JP2008081539A - 熱可塑性共重合体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性共重合体の製造方法 Download PDF

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健 須藤
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Abstract

【課題】 耐熱性、無色透明性に優れ、かつ異物の極めて少なく、揮発成分の含有量が抑制された熱安定性に優れる熱可塑性共重合体を、経済的に優位に製造する方法を提供する。
【解決手段】(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(ii)不飽和カルボン酸単位を含む共重合体(A)を製造し、分子内環化反応を行い、(iii)グルタル酸無水物単位および(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体(B)を製造するに際し、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物と特定量の連鎖移動剤と、重合開始剤を含有する原料混合液を連続重合する工程(第一工程)と、得られた重合溶液(a)を連続的に加熱処理し、未反応単量体の分離除去と環化反応を行う工程(第二工程)を含む熱可塑性共重合体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱性、成形加工特性、無色透明性に優れ、とりわけ異物の少ないグルタル酸無水物単位含有熱可塑性共重合体の製造方法に関するものである。
ポリメタクリル酸メチル(以下、PMMAと称する)やポリカーボネート(以下、PCと称する)といった非晶性樹脂は、その透明性や寸法安定性を活かし、光学材料、家庭電気機器、OA機器および自動車などの各部品を始めとする広範な分野で使用されている。
近年、これらの樹脂は、特に光学レンズ、プリズム、ミラー、光ディスク、光ファイバー、液晶ディスプレイ用シート・フィルム、導光板などの、より高性能な光学材料にも幅広く使用されるようになっており、樹脂に要求される光学特性や成形加工性、耐熱性もより高度なものになっている。
また現在、これらの透明樹脂は、テールランプやヘッドランプといった自動車等の灯具部材としても使用されているが、近年、車内空間を大きくするためやガソリン燃費を改良するために、テールランプレンズやインナーレンズ、ヘッドランプ、シールドビーム等の各種レンズと光源の間隔を小さくすること、部品の薄肉化が図られる傾向にあり、優れた成形加工性が要求されるようになっている。また、車両は過酷な条件下で使用されるため、高温多湿下での形状変化が小さいことや、優れた耐傷性、耐候性、耐油性も要求される。
しかしながら、PMMA樹脂は、優れた透明性、耐候性を有するものの、耐熱性が十分ではないといった問題があった。一方、PC樹脂は、耐熱性、耐衝撃性に優れるものの、光学的歪みである複屈折率が大きく、成形物に光学的異方性が生じること、成形加工性、耐傷性、耐油性に著しく劣るといった問題があった。
そのため、PMMAの耐熱性を改良する目的で、耐熱性付与成分としてマレイミド系単量体あるいは無水マレイン酸単量体等を導入した樹脂が開発されている。しかし、マレイミド系単量体は高価であると同時に反応性が低く、無水マレイン酸は熱安定性が悪いという問題があった。
これらの問題点を解決する方法として、不飽和カルボン酸単量体単位を含有する共重合体を、押出機を用いて加熱して環化反応させることにより得られるグルタル酸無水物単位を含有する共重合体が例えば特許文献1に開示されているが、押出機を用いて該共重合体を加熱処理して得られるグルタル酸無水物単位を有する共重合体は著しく着色するという問題があった。
そこで、前駆体である不飽和カルボン酸単位を含有する共重合体の重合方法として、分散剤や乳化剤などの、いわゆる重合助剤を使用しない塊状重合または溶液重合が適用できれば、光学材料に要求される高度な無色透明性に優れた共重合体を得ることが期待でき、また連続重合化することによって共重合組成や分子量分布の制御が可能となるため、鋭意検討が行われてきた。
例えば、塊状重合または溶液重合法によって当該グルタル酸無水物単位を含有する共重合体を得る方法として、不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および不飽和カルボン酸単位を含有する共重合体を塊状重合または溶液重合し、引き続いて、得られた重合溶液を加熱し、未反応単量体および未反応単量体と溶媒を分離除去し、さらに該共重合体を加熱環化反応する方法が特許文献3または4に開示されている。
しかし、これら公報に記載されている方法においては、未反応単量体および溶媒を完全に真空下で除去するためには、高温で長時間の熱処理が必要となり、多大な労力とエネルギーが必要になり、さらには得られるグルタル酸無水物単位を含有する共重合体が著しく着色するという問題点があった。
また、本発明者らは特許文献2の如く、特定の不飽和カルボン酸単位を含有する共重合体を特定の重合条件下で製造し、続いて該共重合体を加熱処理することにより、無色透明性と滞留安定性に優れるグルタル酸無水物含有共重合体の製造方法を提案した。この提案の技術において、特定の重合温度で連続重合することにより得られるグルタル酸無水物含有共重合体の着色および滞留安定性は大いに改良されたが、上記特許文献2および3と同様に、未反応単量体および溶媒を完全に真空下で除去するためには、高温で長時間の熱処理が必要となり、得られるグルタル酸無水物単位を含有する共重合体の熱安定性が不十分であるという問題点があり、光学レンズ、プリズム、ミラー、光ディスク、光ファイバー、液晶ディスプレイ用シート・フィルム、導光板などの、より高性能な光学材料に使用するためには、より高度な無色透明性とともに、熱安定性に優れるグルタル酸無水物単位を含有する共重合体を工業的に有利に製造できる方法が望まれていた。
また、これらの公知例に従い、本発明の共重合体(A)の連続重合を鋭意検討したが、得られる共重合体(A)は不飽和カルボン酸単位を含有するため、連続重合によって得られる重合溶液の粘度が高い傾向にあり、重合率を高い状態で連続運転することが困難であることが判明した。
特開昭49−85184号公報(第1−2頁、実施例) 特公昭61−49325号公報(第1−2頁、実施例) 特公平02−26641号公報(第1−2頁、実施例) 特開2004−002711号公報(第1−2頁、実施例)
したがって、本発明は、高度な耐熱性、無色透明性に優れた成形加工特性を有すると同時に、光学材料に要求される共重合体中に存在する異物を低減し、さらには残存する揮発成分が低減した熱安定性に優れた熱可塑性共重合体を、工業的に有利に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、グルタル酸無水物単位を含有する熱可塑性共重合体の前駆体である、不飽和カルボン酸単位および不飽和カルボン酸エステル単位を含有する共重合体を製造するに際し、特定条件下で塊状重合または溶液重合を行い、続いて特定条件で加熱処理を行うことにより、未反応単量体または未反応単量体と重合重合溶媒からなる混合物の分離除去と分子内環化反応を行うことが可能となり、従来の知見では成し得ることができなかった、無色透明性、熱安定性に優れた成形加工特性、低異物を満足する高品質を有し、共重合体から未反応単量体や重合溶媒との分離が容易な経済的にも優位にグルタル酸無水物含有共重合体の製造することが可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
〔1〕(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(ii)不飽和カルボン酸単位を含む共重合体(A)を製造し、続いて、該共重合体(A)を加熱処理し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応よる分子内環化反応を行うことにより、(iii)下記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位および(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体(B)を製造するに際し、
<第一工程>
原料である不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体および不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物100重量部に対し、連鎖移動剤0.1〜2.0重量部と、重合温度における半減期が0.01〜60分であるラジカル重合開始剤を含有してなる原料混合液を重合槽に供給し、共重合体(A)の含有率が20〜80重量%となるまで反応させ、共重合体(A)と未反応単量体混合物からなる重合溶液(a)を製造する工程、
<第二工程>
前記第一工程に引き続いて、第一工程で得られた重合溶液(a)を連続式反応装置に供給し、100Torr以下の減圧下で、250〜350℃の温度で加熱処理する工程、
を含むことを特徴とする熱可塑性共重合体の製造方法、
Figure 2008081539
(ただし、R、Rは、同一または相異なるものであり、水素原子および炭素数1〜5のアルキル基から選ばれるいずれかを表す)
〔2〕前記連続式反応装置が、筒状の容器と複数の攪拌素子を回転軸に取り付けた撹拌装置を有し、筒部の一端に重合溶液(a)を供給する供給口と、他端に脱揮後の共重合体(A)を取り出す吐出口を有することを特徴とする前記〔1〕に記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔3〕前記連続式反応装置の下記式で表される有効容積率が35%以上であることを特徴とする前記〔2〕に記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
有効容積率(%)=(V/V’)×100
ただし、Vは各種攪拌素子を備えた回転軸を容器内に挿入した状態での空間容積(cm)、V’は回転軸を挿入しない状態での空間容積(cm)である。
〔4〕前記第一工程が、共重合体(A)を溶解する有機溶媒(C)を1〜20重量%含有する溶液重合であり、第二工程において、第一工程で得られた重合溶液(a)から未反応単量体および有機溶媒(C)を除去することを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕いずれか1項に記載の熱可塑性共重合体の製造方法、〔5〕前記第一工程における重合槽が完全混合型反応槽であることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔6〕前記第一工程が連続重合であることを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔7〕第二工程で分離除去した未反応単量体および/または有機溶媒(C)を前記第一工程における原料である単量体混合物にリサイクルすることを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔8〕前記共重合体(A)の重量平均分子量が3〜10万であることを特徴とする前記〔1〕〜〔7〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔9〕前記第一工程において、連鎖移動剤の添加量が、単量体混合物100重量部に対して0.5〜1.5重量部であることを特徴とする前記〔8〕に記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔10〕前記第一工程において、ラジカル重合開始剤の添加量が、単量体混合物100重量部に対して0.001〜2.0重量部であることを特徴とする前記〔8〕または〔9〕に記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔11〕前記熱可塑性共重合体(B)の重量平均分子量が3〜10万であることを特徴とする前記〔8〕〜〔10〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、
〔12〕前記第一工程における単量体混合物が、単量体混合物の合計を100重量%として、不飽和カルボン酸15〜50重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル50〜85重量%および、その他共重合可能な単量体成分0〜10重量%からなることを特徴とする前記〔1〕〜〔11〕いずれかに記載の熱可塑性共重合体の製造方法、および
〔13〕前記熱可塑性共重合体(B)が、(iii)グルタル酸無水物単位を15〜50重量%含有することを特徴とする前記〔12〕に記載の熱可塑性共重合体の製造方法を提供するものである。
本発明により、高度な耐熱性、無色透明性に優れた成形加工特性を有すると同時に、光学材料に要求される共重合体中に存在する異物を低減し、さらには残存する揮発成分が低減した熱安定性に優れた熱可塑性共重合体を、工業的に有利に製造することが可能となった。
以下、本発明の熱可塑性共重合体(B)の製造方法について具体的に説明する。
本発明の熱可塑性共重合体(B)とは、(iii)下記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位および(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体であり、これらは一種または二種以上で用いることができる。
Figure 2008081539
(ただし、R、Rは、同一または相異なるものであり、水素原子および炭素数1〜5のアルキル基から選ばれるいずれかを表す)
本発明の上記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位を含有する熱可塑性共重合体の製造方法は、基本的には以下に示す2つの工程により製造される。すなわち、後の加熱工程により上記(iii)一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位を与える不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体及び不飽和カルボン酸単量体と、その他のビニル系単量体単位を含む場合には該単位を与えるビニル系単量体とを共重合させ、共重合体(A)を含有する重合溶液(a)を製造する工程(第一工程)と、続いて、該重合溶液(a)をポンプにより連続的に連続式反応装置に供給し、減圧下で加熱し、連続的に未反応単量体の分離除去(脱揮)と、共重合体(A)の(イ)脱水及び/又は(ロ)脱アルコールによる分子内環化反応を行わせ、グルタル酸無水物単位を含有する熱可塑性共重合体(B)を製造する工程(第二工程)からなる製造方法である。この場合、典型的には、共重合体(A)を加熱することにより2単位の(ii)不飽和カルボン酸単位のカルボキシル基が脱水され、あるいは、隣接する(ii)不飽和カルボン酸単位と(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位からアルコールの脱離により1単位の前記グルタル酸無水物単位が生成される。
第一工程に用いられる不飽和カルボン酸単量体としては特に制限はなく、他のビニル化合物と共重合させることが可能ないずれの不飽和カルボン酸単量体も使用可能である。好ましい不飽和カルボン酸単量体として、下記一般式(2)
Figure 2008081539
(ただし、Rは水素および炭素数1〜5のアルキル基から選ばれるいずれかを表す)
で表される化合物、マレイン酸、及びさらには無水マレイン酸の加水分解物などが挙げられるが、特に熱安定性が優れる点でアクリル酸、メタクリル酸が好ましく、より好ましくはメタクリル酸である。これらはその1種または2種以上用いることができる。なお、上記一般式(2)で表される不飽和カルボン酸単量体は、共重合すると下記一般式(3)で表される構造の不飽和カルボン酸単位を与える。
Figure 2008081539
(ただし、Rは水素および炭素数1〜5のアルキル基から選ばれるいずれかを表す)
また不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体としては特に制限はないが、好ましい例として、下記一般式(4)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2008081539
(ただし、Rは水素および炭素数1〜5のアルキル基から選ばれるいずれかを表し、Rは無置換または水酸基もしくハロゲンで置換された炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基および炭素数3〜6の脂環式炭化水素基から選ばれるいずれかを表す)
これらのうち、炭素数1〜6の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は置換基を有する該炭化水素基を持つアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルが特に好適である。なお、上記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体は、共重合すると下記一般式(5)で表される構造の不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を与える。
Figure 2008081539
(ただし、Rは水素および炭素数1〜5のアルキル基から選ばれるいずれかを表し、Rは無置換または水酸基もしくハロゲンで置換された炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基および炭素数3〜6の脂環式炭化水素基から選ばれるいずれかを表す)
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の好ましい具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ドデシル、トリフルオロエチルメタクリレート、などの単量体が例示できる。中でも、光学特性、熱安定性に優れる点で、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルが好ましく、とりわけメタクリル酸メチルが好ましい。これらは単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
また、第一工程においては、本発明の効果を損なわない範囲で、その他のビニル系単量体を用いてもかまわない。その他のビニル系単量体の好ましい具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレンおよびp−t−ブチルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体などを挙げることができるが、透明性、複屈折率、耐薬品性の点で芳香環を含まない単量体がより好ましく使用できる。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
本発明においては、第一工程における重合方法を、上記単量体混合物と重合開始剤および連鎖移動剤を重合してなる塊状重合法または、さらに共重合体(A)に可溶な有機溶媒(C)を添加してなる溶液重合法とすることが、得られる熱可塑性共重合体(B)の無色透明性の観点から必要である。
さらに、前記第一工程において、原料を連続的に供給し、連続重合により共重合体溶液(a)を製造し、さらに重合溶液(a)を、脱揮工程に連続的に供給し、脱揮工程と第二工程を行い、連続的に熱可塑性共重合体(B)を製造する連続塊状重合または連続溶液重合とすることが好ましい。
本発明に使用される有機溶媒(C)としては、前述の通り、共重合体(A)に可溶な有機溶媒であれば、特に制限はないが、ケトン、エーテル、アミド、アルコール類、から選ばれる1種以上などを好ましく用いることができ、具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシ−2−プロパノール、テトラグライムなどの公知の溶媒を使用することができ、特にメチルエチルケトン、メタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランなどが好ましい。
上記溶液重合を行う際には、有機溶媒(C)の使用量を15重量%以下とすることが好ましい。有機溶媒(C)の使用量が15重量%以上であると、後の脱揮工程および第二工程において、溶媒除去が不十分となり、熱可塑性共重合体(B)の発生ガス量が増大し、熱安定性が低下し、一方、発生ガス量低減のために残存溶媒を低減させるには、脱揮および第二工程において、高温・長時間の処理を必要とするために、熱可塑性共重合体(B)が著しく着色するため、好ましくない。
本発明においては、第一工程における、単量体混合物の溶存酸素濃度を5ppm以下に制御することが、加熱処理後の熱可塑性共重合体(B)の優れた無色透明性、滞留安定性および熱安定性を達成することができるため、好ましい。さらに加熱処理後の着色をより抑制するために好ましい溶存酸素濃度の範囲は0.01〜3ppmであり、さらに好ましくは0.01〜1ppmである。溶存酸素濃度が5ppmを超える場合、加熱処理後の熱可塑性共重合体(B)が着色する傾向が見られ、また熱可塑性共重合体(B)の熱安定性が低下するため、本発明の目的を達することができない。ここで、本発明における、溶存酸素濃度は、重合液中の溶存酸素を溶存酸素計(例えばガルバニ式酸素センサである飯島電子工業株式会社製、DOメーターB−505)を用いて測定した値である。溶存酸素濃度を5ppm以下にする方法については、重合容器中に窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを通じる方法、重合液に直接不活性ガスをバブリングする方法、重合開始前に不活性ガスを重合容器に加圧充填した後、放圧を行う操作を1回若しくは2回以上行う方法、単量体混合物を仕込む前に密閉重合容器内を脱気した後、不活性ガスを充填する方法、重合容器中に不活性ガスを通じる方法を例示することができる。
第一工程である共重合体(A)の製造時に用いられるこれらの単量体混合物の好ましい割合は、該単量体混合物を100重量%として、不飽和カルボン酸系単量体が15〜50重量%、より好ましくは20〜45重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体は好ましくは50〜85重量%、より好ましくは55〜80重量%、これらに共重合可能な他のビニル系単量体を用いる場合、その好ましい割合は0〜35重量%、特に好ましい割合は0〜10重量%である。
不飽和カルボン酸系単量体量が15重量%未満の場合には、共重合体(A)の加熱による上記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位の生成量が少なくなり、耐熱性向上効果が小さくなる傾向がある。一方、不飽和カルボン酸系単量体量が50重量%を超える場合には、共重合体(A)の加熱による環化反応後に、不飽和カルボン酸単位が多量に残存する傾向があり、無色透明性、滞留安定性が低下する傾向がある。
本発明に使用される重合開始剤は、上述の重合温度における半減期が、0.1〜60分より好ましくは1〜30分、最も好ましくは2〜20分であるラジカル重合開始剤を使用することが重要である。この半減期が0.1分より短いとラジカル開始剤が重合反応槽に均一に分散する前に分解してしまうため、ラジカル開始剤の効率(開始効率)が低下してしまい、その使用量が増大し、最終的に得られる熱可塑性共重合体の熱安定性が低下する。一方、半減期が60分より長いと、重合槽内に重合塊(スケーリング)が生成し、重合を安定に運転することが困難となり、さらには重合終了後も重合溶液(a)中に未反応のラジカル開始剤が残存するために、その後の第二工程や、成形加工時に残存ラジカル開始剤により、樹脂が着色するなど、高度な無色透明性が得られず、いずれの場合もほん発明の目的を達成することができない。
なお、本発明における「ラジカル開始剤の半減期」とは日本油脂(株)または和光純薬(株)等の公知の製品カタログに記載の値を採用した。
このようなラジカル開始剤としては、例えばtert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサネート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサネート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、または2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、2、2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等から重合温度を考慮して選択することができる。
また、ラジカル開始剤の使用量は重合温度、重合時間(平均滞留時間)、目標とする重合率によって決定されるものであるが、好ましくは単量体混合物100重量部に対し、0.001〜2.0重量部、より好ましくは0.01〜2.0重量部、さらに好ましくは0.01〜1.0重量部である。
また、本発明においては、分子量を制御する目的で、アルキルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、トリエチルアミン等の連鎖移動剤を単量体混合物100重量部に対して、0.1〜2.0重量部を添加する必要がある。本発明に使用されるアルキルメルカプタンとしては、例えば、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン等が挙げられ、なかでもt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンが好ましく用いられる。
上記連鎖移動剤の添加量を本発明の範囲で重合することで、共重合体(A)の重量平均分子量(以下Mwとも言う)を30000〜100000、好ましくは、30000〜100000、より好ましくは、50000〜80000に制御することができる。尚、本発明でいう重量平均分子量とは、多角度光散乱ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC−MALLS)で測定した絶対分子量での重量平均分子量を示す。
Mwが30000以上もののは、熱可塑性共重合が脆くことはなく、機械的性質が良好なものとなり好ましい。また、Mwが100000以下ののものは、溶融成形や溶液塗工した製品に十分に溶融、または溶解しない高分子量物が異物として残ることがないので、フィッシュアイやハジキの欠点が出ないので好ましい。
また、本発明において、発明者らは、重合法として、塊状重合や溶液重合を選択することにより、実質的に均一混合された状態で重合反応が進行するため、均質な分子量分布を有する共重合体が得られることを見出した。特に、共重合体(A)を溶解する有機溶媒(C)を1〜20重量%含有する溶液重合による重合が好ましい。好ましい態様においては共重合体(A)の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1.5〜3.0であるものが得られ、より好ましい態様においては、1.5〜2.5であるものが得られ、とりわけ好ましい態様においては1.5〜2.0の範囲のものが得られる。分子量分布が上記範囲にある場合には、得られる熱可塑性共重合体が成形加工性に優れる傾向があり、好ましく使用することができる。尚、本発明でいう数平均分子量とは、多角度光散乱ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC−MALLS)で測定した絶対分子量での重量平均分子量を示す。
本発明の第一工程で使用する重合反応槽としては、均一混合が可能となり、均質な重合溶液(a)が得られる観点から、完全混合型反応槽を用いることが好ましい。
また、重合反応と攪拌による発熱が生じることから、除熱及び場合により加熱することによって、重合温度を制御する。温度制御は、ジャケット、熱媒循環による伝熱除熱または加熱、モノマー混合物の冷却供給、加温供給などの方法が挙げられる。
また、重合温度は、60℃〜160℃の範囲であることが好ましい。重合温度を、上記範囲に制御することによりゲル効果による重合速度の加速現象を抑制し、かつ、高温重合時に生成する二量体生成を抑制できることから、熱安定性に優れる熱可塑性共重合体(B)を効率よく製造することができる。
また、重合時間は、目標とする重合率、重合温度、開始剤の種類・使用量によって決定されるが、1〜7時間の範囲が好ましく、より好ましくは1〜6時間である。この範囲にすることにより、重合制御が安定するとともに、品質の高いメタクリル系樹脂組成物を製造することができる。滞在時間が1時間より短いと、ラジカル開始剤の使用量を増加させる必要があり、重合反応の制御が困難になる。好ましくは、2時間以上である。7時間を超えると生産性が低下するので、より好ましくは6時間以下である。
ここで、本発明の製造方法が、前述の連続重合法である場合の重合時間に相当する重合槽中の重合溶液(a)の平均滞留時間についても、同様に目標とする重合率、重合温度、開始剤の種類・使用量によって決定されるが、1〜7時間であることが好ましく、より好ましくは1〜6時間である。この範囲にすることにより、連続重合法においても、重合制御が安定するとともに、品質の高いメタクリル系樹脂組成物を製造することができる。
かくして本発明の重合条件によって重合反応を行うことにより、得られる重合溶液(a)中の重合体含有率を20〜80質量%の範囲に制御することができ、より好ましい態様においては、重合体含有率が30〜80質量%の範囲、さらに好ましくは50〜70質量%である。ここで、重合体含有率は、重合溶液(a)をテトラヒドラフランで希釈し、該希釈溶液をn−ヘキサンに再沈殿させ、乾燥して得られた共重合体(A)の重量を測定し、下式で算出した値である。
重合体含有量(重量%)={(S0−A1)/S0}×100
なお、各記号は下記の数値を表す。
A1=乾燥後の共重合体(A)の重量(g)
S0=共重合体溶液(a)の重量(g)
重合体含有率が20重量%以上であれば、次の脱揮工程および第二工程において、揮発成分の除去が比較的容易であり、より高温・長時間の処理を必要とせず、しいては得られる熱可塑性共重合体(B)の着色や熱劣化を引き起こすことがないので好ましい。一方、重合体含有率を80%以下とすることで、混合および伝熱が十分に行うことができ、安定して重合反応を行うことができるので好ましい。
すなわち、重合溶液(a)中の重合体含有率を本発明の範囲内に制御することにより安定にかつ経済的に有利に製造することが可能となる。
また、本発明の重合条件で得られた重合溶液(a)の溶液粘度は0.1〜100Pa・sの範囲にあるため、重合率(φ)が50〜80%の高重合率においても、高粘度化による重合の加速反応、いわゆるゲル効果が抑制でき、安定して重合を行うことができ、さらには、溶液粘度が上記範囲にあることから、ポンプにより容易に、脱揮工程の脱揮装置に供給することが可能となる。ここで、本発明における重合溶液(a)の溶液粘度とは、振動粘度計(CBCマテリアルズ(株)社製 VM−100A)を用いて、重合溶液(a)を30℃に保持して測定した数値であり、また、重合率(φ)は、ガスクロマトグラフによって定量した未反応単量体より計算した値を示す。
本発明の特徴は、第一工程によって得られた重合溶液(a)を、連続式反応装置中で特定条件下で加熱処理することにより、未反応単量体、または未反応単量体と重合溶媒からなる混合物を分離除去する(以下脱揮と呼ぶことがある)と同時に、共重合体(A)の(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコールの進行による分子内環化反応を効率よく行うことが可能となり、塊状重合法または溶液重合法を用いても、得られる熱可塑性共重合体(B)は残存する未反応単量体や重合溶媒が低減され、熱安定性に優れることを見出し、本発明に到達した点にある。
この第二工程、すなわち重合溶液(a)を加熱処理し、重合溶液の脱揮と共重合体(A)の(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコールによる分子内環化反応を行いグルタル酸無水物単位を含有する熱可塑性共重合体を製造する際の温度は、250〜350℃、さらに好ましくは250〜330℃とすることが重要である。加熱処理温度が250℃以下では脱揮が不十分となるため環化反応後も十分に未反応単量体または重合溶媒である有機溶媒(C)が除去されず、結果として得られる熱可塑性共重合体(B)の熱安定性が低下するし、また環化反応も不十分となるため、同様に熱可塑性共重合体(B)の熱安定性が低下する。そこで、当該温度で脱揮や環化反応を完結させようとすると、長時間を要するために、熱劣化により樹脂が着色する問題が生じる。一方、加熱処理温度が350℃以上の場合は、残存する未反応単量体や前駆体ポリマーである共重合体(A)の熱劣化により、得られる熱可塑性共重合体(B)が着色し、無色透明性が低下する。
また、第二工程においては、圧力が100Torr以下の減圧条件下であることが重要であり、より好ましくは50Torr以下、最も好ましくは20Torr以下である。圧力の下限については、特に制限は無いが、実質的には0.1Torr以上である。
第二工程における圧力が100Torr以上であると、前述の温度範囲で脱揮を行っても、効率よく未反応単量体または未反応単量体と重合溶媒の混合物を分離除去することができず、また同時に進行する環化反応が不十分となり、得られる熱可塑性共重合体(B)の熱安定性が低下し、本発明の目的を達成できない。
本発明においては、加熱処理装置として、連続式反応装置を使用することにより、重合溶液(a)から効率よく未反応単量体または未反応単量体と重合溶媒の混合物を分離除去することが可能となり、また同時に進行する環化反応により生成する水および/またはメタノールをも除去することができ、無色透明性に優れる熱可塑性共重合体(B)が得られる。
加熱処理装置がバッチ式の混練装置や静置型の高温真空室(特許文献3)を用いた場合、環化反応を完結させるために長時間を要するため、樹脂が着色し、高度な無色透明性が得られず、本発明の目的を達成できない。
また特許文献4では、加熱処理装置として脱揮タンクを用い、発泡状態で脱揮・環化を実施しているが、この場合、共重合体(A)が完全に溶融状態となっておらず、タンク中のデッドスペースにおいて、発泡状態のポリマーが異常加熱され、熱劣化を生じ、しいては得られる熱可塑性共重合体(B)の無色透明性が低下する。
また、本発明の連続式反応装置は、筒状の容器と多数の攪拌素子を単数又は複数の回転軸に取り付けた撹拌装置を有し、筒部の一端に重合溶液(a)を供給する供給口と、他端に脱揮後の共重合体(A)を取り出す吐出口を有する構造であることが、上記脱揮および環化反応を、より効率よく実施することができ、熱処理時間が短縮されるため、得られる熱可塑性共重合体(B)の無色透明性の観点から好ましい。
攪拌素子の個数は10以上が好ましく、上限については特に制限がないが通常50個程度である。
攪拌素子の形状は、特に制限はなく、多葉形(例えばクローバーの葉の形など)でもよく、適宜穴や凹凸を有するものでもよく、船のスクリュウや扇風機の羽根のような形でもよく、その他色々の応用が可能である。また、攪拌素子をスクリュウ形にすれば反応物を送る作用が得られるため好ましく用いることができる。
さらに、上記連続式反応装置の中でも、その有効容積率が35%以上、とりわけ40%以上である加熱処理装置を好ましく使用することができる。一方、有効容積率の上限は通常50%程度である。有効容積率が35%未満の場合は、十分な環化反応を進行せしめるため、すなわち十分な滞留時間を確保するために、原料供給量あるいは撹拌軸の回転数を極端に低下させることになり、結果として吐出量が少なくなり、生産性が低下するという好ましくない傾向を招くことがある。
上記の有効容積とは、上記の各種攪拌素子を備えた撹拌軸を容器内に挿入した状態での空間容積V(cm)をいう。ここで、上記の各種パドルを備えた撹拌軸を挿入しない状態での空間容積をV’(cm)とし、有効容積率を下式により算出することができる。
有効容積率(%)=(V/V’)×100
ここで、空間容積VまたはV’については、設計図面上からの計算により、算出することも可能だが、実験的に、上記の各種パドルを備えた撹拌軸をシリンダ内に挿入した状態、あるいは未挿入状態で、かつ、吐出口、ベント口などを閉塞させた状態で、原料口から水を導入して、シリンダ内が水で充満される量を測定することにより、知ることができる。
連続式反応装置としては、具体的には、”ユニメルト”タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機、連続式のニーダータイプの混練機などを用いることができ、とりわけ二軸押出機が好ましく使用することができる。
中でも、連続式反応装置として、複数の凸レンズ型および/または楕円型の板状パドルを備えた連続式二軸反応装置を用いることを特徴とする。この種の装置は、スケール付着のない、いわゆるセルフクリーニング性の高い装置である。また、中空洞(シリンダ)の離れた位置に原料供給口と吐出口とを備え、この胴の外周に温度制御用ジャケットを備えており、また、中空洞の内部には胴の長手方向に平行に位置する2本の撹拌軸を備え、撹拌軸は互いに近接するように固定された複数個の上記板状パドルを有することを特徴とする。
すなわち、この加熱処理装置は、複数の凸レンズ型または楕円型の板状パドルを備えているため、パドル表面およびシリンダー内壁に対して、セルフクリーニング作用および重合体の粉砕作用を伴うとともに、一般的な押出機で使用されるスクリューを備えたものと比較し、空間容積が大きくなる。そのため、複数の凸レンズ型および/または楕円型の板状パドルを備えた互いに平行な2軸回転双胴円筒型反応装置を使用することにより、滞留時間を増加させることが可能となる。
さらに、本発明の連続式反応装置における原料の送り能力が、原料供給口から吐出口に向かって、次第に小さくなるようにして実施することが好ましい。かかる送り能力の調節は、撹拌軸に取り付けられたパドルの形状または配列を連続的または段階的に変化させることにより行うことができ、更に具体的には断面形状が凸レンズ型または楕円型のパドルを、原料供給口から吐出口に向かって、1つのパドルに対して、これに吐出口側で隣接するパドルを45°、90°、あるいは135°ずらすことにより達成することができる。また、パドルの側面がフラットなもの(図1参照)、あるいは撹拌軸の回転により内容物を吐出口へ向かって押し出すようにねじれて加工された送りヘリカル型(図2参照)、またはこれとは逆に内容物を供給口へ戻すように側面がねじれて加工された逆ヘリカル型があり、これらを組み合わせることによっても反応混合物の送り能力を調節することができる。
このような押出機としては、具体的には、栗本鉄工所社製「KRCニーダー」を好ましく使用することができる。
また、本発明で用いる加熱処理装置は、これに窒素などの不活性ガスが導入可能な構造を有した装置であることがより好ましい。例えば、窒素などの不活性ガスを導入する方法としては、ホッパー上部および/または下部より、10〜100リットル/分程度の不活性ガス気流の配管を繋ぐ方法などが挙げられる。
また、加熱処理する時間は特に限定されず、所望する共重合組成に応じて適宜設定可能であるが、通常は3分間〜60分間、好ましくは5分間〜30分間、とりわけ8〜20分間の範囲が好ましい。
本発明の熱可塑性共重合体(B)中の前記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位の含有量は、特に制限はないが、好ましくは熱可塑性共重合体100重量%中に好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは25〜50重量%、とりわけ30〜45重量%が好ましい。
また、本発明の熱可塑性共重合体における各成分単位の定量には、一般に赤外分光光度計やプロトン核磁気共鳴(H−NMR)測定機が用いられる。赤外分光法では、グルタル酸無水物単位は、1800cm−1及び1760cm−1の吸収が特徴的であり、不飽和カルボン酸単位や不飽和カルボン酸アルキルエステル単位から区別することができる。また、H−NMR法では、例えば、グルタル酸無水物単位、メタクリル酸、メタクリル酸メチルからなる共重合体の場合、ジメチルスルホキシド重溶媒中でのスペクトルの帰属を、0.5〜1.5ppmのピークがメタクリル酸、メタクリル酸メチルおよびグルタル酸無水物環化合物のα−メチル基の水素、1.6〜2.1ppmのピークはポリマー主鎖のメチレン基の水素、3.5ppmのピークはメタクリル酸メチルのカルボン酸エステル(−COOCH)の水素、12.4ppmのピークはメタクリル酸のカルボン酸の水素と、スペクトルの積分比から共重合体組成を決定することができる。また、上記に加えて、他の共重合成分として、スチレンを含有する場合、6.5〜7.5ppmにスチレンの芳香族環の水素が見られ、同様にスペクトル比から共重合体組成を決定することができる。
また、本発明の熱可塑性共重合体には、上記(i)および(ii)成分の他に不飽和カルボン酸単位および/または、共重合可能な他のビニル系単量体単位を含有することができる。
本発明においては、共重合体(A)の(イ)脱水及び/又は(ロ)脱アルコール反応を十分に行うことにより熱可塑性共重合体中に含有される不飽和カルボン酸単位量は10重量%以下、すなわち0〜10重量%とすることが好ましく、より好ましくは0〜5重量%である。不飽和カルボン酸単位が10重量%を超える場合には、無色透明性、滞留安定性が低下する傾向がある。
また、共重合可能な他のビニル系単量体単位量は0〜35重量%であることが好ましいが、より好ましくは10重量%以下、すなわち0〜10重量%であり、さらに好ましくは0〜5重量%である。特に、スチレンなどの芳香族ビニル系単量体単位を含有する場合、含有量が多すぎると、無色透明性、光学等方性、耐薬品性が低下する傾向がある。
本発明の熱可塑性共重合体(B)は、重量平均分子量(以下Mwとも言う)が、好ましくは、30000〜100000、より好ましくは、50000〜100000であることが望ましい。尚、本発明でいう重量平均分子量とは、多角度光散乱ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC−MALLS)で測定した絶対分子量での重量平均分子量を示す。
また、本発明においては、上記第二工程で除去した未反応単量体または、未反応単量体と有機溶媒(C)の混合物(以下、総称して揮発成分と呼ぶことがある)を回収し、第一工程において再利用することが好ましい。
揮発成分は第二工程の加熱処理装置において、減圧加熱状態で気化させられるため、当該揮発成分を回収する方法としては、コンデンサー付き蒸留機などの公知の冷却装置に通じ、揮発成分を液体状として回収することにより、そのまま再度、第一工程においてリサイクルすることができる。
また、液体状に回収した揮発成分は、必要に応じて、公知の蒸留装置を用いて蒸留精製した後、第一工程でリサイクルすることも可能である。
かくして得られる本発明の熱可塑性共重合体(B)は、ガラス転移温度が120℃以上と優れた耐熱性を有し、実用耐熱性の面で好ましい。また、好ましい態様においてはガラス転移温度が130℃以上の極めて優れた耐熱性を有する。また、上限としては、通常160℃程度である。なお、ここでいうガラス転移温度とは、示差走査熱量計(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用いて昇温速度20℃/分で測定したガラス転移温度である。
また、本発明の製造方法により製造される熱可塑性共重合体(B)は、好ましい態様において、黄色度(Yellowness Index)の値が3以下と着色が抑制され、さらに好ましい態様においては2以下と極めて高度な無色透明性を有する。上記において黄色度はガラス転移温度+140℃で射出成形した厚さ1mm成形品のYI値をJIS−K7103に従い、測定した値である。黄色度の下限は、特に制限はなく、低いほど好ましいが、通常1程度である。
また、本発明の製造方法により製造される熱可塑性共重合体(B)は、残存する未反応単量体または未反応単量体と重合溶媒の混合物(以下、総称して揮発成分と呼ぶことがある)の含有量が5重量%以下、好ましい態様においては3重量%以下に抑制され、さらには、ガラス転移温度+130℃で30分間加熱した時の加熱減量(以下ガス発生量と呼ぶことがある)が好ましい態様において1.0重量%以下、さらに好ましい態様においては0.5重量%、最も好ましくは0.3重量%以下であり、従来の方法では達成し得なかった高度な熱安定性を有する。揮発成分の含有量およびガス発生量の下限は、特に制限はなく、低いほど好ましいが、通常0.1重量%程度である。
また、本発明の熱可塑性共重合体(B)は、ガラス転移温度+130℃、剪断速度12/秒にて測定した溶融粘度が、好ましい態様において100〜10000Pa・s以下であり、さらに好ましい態様において100〜5000Pa・s、最も好ましい態様においては100〜2000Pa・s以下の高度な流動性を有し、成形加工性に優れる特徴がある。なお、ここで言う溶融粘度とは東洋精機社製キャピログラフ1C型(ダイス径φ1.0mm、ダイス長5.0mm)を用いて、上記温度および剪断速度で測定した溶融粘度(Pa・s)である。
さらに、本発明の熱可塑性共重合体(B)の製造時には、本発明の目的を損なわない範囲で、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系およびシアノアクリレート系の紫外線吸収剤および酸化防止剤、高級脂肪酸や酸エステル系および酸アミド系、さらに高級アルコールなどの滑剤および可塑剤、モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびエチレンワックスなどの離型剤、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、ハロゲン系難燃剤、リン系やシリコーン系の非ハロゲン系難燃剤、核剤、アミン系、スルホン酸系、ポリエーテル系などの帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を任意に含有させてもよい。ただし、その添加剤保有の色が本発明の熱可塑性共重合体(B)に悪影響を及ぼさず、かつ透明性が低下しない範囲で添加する必要がある。
本発明により製造された熱可塑性共重合体(B)は、その優れた耐熱性、無色透明性および滞留安定性を活かして、電気・電子部品、自動車部品、機械機構部品、OA機器、家電機器などのハウジングおよびそれらの部品類、一般雑貨など種々の用途に用いることができる。
本発明により製造された熱可塑性共重合体(B)からなる成形品の具体的用途としては、例えば、電気機器のハウジング、OA機器のハウジング、各種カバー、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルターおよび点火装置ケースなどが挙げられる。また、透明性、耐熱性に優れている点から、映像機器関連部品として、カメラ、VTR、プロジェクションTVなどの撮影用レンズ、ファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズなど、光記録・光通信関連部品として各種光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LDなど)基板、各種ディスク基板保護フィルム、光ディスクプレイヤーピックアップレンズ、光ファイバー、光スイッチ、光コネクターなど、情報機器関連部品として、液晶ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、プラズマディスプレイの導光板、フレネルレンズ、偏光板、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム、視野角拡大フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、プリズムシート、ピックアップレンズ、タッチパネル用導光フィルム、カバーなど、自動車などの輸送機器関連部品として、テールランプレンズ、ヘッドランプレンズ、インナーレンズ、アンバーキャップ、リフレクター、エクステンション、サイドミラー、ルームミラー、サイドバイザー、計器針、計器カバー、窓ガラスに代表されるグレージングなど、医療機器関連部品として、眼鏡レンズ、眼鏡フレーム、コンタクトレンズ、内視鏡、分析用光学セルなど、建材関連部品として、採光窓、道路透光板、照明カバー、看板、透光性遮音壁、バスタブ用材料などにも適用することができ、これら各種の用途にとって極めて有用である。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、各測定および評価は次の方法で行った。
(1)重合体含有量(固形分)(重量%)
第一工程で得られた重合溶液(a)100重量部をテトラヒドロフラン400重量部に溶解し、ヘキサンに再沈殿し、濾過後、140℃にて1時間真空乾燥して、共重合体(A)の白色粉末を得た。得られた共重合体(A)の重量を測定し、下記式から重合溶液(a)中の重合体含有率を算出した。
重合体含有量(重量%)={(S0−A1)/S0}×100
なお、各記号は下記の数値を示す。
A1=乾燥後の共重合体(A)の重量(g)
S0=重合溶液(a)の重量(g)
(2)重合率(φ)
ガスクロマトグラフにより重合溶液(a)中の未反応単量体を定量し、下式より算出した。
重合率(φ)=100×(1−M1/M0)
なお、各記号は下記の数値を示す。
M1=重合溶液(a)中の未反応単量体濃度(重量%)
M0=仕込み原料溶液中の単量体濃度(重量%)
(3)揮発成分の含有量
第二工程に導入する前の共重合体(A)および環化後の熱可塑性共重合体(B)をサンプリングし、ガスクロマトグラフにより未反応単量体、重合溶媒を定量した。
(4)重量平均分子量・分子量分布
得られた共重合体をテトラヒドロフランに溶解して、測定サンプルとした。テトラヒドロフランを溶媒として、DAWN−DSP型多角度光散乱光度計(Wyatt Technology社製)を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフ(ポンプ:515型,Waters社製、カラム:TSK−gel−GMHXL,東ソー社製)を用いて、重量平均分子量(絶対分子量)、数平均分子量(絶対分子量)を測定した。分子量分布は、重量平均分子量(絶対分子量)/数平均分子量(絶対分子量)で算出した。
(5)各成分組成分析
重ジメチルスルフォキシド中、30℃でH−NMRを測定し、各共重合単位の組成決定を行った。
(6)ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用い、窒素雰囲気下、20℃/minの昇温速度で測定した。
(7)透明性(全光線透過率、ヘイズ)
得られた熱可塑性共重合体を、ガラス転移温度+140℃で射出成形し、得た厚さ1mm成形品の23℃での全光線透過率(%)を東洋精機(株)製直読ヘイズメーターを用いて測定し、透明性を評価した。
(8)黄色度(Yellowness Index)
得られた熱可塑性共重合体を、ガラス転移温度+140℃で射出成形し、得た厚さ1mm成形品のYI値をJIS−K7103に従い、SMカラーコンピューター(スガ試験機社製)を用いて測定した。
(9)異物数
得られた熱可塑性共重合体ペレットをメチルエチルケトンに濃度25重量%で、室温で24時間攪拌しながら溶解させ、得られた熱可塑性共重合体溶液をガラス板状に流延した後、50℃で20分、次いで80℃で30分乾燥処理を行い、厚さ100±5μmのフィルムを作成した。このフィルムを光学顕微鏡で観察し、1mm四方単位面積当たりの20μm以上の異物数をカウントした。これを1サンプルあたり、無作為に10カ所の点で観察、異物数のカウントを繰り返し、その平均値を1mm四方単位面積当たりの異物数(個/mm)とし評価した。
(10)滞留時のガス発生量
得られた熱可塑性共重合体(B)ペレットを80℃で12時間予備乾燥し、ガラス転移温度+130℃に温調した加熱炉内で30分間加熱処理した前後での重量を測定し、下式により算出した重量減少率を滞留時のガス発生量として評価した。
重量減少率(重量%)={(W0−W1)/W0}×100
なお、各記号は下記の数値を示す。
W0=加熱処理前の熱可塑性共重合体(B)の重量(g)
W1=加熱処理後の熱可塑性共重合体(B)の重量(g)
(11)熱可塑性共重合体(B)の溶融粘度
得られた熱可塑性共重合体(B)ペレット80℃で12時間予備乾燥し、東洋精機社製キャピログラフ1C型(ダイス径φ1mmダイス長5mm)を用いて、ガラス転移温度+130℃、剪断速度12/秒にて測定した。
参考例 共重合体(A)および共重合体溶液(a)の製造(第一工程)
(A−1):連続塊状重合法
容量が20リットルで、バッフルおよびダブルヘリカル型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、20L/分の窒素ガスで15分間バブリングした下記混合物質を3kg/hの速度で連続的に供給し、50rpmで撹拌し、内温が130℃に制御し、平均滞留時間3時間で、連続重合を行った。重合率は60%であり、得られた共重合体溶液(a)の共重合体(A)含有量すなわち固形分は60重量%であった。また、共重合体溶液(a)の溶液粘度を30℃で測定した結果、30Pa・sであった。得られた共重合体溶液(a)10gを40gのテトラヒドロフランに溶解し、500mLのヘキサンに再沈殿させることで、パウダー状の共重合体(A−1)を得た。この共重合体(A−1)の、重量平均分子量は85000であった。
メタクリル酸 25重量部
メタクリル酸メチル 75重量部
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン 0.04重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.8重量部。
(A−2)〜(A−4):連続塊状重合法
原料を表1に示す単量体混合物に変更した以外は、(A−1)と同様の製造方法で共重合体(A−2)〜(A−4)を得た。得られた共重合体溶液(a)および共重合体(A−2)〜(A−4)の特性を表1に示した。
(A−5)、(A−6):連続溶液重合法
有機溶媒(C)としてメチルエチルケトンを使用し、表1に示す単量体混合物に変更した以外は、(A−1)と同様の製造方法で共重合体(A−5)、(A−6)を得た。得られた共重合体溶液(a)および共重合体(A−5)、(A−6)の特性を表1に示した。
(A−7):塊状重合法
容量が20リットルで、バッフルおよびダブルヘリカル型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、下記単量体混合物質を供給し、50rpmで撹拌しながら、系内を10L/分の窒素ガスで15分間バブリングした。次に、窒素ガスを5L/分の流量でフローし、反応系を撹拌しながら85℃に昇温し、120分間保った後、重合を終了した。重合率は60%であり、得られた共重合体溶液(a)の共重合体(A)含有量すなわち固形分は60重量%であった。また、共重合体溶液(a)の溶液粘度を30℃で測定した結果、30Pa・sであった。得られた共重合体溶液(a)10gを40gのテトラヒドロフランに溶解し、500mLのヘキサンに再沈殿させることで、パウダー状の共重合体(A−7)を得た。この共重合体(A−7)の、重量平均分子量は68000であった。
メタクリル酸 25重量部
メタクリル酸メチル 75重量部
ラウロイルパーオキサイド 0.08重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.8重量部。
(A−8):溶液重合法
容量が20リットルで、バッフルおよびダブルヘリカル型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、下記単量体混合物質を供給し、50rpmで撹拌しながら、系内を10L/分の窒素ガスで15分間バブリングした。次に、窒素ガスを5L/分の流量でフローし、反応系を撹拌しながら85℃に昇温し、120分間保った後、重合を終了した。重合率は95%であり、得られた共重合体溶液(a)の共重合体(A)含有量すなわち固形分は67重量%であった。また、共重合体溶液(a)の溶液粘度を30℃で測定した結果、30Pa・sであった。得られた共重合体溶液(a)10gを40gのテトラヒドロフランに溶解し、500mLのヘキサンに再沈殿させることで、パウダー状の共重合体(A−8)を得た。この共重合体(A−8)の、重量平均分子量は68000であった。
メタクリル酸 25重量部
メタクリル酸メチル 75重量部
2−メトキシ−2−プロパノール 30重量部
ラウロイルパーオキサイド 0.05重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.8重量部。
(A−9):懸濁重合法
容量が5リットルで、バッフルおよびファウドラ型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、メタクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体系懸濁剤(以下の方法で調整した。メタクリル酸メチル20重量部、アクリルアミド80重量部、過硫酸カリウム0.3重量部、イオン交換水1500重量部を反応器中に仕込み反応器中を窒素ガスで置換しながら70℃に保つ。反応は単量体が完全に、重合体に転化するまで続け、アクリル酸メチルとアクリルアミド共重合体の水溶液として得る。得られた水溶液を懸濁剤として使用した)0.05部をイオン交換水165部に溶解した溶液を供給し、400rpmで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した。次に、下記混合物質を反応系を撹拌しながら添加し、70℃に昇温した。内温が70℃に達した時点を重合開始として、180分間保ち、重合を終了した。以降、通常の方法に従い、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(A−9)を得た。この共重合体(A−9)の重合率は98%であり、重量平均分子量は13万であった。
メタクリル酸 27重量部
メタクリル酸メチル 73重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.8重量部
ラウロイルパーオキサイド 0.3重量部。
(A−10):塊状重合法
容量が20リットルで、バッフルおよびダブルヘリカル型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、下記単量体混合物質を供給し、50rpmで撹拌しながら、系内を10L/分の窒素ガスで15分間バブリングした。次に、窒素ガスを5L/分の流量でフローし、反応系を撹拌しながら100℃に昇温して重合を開始したところ、重合開始から160分の時点で、重合暴走が起こり、攪拌が停止し、重合継続が困難となった。
メタクリル酸 25重量部
メタクリル酸メチル 75重量部
ラウロイルパーオキサイド 1.2重量部
n−ドデシルメルカプタン 0.8重量部。
(A−11):連続溶液重合法
特許文献2、実施例7に開示された製造方法で共重合体(A−11)得た。得られた共重合体溶液(a)および共重合体(A−11)の特性を表1に示した。
(A−12):連続溶液重合法
特許文献3、実施例2に開示された製造方法で共重合体(A−12)得た。得られた共重合体溶液(a)および共重合体(A−12)の特性を表1に示した。
(A−13):連続溶液重合法
特許文献4、実施例17に開示された製造方法で、共重合体(A−10)得た。得られた重合溶液(a)および共重合体(A−10)の特性を表1、2に示した。
参考例で得られた共重合体(A)の各成分組成および共重合結果を表1に示す。
Figure 2008081539
実施例および比較例 熱可塑性共重合体(B)の製造(第二工程)
実施例1〜8:(B−1)〜(B−8)
参考例で得られた共重合体(A−1)〜(A−8)を含む重合溶液(a)をギアポンプを用いて、供給口付近には送り能力を有するフィードスクリューを、その後凸レンズ型パドル(フラット型)を、吐出口付近に凸レンズ型パドル(ヘリカル型)を撹拌軸に配列した連続式二軸ニーダーであるKRCニーダーS4(栗本鉄工所社製)に供給し、表2に示す条件で、ベント部分より減圧し、圧力20Torrとし、シリンダ温度280℃、滞留時間60分に調節し、揮発成分の脱揮と分子内環化反応を行い、ペレット状の熱可塑性共重合体<B>((B−1)〜(B−8))を得た。
実施例9:(B−9)
シリンダ温度を220℃とした以外は、実施例1と同様の方法にて脱揮、環化を行いペレット状の熱可塑性共重合体(B−9)を得た。
実施例10:(B−10)
第二工程におけるシリンダ温度を300℃とした以外は、実施例1と同様の方法にて脱揮、環化を行いペレット状の熱可塑性共重合体(B−10)を得た。
比較例1:(B−11)
参考例で得られた共重合体(A−9)ビーズを、実施例1と同様の連続式二軸ニーダーであるKRCニーダーS4(栗本鉄工所社製)に供給した。ホッパー部より窒素を10L/分の量でパージしながら、スクリュー回転数75rpm、原料供給量10kg/hにて、それぞれ表1に示すシリンダ温度条件で分子内環化反応を行い、ペレット状のグルタル酸無水物含有熱可塑性共重合体(B−11)を得た。
比較例2:(B−12)
特許文献2、実施例7に開示された方法に従い、参考例で得られた共重合体(A−11)を含む重合溶液(a)を250℃に加熱した高温真空室に供給し、60分間、圧力50Torrにて、脱揮と環化反応を行い、塊状生成物を粉砕して、熱可塑性共重合体(B−12)を得た。
比較例3:(B−13)
特許文献3、実施例2に開示された方法に従い、参考例で得られた共重合体(A−12)を含む重合溶液(a)を260℃に加熱した脱揮タンクに供給し、30分間、圧力20Torrにて、脱揮と環化反応を行い、ペレット状の熱可塑性共重合体(B−13)を得た。
比較例4:(B−14)
特許文献4、実施例17に開示された方法に従い、参考例で得られた共重合体(A−13)を含む重合溶液(a)を260℃に加熱した脱揮タンクに供給し、30分間、圧力20Torrにて、脱揮と環化反応を行い、ペレット状の熱可塑性共重合体(B−14)を得た。
比較例5:(B−15)
参考例で得られた共重合体(A−2)を含む重合溶液(a)を、特許文献2に開示された方法に基づき、280℃に加熱した高温真空室に供給し、60分間、圧力50Torrにて、脱揮と環化反応を行い、塊状生成物を粉砕して、熱可塑性共重合体(B−15)を得た。
比較例6:(B−16)
参考例で得られた共重合体(A−2)を含む重合溶液(a)を、特許文献3に開示された方法に基づき、280℃に加熱した脱揮タンクに供給し、60分間、圧力20Torrにて、脱揮と環化反応を行い、ペレット状の熱可塑性共重合体(B−16)を得た。
次いで、ペレットを100℃で8時間乾燥し、H−NMRにより、定量した各共重合成分組成および各種特性評価結果を表2,表3に示す。
Figure 2008081539
Figure 2008081539
実施例1〜10および比較例1〜6から、本発明の製造方法は、第一工程において特定の重合条件下で塊状重合または溶液重合し、さらには得られた重合溶液から未反応単量体を除去する脱揮を行った後、特定条件で環化反応を行うことで、滞留時も発生ガス量の少ない高度な耐熱性、熱安定性を有しながら、無色透明性に優れ、とりわけ異物の少ない熱可塑性共重合体(B)を製造することができることがわかる。
一方、本発明範囲外の方法で重合を行った場合、他のいずれの条件においても、加熱処理後の熱可塑性共重合体の色調、および異物数の点で劣ることがわかる。

Claims (13)

  1. (i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(ii)不飽和カルボン酸単位を含む共重合体(A)を製造し、続いて、該共重合体(A)を加熱処理し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応よる分子内環化反応を行うことにより、(iii)下記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物単位および(i)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を含む熱可塑性共重合体(B)を製造するに際し、
    <第一工程>
    原料である不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体および不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物100重量部に対し、連鎖移動剤0.1〜2.0重量部と、重合温度における半減期が0.01〜60分であるラジカル重合開始剤を含有してなる原料混合液を重合槽に供給し、共重合体(A)の含有率が20〜80重量%となるまで反応させ、共重合体(A)と未反応単量体混合物からなる重合溶液(a)を製造する工程、
    <第二工程>
    前記第一工程に引き続いて、第一工程で得られた重合溶液(a)を連続式反応装置に供給し、100Torr以下の減圧下で、250〜350℃の温度で加熱処理する工程、
    を含むことを特徴とする熱可塑性共重合体の製造方法。
    Figure 2008081539
    (ただし、R、Rは、同一または相異なるものであり、水素原子および炭素数1〜5のアルキル基から選ばれるいずれかを表す)
  2. 前記連続式反応装置が、筒状の容器と複数の攪拌素子を回転軸に取り付けた撹拌装置を有し、筒部の一端に重合溶液(a)を供給する供給口と、他端に脱揮後の共重合体(A)を取り出す吐出口を有することを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
  3. 前記連続式反応装置の下記式で表される有効容積率が35%以上であることを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
    有効容積率(%)=(V/V’)×100
    ただし、Vは各種攪拌素子を備えた回転軸を容器内に挿入した状態での空間容積(cm)、V’は回転軸を挿入しない状態での空間容積(cm)である。
  4. 前記第一工程が、共重合体(A)を溶解する有機溶媒(C)を1〜20重量%含有する溶液重合であり、第二工程において、第一工程で得られた重合溶液(a)から未反応単量体および有機溶媒(C)を除去することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
  5. 前記第一工程における重合槽が完全混合型反応槽であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
  6. 前記第一工程が連続重合であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
  7. 第二工程で分離除去した未反応単量体および/または有機溶媒(C)を前記第一工程における原料である単量体混合物にリサイクルすることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
  8. 前記共重合体(A)の重量平均分子量が3〜10万であることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
  9. 前記第一工程において、連鎖移動剤の添加量が、単量体混合物100重量部に対して0.5〜1.5重量部であることを特徴とする請求項8に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
  10. 前記第一工程において、ラジカル重合開始剤の添加量が、単量体混合物100重量部に対して0.001〜2.0重量部であることを特徴とする請求項8または9に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
  11. 前記熱可塑性共重合体(B)の重量平均分子量が3〜10万であることを特徴とする請求項8〜10いずれか1項に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
  12. 前記第一工程における単量体混合物が、単量体混合物の合計を100重量%として、不飽和カルボン酸15〜50重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル50〜85重量%および、その他共重合可能な単量体成分0〜10重量%からなることを特徴とする請求項1〜11いずれか1項に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
  13. 前記熱可塑性共重合体(B)が、(iii)グルタル酸無水物単位を15〜50重量%含有することを特徴とする請求項12に記載の熱可塑性共重合体の製造方法。
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