JP5629195B2 - 建物 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の門形フレームを平行離間させて配置した構造を有する建物に関する。
門形パネルユニットの一例として特許文献1に記載のものが知られている。
この門形パネルユニットは、略水平方向に延びる梁部と、この梁部の両端に結合されて略鉛直下方に延びる柱部とを有する一対の門型パネルを、所定間隔をおいて対向させた状態に配し、かつ結合材により互いに結合し、各両側の柱部の間に開口を形成してなるものである。
このような門形パネルユニットは、パネル工法における木造住宅において、家屋下のガレージの入口等、幅広の開口が要求される場合に使用される。
特開平06−81408号公報
ところで、上記のような門形パネルユニットを構成する複数の門形パネルを所定間隔で平行離間させて配置するとともに、これら門形パネルを連結することによって、建物内に比較的広い空間を形成できるが、門形パネルだけでは、当該門形パネルに、例えば地震や強風等の際に作用する水平力に抗するには不十分である可能性がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、複数の門形フレームを平行離間して配置するとともに、これら複数の門形フレームを連結した構造を有する建物において、門形フレームに作用する水平力に十分に抗することができる建物を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図4に示すように、一対の柱部材2と梁部材3とを門形に接合してなる複数の門形フレーム4が、平行離間して配置されるとともに、これら複数の門形フレーム4が連結されており、
前記複数の門形フレーム4のうち、端部側に位置する門形フレーム4に対向して壁11が配置されており、
前記壁11に複数の袖壁12が設けられており、
前記門形フレーム4に作用する前記梁部材3と直交する方向の水平力を前記袖壁12によって受けるようにするとともに、
前記複数の門形フレーム4は床10によって連結されており、端部側に位置する前記門形フレーム4上に位置する床10が前記袖壁12に連結されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、複数の門形フレーム4のうち、端部側に位置する門形フレーム4に対向して壁11が配置されており、この壁11に複数の袖壁12が設けられており、前記門形フレーム4に作用する前記梁部材3と直交する方向の水平力を前記袖壁12によって受けるようにしたので、門形フレーム4に作用する水平力に十分に抗することができる。
また、複数の門形フレーム4が床10によって連結されており、端部側に位置する門形フレーム4上に位置する床10が袖壁12に連結されているので、門形フレーム4に作用する梁部材3と直交する方向の水平力を袖壁12によって効果的に受けることができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の建物において、
前記柱部材2および前記梁部材3は、それぞれ長手方向と直交する方向に所定の間隔をあけて配置される一対の棒状部材21,21と、これら一対の棒状部材21,21間に設けられた腹材22とを備えた建築構造材20によって構成されており、
前記腹材22は、縦横の框材24a,24aを矩形枠状に組み立ててなる枠体24と、この枠体24の両面に貼設される面材25,25とを有する木質パネルで構成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、腹材22が、縦横の框材24aを矩形枠状に組み立ててなる枠体24と、この枠体24の両面に貼設される面材25とを有する木質パネル23で構成されているので、腹材22自体の強度を確保できる。そして、一対の棒状部材間に
腹材22を設けることによって、建築構造材20が構成されているので、例えば腹材22だけで建築構造材を形成するよりも、さらに高い強度の建築構造材20を得ることができる。
そして、このような建築構造材20によって、柱部材2および梁部材3が構成されているので、屋根や床等の上部構造の荷重や積載荷重を確実かつ十分に支持することが可能な建物躯体1を構成することができるので、建物躯体1の長期的な耐久性の維持を実現することが可能となる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の建物において、
前記一対の棒状部材21,21は、それぞれ複数の角材21a,21aを軸方向に連結することによって構成されており、
前記腹材22を構成する木質パネル23は、前記一対の棒状部材21,21の長手方向に連続して複数配置されており、これら複数の木質パネル23の棒状部材側の縁部は、それぞれ前記一対の棒状部材21に接合されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、前記一対の棒状部材21,21は、それぞれ複数の角材21a,21aを軸方向に連結することによって構成されており、前記腹材22を構成する木質パネル23は、前記一対の棒状部材21,21の長手方向に連続して複数配置されており、これら複数の木質パネル23の棒状部材21側の縁部は、それぞれ前記一対の棒状部材21,21に接合されているので、建築構造材20を分割しておくことができる。
これによって、長尺で輸送しにくい建築構造材20であっても予め分割しておくことができるので、容易に輸送することができる。しかも、現場等で、分割された部材どうしを連結すれば、高強度な建築構造材20を確実に得ることができるので、複数の門形フレーム4が、平行離間して配置されるとともに、これら複数の門形フレーム4が連結されてなる建物を容易に建築することができる。
請求項に記載の発明は、請求項またはに記載の建物において、
前記梁部材3を構成する建築構造材20の一対の棒状部材21,21のうち、上方に位置する棒状部材21は、前記柱部材2を構成する建築構造材20の上端面に載置されており、
下方に位置する捧状部材21は、前記柱部材2を構成する建築構造材20の棒状部材21の側面に取り付けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、梁部材3を構成する建築構造材20の一対の棒状部材21,21のうち、上方に位置する棒状部材21は、柱部材2を構成する建築構造材20の上端面に載置されており、下方に位置する棒状部材21は、前記柱部材2を構成する建築構造材20の棒状部材21の側面に取り付けられているので、前記上方に位置する棒状部材21と、前記柱部材2を構成する建築構造材20とを梁勝ち納まりとすることができ、前記下方に位置する棒状部材21と、前記柱部材2を構成する建築構造材20とを柱勝ち納まりとすることができる。
これによって、前記柱部材2と梁部材3とを、単に梁勝ちに納めたり、単に柱勝ちに納めたりする場合に比して強固に接合できるので、より高い強度の門形フレーム4を得ることができる。
本発明によれば、複数の門形フレームのうち、端部側に位置する門形フレームに対向して壁が配置されており、この壁に複数の袖壁が設けられており、前記門形フレームに作用する前記梁部材と直交する方向の水平力を前記袖壁によって受けるようにしたので、門形フレームに作用する水平力に十分に抗することができる。
本発明に係る建物の一例を示すもので、当該建物の躯体を示す斜視図である。 同、建築構造材を示す斜視図である。 同、梁構成部材として複数に分割された建築構造材を示す分解正面図である。 同、門形フレームを構成する柱部材と梁部材との接合部の構造を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1において符号1は、建物躯体を示す。この建物躯体1は2階建て構造になっており、基礎5に沿って、この基礎5の上面に土台6が設けられるとともに、土台6,6間に大引7が架設されている。そして、これら土台6および大引7間に床パネル(図示せず)を架設することによって建物下階の床が形成されるようになっている。
また、前記土台6および大引7上に、柱部材2と梁部材3とを門形に接合してなる複数の門形フレーム4が、平行離間して配置されている。
具体的には、1階に門形フレーム4が4つ配置されている。図1において右端部側に位置する1階の門形フレーム4の柱部材2には、補強柱部材8が接合されており、この補強柱部材8と柱部材2とによって、建物躯体1の1階の右端部の二か所のコーナ部に断面L形の柱部材が設けられている。そして、補強柱部材8と、この補強柱部材8の左側に隣り合う門形フレーム4の柱部材2とが小壁(小壁パネル)9によって連結されている。
また、この門形フレーム4と、その左側に隣り合う門形フレーム4とは、対向する柱部材2,2間に設けられた小壁(小壁パネル)9と、対向する梁部材3,3間に設けられた床10とによって連結されている。つまり、小壁9は対向する柱部材2,2の上端部に接合されており、床10は対向する梁部材3,3に固定されている。
さらに、左端部側に位置する門形フレーム4の柱部材2には、補強柱部材8が接合されており、この補強柱部材8と柱部材2とによって、建物躯体1の1階の左端部の二か所のコーナ部に断面L形の柱部材が設けられている。そして、補強柱部材8と、この補強柱部材8の右側に隣り合う門形フレーム4の柱部材2とが小壁(小壁パネル)9によって連結されている。
2階には、1階と同様に門形フレーム4が4つ、1階の門形フレーム4の直上に配置されている。
すなわち、右端部側に位置する2階の門形フレーム4の柱部材2には、補強柱部材8が接合されており、この補強柱部材8と柱部材2とによって、建物躯体1の2階の右端部の二か所のコーナ部に断面L形の柱部材が設けられている。そして、補強柱部材8と、この補強柱部材8の左側に隣り合う門形フレーム4の柱部材2とが小壁(小壁パネル)9によって連結されている。さらに、右端部側の位置する2階の門形フレーム4の梁部材3と、当該門形フレーム4の左側に隣り合う門形フレーム4の梁部材3とはそれらの間に設けられた床10によって連結されている。
また、この門形フレーム4と、その左側に隣り合う門形フレーム4とは、対向する柱部材2,2間に設けられた小壁(小壁パネル)9と、対向する梁部材3,3間に設けられた床10とによって連結されている。つまり、小壁9は対向する柱部材2,2の上端部に接合されており、床10は対向する梁部材3,3に固定されている。
さらに、左端部側に位置する門形フレーム4の柱部材2には、補強柱部材8が接合されており、この補強柱部材8と柱部材2とによって、建物躯体1の2階の左端部の二か所のコーナ部に断面L形の柱部材が設けられている。そして、補強柱部材8と、この補強柱部材8の右側に隣り合う門形フレーム4の柱部材2とが小壁(小壁パネル)9によって連結されている。
なお、1階および2階の床10は、複数の床パネル10aを接合することによって構成されている。
前記各階に4つずつの門形フレーム4のうち、左端部に位置する1階と2階の門形フレーム4に対向して、壁11が基礎5上の土台6に設けられている。この壁11は複数の壁パネルを連結することによって構成されている。壁11は2階の床10までの高さを有しており、この壁11の門形フレーム4側を向く表面には、複数の袖壁12が設けられている。
袖壁12は2階までの高さを有する上下に長尺なものであり、壁11の長さ(幅)方向に所定間隔で複数(例えば5つ)設けられている。各袖壁12はそれぞれ壁パネルによって形成されており、壁11に固定されている。
また、1階および2階の床10,10は、左端部側の位置する門形フレーム4,4より左側に延出されており、この延出した床10,10の左端部が複数の前記袖壁12の先端部に当接されたうえで、連結されている。これによって、門形フレーム4に作用する梁部材3と直交する方向の水平力を袖壁12によって受けるようになっている。
なお、袖壁12は、門形フレーム4から延出している複数の床パネル10aのうち、両側に位置する床パネル10aの端部(床パネル10aの短辺方向の端部)、互いに接合されている床パネル10a,10aの接合部に当接するようにして配置されている。
また、前記袖壁12が設けられた壁11は、左端部に位置する1階と2階の門形フレーム4に対向して設けるとともに、右端部に位置する1階と2階の門形フレーム4に対向して設けてもよい。
前記柱部材2および梁部材3は、それぞれ建築構造材20によって構成されている。この建築構造材20は、図2に示すように、長手方向と直交する方向に所定の間隔をあけて配置される一対の棒状部材21,21と、これら一対の棒状部材21,21間に設けられる腹材22とを備えている。
前記棒状部材21は、それぞれ断面が四角形状の複数の角材21a,21aを軸方向に連結することによって構成されている。
前記一対の棒状部材21,21は同じ長さに設定されていなくてもよく、本実施の形態においては、図3に示すように、前記建築構造材20の腹材22を構成する木質パネル23の一側縁部に設けられる棒状部材21と、他側縁部に設けられる棒状部材21とは長さが異なるように設定されている。
また、一側縁部の棒状部材21を構成する複数の角材21a,21aもそれぞれ長さが異なるように設定されており、同じく、他側縁部の棒状部材21を構成する複数の角材21a,21aもそれぞれ長さが異なるように設定されている。
また、前記複数の角材21a,21aは、図3に示すように、連結金具30によって連結されている。
なお、複数の角材21a,21aは、連結金具30を使用することなく、複数の角材21a,21aどうしを直接接合してもよい。連結金具30を使用しない場合は、例えば隣り合う角材21a,21aどうしを接着剤によって接合したり、一方の角材21aにほぞを形成するとともに他方の角材21aにほぞ穴を形成し、これら組み合わせることによって隣り合う角材21a,21aどうしを接合したり、または、その他の接合方法によって接合する。
前記腹材22は、縦横の框材24aを矩形枠状に組み立ててなる枠体24と、この枠体24の両面に貼設される面材25とを有する木質パネル23で構成されている。
この木質パネル23とは、壁や床、屋根といった建物の構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てて建物を構築するパネル工法に利用される建築用パネルと同様の機能を有するものである。
なお、前記建物躯体1の床を構成する床パネル10aは、縦横の框材を矩形枠状に組み立ててなる枠体と、この枠体の上面に貼設される面材とを有するものである。また、枠体内には、適宜、補強桟材が組み付けられる。
また、前記木質パネル23には、図1および図3に示すように、配線用穴部28やダクト用穴部29が形成されている。
前記配線用穴部28は、前記柱部材2を構成する建築構造材20を構成する木質パネル23の面材25に形成されている。
前記ダクト用穴部29は、前記梁部材3用の建築構造材20を構成する木質パネル23の面材25に形成されている。また、このダクト用穴部29は、図3に示すように梁部材3の長さ方向に沿って複数形成されており、例えば間取りを変更する際に適宜対応してダクトを配置できるようになっている。
そして、前記腹材22を構成する木質パネル23は、図2および図3に示すように、前記一対の棒状部材21,21の長手方向に連続して複数配置されており、これら複数の木質パネル23,23の棒状部材21側の縁部は、それぞれ前記一対の棒状部材21,21に接合されている。
なお、隣り合う木質パネル23,23どうしは、接着剤によって互いに接合されている。
また、腹材22と一対の棒状部材21,21とは、接着剤や釘等の止着材によって接合されている。
また、これら各木質パネル23,23は同じ長さに設定されていなくてもよく、本実施の形態においては、図3に示すように、前記建築構造材20の両端部に設けられる木質パネル23,23の長さが、他の木質パネル23よりも短くなるように設定されている。
さらに、これら木質パネル23の長さは、前記角材21aの長さとは異なるものとなるように設定されている。
また、これら各木質パネル23と、前記各角材21a,21aとは、互いに長さが異なるように設定されており、これら木質パネル23と角材21aとは、各木質パネル23の端部の位置と、各角材21aの端部の位置とが揃わないようにして接合されている。
また、これら前記一対の棒状部材21,21のうち、一方の棒状部材21を構成する複数の角材21a,21aと、他方の棒状部材21を構成する複数の角材21a,21a同士も、互いに長さが異なるように設定されている。
このように、前記建築構造材20は、各木質パネル23の端部の位置と、各角材21aの端部の位置とが揃わないように形成されているので、曲げ強度が高くなる。
また、前記棒状部材21の角材21aと木質パネル23とは同一厚さに形成され、面一に接合されている。すなわち、図2に示すように、前記棒状部材21の角材21aの横の厚さと、前記木質パネル23を構成する框材24aと2つの面材25,25との並設方向の長さとが略等しくなるように設定されている。
さらに、この棒状部材21の角材21aと木質パネル23とが面一に接合されているので、建築構造材20の両側面に、該建築構造材20の長さ方向に沿ってフラットな面を形成することができる。
前記門形フレーム4は、図1および図4に示すように、前記建築構造材20を垂直に配置してなる柱部材2,2を、互いに所定の間隔をあけて配置するとともに、これら柱部材2,2の上端部間に、建築構造材20を水平に配置してなる梁部材3を架設することによって形成されている。
柱部材2の上端部に、梁部材3の側端部を接合する際は、互いの棒状部材21,21どうしを連結金具30によって連結するようにして行われる。
より詳細には、図4に示すように、前記梁部材3の一対の棒状部材21,21のうち、上方に位置する棒状部材21は、柱部材2の上端面に載置されており、下方に位置する棒状部材21は、柱部材2の棒状部材21の側面に、前記下方に位置する棒状部材21の端面と柱部材2の側面とを前記連結金具30によって連結するようにして取り付けられている。
前記棒状部材21,21どうし、または複数の角材21a,21aどうしを連結する連結金具30は、図3および図4に示すように、連結ボックス31、第1ボルト32、第2ボルト33、第1ナット35、第2ナット36等を備えている。
そして、前記連結金具30の連結ボックス31は、前記下方に位置する棒状部材21の端面と、前記柱部材2を構成する建築構造材20の棒状部材21の側面との間に配置されている。
また、前記第1ボルト32は、前記下方に位置する棒状部材21の端面に埋設固定されるとともに、前記連結ボックス31に挿し込まれている。
また、前記第2ボルト33は、前記柱部材2の棒状部材21の側面に埋設固定されるとともに、前記連結ボックス31に挿し込まれている。
なお、この第2ボルト33は、前記柱部材2に形成されたボルト挿通孔26に挿入固定された延長ボルト34に、継手ナット34aを介して継手されている。
また、前記第1ナット35は、前記連結ボックス31にその開口部31aから挿入されたうえで、前記第1ボルト32に螺合して締め付けられている。
また、前記第2ナット36は、前記連結ボックス31にその開口部31aから挿入されたうえで、前記第2ボルト33に螺合している。
さらに、第3ナット37は、記第2ボルト33に、前記第2ナット36とともに前記連結ボックス31の端面を形成する壁部を挟むようにして、かつ該連結ボックス31の端面を形成する壁部との間に座金37aを介して螺合している。なお、この第3ナット37は、前記第2ボルト33を前記連結ボックス31に挿し込む前に、前記第2ボルト33に対して予め螺合している。
そして、前記第2ナット36および第3ナット37がスパナやレンチ等の工具によって締め付けられており、これによって、前記梁部材3の一対の棒状部材21,21のうち、下方に位置する棒状部材21と、前記柱部材2の棒状部材21とを強固に連結することができる。
本実施の形態によれば、複数の門形フレーム4のうち、端部側に位置する門形フレーム4に対向して壁11が配置されており、この壁11に複数の袖壁12が設けられており、前記門形フレーム4に作用する前記梁部材3と直交する方向の水平力を袖壁12によって受けるようにしたので、門形フレーム4に作用する水平力に十分に抗することができる。
また、複数の門形フレーム4は床10によって連結されており、端部側に位置する門形フレーム4上に位置する床10が袖壁12に連結されているので、門形フレーム4に作用する梁部材3と直交する方向の水平力を袖壁12によって効果的に受けることができる。
さらに、腹材22が、縦横の框材24aを矩形枠状に組み立ててなる枠体24と、この枠体24の両面に貼設される面材25とを有する木質パネル23で構成されているので、腹材22自体の強度を確保できる。そして、一対の棒状部材間に、互いに接合される腹材を設けることによって、建築構造材が構成されているので、例えば腹材22だけで建築構造材を形成するよりも、さらに高い強度の建築構造材20を得ることができる。
そして、このような建築構造材によって、柱部材および梁部材が構成されているので、屋根や床等の上部構造の荷重や積載荷重を確実かつ十分に支持することが可能な建物躯体1を構成することができるので、建物躯体1の長期的な耐久性の維持を実現することが可能となる。
また、前記一対の棒状部材21,21は、それぞれ複数の角材21a,21aを軸方向に連結することによって構成されており、前記腹材22を構成する木質パネル23は、前記一対の棒状部材21,21の長手方向に連続して複数配置されており、これら複数の木質パネル23,23の棒状部材21側の縁部は、それぞれ前記一対の棒状部材21,21に接合されているので、建築構造材20を分割しておくことができる。
これによって、長尺で輸送しにくい建築構造材20であっても予め分割しておくことができるので、容易に輸送することができる。しかも、現場等で、分割された部材同士を連結すれば、高強度な建築構造材20を確実に得ることができるので、複数の門形フレームが、平行離間して配置されるとともに、これら複数の門形フレームが連結されてなる建物を容易に建築することができる。
また、梁部材3を構成する建築構造材20の一対の棒状部材21,21のうち、上方に位置する棒状部材21は、柱部材2を構成する建築構造材20の上端面に載置されており、下方に位置する棒状部材21は、前記柱部材2を構成する建築構造材20の棒状部材21の側面に取り付けられているので、前記上方に位置する棒状部材21と、前記柱部材2を構成する建築構造材20とを梁勝ち納まりとすることができ、前記下方に位置する棒状部材21と、前記柱部材2を構成する建築構造材20とを柱勝ち納まりとすることができる。
これによって、前記柱部材2と梁部材3とを、単に梁勝ちに納めたり、単に柱勝ちに納めたりする場合に比して強固に接合できるので、より高い強度の門形フレームを得ることができる。
1 建物躯体
2 柱部材
3 梁部材
4 門形フレーム
10 床
11 壁
12 袖壁
20 建築構造材
21 棒状部材
21a 角材
22 腹材
23 木質パネル
24a 枠材
24 枠体
25 面材

Claims (4)

  1. 一対の柱部材と梁部材とを門形に接合してなる複数の門形フレームが、平行離間して配置されるとともに、これら複数の門形フレームが連結されており、
    前記複数の門形フレームのうち、端部側に位置する門形フレームに対向して壁が配置されており、
    前記壁に複数の袖壁が設けられており、
    前記門形フレームに作用する前記梁部材と直交する方向の水平力を前記袖壁によって受けるようにするとともに、
    前記複数の門形フレームは床によって連結されており、端部側に位置する前記門形フレーム上に位置する床が前記袖壁に連結されていることを特徴とする建物。
  2. 請求項に記載の建物において、
    前記柱部材および前記梁部材は、それぞれ長手方向と直交する方向に所定の間隔をあけて配置される一対の棒状部材と、これら一対の棒状部材間に設けられる腹材とを備えた建築構造材によって構成されており、
    前記腹材は、縦横の框材を矩形枠状に組み立ててなる枠体と、この枠体の両面に貼設される面材とを有する木質パネルで構成されていることを特徴とする建物。
  3. 請求項に記載の建物において、
    前記一対の棒状部材は、それぞれ複数の角材を軸方向に連結することによって構成されており、
    前記腹材を構成する木質パネルは、前記一対の棒状部材の長手方向に連続して複数配置されており、これら複数の木質パネルの棒状部材側の縁部は、それぞれ前記一対の棒状部材に接合されていることを特徴とする建物。
  4. 請求項またはに記載の建物において、
    前記梁部材を構成する建築構造材の一対の棒状部材のうち、上方に位置する棒状部材は、前記柱部材を構成する建築構造材の上端面に載置されており、
    下方に位置する捧状部材は、前記柱部材を構成する建築構造材の棒状部材の側面に取り付けられていることを特徴とする建物。
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