JP2005272821A - 熱可塑性共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐熱性、無色透明性、熱安定性および滞留安定性に優れた熱可塑性共重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(ii)不飽和カルボン酸単位を含む共重合体(A)を、重合液中の溶存酸素濃度を5ppm以下に維持して製造し、続いて、該共重合体(A)を加熱処理し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応よる分子内環化反応を行い、グルタル酸無水物単位および不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体(B)を得る。
【選択図】 なし
【解決手段】(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(ii)不飽和カルボン酸単位を含む共重合体(A)を、重合液中の溶存酸素濃度を5ppm以下に維持して製造し、続いて、該共重合体(A)を加熱処理し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応よる分子内環化反応を行い、グルタル酸無水物単位および不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体(B)を得る。
【選択図】 なし
Description
本発明は、耐熱性、無色透明性および熱安定性に極めて優れたグルタル酸無水物単位含有熱可塑性共重合体の製造方法に関するものである。
ポリメタクリル酸メチル(以下、PMMAと称する)やポリカーボネート(以下、PCと称する)といった非晶性樹脂は、その透明性や寸法安定性を活かし、光学材料、家庭電気機器、OA機器および自動車などの各部品を始めとする広範な分野で使用されている。
近年、これらの樹脂は、特に光学レンズ、プリズム、ミラー、光ディスク、光ファイバー、液晶ディスプレイ用シート・フィルム、導光板などの、より高性能な光学材料にも幅広く使用されるようになっており、樹脂に要求される光学特性や成形加工性、耐熱性もより高度なものになっている。
また現在、これらの透明樹脂は、テールランプやヘッドランプといった自動車等の灯具部材としても使用されているが、近年、車内空間を大きくするためやガソリン燃費を改良するために、テールランプレンズやインナーレンズ、ヘッドランプ、シールドビーム等の各種レンズと光源の間隔を小さくすること、部品の薄肉化が図られる傾向にあり、優れた耐熱性および成形加工性が要求されるようになっている。また、車両は過酷な条件下で使用されるため、高温多湿下での形状変化が小さいことや、優れた耐傷性、耐候性、耐油性も要求される。
しかしながら、PMMA樹脂は、優れた透明性、耐候性を有するものの、耐熱性が十分ではないといった問題があった。一方、PC樹脂は、耐熱性、耐衝撃性に優れるものの、光学的歪みである複屈折率が大きく、成形物に光学的異方性が生じること、成形加工性、耐傷性、耐油性に著しく劣るといった問題があった。
そのため、PMMAの耐熱性を改良する目的で、耐熱性付与成分としてマレイミド系単量体あるいは無水マレイン酸単量体等を導入した樹脂が開発されている。しかし、マレイミド系単量体は高価であると同時に反応性が低く、無水マレイン酸は熱安定性が悪いという問題があった。
これらの問題点を解決する方法として、不飽和カルボン酸単位を含有する共重合体を、押出機を用いて加熱して環化反応させることにより得られるグルタル酸無水物単位を含有する共重合体が特許文献1、2に開示されているが、押出機を用いて該共重合体を加熱処理して得られるグルタル酸無水物単位を有する共重合体は著しく着色するという問題があった。
また、特許文献3、4、5には(次)亜リン酸系化合物や、ヒンダードフェノール系化合物の酸化防止剤添加により着色を低減する方法が開示されている。しかし、耐熱性の比較的低いグルタル酸無水物単位含有重合体の場合には効果は見られるものの、高い耐熱性と無色透明性を両立することができないという問題があった。そこで、本発明者らは特許文献6の如く、特定の不飽和カルボン酸単位を含有する共重合体を特定の重合温度で製造し、続いて該共重合体を加熱処理することにより、無色透明性と滞留安定性に優れるグルタル酸無水物含有共重合体の製造方法を提案した。
特許文献6提案の技術によれば、得られる共重合体の着色および滞留安定性は大いに改良されたが、光学レンズ、プリズム、ミラー、光ディスク、光ファイバー、液晶ディスプレイ用シート・フィルム、導光板などの、より高性能な光学材料に使用するためには、より高度な無色透明性を有するグルタル酸無水物含有共重合体が望まれていた。
特開昭49−85184号公報(第1−2頁、実施例)
特開平1−103612号公報(第1−2頁、実施例)
特開昭60−120735号公報(第1−2頁、実施例)
特開昭61−271343号公報(第1−2頁、実施例)
特開平9−48818号公報(第1−2頁、実施例)
特開2004−002711公報(第1−2頁、実施例)
本発明の目的は、高度な耐熱性を有すると同時に、グルタル酸無水物単位を生成させる際の着色を抑制し、光学材料に要求されている高度な無色透明性、滞留安定性を有する熱可塑性共重合体の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、グルタル酸無水物単位を含有する熱可塑性共重合体の前駆体である、前記不飽和カルボン酸単位を含有する共重合体を製造するに際し、重合液中の溶存酸素濃度が、加熱処理後に得られるグルタル酸無水物単位含有共重合体の着色と熱分解の原因であることを突き止め、この酸素濃度を特定の範囲に制御することにより、従来の知見では成し得ることができなかった、高度な無色透明性と熱安定性を有するグルタル酸無水物含有共重合体を製造可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の熱可塑性共重合体の製造方法は、(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(ii)不飽和カルボン酸単位を含む共重合体(A)を製造する工程(第一工程)と、続いて、該共重合体(A)を加熱処理し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応よる分子内環化反応を行う工程(第二工程)により、(iii)下記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位および(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体(B)を製造するに際し、該第一工程が不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体および不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物を、重合液中の溶存酸素濃度を5ppm以下に維持して重合することを特徴とするものである。
上記第一工程において、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体および不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物の重合温度は、95℃以下であることが好ましく、特に50℃〜95℃であることが好ましい。
また上記第一工程において、重合液中の溶存酸素濃度を0.01〜3ppmの範囲に維持して重合することが、好ましい。
上記共重合体(A)の(ii)不飽和カルボン酸単位は、下記一般式(2)で表される構造を有することが好ましい。
上記共重合体(A)の製造時に用いられる前記単量体混合物中に、該単量体混合物を100重量%として、不飽和カルボン酸単量体を15〜50重量%含有することが好ましい。
上記第一工程において、重合開始剤として有機過酸化物を使用することが好ましく、特にオクチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイドから選ばれる1種以上であることがより好ましい。
本発明の製造方法によれば、耐熱性、無色透明性および滞留安定性に優れた熱可塑性共重合体の製造方法を提供することができる。そのため、本発明により製造される熱可塑性共重合体は、電気・電子部品、自動車部品、機械機構部品、OA機器、家電機器などのハウジングおよびそれらの部品類、一般雑貨など種々の用途に用いることができる。
以下、本発明の熱可塑性共重合体(B)の製造方法について具体的に説明する。
本発明の熱可塑性共重合体(B)とは、(iii)下記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位および(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体であり、これらは一種または二種以上で用いることができる。
本発明の上記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位を含有する熱可塑性共重合体の製造方法は、基本的には以下に示す2つの工程により製造される。すなわち、後の加熱工程により上記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位(iii)を与える不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体及び不飽和カルボン酸単量体と、その他のビニル系単量体単位を含む場合には該単位を与えるビニル系単量体とを共重合させ、共重合体(A)を製造する工程(第一工程)と、続いて、かかる共重合体(A)を適当な触媒の存在下あるいは非存在下で加熱し(イ)脱水及び/又は(ロ)脱アルコールによる分子内環化反応を行わせることにより製造する工程(第二工程)からなる製造方法である。この場合、典型的には、共重合体(A)を加熱することにより2単位の(ii)不飽和カルボン酸単位のカルボキシル基が脱水され、あるいは、隣接する(ii)不飽和カルボン酸単位と(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位からアルコールの脱離により1単位の前記グルタル酸無水物単位が生成される。
第一工程に用いられる不飽和カルボン酸単量体としては特に制限はなく、他のビニル化合物と共重合させることが可能ないずれの不飽和カルボン酸単量体も使用可能である。好ましい不飽和カルボン酸単量体として、下記一般式(4)
で表される化合物、マレイン酸、及びさらには無水マレイン酸の加水分解物などが挙げられるが、特に熱安定性が優れる点でアクリル酸、メタクリル酸が好ましく、より好ましくはメタクリル酸である。これらはその1種または2種以上用いることができる。なお、上記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸単量体は、共重合すると上記一般式(2)で表される構造の不飽和カルボン酸単位を与える。
また不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては特に制限はないが、好ましい例として、下記一般式(5)で表されるものを挙げることができる。
これらのうち、炭素数1〜6の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は置換基を有する該炭化水素基を持つアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルが特に好適である。なお、上記一般式(5)で表される不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体は、共重合すると上記一般式(3)で表される構造の不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を与える。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の好ましい具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−へキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルおよび(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルなどが挙げられ、なかでもメタクリル酸メチルが最も好ましく用いられる。これらはその1種または2種以上を用いることができる。
また、第一工程においては、本発明の効果を損なわない範囲で、その他のビニル系単量体を用いてもかまわない。その他のビニル系単量体の好ましい具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレンおよびp−t−ブチルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、アリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、無水マレイン酸、無水イタコン酸、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレン、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリンおよび2−スチリル−オキサゾリンなどを挙げることができるが、透明性、複屈折率、耐薬品性の点で芳香環を含まない単量体がより好ましく使用できる。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
第一工程における重合方法については、基本的にはラジカル重合による、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の重合方法を用いることができるが、不純物がより少ない点で溶液重合、塊状重合、懸濁重合が特に好ましい。
本発明の製造方法によれば、前述の通り、第一工程における、重合液中の溶存酸素濃度を5ppm以下に制御することにより、加熱処理後の熱可塑性共重合体(B)の優れた無色透明性、滞留安定性および熱安定性を達成することができる。さらに加熱処理後の着色をより抑制するために好ましい溶存酸素濃度の範囲は0.01〜3ppmであり、さらに好ましくは0.01〜1ppmである。溶存酸素濃度が5ppmを超える場合、加熱処理後の熱可塑性共重合体(B)が着色し、また熱可塑性共重合体(B)の熱安定性が低下するため、本発明の目的を達することができない。ここで、本発明における、溶存酸素濃度は、重合液中の溶存酸素を溶存酸素計(例えばガルバニ式酸素センサーである飯島電子工業株式会社製、DOメーターB−505)を用いて測定した値である。
重合液中の溶存酸素濃度を上記範囲に維持するためには、(1)重合開始時点の重合液中の溶存酸素濃度を5ppm以下にする操作、および(2)重合開始時点から重合終了時点までの重合反応中の重合液中の溶存酸素濃度を5ppm以下にする操作が必要である。
ここで、重合開始時点とは一般的なラジカル重合において、重合容器に単量体混合物を仕込み、容器内温度が所定の重合温度に到達した時点を指し、また、重合終了時点とは所定の温度および時間で重合反応を終了した時点を指す。
(1)重合開始時点の溶存酸素濃度を5ppm以下にする方法については、重合開始前に重合液に直接不活性ガスをバブリングする方法、重合開始前に不活性ガスを重合容器に加圧充填した後、放圧を行う操作を1回若しくは2回以上行う方法、単量体混合物を仕込む前に密閉重合容器内を脱気した後、不活性ガスを充填する方法、予め、単量体混合物および/または重合媒体の溶存酸素濃度を5ppm以下にする方法などを用いることができ、これらは単独若しくは組み合わせて使用することができる。
(2)重合開始時点から重合終了時点までの重合液中の溶存酸素濃度を5ppm以下にする方法については、上記(1)の操作により、予め溶存酸素濃度を5ppm以下にした後、重合容器を密閉にする方法、または重合容器中に不活性ガスを通じる方法を例示することができる。
重合反応中の溶存酸素濃度を確認する方法としては、重合開始時点から重合終了時点まで連続して、重合液中の溶存酸素濃度を測定する方法を例示することができる。また、上記(2)の操作を行う場合、重合反応中には外部からの酸素が混入することがなく、また、反応によっても酸素(O2)は副成しないため、重合開始時点および重合終了時点に各々溶存酸素濃度を測定する方法を用い、重合反応中の溶存酸素濃度が上記範囲に維持されることを確認することができる。
また、上記(1)、(2)の操作における不活性ガスとしては窒素、アルゴン、ヘリウムなどを好ましく用いることができる。
第一工程における重合温度については、色調の観点から、95℃以下の重合温度で重合することが好ましく、90℃以下の重合温度で重合することことがより好ましい。さらに加熱処理後の着色をより抑制するために好ましい重合温度は85℃以下であり、特に好ましくは75℃以下である。また、重合温度の下限は、重合が進行する温度であれば、特に制限はないが、重合速度を考慮した生産性の面から、通常50℃以上、好ましくは60℃以上である。したがって、重合温度は、50℃〜95℃であればよい。また重合時間は、必要な重合度を得るのに十分な時間であれば特に制限はないが、生産効率の点から60〜360分間の範囲が好ましく、90〜180分間の範囲が特に好ましい。
本発明において、共重合体(A)の製造時に用いられるこれらの単量体混合物の好ましい割合は、該単量体混合物を100重量%として、不飽和カルボン酸単量体が15〜50重量%、より好ましくは20〜45重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体は好ましくは50〜85重量%、より好ましくは55〜80重量%、これらに共重合可能な他のビニル系単量体を用いる場合、その好ましい割合は0〜35重量%、特に好ましい割合は0〜10重量%である。
不飽和カルボン酸単量体量が15重量%未満の場合には、共重合体(A)の加熱による上記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位の生成量が少なくなり、耐熱性向上効果が小さくなる傾向がある。一方、不飽和カルボン酸単量体量が50重量%を超える場合には、共重合体(A)の加熱による環化反応後に、不飽和カルボン酸単位が多量に残存する傾向があり、無色透明性、滞留安定性が低下する傾向がある。 第一工程で用いる重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、通常使用される開始剤が使用できるが、中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルなどのアゾ系化合物、オクチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物を好ましく挙げることができ、とりわけ、オクチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物を好適に使用することができる。
また、共重合体(A)は本発明の目的を損なわない範囲で、通常公知の方法により分子量を制御することができる。例えば、上述のラジカル重合開始剤の添加量、若しくはアルキルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、トリエチルアミン等の連鎖移動剤の添加量により、分子量を制御することができる。特に、重合の安定性、取り扱いの容易さ等から、連鎖移動剤であるアルキルメルカプタンの添加量を制御する方法を好ましく使用することができる。本発明に使用されるアルキルメルカプタンとしては、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン等の直鎖アルキルメルカプタンが好ましく用いられる。
本発明における第二工程、すなわち共重合体(A)を加熱し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコールにより分子内環化反応を行い、グルタル酸無水物単位を含有する熱可塑性共重合体を製造する方法は、特に制限はないが、ベントを有する加熱した押出機に通して製造する方法や窒素気流中などの不活性ガス雰囲気で、または真空下で加熱脱揮できる装置内で製造する方法が好ましい。中でも、酸素存在下で加熱による分子内環化反応を行うと、黄色度が悪化する傾向が見られるため、十分に系内を窒素などの不活性ガスで置換することが好ましい。特に好ましい装置として、例えば、“ユニメルト”タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸押出機、三軸押出機、連続式混練機またはバッチ式ニーダータイプの混練機などを用いることができ、とりわけ二軸押出機が好ましく使用することができる。
なお、上記の方法により加熱脱揮する温度は、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコールにより分子内環化反応が生じる温度であれば特に限定されないが、好ましくは180〜300℃の範囲、特に200〜280℃の範囲が好ましい。
また、この際の加熱脱揮する時間も特に限定されず、所望する共重合体組成に応じて適宜設定可能であるが、通常、1分間〜60分間、好ましくは2分間〜30分間、とりわけ3〜20分間の範囲が好ましい。特に、押出機を用いて、十分な分子内環化反応を進行させるための加熱時間を確保するため、押出機のスクリュー直径(D)とスクリューの長さ(L)の比(L/D)が40以上であることが好ましい。L/Dの短い押出機を使用した場合、未反応の不飽和カルボン酸単位が多量に残存するため、成形品の加熱成形加工時に反応が再進行し、成形品にシルバーや気泡が見られる傾向や成形機内の滞留時に色調が大幅に悪化する傾向がある。押出機を用いて共重合体(A)を加熱する際の押出機のシリンダー温度は180〜300℃に設定することが好ましく、220〜290℃に設定することがより好ましい。
さらに本発明では、共重合体(A)を上記方法等により加熱する際にグルタル酸無水物への環化反応を促進させる触媒として、酸、アルカリ、塩化合物の1種以上を添加することができる。その添加量は特に制限はなく、共重合体(A)100重量部に対し、0.01〜1重量部程度が適当である。また、これら酸、アルカリ、塩化合物の種類についても特に制限はなく、酸触媒としては、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、亜リン酸、フェニルホスホン酸、リン酸メチル等が挙げられる。塩基性触媒としては、金属水酸化物、アミン類、イミン類、アルカリ金属誘導体、アルコキシド類、水酸化アンモニウム等が挙げられる。さらに、塩系触媒としては、酢酸金属塩、ステアリン酸金属塩、炭酸金属塩、各種アルキルアンモニウム塩を含むアンモニウム塩等が挙げられる。ただし、その触媒保有の色が熱可塑性共重合体の着色に悪影響を及ぼさず、かつ透明性が低下しない範囲で添加する必要がある。中でも、アルカリ金属を含有する化合物(アルカリ金属化合物)が、比較的少量の添加量で、優れた反応促進効果を示すため、好ましく使用することができる。具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムフェノキシド等のアルコキシド化合物、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム等の有機カルボン酸塩等が挙げられ、とりわけ、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、酢酸リチウム、酢酸ナトリウムが好ましく使用することができる。
本発明の熱可塑性共重合体(B)中の前記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位の含有量は、特に制限はないが、好ましくは熱可塑性共重合体100重量%中に好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは25〜50重量%、とりわけ30〜45重量%が好ましい。
また、本発明の熱可塑性共重合体における各成分単位の定量には、一般に赤外分光光度計やプロトン核磁気共鳴(1H−NMR)測定機が用いられる。赤外分光法では、グルタル酸無水物単位は、1800cm−1及び1760cm−1の吸収が特徴的であり、不飽和カルボン酸単位や不飽和カルボン酸アルキルエステル単位から区別することができる。また、1H−NMR法では、例えば、グルタル酸無水物単位、メタクリル酸、メタクリル酸メチルからなる共重合体の場合、ジメチルスルホキシド重溶媒中でのスペクトルの帰属を、0.5〜1.5ppmのピークがメタクリル酸、メタクリル酸メチルおよびグルタル酸無水物環化合物のα−メチル基の水素、1.6〜2.1ppmのピークはポリマー主鎖のメチレン基の水素、3.5ppmのピークはメタクリル酸メチルのカルボン酸エステル(−COOCH3)の水素、12.4ppmのピークはメタクリル酸のカルボン酸の水素と、スペクトルの積分比から共重合体組成を決定することができる。また、上記に加えて、他の共重合成分として、スチレンを含有する場合、6.5〜7.5ppmにスチレンの芳香族環の水素が見られ、同様にスペクトル比から共重合体組成を決定することができる。
また、本発明の熱可塑性共重合体(B)には、上記(iii) グルタル酸無水物単位および(i) 不飽和カルボン酸アルキルエステル単位成分の他に不飽和カルボン酸単位および/または、共重合可能な他のビニル系単量体単位を含有することができる。
本発明の熱可塑性共重合体(B)においては、共重合体(A)の(イ)脱水及び/又は(ロ)脱アルコール反応を十分に行うことにより熱可塑性共重合体中に含有される不飽和カルボン酸単位量は10重量%以下、すなわち0〜10重量%とすることが好ましく、より好ましくは0〜5重量%、最も好ましくは0〜1重量%である。不飽和カルボン酸単位が10重量%を超える場合には、無色透明性、滞留安定性が低下する傾向がある。
また、共重合可能な他のビニル系単量体単位量は0〜35重量%であることが好ましいが、より好ましくは10重量%以下、すなわち0〜10重量%であり、さらに好ましくは0〜5重量%である。特に、スチレンなどの芳香族ビニル系単量体単位を含有する場合、含有量が多すぎると、無色透明性、光学等方性、耐薬品性が低下する傾向がある。
本発明の製造法により得られる熱可塑性共重合体(B)は、ジメチルホルムアミド溶液、温度30℃で測定した極限粘度が0.1〜0.7dl/gであることが好ましく、0.3〜0.6dl/gであることがより好ましい。
かくして得られる本発明の熱可塑性共重合体(B)は、ガラス転移温度が、好ましくは120℃以上であり、優れた耐熱性を有しており実用耐熱性の面で好ましく、また、より好ましくはガラス転移温度が130℃以上であり、極めて優れた耐熱性を有する。また、ガラス転移温度の上限としては、通常160℃程度である。なお、ここでいうガラス転移温度とは、示差走査熱量計(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用いて昇温速度20℃/分で測定したガラス転移温度である。
また、本発明の製造方法により製造される熱可塑性共重合体(B)は、黄色度(Yellowness Index)の値が、好ましくは4以下であり、着色が抑制され、より好ましくは3以下と極めて高度な無色透明性を有する。上記において黄色度は、ガラス転移温度+100℃の温度でプレス成形した厚さ1mm成形品のYI値をJIS−K7103に従い、測定した値である。黄色度の下限は、特に制限はなく、低いほど好ましいが、通常1程度である。
熱可塑性共重合体(B)は、全光線透過率が、好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上であり、ヘイズ(曇度)が、好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下であり、極めて優れた透明性を有するものである。なお、全光線透過率(%)、ヘイズ(曇度)(%)は、熱可塑性共重合体をガラス転移温度+100℃の温度でプレス成形して得た50mm×50mm×1mmの成形品を、JIS−K7105に準拠して測定した値である。
さらに本発明の製造方法により製造される熱可塑性共重合体(B)は、熱分解開始温度が、好ましくは410℃以上、より好ましくは420℃以上であり、優れた熱安定性を有するものである。また、熱分解開始温度の上限としては、通常460℃程度である。ここで、熱分解開始温度とは、Perkin Elmer社製TGA−7型を用いて窒素気流中、昇温速度20℃/分で50℃から500℃まで測定した5%重量減少温度である。
さらに本発明の製造方法により製造される熱可塑性共重合体(B)は、ガラス転移温度+100℃の温度で20分間滞留させた前後の黄色度差が3以下の極めて優れた滞留安定性(熱変色性)を有する。尚、ここでいうガラス転移温度+100℃の温度で20分間滞留させた前後の黄色度差とは、前記したYI値と、熱可塑性共重合体のガラス転移温度+100℃の温度で、プレス成形機上で20分間滞留させた後にプレス成形した厚さ1mm成形品をそれぞれJIS−K7103に従い、SMカラーコンピューター(スガ試験機社製)を用いて測定したYI値の差の絶対値を示す。
さらに、本発明の熱可塑性共重合体(B)の製造時には、本発明の目的を損なわない範囲で、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系およびシアノアクリレート系の紫外線吸収剤および酸化防止剤、高級脂肪酸や酸エステル系および酸アミド系、さらに高級アルコールなどの滑剤および可塑剤、モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびエチレンワックスなどの離型剤、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、ハロゲン系難燃剤、リン系やシリコーン系の非ハロゲン系難燃剤、核剤、アミン系、スルホン酸系、ポリエーテル系などの帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を任意に含有させてもよい。ただし、その添加剤保有の色が本発明の熱可塑性共重合体(B)に悪影響を及ぼさず、かつ透明性が低下しない範囲で添加する必要がある。
本発明の製造方法により得られる熱可塑性共重合体(B)は、ガラス転移温度が好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上と高く優れた耐熱性を有しており、また熱分解開始温度が好ましくは410℃以上、より好ましくは420℃以上と高く優れた熱安定性を有している。
また、熱可塑性共重合体(B)は、黄色度(YI値)が好ましくは4以下、より好ましくは3以下と低く黄色への着色が極めて少ない特性があり、さらに全光線透過率が好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上であり、ヘイズ値が好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下であり、優れた透明性を有している。
さらに、熱可塑性共重合体(B)は、射出成形機内等に加熱状態で滞留した場合においても、滞留後の黄変度(△YI値)が好ましくは3以下、より好ましくは2以下であり、極めて優れた滞留安定性(耐熱変色性)を有するものである。
本発明により製造された熱可塑性共重合体(B)は、その優れた耐熱性、無色透明性および滞留安定性を活かして、電気・電子部品、自動車部品、機械機構部品、OA機器、家電機器などのハウジングおよびそれらの部品類、一般雑貨など種々の用途に用いることができる。
本発明により製造された熱可塑性共重合体(B)からなる成形品の具体的用途としては、例えば、電気機器のハウジング、OA機器のハウジング、各種カバー、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルターおよび点火装置ケースなどが挙げられる。
また、透明性、耐熱性に優れている点から、映像機器関連部品として、カメラ、VTR、プロジェクションTVなどの撮影用レンズ、ファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズなど、光記録・光通信関連部品として各種光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LDなど)基板、各種ディスク基板保護フィルム、光ディスクプレイヤーピックアップレンズ、光ファイバー、光スイッチ、光コネクターなど、情報機器関連部品として、液晶ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、プラズマディスプレイの導光板、フレネルレンズ、偏光板、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム、視野角拡大フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、プリズムシート、ピックアップレンズ、タッチパネル用導光フィルム、カバーなど、自動車などの輸送機器関連部品として、テールランプレンズ、ヘッドランプレンズ、インナーレンズ、アンバーキャップ、リフレクター、エクステンション、サイドミラー、ルームミラー、サイドバイザー、計器針、計器カバー、窓ガラスに代表されるグレージングなど、医療機器関連部品として、眼鏡レンズ、眼鏡フレーム、コンタクトレンズ、内視鏡、分析用光学セルなど、建材関連部品として、採光窓、道路透光板、照明カバー、看板、透光性遮音壁、バスタブ用材料などにも適用することができ、これら各種の用途にとって極めて有用である。
以下、実施例により本発明の構成、効果をさらに具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
各実施例の記述に先立ち、実施例で採用した各種物性の測定方法を記載する。
(1)溶存酸素濃度の測定
重合液中の溶存酸素濃度を、飯島電子工業株式会社製、DOメーターB−505を用いて測定した。測定は、重合容器内温が所定の重合温度に到達した重合開始時点と、所定の重合温度および時間重合反応を行った重合終了時点に実施した。
重合液中の溶存酸素濃度を、飯島電子工業株式会社製、DOメーターB−505を用いて測定した。測定は、重合容器内温が所定の重合温度に到達した重合開始時点と、所定の重合温度および時間重合反応を行った重合終了時点に実施した。
(2)溶液粘度
得られた熱可塑性共重合体を、ジメチルホルムアミドを溶媒として、温度30℃での極限粘度を測定した。
得られた熱可塑性共重合体を、ジメチルホルムアミドを溶媒として、温度30℃での極限粘度を測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用い、窒素雰囲気下、20℃/minの昇温速度で測定した。
示差走査熱量計(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用い、窒素雰囲気下、20℃/minの昇温速度で測定した。
(4)黄色度(Yellowness Index)
得られた熱可塑性共重合体を、ガラス転移温度+100℃の温度でプレス成形した厚さ1mm成形品のYI値をJIS−K7103に従い、SMカラーコンピューター(スガ試験機社製)を用いて測定した。
得られた熱可塑性共重合体を、ガラス転移温度+100℃の温度でプレス成形した厚さ1mm成形品のYI値をJIS−K7103に従い、SMカラーコンピューター(スガ試験機社製)を用いて測定した。
(5)透明性(全光線透過率、ヘイズ)
東洋精機(株)製直読ヘイズメーターを用いて、熱可塑性共重合体をガラス転移温度+100℃の温度でプレス成形して得た50mm×50mm×1mmの成形品の23℃での全光線透過率(%)、ヘイズ(曇度)(%)をJIS−K7105に準拠して測定し、透明性を評価した。
東洋精機(株)製直読ヘイズメーターを用いて、熱可塑性共重合体をガラス転移温度+100℃の温度でプレス成形して得た50mm×50mm×1mmの成形品の23℃での全光線透過率(%)、ヘイズ(曇度)(%)をJIS−K7105に準拠して測定し、透明性を評価した。
(6)熱分解開始温度
Perkin Elmer社製TGA−7型を用い、窒素雰囲気下、50℃にて1分保持し、その後、20℃/minの昇温速度で、500℃まで昇温しながら、熱天秤減量曲線を測定し、5%重量減量温度を熱分解開始温度とした。
Perkin Elmer社製TGA−7型を用い、窒素雰囲気下、50℃にて1分保持し、その後、20℃/minの昇温速度で、500℃まで昇温しながら、熱天秤減量曲線を測定し、5%重量減量温度を熱分解開始温度とした。
(7)滞留安定性(滞留前後の黄色度差)
得られた熱可塑性共重合体をガラス転移温度+100℃の温度で、プレス成形機上で20分間滞留させた後にプレス成形した厚さ1mm成形品を(4)と同様の方法により測定して得られたYI値と、(4)で測定したYI値との差(ΔYI)の絶対値を算出した。
得られた熱可塑性共重合体をガラス転移温度+100℃の温度で、プレス成形機上で20分間滞留させた後にプレス成形した厚さ1mm成形品を(4)と同様の方法により測定して得られたYI値と、(4)で測定したYI値との差(ΔYI)の絶対値を算出した。
(8)MFR(メルトフローレート)
ISO−R1133に従い、温度250℃、荷重98Nの条件でMFR(g/10min)を測定し、流動性を評価した。このMFR値が大きいほど、高い流動性を示し、成形加工性が優れる。
ISO−R1133に従い、温度250℃、荷重98Nの条件でMFR(g/10min)を測定し、流動性を評価した。このMFR値が大きいほど、高い流動性を示し、成形加工性が優れる。
参考例(1)共重合体(A)の合成(第一工程)
(A−1)
容量が20リットルで、バッフルおよびファウドラ型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、メタクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体系懸濁剤(以下の方法で調製した。メタクリル酸メチル20重量部、アクリルアミド80重量部、過硫酸カリウム0.3重量部、イオン交換水1500重量部を反応器中に仕込み、反応器中を窒素ガスで置換しながら70℃に保つ。反応は単量体が完全に、重合体に転化するまで続け、メタクリル酸メチルとアクリルアミド共重合体の水溶液として得る。得られた水溶液を懸濁剤として使用した。)0.05部をイオン交換水165部に溶解した溶液を供給し、400rpmで撹拌しながら、系内を10L/分の窒素ガスで15分間バブリングした。この時の水溶液の溶存酸素濃度は2.5ppmであった。次に、窒素ガスを5L/分の流量でフローし、下記の化合物からなる混合物質(単量体混合物、重合開始剤および連鎖移動剤)を、反応系を撹拌しながら添加し、温度70℃に昇温した。内温が70℃に達した重合開始時点の重合液の溶存酸素濃度は3.5ppmであった。この重合開始時点から、窒素ガスを5L/分で通じたまま、内温を70℃に180分間保ち、重合を終了した。この時の重合液の溶存酸素濃度は3.2ppmであった。以降、通常の方法に従い、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(A−1)を得た。この共重合体(A−1)の重合率は98%であった。
メタクリル酸 30重量部
メタクリル酸メチル 70重量部
t−ドデシルメルカプタン 0.6重量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.4重量部
(A−1)
容量が20リットルで、バッフルおよびファウドラ型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、メタクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体系懸濁剤(以下の方法で調製した。メタクリル酸メチル20重量部、アクリルアミド80重量部、過硫酸カリウム0.3重量部、イオン交換水1500重量部を反応器中に仕込み、反応器中を窒素ガスで置換しながら70℃に保つ。反応は単量体が完全に、重合体に転化するまで続け、メタクリル酸メチルとアクリルアミド共重合体の水溶液として得る。得られた水溶液を懸濁剤として使用した。)0.05部をイオン交換水165部に溶解した溶液を供給し、400rpmで撹拌しながら、系内を10L/分の窒素ガスで15分間バブリングした。この時の水溶液の溶存酸素濃度は2.5ppmであった。次に、窒素ガスを5L/分の流量でフローし、下記の化合物からなる混合物質(単量体混合物、重合開始剤および連鎖移動剤)を、反応系を撹拌しながら添加し、温度70℃に昇温した。内温が70℃に達した重合開始時点の重合液の溶存酸素濃度は3.5ppmであった。この重合開始時点から、窒素ガスを5L/分で通じたまま、内温を70℃に180分間保ち、重合を終了した。この時の重合液の溶存酸素濃度は3.2ppmであった。以降、通常の方法に従い、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(A−1)を得た。この共重合体(A−1)の重合率は98%であった。
メタクリル酸 30重量部
メタクリル酸メチル 70重量部
t−ドデシルメルカプタン 0.6重量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.4重量部
(A−2)
単量体仕込み前に、オートクレーブ内に0.3MPaの窒素ガスを加圧充填した後、容器内を大気圧まで放圧する操作を3回繰り返した後、窒素ガスを5L/分通じながら、単量体混合物を仕込み、重合開始時点で容器内を密閉にした以外は、(A−1)と同様の製造方法で共重合体(A−2)を、97%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で1.8ppm、重合終了時点で2.0ppmであった。
単量体仕込み前に、オートクレーブ内に0.3MPaの窒素ガスを加圧充填した後、容器内を大気圧まで放圧する操作を3回繰り返した後、窒素ガスを5L/分通じながら、単量体混合物を仕込み、重合開始時点で容器内を密閉にした以外は、(A−1)と同様の製造方法で共重合体(A−2)を、97%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で1.8ppm、重合終了時点で2.0ppmであった。
(A−3)
溶存酸素濃度が0.3ppmである水に(A−1)と同様の懸濁剤を仕込み、(A−2)と同様の方法で容器内の溶存酸素を除去した後、単量体混合物を仕込み、重合器を密閉にし(A−2)と同様の製造方法で共重合体(A−3)を、98%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で0.5ppm、重合終了時点で0.4ppmであった。
溶存酸素濃度が0.3ppmである水に(A−1)と同様の懸濁剤を仕込み、(A−2)と同様の方法で容器内の溶存酸素を除去した後、単量体混合物を仕込み、重合器を密閉にし(A−2)と同様の製造方法で共重合体(A−3)を、98%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で0.5ppm、重合終了時点で0.4ppmであった。
(A−4)
重合開始剤および連鎖移動剤を下記に変更した以外は(A−3)と同様の製造方法で共重合体(A−4)を98%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で0.6ppm、重合終了時点で0.4ppmであった。
n−ドデシルメルカプタン 0.4重量部
ラウロイルパーオキサイド 0.3重量部
重合開始剤および連鎖移動剤を下記に変更した以外は(A−3)と同様の製造方法で共重合体(A−4)を98%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で0.6ppm、重合終了時点で0.4ppmであった。
n−ドデシルメルカプタン 0.4重量部
ラウロイルパーオキサイド 0.3重量部
(A−5)
重合温度、時間を、内温が70℃に達した重合開始時点から、70℃で20分間保った後、さらに90℃に昇温して、この温度で180分間重合に変更した以外は、(A−3)と同様の製造方法で共重合体(A−5)を、98%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で0.7ppm、重合終了時点で0.6ppmであった。
重合温度、時間を、内温が70℃に達した重合開始時点から、70℃で20分間保った後、さらに90℃に昇温して、この温度で180分間重合に変更した以外は、(A−3)と同様の製造方法で共重合体(A−5)を、98%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で0.7ppm、重合終了時点で0.6ppmであった。
(A−6)
単量体混合物の仕込み組成を下記に変更した以外は(A−3)と同様の製造方法で共重合体(A−6)を95%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で0.6ppm、重合終了時点で0.7ppmであった。
メタクリル酸 15重量部
メタクリル酸メチル 85重量部
単量体混合物の仕込み組成を下記に変更した以外は(A−3)と同様の製造方法で共重合体(A−6)を95%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で0.6ppm、重合終了時点で0.7ppmであった。
メタクリル酸 15重量部
メタクリル酸メチル 85重量部
(A−7)
単量体混合物の仕込み組成を下記に変更した以外は(A−3)と同様の製造方法で共重合体(A−7)を92%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で0.5ppm、重合終了時点で0.6ppmであった。
メタクリル酸 45重量部
メタクリル酸メチル 55重量部
単量体混合物の仕込み組成を下記に変更した以外は(A−3)と同様の製造方法で共重合体(A−7)を92%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で0.5ppm、重合終了時点で0.6ppmであった。
メタクリル酸 45重量部
メタクリル酸メチル 55重量部
(A−8)
単量体混合物の仕込み組成を下記に変更した以外は(A−3)と同様の製造方法で共重合体(A−8)を93%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で0.4ppm、重合終了時点で0.5ppmであった。
メタクリル酸 20重量部
メタクリル酸メチル 73重量部
スチレン 7重量部
単量体混合物の仕込み組成を下記に変更した以外は(A−3)と同様の製造方法で共重合体(A−8)を93%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で0.4ppm、重合終了時点で0.5ppmであった。
メタクリル酸 20重量部
メタクリル酸メチル 73重量部
スチレン 7重量部
(A−9)
5L/分の乾燥空気を通じながら重合を行った以外は(A−1)と同様の製造方法で共重合を行ったが、内温が70℃に達した時点を重合開始として、重合開始から210分後に内温が90℃まで急上昇し、重合系が固化した。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で25.0ppm、固化した時点で28.2ppmであった。
5L/分の乾燥空気を通じながら重合を行った以外は(A−1)と同様の製造方法で共重合を行ったが、内温が70℃に達した時点を重合開始として、重合開始から210分後に内温が90℃まで急上昇し、重合系が固化した。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で25.0ppm、固化した時点で28.2ppmであった。
(A−10)
重合器に還流器を取り付け、単量体混合物仕込み前に窒素バブリングを行わず、その後、開放系で重合を行う以外は(A−1)と同様の製造方法で共重合体(A−10)を得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で11.2ppm、重合終了時点で11.5ppmであった。
重合器に還流器を取り付け、単量体混合物仕込み前に窒素バブリングを行わず、その後、開放系で重合を行う以外は(A−1)と同様の製造方法で共重合体(A−10)を得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で11.2ppm、重合終了時点で11.5ppmであった。
(A−11)
単量体混合物仕込み前に窒素バブリングを行わず、単量体混合物仕込み時から5L/分の流量で窒素ガスを通じ、引き続き重合開始時からも同量の窒素ガスを通じて、重合を行う以外は(A−1)と同様の製造方法で(A−11)を、96%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で7.4ppm、重合終了時点で7.6ppmであった。
単量体混合物仕込み前に窒素バブリングを行わず、単量体混合物仕込み時から5L/分の流量で窒素ガスを通じ、引き続き重合開始時からも同量の窒素ガスを通じて、重合を行う以外は(A−1)と同様の製造方法で(A−11)を、96%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で7.4ppm、重合終了時点で7.6ppmであった。
(A−12)
重合温度、時間を内温が70℃に達した時点を重合開始として、70℃で20分間保った後、75℃に昇温して、この温度で120分間保った。この後、さらに98℃に昇温して、この温度で60分間重合に変更した以外は、(A−10)と同様の製造方法で共重合体(A−12)を97%の重合率で得た。なお、重合液の溶存酸素濃度は重合開始時点で10.9ppm、重合終了時点で11.1ppmであった。
重合温度、時間を内温が70℃に達した時点を重合開始として、70℃で20分間保った後、75℃に昇温して、この温度で120分間保った。この後、さらに98℃に昇温して、この温度で60分間重合に変更した以外は、(A−10)と同様の製造方法で共重合体(A−12)を97%の重合率で得た。なお、重合液の溶存酸素濃度は重合開始時点で10.9ppm、重合終了時点で11.1ppmであった。
(A−13)
単量体混合物の仕込み組成を下記に変更した以外は(A−10)と同様の製造方法で共重合体(A−13)を95%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で11.3ppm、重合終了時点で11.5ppmであった。
メタクリル酸 15重量部
メタクリル酸メチル 85重量部
単量体混合物の仕込み組成を下記に変更した以外は(A−10)と同様の製造方法で共重合体(A−13)を95%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で11.3ppm、重合終了時点で11.5ppmであった。
メタクリル酸 15重量部
メタクリル酸メチル 85重量部
(A−14)
単量体混合物の仕込み組成を下記に変更した以外は(A−10)と同様の製造方法で共重合体(A−14)を93%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で10.8ppm、重合終了時点で11.1ppmであった。
メタクリル酸 45重量部
メタクリル酸メチル 55重量部
単量体混合物の仕込み組成を下記に変更した以外は(A−10)と同様の製造方法で共重合体(A−14)を93%の重合率で得た。なお、重合液中の溶存酸素濃度は重合開始時点で10.8ppm、重合終了時点で11.1ppmであった。
メタクリル酸 45重量部
メタクリル酸メチル 55重量部
各種共重合体(A)における単量体混合物の組成、重合液中の溶存酸素濃度および共重合体(A)の極限粘度を、表1に示す。
実施例1〜15および比較例1〜10
(熱可塑性共重合体(B)の製造(第二工程))
参考例(1)で得られた各種共重合体(A)、あるいはこれに表2に示した添加剤を配合し、2軸押出機TEX30(日本製鋼社製、L/D=44.5)を用いてスクリュー回転数100rpm、原料供給量5kg/h、シリンダー温度290℃、ホッパー部より窒素を10L/分の量でパージしながら、分子内環化反応を行い、ペレット状の熱可塑性共重合体を得た。
(熱可塑性共重合体(B)の製造(第二工程))
参考例(1)で得られた各種共重合体(A)、あるいはこれに表2に示した添加剤を配合し、2軸押出機TEX30(日本製鋼社製、L/D=44.5)を用いてスクリュー回転数100rpm、原料供給量5kg/h、シリンダー温度290℃、ホッパー部より窒素を10L/分の量でパージしながら、分子内環化反応を行い、ペレット状の熱可塑性共重合体を得た。
次いで、このペレットを100℃で8時間乾燥し、プロトン核磁気共鳴1H−NMR法により、熱可塑性共重合体の組成を定量した。各共重合体の組成および各種特性評価結果を表2および表3に示す。
実施例1〜15および比較例1〜10から、本発明の製造方法は、第一工程において重合液中の溶存酸素濃度を5ppm以下に制御して重合を行うことにより、高度な耐熱性、光学等方性、耐擦傷性を有しながら、無色透明性、色調、熱安定性、および滞留安定性に優れる熱可塑性共重合体(B)を製造することができることがわかる。
一方、本発明範囲外の溶存酸素濃度で重合を行った場合、いずれの条件においても、加熱処理後の熱可塑性共重合体の色調、熱安定性、および滞留安定性に劣ることがわかる。
Claims (9)
- (i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(ii)不飽和カルボン酸単位を含む
共重合体(A)を製造する工程(第一工程)と、続いて、該共重合体(A)を加熱処理し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応による分子内環化反応を行う工程(第二工程)により、(iii)下記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位および(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体(B)を製造するに際し、該第一工程が不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体および不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物を、重合液中の溶存酸素濃度を5ppm以下に維持して重合することを特徴とする熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記第一工程が、前記不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体および不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物を、95℃以下の重合温度で重合する請求項1に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記第一工程において、前記重合液中の溶存酸素濃度を0.01〜3ppmの範囲に維持して重合する請求項1または2に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記重合温度が50℃〜95℃である請求項2または3に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記共重合体(A)の製造に用いられる前記単量体混合物が、該単量体混合物を100重量%として、前記不飽和カルボン酸単量体を15〜50重量%含有する請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記第一工程において、重合開始剤として有機過酸化物を使用する請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
- 前記重合開始剤が、オクチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイドからなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜8のいずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
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- 2005-02-22 JP JP2005045054A patent/JP2005272821A/ja active Pending
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