JP2005272302A - ピルビン酸エステルの製造方法 - Google Patents

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隆洋 横田
Hidetaka Shimazu
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Abstract

【課題】 メタクリル酸エステルと過酸化水素を反応させてピルビン酸エステルを得る反応において、安価で入手容易な触媒を用いて、残存過酸化水素が少なく後処理が簡便で、かつ良好な収率でピルビン酸エステルを製造する方法を提供すること。
【解決手段】 過酸化水素と式(1):
【化1】
Figure 2005272302

(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表されるメタクリル酸エステルとの反応において、クロムの酸化物とバナジウムの酸化物とを触媒として用いて式(2):
【化2】
Figure 2005272302

(式中、Rは上記に同じ。)で表されるピルビン酸エステルを製造する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化剤として過酸化水素を用いた酸化(以下、過酸化水素酸化という)によってメタクリル酸エステルからピルビン酸エステルを製造する方法に関する。
ピルビン酸エステルは医農薬原料として重要な化合物である。またそのピルビン酸エステルを加水分解することにより得られるピルビン酸も各種医農薬原料として利用されている。
ピルビン酸エステルとピルビン酸の用途としては、例えば、医薬品としては、L−トリプトファン、L−システィン、L−チロシン、L−ドーパー等のアミノ酸、キノフェン、イソニアジドピルピン酸カルシウムなどがあげられる。また、プラスチック工業、繊維工業、接着剤分野等においては、α−シアノアクリレート及びα−アシルオキシアクリレート等のモノマー合成の中間体として利用されている。更に、香料、農薬の合成原料としての応用開発も進められている。
従来から、メタクリル酸エステルの過酸化水素酸化によるピルビン酸エステルの製造方法においては、収率を向上させるために触媒を存在させて当該酸化が行われている。たとえばCrO単独、あるいはさらに収率を向上させるためにCrOとトリエチルアミンやピリジンなど塩基との混合物を触媒に用いて、メタクリル酸メチルと過酸化水素によりピルビン酸メチルを得ている例が示されている(非特許文献1)。
Chemistry Letters,99,1989
しかし、CrOを単独で使用した場合、反応後に過酸化水素が大量に残存し、反応後に残存する大量の過酸化水素をそのままで濃縮や蒸留などの後処理操作をすると、爆発や発熱などの危険な現象が起きる可能性がある。このため、反応液を後処理で還元剤を添加して残存過酸化水素を除去する工程が必要であり、工程が煩雑となる欠点がある。また、塩基を共存させた例については、このような塩基の存在が後処理時に障害となる可能性があり、どちらも工業的には問題があった。
本発明は、メタクリル酸エステルの過酸化水素酸化によるピルビン酸エステルの製造方法において、反応後の過酸化水素残存が少なく後処理が簡便で、かつ塩基の共存なしに良好な収率でピルビン酸エステルを製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、メタクリル酸エステルの過酸化水素酸化によるピルビン酸エステルの製造方法に関して、クロムの酸化物とバナジウムの酸化物の存在下で反応を行うことにより、反応終了後に過剰の過酸化水素が残留せず、かつ塩基が共存しなくても良好な収率でピルビン酸エステルを製造できる方法を見いだした。
すなわち、本発明は、触媒の存在下に、過酸化水素と式(1):
Figure 2005272302
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表されるメタクリル酸エステルとを反応させて式(2):
Figure 2005272302
(式中、Rは上記に同じ。)で表されるピルビン酸エステルを製造するにあたり、触媒としてクロムの酸化物及びバナジウムの酸化物を用いることを特徴とするピルビン酸エステルの製造方法に関する。
本発明方法によって、ピルビン酸エステルが、安価な触媒を用いて、煩雑な工程なしに容易に製造できることから、工業的価値が大きい。
以下本発明を詳細に説明する。
式(1)及び(2)において、Rで示されるアルキル基としては炭素数1〜4の直鎖、または分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、およびt−ブチル基等を例示できる。好ましくは、メチル基、またはエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
本発明方法においては、クロムの酸化物とバナジウムの酸化物とを触媒として併用する。クロムの酸化物とバナジウムの酸化物の使用割合はとくに限定されない。
かかる触媒の使用量は、メタクリル酸エステルに対してクロムの酸化物とバナジウムの酸化物との合計量で、通常0.0001重量倍以上であり、その上限は特にないが、経済的な面を考慮すると、実用的には、メタクリル酸エステルに対して0.2重量倍以下である。
バナジウムの酸化物としては、3酸化バナジウム(V)、4酸化バナジウム(V)、5酸化バナジウム(V)などが用いられるが、特に好ましいのは5酸化バナジウムである。これらは市販の物をそのまま用いることができる。
クロムの酸化物としては、一酸化クロム(II)(CrO)、二酸化クロム(IV)(CrO)、三酸化二クロム(III)(Cr)、5酸化クロム(V)(Cr)、無水クロム酸(VI)(CrO)などが用いられるが、特に好ましいのは無水クロム酸である。これらは市販の物をそのまま用いることができる。
過酸化水素としては、通常水溶液が用いられる。もちろん、過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよいが、取り扱いがより容易であるという点で過酸化水素水を用いることが好ましい。過酸化水素水、または過酸化水素の有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度はとくに制限されないが、容器効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水は通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて希釈、濃縮等により濃度調整を行ったものを用いればよい。
過酸化水素の使用量は、メタクリル酸エステルに対して、通常1モル倍以上であり、使用量の上限は特にないが、経済的な面も考慮すると、実用的には、メタクリル酸エステル1モルに対して5モル倍以下である。好ましくは2〜4倍モルである。
本反応は通常水溶液、有機溶媒、または有機溶媒と水との混合溶媒中で実施される。有機溶媒としては、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール、tert−ブタノールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒等が用いられる。好ましい有機溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒であり、特に好ましくはアセトニトリルである。水溶液、有機溶媒、または水と有機溶媒の混合溶媒の使用量は特に制限されないが、容器効率等を考慮すると、実用的には、メタクリル酸エステルに対して、通常10重量倍以下である。
反応温度は通常0〜200℃であるが、好適には30〜150℃である。
本反応は通常メタクリル酸エステル、過酸化水素、およびバナジウムの酸化物、クロムの酸化物を接触、混合することによって実施されるが、その混合順序はとくに制限されない。
本反応は、常圧条件下でも加圧条件下でも実施できる。また、反応の進行は例えば、ガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ、核磁気共鳴スペクトル分析、赤外吸収スペクトル分析、等の通常の分析手段により確認することができる。
反応終了後、反応混合物から後処理なしに直接通常の単離精製手段、例えば、濃縮、抽出、蒸留、乾燥、またはカラムクロマトグラフィ等により、目的であるピルビン酸エステルが得られる。
これは、本発明方法に特徴的なことである。反応後に残存する大量の過酸化水素をそのままで濃縮や蒸留などの後処理操作をすると、爆発や発熱などの危険な現象が起きる可能性がある。
そのために、通常は反応後残存する過酸化水素を亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤で消去して、その後過酸化水素の残存がないことをサンプリングして検定試薬や滴定で確認してから、蒸留などの精製手段で目的物を得る必要がある。
過酸化水素の除去工程は多量の熱が発生するために、通常冷却しながら長い時間をかけて還元剤を徐々に少量ずつ反応液に添加する必要があり、そのため、非常に煩雑な工程を必要とする。
この残存過酸化水素の除去工程は、使用する還元剤により、生成物が変質などの悪影響を受ける可能性もあり、従来の過酸化水素を用いる反応では常に大きな問題であった。
本発明方法の場合は、反応後に過酸化水素の残存がないかまたは非常に少ないために、後処理が簡便にできるという大きな優位性がある。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものでない。
実施例1
メタクリル酸メチル10g(0.10mol)、無水クロム酸(CrO)0.10g、およびアセトニトリル90gの混合液に、室温で攪拌しながら35%過酸化水素水を39.0g(0.40mol)添加した。過酸化水素水添加後、55℃、1時間加熱攪拌しながら反応を行った。その後、五酸化バナジウム(V)0.07gを添加しさらに、60℃、1時間加熱攪拌しながら反応を行った。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99%以上、ピルビン酸メチルの収率(メタクリル酸メチル基準)は69%であった。このとき、残存過酸化水素量は仕込量の1重量%未満であった。
反応液を減圧蒸留で蒸留留出して、ピルビン酸メチルを含む留分として、ピルビン酸メチル溶液25.7g(濃度25%、メタクリル酸メチルからの収率63%)を得た。
実施例2
メタクリル酸メチル10g(0.10mol)、五酸化バナジウム(V)0.01g、無水クロム酸(CrO)0.03g、およびアセトニトリル20gの混合液に、室温で攪拌しながら60%過酸化水素水を22.7g(0.40mol)添加した。過酸化水素水添加後、40℃、0.5時間加熱攪拌しながら反応を行った。その後、無水クロム酸(CrO)0.03gを添加し、40℃、0.5時間加熱攪拌、さらに無水クロム酸(CrO)0.03gを添加し、40℃、2時間加熱攪拌し、60℃に昇温した後1時間加熱攪拌し反応を行った。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99%以上、ピルビン酸メチルの収率(メタクリル酸メチル基準)は58%であった。このとき、残存過酸化水素量は仕込量の1重量%未満であった。
実施例3
メタクリル酸メチル10g(0.10mol)、無水クロム酸(CrO)0.05g、およびアセトニトリル20gの混合液に、40℃で攪拌しながら60%過酸化水素水17.0g(0.30mol)を3時間かけて添加した。過酸化水素水添加後、40℃、2時間加熱攪拌しながら反応を行った。その後、五酸化バナジウム(V)0.01gを添加し、60℃、2時間加熱攪拌し反応を行った。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99%以上、ピルビン酸メチルの収率(メタクリル酸メチル基準)は51%であった。このとき、残存過酸化水素量は仕込量の1重量%未満であった。
比較例
100mlのステンレス製耐圧容器にメタクリル酸メチル10g(0.10mol)、無水クロム酸(CrO)0.03gおよびアセトニトリル90gの混合液を加え、これに室温で攪拌しながら35%過酸化水素を39g(0.40mol)添加した。過酸化水素添加後、60℃、2時間で加熱攪拌しながら反応を行った。このときのメタクリル酸メチルの転化率は81%、ピルビン酸メチルの収率はそれぞれ66%であった。また、残存過酸化水素量は仕込量の56重量%であった。
反応液に30%チオ硫酸ナトリウム水溶液50gを氷浴中で攪拌しながら5時間かけて加えて、その後30分間室温で攪拌した。その後滴定で残存過酸化水素濃度の濃度を測定したところ0であった。このときピルビン酸メチルはメタクリル酸メチルからの収率で53%であった。このようにしてチオ硫酸ナトリウム処理した反応液を減圧蒸留で蒸留留出して、ピルビン酸メチルを含む留分として、ピルビン酸メチル溶液21.2g(濃度23%、メタクリル酸メチルからの収率48%)を得た。

Claims (5)

  1. 触媒の存在下に、過酸化水素と式(1):
    Figure 2005272302
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表されるメタクリル酸エステルとを反応させて式(2):
    Figure 2005272302
    (式中、Rは上記に同じ。)で表されるピルビン酸エステルを製造するにあたり、触媒としてクロムの酸化物及びバナジウムの酸化物を用いることを特徴とするピルビン酸エステルの製造方法。
  2. Rがメチル基である請求項1記載のピルビン酸エステルの製造方法。
  3. バナジウムの酸化物が5酸化バナジウム(V)である請求項1又は2記載のピルビン酸エステルの製造方法。
  4. クロムの酸化物が無水クロム酸(CrO)である、請求項1、2又は3記載のピルビン酸エステルの製造方法。
  5. 反応溶媒としてニトリル系溶媒を用いる請求項1、2、3又は4記載のピルビン酸エステルの製造方法。
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