JP2005271410A - 反射防止構造形成用型の製造方法、反射防止構造、及び光学素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 凹凸構造の高さの差を大きくしても、高いアスペクト比で凹凸構造を形成でき、性能が良い反射防止構造の製造方法を提供する。
【解決手段】 まず、Si又はSiO2からなる基板1の上にレジスト2を350nm以上の厚さとなるように塗布する。そして、エキシマレーザステッパを使用して、マスク3に形成されたパターンの像を、レジスト2上に投影してレジスト2を感光させる(b)。(b)において、マスク3において黒く塗りつぶしてあるところが光を透過しない部分であり、その他の部分が光を透過する部分である。光を透過させない部分は、マスク3を上から見た状態では円形になっており、所定の間隔(通常100nm以下)で配置されている。レジスト2を露光した後現像すると、露光されなかった部分が無くなり、(c)に示すような状態となる。このような状態の基板1とレジスト2の結合体が反射防止構造形成用型となる。
【選択図】 図1
【解決手段】 まず、Si又はSiO2からなる基板1の上にレジスト2を350nm以上の厚さとなるように塗布する。そして、エキシマレーザステッパを使用して、マスク3に形成されたパターンの像を、レジスト2上に投影してレジスト2を感光させる(b)。(b)において、マスク3において黒く塗りつぶしてあるところが光を透過しない部分であり、その他の部分が光を透過する部分である。光を透過させない部分は、マスク3を上から見た状態では円形になっており、所定の間隔(通常100nm以下)で配置されている。レジスト2を露光した後現像すると、露光されなかった部分が無くなり、(c)に示すような状態となる。このような状態の基板1とレジスト2の結合体が反射防止構造形成用型となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、立体的構造により反射防止機能を発揮する反射防止構造及びその製造方法、及びこの反射防止構造を有する光学素子に関するものである。
従来、光学素子等に反射防止機能を持たせるためには、その表面に反射防止膜を形成することが一般的に行われている。これは、屈折率の異なる誘電体薄膜を多層に成膜することで、膜厚、膜の屈折率等の組み合わせにより、所望の波長特性を有する反射防止膜とするものである。
しかし、このようにして形成された反射防止膜は、入射角度特性が狭い、波長依存性が悪い等、その基本的な原理に起因する回避不能な問題点がある。又、こられの多層膜は、平面等の基板やレンズに成膜することは容易であるが、複雑な立体構造を有する光学素子上に成膜することは困難である。
そこで、反射防止膜に代わるものとして、反射防止構造の研究等がなされている。このような反射防止構造は、ステッパを使用したフォトリソグラフィ工程により製造することができる。例えば可視光(400−800nm)領域で反射防止機能を有する反射防止構造を製造する場合には、その反射防止構造が有する凹凸のピッチをその波長以下にする必要がある。このような微細な構造は、現在使用されているI線ステッパーでは露光が困難であるという問題点がある。
そこで、I線ステッパの代わりに電子線露光装置を用いて露光を行い、このような微細な構造を有する反射防止構造を製造する方法が公知となっている。
しかしながら、電子線露光装置においては、一度に露光できる面積が非常に狭く、大面積を有する反射防止構造を製造することが困難であって、実際の生産に適さないという問題点がある。
又、反射防止機能を発揮させるには、レジストの厚さを厚くし、レジストに形成される凹凸構造の凹面と凸面の高さの差を大きくする必要がある。しかし、電子線露光装置を用いた場合、レジスト中に入射した電子線が散乱され、レジストの厚さを厚くした場合に、露光されない部分にまで広がるため、アスペクト比の良い凹凸構造を形成することが困難になるという問題点がある。
例えば、凹凸構造が規則的に配列されたホールである場合、当該ホールのホール径(a)と当該ホールの間隔(P)との比が大きくなると、残りのレジスト部分が電子線のボケや、前述の電子の散乱を受けて現像されやすくなったり、倒れやすくなるという問題が避けられない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、凹凸構造の高さの差を大きくしても、高いアスペクト比で凹凸構造を形成でき、性能が良い反射防止構造、及びその製造方法、さらにはこの反射防止構造を有する光学素子を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、光学素子の表面又は内部に反射防止構造を形成するために用いられる型の製造方法であって、目的とする形状を有する基板上にレジストを塗布し、エキシマレーザステッパを用いて、マスク上に形成された所定パターンを前記レジストに露光転写した後、前記レジストを現像し、前記レジストに前記所定パターンに応じた凹凸構造を設ける工程を有することを特徴とする反射防止構造形成用型の製造方法(請求項1)である。
本手段は、露光装置としてエキシマレーザステッパを使用することに最大の特徴を有する。エキシマレーザステッパとしては、KrF、ArF、F2、EUVL等、400nm以下の線幅の露光が可能な光源を使用したものを使用することができる。エキシマレーザステッパにおいては、電子線露光装置と異なり、入射した光子の散乱が小さいので、レジストの厚さを厚くした場合でもアスペクト比が良いレジスト現像形状を得ることができる。
なお、「目的とする形状」とは、主として反射防止構造を形成する面に合うような形状を意味する。例えば、レンズ表面に反射防止構造を形成するのであれば、そのレンズと曲率が合ったような形状であり、ブレーズ構造を有する表面に反射防止構造を形成するのであれば、そのブレーズ構造に一致した形状とする。その他、反射防止構造を形成したい部分の形状としては、凹凸構造、バイナリー形状等、種々のものが考えられるが、いずれの場合も、「目的とする形状」がこれらの形状に合ったものとする。このようにすると、エキシマレーザステッパの焦点深度の関係で、全てのレジスト部分を一度に露光できない場合があるが、その場合には、露光部分を複数の部分に分け、各部分において最適な露光条件で露光を行えばよい。
前記課題を解決するための第2の手段は、光学素子の表面又は内部に反射防止構造を形成するために用いられる型の製造方法であって、目的とする形状を有する基板上にレジストを塗布し、エキシマレーザステッパを用いて、マスク上に形成された所定パターンを前記レジストに露光転写した後、前記レジストを現像して、前記レジストに前記所定パターンに応じた凹凸構造を設け、その後、前記レジストと前記基板を同時にエッチングすることで、前記レジストに形成された凹凸構造を前記基板に転写する工程を有することを特徴とする反射防止構造形成用型の製造方法(請求項2)である。
本手段においては、前記第1の手段と同様にしてレジストに凹凸構造を設けた後、レジストと基板を同時にエッチングすることで、レジストに形成された凹凸構造を前記基板に転写する。レジストと基板を同時にドライエッチングすると、レジストに形成された凹凸のパターンが基板に転写され、レジストが無くなった状態で、基板の表面に、レジストが有していたパターンに相当するパターンが形成される。レジストと基板のエッチングレートの違いにより、レジストに形成されたパターンと基板の表面に形成されるパターンは異なるが、所望の凹凸が基板の表面に形成されるように、予め、レジストに形成されるパターンの形状を決定しておけばよい。
本手段においても、凹部と凸部の高さの差を大きくしても高いアスペクト比の形状を得ることができる。しかも前記第1の手段と異なり、レジストが型の一部となっていないので、耐久性の高い型とすることができる。
前記課題を解決するための第3の手段は、光学素子の表面又は内部に反射防止構造を形成するために用いられる型の製造方法であって、目的とする形状を有する基板上にレジストを塗布し、エキシマレーザステッパを用いて、マスク上に形成された所定パターンを前記レジストに露光転写した後、前記レジストを現像して、前記レジストに前記所定パターンに応じた凹凸構造を設け、その後、このレジストと基板の積層構造を母型として電鋳を行って、電鋳品を型とする工程を有することを特徴とする反射防止構造形成用型の製造方法(請求項3)である。
本手段においては、前記第1の手段と同様にしてレジストに凹凸構造を形成した後で、それを母型として電鋳を行って型を製造している。このようにして形成された型は金属製であるので、その耐久性が極めて良いほか、凹部と凸部の高さの差を大きくしても高いアスペクト比の形状を得ることができる。
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかの反射防止構造形成用型の製造方法によって形成された反射防止構造形成用型を母型として、この母型に応じた形状を有する樹脂成型品を製造し、当該樹脂成型品の表面に金属又は誘電体の薄膜を積層し、それを新しい型とする工程を有することを特徴とする反射防止構造形成用型の製造方法(請求項4)である。
本手段においては、前記第1の手段から第3の手段のいずれかの反射防止構造形成用型の製造方法によって形成された反射防止構造形成用型をそのまま型として使用するのではなく、母型として使用し、この母型に応じた形状を有する樹脂成型品を製造し、当該樹脂成型品の表面に金属又は誘電体の薄膜を積層し、それを新しい型としている。よって、樹脂成形という簡単な工程により、多数の型を安価に製造できる。樹脂成型品の表面に金属又は誘電体の薄膜を積層するのは、型としての耐久性を高めるためと、樹脂成形に用いる場合に、当該樹脂との剥離製を高めるためである。本手段においても、凹部と凸部の高さの差を大きくしても高いアスペクト比の形状を得ることができる。
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第4の手段の反射防止構造形成用型の製造方法によって得られた反射防止構造形成用型を母型として、前記第1の手段から第3の手段のいずれかの反射防止構造形成用型の製造方法によって形成された反射防止構造形成用型の代わりに用いて前記第4の方法で新しい型を製造する工程を、1回以上繰り返す工程を有することを特徴とする反射防止構造形成用型の製造方法(請求項5)である。
本手段においては、前記第4の手段で形成された反射防止構造形成用型を母型として、前記第4の手段と同様の方法で新しい型を製造する。又、さらにそれを新しい母型として前記第4の手段と同様の方法でさらに新しい型を製造する。この工程を、必要に応じて繰り返せば、非常に多くの型を製造することができる。
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第1の手段から第5の手段のいずれかの反射防止構造形成用型の製造方法によって製造された反射防止構造形成用型を用いて、当該型に形成されたパターンを、転写する工程を有することを特徴とする反射防止構造の製造方法(請求項6)である。
本手段における「転写」の方法は、流動性のある樹脂等に型を押し付けて成型し、その後に硬化させるような方法でもよいし、スタンピングのように、固体としての可塑性樹脂等に型を押し付けて成形するようにしてもよい。
本手段においては、凹部と凸部の高さの差が大きく、高いアスペクト比の形状を有する反射防止構造を得ることができるので、性能の良い反射防止構造とすることができる。又、複雑な形状を有する光学部材にも適用可能な反射防止構造とすることができる。
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第6の手段により製造された反射防止構造(請求項7)である。
前記課題を解決するための第8の手段は、前記第7の手段であって、表面に規則的に配列されたホール又はピラーを有し、当該ホール又はピラーの径(a)と当該ホール又はピラーの間隔(P)との比(a/P)が0.80以上であることを特徴とするもの(請求項8)である。
表面に規則的に配列されたホール又はピラーを有する反射防止構造の場合、ホール又はピラーの径(a)と当該ホール又はピラーの間隔(P)との比(a/P)を0.80以上とすると、反射防止特性を向上させることができる。
前記課題を解決するための第9の手段は、前記第8の手段であって、前記ホール又はピラーの径(a)と当該ホール又はピラーの間隔(P)との比(a/P)が0.90以上であることを特徴とするもの(請求項9)である。
表面に規則的に配列されたホール又はピラーを有する反射防止構造の場合、ホール又はピラーの径(a)と当該ホール又はピラーの間隔(P)を0.90以上とすると、反射防止特性をさらに向上させることができる。
前記課題を解決するための第10の手段は、前記第7の手段から第9の手段のいずれかであって、表面に規則的に配列されたホール又はピラーを有し、当該ホール又はピラーの間隔(P)が100nm以下であることを特徴とするもの(請求項10)である。
表面に規則的に配列されたホール又はピラーを有する反射防止構造の場合、ホール又はピラーの間隔(P)を100nm以下とすると、反射防止特性が特に良くなる。
前記課題を解決するための第11の手段は、前記第10の手段であって、前記ホール又はピラーの間隔(P)が80nm以下であることを特徴とするもの(請求項11)である。
表面に規則的に配列されたホール又はピラーを有する反射防止構造の場合、ホール又はピラーの間隔(P)を80nm以下とすると、反射防止特性がさらに良くなる。
前記課題を解決するための第12の手段は、前記第7の手段から第12の手段のいずれかであって、前記ホールの深さ又はピラーの高さ(h)が350nm以上であることを特徴とするもの(請求項12)である。
表面に規則的に配列されたホール又はピラーを有する反射防止構造の場合、そのホールの深さ又はピラーの高さを350nm以上とすると、反射防止特性が特に良くなる。
前記課題を解決するための第13の手段は、前記第7の手段から第12の手段のいずれかの反射防止構造をその一部に有することを特徴とするもの(請求項13)である。
本手段においては、複雑な形状を有する場合においても、良好な反射防止特性を得ることができる。
本発明によれば、凹凸構造の高さの差を大きくしても、高いアスペクト比で凹凸構造を形成でき、性能が良い反射防止構造、及びその製造方法、さらにはこの反射防止構造を有する光学素子を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の第1の例、第2の例である反射防止構造形成用型の製造方法を説明するための図である。まず、Si又はSiO2からなる基板1の上にレジスト2を350nm以上の厚さとなるように塗布する。この例ではネガ型のレジストを使用している(a)。
そして、エキシマレーザステッパを使用して、マスク3に形成されたパターンの像を、レジスト2上に投影してレジスト2を感光させる(b)。図においては、エキシマレーザ光を直接マスク3に投影して、その光で直接レジスト2を感光させるように図示しているが、実際はステッパを使用した露光であることはいうまでもない。(b)において、マスク3において黒く塗りつぶしてあるところが光を透過しない部分であり、その他の部分が光を透過する部分である。光を透過させない部分は、マスク3を上から見た状態では円形になっており、所定の間隔(通常100nm以下)で配置されている。
レジスト2を露光した後現像すると、露光されなかった部分が無くなり、(c)に示すような状態となる。このような状態の基板1とレジスト2の結合体が本発明の第1の実施の形態である反射防止構造形成用型となる。
(c)の状態から、さらにドライエッチングによりレジスト2と基板1を同時にエッチングしてレジスト2を無くすると、レジスト2の凹凸形状が基板1に転写され、凹凸を有する基板1が形成される(d)。これが、本発明の第2の実施の形態である反射防止構造形成用型となる。エッチングガスによるレジスト2のエッチングレートと基板1のエッチングレートは通常異なり、そのため、(c)におけるレジスト2の凹凸の度合いと、(d)における基板1の凹凸の度合いが異なってくるので、(d)を反射防止構造形成用型とするときは、そのことを勘案してレジスト2の塗布厚さを決定する。
図2は、本発明の第3の実施の形態である反射防止構造形成用型の製造方法を説明するための図である。この実施の形態においては、図1(a)、(b)の工程を経て作られた図1(c)に示されたような構造を有する基板1とレジスト2の積層体を出発物体としている(a)。
この上に、無電解メッキ又はPVD(スパッタ、蒸着等)によりNi薄膜4を形成する(b)。そして、このNi薄膜4を電極としてNi電鋳体5を電鋳により形成する(c)。電鋳の完了後、Ni電鋳体5をレジスト2と基板1より剥離すると、Ni電鋳体5からなる反射防止構造形成用型が形成される(d)。
図2から分かるように、図2(a)に示される基板1とレジスト2の積層体の凹凸と、図2(d)に示されるNi電鋳体5との凹凸は、凹凸が逆になっているので、基板1とレジスト2の積層体を図1(a)、(b)の工程によって製造するとき、このことを勘案して、基板1とレジスト2の積層体の凹凸を決定する。
図3は、本発明の第4の実施の形態である反射防止構造形成用型の製造方法を説明するための図である。この実施の形態においても、図1(a)、(b)の工程を経て作られた図1(c)に示されたような構造を有する基板1とレジスト2の積層体を出発物体としている(a)。
この基板1とレジスト2の積層体に、空間を挟んで石英からなる定盤6を対向させ、その空間にディスペンサ等により紫外線硬化型樹脂7を注入する。そして、定盤6を通して紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂7を硬化させる(b)。
そして、硬化した紫外線硬化型樹脂7を基板1とレジスト2の積層体と定盤6から剥離する(c)。その後、紫外線硬化型樹脂7の凹凸構造部に、金属又は誘電体からなる薄膜8をスパッタリングや蒸着により成膜することにより、反射防止構造形成用型が完成する(d)。使用する金属としては、Cu、Al、Ni、Au等が適当であり、使用する誘電体としては、SiNx、SiO2、Al2O3、Ta2O5、TiO2等が適当である。このようにして、1個の基板1とレジスト2の積層体より、複数個の図3(d)に示すような反射防止構造形成用型を製作することができる。
なお、図3(d)に示すような完成品を、図3(a)に示すような出発物体として、図3に示すような工程に従い、新しい図3(d)に示すような反射防止構造形成用型を製作すれば、さらに多くの反射防止構造形成用型を製造できる。
図4は、光学部材の上に、本発明の実施の形態である反射防止構造を形成して、反射防止構造付の光学部材を形成する方法を説明するための図である。この例においては、反射防止構造形成用型として、図1(c)に示されているものを使用している。
すなわち、基板1とレジスト2の積層体からなる反射防止構造形成用型を用意し(a)、その上に紫外線硬化型樹脂9を薄く塗布する。そして、その上に、表面にシランカップリング処理を施した光学部材10を重ね合わせて、光学部材10を通して紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂9を硬化させる。このとき、シランカップリング処理の効果により、光学部材10と紫外線硬化型樹脂9が密着する。その上で、基板1とレジスト2の積層体からなる反射防止構造形成用型を剥離すると、表面に紫外線硬化型樹脂9からなる反射防止構造が形成された光学部材が完成する。
なお、この例は、光学部材10の表面に反射防止構造を有する紫外線硬化型樹脂9を形成する例であるが、光学部材を樹脂で成型する場合には、その成型の際に、同時にその表面に反射防止構造を形成することができることはいうまでもない。又、所定の光学部材の表面に反射防止構造を形成した後、更にその上に樹脂等を積層することにより、内部に反射防止構造を有する光学部材を形成することができる。
以上の説明においては、反射防止構造形成用型の形状を樹脂に転写する際に、流動性のある樹脂に型を押し付けて転写し、その後に硬化を行っていたが、反射防止構造形成用型がNi電鋳品であったり、表面に金属や誘電体が成膜されている場合には、固体の可塑性樹脂に直接これらの反射防止構造形成用型を押し付けて、スタンピングにより反射防止構造形成用型を製造するようにしてもよい。このようにすれば、極めて高能率に、反射防止構造を形成することができる。
以上の説明においては、図示を簡単化するために、反射防止構造形成用型、光学部材の表面は平面であるとして説明したが、これがレンズのような曲面であったり、凹凸構造やブレーズ構造を有するものであった場合でも、本発明が適用できることは当業者には明らかであろう。また、表面に凹凸構造を形成する光学素子として、MEMSやPhC(フォトニック結晶)のようなものも使用可能であることはいうまでもない。
図1(a)から(c)に示すような工程に従って、種々の反射防止構造形成用型を製造した。基板には、Si基板を用いた。マスクに形成したパターンは、円と四角の形状であり、パターンの配列は、それぞれについて、正方配列・六方細密配列を用いた。
そして、エキシマステッパーにて露光を行い、レジストを現像して、レジストにホール形状またはピラー形状の構造を持つレジストマスター原盤(図1(c)に示すもの)を作製した。使用したエキシマステッパは、開口数(NA)が0.85以下の投影対物光学系を有し、2/3輪体照明の変形照明光学系を有したものである。なお、使用波長は193nmである。
これらホールまたはピラーのレジスト上でのピッチは、0.35μm、0.30μm、0.25μm、0.20μmとし、ホールまたはピラーの寸法は円形の場合は直径、正方形の場合は一辺の長さで、10nmピッチで100nm-350nmの範囲で変化させ、溝深さ及びピラーの高さはレジストの膜厚みを100nmピッチで変化させて、200nm-800nm程度の形状のものを作製した。
その後、透明な定盤とこの反射防止構造形成用型を対向させ、その間にディスペンサにより紫外線硬化型樹脂を注入し、定盤を通して紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、その後、紫外線硬化型樹脂を反射防止構造形成用型と定盤から剥離することにより、表面に反射防止構造を有する紫外線硬化型樹脂からなる光学素子を形成した。製造したどの光学素子においても、十分な反射防止特性を得ることができた。
1…基板、2…レジスト、3…マスク、4…Ni薄膜、5…Ni電鋳体、6…定盤、7…紫外線硬化型樹脂、8…薄膜、9…紫外線硬化型樹脂、10…光学部材
Claims (13)
- 光学素子の表面又は内部に反射防止構造を形成するために用いられる型の製造方法であって、目的とする形状を有する基板上にレジストを塗布し、エキシマレーザステッパを用いて、マスク上に形成された所定パターンを前記レジストに露光転写した後、前記レジストを現像し、前記レジストに前記所定パターンに応じた凹凸構造を設ける工程を有することを特徴とする反射防止構造形成用型の製造方法。
- 光学素子の表面又は内部に反射防止構造を形成するために用いられる型の製造方法であって、目的とする形状を有する基板上にレジストを塗布し、エキシマレーザステッパを用いて、マスク上に形成された所定パターンを前記レジストに露光転写した後、前記レジストを現像して、前記レジストに前記所定パターンに応じた凹凸構造を設け、その後、前記レジストと前記基板を同時にエッチングすることで、前記レジストに形成された凹凸構造を前記基板に転写する工程を有することを特徴とする反射防止構造形成用型の製造方法。
- 光学素子の表面又は内部に反射防止構造を形成するために用いられる型の製造方法であって、目的とする形状を有する基板上にレジストを塗布し、エキシマレーザステッパを用いて、マスク上に形成された所定パターンを前記レジストに露光転写した後、前記レジストを現像して、前記レジストに前記所定パターンに応じた凹凸構造を設け、その後、このレジストと基板の積層構造を母型として電鋳を行って、電鋳品を型とする工程を有することを特徴とする反射防止構造形成用型の製造方法。
- 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の反射防止構造形成用型の製造方法によって形成された反射防止構造形成用型を母型として、この母型に応じた形状を有する樹脂成型品を製造し、当該樹脂成型品の表面に金属又は誘電体の薄膜を積層し、それを新しい型とする工程を有することを特徴とする反射防止構造形成用型の製造方法。
- 請求項4に記載の反射防止構造形成用型の製造方法によって得られた反射防止構造形成用型を母型として、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の反射防止構造形成用型の製造方法によって形成された反射防止構造形成用型の代わりに用いて請求項4に記載の方法で新しい型を製造する工程を、1回以上繰り返す工程を有することを特徴とする反射防止構造形成用型の製造方法。
- 請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の反射防止構造形成用型の製造方法によって製造された反射防止構造形成用型を用いて、当該型に形成されたパターンを、転写する工程を有することを特徴とする反射防止構造の製造方法。
- 請求項6に記載の反射防止構造形成用型の製造方法によって製造された反射防止構造。
- 請求項7に記載の反射防止構造であって、表面に規則的に配列されたホール又はピラーを有し、当該ホール又はピラーの径(a)と当該ホール又はピラーの間隔(P)との比(a/P)が0.80以上であることを特徴とする反射防止構造。
- 請求項8に記載の反射防止構造であって、当該ホールのホール径(a)と前記ホール又はピラーの径(a)と当該ホール又はピラーの間隔(P)との比(a/P)が0.90以上であることを特徴とする反射防止構造。
- 請求項7から請求項9のうちいずれか1項に記載の反射防止構造であって、表面に規則的に配列されたホール又はピラーを有し、当該ホール又はピラーの間隔(P)が100nm以下であることを特徴とする反射防止構造。
- 請求項10に記載の反射防止構造であって、前記ホール又はピラーの間隔(P)が80nm以下であることを特徴とする反射防止構造。
- 請求項7から請求項11のうちいずれか1項に記載の反射防止構造であって、前記ホールの深さ又はピラーの高さ(h)が350nm以上であることを特徴とする反射防止構造。
- 請求項7から請求項12のうちいずれか1項に記載の反射防止構造をその一部に有することを特徴とする光学素子。
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