JP2005271255A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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JP2005271255A JP2004084494A JP2004084494A JP2005271255A JP 2005271255 A JP2005271255 A JP 2005271255A JP 2004084494 A JP2004084494 A JP 2004084494A JP 2004084494 A JP2004084494 A JP 2004084494A JP 2005271255 A JP2005271255 A JP 2005271255A
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Abstract

【課題】 インクジェット記録ヘッドのインク吐出口からインクを確実に吐出させる。
【解決手段】 バルブ58が設けられたチューブ52と、ポンプ62が設けられたチューブ54の間に負圧溜60が設けられる。キャップ50が記録ヘッド部32のインク吐出面35に当接し密着したのち、バルブ58を閉じてチューブ52での流体の流動を遮断し、ポンプ62を駆動すると、チューブ52のバルブ58から負圧溜60までの間、負圧溜60内、及びチューブ54の一端から、コロ66が最初に接触する位置までの間が、ポンプ62の駆動によって減圧され、大きな負圧が発生する。ポンプ62の駆動停止後バルブ58を開くと、負圧が瞬間的にインク吸引用キャップ50B内に作用するため、大きな吸引力で、インクカートリッジ28内からインクを吸引できる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、画像情報に基づいてインク滴を記録媒体に吐出するインクジェット記録装置に関する。
画像情報に基づいてインクジェット記録ヘッドのインク吐出口からインク滴を用紙等の記録媒体に吐出し、画像を記録するインクジェット記録装置として、インクジェット記録ヘッドをインク滴の吐出に最適な状態へと回復させるように構成されたものがある。
例えば、特許文献1では、交換されたと判断したヘッドに対する回復動作量を、交換されていないヘッドより大きい量としたことが開示されている。
特許文献2、及び特許文献3では、ヘッド交換を検知したのち、空吐出や吸引量を多くすることが開示されている。
また、特許文献4では、回復動作時に記録信号よりも高い周波数の吐出信号を加える方法が開示されている。
特許第3176343号 特許第2962838 特許第3311341 特開平8−169124
しかしながら、特許文献1の技術では、回復動作量を大としても気泡除去や目詰まりを十分に解消できない問題がある。
特許文献2,3の技術では、同じ回復動作でインクを消費する方法としているため、完全に不吐出ノズルを回復することができない。
特許文献4の技術では、目詰まりの解消や長期保存したカートリッジで、ヘッドへインクを供給する流路に発生した気泡を十分に除去することができない。
本発明は、上記事実を考慮し、吐出ノズルからのインクの吐出を確実に行うことのできるインクジェット記録装置を提供することが目的である。
請求項1に記載の発明は、インクを貯留するインクタンクと、インクタンクに連結され画像情報に基づいてインク滴を記録媒体に吐出するインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であって、前記インクジェット記録ヘッドのインク吐出口からインクを吸引するインク吸引装置と、前記インクジェット記録ヘッドの駆動、及び前記インク吸引装置の駆動を制御する制御手段と、前記インクジェット記録ヘッドを装填する装填部と、前記装填部に装填された前記インクジェット記録ヘッドに付与されたヘッド情報を読み取るヘッド情報読取手段と、を備え、前記制御手段は、読み取ったヘッド情報を基に、今まで装着されていたのと異なるインクジェット記録ヘッドが装着されたことを検知したときに、前記インクジェット記録ヘッドと前記インク吸引装置とを駆動する、ことを特徴としている。
次に、請求項1に記載のインクジェット記録装置の作用を説明する。
インクジェット記録ヘッドが装填部に装填されると、インクジェット記録ヘッドに付与されているヘッド情報が、ヘッド情報読取手段によって読み取られる。
ヘッド情報とは、少なくとも、ヘッド情報の付与されているインクジェット記録ヘッドを特定するためのID番号(同じ番号は2つと無い)を含み、ID番号以外に、インクジェット記録ヘッドに関する何らかの情報、例えば、インクジェット記録ヘッドを製造した年月日等を含んでいても良い。
制御手段は、読み取ったヘッド情報を基に、今まで装着されていたのと異なるインクジェット記録ヘッドが装着されたことを検知すると、インクジェット記録ヘッドとインク吸引装置とを駆動する。
即ち、インクジェット記録ヘッドによるインクの吐出と動作と、インク吸引装置によるインク吐出口からのインク吸引動作とを行うことにより、目詰まりを確実に解消でき、吐出ノズルのからのインクの吐出を確実に行うことが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、外部からインクが供給される共通液室、共通液室に連通し、先端にインク吐出口が形成された個別流路、及び、個別流路に配設されインクを加熱することによってインク滴を吐出させる印字用発熱素子を備えた前記インクジェット記録ヘッドと、前記共通液室内に存在するインクが沸騰するまで、印字用発熱素子に対して駆動エネルギーを印加可能とする駆動手段と、前記インクジェット記録ヘッドの温度が、前記共通液室内に存在するインクを沸点させるための設定沸騰温度になったことを検出する温度検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記温度検出手段が、前記インクジェット記録ヘッドの温度が設定沸騰温度になったことを検出した後、前記駆動手段を制御して前記印字用発熱素子に対する駆動エネルギーの印加を停止する、ことを特徴としている。
次に、請求項2に記載のインクジェット記録装置の作用を説明する。
外部からインクが供給される共通液室、共通液室に連通し、先端にインク吐出口が形成された個別流路、及び、個別流路に配設されインクを加熱することによってインク滴を吐出させる印字用発熱素子を備えたインクジェット記録ヘッドにおいては、印字動作等によって共通液室内に発生した気泡が、印字動作等によって成長して共通液室の個別流路側端部を塞ぐことによって個別流路に対するインク供給を阻害し、画質欠陥を発生させるおそれがある。
したがって、気泡が共通液室からインク供給側に逃げるまで駆動手段によって印字用発熱素子を駆動する。
これにより、共通液室内部のインクが沸騰状態となり、インクの表面張力が低下して気泡の壁面に対する付着力が低下すると共に、気泡が膨張することによって浮力が増大し、共通液室の個別流路側端部から気泡が離間する。
このように、印字用発熱素子を用いてインクを沸騰させることで、画質欠陥を回復することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドの温度が前記設定沸騰温度に達した後にインク吸引装置を駆動する、ことを特徴としている。
次に、請求項3に記載のインクジェット記録装置の作用を説明する。
温度検出手段が、インクジェット記録ヘッドの温度が設定沸騰温度に到達したことを検出することにより、発熱素子に対する駆動エネルギの印加を停止する構成としたため、共通液室内のインクを確実に沸騰させることができる。
インクジェット記録ヘッドのインクの粘度が低下するのでインクが流れやすくなり、インク吸引装置によってインク内の気泡や異物を除去し易い状況になり、インクの吸引量を少なくできる。
また、必要なインク量を吸引するための負圧を少なくすることができ、装置の動作時間を短縮することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載のインクジェット記録装置において、前記駆動手段による駆動エネルギーの印加を停止した後、前記インクジェット記録ヘッドの温度が前記設定沸騰温度よりも低く設定された第1の設定温度以下になる前に、前記インク吸引装置を駆動する、ことを特徴としている。
次に、請求項4に記載のインクジェット記録装置の作用を説明する。
メンテナンスのためインクジェット記録ヘッドの温度を設定沸騰温度にした後は、プリントをするには自然冷却によりヘッド温度が下がるのを待つ必要がある。
プリントを行うためのヘッド温度を第1の設定温度としたときに、設定沸騰温度から第1の設定温度までヘッド温度が低下する自然冷却時間を有効に利用してインクの吸引を行うことにより、動作時間の短縮を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記駆動手段が、インク吐出用エネルギーよりも小さく、インクを吐出させないで、前記インクジェット記録ヘッドを加熱するためのエネルギーを前記印字用発熱素子に印加してインクを沸騰させる、ことを特徴としている。
次に、請求項5に記載のインクジェット記録装置の作用を説明する。
駆動手段が印字用発熱素子にインク吐出用エネルギよりも小さく、インクを吐出させないで記録ヘッドを加熱するエネルギを印加するため、インク吐出口からインク滴が吐出されることはない。
この状態で共通液室内のインクが沸騰するまで印字用発熱素子が駆動される。
したがって、インクの温度上昇によってインクの表面張力が低下して気泡の壁面に対する付着力が低下すると共に、気泡が膨張するため浮力が増加して共通液室の個別流路側端部から離間する。
したがって、画質欠陥の回復を行なうことができる。また、インクを沸騰させるためにインク吐出を行なわないため、気泡除去による廃インク量を低減させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記装填部に前記インクジェット記録ヘッドが装填された際にヘッド情報を読み取り、前記インクジェット記録ヘッドの製造時期から現在までの経過時間が、予め設定した時間を超えているか否かを判断し、超えていると判断した場合にはインクジェット記録ヘッドの駆動、及びインク吸引装置の駆動を行う、ことを特徴としている。
次に、請求項6に記載のインクジェット記録装置の作用を説明する。
インクジェット記録ヘッドの製造時期から現在までの経過時間が長いと、未使用であってもインクの流路などでインクの粘度が高くなっている可能性がある。
したがって、インクジェット記録ヘッドの製造時期から現在までの経過時間が、予め設定した時間を超えている場合には、インクジェット記録ヘッドの駆動、及びインク吸引装置の駆動を行い、インクが確実に吐出できるように回復動作を行う。
なお、ここでいう経過時間とは、時、分、日、月、年の何れでも良い。
また、インクジェット記録ヘッドの駆動、及びインク吸引装置の駆動は、それぞれ複数回行なっても良い。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、インク残量検知手段を備えたインクタンクにインクを補給するインク補給装置を備え、前記インクジェット記録ヘッドの交換が検出された後にインク残量検知手段によってインクタンク内のインクの残量を検知し、インク無しを検知した場合は、インク補給装置によりインクの補給を行なった後に、インクジェット記録ヘッドの駆動、及びインク吸引装置の駆動を行う、ことを特徴としている。
次に、請求項7に記載のインクジェット記録装置の作用を説明する。
例えば、交換されたインクジェット記録ヘッドが新品でなく、使用後のものである場合が考えられる。
また、インクジェット記録ヘッドにインクタンクが連結されている場合がある。
このような場合、交換されたインクジェット記録ヘッドに連結されているインクタンクのインクの残量を検知し、インクが無いと検知した場合は、インク補給装置によってインクタンクにインクの補給を行い、その後、インクジェット記録ヘッドの駆動、及びインク吸引装置の駆動を行う。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、複数のインクジェット記録ヘッドを装填可能とする装填部を備え、
交換が検知されたインクジェット記録ヘッドに対してのみインクジェット記録ヘッドの駆動、及びインク吸引装置の駆動を行う、ことを特徴としている。
次に、請求項8に記載のインクジェット記録装置の作用を説明する。
交換されていないインクジェット記録ヘッドは、インクを正常に吐出していると考えられるので、インクジェット記録ヘッドの駆動、及びインク吸引装置の駆動を行なわず、無駄なインクの消費を抑えることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項2乃至請求項8の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記設定沸騰温度は、インクの沸騰温度以上である、ことを特徴としている。
次に、請求項9に記載のインクジェット記録装置の作用を説明する。
一般的にインクジェット記録ヘッドの温度が設定沸騰温度以上になった場合には、インクジェット記録ヘッド内部の共通液室内部でもインク温度が沸点以上となってインクが沸騰する。
したがって、インクジェット記録ヘッドの温度が設定沸騰温度となるまで印字用発熱素子を駆動することによって、共通液室の個別流路側端部を塞ぐ気泡を除去することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項2乃至請求項9の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記インクの設定沸騰温度は、99〜105°Cである、ことを特徴としている。
次に、請求項10に記載のインクジェット記録装置の作用を説明する。
水性インクの場合、沸点は100°C前後である。そこで、記録ヘッドの温度が99〜105°Cになるまで印字用発熱素子を駆動することによって、共通液室内のインクが確実に沸騰し、共通液室内の個別流路側端部を塞ぐ気泡を除去することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドに前記インクタンクが一体的に設けられている、ことを特徴としている。
次に、請求項11に記載のインクジェット記録装置の作用を説明する。
インクジェット記録ヘッドにインクタンクが一体的に設けられているので、インクジェット記録ヘッドとインクタンクを同時に交換できる。
本発明のインクジェット記録装置では、吐出ノズルからのインクの吐出を確実に行うことができる、という優れた効果を有する。
[第1の実施形態]
図1には、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置12が、その記録ヘッドキャリッジ14の近傍を拡大して示されている。
また、図2及び図3には、インクジェット記録装置12に設けられたメンテナンス装置20が、図4にはメンテナンス装置20を構成しているインク吸引装置10がそれぞれ示されている。
このインクジェット記録装置12は、記録媒体P(例えば用紙等)を一定の方向に搬送する記録媒体搬送部材16と、この記録媒体Pの搬送経路に対向して、且つ記録媒体Pの搬送方向と垂直な方向に沿って設けられた1組のガイド部材18とを備えている。
これらのガイド部材18によって記録ヘッドキャリッジ14が支持されている。
また、ガイド部材18の下で且つ記録媒体Pの搬送経路に隣接した位置にはメンテナンス装置20が配置されており、記録ヘッドキャリッジ14に対して、キャッピングやインクの吸引等のメンテナンス動作を行う。
このメンテナンス動作は、後述する制御部13によって、所定の条件やタイミングで行われるように制御されている。
メンテナンス装置20に対向する位置には記録ヘッドキャリッジ14のホームポジションが設定されており、この位置を位置センサ22で検出するようになっている。
上記した記録ヘッドキャリッジ14、記録媒体搬送部材16、ガイド部材18、メンテナンス装置20及び位置センサ22は、本体ハウジング24に保持されている。
記録ヘッドキャリッジ14には、フレキシブル基板に形成された信号線を通じて画像情報が送られる。
なお、図面において、記録ヘッドキャリッジ14の移動方向(主走査方向)を矢印Mで、記録媒体Pの移動方向(副走査方向)を矢印Sでそれぞれ示す。
記録ヘッドキャリッジ14は、ガイド部材18に沿って移動可能に配設されたキャリッジフレーム26と、このキャリッジフレーム26内の所定の収容部に収容されたインクカートリッジ28とで構成されている。
(インクカートリッジの構成)
図4、及び図6に示すように、インクカートリッジ28は、記録ヘッド部32と、記録ヘッド部32にインクを供給するサブインクタンク30とで構成されており、記録ヘッド部32の上部にサブインクタンク30が一体的に配置されている。
また、インクカートリッジ28には、記録ヘッド部32を識別するためのヘッド情報32Aが付与されている。
ヘッド情報32Aは、本実施形態ではバーコードであるが、ICチップ等でも良く、情報が記録されるもので、かつ装置側で読み取れるものであれば何でも良い。
ヘッド情報32Aには、記録ヘッド部32を識別するためのID番号、記録ヘッド部32の製造年月日等の種々の情報が含まれている。
本実施形態では、ブラック(Bk)用、イエロー(Y)用、マゼンタ(M)用、及びシアン(C)用の4つのインクカートリッジ28が装填されるようになっており、異なる色のインク滴を吐出することで、フルカラーの画像を記録することが可能である。
そして、図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置12は、記録媒体搬送部材16で記録媒体Pを搬送し、且つ、記録ヘッドキャリッジ14を往復動作させながら、画像情報に応じてインク滴を吐出し、記録媒体P上に画像を記録する。

記録ヘッド部32は、下面がインク吐出面35とされ、ここからインクを吐出するようになっている。
記録ヘッド部32は、図7および図8(A)(B)に示すように、発熱素子基板326および流路基板328が保護層329を介して接合されることによって形成されており、一端面(インク吐出面35)に形成された複数のインク吐出口330と、インク吐出口330に連通する個別流路332と、全ての個別流路332と連通しノズル配列方向に延在する共通液室334と、個別流路332に面して配設される印字用発熱素子(以下、発熱素子という)336と、から基本的に構成される。
なお、記録ヘッド部32の側面には、サブインクタンク30(図8では図示せず。)に連通する開口部340が形成されている。
また、共通液室334の片側に相当する発熱素子基板326の表面(保護層329の片面側)には、記録ヘッド部32(共通液室内のインク)の温度を検出するための温度センサ346が配設されている。
さらに、記録ヘッド部32の個別流路332は、図8(B)に示すように、流路の幅が共通液室側とインク吐出口側で狭くなる上流絞り部372と下流絞り部374が形成されている。
これは、インク滴吐出時のエネルギ効率向上を図ると共に、流路幅(断面積)を狭くすることによってバブルポイント圧力を高めることを目的としている。
すなわち、後述する気泡除去制御においてダミージェット(非印字用インク吐出)を連続的に行なうことによりインクリフィルが追いつかない状態になったとき、インクメニスカス(空気との境界)を共通液室内に進入させないためである。
本実施形態のインクジェット記録ヘッド部32では、15000Pa程度のバブルポイント圧力となるようにインクの表面張力および上流絞り部372の流路断面積が設定されている。
サブインクタンク30のそれぞれには、図5に示すように、サブインクタンク30内の空気を排出可能な排気口242を有する排気用ポート234と、この排気用ポート234よりも下方において、サブインクタンク30内へインクを補給可能なインク補給口244を備えたインク補給用ポート236とが設けられている。
さらに、サブインクタンク30には、排気用ポート234よりも上方に、サブインクタンク30の内部と外部とで空気を流通させる大気連通孔238が形成されている。
大気連通孔238を通って空気が出入りすることで、サブインクタンク30内での圧力変動が緩和されるようになっている。
また、図6にも示すように、サブインクタンク30には、内部のインク量が所定量以下になったか否かを検知するためのインク残量センサ240が取り付けられている。
インク残量センサ240は、例えばサブインクタンク30内のインクの液面がインク残量センサ240が取り付けられた位置よりも低くなった場合、すなわち図6に示すLoの位置よりも低くなった場合にローレベル、サブインクタンク30内のインクの液面が図6に示すLoの位置よりも高い位置にある場合にハイレベルとなるようなインク残量信号を後述する制御部13へ出力する。
このインク残量信号により、サブインクタンク30内のインクが所定量以下になっているか否かを知ることができる。
図1に示すように、本体ハウジング24の近傍には、インクカートリッジ28のヘッド情報32A(バーコード)を読み取るスキャナー39が配置されている。
図1に示すように、本体ハウジング24には、サブインクタンク30のそれぞれに対応してインクを補給する複数(本実施形態では4つ)のインク補給ユニット248を備えたインク補給装置246が取りつけられており、このインク補給ユニット248によってサブインクタンク30へインクを補給可能な位置が、記録ヘッドキャリッジ14のインク補給ポジションとされている。
インク補給ポジションも、ホームポジションと同様に、位置センサ22によって検出される。
なお、インク補給ポジションはホームポジションと同位置とされていてもよいが、本実施形態では異なる位置とされている。
また、図5に示すように、インク補給装置246の下方には、メインインクタンク250が配置されている。
メインインクタンク250には、インクジェット記録装置12で使用されるインクがあらかじめ貯留されており、インク補給装置246によってこのインクがサブインクタンク30に補給され、画像記録に使用される。
メインインクタンク250は、平面視したときにインク補給装置246と部分的に(本実施形態では略全体にわたって)重なるように配置されており、インクジェット記録装置12全体として小型化が図られている。
図1、及び図5に示すように、インク補給装置246は、インクジェット記録装置12の本体ハウジング24に一体的に固定された固定フレーム252を有しており、さらに固定フレーム252内に、ガイド枠体254が配置されている。
固定フレーム252とガイド枠体254の間には幅方向に所定の図示しない間隙(図示省略)が構成されており、ガイド枠体254は固定フレーム252内で、記録ヘッドキャリッジ14の移動方向(主走査方向)と同方向に一定範囲内で移動可能となっている。
また、この間隙には圧縮コイルスプリング(図示省略)が配設されており、ガイド枠体254を固定フレーム252内で幅方向略中央に保持している。
なお、以下において単に「幅方向」というときは、ガイド枠体254の幅方向と同一の方向をいうものとする。
この「幅方向」は、記録ヘッドキャリッジ14の主走査方向(矢印M方向)と一致する。
ガイド枠体254の幅方向両端近傍には、記録ヘッドキャリッジ14に向かってスライド可能に、一対の位置決めアーム260が設けられている。
図5に示すように、位置決めアーム260は、通常状態では記録ヘッドキャリッジ14に接触することがない位置となっている。
また、位置決めアーム260の内側面(対向する面)どうしの間隔は、記録ヘッドキャリッジ14のキャリッジフレーム26の幅と等しくされている。
ガイド枠体254には、4つのサブインクタンク30に対応して、インク補給ユニット248が配設されている。
インク補給ユニット248は、ガイド枠体254に設けられた収容部内でそれぞれ独立してスライドし、対応するサブインクタンク30に対して接近及び離間するようになっている。
インク補給ユニット248が記録ヘッドキャリッジ14(サブインクタンク30)に対して接近又は離間するときの移動領域は、図1から分かるように、記録ヘッドキャリッジ14に対してメンテナンス装置20が接離するときの移動領域と重ならないようになっている。
このため、インク補給ユニット248とメンテナンス装置20のいずれか一方を記録ヘッドキャリッジ14に対して接離させるときに、他方を退避させる必要がない。
図1、及び図5に示すようにそれぞれのインク補給ユニット248の、サブインクタンク30と対向する面には、サブインクタンク30の排気口242に対応した位置に排気用ポート274が、サブインクタンク30のインク補給口244に対応した位置にインク補給用ポート276がそれぞれ設けられており、インク補給ユニット248がサブインクタンク30に向かって移動することで、排気用ポート274が排気口242に、インク補給用ポート276がインク補給口244にそれぞれ接続される。
また、それぞれのインク補給ユニット248には、サブインクタンク30の大気連通孔238に対応した位置に、キャップ272が取りつけられている。
インク補給ユニット248がサブインクタンク30に接近し、排気用ポート274が排気口242に、インク補給用ポート276がインク補給口244にそれぞれ接続された後に、さらにインク補給ユニット248がサブインクタンク30に接近することで、キャップ272が大気連通孔238を封止し、サブインクタンク30の内部と外部との空気の流通を阻止するように、キャップ272の形状や取付位置等が設定されている。
インク補給ユニット248からは、サブインクタンク30に向かって位置決めピン278が突設されている。
一方、サブインクタンク30には、位置決めピン278に対応する位置に、位置決め用ポート(図示省略)が設けられている。
位置決めピン278は、一定の外径を有する円柱状の位置決め部と、この位置決め部よりも先端側において先細りの円錐状に形成された案内部とを有しており、位置決め部の外径は、位置決め用ポートの内径と略等しくされている。
インク補給ユニット248がサブインクタンク30に接近すると、まず、位置決めピン278の先端側の案内部が位置決め用ポート内に進入する。
案内部は先細り形状とされているので、位置決めピン278の中心と位置決め用ポートの中心とがずれていても、位置決めピン278は位置決め用ポート内に入る。
そして、インク補給ユニット248がさらにサブインクタンク30に接近するにしたがい、案内部によって位置決めピン278の中心と位置決め用ポートの中心とが一致する方向へと徐々に移動する。
さらに、位置決め部が位置決め用ポートに達すると、位置決めピン278の中心と位置決め用ポートの中心とが一致し、インク補給ユニット248とサブインクタンク30とが個々に位置決めされる。
図5に示すように、インク補給用チューブ124の一端はインク補給用ポート276に接続され、他端は、画像記録に使用されるインクがあらかじめ貯留されたメインインクタンク250に接続されている。
後述するように、インク補給用ポート276がサブインクタンク30のインク補給口244に接続されると、メインインクタンク250からサブインクタンク30へのインクの流路が構成される。
図5から分かるように、固定フレーム252には、インク補給ユニット変位用ギヤ列(図示省略)によって伝達された回転力で回転するカムユニット144が、それぞれのインク補給ユニット248及び位置決めアーム260に対応して(従って、本実施形態では合計で6つ)、且つ同軸で一体的に回転するように配置されている。
それぞれのカムユニット144は、対応するインク補給ユニット248又は位置決めアーム260を前進させるための前進用カム146と、後退させるための後退用カム148で構成されている。
また、固定フレーム252には、カムフォロワユニット150が配置されている。カムフォロワユニット150は、前進用カム146及び後退用カム148にそれぞれ対応する前進用カムフォロワ152及び後退用カムフォロワ154が一体的に設けられており、インク補給ユニット248のスライド方向と同方向にスライド可能とされている。
さらに、固定フレーム252には、支軸156回りに揺動可能なリンク160と、このリンク160の先端に一端が軸支された変位用アーム162とで構成されたリンク機構158が設けられている。
変位用アーム162の他端は、位置決めアーム260又はインク補給ユニット248に軸支されている。
また、リンク160の略中央には、カムフォロワユニット150が軸支されている。これにより、カムフォロワユニット150がスライドすると、リンク機構158によってスライド量が増幅されて、位置決めアーム260又はインク補給ユニット248に伝達されるようになっている。
それぞれのカムユニット144は、対応する位置決めアーム260又はインク補給ユニット248を所定のタイミングで前進又は後退させることができるように、前進用カム146及び後退用カム148の位置及び形成が決められている。
また、固定フレーム252には、カムユニット144の回転位置を検出する図示しないセンサが取りつけられており、このセンサによって検出されたカムユニット144の回転角度に基づいて、後述する制御部13が駆動モータ225(図9参照)を駆動し、カムユニット144の初期位置を設定したり回転角度を制御したりするようになっている。
図5に示すように、リフィルユニット(ポンプユニット)164は、各インク補給ユニット248から延びる排気用チューブ126に対応して、4つのローラーポンプ168を有する構成とされている。
図5に示すように、それぞれのローラーポンプ168は、ポンプ軸166と一体で回転する回転板170と、この回転板170の外周近傍に配置された1又は複数(本実施形態では対角上に2つ)のローラー172とを有している。
これに対し排気用チューブ126は、部分的に回転板170の周囲を取り巻くように配置されており、ローラー172が排気用チューブ126を局所的に押しつぶしている。
従って、回転板170が図5の時計回り方向に回転すると、ローラー172が排気用チューブ126をしごくようにして移動し、排気用チューブ126内の流体(本実施形態では空気)を、排気用チューブ126の他端から大気中に排出する。
なお、それぞれのローラーポンプ168は、ポンプ軸166の軸方向に沿って見たときにローラー172が全体として等間隔で配置されるように、それぞれの回転板170の取付角度が決められている。
本実施形態では、4つのローラーポンプ168が配置されているので、図5からも分かるように、それぞれの回転板170を45度ずつずらして配置し、ポンプ軸166に沿って見たときに、全体としてローラー172が中心角22.5度ずつ等間隔で配置されている。
これにより、リフィルユニット164に作用する抵抗(特に、排気用チューブ126の反力でローラー172が押されることによる回転抵抗)が分散され、リフィルユニット164がスムーズに回転する。
駆動モータ225の駆動(正転又は逆転)によるインク補給ユニット248の前進及び後退や、リフィルユニット164の駆動は、メンテナンス装置20によるメンテナンス動作とタイミングが重ならないように、後述する制御部13よって制御されている。
図9には、インクジェット記録装置12の電気系のブロック図を示した。
図9に示すように、インクジェット記録装置12は、制御部13を備えている。
制御部13には、記録ヘッドキャリッジ14、記録媒体搬送部材16を駆動して記録用紙を搬送するための搬送機構417、メンテナンス装置20、駆動モータ225、メインインクタンク用情報記憶部419、印字データ量用情報記憶部421、及び各種操作を行うための操作パネル423、温度センサ346、印字用発熱素子336に印字用パルス信号を供給するパルス発生器338、クリーニングボタン339、ヘッド情報読取記憶部341等が接続されている。
メインインクタンク用情報記憶部419には、後述するリフィル回数、標準補充量等のインクの補充に関するデータが記憶され、印字データ量用情報記憶部421には、後述するピクセルカウント値や1ピクセル当たりのインク量等の印字データ量に関するデータが記憶される。
また、ヘッド情報読取記憶部341は、前述したバーコード読取用のスキャナー39、及び読み取った情報を記憶する記憶装置を備えている。
制御部13では、入力された印字データに従って記録ヘッドキャリッジ14や搬送機構417等を制御して記録媒体Pに印字する。
また、制御部13は、詳細は後述するが、印字データ量及びインク残量センサ240からのインク残量信号に基づいてインクの補充制御を行う。
(メンテナンス装置)
図2〜図4に示すように、メンテナンス装置20は、ホームポジションの下方に配置されるハウジング34を有している。
ハウジング34内にはモータ36が配置されている。
また、ハウジング34の側壁には、揺動アーム38が、その一端を中心として揺動可能に軸支されている。
モータ36の回転駆動力は揺動アーム38の一端側に作用するようになっており、モータ36が正転したときは、揺動アーム38は図2矢印S方向に揺動し、二点鎖線で示すように、揺動アーム38の他端に設けられた出力ギヤ40が、カム駆動用ギヤ列42と噛み合う。
これにより、モータ36の回転駆動力が、カム駆動用ギヤ列42に作用する。
さらにこの回転駆動力は、複数のカム(図示省略)を備えたカムシャフト44に伝達される。
カムシャフト44のカムは、後述するキャップホルダー48、バルブ58、及びワイパーブレード保持板70をそれぞれ所定のタイミングで昇降、開閉及び往復移動させるように、カムシャフト44の1回転について各動作が角度毎に割り付けられている。
なお、カムシャフト44の回転角度は、図示しないフォトセンサーによって検出され、この情報に基づいて、制御部13がカムシャフト44の回転量(回転角度)を制御する。
これに対し、モータ36が逆転すると、揺動アーム38は矢印Sと反対の方向に揺動し、実線で示すように、出力ギヤ40がポンプ駆動用ギヤ列46と噛み合うため、モータ36の回転駆動力がポンプ駆動用ギヤ列46に作用する。
なお、モータの回転(正転及び逆転)は、制御部13によって制御され、メンテナンス装置20によるインクカートリッジ28への回復動作と、画像記録動作(インク滴の吐出や主走査及び副走査)とが同時に行われないようになっている。
ハウジング34の上部にはキャップホルダー48が昇降可能に設けられており、カムシャフト44の回転角度に応じて、図示しないカムから、同じく図示しないリンク機構を介して昇降させる力が作用するようになっている。
このキャップホルダー48上に、記録ヘッド部32のそれぞれに対応する4つのキャップ50が配置されている。
これらのキャップ50は上部が開放された略直方体状に形成されており、記録ヘッドキャリッジ14がホームポジションに位置しているときにキャップホルダー48が上昇すると、対応する記録ヘッド部32ごとに、インク吐出口330を包囲するようにしてインク吐出面35に密着する。
これにより、インク吐出口330からの不用意なインクの乾燥や、異物の混入等を防止し、インクカートリッジ28をインク滴の吐出に最適な状態に維持する。
図4に示すように、4つのキャップ50のうち、特定のキャップ50(本実施形態では、図2の左上に位置するキャップ)は、その底部にチューブ52の一端が接続されており、インク吸引用キャップ50Bとされている。
チューブ52は、インクに対する耐性を備えた可撓性の材料によって構成されており、全体を所望の形状に湾曲させたり、部分的に押しつぶされることで内部が閉塞され、流体の流動を遮断したりできるようになっている。
このチューブ52の中間にはバルブ58が設けられ、さらに他端は、ハウジング34内に配置された負圧溜60の上部に接続されている。
バルブ58は、カムシャフト44の回転によって、図示しないカム及びリンク機構を介して所定のタイミングで開閉される。
これにより、チューブ52も所定のタイミングで、内部を流体が流動可能な状態(チューブ連通状態)又は流動不能な状態(チューブ遮断状態)をとる。
負圧溜60は、略筒状(円筒状であっても角筒状であってもよいが、本実施形態では円筒状)に形成され、内部が空洞とされている。
このような空洞を有する負圧溜60を設けることで、バルブ58から後述するポンプ62に至るまでのインク搬送部材56の内容積V2が、インク吸引用キャップ50Bからバルブ58に至るまでのインク搬送部材56の内容積V1よりも大きくされる。
換言すれば、上記した内容積の条件(V1<V2)を満たすような適切な位置に、負圧溜60が配置されていることになる。
ハウジング34内には、ポンプ駆動用ギヤ列46からの回転駆動力で駆動されるポンプ62が配置されている。
図4から分かるように、ポンプ62はいわゆるローラーポンプとされており、回転板64の周囲の所定位置に、1又は複数のコロ66が回転可能に取り付けられている。
また、ハウジング34内には、一端が負圧溜60の下部に接続されたチューブ54が配置されている。
チューブ54もチューブ52と同様、インクに対する耐性を備えた可撓性の材料によって構成されているが、チューブ52と比較して、より厚肉とされており、強度が高められている。
チューブ52とチューブ54とで、本発明に係るインク搬送部材56が構成されている。
チューブ54の中間部分は、約半周に渡って、ポンプ62を構成する回転板64の外周に巻き掛けられており、チューブ54が部分的にコロ66によって押しつぶされている。
従って、ポンプ62が駆動されて回転板64が矢印R方向に回転すると、コロ66によって押し潰された部分が、次第にチューブ54の他端側へと移動し、チューブ52内の流体が他端側へと移動される。
図2に示すように、さらにハウジング34の上部には、シャフト68に沿って移動可能に、ワイパーブレード保持板70が配置されている。
ワイパーブレード保持板70には、記録ヘッド部32のそれぞれのインク吐出面35(図4参照)に対応する4つのワイパーブレード72が取り付けられている。
ワイパーブレード保持板70は、カムシャフト44の回転によって所定のタイミングで、矢印A方向に移動(往動作)し、さらに所定のタイミングで矢印Aと反対方向に移動(復動作)するようになっている。
記録ヘッドキャリッジ14がホームポジションにあるときにワイパーブレード保持板70がこのように往復動作することで、ワイパーブレード72がそれぞれ対応する記録ヘッド部32のインク吐出面35をワイピングし、インク吐出面35に付着した異物を除去する。
(作用)
次に、本実施形態のインクジェット記録装置12の作用を説明する。
本実施形態のインクジェット記録装置12では、画像情報に応じてインクカートリッジ28からインク滴を吐出しながら、記録ヘッドキャリッジ14が主走査方向に、記録媒体Pが副走査方向にそれぞれ移動することで、記録媒体P上に画像が記録される。
次に、インクカートリッジ28を交換したときのインクカートリッジ交換シーケンスを説明する。
図10に示すように、ステップ100では、新しいインクカートリッジ28が装填されたか否かが判断される。
装填されたインクカートリッジ28のヘッド情報32Aをスキャナー39で読み取り、前回記憶しておいたヘッド情報の内容と比較を行い、情報が異なっていれば新たなインクカートリッジ28が装填されたと判断できる。
新しいインクカートリッジ28が装填されたと判断された場合はステップ102へ進み、インクカートリッジ交換回復動作を行う。
(インクカートリッジ交換回復動作)
図11に示すように、インクカートリッジ交換回復動作では、先ずステップ104で、キャリッジ14がダミージェット位置DJPに移動されると共に、短駆動パルスの設定が行なわれる。ここでは、印字用パルス信号(パルス幅2.5μsec)よりもパルス幅の小さい短駆動パルス信号(パルス幅1.0μsec)が設定される。
次のステップ106では、パルス発生器338を介して印字用発熱素子336に対して短駆動パルス信号が印加され、印字用発熱素子336の駆動が行なわれる。ここで、印字用発熱素子336の駆動は、印字用パルス信号(パルス幅2.5μsec)よりもパルス幅の小さい短パルス信号(パルス幅1.0μsec)によって行なわれるため、インク吐出口330からインク滴が吐出されず、個別流路332内のインクが加熱されるだけである。
次のステップ108では、ヘッド温度がインクの沸騰温度であるT1°Cを超えたか否かが判断され、T1°Cを超えたと判断されるとステップ110へ進む。
即ち、この加熱動作によりヘッド温度がT1°C以上(インク沸点温度(本実施形態では100°C前後)以上、例えば105°C)に到達したか否かを温度センサ346の出力に基づいて判定し、ヘッド温度(共通液室内のインク温度)がT1°Cに到達するまで加熱動作を繰り返す。
このように加熱動作を行なうことにより、共通液室334内のインクが沸騰して粘度が低下し、気泡71が外部に排除される。
ステップ110では、パルス発生器338が短駆動パルス信号の出力を停止し、この結果、印字用発熱素子336の駆動が停止される。その後、インクの温度は自然冷却により低下し始める。
短駆動パルスの印加停止後、ステップ112へ進む。
ステップ112は、図12に示すヘッド吸引シーケンスが行なわれる。
(ヘッド吸引シーケンス)
図12に示すように、ヘッド吸引シーケンスのステップ114では、先ずモータ36を正転させる。
揺動アーム38が図2矢印S方向に揺動するので、モータ36の回転駆動力は、カム駆動用ギヤ列42を介して、カムシャフト44を回転させる。
これにより、まず、ワイパーブレード保持板70が矢印A方向及びその反対方向へと往復移動する。
記録ヘッド部32のインク吐出面35がワイパーブレード72によってワイピングされ、インク吐出面35に付着した異物が除去される。
ワイピング動作の後、モータ36の正転によってさらにカムシャフト44が回転すると、キャップホルダー48が上昇し、図4に示すように、キャップ50が記録ヘッド部32のインク吐出面35に当接し密着する(当接工程)。
これにより、記録ヘッド部32のインク吐出口330の周囲が封止されるため(Cap On)、インクカートリッジ28からの不用意なインクの乾燥や異物の混入が防止される。
さらにモータ36の正転によってカムシャフト44が回転すると、バルブ58が閉状態となる(閉塞工程)。
これにより、チューブ52は中間部分において遮断され、内部を流体が流動しなくなる。
次のステップ116では、このようにチューブ52が遮断された状態で、制御部13は、モータ36を逆転させる。
図2に示すように揺動アーム38が矢印Sと反対方向に揺動し、モータ36の回転駆動力がポンプ駆動用ギヤ列46を介してポンプ62に伝達されるため、ポンプ62が駆動される(駆動工程)。
これにより、チューブ54内の流体がチューブ54の他端側へと送られるので、チューブ54内は次第に減圧される。
なお、このときチューブ52は、その中間部分においてバルブ58で遮断されているので、バルブ58から負圧溜60までの部分でのみ減圧され、インク吸引用キャップ50B内と、インク吸引用キャップ50Bからバルブ58に至るチューブ52内には負圧が発生していない。
すなわち、チューブ52のバルブ58から負圧溜60までの間、負圧溜60内、及びチューブ54の一端から、コロ66が最初に接触する位置までの間が、ポンプ62の駆動によって減圧される減圧空間となっている。
このとき、本実施形態では図4から分かるように、負圧溜60が設けられているため、このような負圧溜60が設けられていない構成のものと比較して、減圧空間の内容積V2が大きくなっている。
また、インク吸引用キャップ50Bからバルブ58に至るチューブ52内の空間(非減圧空間)の内容積V1と比較しても、減圧空間の内容積V2が大きくなっている。
このため、ポンプ62の駆動によって、負圧が生じる空間が広くなり、減圧空間内に十分大きな負圧を溜めることができる。
ポンプ62の駆動が所定時間に達し減圧空間内に一定の負圧が溜めこまれると、ステップ118へ進み、制御部13は、再度モータ36を正転させる。
これにより、揺動アーム38が図2矢印S方向に揺動するため、ポンプ62の駆動が停止される。
次いで、カムシャフト44が回転し、図5からも分かるように、バルブ58が開状態となる(開放工程)。
これにより、減圧空間に発生していた負圧が瞬間的にインク吸引用キャップ50B内に作用するため、大きな吸引力で、インクカートリッジ28内(特にノズル33内)から、インクを吸引することができる。
なお、インクは加熱されて粘度が低下しているので、カートリッジ側のインクを確実に吸引することができる。
吸引されたインクは、排インクとして、チューブ54の他端側に設けられた排出インクタンク(図示省略)に排出される。
最後に、モータ36がさらに正転するとキャップホルダー48が下降するため、キャップ50がインクカートリッジ28から離間する。
なお、本実施形態では、複数のキャップ50のうち、特定のインク吸引用キャップ50Bに対応したインクカートリッジ28のみからインクを吸引できるようにしている。
従って、記録ヘッドキャリッジ14をキャップ50の配列方向(主走査方向)に所定量だけ移動させて、インクを吸引すべきインクカートリッジ28をインク吸引用キャップ50Bの上方に位置させるようにすることで、所望のインクカートリッジ28からインクを吸引できる。
次のステップ120では、ダミージェットを行う。
次のステップ122では、記録ヘッド部32のインク吐出面35をワイパーブレードによってワイピングする。
ワイピング終了後、図11のステップ124へ進む。
ステップ124では、ヘッド温度がT2より低下したか否かが判断される。ヘッド温度がT2より低下するとインクカートリッジ交換のシーケンスは終了する。
なお、クリーニングボタン339を押すことで、インクカートリッジ交換回復動作を強制的に行うことも出来る。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
本実施形態では、インクカートリッジ28の製造年月日に基づいたシーケンスを行う。
図13に示すように、ステップ200では、新しいインクカートリッジ28が装填されたか否かが判断される。新しいインクカートリッジ28が装填されたと判断されるとステップ202へ進む。
ステップ202ではヘッド情報の中から製造年月日(時)を読み出し、次のステップ04では、製造から現在までの経過時間を算出する。
次のステップ206では、算出した経過時間が、予め設定しておいた時間tよりも長いか否かを判断し、長いと判断した場合は次のステップ208へ進み、ヘッド駆動制御シーケンスを行う。
図14に示すように、本実施形態のヘッド駆動制御シーケンスは、第1の実施形態の図11に説明したシーケンスからヘッド吸引(ステップ112)工程を省いたものである。
ヘッド駆動制御シーケンス終了後、ステップ210へ進む。
ステップ210のインクカートリッジ交換回復動作シーケンスは、第1の実施形態で説明した図11に示したインクカートリッジ交換回復動作シーケンスと、図12に示したヘッド吸引シーケンスと同一である。
製造後のインクカートリッジ28を長期間保管してあった場合、未使用のインクカートリッジ28であっても、ヘッドのインキの粘度変化、また、場合によってはインキ流路内での気泡71の発生等の関係でインクが正常に吐出できない場合が考えられる。
このため、本実施形態のシーケンスを行なえば、製造後長期間経た未使用のインクカートリッジ28であっても使用初期から確実にインクを吐出させることが出来る。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
本実施形態では、インクカートリッジ28のインク残量に基づいたシーケンスを行う。
図15に示すように、ステップ300では、新しいインクカートリッジ28が装填されたか否かが判断される。新しいインクカートリッジ28が装填されたと判断されるとステップ302へ進む。
ステップ302では、装填されたインクカートリッジ28のインク残量検知が行なわれる。ここでは、インク残量センサ240によりインク残量検知が行われ、インク液面がインク残量センサ240が取り付けられた位置よりも低くなった場合、すなわち図6に示すLoの位置よりも低くなった場合に、インクなしと判断され、ステップ308へ進む。
インクありと判断された場合(インク液面がLoの位置よりも高い場合)はステップ306へ進む。
ステップ308では、インクリフィル動作が行なわれ、インクカートリッジ28のサブインクタンク30に所定量のインクが供給される。インクの供給が終了するとステップ306へ進む。
ステップ306は、のインクカートリッジ交換回復動作シーケンスは、第1の実施形態で説明した図11に示したインクカートリッジ交換回復動作シーケンスと、図12に示したヘッド吸引シーケンスと同一である。
インクカートリッジ交換を行なった場合、インクの入っていない(または使用後でインクの少ない)インクカートリッジ28を装填してしまう場合が考えられる。
このため、本実施形態のシーケンスを行なえば、インクの入っていないインクカートリッジ28を装填した場合であっても使用初期から確実にインクを吐出させることが出来る。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の記録ヘッドキャリッジ及びその近傍を示す斜視図である。 メンテナンス装置を示す一部破断斜視図である。 メンテナンス装置の概略構成を示す平面図である。 インク吸引装置の概略構成を示す説明図である。 インク補給装置の概略構成を示す一部破断側面図である。 (A)はインクカートリッジの側面図であり、(B)はインクカートリッジの背面図である。 インクジェット記録ヘッドの斜視図である。 (A)は図7の8−8線断面図であり、(B)は図8(A)のB−B線断面図である。 インクジェット記録装置の電気系の概略を示すブロック図である。 第1の実施形態に係るインクジェット記録装置のインクカートリッジ交換シーケンスを示すフローチャートである。 インクカートリッジ交換回復動作シーケンスを示すフローチャートである。 ヘッド吸引シーケンスを示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るインクジェット記録装置のインクカートリッジ交換シーケンスを示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るインクジェット記録装置のヘッド駆動制御のシーケンスを示すフローチャートである。 第3の実施形態に係るインクジェット記録装置のインクカートリッジ交換シーケンスを示すフローチャートである。
符号の説明
10 インク吸引装置
12 インクジェット記録装置
13 制御部(制御手段)
20 メンテナンス装置(インク吸引装置)
26 キャリッジフレーム(装填部)
30 サブインクタンク(インクタンク)
32 記録ヘッド部(インクジェット記録ヘッド)
240 インク残量センサ(インク残量検知手段)
246 インク補給装置
330 インク吐出口
334 共通液室
341 ヘッド情報読取記憶部(ヘッド情報読取手段)
332 個別流路
336 印字用発熱素子
338 パルス発生器(駆動手段)
346 温度センサ(温度検出手段)

Claims (11)

  1. インクを貯留するインクタンクと、インクタンクに連結され画像情報に基づいてインク滴を記録媒体に吐出するインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記インクジェット記録ヘッドのインク吐出口からインクを吸引するインク吸引装置と、
    前記インクジェット記録ヘッドの駆動、及び前記インク吸引装置の駆動を制御する制御手段と、
    前記インクジェット記録ヘッドを装填する装填部と、
    前記装填部に装填された前記インクジェット記録ヘッドに付与されたヘッド情報を読み取るヘッド情報読取手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、読み取ったヘッド情報を基に、今まで装着されていたのと異なるインクジェット記録ヘッドが装着されたことを検知したときに、前記インクジェット記録ヘッドと前記インク吸引装置とを駆動する、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 外部からインクが供給される共通液室、共通液室に連通し、先端にインク吐出口が形成された個別流路、及び、個別流路に配設されインクを加熱することによってインク滴を吐出させる印字用発熱素子を備えた前記インクジェット記録ヘッドと、
    前記共通液室内に存在するインクが沸騰するまで、印字用発熱素子に対して駆動エネルギーを印加可能とする駆動手段と、
    前記インクジェット記録ヘッドの温度が、前記共通液室内に存在するインクを沸点させるための設定沸騰温度になったことを検出する温度検出手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記温度検出手段が、前記インクジェット記録ヘッドの温度が設定沸騰温度になったことを検出した後、前記駆動手段を制御して前記印字用発熱素子に対する駆動エネルギーの印加を停止する、ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記インクジェット記録ヘッドの温度が前記設定沸騰温度に達した後にインク吸引装置を駆動する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記駆動手段による駆動エネルギーの印加を停止した後、前記インクジェット記録ヘッドの温度が前記設定沸騰温度よりも低く設定された第1の設定温度以下になる前に、前記インク吸引装置を駆動する、ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記駆動手段が、インク吐出用エネルギーよりも小さく、インクを吐出させないで、前記インクジェット記録ヘッドを加熱するためのエネルギーを前記印字用発熱素子に印加してインクを沸騰させる、ことを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記装填部に前記インクジェット記録ヘッドが装填された際にヘッド情報を読み取り、前記インクジェット記録ヘッドの製造時期から現在までの経過時間が、予め設定した時間を超えているか否かを判断し、超えていると判断した場合にはインクジェット記録ヘッドの駆動、及びインク吸引装置の駆動を行う、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. インク残量検知手段を備えたインクタンクにインクを補給するインク補給装置を備え、
    前記インクジェット記録ヘッドの交換が検出された後にインク残量検知手段によってインクタンク内のインクの残量を検知し、インク無しを検知した場合は、インク補給装置によりインクの補給を行なった後に、インクジェット記録ヘッドの駆動、及びインク吸引装置の駆動を行う、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 複数のインクジェット記録ヘッドを装填可能とする装填部を備え、
    交換が検知されたインクジェット記録ヘッドに対してのみインクジェット記録ヘッドの駆動、及びインク吸引装置の駆動を行う、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記設定沸騰温度は、インクの沸騰温度以上である、ことを特徴とする請求項2乃至請求項8の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記インクの設定沸騰温度は、99〜105°Cである、ことを特徴とする請求項2乃至請求項9の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記インクジェット記録ヘッドに前記インクタンクが一体的に設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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