JP2005273243A - 建築部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 骨組構造の組立作業を容易にすると共に、組み立てられた骨組構造の強度を大幅に向上させることが可能な建築部材とこれを用いた建築物を目的とする。
【解決手段】 建築物の床下に配設される土台30、又は二階台60における枠体の一辺をなす建築部材40であり、断面形状が矩形をなす中空状に形成された金属製の柱状部材40aと、柱状部材40aの側面の少なくとも一面に配設され、柱10の一端部が挿入される筒状をなす金属製の柱連結部44aと、柱状部材40aの、柱連結部44aと直交する側面のうち少なくとも一面に配設され、木製土台材14aまたは梁14bの一端部が挿入される筒状をなす金属製の横架材連結部46と、柱状部材44aの、柱連結部44aと直交する側面のうち少なくとも一面に配設され、大引きが支持される大引き支持部48aとを有している建築部材である。
【選択図】 図6

Description

本発明は建築部材およびこれを用いた建築物に関し、より詳細には、建築物の床下に配設される土台や二階台を構成する枠体の一部に用いられ、建築物の骨組構造の組み立てが容易になると共に、土台や二階台の強度を大幅に向上させることが可能な建築部材とこれを用いた建築物に関する。
従来、建築物を構成する骨組構造の組み立てにおいて、木材の端部に凹凸加工をすることなく木材を組み立てることができると共に、木造建築の耐震性を高めることができるはめ込み式の継ぎ手金具が特許文献1において開示されている。
特開平10−280540号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている継ぎ手金具は、骨組構造の継手部分のみに配設されたものであるため、建築物を構築する際に必要となる継ぎ手金具の数量が多くなってしまう。これにより、接続箇所に対応する継ぎ手金具の識別が困難になり、組立作業が煩雑になるという課題がある。
また、木造建築の耐震性を向上させるために、特許文献1に記載されている継ぎ手金具の材料に鋼材を用いれば木材どうしの接合部分は補強されるものの、その他の部分においては木材が用いられているため、通常の強度と何ら変わるところがなく、木造建築物全体としての強度を大幅に向上させることは困難であるという課題もある。
そこで本発明は、骨組構造の組立作業を容易にすると共に、組み立てられた骨組構造(建築物)の強度を大幅に向上させることが可能な建築部材とこれを用いた建築物を提供することを目的としている。
以上の目的を達成するために本発明は以下に示す構成を有する。すなわち、建築物の床下に配設される土台、若しくは二階台における枠体の一辺をなす建築部材であって、断面形状が矩形をなす中空状に形成された金属製の柱状部材と、前記柱状部材の側面の少なくとも一面に配設され、柱の一端部が挿入される筒状をなす金属製の柱連結部と、前記柱状部材の、前記柱連結部と直交する側面のうち少なくとも一面に配設され、木製土台材または梁の一端部が挿入される筒状をなす金属製の横架材連結部と、前記柱状部材の、前記柱連結部と直交する側面のうち少なくとも一面に配設され、大引きが支持される大引き支持部とを有していることを特徴とする建築部材である。
また、前記柱連結部と前記横架材連結部には、スリットが形成されていることを特徴とする。これにより、間伐材等の木材を骨組構造の材料に用いたとしても、乾燥状態による木材の伸縮に柔軟に対応することが可能になり、さらに効率的な骨組構造の組み立てができる。
さらに、前記柱連結部と前記横架材連結部には、前記スリットの幅を縮小させる方向に締め付けする締付手段が設けられていることを特徴とする。これにより、柱や梁、木製土台材を連結させた後に、これらの部材が乾燥し、収縮したとしても、連結部に確実に連結させておくことが可能になる。
さらにまた、前記大引き支持部は、大引きの下面および両側面の三面が支持される略U字状に形成されていることを特徴とする。これにより、骨組構造の組立作業が一層容易に行うことができる。
また、他の発明は、建築物の床下に配設される土台若しくは二階台の少なくとも一辺に上記のうちのいずれかに記載された建築部材が用いられていることを特徴とする建築物である。これにより、簡単に、しかも確実に建築物の骨組構造物を組み立てることができると共に、組み立てられた建築物の強度を大幅に向上させることが可能になる。
本発明によれば、特に専門的な技術を有していなくても、建築物を簡単に組み立てることができる。また、骨組構造の接続部が予め鋼材に取り付けられているので、何らの特殊な細工をしなくても建築物の強度を大幅に向上させることが可能な建築部材を提供することができる。
また、連結強度が要求される柱連結部と横架材連結部が筒状に形成されているので、連結処理後における木材が拘束されるため、木材の乾燥によるねじれ等の発生を抑制することができる。これにより、乾燥するとねじれを生じるカラマツ材や、間伐材等を利用することが可能になり、安全で安価な建築物を提供することができる。
さらにまた、本建築部材を用いることにより、金属材による堅牢な連結部を有すると共に、木材による加工の容易さを併せ持った複合構造の建築物を非常に安価に提供することができる。
以下、本発明にかかる建築部材およびこれを用いた建築物について図面と共に説明する。
図1は、本実施の形態における建築部材を用いた建築物の正面図である。図2は、図1の建築物における土台部分の平面図である。図3は、土台に用いられる建築部材の正面図である。図4は、土台の外周縁に用いられる建築部材の平面図である。図5は、土台の中間部分に用いられる建築部材の平面図である。
本実施の形態における建築物は図1に示されているように、バンガロー等の組立小屋100である。本実施の形態にける組立小屋100は2階建て構造となっている。組立小屋100は、通柱10、柱12、梁等の横架材14を組み合わせた骨組構造に壁16や屋根18、窓20、扉22が土台30の上に配設された一般的な木造建築物の外観を呈している。
土台30は、図2に示されているように、第1の建築部材40a、40aを土台30の外周縁を構成する一方の対向辺に配設し、第1の建築部材40a、40aの間に第2の建築部材40bを所要間隔に配設し、それぞれの建築部材40a、40bとの間は木製土台材14a等の横架材により連結され、格子状の平面形状をなしている。土台30は、各建築部材40a、40bが鋼鉄製で、建築部材40a、40bの間を連結する木製土台材14aが木材である複合構造になっている。
また、木製土台材14aの間には木製土台材14aと同方向に渡された大引き24が配設されている。なお、図示しないが、大引き24の上には大引き24と直交する水平方向に渡される根太が配設される。さらには、根太の上に床材が配設される。
第1の建築部材40aは、長手方向に直交する断面形状が中空の矩形形状をなす鋼製の柱状部材42aの両端部および中途部の所要箇所において、上方に延びる筒状の柱連結部44aと、柱連結部44aと直交する方向のうちの一方に延びる筒状の横架材連結部46aと、柱状部材42aの側面において横架材連結部46aと同方向に延び、横架材連結部46aの間に適宜間隔に配設される大引き24を支持する大引き支持部48aとを有している。
第1の建築部材40aと第2の建築部材40bとは、図3〜図5より明らかなように、横架材連結部46a、44bと大引き支持部48a、48bが柱状部材42a、42bの片側のみに配設されているか両側に配設されているかのみの相違となっているため、ここでは、第2の建築部材40bの詳細な説明は省略する。
図6は、図2中のA部分で囲まれた、土台において外周縁が交差する角部分にある第1の建築部材の端部を示したものである。
柱状部材42aの端部において鉛直方向に配設された柱連結部44aと、水平方向に配設された横架材連結部46aは、それぞれ筒状に形成され、柱12または木製土台材14aが挿入される挿入空間を有している。柱連結部44aにおける挿入空間の下端には底板(図示せず)が配設され、横架材連結部46aにおける挿入空間の先端部分には柱連結部44aの側壁があり、各々の挿入空間は柱12および木製土台材14aの先端部が柱連結部44aの底板又は柱連結部46aの側壁に当接する位置まで挿入される。
柱連結部44aと横架材連結部46aを構成する側壁のうち、一の側壁には、挿入空間の内部と外部とを連通し、柱12または木製土台材14aを挿入する方向に延びるスリット50が形成されている。柱連結部44aと横架材連結部46aにスリット50が形成されていることにより、挿入空間の開口部分が拡大するので、挿入空間に挿入させる柱12や木製土台材14aの寸法合わせを厳密に行わなくても容易に挿入させることが可能になり好適である。
また、スリット50の中間部分には、ボルト止め可能に形成された締付手段52が配設されている。柱連結部44aおよび横架材連結部46aの挿入空間に柱12および木製土台材14aを挿入し、締付手段52によりスリット50の幅を縮小させる方向に締め付けてボルト止めする。締付手段52による柱連結部44aおよび横架材連結部46aの締め付けをした後、ネジ孔NHにおいてネジ止めすることにより柱12と木製土台材14aが柱連結部44aと横架材連結部46aにそれぞれ確実に連結される。
大引き支持部48aは、柱状部材42aの側面に取り付けられており、横架材連結部46aと同方向に延びるようにして配設されている。大引き支持部48aは、横架材連結部46a、46aの間に所要間隔をあけて配設されている。
また、大引き支持部48aは、上方が開口する略U字状に形成されており、大引き24は大引き支持部48aの上方から落とし込むようにして配設されている。大引き支持部48aは、配設された大引き24の下面と両側面を支持する。大引き24は必要に応じて大引き支持部48aに設けられたネジ孔(図示せず)においてネジ止めにより固定される。
図7は二階台の平面図である。図8は図7中のB部分における拡大斜視図である。図9は、図7中のC部分における拡大斜視図である。
二階台60において用いられる第3の建築部材40cと第4の建築部材40dの基本構造は、前述した第1の建築部材40aと同様であるが、第3の建築部材40cにおいては、柱連結部44cが柱状部材42cに対して下方に延びるように配設されていると共に、垂木配設部49が設けられている点で第1の建築部材40aと異なっている。一方、第4の建築部材40dは、柱状部材42dの全ての側面に90度間隔に柱連結部44dと横架材連結部46dが交互に配設されていると共に、柱連結部44dが柱12と横架材14との交点部分以外の部分にも配設されている点が第1の建築部材40aと異なっている。
図8に示すように、第3の建築部材40cの横架材連結部46cの上に設けられた垂木配設部49は、大引き支持部48aと同様に略U字状に形成されている。配設される垂木14cは大引き24と同様に、上側から落とし込むようにして垂木配設部49に配設される。垂木配設部49は、垂木14cの底面と両側面と当接して垂木14cを支持するものであるが、必要に応じて、垂木配設部49に設けられたネジ孔NHにネジ止めして固定してもよい。なお、第3の建築部材40cの横架材連結部46cに連結される横架材は梁14bである。
図9に示すように、第4の建築部材40dの柱状部材42dには複数の柱連結部44dが配設されている。柱状部材42dの上面および下面において、上下方向の同一直線上に柱連結部44d、44dが設けられている。本実施の形態においては上下の柱連結部44d、44dに柱12、12を連結させる形態としているが、上下の柱連結部44d、44dの挿入空間を上下に連通させて、通柱10を柱連結部44dに挿通させた後にネジ孔NHの位置においてネジ止めし、通柱10を柱連結部44d、44dに連結させることももちろん可能である。
本実施の形態においては、土台30または二階台60において対向する一対辺に第1の建築部材40a、40aまたは第3の建築部材40c、40cの間に第2の建築部材40bまたは第4の建築部材40dを一つだけ配設した組立小屋100としているが、第2の建築部材40bまたは第4の建築部材40dの配設数を増やせば、組立小屋100の奥行き方向の居住空間を適宜増加させることができる。
また、本実施の形態で説明したそれぞれの建築部材40x(xはa、b、c、dのいずれか一つ。以下同様)では、柱状部材42xが長いため、運搬や組立において不都合を生じる場合がある。そこで、柱状部材42xを所要の長さになるように切断してモジュール化し、ボルトナットにより連結する連結部材若しくは、柱状部材42xと同様に中空状の矩形断面を有する形状に形成された延長部材を有する連結部材(共に図示せず)を用いてモジュール化した建築部材40xのそれぞれを互いに連結して組み立てる形態を採用することもできる。これによれば、建築部材40xの運搬や、建築物の組み立て作業が容易になると共に、建築物の間口方向の間取りの設計自由度が大幅に向上するため好適である。
本実施の形態における建築部材を用いた建築物の正面図である。 図1の建築物における土台部分の平面図である。 土台に用いられる建築部材の正面図である。 土台の外周縁に用いられる建築部材の平面図である。 土台の中間部分に用いられる建築部材の平面図である。 図2中のA部分で囲まれた、土台において外周縁が交差する角部分にある第1の建築部材の端部を示したものである。 二階台の平面図である。 図7中のB部分における拡大斜視図である。 図7中のC部分における拡大斜視図である。
符号の説明
10 通柱
12 柱
14 横架材
14a 木製土台材
14b 梁
30 土台
40 建築部材
42 柱状部材
44 柱連結部
46 横架材連結部
48a 大引き支持部
49 垂木配設部
50 スリット
52 締付手段
60 二階台
100 組立小屋
NH ネジ孔

Claims (5)

  1. 建築物の床下に配設される土台、若しくは二階台における枠体の一辺をなす建築部材であって、
    断面形状が矩形をなす中空状に形成された金属製の柱状部材と、
    前記柱状部材の側面の少なくとも一面に配設され、柱の一端部が挿入される筒状をなす金属製の柱連結部と、
    前記柱状部材の、前記柱連結部と直交する側面のうち少なくとも一面に配設され、木製土台材または梁の一端部が挿入される筒状をなす金属製の横架材連結部と、
    前記柱状部材の、前記柱連結部と直交する側面のうち少なくとも一面に配設され、大引きが支持される大引き支持部とを有していることを特徴とする建築部材。
  2. 前記柱連結部と前記横架材連結部には、スリットが形成されていることを特徴とする請求項1記載の建築部材。
  3. 前記柱連結部と前記横架材連結部には、前記スリットの幅を縮小させる方向に締め付けする締付手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載の建築部材。
  4. 前記大引き支持部は、大引きの下面および両側面の三面が支持される略U字状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項記載の建築部材。
  5. 建築物の床下に配設される土台若しくは二階台の少なくとも一辺に請求項1〜4のうちいずれか一項記載の建築部材を用いたことを特徴とする建築物。
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WO2021042756A1 (zh) * 2019-09-04 2021-03-11 青岛理工大学 拼装楼板式钢木组合节点及其组装方法
CN113187089A (zh) * 2021-04-27 2021-07-30 湖北别一阁钢结构科技开发有限公司 屋顶结构、屋顶和墙立柱连接结构、房屋骨架及房屋

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