JP4575787B2 - 型の製造方法 - Google Patents

型の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4575787B2
JP4575787B2 JP2005002965A JP2005002965A JP4575787B2 JP 4575787 B2 JP4575787 B2 JP 4575787B2 JP 2005002965 A JP2005002965 A JP 2005002965A JP 2005002965 A JP2005002965 A JP 2005002965A JP 4575787 B2 JP4575787 B2 JP 4575787B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal layer
mold
layer
hard layer
hard
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005002965A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006188405A (ja
Inventor
徹 伊藤
宗光 阿部
正喜 江刺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Tohoku University NUC
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Alps Electric Co Ltd filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2005002965A priority Critical patent/JP4575787B2/ja
Publication of JP2006188405A publication Critical patent/JP2006188405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4575787B2 publication Critical patent/JP4575787B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • C03B11/084Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
    • C03B11/086Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor of coated dies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • C03B11/082Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses having profiled, patterned or microstructured surfaces
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/02Press-mould materials
    • C03B2215/08Coated press-mould dies
    • C03B2215/30Intermediate layers, e.g. graded zone of base/top material
    • C03B2215/32Intermediate layers, e.g. graded zone of base/top material of metallic or silicon material

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Description

本発明は、光学素子に回折パターンをプレス加工するための型に係わり、特に、前記型から光学素子を離型しやすく、また前記型の表面に形成される凹凸パターンを高アスペクト比で形成しても強度及び耐熱性に優れた型製造方法関する。
グレーティングレンズ等の光学素子をプレス加工により形成するための型には、例えばSiCが用いられる。前記SiCは耐熱性に優れる等の利点がある一方、脆く、特に機械加工によって前記型の表面に回折パターンに対応した凹凸パターンを形成するとき、前記凹凸パターンを高アスペクト比で形成するほど、凸パターンの部分が折れたり、あるいはクラックが生じるなどの問題があった。また機械加工では、工具側の摩耗も激しく、加工面積が大きいと加工時間も非常に長くなるといった問題もあった。
そのため、前記凹凸パターンを高アスペクト比で形成するには機械加工以外の手法を用いて前記型を形成する必要があった。
下記特許文献1には、クラックや破損のない高品質のSiC成形体を製品収率良く製造するための方法が開示されている。
特許文献1の[作用]欄や[発明の効果]欄等の記載によれば、特許文献1は、SiC膜層をCVD法によって炭素質基材上に形成するもので、前記SiC膜層と炭素質基材との物性を適正化することで、CVD操作後の冷却過程により、前記炭素質基材を自然に界面剥離させることができ、これにより厚肉でクラックのない高品質のSiC成形体を効率よく製造することができるとしている。
しかし、特許文献1では、前記SiC成形体が、光学素子に回折パターンをプレス加工するための型として使用されるか否か不明であり、したがって当然に、前記SiC成形体の表面に前記回折パターンに対応した凹凸パターンが形成されているとの記載はない。
特開平8−12315号公報
前記凹凸パターンを機械加工以外の手法で形成する方法には、従来では、例えば、以下のような方法があった。
図10は、光学素子に回折パターンをプレス加工するための型の従来の製造方法を示す一工程図であり、図11は図10の次に行なわれる一工程図である。各工程図は、製造工程中の型と、前記型を製造するための母型とを膜厚方向から切断した部分断面図である。
図10に示す符号1は、シリコンなどで形成された母型であり、前記母型1の表面1aには、複数の溝部2が、例えばフォトリソグラフィ技術等を用いて微細加工されている。
そして図10に示すように、前記母型1上にSiC層3をCVD法によって堆積させ、この成膜工程を所定時間行なうことで、図11に示すように、前記SiC層3から成る型4が完成する。
しかし図10に示す前記溝部2のアスペクト比(最大深さ寸法H1/最大幅寸法T1)が大きくなると、シャドー効果が強くなる等して、前記SiC層3は前記溝部2の両側端面2a上に堆積する膜厚が他の部位上で堆積する膜厚に比べて薄くなりやすく、図10の状態から続けて前記SiC層3をCVD法により前記母型1上に堆積しても、図11に示すように、前記溝部2内が前記SiC層3によって完全に埋まらない。
図11の状態から、前記母型1を除去することで、複数の凸条部4aを有した前記SiC層3から成る型4が完成するが、前記凸条部4a内には、SiC層3が完全に埋め込み形成されなかったことによる空隙等の欠陥部5が形成されてしまうため、前記型4は、前記凸条部4aが折れやすい等、強度や寿命の面で劣るといった問題点があった。
また図11に示す型4を用いて、光学素子の表面に回折パターンをプレス加工した後、従来では、前記光学素子を前記型4から取り外しやすくする工夫はなされていなかった。特に、前記光学素子を構成する光学ガラスの熱膨張係数が、型4の熱膨張係数に比べて大きく、前記型4の表面に形成された凹凸パターンが高アスペクト比で形成されている場合、前記型4から前記光学素子を離型しにくいといった問題があった。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、前記型から光学素子を離型しやすく、また前記型の表面に形成される凹凸パターンを高アスペクト比で形成しても強度及び耐熱性に優れた型製造方法提供することを目的としている。
また本発明は、光学素子に回折パターンをプレス加工するための型の製造方法であって、
(a) 表面に、前記回折パターンと同じ所定のアスペクト比(最大深さ寸法/最大幅寸法)で形成された溝部を有する母型を形成する工程と、
(b) 前記母型の表面の全面に硬質層を形成し、このとき、前記硬質層を、前記溝部の深さ方向の途中まで堆積し、前記溝部内に堆積した硬質層の表面に凹み部を形成する工程と、
(c) 前記硬質層の表面に前記金属層を形成し、このとき少なくとも前記凹み部内を金属層で埋める工程と、
(d) 前記金属層の表面に基板を接合させる工程と、
(e) 前記母型を除去する工程と、
を有することを特徴とするものである。
本発明では前記(b)工程で、前記硬質層を溝部の幅方向の途中まで堆積させ、前記(c)工程で、前記硬質層の表面に形成された凹み部内を前記金属層で埋める点に特徴的な部分がある。本発明の工程によれば、前記溝部のアスペクト比を高くしても、図10,図11で説明したような、型の凸条部の内部に空隙が形成されることが無くなり、強度に優れた高寿命の型を製造することが可能になる。
また本発明では、前記(b)工程で、硬質層をSiとCとを主成分とした硬質材料で形成することが好ましい。
また本発明では、前記(c)工程で、前記金属層を無電解メッキ法にてメッキ形成することが好ましい。これにより、前記金属層を適切に前記硬質層の表面に形成された凹み部内に埋め込むことが出来る。
また本発明では、前記(c)工程で、前記金属層をNi,Cr,Cu,Au,Sn,Ag,Zn,Coのうち、いずれか1つの元素あるいは2つ以上の元素を有して成る合金でメッキ形成することが好ましい。かかる元素を含有した前記金属層を無電解メッキ法でメッキ形成できる。
また本発明では、前記(c)工程で、前記金属層の表面を平坦化加工することが好ましい。これによって前記(d)工程で、前記金属層と基板とを接合させやすくできる。
また本発明では、前記(d)工程で、SiC基板を用いることが好ましい。
本発明では、前記(b)工程では、前記母材の表面にSiCからなる前記硬質層を形成し、前記(c)工程では、前記硬質層の表面にNiからなる前記金属層を形成し、前記(d)工程では、前記金属層の表面にSiC基板を接合することが好ましい。
また本発明では、前記金属層の構成元素が前記硬質層及び前記基板の内部に拡散する工程を有し、前記工程は熱処理工程であることが好ましい。
本発明では、金属層で構成される凸条部の表面を硬質層で覆うことで凸パターンの硬度を高く確保でき、しかも前記凸パターンを高アスペクト比で形成しても、凸パターンの内部が凸条部の金属層により完全に埋められていることで、前記凸パターンに変形力が加わっても前記凸パターンが折れにくい等、強度に優れた高寿命の型を提供することが出来る。
また本発明では、前記金属層は前記硬質層よりも熱膨張係数が大きいことが好ましい。これによって、前記型を用いて光学素子の表面に回折パターンをプレス加工した後、前記型から光学素子を離型しやすく出来る。
図1は、本発明における型を膜厚方向から切断した部分断面図、図2ないし図7は本発明における型の製造方法を示す一工程図であり、いずれも製造工程中の型と、前記型を製造するための母型とを膜厚方向から切断した部分断面図、図8及び図9は、本発明における型を用いて光学素子の表面に回折パターンをプレス加工するための工程を示す一工程図であり、いずれも型及び光学素子を膜厚方向から切断した部分断面図、である。
図1に示す符号10は型であり、前記型10は、光学素子に回折パターンをプレス加工するために用いられるものである。
前記型10は、基板11と、前記基板11上に形成された金属層12と、前記金属層12上を覆う硬質層13とを有して構成される。
前記基板11は、SiCで形成された基板で形成されることが、良好な耐熱性や高い硬度を確保することができて好ましい。なお前記基板11はSiC以外に、超硬合金などで形成されたものであってもよい。超硬合金とは、周期律表IVa,Va,VIa族金属の炭化物をFe,Co,Ni等の金属で焼結した複合材料を指す。
図1に示すように前記基板11の表面11aは平坦化面であることが、前記金属層12との接合強度を高めることができて好ましい。
図1に示す金属層12は、前記基板11上の全面に形成された接合部12aと、前記接合部12a上から突出形成された、複数の凸条部12bとを有して構成される。
前記金属層12の接合部12aが前記基板11上の全面に形成されることで、前記金属層12と前記基板11間の接合力が強まり、適切に前記金属層12が前記基板11上に接合される。
前記金属層12は、後述する製造方法では、無電解メッキ法によって形成されたもので、例えばNi,Cr,Cu,Au,Sn,Ag,Zn,Coのうち、いずれか1つの元素あるいは2つ以上の元素を有して成る合金で形成される。
また前記金属層12は前記硬質層13よりも熱膨張係数が大きいことが好ましい。これにより図1に示す型10を用いて光学素子の表面に回折パターンをプレス加工した後、前記光学素子を前記型10から離型しやすくできる。
前記硬質層13は、前記金属層12の表面に倣って形成される。すなわち前記金属層12を構成する凸条部12bの表面の全面、及び接合部12aの表面の全面に前記硬質層13が形成され、図1に示すように、型10の表面には前記硬質層13と前記金属層12とから成る前記回折パターンに対応した凹凸パターンが形成される。
前記硬質層13は、SiとCとを主成分とした硬質材料で形成されることが好ましい。これにより前記凸条部12bの表面を高硬度に形成することが出来るし、さらに耐熱性を向上させることが出来る。なお前記硬質層13は、上記した超硬合金などで形成されてもよい。
また図1に示す実施形態では、型10の表面に形成された、前記金属層12と硬質層13から成る凸パターン14のアスペクト比(最大高さ寸法H2/最大幅寸法T2)は、1〜5の範囲内であることが好ましい。
図1に示す型10の特徴的部分は、前記型10が、基板11と金属層12と、硬質層13とを有して構成され、前記金属層12は前記基板11上に複数の突出した凸条部12bを有して形成され、前記硬質層13は前記金属層12の表面に倣って形成され、前記型10の表面に、前記金属層12と硬質層13とから成る回折パターンに対応した凹凸パターンが形成されている点にある。
本発明では、前記金属層12の凸条部12bと前記凸条部12bの表面を覆う硬質層13とから成る凸パターン14を高アスペクト比、具体的には上記したように1〜5の範囲内のアスペクト比で形成しても、前記凸パターン14の内部が、弾性域がある金属層12の凸条部12bにより完全に埋められていることで、前記凸パターン14に対し変形力が作用しても前記凸パターン14が折れたりあるいは前記凸パターン14にクラックが生じたりするのを抑制できる。よって本発明によれば、強度に優れ高寿命の型10を得ることが出来る。
また、前記凸条部12bの表面が硬質層13で覆われていることで、前記凸パターン14の表面を高い硬度を有する構造にすることが出来る。特に、後述する製造方法によれば、前記金属層12はその表面を覆う前記硬質層13の膜内に拡散しやすく、前記硬質層13と前記金属層12との間は、前記硬質層13を構成する組成元素と金属層12とを構成する組成元素とが混ざった組成領域になりやすい。例えば硬質層13がSiCで、金属層12がNiである場合、前記硬質層13と金属層12との間にはSi−C−Niの組成からなる領域が形成される。このように金属層12が硬質層13内へ拡散すると、前記硬質層13と金属層12からなる層全体の耐熱性が向上し、また硬度も高くなる。よって上記した拡散が生じると前記凸パターン14全体を高硬度に、且つ耐熱性に優れた構造にすることが出来る。
なお上記したSi−C−Niは、耐熱性に優れ、数百℃の高温下においても高硬度を示すため、より確実に、高硬度で且つ耐熱性に優れた型10を得るには、金属層12にNiを、硬質層13及び基板11にSiCを選択することが好ましい。なお金属層12が前記硬質層13の膜内全体に拡散してもよいし、あるいは前記硬質層13と金属層12の界面付近のみに前記金属層12が拡散するものでもよい。
本発明では、前記金属層12は前記硬質層13よりも熱膨張係数が高いことが好ましい。前記型10を用いて光学素子の表面に回折パターンをプレス加工するときはガラス軟化点でプレス加工し、ガラスの粘度が所定値になるまで温度を降下させ、その後、前記光学素子を前記型10から取り外す。本発明では、上記のように金属層12の熱膨張係数が前記硬質層13の熱膨張係数よりも大きいから、降温により前記金属層12が前記硬質層13よりも大きく収縮し、前記凸パターン14の幅寸法がプレス加工時よりも小さくなる結果、前記光学素子を前記型10から離型させやすい。
例えば前記金属層12がNiで形成される場合、前記金属層12の熱膨張係数は約13×10−6Kであり、前記硬質層13がSiCで形成される場合、前記硬質層13の熱膨張係数は約4.8×10−6Kである。
なお、前記金属層12を構成する金属材料を変えて、前記金属層12の熱膨張係数を変えたり、あるいは加熱処理の温度や時間を変えて前記金属層12の硬質層13への拡散の度合いを変えることで、前記凸パターン14の温度変化に対する収縮率をコントロールすることが出来る。
次に図2ないし図7を用いて図1に示す型10の製造方法について以下に説明する。
図2に示す符号20はシリコンなどで形成された母型である。図2に示すように、まず前記母型20の表面20aに、フォトリソグラフィやエッチング等の微細加工技術を用いて、回折パターンと同じ所定のアスペクト比(最大深さ寸法H3/最大幅寸法T2)で形成された溝部20bを形成する。
本発明では前記アスペクト比を1〜5の範囲内で形成することが好ましい。
次に図3に示す工程では、硬質層13を、前記母型20の表面20aの全面に形成する。このとき前記硬質層13は前記溝部20b内にも堆積するが、図3に示すように、前記硬質層13を前記溝部20bの幅方向(図示X方向)の途中まで堆積して、前記硬質層13の形成を停止する。これにより、前記溝部20b内に堆積した硬質層13の表面13aに、凹み部21が形成される。
前記硬質層13をSiとCとを主成分とした硬質材料で形成することが好ましい。前記硬質材料は硬度が高く、また耐熱性に優れる。
また前記硬質層13を化学的気相堆積法(CVD法)により前記母型20の表面20aに堆積することが好ましい。なお熱CVD法でも低圧/プラズマCVD法でもどちらを使用してもよいが、低圧/プラズマCVD法を用いた場合、硬質層13の成膜速度が非常に遅いため、製造工程を高速化するには熱CVD法を用いることが好ましい。なお熱CVD法を用いると、前記硬質層13に形成される凹み部21の深さは、低圧/プラズマCVD法を用いた場合に比べて深く形成されやすい。
従来では、図3の状態からさらに硬質層13を堆積して、前記母型20の溝部20b内を前記硬質層13のみで埋めようとしていたが、実際には溝部20bが高アスペクト比であると図11で説明したように、空隙等の欠陥部が生じるという問題が発生する。
本発明は、あえて、図3に示すように前記硬質層13を、前記溝部20bの深さ方向の途中まで堆積し、前記溝部20b内に堆積した前記硬質層13の表面13aに凹み部21を形成する。
そして図4に示すように、前記硬質層13の前記凹み部21の表面13a上に金属層12を形成し、前記凹み部21内を前記金属層12によって埋める。このとき、前記金属層12は、前記硬質層13の最表面13b上にも形成され、前記最表面13b上に形成された金属層12は、後に、図1に示す接合部12aとなり、前記凹み部21内に埋められた前記金属層12は凸条部12bとなる。
前記金属層12の形成方法は、スパッタ法、蒸着法、メタルCVD法、メッキ法等、種々考えられる。ただし図4工程では、少なくとも前記凹み部21内を前記金属層12で埋めることが重要なので、そのような形成方法を選択することが必要である。
本発明では前記金属層12を無電解メッキ法によりメッキ形成することが好ましい。無電解メッキ法とは、メッキ液中に存在する還元剤と金属イオンの電気化学反応を利用したもので、電解メッキ法のようにメッキ下地層を必要としない。
前記金属層12を無電解メッキ法にてメッキ形成するとき、前記金属層12をNi,Cr,Cu,Au,Sn,Ag,Zn,Coのうち、いずれか1つの元素あるいは2つ以上の元素を有して成る合金でメッキ形成することが好ましい。なお金属層12には他にPやB等が添加されていてもよい。
無電解メッキ法を用いることで前記凹み部21内を金属層12で完全に埋めることが出来る。
なお前記金属層12をメタルCVD法にて形成するとき、前記金属層12を、Cu,Mo,W,Taのうち、いずれか1つの元素あるいは2つ以上の元素を有して成る合金で形成することが好ましい。また前記金属層12をスパッタ法や蒸着法で形成するとき、前記金属層12を、Au,Al,Ag,Co,Cr,Cu,Fe,Ge,Mo,Ni,Si,Ta,Ti,W,Znのうち、いずれか1つの元素あるいは2つ以上の元素を有して成る合金で形成することが好ましい。
なお前記凹み部21の深さがさほど深くないとき等は、前記金属層12を無電解メッキ法によらずスパッタ法や蒸着法等で形成しても、前記凹み部21内を前記金属層12によって埋めることが可能である場合があるため、前記凹み部21の形状等によって、最適な前記金属層12の形成方法を選択することが好ましい。
次に図5に示す工程では、前記金属層12の表面12cを平坦化面に研磨処理する。前記研磨処理には、CMP(Chemical Mechanical Polishing)技術を用いることが出来る。このとき、前記硬質層13の最表面13b上に、前記金属層12が残るように研磨で除去する金属層12の膜厚を制御する。前記金属層12を研磨しすぎて、前記硬質層13の最表面13bが露出するほど研磨してもよいが、かかる場合、図6工程で、基板11の接合に別個に接着剤が必要になるなど製造工程が煩雑化してしまう。
したがって図5の工程では、前記硬質層13の最表面13b上に、前記金属層12を残し、残った金属層12を図1に示す接合部12aとして機能させることが好ましい。
次に図6に示す工程では、基板11を前記金属層12の表面12c上に接合させる。前記基板11はSiC基板であることが好ましい。また前記金属層12の表面12cは平坦化面であるので、前記基板11の前記金属層12に対する対向面(図1の表面11aに該当する)11aも平坦化面であることが、前記金属層12と基板11間の接合強度を強めることができて好ましい。
図6の工程は、加熱した状態で、前記基板11を前記金属層12の表面12c上にプレスして前記金属層12と基板11とを接合させる。加熱状態下により、前記金属層12を構成する元素は、前記基板11方向へ拡散を起こすため前記金属層12と前記基板11間を強く接合させることが出来る。なお前記加熱状態下により、前記金属層12を構成する元素は前記硬質層13の内部へも拡散する。
図6の工程では、前記基板11の対向面11aと対向する位置の全面に、金属層12の接合部12aが存在するので、上記した加熱状態下で、金属層12が前記基板11の対向面11aの全面から内部方向へ拡散していき、前記金属層12と基板11間の接合強度を非常に強くすることが出来る。
そして図7の工程では、前記母型20を除去する。除去の仕方は、例えばシリコンで形成された母型20をアルカリ水溶液に浸して溶す等である。前記母型20を除去することで、図1に示す構造と同じ構造の型10が完成する。
図2ないし図7工程による型10の製造方法では、前記硬質層13に形成された凹み部21内を図4工程で、金属層12により完全に埋めてしまう点に特徴的な部分がある。特に凸パターン14(図1を参照)を高アスペクト比で形成しようとすると、従来では、型10の内部に空隙等の欠陥部が生じたが、本発明では、前記金属層12により凹み部21内を完全に埋めてしまうので、前記欠陥部は生じず、従来に比べて、高アスペクト比の凸パターン14を形成しても、強度に優れた高寿命の型を適切且つ容易に形成することが可能になる。
特に図6工程等での加熱により、前記金属層12を構成する元素はSiC等からなる硬質層13の内部へ拡散するため、全体として耐熱性に優れ、且つ高い硬度を有する型10を製造することが出来る。
次に、本発明の型10を用いて光学素子の表面に回折パターンをプレス加工する工程について以下に説明する。
図8では、光学素子を構成する光学ガラス30の上方に本発明における型(上型)10を対向させ、前記光学ガラス30の下方に下型31を対向させる。なお前記型(上型)10の凹凸パターンが形成されている面を前記光学ガラス30の上面30aに対向させる。
図9では、前記光学ガラス30の下面30bに前記下型31を当接させた状態で、前記型10を前記光学ガラス30の上面30aにプレスする。このプレス加工は、ガラスの軟化点で行い、前記光学ガラス30の上面30aに前記型10に形成された凹凸パターンをプレスすることで、前記上面30aには前記凹凸パターンに対応した回折パターンが転写される。
そして前記光学ガラス30が所定の粘度を有するまで、温度を徐々に降下させていく。このとき、型(上型)10を構成する金属層12は、その表面を覆う硬質層13に比べて熱膨張係数が大きいために、降温によって前記硬質層13よりも収縮する。この結果、型(上型)10を前記光学ガラス30から取り外すときに、前記型10の凸パターン14の幅寸法が前記プレス加工時に比べて小さくなるため、前記型10を前記光学ガラス30から簡単に取り外すことが出来る。特に、前記凸パターン14のアスペクト比が高くても、簡単に型10を光学素子から取り外すことができる。このように、本発明における型10は離型性に優れる。
本発明の型10を用いれば、光学素子の回折パターンを高アスペクト比で適切且つ容易に形成することが出来る。
本発明における型を膜厚方向から切断した部分断面図、 本発明における型の製造方法を示す一工程図であり、製造工程中の型と、前記型を製造するための母型とを膜厚方向から切断した部分断面図、 図2の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、 図3の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、 図4の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、 図5の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、 図6の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、 本発明における型を用いて光学素子の表面に回折パターンをプレス加工するための工程を示す一工程図であり、型及び光学素子を膜厚方向から切断した部分断面図、 図8の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、 光学素子に回折パターンをプレス加工するための型の従来の製造方法を示す一工程図(製造工程中の型と、前記型を製造するための母型とを膜厚方向から切断した部分断面図)、 図10の次に行なわれる一工程図(製造工程中の型と、前記型を製造するための母型とを膜厚方向から切断した部分断面図)、
符号の説明
10 型(上型)
11 基板
12 金属層
12a 接合部
12b 凸条部
13 硬質層
14 凸パターン
20 母型
21 凹み部
30 光学ガラス
31 下型

Claims (9)

  1. 光学素子に回折パターンをプレス加工するための型の製造方法であって、
    (a) 表面に、前記回折パターンと同じ所定のアスペクト比(最大深さ寸法/最大幅寸法)で形成された溝部を有する母型を形成する工程と、
    (b) 前記母型の表面の全面に硬質層を形成し、このとき、前記硬質層を、前記溝部の深さ方向の途中まで堆積し、前記溝部内に堆積した硬質層の表面に凹み部を形成する工程と、
    (c) 前記硬質層の表面に前記金属層を形成し、このとき少なくとも前記凹み部内を金属層で埋める工程と、
    (d) 前記金属層の表面に基板を接合させる工程と、
    (e) 前記母型を除去する工程と、
    を有することを特徴とする型の製造方法。
  2. 前記(b)工程で、硬質層をSiとCとを主成分とした硬質材料で形成する請求項記載の型の製造方法。
  3. 前記(c)工程で、前記金属層を無電解メッキ法にてメッキ形成する請求項またはに記載の型の製造方法。
  4. 前記(c)工程で、前記金属層をNi,Cr,Cu,Au,Sn,Ag,Zn,Coのうち、いずれか1つの元素あるいは2つ以上の元素を有して成る合金でメッキ形成する請求項記載の型の製造方法。
  5. 前記(c)工程で、前記金属層の表面を平坦化加工する請求項ないしのいずれかに記載の型の製造方法。
  6. 前記(d)工程で、SiC基板を用いる請求項ないしのいずれかに記載の型の製造方法。
  7. 前記(b)工程では、前記母材の表面にSiCからなる前記硬質層を形成し、前記(c)工程では、前記硬質層の表面にNiからなる前記金属層を形成し、前記(d)工程では、前記金属層の表面にSiC基板を接合する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の型の製造方法。
  8. 前記金属層の構成元素が前記硬質層及び前記基板の内部に拡散する工程を有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の型の製造方法。
  9. 熱処理工程を有する請求項8記載の型の製造方法。
JP2005002965A 2005-01-07 2005-01-07 型の製造方法 Active JP4575787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005002965A JP4575787B2 (ja) 2005-01-07 2005-01-07 型の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005002965A JP4575787B2 (ja) 2005-01-07 2005-01-07 型の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006188405A JP2006188405A (ja) 2006-07-20
JP4575787B2 true JP4575787B2 (ja) 2010-11-04

Family

ID=36795954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005002965A Active JP4575787B2 (ja) 2005-01-07 2005-01-07 型の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4575787B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009099230A1 (ja) * 2008-02-08 2009-08-13 Nihon Yamamura Glass Co., Ltd. 光学ガラス

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05297210A (ja) * 1992-04-21 1993-11-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 回折格子の成形用金型及びその製造方法及び回折格子及びその製造方法
JPH0725628A (ja) * 1993-07-09 1995-01-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 微細光学ガラス素子の成形用金型及びその製造方法
JPH07133123A (ja) * 1993-11-09 1995-05-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学素子成形用金型およびその製造方法
JPH11246229A (ja) * 1998-03-06 1999-09-14 Asahi Optical Co Ltd 光学素子成形用成形型
JP2001277253A (ja) * 2000-03-29 2001-10-09 Sony Corp 樹脂成形部品の成形用金型及びその製造方法
JP2004345897A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Japan Science & Technology Agency ガラスプレス用モールドの作製方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05297210A (ja) * 1992-04-21 1993-11-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 回折格子の成形用金型及びその製造方法及び回折格子及びその製造方法
JPH0725628A (ja) * 1993-07-09 1995-01-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 微細光学ガラス素子の成形用金型及びその製造方法
JPH07133123A (ja) * 1993-11-09 1995-05-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学素子成形用金型およびその製造方法
JPH11246229A (ja) * 1998-03-06 1999-09-14 Asahi Optical Co Ltd 光学素子成形用成形型
JP2001277253A (ja) * 2000-03-29 2001-10-09 Sony Corp 樹脂成形部品の成形用金型及びその製造方法
JP2004345897A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Japan Science & Technology Agency ガラスプレス用モールドの作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006188405A (ja) 2006-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5759152B2 (ja) アルミニウム−ダイヤモンド系複合体及びその製造方法
JP4791487B2 (ja) 半導体素子実装用基板とそれを用いた半導体装置および半導体素子実装用基板の製造方法
JPS6044204A (ja) 多層多結晶ダイヤモンド固結構造体
CN105272379A (zh) 镶嵌有至少一个金属装饰物的陶瓷元件
CN103080370B (zh) 带涂层非晶态金属部件的制造方法
US20070157670A1 (en) Superhard mold face for forming ele
TW201030165A (en) Process for producing regenerated target
TW201134633A (en) Abrasive article with solid core and methods of making the same
US20040244421A1 (en) Method for making a lens molding die and method for manufacturing a lens
JP4575787B2 (ja) 型の製造方法
KR101004830B1 (ko) 정밀 구조 인터페이스를 갖는 전기 주조 접착 적층식 공구가공면
JP2008105894A (ja) 成形金型、中間部材及び基板の製造方法
JP5042769B2 (ja) 光学素子成形用金型の製造方法、及び光学素子成形用金型
JP4650113B2 (ja) 積層構造体、ドナー基板、および積層構造体の製造方法
JP2005272187A (ja) 光学素子用の成形型及びその再生方法
JP2003026431A (ja) 基板成形用金型およびこれを用いた基板の製造方法
JP2003026427A (ja) 基板成形用金型およびこれの製造方法
CN103660754A (zh) 金属嵌错工艺品及其制作方法
JP2009256164A (ja) メタルマスクおよびその製造方法、ならびに、ガラス成形型およびその製造方法
KR100972410B1 (ko) 은 상감 제품 및 이의 제조 방법
JP2004059368A (ja) 成形用金型および成形用金型の製造方法
JP2009073693A (ja) 光学素子成形用金型及びその製造方法
US20120107638A1 (en) Silver inlaid product and a production method therefor
JP5055912B2 (ja) 微細成形モールド及びその製造方法
JP4382392B2 (ja) 成形金型の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100406

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100604

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100727

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350