JP2005272187A - 光学素子用の成形型及びその再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 微小凹凸を有する型面を適正に再生することができる成形型及びその再生方法を提供すること。
【解決手段】 下型21をレンズ成形装置から取り出して、その型面をクロム溶解性処理液等の処理液に浸漬する。これにより、処理液が保護層33を通過して溶融層32を迅速に溶解する。つまり、保護層33や溶融層32が迅速に剥離されて、基盤部材31の下地用型面31aが露出する。次に、下地用型面31a上にクロムを主成分とする膜をスパッタ法等を用いて成膜し、溶融層32とする。次に、溶融層32上に例えばAu等を含む合金からなる貴金属膜をスパッタ法等を用いて成膜し、保護層33とする。以上により、下型21の再生が完了する。
【選択図】 図2
【解決手段】 下型21をレンズ成形装置から取り出して、その型面をクロム溶解性処理液等の処理液に浸漬する。これにより、処理液が保護層33を通過して溶融層32を迅速に溶解する。つまり、保護層33や溶融層32が迅速に剥離されて、基盤部材31の下地用型面31aが露出する。次に、下地用型面31a上にクロムを主成分とする膜をスパッタ法等を用いて成膜し、溶融層32とする。次に、溶融層32上に例えばAu等を含む合金からなる貴金属膜をスパッタ法等を用いて成膜し、保護層33とする。以上により、下型21の再生が完了する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ガラスレンズ等の光学素子をプレス成形するための成形型及びその再生方法に関し、特に、再生時に成形型の成形面の研磨工程を必要としない成形型及びその再生方法に関するものである。
ガラスレンズをプレス成形するための一般的な方法として、鏡面に加工した成型面に白金等の貴金属を被覆した一対の金型を準備し、予め適度に加熱した金型間に加熱した成形素材を搬送するとともに、両金型間で成形素材をプレスすることによって、成形品としてのガラスレンズを製造するものが知られている。
かかるプレス成形法において、金型を繰返して使用すると、被覆層が摩耗して十分な精度の光学面が得られなくなる。このような問題に対処すべく様々な表面再生法が提案されている。
以下、いくつか具体例を挙げて説明する。例えば、金型素材上にクロムを主成分とする中間層と白金等の保護層とを積層した金型を用い、再生に際しては硝酸二アンモニウムセリウム溶液で中間層を除去するものがある(特許文献1参照)。また、金型素材上に金属窒化物及びクロムからなる一対の中間層とAu等の保護層とを積層した金型を用い、再生に際しては中間層を溶解する前に予めイオンビームエッチングによって保護層を除去するものがある(特許文献2参照)。また、WC等からなる金型素材上にガラス層とTiN等の保護層とを積層した金型を用い、再生に際しては酸若しくはアルカリ溶液で中間層を除去するものがある(特許文献3参照)。また、金型素材上にエッチストップ用の中間層、Ni等からなる切削加工層、及びTi炭化物からなる中間層を形成するとともに表面を硬質炭素膜で被覆した金型を用い、再生に際しては切削加工やエッチング液を用いるものがある(特許文献4参照)。また、金型素材上に貴金属等からなるエッチング防止用の中間層とTiC等からなる保護膜とを積層した金型を用い、再生に際しては酸又はアルカリ溶液で保護膜を溶解するものがある(特許文献5参照)。さらに、金型素材上にNi等からなる加工層と、TiC等からなる中間層と、貴金属からなる保護層とを積層した金型を用い、再生に際しては適当な硬度の粒子を用いてサンドブラストすることによって加工層を除去するものがある(特許文献6参照)。
一方、ガラスレンズ等を製造する別の新しい成形技術として、ガラス滴を金型に滴下した後、そのままプレス成形するものが存在する。このようなガラスレンズの製造方法に用いる金型として、特に熱伝導率が50W/mK以上の材料で構成され、かつ0.005μmRa〜0.05μmRaの表面粗さを有するものが好適であることが分かっている(特許文献7)。このように表面に微小な凹凸を有する金型では、捕集されたガラス滴が金型上で収縮する過程で生じたエアーを凹凸の粗い目を介して除去することができる。また、金型の熱伝導率を適度に高く設定しておくことにより、捕集されたガラス滴が適度な速度で冷却され、金型表面の微小な凹凸がガラスレンズに転写されることを防止できる。
以上のようなガラス滴を金型でプレスする方法は、表面に傷、砂目、シャーマーク等の欠陥がないレンズを得ることができ、プリフォームを不要としサイクルタイムを短縮できる点で極めて優れた方法である。
特開平1−192733号公報
特開2001−130918号公報
特開平3−237024号公報
特開2001−122630号公報
特開平9−232272号公報
特開2002−255572号公報
特許第2827337号公報
しかし、金型表面に上記のように微小な凹凸を設ける方法においても、金型を繰り返し使用することによって型面の再生が必要となる。これまでは、金型表面を再研削しブラスト、酸エッチング等によって再生していたが、時間やコストが増大するので、鏡面加工した金型同様に簡易な再生法を考案することが望まれる。ただし、金型表面に微小な凹凸が形成されている場合、鏡面加工した金型に適用される上述の型再生法をそのまま用いることは、必ずしも適切でない。つまり、平坦な型面と微小凹凸を有する型面とでは、それぞれレンズ成形時の機能が大きく異なっており、摩耗や再生の機構も当然異なっていると考えられるので、微小凹凸を有する型面に適した型再生法の開発が必要となる。
そこで、本発明は、微小凹凸を有する型面を適正に再生することができる成形型及びその再生方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1発明に係る光学素子用の成形型は、ガラス滴として滴下されるレンズ材料のプレス成形を可能にするものであり、(a)0.005μmRa〜0.05μmRaの表面粗さの下地用型面を設けた基盤部材と、(b)前記基盤部材の下地用型面上に形成され、所定の処理液によって溶解する少なくとも1以上の化学的に活性な溶融層を含む被覆層とを備える。ここで、Raは、JIS B 0601−2001に基づくもので、凹凸の算術平均高さを意味する。
上記成形型では、下地用型面が0.005μmRa〜0.05μmRaの表面粗さを有するので、この上に適当な膜厚の被覆層を形成するならば、型の表面を同様の表面粗さとすることができる。これにより、ガラス滴が成形型上で収縮する過程で生じたエアーを型面に形成された凹凸の隙間を介して除去することができ、ひけのない高精度の光学素子を提供することができる。また、被覆層が所定の処理液によって溶解する化学的に活性な溶融層を含むので、溶融層を処理液で除去するだけの簡単な工程によって、型面を再生することができる。この際、下地用型面が適度な表面粗さを有するので、溶融層の除去が迅速かつ効率的なものとなる。
また、本発明の具体的態様では、上記光学素子用の成形型において、前記基盤部材が、タングステンカーバイド、シリコンカーバイド、シリコンナイトライド、サーメット、ステンレス鋼、シリコン、アルミナ、及び、ジルコニアの1種以上を主成分とする。この場合、硬度、耐熱性等の観点で優れた基盤部材とすることができ、成形型の寿命を長く保持することができる。
また、上記成形型の別の具体的態様では、前記溶融層が、クロムを主成分とする。この場合、溶融層を高い選択性で除去することができる。
また、上記成形型のさらに別の具体的態様では、前記被覆層上に形成され、当該被覆層を保護する表面層をさらに備える。この場合、表面層の存在によって、光学素子表面のクモリ発生や、被覆層の表面劣化等の不都合を抑制できる。
また、上記成形型のさらに別の具体的態様では、前記表面層が、Au,Ag,Ir,Re,Os,Pd,Ru,Rh,Ptの1種以上を主成分とする貴金属膜である。この場合、型面の劣化が少なく、良好な型押し及び離型を達成することができる。
また、上記成形型のさらに別の具体的態様では、前記被覆層が、前記所定の処理液に対する耐性を有する阻止層を、前記少なくとも1以上の溶融層と前記下地用型面との間にさらに備える。この場合、所定の処理液によって下地用型面が浸食されることを確実に防止できる。
また、上記成形型のさらに別の具体的態様では、前記阻止層が、金属の窒化物、炭化物、酸化物、貴金属、及び、セラミックスの1種以上を主成分とする。この場合、所定の処理液に対する阻止層の耐性を確保することができる。
また、第2発明に係る光学素子用の成形型の再生方法は、上述の光学素子用の成形型の再生方法であって、(a)前記所定の処理液によって前記溶融層を溶解することによって前記被覆層を除去する工程と、(b)前記被覆層を除去した状態の前記基盤部材の下地用型面上に、直接又は間接に新たな被覆層を形成する工程とを備える。
上記成形型の再生方法では、前記所定の処理液によって前記溶融層を溶解することによって前記被覆層を除去するので、劣化又は疲労し或いは不要となた被覆層を簡易な工程で迅速かつ正確に除去することができる。この際、溶融層や基盤部材の構成材料の選択によって下地用型面に与えるダメージを低減することができる。なお、下地用型面上に、直接又は阻止層を介して間接に新たな被覆層を形成した再生後の成形型においては、下地用型面が0.005μmRa〜0.05μmRaの表面粗さを有するので、再生前と同様に、ひけのない高精度の光学素子を提供することができる。
また、第3発明に係る光学素子用の成形型の再生方法は、上述の光学素子用の成形型の再生方法であって、(a)イオンビームを利用したエッチングによって少なくとも前記表面層を除去する工程と、(b)前記所定の処理液によって前記溶融層を溶解することによって前記被覆層を除去する工程と、(c)前記被覆層を除去した状態の前記基盤部材の下地用型面上に、直接又は間接に新たな被覆層を形成する工程とを備える。
上記成形型の再生方法では、イオンビームを利用したエッチングによって少なくとも前記表面層を除去して溶融層を露出させることができるので、前記所定の処理液による前記被覆層の除去が効率的なものとなる。この際、溶融層や基盤部材の構成材料の選択によって下地用型面に与えるダメージを低減することができる。なお、下地用型面上に、直接又は阻止層を介して間接に新たな被覆層を形成した再生後の成形型においては、下地用型面が0.005μmRa〜0.05μmRaの表面粗さを有するので、再生前と同様に、ひけのない高精度の光学素子を提供することができる。
また、第4発明に係る光学素子用の成形型は、ガラス滴として滴下されるレンズ材料のプレス成形を可能にするものであり、(a)0.005μmRa〜0.05μmRaの表面粗さの下地用型面を設けた基盤部材と、(b)前記基盤部材の下地用型面上に形成される被覆層とを備える。
上記成形型では、下地用型面が0.005μmRa〜0.05μmRaの表面粗さを有するので、この上に適当な膜厚の被覆層を形成するならば、型の表面を同様の表面粗さとすることができる。これにより、ガラス滴が成形型上で収縮する過程で生じたエアーを型面に形成された凹凸の隙間を介して除去することができ、ひけのない高精度の光学素子を提供することができる。なお、被覆層はイオンビームエッチング等によって簡易に除去することができ、型面の再生が可能になる。この際、下地用型面が適度な表面粗さを有するので、被覆層の除去が迅速かつ効率的なものとなる。
また、本発明の具体的態様では、光学素子用の第2成形型において、前記基盤部材が、タングステンカーバイド、シリコンカーバイド、シリコンナイトライド、サーメット、ステンレス鋼、シリコン、アルミナ、及び、ジルコニアの1種以上を主成分とする。
また、本発明の具体的態様では、前記被覆層が、イオンビームに対する耐性を有する阻止層をさらに備える。この場合、阻止層がバリアとなってイオンビームによって基盤部材が露出することを防止できる。
また、本発明の具体的態様では、前記阻止層が、金属の窒化物、炭化物、酸化物、及び、セラミックスの1種以上を主成分とする。この場合、イオンビームに対する阻止層の耐性を確保することができる。なお、阻止層の材料としては、例えばSiC、SiN等が考えられる。
また、本発明の具体的態様では、前記被覆層が、Au,Ag,Ir,Re,Os,Pd,Ru,Rh,及び、Ptの1種以上を主成分とする貴金属膜をイオンビームによって除去すべき被エッチング層として有する。
また、第5発明に係る光学素子用の成形型の再生方法は、上述の光学素子用の成形型の再生方法であって、(a)イオンビームを利用したエッチングによって前記被覆層を除去する工程と、(b)前記被覆層を除去した状態の前記基盤部材の下地用型面上に、直接又は間接に新たな被覆層を形成する工程とを備える。
上記成形型の再生方法では、イオンビームを利用したエッチングによって被覆層を除去して下地用型面を露出させることができる。この際、被覆層や基盤部材の構成材料の選択によって下地用型面に与えるダメージを低減することができる。なお、下地用型面上に、直接又は阻止層を介して間接に新たな被覆層を形成した再生後の成形型においては、下地用型面が0.005μmRa〜0.05μmRaの表面粗さを有するので、再生前と同様に、ひけのない高精度の光学素子を提供することができる。
また、本発明の具体的態様では、第4本発明に係る光学素子用の成形型において、前記被覆層がクロムを主成分とする。この場合、被覆層を所定の処理液によって除去することができる。
また、本発明の具体的態様では、前記被覆層が、クロムを主成分とする材料を溶融する所定の処理液に対する耐性を有する阻止層をさらに備える。この場合、所定の処理液によって下地用型面が浸食されることを確実に防止できる。
また、本発明の具体的態様では、前記阻止層が、金属の窒化物、炭化物、酸化物、貴金属、及び、セラミックスの1種以上を主成分とする。この場合、所定の処理液に対する阻止層の耐性を確保することができる。
また、第6本発明に係る光学素子用の成形型の再生方法は、第4発明に係る光学素子用の成形型の再生方法であって、(a)イオンビームを利用したエッチングによって少なくとも前記被膜層の最表面を除去する工程と、(b)前記所定の処理液によって前記被覆層を溶解することによって前記被覆層を完全に除去する工程と、(c)前記被覆層を除去した状態の前記基盤部材の下地用型面上に、直接又は間接に新たな被覆層を形成する工程とを備える。
上記成形型の再生方法では、イオンビームや所定の処理液を利用したエッチングによって被覆層を除去して下地用型面を露出させることができる。つまり、イオンビームを利用したエッチングによって被膜層の最表面に形成された酸化膜等を除去し、処理液を利用したエッチングによって被覆層の本体を除去する。この際、被覆層や基盤部材の構成材料の選択によって下地用型面に与えるダメージを低減することができる。なお、下地用型面上に、直接又は阻止層を介して間接に新たな被覆層を形成した再生後の成形型においては、下地用型面が0.005μmRa〜0.05μmRaの表面粗さを有するので、再生前と同様に、ひけのない高精度の光学素子を提供することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る光学素子用の成形型を用いたレンズ成形装置の構造を説明する正面図である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光学素子用の成形型を用いたレンズ成形装置の構造を説明する正面図である。
レンズ成形装置10は、ガラスを溶融するルツボ11と、ルツボ11の下端から延びるノズル12と、ルツボ11及びノズル12を加熱するための炉側ヒータ13,14と、ノズル12先端のガラス滴GDを光学的に観察するための観察装置15,16とを備える。また、ノズル12の下方には、ガラス滴GDを受ける下型21が配置されており、下型側ヒータ22によって所望の温度に保持されている。ルツボ11中のガラス融液MGは、炉側ヒータ13によって加熱されており、撹拌棒17によって均一に混合される。炉側ヒータ13,14の温度を適宜設定することにより、ノズル12の下端から滴下させるガラス滴GDのサイズや落下頻度を適宜に調節することができる。この際、ノズル12の下端に形成されたガラス滴GDのサイズや状態が、観察装置15,16によってリアルタイムで観察される。
下型21は、不図示の駆動機構によって水平方向に移動可能となっており、図示のノズル12直下の捕捉位置から上型24の直下のプレス位置まで移動して保持される。上型24は、上型側ヒータ25によって所望の温度に保持されており、不図示の駆動機構によって昇降可能になっている。捕捉位置で塊状のガラス滴GDを受け取った下型21がプレス位置まで移動すると、上型24が降下して下型21と嵌合する。両型21,24の間に挟まれたガラス滴GDはプレスよってレガラスンズに変形加工され、徐冷によって最終製品に仕上げられる。
図2は、下型21の断面構造を概念的に説明する図である。下型21は、下地用型面31aを設けた基盤部材31と、下地用型面31a上に形成された被覆層である溶融層32と、溶融層32上に形成された表面層である保護層33とを有する。
ここで、基盤部材31は、例えばタングステンカーバイドで形成されるが、シリコンカーバイド、シリコンナイトライド、サーメット、ステンレス鋼、シリコン、アルミナ、ジルコニア等の他の材料で形成することができる。さらに、これらの材料に他の少量成分を追加することもできる。なお、タングステンカーバイドは、硬度、耐熱性等の観点で優れており、基盤部材31の材料として好ましい。
また、溶融層32は、クロムを主成分とする。このような溶融層32は、クロム溶解性処理液によって迅速に溶解され、基盤部材31の微小凹凸を有する下地用型面31a表面から確実に除去される。つまり、クロム溶解性処理液は、溶融層32に対して基盤部材31に比較して極めて高いエッチング能力を有するので、エッチング後によって溶融層32がきれいに除去され、残った下地用型面31aは、ほとんどダメージを受けていない状態となる。なお、クロム溶解性処理液としては、例えば硝酸二アンモニウムセリウム溶液が好適に使用される。
また、保護層33は、例えばAu等を含む合金で形成された貴金属膜であるが、Ag,Ir,Re,Os,Pd,Ru,Rh,Pt等の他の材料で形成することができる。さらに、これらの材料を合金化したり、他の少量成分を追加することもできる。このような保護層33を設けることにより、光学面の転写が容易になり、型面の劣化が少なく、良好な型押し及び離型を達成することができる。
図3は、下型21の型面の状態を概念的に説明する拡大断面図である。基盤部材31の下地用型面31aは、微小突起P1をランダムに形成したものであり、その表面粗さは、0.005μmRa〜0.05μmRaとなっている。このような微小突起P1は、例えばブラスト処理、酸エッチング、砂かけ処理等によって形成される。中間の溶融層32は、ランダムな凹凸を形成した下地用型面31a上にほぼ一様に形成されるので、下地用型面31aの表面粗さをそのまま反映した突起P2が残る。溶融層32は、例えばスパッタ、イオンプレーティング等を用いて形成することができる。最上の保護層33は、ランダムな凹凸を有する溶融層32上にほぼ一様に形成されるので、下地用型面31a及び溶融層32の表面粗さをそのまま反映した突起P3が残る。保護層33は、例えばスパッタ、イオンプレーティング等を用いて形成することができる。なお、保護層33の谷間部分には、多くの場合、成膜不良の部分としてクラック等の欠陥部DEが形成される。欠陥部DEは、保護層33の成膜に指向性のある物理的成膜方法を用いた場合に顕著になる傾向がある。このような欠陥部DEは、クロム溶解性処理液等を容易に浸透させて溶融層32に導くので、下型21をクロム溶解性処理液等に浸漬した場合、クロム溶解性処理液等が効率的に浸透して溶融層32を迅速に溶解する。これにより、保護層33の存在にも拘わらず、つまり保護層33が突起P3で十分に摩耗していない場合であっても、溶融層32を確実に除去することができる。
以上の説明は、下型21についてのものであったが、上型24も同様の構造とすることができる。
以下、図2等に示す下型21の再生について説明する。図1に示すようなレンズ成形装置10を連続的に稼働した場合、下型21が繰返使用によって徐々に劣化する。つまり、レンズ成形装置10によって形成されたガラスレンズのレンズ面にクモリ等が生じて得られたガラスレンズの光学特性が次第に劣化する。このように劣化した下型21の成形面は、以下の工程によって再生可能である。具体的には、下型21をレンズ成形装置10から取り出して、その型面をクロム溶解性処理液等の処理液に浸漬する。これにより、処理液が保護層33を通過して溶融層32を迅速に溶解する。つまり、保護層33や溶融層32が迅速に剥離されて、基盤部材31の下地用型面31aが露出する。次に、基盤部材31に付着した処理液を洗浄・除去し、乾燥した下地用型面31a上にクロムを主成分とする膜をスパッタ法等を用いて成膜し、溶融層32とする。この溶融層32の厚さは、0.05〜20μm程度とする。次に、溶融層32上に例えばAu等を含む合金からなる貴金属膜をスパッタ法等を用いて成膜し、保護層33とする。この保護層33の厚さは、0.05〜20μm程度とする。以上により、下型21の再生が完了するが、下型21の型面は元通り、図2や図3に示す状態となる。なお、以上の再生処理において、溶融層32の厚さが0.05μmよりも薄いと溶融層としての機能を果たさなくなり、溶融層32の厚さが20μmよりも厚いと型の光学面が形状変化しやすくなってしまう。また、保護層33の厚さが0.05μmよりも薄いと保護層としての機能を果たさなくなり、保護層33の厚さが20μmよりも厚いと型の光学面が形状変化しやすくなってしまう。
以上の再生法は状況に応じて適宜変更することも可能である。例えば、保護層33に図3に示すような欠陥部DEが形成されにくい場合や、欠陥部DEが完全に埋め込まれる場合には、予めイオンビームスパッタを利用して保護層33を除去することもできる。イオンビームスパッタによって保護層33を物理エッチングする場合、エッチングの条件にもよるが、保護層33の突起P3(図3参照)の頂部が除去されて溶融層32の突起P2等が露出するが、基盤部材31の突起P1がカットされて微細凹凸が小さくなることは防止される。その後、下型21の型面をクロム溶解性処理液等の処理液に浸漬すると、溶融層32が効率的に除去される、以後の工程はイオンビームスパッタを用いない場合と同様であり説明を省略する。
図4は、図2の下型21の変形例を示す断面図である。下型21の下地用型面31a上には、クロム溶解性処理液等の処理液に対する耐性を有する阻止層136が形成されている。つまり、下地用型面31aと溶融層32との間に阻止層136が挿入されており、クロム溶解性処理液等の処理液による下地用型面31aの浸食を確実に防止することができる。阻止層136は、例えばAu等を含む合金で形成された貴金属膜であるが、Ag,Ir,Re,Os,Pd,Ru,Rh,Pt等の他の材料で形成することができる。さらに、これらの材料に他の少量成分を追加することもできる。阻止層136は、例えばスパッタ、イオンプレーティング等を用いて形成することができる。このの厚さは、0.05〜20μm程度とする。阻止層136の厚さが0.05μmよりも薄いと阻止層としての機能を果たさなくなり、阻止層136の厚さが20μmよりも厚いと型の光学面が形状変化しやすくなってしまう。なお、阻止層136は、ランダムな凹凸を有する下地用型面31a上にほぼ一様に形成されるので、下地用型面31aの表面粗さをそのまま反映した突起が表面に形成される。よって、その上の溶融層32や保護層33の表面にもランダムな凹凸が形成される。この際、最上の保護層33の谷間にクロム溶解性処理液等を浸透させる欠陥部が形成される点は図3の場合と同様である。ただし、阻止層136に欠陥が形成されることを防止する必要がある。このため、阻止層136は、膜厚分布を均一にし易い成膜法を用いることが望ましく、例えばCVD法によって好適に形成される。
図4等に示す下型121の再生について説明する。劣化した下型121をレンズ成形装置10から取り出して、その型面をクロム溶解性処理液等の処理液に浸漬する。これにより、処理液が保護層33を通過して溶融層32を迅速に溶解する。つまり、保護層33や溶融層32が迅速に剥離されて、基盤部材31の下地用型面31aが露出する。この際、阻止層136の存在によって、基盤部材31の浸食が確実に防止され、下地用型面31aの形状が微小凹凸を含め完全に保持される。次に、阻止層136や基盤部材31に付着した処理液を洗浄・除去し、乾燥した阻止層136上にクロムを主成分とする膜をスパッタ法等を用いて成膜し、溶融層32とする。次に、溶融層32上に例えばAu等を含む合金からなる貴金属膜をスパッタ法等を用いて成膜し、保護層33とする。以上により、下型21の再生が完了するが、下型21の型面は元通り、図2や図3に示す状態となる。なお、この場合も、予めイオンビームスパッタを用いて保護層33を部分的に除去し、露出した溶融層32をクロム溶解性処理液等の処理液によって除去することができる。
以下、具体的な実施例について説明する。基盤部材31として、6種類の表面粗さの金型母材を準備する。金型母材は、タングステンカーバイドWCで形成した。基盤部材31の下地用型面31a上に、まずCVD法でSiC膜を約0.2μm堆積して阻止層136を形成した。SiC膜は、イオンをアシストしたCVDで成膜することができる。その後、阻止層136上に、スパッタ法でクロム層を約0.2μm堆積して溶融層32を形成し、この溶融層32の上にスパッタ法でPt−Ir合金層を約0.2μm堆積して保護層33とした。なお、阻止層136や溶融層32の形成に用いた成膜法はマグネトロンスパッタ法であった。このようにして得た型部材について、プレス成形とエッチングの試験とを行って、その性能を確かめた。プレス成形の試験において、実施例の型部材を利用してガラス成形を3000回行って、ガラスレンズである成形品の光学面の精度をチェックした。また、エッチングの試験において、3000回使用後の型部材をクロム溶解性処理液である硝酸二アンモニウムセリウム溶液でエッチング処理した。以下の表1は結果をまとめたものである。
表からも明らかなように、クロム溶解性処理液によるエッチング処理時間は、表面粗さが大きいほどエッチング時間が短くなっている。また、エア溜まりを防止する観点からは、下地用型面31aの表面粗さが0.005μmRa以上であることが望ましいことが分かる。さらに、ガラスレンズである成形品の光学面の精度を確保する観点からは、下地用型面31aの表面粗さが0.05μmRa以下であることが望ましいことが分かる。
液処理後、浸漬前後の基盤部材31の下地用型面31aについて、表面形状の違いを3次元形状測定器UA3Pにより観察したところ、下地用型面31aの形状に変化は無かった。次に、表面層、溶融層を除去した型に、新たに溶融層32、最表面層である保護層33を形成した。このような再生処理を行った型部材を用いて、ガラス滴のプレス成形を行ったところ問題なく成形できた。
以上の実施例により、薬品処理のみで型再生が可能であることが確認できたが、次にイオンエッチングで型再生を試みた。3000回のガラス成形後の型を、Arイオンビームで60分間エッチングし、保護層33であるPt−Ir層を除去した。その後、使用後の型部材を硝酸二アンモニウムセリウム溶液に1分間浸し、溶融層32を除去した。処理前後における下地用型面31aの表面形状の違いを3次元形状測定器UA3Pにより観察したところ、下地用型面31aの形状に変化は無かった。次に、表面層、溶融層を除去した型に、新たに溶融層32、最表面層である保護層33を形成した。このような再生処理を行った型部材を用いて、ガラス滴のプレス成形を行ったところ問題なく成形できた。
〔第2実施形態〕
図5は、第2実施形態に係る光学素子用の成形型を説明する側方断面図である。図示の下型221は、図1の下型21に置き換わるものであり、図1に示すレンズ成形装置10に組み込まれる。この下型121の下地用型面31a上には、イオンビームスパッタによって除去されやすい被覆層233が形成されている。すなわち、被覆層233は、例えばAu,Ag,Ir,Re,Os,Pd,Ru,Rh,Pt等の貴金属若しくはその合金からなる薄膜であり、例えばタングステンカーバイド等からなる基盤部材31に比較してエッチング速度が高い。
図5は、第2実施形態に係る光学素子用の成形型を説明する側方断面図である。図示の下型221は、図1の下型21に置き換わるものであり、図1に示すレンズ成形装置10に組み込まれる。この下型121の下地用型面31a上には、イオンビームスパッタによって除去されやすい被覆層233が形成されている。すなわち、被覆層233は、例えばAu,Ag,Ir,Re,Os,Pd,Ru,Rh,Pt等の貴金属若しくはその合金からなる薄膜であり、例えばタングステンカーバイド等からなる基盤部材31に比較してエッチング速度が高い。
図5に示す下型221の再生について説明する。劣化した下型221をイオンビームスパッタ装置で処理して、その下地用型面31a上の被覆層233をエッチング除去する。この際、被覆層233のエッチレートが大きく、被覆層233のみが選択的に迅速に除去され、下地用型面31aがダメージをほとんど受けることなく露出する。なお、下地用型面31aについては、もともと表面が荒れているため、イオンビームのダメージを受けても、ダメージがそれほど問題にならない。次に、被覆層233上に例えば貴金属或いはその合金の膜をスパッタ法等を用いて成膜し、被覆層233とする。以上により、下型221の再生が完了し、下型221の型面は元通り図5に示す状態となる。
図6は、図5の下型221の変形例を示す断面図である。この下型321の下地用型面31a直上には、イオンビームスパッタに対する耐性を有する阻止層336が形成されている。つまり、下地用型面31aと被覆層233との間に阻止層336が挿入されており、イオンビームスパッタによるエッチング処理において下地用型面31aのダメージを確実に防止することができるイオンビームスパッタに対する耐性が必要な阻止層336としては、例えばSiC、SiN等の、被覆層233よりもエッチングレートが遅い材料が使用される。
〔第3実施形態〕
図7は、第3実施形態に係る光学素子用の成形型を説明する側方断面図である。図示の下型421は、図5の下型221に置き換わるものである。この下型421の下地用型面31a上には、クロム溶解性処理液等の薬品処理によって除去されやすい被覆層433が形成されている。すなわち、被覆層433は、例えばクロムを主成分とする薄膜であり、例えばタングステンカーバイド等からなる基盤部材31に比較してエッチング速度が高い。ただし、被覆層433をクロムを主成分とする薄膜で形成した場合、成形を繰返す過程で薄膜の最表面が酸化して酸化クロム層等になる。酸化クロム層は、クロム溶解性処理液等の薬品に溶解しにくいが、イオンエッチングによりを除去することはできる。
図7は、第3実施形態に係る光学素子用の成形型を説明する側方断面図である。図示の下型421は、図5の下型221に置き換わるものである。この下型421の下地用型面31a上には、クロム溶解性処理液等の薬品処理によって除去されやすい被覆層433が形成されている。すなわち、被覆層433は、例えばクロムを主成分とする薄膜であり、例えばタングステンカーバイド等からなる基盤部材31に比較してエッチング速度が高い。ただし、被覆層433をクロムを主成分とする薄膜で形成した場合、成形を繰返す過程で薄膜の最表面が酸化して酸化クロム層等になる。酸化クロム層は、クロム溶解性処理液等の薬品に溶解しにくいが、イオンエッチングによりを除去することはできる。
図7に示す下型421の再生について説明する。劣化した下型421をまずイオンビームを利用したエッチングによって処理して、その下地用型面31a上の被覆層433の最上層をエッチング除去する。これにより、薬品に溶解しにくい酸化クロム層が確実に除去される。次に、被覆層433をクロム溶解性処理液等で処理して、その下地用型面31a上に残った被覆層433を完全にエッチング除去する。この際、被覆層433のエッチレートが大きく、被覆層433のみが選択的に迅速に除去され、下地用型面31aがほとんどダメージを受けることなく露出する。次に、被覆層433上に例えばクロムを主成分とする薄膜をスパッタ法等を用いて成膜し、被覆層433とする。以上により、下型421の再生が完了し、下型421の型面は元通り図7に示す状態となる。
図8は、図7の下型421の変形例を示す断面図である。この下型521の下地用型面31a直上には、クロム溶解性処理液等の薬品処理に対する耐性を有する阻止層536が形成されている。つまり、下地用型面31aと被覆層433との間に阻止層536が挿入されており、処理液等の処理液によるエッチング処理において下地用型面31aのダメージを確実に防止することができる。阻止層536としては、例えばPt合金、SiC、SiN等のクロム溶解性処理液等の処理液によって溶けにくい材料が使用される。
10…レンズ成形装置、 11…ルツボ、 12…ノズル、 13,14…炉側ヒータ、 21…下型、 24…上型、 31…基盤部材、 31a…下地用型面、 32…溶融層、 33…保護層、 DE…欠陥部、 GD…ガラス滴
Claims (19)
- 0.005μmRa〜0.05μmRaの表面粗さの下地用型面を設けた基盤部材と、
前記基盤部材の下地用型面上に形成され、所定の処理液によって溶解する少なくとも1以上の溶融層を含む被覆層とを備え、
ガラス滴として滴下されるレンズ材料のプレス成形を可能にする光学素子用の成形型。 - 前記基盤部材は、タングステンカーバイド、シリコンカーバイド、シリコンナイトライド、サーメット、ステンレス鋼、シリコン、アルミナ、及び、ジルコニアの1種以上を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の光学素子用の成形型。
- 前記溶融層は、クロムを主成分とすることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項記載の光学素子用の成形型。
- 前記被覆層上に形成され、当該被覆層を保護する表面層をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載の光学素子用の成形型。
- 前記表面層は、Au,Ag,Ir,Re,Os,Pd,Ru,Rh,及び、Ptの1種以上を主成分とする貴金属膜であることを特徴とする請求項4記載の光学素子用の成形型。
- 前記被覆層は、前記所定の処理液に対する耐性を有する阻止層を、前記少なくとも1以上の溶融層と前記下地用型面との間にさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項記載の光学素子用の成形型。
- 前記阻止層は、金属の窒化物、炭化物、酸化物、貴金属、及び、セラミックスの1種以上を主成分とすることを特徴とする請求項6記載の光学素子用の成形型。
- 請求項1から請求項7記載のいずれか一項記載の光学素子用の成形型の再生方法であって、
前記所定の処理液によって前記溶融層を溶解することによって前記被覆層を除去する工程と、
前記被覆層を除去した状態の前記基盤部材の下地用型面上に、直接又は間接に新たな被覆層を形成する工程と
を備える光学素子用の成形型の再生方法。 - 請求項4、及び請求項5のいずれか一項記載の光学素子用の成形型の再生方法であって、
イオンビームを利用したエッチングによって少なくとも前記表面層を除去する工程と、
前記所定の処理液によって前記溶融層を溶解することによって前記被覆層を除去する工程と、
前記被覆層を除去した状態の前記基盤部材の下地用型面上に、直接又は間接に新たな被覆層を形成する工程と
を備える光学素子用の成形型の再生方法。 - 0.005μmRa〜0.05μmRaの表面粗さの下地用型面を設けた基盤部材と、
前記基盤部材の下地用型面上に形成される被覆層とを備え、
ガラス滴として滴下されるレンズ材料のプレス成形を可能にする光学素子用の成形型。 - 前記基盤部材は、タングステンカーバイド、シリコンカーバイド、シリコンナイトライド、サーメット、ステンレス鋼、シリコン、アルミナ、及び、ジルコニアの1種以上を主成分とすることを特徴とする請求項10記載の光学素子用の成形型。
- 前記被覆層は、イオンビームに対する耐性を有する阻止層をさらに備えることを特徴とする請求項10及び請求項11のいずれか一項記載の光学素子用の成形型。
- 前記阻止層は、金属の窒化物、炭化物、酸化物、及び、セラミックスの1種以上を主成分とすることを特徴とする請求項12記載の光学素子用の成形型。
- 前記被覆層は、Au,Ag,Ir,Re,Os,Pd,Ru,Rh,及び、Ptの1種以上を主成分とする貴金属膜をイオンビームによって除去すべき被エッチング層として有することを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか一項記載の光学素子用の成形型。
- 請求項10から請求項14のいずれか一項記載の光学素子用の成形型の再生方法であって、
イオンビームを利用したエッチングによって前記被覆層を除去する工程と、
前記被覆層を除去した状態の前記基盤部材の下地用型面上に、直接又は間接に新たな被覆層を形成する工程と
を備える光学素子用の成形型の再生方法。 - 前記被覆層は、クロムを主成分とすることを特徴とする請求項10及び請求項11
のいずれか一項記載の光学素子用の成形型。 - 前記被覆層は、クロムを主成分とする材料を溶融する所定の処理液に対する耐性を有する阻止層をさらに備えることを特徴とする請求項16項記載の光学素子用の成形型。
- 前記阻止層は、金属の窒化物、炭化物、酸化物、貴金属、及び、セラミックスの1種以上を主成分とすることを特徴とする請求項17記載の光学素子用の成形型。
- 請求項10、請求項11、請求項16及び請求項17のいずれか一項記載の光学素子用の成形型の再生方法であって、
イオンビームを利用したエッチングによって少なくとも前記被膜層の最表面を除去する工程と、
前記所定の処理液によって前記被覆層を溶解することによって前記被覆層を完全に除去する工程と、
前記被覆層を除去した状態の前記基盤部材の下地用型面上に、直接又は間接に新たな被覆層を形成する工程と
を備える光学素子用の成形型の再生方法。
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