JP2005288713A - 硬質繊維板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造効率が高く、優れた寸法安定性、耐水性、耐傷性及び靭性(耐衝撃性)を有する硬質繊維板を製造できる硬質繊維板の製造方法を提供する。
【解決手段】 鉱物質繊維を含む繊維35〜70重量%と、無機粉状体25〜55重量%と、結合剤5〜25重量%とを必須成分とするスラリーを湿式抄造及び乾燥して比重0.3〜0.9のセミキュアマットを得、前記セミキュアマットの両面に、樹脂率10〜50%の樹脂水溶液を片面につき300g/m以上含浸させた後、両面に厚さ0.2〜1mmのシートを積層し、熱圧プレスで前記シートを一体化するとともに、比重1.2〜1.7、厚さ2〜6mmに圧締する。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬質繊維板の製造方法に関する。
従来、建築用の板材としては、木質合板やMDFが用いられている。しかし、木質合板は、表面に傷が付きやすく、MDFは、熱や水に対する寸法安定性が悪い。このため、嵌合した実部に目隙(床材の収縮によって目地巾が大きくなった状態)が生じたり、床材の膨張により実部を突き合わせた部分が持ち上がるピックアップと呼ばれる現象が生じたりするという問題があった。
本発明の出願人は、これらの問題を解決すべく、優れた寸法安定性、耐水性、耐傷性及び靭性(耐衝撃性)を有する硬質繊維板の製造方法を特許出願(特許文献1及び2)している。これらの硬質繊維板の製造方法では、セミキュアマットに樹脂水溶液を含浸させてから熱圧プレスをしているので、セミキュアマット表面の樹脂水溶液によって、硬質繊維板が熱圧プレスの熱板に張り付き、製造効率が悪くなることがあった。このため、樹脂水溶液が張り付かないような剥離シートを熱圧プレスの熱板の表面に貼着したり、あるいは、樹脂水溶液に剥離剤を添加する必要がある。
しかしながら、高温高圧のプレスをしても全く樹脂が貼り付かないような剥離シートは見当たらず、一方、剥離剤を使用すると、得られた硬質繊維板に化粧シートを貼着する場合など、硬質繊維板に接着剤を使用する際に、接着剤の種類によっては接着不良を起こす問題があった。
特願2003−95444 特願2003−116975
そこで、本発明は、製造効率が高く、優れた寸法安定性、耐水性、耐傷性及び靭性(耐衝撃性)を有する硬質繊維板を製造できる硬質繊維板の製造方法を提供することを課題とする。
本発明にかかる硬質繊維板の製造方法は、鉱物質繊維を含む繊維35〜70重量%と、無機粉状体25〜55重量%と、結合剤5〜25重量%とを必須成分とするスラリーを湿式抄造及び乾燥して比重0.3〜0.9のセミキュアマットを得、前記セミキュアマットの両面に、樹脂率10〜50%の樹脂水溶液を片面につき300g/m以上含浸させた後、両面に厚さ0.2〜1mmのシートを積層し、熱圧プレスで前記シートを一体化するとともに、比重1.2〜1.7、厚さ2〜6mmに圧締する。
本発明によれば、シートが、セミキュアマットから染み出した樹脂水溶液を遮断して熱圧プレスの熱板に接触させない。このため、従来の製造方法のように熱圧プレスによって得られる硬質繊維板が熱板に張り付くことがなく、製造効率が低下しない。
また、本発明にかかる硬質繊維板の製造方法において、前記セミキュアマットの両面に、樹脂率10〜50%の樹脂水溶液を含浸させた後、さらに、その両面に、樹脂率40〜60%の樹脂水溶液を片面につき200g/m以下塗布し、前記シートを積層してもよい。
本実施形態によれば、セミキュアマットの表面に塗布した高濃度の樹脂水溶液によって、シートを強固に接着できるとともに、セミキュアマットの表層及びシートに高濃度の樹脂を含浸させて強化できるので、耐傷性に優れた硬質繊維板が得られる。
また、本発明にかかる硬質繊維板の製造方法において、前記シートの内少なくとも1枚が、厚さ0.2〜1mmの木質単板であってもよい。
本実施形態によれば、木質単板の高い曲げ強度を備えた硬質繊維板を製造するとともに、硬質繊維板に木質単板の美観を付与できる。
また、本発明にかかる硬質繊維板の製造方法において、前記熱圧プレスした後、さらに、表面に化粧加工を施してもよい。
本実施形態によれば、美観においてより一層優れた硬質繊維板を製造できる。
以上のように、本発明によれば、優れた寸法安定性、耐水性、耐傷性及び靭性(耐衝撃性)を有する硬質繊維板を高効率で製造できる。
以下に、本発明の実施形態である硬質繊維板の製造方法を説明する。先ず、鉱物質繊維を含む繊維と、無機粉状体と、結合剤とを水中に投入し、これに撥水剤、消泡剤及び顔料等の添加剤を加え攪拌し、次いで、凝集剤等の補助添加剤を加えて固形分率が数%のスラリーを得る。さらに、このスラリーを長網式又は丸網式の抄造機で抄造して脱水し、熱風通風ドライヤーで乾燥させてセミキュアマットを得る。なお、乾燥させる前に、仮圧締(80〜110℃、0.5〜0.7MPa、30〜150秒)を行うと、セミキュアマットの剛性が上がり、ハンドリング性が向上する。
次に、セミキュアマットの表裏両面に、樹脂率が10〜50%の樹脂水溶液を片面につき300g/m以上塗布した後、両面にシートを積層する。次いで、150〜250℃、1〜3MPa、5〜20分程度のプレススケジュールで熱圧プレスすることにより、両面にシートを一体化した、平均比重1.2〜1.7、厚さ2〜6mmの硬質繊維板が得られる。このとき、シートを積層する前に、セミキュアマットの表裏両面に、さらに、40〜60%の高濃度の樹脂水溶液を少量塗布することが好ましい。高濃度の樹脂水溶液は、浸透性は良くないが、表裏に塗布してセミキュアマットの表層により多くの樹脂を含浸させることにより、得られる硬質繊維板の剛性をより高くできるとともに、シートに樹脂を含浸させて耐傷性を高められるからである。
熱圧プレスをする前に、0.2〜0.5MPa程度の圧力で数十秒〜2分程度の予備乾燥プレスを行った後、2〜3MPaの熱圧プレスを行ってもよい。予備乾燥プレスを行えば、熱圧プレスにおいて、過剰な樹脂水溶液がセミキュアマットの端面から染み出してバリを生じることを防止できるからである。また、セミキュアマット中の水分を予め蒸発させて取り除くので、短時間の熱圧プレスでも水蒸気が残留せず、プレス圧力の除去とともに、水蒸気が瞬間的に膨張して硬質繊維板を破裂することがないからである。このような、熱圧プレスには面均一なプレスが必要であるので、単段のバッチ式または多段のバッチ式熱圧プレス機が好ましい。熱圧プレスによる圧締時の熱板の間の距離は、セミキュアマットの両側に、所定の厚みのディスタンスバーを配置することによって決定できる。
スラリーに配合する鉱物質繊維としては、例えば、ロックウール、スラグウール、ミネラルウール、ガラスウール、ガラス繊維等が挙げられ、これらを単体で、あるいは、複数を混合して用いる。また、繊維には耐熱性の有機繊維を含むことができ、有機繊維としては、例えば、ナイロン繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン繊維、各種ゴム繊維及び木繊維等の200℃でも溶融しない繊維が挙げられ、これらを単体で、あるいは、複数を混合して用いる。
有機繊維と鉱物質繊維とは、合計して35〜70重量%、好ましくは45〜60重量%となる範囲で配合する必要がある。これは、有機繊維と鉱物質繊維との合計量が35%未満であると、抄造したときにマット切れを起こしやすくなるとともに、脱水及び乾燥して得られたセミキュアマットの曲げ強度が非常に弱くなり、セミキュアマットのハンドリングが難しくなるからである。また、有機繊維と鉱物質繊維との合計量が70重量%を超えると、相対的に添加される結合剤及び無機粉状体の添加量が少なくなるため、熱圧プレスしたときに密度が上がり難く、硬質繊維板の強度が不足するからである。
鉱物質繊維は硬質繊維板の剛性を高める働きがあり、一方、有機繊維は硬質繊維板に靭性を付与する働きがある。有機繊維を一定重量添加した場合に、有機繊維が太くて長いほど靭性は高くなるが、細く短い有機繊維はあまり靭性に寄与しない。一方、細くて長い繊維は抄造しにくく、太くて短い繊維は、抄造適性がよい。従って、強度と抄造適正との両方を考慮して、最適な太さと長さとを決定する必要がある。抄造適正については、鉱物質繊維、結合剤、有機繊維及び無機粉状体の配合比により、微妙に異なるが、有機繊維は、長さ1〜5mm、太さは0.5〜40デニール程度(1デニールは90000メートルで1グラムの重量を持つ太さ)が好ましい。より好ましくは、長さ2〜3mm、太さ0.8〜20デニール程度の有機繊維を使用するとよい。また、有機繊維の配合量が少ないと、硬質繊維板は硬くて脆い板となる。一方、有機繊維の配合量が多いと、スラリーの抄造時に凝集不良を起こし、密度が不均一になるとともに、相対的に鉱物質繊維の添加量が少なくなるため、硬質繊維板の剛性が不足する。このため、15重量%以下の有機繊維を配合することにより、硬質繊維板に木材のような靭性を与えることが好ましい。
無機粉状体としては、比重の重い炭酸カルシウム、酸化アルミ、硫酸バリウム、バーミキュライト等や、比重の軽いシラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体等が挙げられ、これらを単体で、あるいは、複数を混合して用いることができる。
無機粉状体は、25〜55重量%となる範囲で配合する必要がある。これは、無機粉状体は、硬質繊維板を製造する過程で得られるセミキュアマットの強度に大きく寄与し、無機粉状体が25重量%未満であると、得られたセミキュアマットの曲げ強度が弱くなり、セミキュアマットのハンドリングが困難になる。一方、無機粉状体が55重量%を越えると、相対的に添加される鉱物質繊維の添加量が少なくなり、得られたセミキュアマットを、高温高圧条件下で熱圧プレスしても、密度が上がり難いからである。
特に、シラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体等の比重の軽い無機粉状体は、2重量%以下とすることが好ましい。これは、無機粉状体は、比重調整の役目も果たし、硬質繊維板を重くするためには比重の重いものを使用し、軽くするためには比重の軽いものを使用する。比重の軽い無機粉状体を多量に使用すると、硬質繊維板に必要な均質性と耐久性とを損なうおそれがあるためである。また、着色顔料を無機粉状体の一部として使用して、硬質繊維板に着色を行うこともできる。
結合剤としては、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、ポリビニールアルコール、アクリルエマルジョン又は酢酸ビニールエマルジョン又はこれらの変性物、澱粉(コーンスターチ等)、大豆粉、小麦粉等が挙げられ、これらを単体で、あるいは、複数を混合して用いる。
結合剤は、5〜25重量%の範囲での配合する必要がある。これは、配合量が5重量%未満であると、セミキュアマットが強度不足を生じ、添加量が25重量%を超えると、相対的に鉱物質繊維の添加量が少なくなり、特に、曲げ強度が弱くなるためである。
また、結合剤の中で、ポリビニールアルコール、アクリルエマルジョン又は酢酸ビニールエマルジョン又はこれらの変性物、澱粉、大豆粉、小麦粉、イソシアネート樹脂等の低温で反応するものは、スラリーを抄造、脱水、乾燥させて得られたセミキュアマットの曲げ性能を向上させ、ハンドリング性を向上させることが可能である。しかし、結合材の添加量が多くなると、最終的に得られる床材の寸法安定性が悪くなる。このため、低温で反応する結合剤の使用量は5重量%以下であることが望ましい。高温で反応する結合剤は、セミキュアマットを得る際の80℃〜110℃の熱では完全に硬化せず、セミキュアマットを150〜250℃の高温高圧下における熱圧プレスで完全に硬化することにより、最終的に得られる硬質繊維板に優れた寸法安定性を与える。従って、セミキュアマットのハンドリング性を上げるために低温で反応する結合剤と、最終的に得られる硬質繊維板の強度及び耐水性を向上させるために高温で反応する結合剤との少なくとも2種類を併用することが望ましい。
樹脂水溶液は、ビニールウレタン系、フェノールエマルジョン、アクリルエマルジョン又は酢酸ビニールエマルジョン又はラテックスエマルジョン及びこれらの変性物等の水溶液が挙げられ、これらを単体で、あるいは、複数を混合して用いる。これらの樹脂は、硬質繊維板に耐水性を付与する働きを有している。
セミキュアマットに含浸させる樹脂水溶液は、10〜50重量%、特に、15〜40重量%に調整することが好ましい。樹脂率が10重量%未満であると、含浸させた樹脂水溶液による寸法安定性及び耐傷性の向上効果を期待できず、樹脂率が50重量%を超えると、樹脂水溶液の浸透性が低下するからである。樹脂水溶液の中でも、ラテックスエマルジョンは、硬質繊維板の曲げ強度を向上させるので、他の樹脂と少量(5〜25重量%)混合して使用することが好ましい。ただし、添加量が多くなると、サンダー適性が悪くなるため、25重量%を超える添加量は好ましくない。また、サンダー適性を向上させるために、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の硬質樹脂(5〜25重量%)を添加してもよい。ただし、これらの樹脂の添加量が多すぎると、硬くて脆い性質となり、好ましくない。さらに、ロールプレスによる樹脂水溶液の内部への均一拡散の効果を高めるために、樹脂水溶液の浸透性を上げることを目的として浸透剤(界面活性剤の一種で、水で希釈された樹脂の表面張力を下げ、浸透性を上げる薬剤)を加えてもよい。
以上のような浸透し易い樹脂水溶液を過剰に含浸させると、熱圧プレスにおいて、セミキュアマットの端面から流れ出して硬質繊維板の周辺で硬化してバリとなるため、所望の厚さと比重に応じた量を含浸させる必要がある。例えば、厚さ6mm、平均比重0.4のセミキュアマットを熱圧プレスにより3mmに圧締する場合、表裏両面から含浸される樹脂水溶液の量が両面合計で800g/mを超えるとバリが発生し始め、1200g/mを超えると多量のバリとなってしまう。従って、厚さ6mm、平均比重0.4のセミキュアマットの場合、表裏両面それぞれに400〜600g/m(両面合計で800〜1000g/m)ずつ樹脂水溶液を塗布するのが望ましい。
前記以上の樹脂水溶液を塗布し、バリを発生させない方法として、熱圧プレスする前に予備乾燥プレスを行う方法がある。これは、例えば、6mm厚さ、比重0.4のセミキュアマットに樹脂率15%の樹脂水溶液を片面800g/m(両面トータルで1600g/m)塗布した場合、いきなり190℃、1.5MPaの圧力をかけて押し潰すと、過剰な樹脂水溶液が流れ出して多量のバリが発生してしまうからである。しかし、0.2〜0.5MPa程度の圧力でセミキュアマットを押し潰さずに、1分程度、予備乾燥プレスを行って過剰な水分を蒸発させた後、2〜3MPa程度の圧力で熱圧プレスを行うと、バリの発生を大幅に抑えることができる。また、水蒸気の残留による硬質繊維板の破裂の防止にもなり好ましい。ただし、予備乾燥プレスせずに熱圧プレスする場合には圧力1.5MPaで圧締できる条件でも、予備乾燥プレスを行うと、熱圧プレスには2〜3MPa程度の高い圧力が必要になることに注意が必要である。
また、セミキュアマットの少なくとも表裏どちらかの表面に凹部又はセミキュアマットを貫通する貫通穴を設けることによっても、バリの発生を大幅に抑制することが可能である。これは、過剰な樹脂水溶液が、凹部又は貫通穴の中に流れ出し、凹部又は貫通穴を埋めるように固まるためである。また、これらの凹部又は貫通穴は、樹脂水溶液が内部に浸透するのを補助する効果もある。ここで、設けた凹部又は貫通穴は、相互の距離が2cmを超えると、浸透補助の効果が薄くなるため、2cm以下好ましくは1cm以下の間隔で設けることが望ましい。仮に2cmの距離で凹部又は貫通穴を設けた場合、10cm角内に25個の凹部又は貫通穴を設けることになり、1cm間隔の場合は、10cm角内に約100個の凹部又は貫通穴を設けることになる。凹部又は貫通穴は平板に設けた多数の針状突起によりバッチ式のプレスで設けてもよいし、回転ロールの表面に設けられた多数の針状突起により連続的に加工してもよい。このようにして設ける凹部の直径を3.0mm以上にすると、熱圧プレスをした場合に裏面に凹凸が発生してしまうので、凹部は直径3.0mm以下でなければならない。また、直径1.5mm以上の凹部になると高温高圧条件下で熱圧プレスをしても凹部が完全には埋まらないので、凹部の直径は、0.5〜1.5mm程度が好ましい。片面だけに凹部を設けて得た硬質繊維板を床板に使用する場合は、凹部を設けた面を下にして使用するのが望ましく、凹部の深さは、セミキュアマット全体の厚さの半分以上の深さであることが好ましい。凹部を設けた面を表にして使用する場合は、凹部を1.0mm以下の直径およびセミキュアマットの厚さのほぼ半分の深さにすることが好ましい。これは、熱圧プレスで潰れて容積が小さくなる凹部全体を溢れ出た樹脂が埋め尽くし、外観上は、凹部が認識し難くなるからである。一方、貫通穴の場合は、直径1.5mm以上の穴になると、熱圧プレスをしても表裏ともに穴が完全には埋まらない。したがって、貫通穴の場合は、直径1.0mm以下にすることが好ましい。
セミキュアマットの両面に積層するシートは、例えば、アクリル繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、シリカファイバー繊維、アラミド繊維、木質単板等が用いられるが、150〜250℃、1〜3MPaの条件に耐えられる繊維質のシートであれば使用できる。
樹脂水溶液を含浸させたセミキュアマットに、さらに、高濃度の樹脂水溶液を少量、塗布する場合、少量塗布する樹脂水溶液は、樹脂率40〜60重量%とする。これは、浸透性を低くすることにより、シートに樹脂を含浸させて耐傷性を向上させながら、樹脂水溶液がシートの表面にまで達しないようにして、熱圧プレス機の熱板に硬質繊維板を付着させないようにするためである。
以上のような条件で得られた硬質繊維板の片面又は両面に、さらに、化粧加工を施してもよい。化粧加工としては、化粧シートの貼着、塗装及びそれらの併用等が挙げられる。化粧シートとしては、色彩や模様を有する突き板、紙、樹脂含浸紙、オレフィンシート、ポリエチレンテレフタレートシート及びこれらの複合品等が挙げられる。塗装としては、例えば、ウレタン塗装、UV塗装、EB塗装等が挙げられる。また、化粧シートの上にさらに塗装を施してもよいし、予め塗装を施したシートを硬質繊維板に貼り付けてもよい。さらに、硬質繊維板に直接あるいは化粧シートの上から、V溝等の溝加工や面取り加工を施した後に塗装してもよい。
前述したように無機粉状体の一部に着色顔料を使用して硬質繊維板の内部の色を、化粧加工した表面の色に近似した色に着色すれば、硬質繊維板の表面に化粧シートを貼り、溝加工を行った後に透明なUV塗装を行った場合にも、表面と溝部の色調に違和感のない硬質繊維板が得られる。また、表面に塗装のみを行った硬質繊維板でも、表面の塗装色と硬質繊維板内部の色とが近似していれば、硬質繊維板の表面に前記塗装の下にまで達する傷が付いた場合でも傷が目立ちにくい。
以下のような板材を実際に製作し、比較試験を行った。
(実施例1)
50重量%のロックウール(鉱物質繊維)と、40重量%の炭酸カルシウム(無機粉状体)と、3重量%のスターチと、7重量%の粉体フェノール樹脂とを水中に投入し、固形成分5%のスラリーを得、これに消泡剤を微量添加し、攪拌した。次いで、このスラリーを長網式抄造機で抄造し、さらにサクションポンプで脱水し、含水率50%の湿潤マットを得た。この湿潤マットを90℃、0.7MPa、1分のプレススケジュールで熱圧プレスを行い、ウォーターカッターで1尺×3尺の大きさに切断してから更に220℃に調整した熱風ドライヤーで乾燥させ、含水率5%、厚さ6mm、比重0.45のセミキュアマットを得た。
このセミキュアマットの両面に、それぞれ、浸透剤を1%添加した樹脂率25%のアクリルエマルジョン樹脂水溶液500g/mずつをフローコーターで塗布して含浸させた後、両面に厚さ0.25mmのカバ湿潤単板を積層した。この両側に厚さ3.0mmのディスタンスバーを配置して、190℃、0.2MPa、1分の予備乾燥プレスを行った後、190℃、2.5MPa、10分のプレススケジュールで熱圧プレスを行い、厚さ3.3mmの硬質繊維板を得た。
そして、この硬質繊維板の両面にサンダーがけを行い、面均一な厚さ3.0mmの硬質繊維板とした後、その表裏両面に、酢酸ビニールエマルジョンとイソシアネートとを混合した接着剤を使用して厚さ0.25mmのカバ乾燥単板を貼り付けた。さらに、このカバ乾燥単板の表面にUV塗装を施して得た硬質繊維板をサンプルとした。
(実施例2)
50重量%のロックウール(鉱物質繊維)と、40重量%の炭酸カルシウム(無機粉状体)と、3重量%のスターチと、7重量%の粉体フェノール樹脂とを水中に投入し、固形成分5%のスラリーを得、これに消泡剤を微量添加し、攪拌した。次いで、このスラリーを長網式抄造機で抄造し、さらにサクションポンプで脱水し、含水率50%の湿潤マットを得た。この湿潤マットを90℃、0.7MPa、1分のプレススケジュールで熱圧プレスを行い、ウォーターカッターで1尺×3尺の大きさに切断してから更に220℃に調整した熱風ドライヤーで乾燥させ、含水率5%、厚さ6mm、比重0.45のセミキュアマットを得た。
このセミキュアマットの両面に、それぞれ、浸透剤を1%添加した樹脂率25%のアクリルエマルジョン樹脂水溶液500g/mずつをフローコーターで塗布して含浸させた後、両面に厚さ0.6mmのカバ乾燥単板を積層した。この両側に厚さ3.0mmのディスタンスバーを配置して、190℃、0.2MPa、1分の予備乾燥プレスを行った後、190℃、2.5MPa、10分のプレススケジュールで熱圧プレスを行い、厚さ3.3mmの硬質繊維板を得た。
そして、この硬質繊維板の両面にサンダーがけを行い、面均一な厚さ3.0mmの硬質繊維板とした後、その表裏両面に、酢酸ビニールエマルジョンとイソシアネートとを混合した接着剤を使用して厚さ0.25mmのカバ乾燥単板を貼り付けた。さらに、このカバ乾燥単板の表面にUV塗装を施して得た硬質繊維板をサンプルとした。
(比較例1)
厚さ3mmのラワン合板(3ply)の表裏両面に、酢酸ビニールエマルジョンとイソシアネートとを混合した接着剤を使用して、厚さ0.25mmのカバ乾燥単板を貼り付けた。さらに、このカバ乾燥単板の表面にUV塗装を施した硬質繊維板をサンプルとした。
(比較例2)
50重量%のロックウール(鉱物質繊維)と、40重量%の炭酸カルシウム(無機粉状体)と、3重量%のスターチと、7重量%の粉体フェノール樹脂とを水中に投入し、固形成分5%のスラリーを得、これに消泡剤を微量添加し、攪拌した。次いで、このスラリーを長網式抄造機で抄造し、さらにサクションポンプで脱水し、含水率50%の湿潤マットを得た。この湿潤マットを90℃、0.7MPa、1分のプレススケジュールで熱圧プレスを行い、ウォーターカッターで1尺×3尺の大きさに切断してから更に220℃に調整した熱風ドライヤーで乾燥させ、含水率5%、厚さ6mm、比重0.45のセミキュアマットを得た。
このセミキュアマットに、浸透剤を1%添加した樹脂率25%のアクリルエマルジョン樹脂水溶液を両面のそれぞれに500g/mずつをフローコーターで塗布して含浸させた後、この両側に厚さ3.0mmのディスタンスバーを配置して、表裏をPETシートで挟み込んで、190℃、0.2MPa、1分の予備乾燥プレスを行ってから、190℃、2.5MPa、10分のプレススケジュールで熱圧プレスを行って、厚さ3.3mmの硬質繊維板を得た。
そして、この硬質繊維板の両面にサンダーがけを行い、面均一な厚さ3.0mmの硬質繊維板とした後、その表裏両面に、酢酸ビニールエマルジョンとイソシアネートとを混合した接着剤を使用して厚さ0.25mmのカバ乾燥単板を貼り付けた。さらに、このカバ乾燥単板の表面にUV塗装を施して得た硬質繊維板をサンプルとした。
(製造状況)
以上のサンプルを製作する過程で、実施例1及び2は、熱圧プレスにおいても硬質繊維板が熱板に貼り付くこともなく、スムーズに作業可能であったが、比較例2は、PETシートが硬質繊維板に張り付き、剥離できない場合があった。このことから、本発明の硬質繊維板の製造方法は、特に熱圧プレスにおける生産性が高いことが確認された。
(比較試験)
以上の実施例1,2及び比較例1,2について、最大曲げ応力とヤング率とを測定した結果を示す。
Figure 2005288713
実施例1及び2は、いずれも、比較例1及び2と比べて、最大曲げ応力及びヤング率の両方において大きな値を有しており、本発明の製造方法によって得られる硬質繊維板の強度が高いことを確認できた。

Claims (4)

  1. 鉱物質繊維を含む繊維35〜70重量%と、無機粉状体25〜55重量%と、結合剤5〜25重量%とを必須成分とするスラリーを湿式抄造及び乾燥して比重0.3〜0.9のセミキュアマットを得、
    前記セミキュアマットの両面に、樹脂率10〜50%の樹脂水溶液を片面につき300g/m以上含浸させた後、両面に厚さ0.2〜1mmのシートを積層し、熱圧プレスで前記シートを一体化するとともに、比重1.2〜1.7、厚さ2〜6mmに圧締することを特徴とする硬質繊維板の製造方法。
  2. 前記セミキュアマットの両面に、樹脂率10〜50%の樹脂水溶液を含浸させた後、さらに、その両面に、樹脂率40〜60%の樹脂水溶液を片面につき200g/m以下塗布し、前記シートを積層することを特徴とする請求項1に記載の硬質繊維板の製造方法。
  3. 前記シートの内少なくとも1枚が、厚さ0.2〜1mmの木質単板であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬質繊維板の製造方法。
  4. 前記熱圧プレスした後、さらに、表面に化粧加工を施すことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の硬質繊維板の製造方法。
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JP2008002031A (ja) * 2006-06-23 2008-01-10 Daiken Trade & Ind Co Ltd 鉱物質繊維板およびその製造方法
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