dual scrim composite panel
CN209227891U (zh) 室内装饰材料用板材及室内装饰材料
CN108290375A (zh) 用于覆盖表面的制品以及相关的实施和铺设过程
EP1254023B1 (en) Prefabricated durable building material
CN202810122U (zh) 一种pvc复合板
JP2000226931A (ja) 干割れ防止床材
JP4362401B2 (ja) 硬質繊維板の製造方法
CN110284690A (zh) 隔音降噪保温木制地板
JP2005273326A (ja) 床面化粧構造及び床面化粧方法
US20110162308A1 (en) Click plywood flooring
JP2004300793A (ja) 化粧材およびその製造方法
JPH07102745A (ja) 床 板
KR20000017472A (ko) 바닥재
JP2001032515A (ja) 床 材
JP2687085B2 (ja) 床 板
JP2860062B2 (ja) 床材の製造方法
JPH1018563A (ja) 複合板とこの複合板を用いた化粧板
JP4007938B2 (ja) 化粧材の製造方法
CN2711301Y (zh) 一种木地板
JPH0585627U (ja) 化粧板
CN208293960U (zh) 一种轻型可自粘复合装饰墙板
JP2005288713A (ja) 硬質繊維板の製造方法
CN2309386Y (zh) 轻型复合地板
JP2934650B2 (ja) 化粧板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060831

A977 Report on retrieval

Effective date: 20080709

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080715

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090210

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090616