JP2005272814A - 熱伝導性組成物及び熱伝導性フィルム - Google Patents

熱伝導性組成物及び熱伝導性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 有機ポリマーと熱伝導性の無機充填材との分散性に優れ、フィルムとした場合に、高い熱伝導性をしめし、さらに、耐熱性、耐湿性等に優れた熱伝導性組成物を提供する。
【解決手段】 フッ素化芳香族ポリマーを必須とする組成物であって、該組成物は、フッ素化芳香族ポリマーとともに熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填材を含有する熱伝導性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機ポリマーと熱伝導性の無機充填材を含有する熱伝導性組成物と、該組成物を用いてなるフィルムに関する。
近年、エレクトロニクス機器の高性能化に伴い、これらに使用される半導体素子が高消費電力化する傾向にある。そのため、電子部品から発生する熱を効率よく放熱することが求められている。
従来より、半導体パッケージあるいは半導体素子からの放熱を効率よく行うため、半導体パッケージ内に、半導体素子と高熱伝導性の接着シート等を介してヒートスプレッダーを接着するといった放熱機構を設けるか、あるいは、半導体パッケージと、熱伝導性を有する樹脂シートなどを介してヒートシンク、放熱フィン等の放熱体を圧着することが行われている。
このような、半導体パッケージあるいは半導体素子と放熱体との間に介在させる高熱伝導性の組成物としては、シリコーンゴムやアクリル樹脂等のポリマーに熱伝導性の無機充填材を配合したものが使用されている。(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)
しかし、シリコーンゴムは低分子量シロキサンが発生することにより、長期の使用において電子部品の接点部分で不良を起こすことが懸念されており、また、アクリル樹脂は耐熱性や耐湿性が低いことから、長期間の使用においても高い信頼性を有するものとする工夫の余地があった。
これらを解決する方法として、ポリイミド系高分子、エポキシ系高分子、フッ素系高分子等から選択される電着性粒子のエマルジョンと熱伝導性微粒子とを含有する熱伝導性膜形成用液が提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
しかし、この熱伝導性膜形成用液はエマルジョンであるため、耐湿性が低く、特に薄膜とした際に、電気絶縁性が悪くなる傾向がある。また、耐熱性や耐湿性の達成に着目されていないため、フッ素系高分子として耐熱性、耐湿性のフィルムを得ることができるフッ素化芳香族ポリマーの開示は行われていない。
また、発熱性電子部品の熱を外部に放出させるために使用される放熱体として、耐熱性に優れるポリエーテルエーテルケトン樹脂に熱伝導性フィラーを充填してなる耐熱熱伝導性パッキンが開示されている。(例えば、特許文献4参照。)しかしながら、このパッキンの電気絶縁性、吸湿性等をより向上させ、発熱性電子部品の熱を放出させる放熱体としてより好適なものとする工夫の余地があった。
特開昭54−61253号公報明細書 特開昭58−40703号公報明細書 特開2002−161244号公報明細書 特開平7−157569号公報明細書
そこで本発明では、有機ポリマーと熱伝導性の無機充填材との分散性に優れ、フィルムとした場合に、高い熱伝導性を示し、更に、耐熱性、耐湿性等に優れた熱伝導性組成物等を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、この発明にかかる熱伝導性組成物では、フッ素化芳香族ポリマーとともに熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填材を含有することが特徴である。有機ポリマーとしてフッ素化芳香族ポリマーを使用することにより、フッ素化芳香族ポリマーは熱伝導性の無機充填材の分散性に優れるため、フィルムとして高い熱伝導性を示すものが得られる。
また、上記熱伝導性の無機充填材の形状が球状又は鱗片状粒子であることが、上記熱伝導性組成物から得られるフィルムの強度が向上するため好ましい実施態様である。
さらに、本発明には、上記の熱伝導性組成物を用いてなるフィルムも含まれる。
本発明の熱伝導性組成物は、上述の構成よりなるので、有機ポリマーと熱伝導性の無機充填材との分散性に優れ、該無機充填材を高配合することができる。そのため、本発明の熱伝導性組成物より得られたフィルムは高い熱伝導性を有する。更に、フッ素化芳香族ポリマーは高い耐熱性、耐湿性を有するため、本発明の熱伝導性組成物より得られたフィルムは薄膜のフィルムとして高い耐熱性と耐湿性を兼ね備え、絶縁材料として長期に信頼できる材料となる。
本発明者等は、有機ポリマーに熱伝導性の無機充填材を分散させる熱伝導性組成物について鋭意検討を重ねた結果、フッ素化芳香族ポリマーを必須とする組成物であって、フッ素化芳香族ポリマーとともに熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填材を含有する組成物が高い熱伝導性を示す組成物となることを見いだした。また、該熱伝導性組成物より得られたフィルムが高い熱伝導性を示すとともに、更に、フッ素化芳香族ポリマーが高い耐熱性、耐湿性を有するため、高い耐熱性、耐湿性を有することを見出し、上記の課題をみごと解決できることに想到した。
本発明の熱伝導性組成物は、フッ素化芳香族ポリマーと熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填材を含有するものである。本発明の熱伝導性組成物においては、上述した効果が発揮されるものである限り、フッ素化芳香族ポリマー、無機充填材それぞれの含有量、及び、両者の含有比率は、特に制限されない。
本発明はまた、フッ素化芳香族ポリマーを必須とする組成物であって、フッ素化芳香族ポリマー100質量部に対して、熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填材を30質量部以上含有する組成物でもある。フッ素化芳香族ポリマーと、熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填材がこのような比率で含まれるものであると、得られる組成物は、熱伝導性、耐熱性、及び、耐湿性等の各種特性に優れた組成物となり、フィルム等の各種形態で用いることが可能である。このようなフィルムもまた、本発明の1つである。
フッ素化芳香族ポリマーと無機充填材との含有量の比率が上記のようなものである限り、組成物中におけるそれぞれの成分の含有量は、特に制限されない。
上記組成物において、フッ素化芳香族ポリマーと無機充填材の含有量の比率は、フッ素化芳香族ポリマーの100質量部に対して、無機充填材が30質量部以上である。該無機充填材の含有量が30質量部未満では、該組成物からなるフィルムの熱伝導性が低くなる恐れがある。該無機充填材の含有量のより好ましい下限は、フッ素化芳香族ポリマーの100質量部に対して40質量部以上であり、50質量部以上が最も好ましい。また、無機充填材の含有量の好ましい上限は、フッ素化芳香族ポリマーの100質量部に対して2,000質量部以下であり、1,500質量部以下であることがさらに好ましい。
本発明のフッ素化芳香族ポリマーと熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填材を含有する熱伝導性組成物、及び、フッ素化芳香族ポリマー100質量部に対して、熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填材を30質量部以上含有する組成物(以下、両方を合わせて本発明の組成物という)は、有機ポリマーとしてフッ素化芳香族ポリマーを含有するものである。フッ素化芳香族ポリマーは、一般的にガラス転移温度が130℃以下であるフッ素化脂肪族ポリマーと比べてガラス転移温度が高いことから、本発明の組成物は、フッ素化芳香族ポリマーを含有することに起因してフッ素化脂肪族ポリマー等を含む組成物に比べて耐熱性に優れたものとなる。また、フッ素化芳香族ポリマーは、フッ素基を有しない芳香族ポリマーに比べて体積抵抗値、吸水率において優れたものであることから、本発明の組成物は、フッ素基を有しない芳香族ポリマーを含むものに比べて絶縁性及び吸湿性に優れた組成物となる。
本発明におけるフッ素化芳香族ポリマーとしては、ガラス転移点温度が150℃以上であることが好ましい。ガラス転移点温度が150℃未満では、本発明の組成物から得られるフィルムの耐熱性が低下するおそれがある。フッ素化芳香族ポリマーのガラス転移点温度は150℃〜400℃の範囲内がさらに好ましく、170℃〜300℃の範囲内が最も好ましい。ガラス転移温度は、例えば、DSC(セイコー電子工業社製、商品名「DSC6200」)を用いて、窒素雰囲気下、20℃/分の昇温速度の条件で測定することができる。
本発明のフッ素化芳香族ポリマーの表面抵抗値は、1.0×1015Ω/cm2以上であることが好ましい。表面抵抗値が1.0×1015Ω/cm2未満では、本発明の組成物から得られるフィルムの電気絶縁性が低下する恐れがある。フッ素化芳香族ポリマーの表面抵抗値は1.0×1017Ω/cm2以上の範囲内がさらに好ましい。表面抵抗値は、例えば、抵抗値測定装置(ヒューレットパッカード(HEWLETT PACKARD)製、商品名「High Resistance Meter 4329A & Resistibity Cell 16008A」)を用いて、測定電圧500Vの条件で測定することができる。
本発明のフッ素化芳香族ポリマーの平均分子量は、数平均分子量(Mn)で5,000〜500,000の範囲内であることが好ましい。数平均分子量が5,000未満では本発明の組成物から得られるフィルムの耐熱性が低下するおそれがあり、数平均分子量が500,000を超えると該組成物の粘度が高くなり、作業性が低下するおそれがある。該数平均分子量(Mn)は10,000〜200,000の範囲内がさらに好ましく、10,000〜100,000の範囲内が最も好ましい。数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ分析装置(GPC)(東ソー社製、商品名「HLC−8120GPC」)を用いて、カラムとしてG−5000HXL+GMHXL−L、展開溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)、標準として標準ポリスチレンを用い、流量1mL/分の条件で測定することができる。
本発明のフッ素化芳香族ポリマーとしては、少なくとも1つ以上のフッ素基を有する芳香族環と、エーテル結合、ケトン結合、スルホン結合、アミド結合、イミド結合、エステル結合の群より選ばれた少なくとも1つの結合を含む繰り返し単位により構成された重合体等が挙げられ、具体的には、例えば、フッ素原子を有するポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドエーテル、ポリアミド、ポリエーテルニトリル、ポリエステル等が挙げられる。
本発明の組成物は、これらのフッ素化芳香族ポリマーの1種を含有するものであってもよく、2種以上を含有するものであってもよい。
本発明のフッ素化芳香族ポリマーとしては、上記したものの中でも、少なくとも1つ以上のフッ素基を有する芳香族環と、エーテル結合を含む繰り返し単位を必須部位として有する重合体であることが好ましく、下記一般式(1)又は(2)で表される繰り返し単位を含むフッ素原子を有するポリアリールエーテルであることがより好ましい。フッ素化芳香族ポリマーがこのような構造を有するものであると、無機充填材との相互作用が適度に抑制されると考えられ、本発明の組成物作製に支障をきたす現象、例えば大幅な増粘、ゲル化、流動性の損失、凝集等が低減される。よって、より多くの無機充填材を配合した組成物を作成することができ、熱伝導性シートとしてより高い熱伝導率を示すものとすることができるだけでなく、粘度を低下させることができるため、熱伝導性シートの成形が容易となる。なお、一般式(1)又は(2)で表される繰り返し単位は、同一でも異なっていてもよく、ブロック状、ランダム状等の何れの形態であってもよい。
Figure 2005272814
上記一般式(1)中、Rは炭素数1〜150の芳香族環を有する2価の有機鎖を表す。また、Zは2価の鎖又は直接結合を表す。x及びyは0以上の整数であり、x+y=1〜8を満たし、同一又は異なって芳香族環に結合しているフッ素原子の数を表す。nは、重合度を表わし、2〜5000の範囲内が好ましく、5〜500の範囲内がさらに好ましい。
上記一般式(2)中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基又は炭素数6〜20のアリールチオ基を表す。Rは、炭素数1〜150の芳香族環を有する2価の有機鎖を表す。zは、芳香族環に結合しているフッ素原子の数であり、1又は2である。nは、重合度を表わし、2〜5000の範囲内が好ましく、5〜500の範囲内がさらに好ましい。
上記一般式(1)において、x+yは2〜8の範囲内が好ましく、4〜8の範囲内がさらに好ましい。また、エーテル構造部分(−O−R−O−)が芳香族環に結合している位置については、Zに対してパラ位に結合していることが好ましい。
上記一般式(1)及び(2)において、R及びRは2価の有機鎖であるが、下記の構造式群(3)で表されるいずれか一つ、あるいは、その組み合わせの有機鎖であることが好ましい。
Figure 2005272814
(式中、Y〜Yは、同一又は異なって水素基または置換基を表し、該置換基は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアミノ基、アリールチオ基を表す。)
上記R及びRのより好ましい、具体例としては、下記の構造式群(4)で表される有機鎖が挙げられる。
Figure 2005272814
上記一般式(1)において、Zは、2価の鎖又は直接結合していることを表す。該2価の鎖としては、例えば、下記構造式群(5)(構造式(5−1)〜(5−13))で表される鎖であることが好ましい。
Figure 2005272814
(式中、Xは、炭素数1〜50の2価の有機鎖である。)
上記Xは、例えば、構造式群(4)で表される有機鎖が挙げられ、その中でもジフェニルエーテル鎖、ビスフェノールA鎖、ビスフェノールF鎖、フルオレン鎖が好ましい。
上記一般式(2)中のRにおいて、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基等が好適である。
上記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、フルフリルオキシ基、アリルオキシ基等が好適である。
上記アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等が好適である。
上記アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、iso−プロピルチオ基等が好適である。
上記アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o−、m−又はp−トリル基、2,3−又は2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、ピレニル基等が好適である。
上記アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ヒドロキシ安息香酸及びそのエステル類(例えば、メチルエステル、エチルエステル、メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、フルフリルエステル及びフェニルエステル等)由来の基、ナフトキシ基、o−、m−又はp−メチルフェノキシ基、o−、m−又はp−フェニルフェノキシ基、フェニルエチニルフェノキシ基、クレソチン酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記アリールアミノ基としては、アニリノ基、o−、m−又はp−トルイジノ基、1,2−又は1,3−キシリジノ基、o−、m−又はp−メトキシアニリノ基、アントラニル酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記アリールチオ基としては、フェニルチオ基、フェニルメタンチオ基、o−、m−又はp−トリルチオ基、チオサリチル酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記Rとしては、これらのうち、置換基を有していてもよいアルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基が好ましい。ただし、Rには、2重結合若しくは3重結合が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
上記一般式(2)中のRにおける置換基としては、上述のような炭素数1〜12のアルキル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;シアノ基、ニトロ基、カルボキシエステル基等が好適である。また、これら置換基の水素がハロゲン化されていてもよいし、されていなくてもよい。これらの中でも、好ましくは、ハロゲン原子、水素がハロゲン化されていてもよいし、されていなくてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基及びカルボキシエステル基である。
本発明のフッ素化芳香族ポリマーの合成方法としては、一般的な重合反応を用いればよく、例えば、縮合重合、付加重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられる。上記重合反応の際の反応温度や反応時間等の反応条件は適宜設定すればよい。また、上記重合反応は、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
例えば、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を含むフッ素原子を有するポリアリールエーテルの合成方法を挙げると、Zが上記構造式群(5)のうちの(5−6)であり、さらに、Xがジフェニルエーテル鎖であるフッ素原子を有するポリアリールエーテルを得る場合、有機溶媒中、塩基性化合物の存在下で、4,4′−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル(以下、「BPDE」という)と2価のフェノール化合物を加熱する方法等が挙げられる。
また、Zが上記構造式群(5)のうちの(5−11)であり、さらに、Xがジフェニルエーテル鎖であるフッ素原子を有するポリアリールエーテルを得る場合、有機溶媒中、塩基性化合物の存在下で、4,4′−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルオキシ)ジフェニルエーテル(以下、「BPDES」という)と2価のフェノール化合物を加熱する方法等が挙げられる。
例えば、上記一般式(2)で表される繰り返し単位を含むフッ素原子を有するポリアリールエーテルの合成方法を挙げると、Rがフェノキシ基の場合、有機溶媒中、塩基性化合物の存在下で、4−フェノキシ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリル(以下、「PTFBN」という)と2価のフェノール化合物を加熱する方法等が挙げられる。
BPDEの製造方法は特に制限されないが、例えば、特開2001−64226号公報に記載の方法で得ることができる。
BPDESの製造方法は特に制限されないが、例えば、ペンタフルオロベンゾイルクロライドと4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルとを反応させることで得ることができる。
PTFBNの製造方法は特に制限されないが、例えば、特開2002−12662号公報に記載の方法で得ることができる。
上記の合成方法における反応温度としては、0℃〜150℃の範囲内が好ましく、10℃〜120℃の範囲内がさらに好ましい。
上記の合成方法で使用される有機溶媒としては、例えば、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジフェニルエーテル、ベンジルエーテル、tert−ブチルエーテル等のエーテル類;蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル等のエステル類;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)等を用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アセトニトリル、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)が好ましい。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記の合成方法で使用される塩基性化合物としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン等が挙げられる。これらの塩基性化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記の合成方法において、2価のフェノール化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(以下、「6FBA」という)、ビスフェノールA(以下、「BA」という)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下、「HF」という)、ビスフェノールF、ハイドロキノン、レゾルシノール等が挙げられる。
上記2価のフェノール化合物の使用量は、含フッ素芳香族化合物1モルに対して、0.8〜1.2モルの範囲内が好ましく、0.9〜1.1モルの範囲内がさらに好ましい。
上記の合成方法においては、反応終了後に、反応溶液より溶媒除去を行ない、必要により留去物を洗浄することにより、フッ素化芳香族ポリマーが得られる。また、反応溶液をフッ素化芳香族ポリマーの溶解度の低い溶媒に加えることにより、該ポリマーを沈殿させ、沈殿物を濾過により分離することにより得ることもできる。
本発明における熱伝導性の無機充填材は、熱伝導率が20W/m・K以上の無機充填材である。無機充填材の熱伝導率が20W/m・K未満では、組成物より得られるフィルムの熱伝導性が低くなる。無機充填材の熱伝導率は、該無機充填材を焼結あるいは溶融後に冷却成形するなどして板状の成形物を作製し、京都電子工業社製のホットディスク法による熱伝導率測定装置(品番TPA−501)を用いて測定することにより決定できる。該熱伝導率は30W/m・K以上がより好ましい。
本発明における熱伝導性の無機充填材としては、フッ素化芳香族ポリマーとの分散性に優れることから無機酸化物及び無機窒化物等が好ましい。
上記の無機酸化物及び無機窒化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等が挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素が好ましい。無機充填材としてこれらの化合物を用いることにより、本発明の効果が充分に発揮されることになる。これらの無機充填材は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明における熱伝導性の無機充填材の形状としては、例えば、球状、繊維状、鱗片状、円錐状、破砕状、平面状、不定形状等が挙げられる。これらの中でも、球状又は鱗片状の粒子であることが好ましい。
上記無機充填材の平均粒子径としては、フィルムの厚みを考慮して適宜選択されるが、0.01〜100μmの範囲内であることが好ましく、0.1〜50μmの範囲内であることがさらに好ましく、0.5〜30μmの範囲内が最も好ましい。また、該無機充填材の体積当たりの比表面積は、0.1m/g〜20m/gの範囲内が好ましく、0.5m/g〜18m/gの範囲内がさらに好ましく、0.7m/g〜15m/gの範囲内が最も好ましい。
本発明の組成物には、成膜性を向上し、粘度調節を目的として、溶剤を配合することが好ましい。
上記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、ベンソニトリル等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メタノール、エタノール、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、組成物の安定性や乾燥性、膜物性を調整する目的で2種以上混合して用いてもよい。
上記溶剤の配合量は、組成物中1質量%〜80質量%の範囲内が好ましい。溶剤の配合量が1質量%未満では、該組成物の粘度低減が十分でなく成膜性が低下するおそれがある。また、80質量%を超えると得られたフィルム中に溶剤が残存して熱伝導率が低下するおそれがある。溶剤の配合量は、2質量%〜75質量%の範囲内がさらに好ましく、3質量%〜70質量%の範囲内が最も好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、その他の化合物や副資材を含んでもよい。該その他の化合物や副資材としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂、シリカ、水酸化アルミニウム、ガラス、黒鉛等の充填材、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、分散剤等が挙げられる。
本発明の組成物における、上記その他の化合物や副資材の配合量は、発明の効果を損なわない範囲であればよく、該組成物中のフッ素化芳香族ポリマー及び無機充填材の合計量100質量部に対して、0.001質量部〜500質量部の範囲内が好ましい。
本発明の組成物を用いて得られるフィルムの成形方法としては、例えば、フィルムや基板、素子、金属箔等の上に該組成物をキャスティング、ディッピングコート、スピンコート、ロールコート、スプレイコート、バーコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の方法により塗布して塗膜を形成した後、溶剤を乾燥して、薄層を形成する。
本発明の組成物を用いて得られるフィルムは、前記フィルムや基板などから剥離してフィルム単独で用いてもよいし、剥離せずに用いてもよい。また、フィルムの強度を上げるために、フィルムの内部又は表面にプラスチックフィルムや金属箔、ガラスクロス、高分子繊維からなるクロス、金属メッシュ等の布状補強材を用いてもよい。
本発明の組成物を用いて得られるフィルムの厚みとしては、0.1μm〜0.5mmの範囲内が好ましい。該フィルムの厚みが0.1μm未満では、フィルムの取り扱い性が悪くなるおそれがあり、0.5mmを超えると半導体素子の放熱用途等に使用した際に、放熱特性が低下するおそれがある。
本発明のフィルムの熱伝導率としては、0.5W/m・K以上の範囲内であることが好ましい。該熱伝導率が0.5W/m・K未満では、半導体素子の放熱用途等に使用した際に、放熱特性が低下するおそれがある。フィルムの熱伝導率は、1.0〜30W/m・Kの範囲内がさらに好ましく、3.0〜10W/m・Kの範囲内が最も好ましい。熱伝導率は、例えば、ホットディスク法熱物性測定装置(京都電子工業社製、商品名「TPA−501」)や迅速熱伝導率計(京都電子工業社製、商品名「QTM−500」を用いて測定することができる。
本発明のフィルムの耐熱特性としては、サーマルアナライザ(TG−DTA分析)における300℃までの減量率が1.0質量%以下であることが好ましい。また、吸湿特性としては、プレッシャークッカー試験(PCT試験、135℃、3気圧、2時間)における吸湿率が0.3質量%以下であることが好ましい。TG−DTA分析は、例えば、サーマルアナライザ(TG−DTA)(島津製作所社製、商品名「島津示差熱熱重量同時測定装置」)を用いて窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で室温から300℃までの重量減少を測定することにより行うことができる。また、PCT試験は、例えば、乾燥したサンプルをプレッシャークッカー(ヒラヤマ(HIRAYAMA)社製、商品名「PC−242HS プレッシャークッカー」)を用い、135℃、3気圧、2時間の条件にさらした後、吸湿率を測定することにより行うことができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下ことわりのない場合、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示すものとする。
合成例1
温度計、冷却管、ガス導入管、及び、攪拌機を備えた反応器に、BPDE(4,4′−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル) 16.74部、6FBA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン) 10.14部、炭酸カリウム 4.34部、及び、N−メチル−2−ピロリドン 90部を仕込んだ。この混合物を60℃に加熱し、5時間反応した。反応終了後、反応溶液をブレンダーで激しく攪拌しながら、1%酢酸水溶液中に注加した。析出した反応物を濾別し、蒸留水及びメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、フッ素化芳香族ポリマー(1)を得た。該ポリマーのガラス転移点温度(Tg)は193℃、数平均分子量(Mn)が72,370、表面抵抗値は1.0×1018Ω/cm2以上であった。
合成例2
合成例1と同様の反応器に、BPDE 16.74部、HF(9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン) 10.5部、炭酸カリウム 4.34部、ジメチルアセトアミド 90部を仕込んだ。この混合物を80℃に加温し、8時間反応した。反応終了後、合成例1と同様にして、フッ素化芳香族ポリマー(2)を得た。該ポリマーのガラス転移点温度(Tg)は242℃、数平均分子量(Mn)が70,770、表面抵抗値は1.0×1018Ω/cm2以上であった。
合成例3
合成例1と同様の反応器に、BPDE 16.74部、BA(ビスフェノールA) 5.88部、炭酸カリウム 4.34部、ジメチルアセトアミド 90部を仕込んだ。この混合物を80℃に加温し、10時間反応した。反応終了後、合成例1と同様にして、フッ素化芳香族ポリマー(3)を得た。該ポリマーのガラス転移点温度(Tg)は180℃、数平均分子量(Mn)が62,750、表面抵抗値は1.0×1018Ω/cm2以上であった。
合成例4
温度計、ガス導入管、及び、攪拌機を備えた反応器に、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル 5.00部、トリエチルアミン 5.01部、ジクロロメタン 100部を仕込み、ウォーターバスを用いて10℃に保持した。ペンタフルオロベンゾイルクロライド 11.41部と20部のジクロロメタンを滴下ロートに仕込み反応器内にゆっくりと滴下した。
滴下終了後、ウォーターバスをはずし、室温で3時間反応させた。水に投入後、固体を回収し、メタノールで再結晶することによりBPDES(4,4′−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルオキシ)ジフェニルエーテル)を得た。
合成例1と同様の反応器に、BPDES 3.00部、6FBA 1.70部、炭酸カリウム 3.51部、モレキュラーシーブ 10部、及び、メチルエチルケトン 100部を仕込んだ。この混合物を75℃に加温し、5時間反応した。反応終了後、合成例1と同様にして、フッ素化芳香族ポリマー(4)を得た。該ポリマーのガラス転移点温度(Tg)は185℃、数平均分子量(Mn)が58,700、表面抵抗値は1.0×1018Ω/cm2以上であった。
合成例5
合成例1と同様の反応器に、PTFBN(4−フェノキシ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリル)13.36部、6FBA 16.81部、炭酸カリウム 34.55部、モレキュラーシーブ 10部、及び、メチルエチルケトン 100部を仕込んだ。この混合物を75℃に加温し、4時間反応した。反応終了後、合成例1と同様にして、フッ素化芳香族ポリマー(5)を得た。該ポリマーのガラス転移点温度(Tg)は156℃、数平均分子量(Mn)が54,040、表面抵抗値は1.0×1017Ω/cm2以上であった。
実施例1〜11、比較例1〜3
本発明の組成物として、表1に記載した配合量でフッ素化芳香族ポリマー、有機溶剤、分散剤、さらに熱伝導性の無機充填材の順に配合して、ケミスターラーにより均一に混合して、組成物を得た。また、比較の組成物として、表2に記載した配合量で同様に混合して組成物を得た。
次に、PETフィルム上にバーコーターを用いて上記の組成物を塗布した後、室温で30分間乾燥後、さらに、150℃のオーブン中で乾燥させ、PETフィルムを取り除くことにより、厚み50μmである本発明のフィルム及び、比較のフィルムを得た。得られた本発明のフィルム、及び、比較のフィルムを以下に示す方法により評価した。その結果を表3及び表4に記載した。
評価方法
(1)成膜性
得られた各フィルムの膜の状態を目視により確認した。
良好:均一な膜
悪:組成物の粘度が不適当である、又は、無機充填材の分散状態が良くない等の原因により膜化できない、成形した膜がもろい、若しくは、膜に凝集物が見られる等の不均一な膜
(2)熱伝導性
得られた各フィルムを京都電子工業社製 ホットディスク法熱物性測定装置(TPA−501)より熱伝導率を測定した。
(3)耐熱特性
得られた各フィルムをサーマルアナライザ(TG−DTA分析)により、300℃までの減量率を測定した。
(4)吸湿特性
得られた各フィルムをプレッシャークッカー試験(135℃、3気圧、2時間)を行い、試験後のフィルムの吸湿率を測定した。
Figure 2005272814
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
アルミナAS−50:商品名、昭和電工社製、球状アルミナ、熱伝導率36W/m・K、平均粒子径11.5μm、比表面積2.2m/g
窒化ホウ素GP:商品名、電気化学工業社製、鱗片状ボロンナイトライド、熱伝導率63W/m・K、平均粒子径8μm、比表面積8m/g
窒化ホウ素HGP:商品名、電気化学工業社製、鱗片状ボロンナイトライド、熱伝導率63W/m・K、平均粒子径5μm、比表面積11m/g
BYK W9010:商品名、ビックケミージャパン社製
Figure 2005272814
ユピファインST:商品名、ポリイミドワニス、固形分濃度18.5%、宇部興産社製
YD−127:商品名、東都化成社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
MT−500:商品名、新日本理化社製、メチルテトラヒドロ無水フタル酸
Figure 2005272814
Figure 2005272814
表3から明らかなように、実施例1〜11の組成物から得られたフィルムは有機ポリマーとの熱伝導性の無機充填材の分散性に優れ、良好な成膜性を有している上、高い熱伝導性を有する。また、耐熱性が高く、吸湿性が低いといった、電子部品の放熱用材料として理想的な性能を示している。
一方、表4に示すように、比較例1のポリイミドでは、一定の熱伝導性は得られるものの、耐熱特性においてやや多い熱減量率が見られ、吸湿率も大きいものとなっている。また、比較例2及び3のエポキシ樹脂では無機充填材を高配合しにくい上、樹脂自体の耐熱性が低く、吸湿性が高いため、熱伝導性フィルムとしての性能も低いものとなる。
本発明の組成物より得られたフィルムは高い熱伝導性を示し、さらに、高い耐熱性と耐湿性を有するものとなるため、半導体素子等の発熱電子部品からの放熱用材料として有効に利用することができる。

Claims (6)

  1. フッ素化芳香族ポリマーを必須とする組成物であって、該組成物は、フッ素化芳香族ポリマーとともに熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填材を含有する
    ことを特徴とする熱伝導性組成物。
  2. 前記無機充填材は、球状又は鱗片状粒子であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性組成物。
  3. フッ素化芳香族ポリマーを必須とする組成物であって、該組成物は、フッ素化芳香族ポリマー100質量部に対して、熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填材を30質量部以上含有する
    ことを特徴とする組成物。
  4. 前記無機充填材は、球状又は鱗片状粒子であることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
  5. 請求項1若しくは2に記載の熱伝導性組成物、又は、請求項3若しくは4に記載の組成物を用いてなることを特徴とするフィルム。
  6. 熱伝導率が0.5W/m・K以上であることを特徴とする請求項5に記載のフィルム。
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