JP2005271578A - 複合セラミックグリーンシート、セラミック焼成体、ガスセンサ素子、ガスセンサ、複合セラミックグリーンシートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複合セラミックグリーンシートCG1は、アルミナ等の第1シート材料3からなるアルミナシート部分R1と、これとは焼成挙動が異なるジルコニア等の第2シート材料4からなるジルコニアシート部分R2とが、拡がり方向に互いに隣り合っている。アルミナシート部分R1とジルコニアシート部分R2とは、その間に、第1シート材料3と第2シート材料4とが、その厚さST1の2倍以上の混在寸法SMW1に亘って混在してなる混在部RMを介して隣り合い、互いに一体化してなる。
【選択図】 図6
Description
この特許文献1には、セラミックグリーンシートの製法の1つとして、第1及び第2のスラリを準備し、ドクターブレード法を用いて、第1及び第2のスラリを互いに接した状態で平行してキャスティングすることにより複合セラミックグリーンシートを得る手法(請求項1、図12参照)が記載されている。
なお、この固体電解質セラミック材をガスセンサ素子等に利用するには、この固体電解質セラミック材の表面に電極を設け、イオン伝導に伴って電極間に生じる電位差を捉える必要がある。一方、この電極と導通する配線を引き回すには、絶縁体、特に、アルミナ等の絶縁性セラミック上に印刷等によって形成した配線を用いるのが好ましい。
ところが、ジルコニアなどの固体電解質セラミック材と、アルミナなどの絶縁性セラミック材とは、熱膨張率が異なるなど、グリーンシートを焼成した場合の焼成挙動が異なるため、1枚のグリーンシート内に、固体電解質セラミック材料からなるシート部分と絶縁性セラミック材料からなるシート部分を隣接して設けると、上述のように、両者を跨ぐあるいは沿うようにクラックが生じる場合がある。
しかるに、固体電解質セラミック層の表面(絶縁性セラミック層とは逆側の面)に電極を形成した場合に、この電極を、固体電解質セラミック層と積層した絶縁性セラミック層
の表面に形成したパッドにまでつなげるのに、困難な点があった。即ち、固体電解質セラミック層上に電極を引き出すための配線層を形成したり、固体電解質セラミック層を貫通するビア導体あるいは側面を経由する側面導体を形成して、電極と絶縁性セラミック層上のパッドとを接続したいのである。しかし、固体電解質セラミック層が高温となる部分ではイオン伝導性を帯びるため、配線層やビア導体を固体電解質セラミック層上に直接形成すると、これらと電極とが固体電解質セラミック層を介して導通してしまう。このため、配線層やビア導体や側面導体を、固体電解質セラミック層上に直接形成することができない。
また、クラック等のない信頼性の高いセラミック焼結体を提供することを目的とする。
さらに、クラック等のない信頼性の高いガスセンサ素子を提供することを目的とする。
さらに、信頼性の高いガスセンサ素子を用いたガスセンサを提供することを目的とする。
さらに、亀裂のない複合セラミックグリーンシートを製造する製造方法を提供することを目的とする。
このため、この複合セラミックグリーンシートを打ち抜き、屈曲、巻き付けなどにより
所定形状に成形したり、この複合セラミックグリーンシートの各部に電極その他を形成したり、あるいは他のセラミックグリーンシートや部材と積層等によって一体化したりする。そしてその後に、この複合セラミックグリーンシートからなる未焼成セラミック成形体、あるいはこれを他のシートや部材とともに一体化してなる未焼成セラミック成形体を焼成した場合に、第1シート部分と第2シート部分とに相当するセラミック部分同士の間を跨ぐあるいは沿うようにしてクラックが生じたセラミック焼結体となったり、セラミック焼結体に応力が掛かった場合に容易にこの部分で破断するなどの不具合が抑制され、信頼性の高いセラミック焼成体を形成することができる。
なお、混在部として、第1シート材料と第2シート材料とが、この混在部の厚さの2倍以上の寸法に亘って混在しているものとしたが、より好ましくは厚さの3倍以上の寸法、さらに好ましくは5倍以上の寸法とすると良い。第1シート部分と第2シート部分の焼成挙動の違いを、より広い範囲で吸収することができるからである。
また、シート材料としては、セラミックグリーンシートのシート部分を構成する材料を指し、セラミック材料(セラミック粉末)、バインダ、気孔化剤等の添加物等、スラリを乾燥した際に残留する水、アルコール、有機溶媒等の溶媒などが挙げられる。
このうち、セラミック材料としては、具体的には、アルミナ、ジルコニア、金属酸化物半導体セラミック(例えば、TiO2やSnO2)などが挙げられる。
また、焼成挙動とは、複合セラミックグリーンシートの焼成に際して、シート部分が示す挙動を指す。例えば、セラミック材料の焼結開始温度や焼成収縮率、焼結後の降温期間における熱収縮量を決定するセラミック材の熱膨張率、脱バインダ工程における脱脂開始温度(バインダ分解温度)などでその挙動の様子が与えられる。
このように、焼成挙動の異なるセラミック材料を用いても、混在部を備えることで、焼成後にクラック等が生じない、信頼性の高いセラミック焼結体を提供することができる。
このような形態の複合セラミックグリーンシートとすると、確実に焼成挙動の急変を防止でき、セラミック焼結体の一方のシート部分であった部位と他方のシート部分であった部位との間にクラックが生じる不具合を確実に防止することができる。
なお、第1シート材料と第2シート材料とが互いに入り組んだ形態としては、この混在部のうち、第1シート部分に近い側から第2シート部分に近い側に向かう方向及び厚さ方向に沿う断面において、例えば、第1シート材料と第2シート材料の界面がS字状(ジグザグ状)となる形態や、第1シート材料と第2シート材料とが、墨流しの紋様や渦巻き状の紋様として現れる形態など、2種類のシート材料を不均一に混ぜ合わせた際に生じる紋様が現れる形態が挙げられる。
このため、この複合セラミックグリーンシートを焼成した場合には、焼成挙動において、混在部は、第1シート部分と第2シート部分の中間の焼成挙動を示すこととなり、第1シート部分と第2シート部分の焼成挙動の違いに伴う応力の発生などを緩和して、亀裂などを生じさせにくい複合セラミックグリーンシートとなる。
これに対し、本発明のグリーンシートでは、着色により第1シート部分と第2シート部分とが識別可能とされてなる。このため、第1シート部分と第2シート部分との間において、シート部分やその境界(混在部)の識別容易となり、このグリーンシートの取り扱いが容易となる。
また、シート部分の着色の手法としては、例えば、グリーンシートの製造後、第1シート部分に塗料を塗布して着色することも考えられるが、着色したいシート部分となるスラリについて、着色剤として染料あるいは顔料を添加して、スラリ自身を着色するのが好ましい。
さらに、着色剤としては、ローダミンなど、焼成時の加熱や酸化により、揮発、ガス化等して、焼成後のセラミック層内には残留しない特性を有する有機系などの染料を用いるのが好ましい。シート部分を着色により識別可能とすることができる一方、焼成後のセラミック層の特性に影響を及ぼす虞がないからである。
しかし、固体電解質セラミック材を用いる場合には、この固体電解質セラミック材がイオン伝導性を帯びるため、この固体電解質セラミック材の表面上に直接配線を形成する形で、配線を平面方向に引き回したり、あるいはビア導体や側面配線などを用いて固体電解質セラミック材の厚さ方向に配線を引き回すのは困難である。このため、電極が形成される表面以外の表面に絶縁コートを施して、その上に配線を形成したり、固体電解質セラミック層を十分に大きくするなど、固体電解質セラミック材を含むセラミック焼結体のコンパクト化に支障を来したり、ビア導体等の作製が面倒であるためコストアップとなるなどの不具合があった。
なお、絶縁性セラミック材料としては、例えば、アルミナ、ムライト、窒化珪素等のセラミック材料が挙げられる。
また、固体電解質セラミック材料としては、ジルコニアなどが挙げられる。
さらに、このガスセンサ素子では、固体電解質セラミック領域と絶縁性セラミック領域と混合領域とが、単一の複合セラミック層となる。そして、固体電解質セラミック領域に形成した表面電極及び裏面電極を、混在領域の表面及び裏面を通って、この固体電解質セラミック領域に隣り合う絶縁性セラミック領域の表面及び裏面まで、表面配線及び裏面配線により引き出している。このため、固体電解質セラミック領域の大きさを必要以上に大きくしたり、固体電解質セラミック層との絶縁をしたビア導体や側面導体など複雑な形状のビア導体等を形成する必要がなく、コンパクトで、配線構成が簡単なガスセンサ素子となる。
なお、第1,第2セラミック材は、焼成挙動が異なる材質で有れば良く、化学的組成としては、異種である場合(例えば、ジルコニアとアルミナ)が典型的であるが、同種(例えば、アルミナ同士)であっても、例えば、粒径、気孔率等が異なることにより、焼成挙動が異なれば該当する。
さらには、上記セラミック焼結体であって、前記混在領域は、前記第1領域に近い側から前記第2領域に近い側に向かって、前記第1セラミック材からなる部分の厚さが減少する一方、前記第2セラミック材からなる部分の厚さが増加する形態にされてなるセラミック焼結体とするのが好ましい。このセラミック焼結体によれば、さらに確実にクラック等のない、またクラックの生じにくい、信頼性の高いセラミック焼結体となし得る。
このようにすることで、第1セラミック層と複合セラミック層との間、特に、第1セラミック層と複合セラミック層の混在領域との間に、焼成挙動の違いによって生じる応力をより少なくすることができ、このような応力によって生じるクラックをも抑制することができる。
引き出された表面配線を、その裏面に上記裏面電極から引き出された裏面配線を備えるガスセンサ素子である。
さらに、セラミック層の少なくともいずれかは、固体電解質セラミック領域と絶縁性セラミック領域と混合領域とが、単一の複合セラミック層となっており、固体電解質セラミック領域に形成した表面電極及び裏面電極を、混在領域及び絶縁性セラミック領域に引き出す表面配線及び裏面配線を有する。このため、固体電解質セラミック領域の大きさを必要以上に大きくしたり、固体電解質セラミック層との絶縁をしたビア導体や側面導体など複雑な形状のビア導体等を形成する必要がなく、コンパクトで、配線構成が簡単なガスセンサ素子となる。
なお、固体電解質セラミック材と絶縁性セラミック材とは、焼結開始温度、焼結収縮率、熱膨張率などの点で両者に差異があるため、焼成挙動が異なる。
さらには、この混在領域は、前記固体電解質セラミック領域に近い側から絶縁性セラミック領域に近い側に向かって、固体電解質セラミック材からなる部分の厚さが減少する一方、絶縁性セラミック材からなる部分の厚さが増加する形態にされてなるのが好ましい。
あるいは、混在領域は、固体電解質セラミック材と絶縁性セラミック材とが互いに入り組んだ形態にされてなるのが好ましい。これらのガスセンサ素子では、クラック等が生じにくい。
このようにすることで、絶縁性セラミック層と複合セラミック層との間、特に、絶縁性セラミック層と複合セラミック層の混在領域との間に、焼成挙動の違いによって生じる応力をより少なくすることができ、このような応力によって生じるクラックをも抑制することができる。
ガスセンサ素子がヒータ配線を有する場合、ヒータ配線を流れる電流が、絶縁性セラミック層を通って漏れると、この漏れ電流により、固体電解質セラミック領域の表面電極と裏面電極との間に生じるセンサ出力が影響を受け、適切な出力を得にくくなるおそれがある。
これに対し、本発明のガスセンサ素子では、複合セラミック層の混在領域において、絶縁性セラミック層に接する面積について、絶縁性セラミック材の方が固体電解質セラミック材よりも大きくしているので、その分、漏れ電流が生じにくく、その影響を小さくすることができる。
このガスセンサでは、上述のガスセンサ素子を用いているので、コンパクトで安価なガスセンサとなし得る。
このため、第1,第2スラリが乾燥によりシートとなるに際して、シート成形挙動が異なっていても、スラリ混在部により収縮の度合いなどの挙動の違いが緩和され、出来上がったグリーンシートで見て、第1シート部分と第2シート部分との界面に亀裂が生じることが防止される。
また、シート成形挙動が異なるとは、比較する2つのスラリ間でシート成形挙動が異なることを言う。例えば、スラリに含まれる溶媒(水、アルコール、有機溶媒など)の気化熱、蒸発温度や蒸発速度の違い、セラミック粉末の材質、粒径、比表面積などの違い、バインダ等の材質の違いなどが異なることにより、収縮の早さや収縮割合の変化などのシート成形挙動が互いに異なる場合が生じる。例えば、一方のスラリが相対的に早く乾燥するために、このスラリが相対的に先に収縮する場合などが挙げられる。また、スラリに含まれる溶媒とセラミック粉末及びバインダの組成比の違いによっても挙動の違いが生じる場合がある。
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図6を参照して説明する。まず、本発明にかかる複合セラミックグリーンシートCGの製造について説明する。本実施例では、複合セラミックグリーンシートCG1の製造に、図1〜図4を参照して説明するリップコータ型のシート製造装置10を用いる場合について説明する。このシート製造装置10は、ローラ12の図中矢印に示す方向(時計方向)の回転によって送られる、長尺、帯状のウェブWの一方面(図1中、下面)に第1スラリ1及び第2スラリ2を帯状に塗工し、これを乾燥させて複合セラミックグリーンシートCG(CG1)を作製する。
また、第1スラリ1には、ごく僅かに、着色剤として赤色を呈するローダミンを添加しているため、ピンク色を呈する。一方、第2スラリ2は、白色を呈する。なお、このローダミンは、後述する複合セラミック層の焼結の際に、分解、燃焼してガス化するため、焼成後のアルミナセラミック領域には、残留しない。
チューブ30を通じて圧送されたスラリは、スラリ注入路24を通じて第1溜め室22に注入され、さらに、スラリ流出路26を通じて、スラリ流出口28から、第2溜め室42内に注入され、エッジ19に導かれる。
なお、壁部材40に取り付けられた圧力センサ46によって、スラリにかけられた圧力を計測し、これを一定とするように制御をすることで、スラリの塗工厚さを一定とするようにされている。
28C,28D,28Eがそれぞれ開口している。
従って、仕切り部材50(501等)の先端面52(521等)とエッジ19との間に、図1に示すように、ウェブWの幅方向に仕切り部材が位置していない混合空間44が形成されている。
なお、第1,第2シート材料3,4は、第1スラリ1あるいは第2スラリ2から、製膜の際に乾燥により除去された分の溶媒を除いた材料であり、具体的には、第1,第2スラリ1,2の内から水を除いた成分であり、主として、セラミック材料とバインダ及び着色
剤等とからなり、若干の水を含む。
即ち、第1,第2スラリ1,2は、ウェブW上に塗工された後、乾燥されてグリーンシートとなる。この際、溶媒(本実施例1では、水)が蒸発するため、その厚さが薄くなる(収縮する)と共に、平面方向(ウェブWに沿う方向)にも収縮する。しかるに、第1スラリ1と第2スラリ2とでは、含まれる溶媒(水)の割合や含まれているセラミック材その他が異なり、乾燥時の収縮の早さも異なる。つまり、第1,第2スラリ1,2は、これらをシートに成形する際の挙動が互いに異なる。
即ち、第1シート材料3と第2シート材料4とは、複合セラミックグリーンシートCG1を焼成する際に、焼成収縮を起こし、その厚さが薄くなる(収縮する)と共に、平面方向にも収縮する。しかるに、第1シート材料3と第2シート材料4とでは、含まれるセラミック材料の化学的組成(アルミナセラミック材料とジルコニア固体電解質セラミック材
料)の違いや、含まれているバインダその他の量が異なり、焼結開始温度や、焼結時の収縮の早さ、焼結後の熱膨張率に起因して生じる熱収縮量などが異なる。つまり、第1,第2シート材料3,4は、これらを焼結する際の焼成挙動が互いに異なる。
このため、この複合セラミックグリーンシートGC1を焼成した場合には、焼成挙動において、セラミック成分の点から見ても、混在部RMは、第1シート部分3と第2シート部分4の中間の焼成挙動を示すこととなり、第1シート部分3と第2シート部分3の焼成挙動の違いに伴う応力の発生などを緩和して、亀裂などを生じさせにくい複合セラミック層FC1を得ることができる。
さらに、混在部RMにおける第1シート材料3と第2シート材料4との混在の形態(あるいは、混在領域CMにおけるアルミナセラミック材5とジルコニア固体電解質セラミック材6の混在の形態)としては、図7に示すように、界面BS(CS)が断面S字状などジグザグになるようにしても良い。この場合にも、複合セラミックグリーンシートCG2において、その厚さST2に対し、混在部RMの混在寸法SMW2を2倍以上としておく。
また、混在領域CMにおいて、グリーンシートCG2を焼成した複合セラミック層FC2について、クラックの発生を防止することができると考えられる。アルミナセラミック材5とジルコニア固体電解質セラミック材6との界面CSを大きく取れるので、これらの焼成挙動の違いがこの部分で緩和されるためと考えられる。
さらに、前述のシート製造装置10において、仕切り部材50に代えて、図8に示す仕切り部材150を用いることもできる。この仕切り部材150を用い、第1,第2スラリ1,2の粘度や圧送の圧力等を調整すると、図9に示す複合セラミックグリーンシートCG3を製造することができる。この仕切り部材150の第1側面153及び第2側面154にV字状の切り欠き156,157を形成したことで、この第1,第2側面153,154に沿ってそれぞれ流れる第1,第2スラリ1,2の流れに乱れや渦が生じるため、混合空間44において、第1,第2スラリ1,2が不規則に混合されて両者の界面BSが乱れるためであると考えられる。
また、混在領域CMにおいて、グリーンシートCG3を焼成した複合セラミック層FC3についてクラックの発生を防止することができると考えられる。アルミナセラミック材5とジルコニア固体電解質セラミック材6との界面CSが複雑に入り組んで、その面積が特に大きく取れるため、これらの焼成挙動の違いがこの部分で緩和されるためと考えられる。
その前に、従来のガスセンサ素子GSの構造について、図10を参照して説明する。このガスセンサ素子GSは、ジルコニア固体電解質セラミック材からなる第1,第2ジルコニア固体電解質層Z1,Z2を基本として構成されるガスセンサ素子であり、このうち、第1ジルコニア固体電解質層Z1(以下、単に層Z1ともいう)は、ガス検知のための固体電解質体として機能する。一方、第2ジルコニア固体電解質層Z2は、層Z1の補強のために用いられる。
第1ジルコニア固体電解質層Z1には、貫通孔ZTH1が穿孔され、その表面(図中上方の面)Z1bには、アルミナペーストを塗布し、同時焼成によって形成された第1アルミナ絶縁コート層AL1が配置されている。この第1アルミナ絶縁コート層AL1には、貫通孔ZTH1と対応する位置に貫通孔ATH1が形成され、また、先端側(図中右側)には、矩形状の電極用窓AH1が形成されている。
同様に、第1ジルコニア固体電解質層Z1の裏面(図中下方の面)Z1cにも、アルミナペーストの塗布、同時焼成によって形成された第2アルミナ絶縁コート層AL2が配置されている。この第2アルミナ絶縁コート層AL2にも、貫通孔ZTH1と対応する位置
に貫通孔ATH2が形成され、また、先端側(図中右側)には、矩形状の電極用窓AH2が形成されている。
同様に、第4電極層EL4の先端部分に位置する幅広矩形状の電極部EL4Aも、第2アルミナ絶縁コート層AL2の電極用窓AH2を介して、直接、第1ジルコニア固体電解質層Z1の裏面Z1cに接しており、第1電極層EL1の電極部EL1Aと対向している。一方、第4電極層EL4のうち、第2アルミナ絶縁コート層AL2が介在している部分では、第1ジルコニア固体電解質層Z1とは絶縁されている。また、やや幅広とされたパッド部EL4Bも電極パッド部を構成している。そして、電極部EL4Aとパッド部EL4Bとの間が、やや幅細の配線部EL4Cで結ばれている。
但し、第1ジルコニア固体電解質層Z1はイオン伝導性を有する固体電解質であるため、スルーホール電極層EL3を第1ジルコニア固体電解質層Z1から絶縁するために、貫通孔ZTH1の内壁面には、アルミナペーストを塗布焼成したアルミナ絶縁スルーホール層AL4が形成してあり、その内側にスルーホール電極層EL3が形成されている。
さらに、第4電極層EL4の下方には、補強用の第2ジルコニア固体電解質層Z2が設けられている。
また、層Z1の貫通孔ZTH1内でも絶縁のために、アルミナ絶縁スルーホール層AL4を形成した上で、その内側にスルーホール電極層EL3を形成していた。このため、ここでも、構造も製造工程も複雑とならざるを得なかった。
さらに、スルーホール電極層EL3を層Z1と確実に絶縁するためには、アルミナ絶縁スルーホール層AL4を確実に形成し、しかも、その内部にスルーホール電極層EL3を形成可能とする必要がある。そのためには、貫通孔ZTH1の径を大きくせざるを得ない。従って、ガスセンサ素子の小型化の障害ともなっていた。
これに対し、図11に示すガスセンサ素子100は、容易に理解できるように、簡単な構造で、小型となっている。このガスセンサ素子100について説明する。
このガスセンサ素子100は、アルミナセラミック材5とジルコニア固体電解質セラミック材6とが複合された複合セラミック層101,111を基本として構成されるガスセンサ素子である。このうち、第1複合セラミック層101のジルコニア固体電解質セラミック材6(ジルコニア領域C2)は、ガス検知のための固体電解質体として機能する。一方、第2複合セラミック層111は、複合セラミック層101の補強のために用いられる。
同様に、第4電極層124は、その先端部分に位置し幅広矩形状の電極部124Aが、直接、第1複合セラミック層101のジルコニア領域C2の裏面に接している。一方、第4電極層124のうち、電極部124Aよりも基端側(図中左側)に引き出された部分は、少なくともアルミナ領域C1の裏面の位置、具体的にはパッド部124Bにおいて、ジルコニア固体電解質セラミック材6とは絶縁している。なお、このパッド部124Bは、ビア導体123を通じて次述する第2電極層122に接続するための電極パッド部を構成している。そして、電極部124Aとパッド部124Bとの間は、やや幅細の配線部124Cで結ばれている。
なお、前述の従来例と異なり、ビア導体123をジルコニア固体電解質セラミック材6と絶縁するために、アルミナ絶縁スルーホール層を形成しておく必要はない。貫通孔106は、絶縁性のあるアルミナ領域C1に形成されているからである。
さらに、第4電極層124の下方には、補強用の第2複合セラミック層111が設けられている。
また、ビア導体123とジルコニア固体電解質セラミック材との絶縁を図る必要がないので、アルミナ絶縁スルーホール層を形成する必要もなく、この点でも構造も製造工程も簡単である。
さらに、アルミナ絶縁スルーホール層を形成する必要がないので、貫通孔106の径が小さくて足り、ガスセンサ素子の小型化にも有利である。
実際、図10と図11とを比較すれば容易に理解できるように、本実施例2のガスセンサ素子100では、大幅な小型化が可能である。
あるいは、前述の実施例1,変形例1,2にかかる複合セラミックグリーンシートCG1等を用いて、下記のガスセンサ素子(セラミック焼結体)200(図12参照)を製造することもできる。
このガスセンサ素子200は、上述したように、大別して、ガスセンサとして機能するガスセンサ素子部280と、このジルコニア固体電解質セラミック材を加熱するためのヒータ部290とからなる。
この第2複合セラミック層211は、緻密質アルミナ領域CA1が、主として複合セラミック層201の補強のために、多孔質アルミナ領域CA2が、ジルコニア領域C2表面及び次述する電極部241Aへのガス流通を確保しつつ、これらのリンやケイ素などの被毒物質からの化学的な保護のために用いられる。
同様に、第4電極層251は、その先端部分に位置し幅広矩形状の電極部251Aが、直接、第1複合セラミック層201のジルコニア領域C2の裏面に接している。一方、第4電極層251のうち、電極部251Aよりも基端側(図中左側)に引き出された部分は、少なくともアルミナ領域C1の裏面の位置、具体的にはパッド部251Bにおいて、ジルコニア固体電解質セラミック材6とは絶縁している。なお、このパッド部251Bは、ビア導体223を通じて次述する第2電極層242に接続するための電極パッド部を構成している。そして、電極部251Aとパッド部251Bとの間は、配線部251Cで結ばれている。
なお、実施例2と同じく、また前述の従来例と異なり、ビア導体223をジルコニア固体電解質セラミック材6と絶縁するために、アルミナ絶縁スルーホール層を形成しておく必要はない。貫通孔206は、絶縁性のあるアルミナ領域C1に形成されているからである。
さらに、第1,第2電極層241,242の上方には、補強等のための前述した第2複合セラミック層211が設けられている。
なお、このヒータ部290は、ガスセンサ素子部280の補強にもなっている。
ついで、上述した実施例3にかかるガスセンサ素子の変形例について説明する。上述したガスセンサ素子200では、第1複合セラミック層201のほかに、緻密質アルミナ領域CA1と、多孔質アルミナ領域CA2と、緻密質アルミナセラミック材7と多孔質アルミナセラミック材8とが混在する混在領域CAMからなる第2複合セラミック層211をこれに積層している(図12参照)。
これに対し、本変形例3のガスセンサ素子400(図14参照)では、ガスセンサ素子部480において、この第2複合セラミック層211に代えて、第1電極層241の電極部241Aへのガス流通を確保しつつ、電極部241Aや配線部241Bをリンやケイ素などの被毒物質から化学的に保護するために、印刷あるいは溶射によってアルミナ保護層411を形成してなる点で異なる。
即ち、第1複合セラミック層401は、アルミナセラミック材5からなるアルミナ領域C1と、ジルコニア固体電解質セラミック材6からなるジルコニア領域C2と、これらの間に介在し、アルミナセラミック材5とジルコニア固体電解質セラミック材6とが混在する混在領域CMとからなる。この点は実施例3と同じである。但し、本変形例3では、混在領域CMにおいて、この第1複合セラミック層401と同時焼成される第1アルミナ層221と、アルミナセラミック材5とが接するように、第1複合セラミック層401の、即ち、複合セラミックグリーンシートCG1の表裏を考慮して積層してある。
これに対し、本変形例3のガスセンサ素子400では、第1複合セラミック層401の混在領域CMにおいて、第1アルミナ層221にアルミナセラミック材5が接するようにして積層してある。このため、これとは逆にした場合(実施例3,図12参照)に比して、漏れ電流が第1電極層241に流れ込みにくくなり、その影響を小さくすることができる。
ついで、実施例4にかかるガスセンサ300について説明する。本実施例4のガスセンサ300は、上述した実施例3のガスセンサ素子200(12参照)または変形例3のガスセンサ素子400(図14参照)を用いたガスセンサである。
このガスセンサ300は、内燃機関の排ガス管に取り付けて、排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサである。このガスセンサ300は、具体的には、図13に示すように、軸線C方向に延びるガスセンサ素子200(400)、その後端側(図中上方)に取り付けられたセラミックセパレータ373と金属端子372とからなる端子ユニット371、ガスセンサ素子200の周囲を取り囲む主体金具311、主体金具311の先端側に取り付けられたプロテクタ341、主体金具311の後端側に取り付けられた金属外筒351等から構成されている。
また、プロテクタ341は、ガスセンサ素子200(400)の先端部、つまり、ジルコニア領域C2を間隙を介して覆い、内側ガス導入孔343Kが形成された有底筒状の内側カバー部343と、その外周に配置され、外側ガス導入孔345Kが形成された有底筒状の外側カバー部345とを有する。
嵌入されている。このグロメット381には4本のリード線361が挿通されており、金属外筒351がカシメ部357で加締められることにより、グロメット381と金属外筒351との間及び各リード線361との間のシール性が保持されている。
また、端子ユニット371は、ガスセンサ素子200(400)の基端部を4つの金属端子372で挟持しており、各金属端子372は、それぞれガスセンサ素子200(400)のパッド部241B,第2電極242,パッド層271,272に接続している。
例えば、実施例1及び変形例1,2では、リップコータ型のシート製造装置10を用い、スラリに圧力をかけながら、ドクタエッジ部18(エッジ19)までスラリを導いたが、スラリ(第1,第2スラリ1,2)をウェブWに塗工できる手法であれば良い。つまり、いわゆるドクタブレード法など適宜の手法を用い、ブレード(エッジ)に至るまでに、混合空間において、第1スラリと第2スラリとを混合し、複合セラミックグリーンシートを作製することができる。
また、実施例2,3及び変形例3では、ガスセンサ素子を、実施例4では、ガスセンサ素子を用いたガスセンサを例示したが、ガスセンサ素子について他の形態であっても良く、同様にガスセンサについて他の形態であっても良い。
16 ヘッド本体
18 ドクタエッジ部
19 エッジ
20 蓋体
22 第1溜め室
28,28A,28B,28C,28D,28E スラリ流出口
42,42A,42B,42C,42D,42E 第2溜め室
44,441,442,443,444 混合空間
50,501,502,503,504,150 仕切り部材
52,521,522,523,524,152 (仕切り部材の)先端面
W ウェブ
1 第1スラリ
2 第2スラリ
3 第1シート材料
4 第2シート材料
5 アルミナセラミック材
6 ジルコニア固体電解質セラミック材
7 緻密質アルミナセラミック材
8 多孔質アルミナセラミック材
CG,CG1,CG2,CG3 複合セラミックグリーンシート
BS,CS 界面
SL 分離区間
SN 混合区間
R1,R11,R12,R13 アルミナシート部分(第1シート部分、絶縁性セラミックシート部分)
R2,R21,R22 ジルコニアシート部分(第2シート部分、固体電解質セラミックシート部分)
RM,RM1,RM2,RM3,RM4 混在部
ST1,ST2,ST3 シート厚み
SMW1,SMW2,SMW3 混在寸法
GS,100,200,400 ガスセンサ素子(セラミック焼結体)
FC1,FC2,FC3,101,111,201,211,401 複合セラミック層
C1 アルミナ領域(第1セラミック領域、絶縁性セラミック領域)
C2 ジルコニア領域(第2セラミック領域、固体電解質セラミック領域)
CM 混在領域
CA1 緻密アルミナ領域(第1セラミック領域)
CA2 多孔質アルミナ領域(第2セラミック領域)
CAM (緻密質アルミナと多孔質アルミナの)混在領域
106,206,236,406 貫通孔
221,231 アルミナ層
121,122,124,241,242,251 電極層
121A,241A 電極部(表面電極)
124A,251A 電極部(裏面電極)
121B,241B パッド部(表面配線)
124B,251B パッド部(裏面配線)
121C,241C 配線部(表面配線)
124C,251C 配線部(裏面配線)
123,223,237,423 ビア導体
280,480 ガスセンサ素子部
290 ヒータ部
300 ガスセンサ
311 主体金具
341 プロテクタ
351 金属外筒
357 カシメ部
361 リード
371 端子ユニット
372 金属端子
373 セパレータ
381 グロメット
Claims (17)
- 第1シート材料からなる第1シート部分と、第2シート材料からなり上記第1シート部分に対して焼成挙動が異なる第2シート部分とが、拡がり方向に互いに隣り合う複合セラミックグリーンシートであって、
上記第1シート部分と第2シート部分とは、
これらの間に介在する混在部であって、上記第1シート材料と第2シート材料とが、少なくともその厚さの2倍以上の寸法に亘って混在してなる混在部を介して隣り合い、
互いに一体化してなる
複合セラミックグリーンシート。 - 請求項1に記載の複合セラミックグリーンシートであって、
前記混在部は、
前記第1シート部分に近い側から前記第2シート部分に近い側に向かって、
前記第1シート材料の上記混在部に含まれる割合が減少する一方、
前記第2シート材料の上記混在部に含まれる割合が増加する
形態に構成されてなる
複合セラミックグリーンシート。 - 請求項1に記載の複合セラミックグリーンシートであって、
前記混在部は、
前記第1シート材料と前記第2シート材料とが互いに入り組んだ形態にされてなる複合セラミックグリーンシート。 - 請求項1に記載の複合セラミックグリーンシートであって、
前記第1シート材料のセラミック成分のうち主成分をなす第1セラミック成分が、前記混在部におけるセラミック成分中に占める割合は、前記第1シート部分におけるセラミック成分中に占める割合よりも少なく、
前記第2シート材料のセラミック成分のうち主成分をなし、上記第1セラミック成分とは焼成挙動の異なる第2セラミック成分が、上記混在部におけるセラミック成分中に占める割合は、前記第2シート部分におけるセラミック成分中に占める割合よりも少なくされてなる
複合セラミックグリーンシート。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の複合セラミックグリーンシートであって、
前記第1シート部分及び第2シート部分のうち、少なくともいずれかが着色されて、上記第1シート部分と第2シート部分とが互いに識別可能にされてなる
複合セラミックグリーンシート。 - 請求項5に記載の複合セラミックグリーンシートであって、
前記第1シート材料及び第2シート材料のうち、少なくともいずれかが着色されて、互いに識別可能とされてなる
複合セラミックグリーンシート。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の複合セラミックグリーンシートであって、
前記第1シート部分は、固体電解質セラミック材料からなる固体電解質セラミックシート部分であり、
前記第2シート部分は、絶縁性セラミック材料からなる絶縁性セラミックシート部分である
複合セラミックグリーンシート。 - セラミック焼結体であって、
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の複合セラミックグリーンシートを含む未焼成セラミック成形体を焼成してなる
セラミック焼結体。 - ガスセンサ素子であって、
請求項7に記載の複合セラミックグリーンシートを含む未焼成ガスセンサ素子成形体を焼成してなり、
上記複合セラミックグリーンシートを焼成してなる複合セラミック層のうち、
前記固体電解質セラミックシート部分を焼成してなる固体電解質セラミック領域には、その表面に表面電極を、その裏面に裏面電極を備え、
前記絶縁性セラミックシート部分を焼成してなる絶縁性セラミック領域及び前記混在部を焼成してなる混在領域には、その表面に上記表面電極から引き出された表面配線を、その裏面に上記裏面電極から引き出された裏面配線を備える
ガスセンサ素子。 - ガスセンサ素子を含み、このガスセンサ素子で特定ガスの検知を行うガスセンサであって、
上記ガスセンサ素子は、請求項9に記載のガスセンサ素子である
ガスセンサ。 - 1または複数のセラミック層を有するセラミック焼結体であって、
上記セラミック層の少なくともいずれかは、そのセラミック層の拡がり方向に、
第1セラミック材からなる第1領域と、
上記第1セラミック材とは焼成挙動が異なる第2セラミック材からなる第2領域と、
上記第1領域及び第2領域の間に介在する混在領域であって、上記第1セラミック材と第2セラミック材とが、少なくともその厚さの2倍以上の寸法に亘って混在してなる混在領域と、を含み、
上記第1領域と混在領域と第2領域とが互いに一体化した単一の複合セラミック層である
セラミック焼結体。 - 請求項11に記載のセラミック焼結体であって、
前記第1セラミック材からなる第1セラミック層と、
上記第1セラミック層と積層され一体焼結された前記複合セラミック層とを有し、
上記複合セラミック層は、
前記混在領域のうち、上記第1セラミック層に接している部分において、上記第1セラミック材の方が、前記第2セラミック材よりも、広い面積で上記第1セラミック層に接してなる
セラミック焼結体。 - 1または複数のセラミック層を有するガスセンサ素子であって、
上記セラミック層の少なくともいずれかは、そのセラミック層の拡がり方向に、
固体電解質セラミック材からなる固体電解質セラミック領域と、
上記固体電解質セラミック材とは焼成挙動が異なる絶縁性セラミック材からなる絶縁性セラミック領域と、
上記固体電解質セラミック領域及び絶縁性セラミック領域の間に介在する混在領域であって、上記固体電解質セラミック材と絶縁性セラミック材とが、少なくともその厚さの2倍以上の寸法に亘って混在してなる混在領域と、を含み、
上記固体電解質セラミック領域と混在領域と絶縁性セラミック領域とが互いに一体化した複合セラミック層であり、
上記複合セラミック層のうち、
上記固体電解質セラミック領域には、その表面に表面電極を、その裏面に裏面電極を備え、
上記絶縁性セラミック領域及び混在領域には、その表面に上記表面電極から引き出された表面配線を、その裏面に上記裏面電極から引き出された裏面配線を備える
ガスセンサ素子。 - 請求項13に記載のガスセンサ素子であって、
前記絶縁性セラミック材からなる絶縁性セラミック層と、
上記絶縁性セラミック層と積層され一体焼結された前記複合セラミック層とを有し、
上記複合セラミック層は、
前記混在領域のうち、上記絶縁性セラミック層に接している部分において、上記絶縁性セラミック材の方が、前記固体電解質セラミック材よりも、広い面積で上記絶縁性セラミック層に接してなる
ガスセンサ素子。 - 請求項14に記載のガスセンサ素子であって、
前記絶縁性セラミック層は、前記複合セラミック層の固体電解質セラミック領域を通電により加熱するヒータ配線と、上記複合セラミック層との間を電気的に絶縁してなる
ガスセンサ素子。 - ガスセンサ素子を含み、このガスセンサ素子で特定ガスの検知を行うガスセンサであって、
上記ガスセンサ素子は、請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載のガスセンサ素子である
ガスセンサ。 - 複数のシート部分がストライプ状に互いに隣接して、単一のシート形態をなす複合セラミックグリーンシートの製造方法であって、
第1シート材料を含む第1スラリと、第2シート材料を含み上記第1スラリとはシート成形挙動が異なる第2スラリとを、ウェブ上に、このウェブの幅方向に間隙を設けて被着した後、
このウェブが進行し、上記第1スラリ及び第2スラリの塗工厚さを規定する規制部材の刃先に至るまでの間に、
上記ウェブ上の上記第1スラリを上記ウェブの幅方向第2スラリ側に拡げると共に、上記ウェブ上の上記第2スラリを上記ウェブの幅方向第1スラリ側に拡げて、上記ウェブ上に上記第1スラリと第2スラリとが混在するスラリ混在部を形成して、
上記第1シート材料からなる第1シート部分と上記第2シート材料からなる第2シート部分とが、上記第1シート部分と第2シート部分との間に介在する混在部であって、上記第1シート材料と第2シート材料とが混在してなる混在部を介して隣接し、互いに一体化してなる複合セラミックグリーンシートの製造方法。
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