JP2005271829A - 自動車の運転姿勢調整装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両操作用ペダル9と乗員の踵との高さを調整可能な調整装置30を備えた自動車の運転姿勢調整装置であって、上記調整装置30は、車体に対する位置及び角度を調整可能に設けられた可動フロア10と、該可動フロア10のフロア面と上記車両操作用ペダル9の軌跡との間に所定以上の隙間Mを保持可能な範囲で、上記車両操作用ペダル9と乗員の踵とが接近する程上記可動フロア10のフロア面を前傾方向に傾斜させるフロア傾斜手段とを備えるよう構成してある。
【選択図】図1
Description
しかしながら、乗員には体格差があり、例えば、体格が大きい乗員Lや、体格が小さい乗員Sがシート200に着座した場合、乗員からアクセルペダル(またはブレーキペダル)202までの距離等が異なることから、各体格に応じて運転姿勢を調整する必要がある。
例えば、上述のシート200は、シートクッション203と、シートバック204と、ヘッドレスト205、及びシートスライド装置(不図示)を備え、そのシートスライド装置はシートクッション203に着座した乗員L、M、Sの各ヒップポイントP11、P12、P13が略水平方向に前後移動可能に構成されているが、アクセルペダル202、フロアパネル201の位置はそれぞれ固定されていたため、次に示すような問題があった。
このような不具合を解消するためには、体格の小さな乗員Sはシートクッション203に対して前寄りの位置に着座するとともに、踵を一旦フロアマット207面から浮かせた後にアクセルペダル202を操作する必要があり、体格の小さな乗員にとっては、運転姿勢が不自然にならざるを得なかった。
つまり、図14に示すように、体格の小柄な乗員Sの場合、足が十分にペダルに届かないため、フロアパネルが上方側に移動されることになるが、単に、フロアパネルのみが水平な状態で上方側に移動されると、ペダルとフロアパネル面との隙間が小さくなる。その結果、フロアパネル面上に空き缶等の異物が存在する場合、その空き缶等が車両の挙動に伴ってペダルの軌跡上とフロア面との隙間にまで移動し、空き缶等の異物が挟まる虞がある。
尚、特許文献2には、ペダルの手前のフロア面に凸条を設け、ペダル側への缶等の異物の侵入を抑制することが開示されている。
しかしながら、このような特許文献2によっても、車両の急制動時においては、缶等の異物が凸条を乗り越えてペダル側に移動し、缶等の異物がペダルとフロア面との間に挟まる懸念がある。
上記調整装置は、車体に対する位置及び角度を調整可能に設けられた可動フロアと、
該可動フロアのフロア面と上記車両操作用ペダルの軌跡との間に所定以上の隙間を保持可能な範囲で、上記車両操作用ペダルと上記可動フロアのフロア面とが接近する程当該可動フロアのフロア面を前傾方向に傾斜させるフロア傾斜手段とを備えるよう構成してある。
尚、本発明において、所定以上の隙間とは、市販されている350ミリリットルの飲料水の缶や、500ミリリットルのペットボトル等の径に対応した隙間を想定しているが、この所定以上の隙間は、適宜設定可能である。
つまり、可動フロアを上下動させるためには、リンク機構等のフロア傾斜手段を介して上下動させることになるが、その上下動量が大きい程リンク長等が長くなり、大型化するため、フロア傾斜手段を可動フロア下に収納しておく際、可動フロア面が高くなり、車室内の高さを十分に確保することができなくなる。
本発明の第2の構成によれば、可動フロアに加え、車両操作用ペダルも上下動可能とされるため、可動フロアのみでペダルと乗員の踵とを接近させる場合に対し、可動フロアの上下動量を少なくすることができ、車室内の高さを確保しつつ、乗員の体格に応じた適切な運転姿勢に調整することができる。
本発明の第4の構成によれば、上記フロア傾斜手段は、上記可動フロアの前部と後部とを連動して上下動させるとともに、上方に移動する程上記フロア面を前傾させるよう構成されるため、可動フロア面の急傾斜させることなく可動フロアの昇降幅を拡大でき、ペダルとフロア間との隙間に異物が挟まれることを抑制しつつ、運転姿勢の調整幅を広く確保することができる。
従って、フロア傾斜手段を可動フロア下に収納する際、可動フロア面の高さ位置を低く抑えることができ、車室内の高さを確保しつつ、乗員の体格に応じた適切な運転姿勢に調整することができる。
図1は、第1実施形態に関する全体構成図を示しており、図1において、シート4(ドライバーズシート)と対応するフロアパネル7(固定構造のベースフロア)にはロアレール13およびアッパレール14を取付け、乗員の好みに応じてシート4の前後動が可能なシートスライド機構15を構成している。なお、アッパレール14は通常時にあってはロアレール13に位置固定されている。
上述のアッパレール14と、シートクッション1が固定されるシートフレーム16との間には、シート4の座面前後位置、シート4の座面上下位置、シート4の座面の角度を同時に調整するシート位置調整手段17を設けている。
すなわち、アッパレール14の前後両部に支持ブラケット18,19を取付け固定し、前側の支持ブラケット18とシートフレーム16の前部との間にリンク20をピン連結し、後側の支持ブラケット19とシートフレーム16の後部との間に別のリンク21をピン連結し、前側のリンク20の長さを、後側のリンク21の長さに対して長く設定している。
一方、図1に示すように、アクセルペダル9や後述するブレーキペダル(図10参照)を操作する乗員の脚部(踵参照)が載置されるところの可動フロア10の上下位置および可動フロア10のフロア角度を同時に調整するフロア位置調整手段としての可動フロア調整機構30を設けている。
すなわち、固定構造のフロアパネル7の上面には支持ブラケット31を取付ける一方、上下動可能な可動フロア10の下面前後の両部にはブラケット32,33を取付けて、支持ブラケット31の前部と可動フロア10側の前側のブラケット32との間にリンク34をピン連結し、支持ブラケット31の後部と可動フロア10側の後側のブラケット33との間に別のリンク35をピン連結し、後側のリンク35の長さを、前側のリンク34の長さに対して長く設定している。
つまり、フレキシブルシャフト29の回転時に、ダブルリンク構造の可動フロア調整機構30を介して可動フロア10が図5、図6、図7に示すそれぞれの位置d,f,gに調整される。この可動フロア10の上下位置および該可動フロア10のフロア角度は図1に点線、実線、仮想線で示したそれぞれの状態に対応し、図5に示す位置dは体格が大きい乗員Lの脚部載置状態に対応し、図6に示す位置fは体格が標準の乗員Mの脚部載置状態に対応し、図7に示す位置gは体格が小さい乗員Sの脚部載置状態に対応するものである。なお、図1に示すように、上述の可動フロア10の上面はフロアマット41で覆われるように構成している。ここで、ダブルリンク構造の可動フロア調整機構30において前後のリンク34,35の長さを異ならせることにより、可動フロア10の上下動と可動フロア10の角度変位とを同時に達成するように構成している。
しかも、図1に示すように、可動フロア調整機構30は、可動フロア10が上方位置gまで上昇した場合であっても、アクセルペダル9及びブレーキペダル51の軌跡lとの隙間Mが、例えば、空き缶の径に相当する隙間Mを保持可能な範囲で可動フロア位置、角度が調整される。
このペダル位置調整手段42は図8、図9に示すように構成している。
すなわち、ダッシュロアパネル6に取付けたブラケット43にペダル9の回動センタ8を構成する支軸44を介して、ペダルブラケットアッパ45を枢支し、このペダルブラケットアッパ45の下部には、回動センタ8を中心とする円弧状のガイド溝46aをもったガイド部材46を一体または一体的に取付けている。
図1に示すアクセルペダル9の低位置hは体格が大きい乗員Lに対応し、中間位置iは体格が標準(中位)の乗員Mに対応し、高位置jは体格が小さい乗員Sに対応するものであって、フレキシブルシャフト29の回転により、ウオーム50、ラック部49、スライダ47を介して、アクセルペダル9がそれぞれの位置h,i,jに調整され、このペダル位置調整手段42によりペダル9の操作角度とペダル9の踏面高さとが同時に調整される。
上述入力ギヤ53のインプット側にはインナシャフトクランプ56を介してフレキシブルシャフト29の先端を固定し、各出力ギヤ54,55のアウトプット側にはインナシャフトクランプ56A,56Bを介してアクセルペダル9側およびブレーキペダル51側のフレキシブルシャフト29A,29Bの基端をそれぞれ固定し、共通のフレキシブルシャフト29の回転時に各ギヤ53,54,55を介して、アクセルペダル9側およびブレーキペダル51側の各フレキシブルシャフト29A,29Bを同方向に回転すべく構成している。
しかも、図1に示すように、可動フロア調整機構30は、可動フロア10が上方位置gまで上昇した場合であっても、アクセルペダル9及びブレーキペダル51の軌跡lとの隙間Mが、例えば、350ミリリットルの空き缶の径に相当する隙間Mを保持可能な範囲で可動フロア位置、角度が調整される。
そこで、可動フロア10の前部側を上下動不能に枢支し、後部側のみを回動可能に構成することによって可動フロア調整機構30の簡素化を図り、車室内の高さ方向の長さを確保し、車室内空間を確保するようにしてもよい。
また、上述のように、前部側を上下動不能に枢支する際、前端を枢支するのではなく、前端よりもやや後方側を枢支して、その枢支点を中心として可動フロア10の前方側を下方側に、後方側を上方側に移動させるようにして、可動フロア10のフロア面のブレーキペダル9及びアクセルペダル51と可動フロア10のフロア面とを接近させるようにしてもよい。尚、枢支点は、乗員によるペダル操作に際し、各ペダルが最大に踏み込まれた位置(図14の可動ペダルの下端位置に相当)の下方に位置する可動フロア面10付近に設定されるものであって、これによって、最大踏み込み状態であっても乗員の踵が置かれるフロア位置の上方側への移動が確保される。
次に、実施形態2について、図11、図12に基づき説明する。
実施形態1では、シート位置調整手段17、可動フロア調整機構30及びペダル位置調整手段42,42Bは、操作レバー23の操作に連動してフレキシブルシャフト29,29A,29Bを介して調整される例を示したが、実施形態2では、シート位置調整手段17とは独立して、可動フロア調整機構30及びペダル位置調整手段42,42Bをモータ等により調整する例を示す。
図11において、シート位置調整手段17は、実施形態1と同様であるため、その説明は省略し、実施形態1とは異なる可動フロア調整機構30、ペダル位置調整手段42,42Bについて、以下、説明する。
図11において、300は可動フロア調整機構であって、車両前後方向に二分割され、ヒンジ結合された可動フロア100a、100bを後述するように上下動させ、可動フロア100a,100bの位置を調整するよう構成されている。
具体的には、固定構造のフロアパネル7の上面に基部301が設けられ、その基部301の下方における車幅方向両端には、それぞれ車両前後方向に延びる一対の第1リンク302,302(図11では、一つのみ開示)が設けられている。
第1リンク302,302の後端側は、それぞれ車幅方向両端に設けられる第2リンク303,303(図11では、一つのみ開示)を介して車幅方向に延びる第3リンク304の両端に互いに連結される。
尚、第3リンク304は、その途中においてモータ60の出力軸(不図示)と連動するようモータ60と連結されている。
尚、第5リンク306の車幅方向の途中には、可動フロア100aの背面と連結され、第1リンク302、第4リンク305,305の移動に連動して可動フロア100aの背面側を上下動させる押圧部307が車幅方向に延設されている。
しかも、図11に示すように、可動フロア調整機構300は、可動フロア100aが上方位置gまで上昇した場合であっても、アクセルペダル9及びブレーキペダル51の軌跡lとの隙間Mが、例えば、350ミリリットルの空き缶の径に相当する隙間Mを保持可能な範囲で可動フロア位置、角度が調整されるよう構成されている。
尚、図11では、フロアマット41の図示を省略している。
基本的な構造は、実施形態1と同様であるが、フレキシブルシャフト29が操作レバー23に連動される代わりに、モータ70により回動可能に連結され、ブレーキペダル9、アクセルペダル51の車両前後方向の位置を変更可能とされている。
尚、シート位置調整手段17による調整は、実施形態1と同様であるため、その説明は省略する。
ステップS2でYESと判定された時は、ステップS3に進み、第1リンク302が車両前方側に移動するようにモータ60を駆動し、可動フロア100a、100bを緩やかな略V字状とし、図12中dで示す下方位置へ移動させる。
続く、ステップS4では、ブラケット43が上方側に移動するようにモータ70を駆動し、ペダル9,51を図12中hで示す位置へ移動させる。
ステップS5でYESと判定された時、つまり、シート4の位置が中間位置bにある場合、ステップS6に進み、第1リンク302を図11中実線で示す位置になるようモータ60を駆動し、可動フロア100a、100bをフラットとし、図12中fで示す中間位置へ移動させる。
続く、ステップS7では、ブラケット43を中間付近に移動するようにモータ70を駆動し、図12中iで示す位置へ移動させる。
続く、ステップS9では、ブラケット43が下方側に移動するようにモータ70を駆動し、ペダル9,51を図12中jで示す位置へ移動する。
例えば、体格が小さい乗員Sの場合ステアリング位置を下げ、体格が大きな乗員Lの場合ステアリング位置を上げ、体格が中位な乗員Mの場合ステアリング位置を中間位置にすればよい。
9:アクセルペダル(車両操作用ペダル)
10,10a,10b,100,100a,100b:可動フロア
17:シート位置調整手段
30,300:可動フロア調整機構(フロア傾斜手段)
42,42B,420,420B:ペダル位置調整手段
51:ブレーキペダル(車両操作用ペダル)
M:隙間
Claims (5)
- 車両操作用ペダルと乗員の踵との高さを調整可能な調整装置を備えた自動車の運転姿勢調整装置であって、
上記調整装置は、車体に対する位置及び角度を調整可能に設けられた可動フロアと、
該可動フロアのフロア面と上記車両操作用ペダルの軌跡との間に所定以上の隙間を保持可能な範囲で、上記車両操作用ペダルと上記可動フロアのフロア面とが接近する程当該可動フロアのフロア面を前傾方向に傾斜させるフロア傾斜手段とを備えることを特徴とする自動車の運転姿勢調整装置。 - 上記車両操作用ペダルは、上記可動フロアのフロア面に対して上下動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用乗員保護装置。
- 上記車両操作用ペダルは、ブレーキペダルであることを特徴とする請求項1に車両用乗員保護装置。
- 上記フロア傾斜手段は、上記可動フロアの前部と後部とを連動して上下動させるとともに、上方に移動する程上記フロア面を前傾させるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用乗員保護装置。
- 上記フロア傾斜手段は、上記可動フロアの前部が上下動不能に枢支されるとともに、当該可動フロアの前部を中心に後部が上下に回動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用乗員保護装置。
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