JP2005270818A - 洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ワークに例えば油脂等の汚れを付着させずに洗浄を行って品質低下を阻止することができ、しかも、洗浄液を循環利用可能なためコスト安で洗浄を行うことができる画期的な洗浄装置を提供すること。
【解決手段】 洗浄槽2内でワーク1を洗浄する洗浄装置であって、前記洗浄槽2に洗浄液を加熱して蒸気化する加熱部3を設け、蒸気化する前の洗浄液と非接触状態でワーク1を前記洗浄槽2に収納し得るように構成し、前記加熱部3により加熱することで蒸気化した洗浄液が前記ワーク1に接触して洗浄し得るように構成した洗浄装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ワークを洗浄する洗浄装置に関するものである。
従来から、洗浄槽内にワークを収納し、このワークを有機溶剤等の洗浄液によって洗浄することで、ワークに付着した油脂類等の汚れを除去する洗浄装置が提案されている(例えば下記特許文献1。)。
この特許文献1の洗浄装置は、洗浄槽内に設けたノズルから、ワークに向けて洗浄液を噴射することで前記ワークをシャワー洗浄でき、また、煮詰方式の蒸気発生装置を備えてこの蒸気発生装置により洗浄液を蒸気化し、この蒸気化した洗浄液を前記ノズルからワークに向けて噴霧することによって、前記ワークを洗浄できるように構成しており、このシャワー洗浄若しくは蒸気洗浄を選択的に若しくは併用することでワークを洗浄するものである。また、特許文献1の洗浄装置は、シャワー洗浄若しくは蒸気洗浄のいずれの洗浄を行う場合においても、ランニングコストをできるだけ低く抑えるために、洗浄液を循環利用できる構成となっている。
特許第2784159号
しかしながら、洗浄液を循環利用する場合には、経時と共に洗浄液の汚れが増し、例えばシャワー洗浄の際には、この汚れた洗浄液をワークに向けてそのまま噴射することとなるため、ワークに汚れが付着して洗浄シミが発生してしまい易く、また、蒸気洗浄の際には、洗浄段階で洗浄除去された油脂分が煮詰蒸溜時に共沸し、その油脂分がワークに残留してシミが発生してしまうという問題点がある。
この問題点は、洗浄液を循環利用せず、ワークを洗浄する度にきれいな新しい洗浄液を利用することで、洗浄シミの発生を防止することも考えられるが、ワーク洗浄の度に新しい洗浄液を使用するのは交換の手間もかかる上にコスト高となり、特に洗浄液を多量に使用する大型ワークの場合や構造が複雑なワークの洗浄にあたっては、その影響が極めて大きく、そのため、実質、実現することは不可能といえる。
従って、従来の洗浄装置によるワークの洗浄は、品質の低下を引き起こさず且つコスト安にワーク洗浄を行うことは極めて困難であるといえる。
本発明は上記問題点に鑑み、鋭意検討,研究を重ねた末、なされたもので、ワークに例えば油脂等の汚れを付着させずに洗浄を行って品質低下を阻止することができ、しかも、洗浄液を循環利用可能なためコスト安で洗浄を行うことができる画期的な洗浄装置を提供することを目的としている。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
洗浄槽2内でワーク1を洗浄する洗浄装置であって、前記洗浄槽2に洗浄液を加熱して蒸気化する加熱部3を設け、蒸気化する前の洗浄液と非接触状態でワーク1を前記洗浄槽2に収納し得るように構成し、前記加熱部3により加熱することで蒸気化した洗浄液が前記ワーク1に接触して洗浄し得るように構成したことを特徴とする洗浄装置に係るものである。
また、前記加熱部3を面状に構成し、この加熱部3に洗浄液を接触させて蒸気化するように構成したことを特徴とする請求項1記載の洗浄装置に係るものである。
また、前記加熱部3による前記洗浄液の加熱度合いを、前記洗浄液を油脂分等の汚れ成分の共沸を伴わずに蒸気化する加熱度合いに設定したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の洗浄装置に係るものである。
また、洗浄液を前記ワーク1に向けて噴射せず前記加熱部3に向けて噴射する噴射部4を前記洗浄槽2に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄装置に係るものである。
また、前記噴射部4から前記加熱部3に向けて洗浄液を噴射した際、前記噴射した洗浄液が飛散して前記ワーク1に付着することを防止する飛散防止部5を前記洗浄槽2に設けたことを特徴とする請求項4記載の洗浄装置に係るものである。
また、前記洗浄槽2の少なくとも周壁部6を前記加熱部3とし、前記周壁部6の内側には前記周壁部6に向けて洗浄液を噴射する噴射部4を設け、この噴射部4の内側には前記周壁部6に向けて噴射される前記洗浄液が飛散することを防止する遮蔽板材5を設け、この遮蔽板材5の内側に前記ワーク1を収納し、前記噴射部4から噴射した洗浄液が前記加熱部3となる前記周壁部6により加熱されて蒸気化した洗浄液が通過する通過部18を前記遮蔽板材5と前記周壁部6との間に設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗浄装置に係るものである。
また、前記洗浄槽2内にワーク1を載置する載置部7を設け、この載置部7を振動可能に構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の洗浄装置に係るものである。
また、前記加熱部3を鏡面研磨処理したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の洗浄装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、ワークに例えば油脂等の汚れが付着することを抑制しつつ洗浄を行うことができ、これにより、品質低下を阻止でき、しかも、洗浄液を循環利用できるため、コストをかけずにワークの洗浄を行うことができる画期的な洗浄装置となる。
即ち、本発明は、洗浄槽に収納したワークに向けて洗浄液若しくは蒸気化した洗浄液を噴射して積極的に接触させるのではなく、加熱部によって加熱して蒸気化した洗浄液をワークの周囲に漂わせることで接触させ、これによりワークを洗浄するため、例えば循環利用により洗浄液中に油脂分等の汚れ成分が含まれていたとしても、この油脂分とワークとの接触の機会を実質的に減少させて、これにより、ワークが汚れることを抑制することができる実用性に秀れる洗浄装置となる。
また、請求項2記載の発明においては、洗浄液と加熱部との接触面積を広く確保することができ、これにより、洗浄液を効率良く蒸気化できることとなり、よって、一層効率的にワークを洗浄することができる実用性に秀れる洗浄装置となる。
また、請求項3記載の発明においては、蒸気化した洗浄液に油脂分等の汚れ成分が含まれない状態とすることができ、これにより、例えば洗浄液を循環利用する場合であっても、前記汚れ成分の共沸を防止してきれいな洗浄液でワークを洗浄することで、確実に洗浄シミが起こらない洗浄を実現することができる画期的な洗浄装置となる。
また、請求項4記載の発明においては、洗浄液をワークに向けて噴射せず加熱部に向けて噴射する噴射部を前記洗浄槽に設けることで、ワークに対するシミの発生を一層良好に抑制することができる画期的な洗浄装置となる。
また、請求項5記載の発明においては、飛散防止部によって、汚れ成分を含んだ洗浄液がワークに付着することを極めて良好に抑制することが可能となり、これにより、一層確実に洗浄シミの発生を阻止してワークを洗浄することができる画期的な洗浄装置となる。
また、請求項6記載の発明においては、加熱部から飛散する洗浄液がワークに接触しない構成を簡易に設計実現可能となる。
また、噴射部から噴射された洗浄液を洗浄槽の周壁部に沿って流下させることが可能となり、例えばこの流下した洗浄液を回収する機構を洗浄槽の下方に備えることで、洗浄液の循環利用を簡易且つスムーズに行うことが可能となる画期的な洗浄装置となる。
また、請求項7記載の発明においては、例えばワークを重なり合った状態で載置部に載置してこのワークを振動させながら洗浄を行うことで、ワークの重なり合った部分に蒸気化した洗浄液を振動によって入り込ませることが可能となり、これによって、ワークが重なり合った状態であってもワークを良好に洗浄することができる画期的な洗浄装置となる。
また、請求項8記載の発明においては、洗浄液と加熱部との熱交換を一層効率良く行うことができ、これにより、洗浄液を一層効率的に蒸気化して容易にワークを洗浄することができる画期的な洗浄装置となる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
本発明は、蒸気化する前の洗浄液と非接触状態でワーク1を洗浄槽2内に収納することができる。
そして、加熱部3により洗浄液を蒸気化し、この蒸気化した洗浄液がワーク1に接触することで洗浄槽2内のワーク1を洗浄する。
即ち、本発明は、加熱部3によって蒸気化した洗浄液をワーク1に向けて噴霧するのではなく、ワーク1の周囲を漂う洗浄液がワーク1に接触することで洗浄するもので、従来のように洗浄液をワーク1に向けて積極的に噴射して洗浄する場合に比して油脂等の汚れ成分とワーク1とが接触する機会を実質的に減らすことができ、これにより、ワーク1が前記汚れ成分によって汚れる機会を減らすことができることとなる。
また、この際、例えば加熱部3による洗浄液の加熱度合いを、油脂分等の汚れ成分が共沸しない加熱度合いに設定することで、蒸気化した洗浄液を汚れ成分が含まれない状態にすることが可能になり、この洗浄液を用いてワーク1を洗浄することで洗浄シミの発生を確実に阻止できることとなる。
また、本発明は、前記汚れ成分とワーク1とが接触する機会を減らすことができることから、その分、洗浄液の交換も少なくて済み、よって、コスト安に前記ワーク1の洗浄を行えることとなる。
従って、本発明は、例えば蒸気化しない洗浄液若しくは蒸気化した洗浄液をワーク1に向けて積極的に噴射するのではなく、蒸気化した洗浄液がワーク1の周囲を漂い接触することでワーク1を洗浄することにより、簡易な構成にして従来に比してワーク1への洗浄シミの発生を極めて良好に抑制することができ、しかも、前記洗浄をコスト安で実現できるこれまでにない画期的な洗浄装置となる。
また、例えば、前記加熱部3を面状に構成してこの面状の加熱部3に洗浄液を接触させることで前記洗浄液を蒸気化するように構成すれば、洗浄液と加熱部3との接触面積を広く確保することができ、これにより、洗浄液を効率良く蒸気化できることとなり、よって、効率的にワーク1を洗浄できることとなるなど、一層実用的となる。
また、例えば、洗浄液を前記ワーク1に向けて噴射せず前記加熱部3に向けて噴射する噴射部4を前記洗浄槽2に設ければ、噴射部4から加熱部3に向けて洗浄液を噴射するため、前記洗浄液を加熱部3に効率良く接触させて蒸気化させることができ、また、洗浄液がワーク1に付着しないように噴射するため、ワーク1に洗浄液が直接接触することによるシミの発生を一層良好に抑制できることとなるなど、一層実用的となる。
また、例えば、前記噴射部4から前記加熱部3に向けて洗浄液を噴射した際、前記噴射した洗浄液が飛散して前記ワーク1に付着することを防止する飛散防止部5を前記洗浄槽2に設ければ、飛散防止部5によって、汚れ成分を含んだ洗浄液がワーク1に付着することを極めて良好に抑制することが可能となり、これにより、一層確実に洗浄シミの発生を阻止してワーク1を洗浄できることとなるなど、一層実用的となる。
また、例えば、前記洗浄槽2の少なくとも周壁部6を前記加熱部3とし、前記周壁部6の内方には前記周壁部6に向けて洗浄液を噴射する噴射部4を設け、この噴射部4の内方には前記周壁部6に向けて噴射される前記洗浄液が飛散することを防止する遮蔽板材5を設け、この遮蔽板材5の内方に前記ワーク1を収納し、前記噴射部4から噴射した洗浄液が前記加熱部3となる前記周壁部6により加熱されて蒸気化した洗浄液が通過する通過部18を前記遮蔽板材5と前記周壁部6との間に設ければ、加熱部3から飛散する洗浄液がワーク1に接触しない構成を簡易に設計実現できることとなる。
また、噴射部4から噴射された洗浄液を洗浄槽2の周壁部6に沿って流下させることが可能となり、例えばこの流下した洗浄液を回収する機構を洗浄槽の下方に備えることで、洗浄液の循環利用を簡易且つスムーズに行うことが可能となるなど、一層実用的となる。
また、例えば、前記洗浄槽2内にワーク1を載置する載置部7を設け、この載置部7を振動可能に構成すれば、例えばワーク1を重なり合った状態で載置部7に載置してこのワーク1を振動させながら洗浄を行うことで、蒸気化した洗浄液をワーク1の重なり合った部分に振動によって入り込ませることが可能となり、これによって、ワーク1が重なり合った状態であってもワーク1を良好に洗浄できることとなる等、一層実用的となる。
また、例えば、前記加熱部3を鏡面研磨処理した構成とすれば、洗浄液と加熱部との熱交換を一層効率良く行うことができ、これにより、洗浄液を一層効率的に蒸気化して容易にワークを洗浄できることとなるなど、一層実用的となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、洗浄槽2内でワーク1を洗浄する洗浄装置に関するもので、前記洗浄槽2に洗浄液を加熱して蒸気化する加熱部3を設け、蒸気化する前の洗浄液と非接触状態でワーク1を前記洗浄槽2に収納し得るように構成し、前記加熱部3により加熱することで蒸気化した洗浄液が前記ワーク1に接触して洗浄し得るように構成したものである。
即ち、本実施例は、前記洗浄槽2の少なくとも周壁部6を前記加熱部3とし、この周壁部6に向けて洗浄液を噴射する噴射部4を設けて、この噴射部4から周壁部6に向けて洗浄液を噴射した際、前記周壁部6に対して前記洗浄液が飛散することを防止する前記飛散防止部5となる遮蔽板材5を設けて、この遮蔽板材5よりも内方位置に前記ワーク1を収納した構成としている。
本実施例の洗浄槽2は、図1に示すように、上部にワーク1を搬出入する際に開閉作動する自動開閉蓋8を設けている。
また、洗浄槽2に真空ポンプ等の減圧機構を連結して洗浄槽2内を減圧可能に構成している。尚、図1中の符号Pは真空ポンプ等の減圧機構への連結を示している。
即ち、洗浄時には、ワーク1を収納した内容器2A内を減圧状態若しくは真空状態とする構成としている。
これにより、噴射部4から加熱部3に向けて噴射される洗浄液を、低い温度で効率良く蒸気化できることとなる。
本実施例の洗浄槽2は、図1に示すように、内容器2Aと外容器2Bとでから成る二重構造とし、この内容器2Aと外容器2Bとは上部で連結された構成としている。
また、内容器2Aの底部中央には、洗浄液を洗浄槽外へ排出するドレイン9を設け、このドレイン9は外容器2Bを介して図示省略のドレインタンクに連結した構成としている。尚、図1中の符号Dはドレインタンクへの連結を示している。
本実施例は、内容器2Aと外容器2Bとの間に熱溶媒を循環させることで内容器2A及び外容器2Bを加熱して前記加熱部3を構成している。即ち、本実施例は、内容器2Aの周壁部6と底面部17とを加熱部3としている。
具体的には、外容器2Bの上部及び下部には、内容器2Aと外容器2Bとの間に熱溶媒を導出入する導出入口10を設けている。
更に具体的には、図1に示すように、本実施例には所定の溶媒液を加熱する熱媒槽11を備え、この熱媒槽11で加熱された溶媒液を外容器2Bの下部に設けた導出入口10からこの外容器2Bと内容器2Aとの間に導入して、内容器2A及び外容器2Bを加熱し、外容器2B上部の導出入口10から熱溶媒を導出して熱媒槽11に送ることで熱溶媒を循環させ、これにより、内容器2Aの周壁部6及び底面部17を加熱し得るように構成している。
この内容器2Aと外容器2B間に導入される熱溶媒の温度は、およそ130℃を保持し得るように制御される構成としている。
また、内容器2Aの内面部は、この内面部に向けて噴射される洗浄液を効率良く蒸気化できるよう鏡面研磨処理された構成としている。
噴射部4となるノズル4を、内容器2A内の上部に複数設けている。
このノズル4は、噴射する蒸気化しない洗浄液がワーク1に直接接触せず、且つ、熱溶媒によって加熱された内容器2Aの周壁部6に直接接触し得るように設けている。
具体的には、ノズル4を、内容器2Aの上部において、噴出口(図示省略)が斜め下外方に向くように設けている。
また、ノズル4の噴射口は、洗浄液を偏平状で噴射し得る形状に形成している。
具体的には、前記噴射口をスリット状若しくは細線状に形成した構成としている。
ノズル4の噴射口をスリット状若しくは細線状としたのは、洗浄液をノズル4の噴射口から蒸気化しない状態で噴射可能とし、且つ、加熱部3と効率良く接触させて蒸気化した洗浄液を簡易に得られるようにするためである。
また、本実施例では、ノズル4からの洗浄液の噴射を、排出ポンプ等によって行うのではなく、洗浄槽2内を減圧状態とすることによる吸引圧、所謂真空吸引圧を利用して噴射する構成としている。
また、ノズル4から噴射される洗浄液の噴射量は、ワークの重量に応じて適宜変更設定される構成としている。
本実施例は、前述のように、ワーク1を収納した内容器2A内を、真空ポンプ等の減圧機構によって減圧状態若しくは真空状態とし、且つ、蒸気化する前の洗浄液をノズル4から加熱部3に向けて噴射することで、洗浄液を効率良く蒸気化できるよう構成している。
この減圧機構による内容器2A内の減圧度合い、及び、加熱部3による洗浄液の加熱度合いは、循環利用する洗浄液に含まれる油脂分が少なくとも洗浄時に共沸しない度合いに設定されている。
具体的には、内容器2A内の減圧度合いは、少なくとも洗浄時に内容器2A(洗浄槽)内が80Torr(およそ11kPa)となる減圧度合いに設定している。
また、加熱部3(内容器2Aの周壁部6若しくは底面部17)による洗浄液の加熱度合いは、少なくとも洗浄時に内容器2A(洗浄槽)内の温度が100℃〜105℃となる加熱度合いに設定している。
本実施例は、前述のように、ノズル4から噴射される洗浄液が、内容器2Aの周壁部6及び底面部17に沿って流下して内容器2A底部中央のドレイン9から洗浄槽2外へ排出されるように構成している。
この際のノズル4からの洗浄液の噴射量は、ドレイン9に向けて流下する際、流れに乱れが起こらない、所謂整流状態で流下し得る量に設定している。即ち、ドレイン9に向けての流下途中で、液枯れが発生しない噴出量に設定している。
これは、加熱部3に対してノズル4からの洗浄液を一定して接触させ、蒸気化した洗浄液を安定して得るためである。
遮蔽板材5を、ノズル4から噴射した洗浄液が内容器2Aの周壁部に対して飛散することを阻止し、これにより、蒸気化する前の洗浄液がワーク1に付着することを防止し得る位置に設けた構成としている。
即ち、遮蔽板材5を、内容器2Aの周壁部6に対してノズル4を介した対向位置に設けた構成としている。
具体的には、遮蔽板材5を、ノズル4から偏平状に噴射される洗浄液の流下部位を覆い得る大きさに形成している。
更に具体的には、遮蔽板材5として、蒸気化した洗浄液は通過可能であるが、蒸気化しない洗浄液は通過しにくく工夫された、小径の穴を複数穿設加工したパンチング板及びこのパンチング板に付設されるメッシュの細かい網を採用している。
この遮蔽板材5は、内容器2Aの全周壁面に沿うように平面視円形状に形成した構成としても良いし、ノズル4を設けた部位及びこのノズル4から噴射され流下する洗浄液を覆い得る部位に、部分的に設ける構成としても良い。
本実施例では、ノズル4及びこのノズル4から噴射され流下する洗浄液を覆い得る部位に遮蔽板材5を設けた構成としている。尚、遮蔽板材5は、ノズル4から噴射される洗浄液の流下を妨げないように、下端が内容器2Aの底面部17よりも所定高さ離反した位置に配置される長さに設定している。
また、遮蔽板材5よりも内方位置にして内容器2Aの中央部には、ワーク1を載置する載置部7を設けた構成としている。
この載置部7は、振動可能に構成している。
これにより、例えばワーク1を重ねた状態で載置部7に載置し、この重ねた状態のワーク1を載置部7を振動させながら洗浄を行うことで、蒸気化した洗浄液をワーク1の重なり合った部位に浸透させることができ、これにより、この重なり合った部位を良好に洗浄することができ、よって、ワーク1を重ねた状態でも良好に洗浄できることとなる。
本実施例では、循環利用する洗浄液を蒸溜して汚れ成分が少ない洗浄液を得る真空蒸溜装置12(煮詰式)を設けている。即ち、洗浄槽2においてワーク1の洗浄に使用した汚れ成分を含む洗浄液を、ドレインタンク等を介して真空蒸溜装置12に導入し、この真空蒸溜装置12内において蒸溜することで、汚れ成分の含有量が少ない洗浄液を得る構成としている。
また、この真空蒸溜装置12には脱水脱酸装置13を連結し、この脱水脱酸装置13に前記真空蒸溜装置12で蒸溜により得られた洗浄液を導入してこの洗浄液から水分,酸成分,硫黄分等を除去し得るように構成している。即ち、この脱水脱酸装置13により、洗浄液から水分,酸成分,硫黄分等を除去して、汚れ成分が更に除去された洗浄液を得られる構成としている。
また、脱水脱酸装置13には熱交換器14を連結し、前記脱水脱酸装置13で得られた洗浄液を加温して、洗浄槽2のノズル4から加温状態の洗浄液を噴射し得る構成としている。即ち、熱交換器14により洗浄液を加温してノズル4から噴射することで、加熱部3である内容器2Aの周壁部6及び底面部17に洗浄液が接触した際に、一層効率良く蒸気化できる構成としている。
この際、熱交換器14による洗浄液の加温度合いは、ノズル4から洗浄液が蒸気化して噴射されない加温度合いであり、且つ、洗浄液が加熱部3に接触した際にこの洗浄液に含まれる油脂分等の汚れ成分が共沸しない加温度合いに設定している。
具体的には、この加温度合いは、洗浄液を熱交換器によって85℃〜90℃とし得る加温度合いに設定されている。
また、この熱交換器14は、内容器2A及び外容器2Bを加熱する熱触媒の一部を熱交換器14に導入し、この熱触媒の熱を利用して前記洗浄液を加温する構成としている。
尚、図中符号15は回収した油分を貯めるO.F貯槽,符号16は熱溶媒を循環させるための循環ポンプである。
また、本実施例の各構成部位は、電磁弁等により自動制御可能に連結されシステム化されている。
尚、洗浄槽2の適宜な部位には、洗浄槽2内の状況を視認できる点検窓(図示省略)を設けている。
次に、本実施例の作用について説明する。
予め所定温度に加温された洗浄槽2の自動開閉蓋8を開き、前工程により洗浄されたワーク1を図示省略の自動搬送機構にて洗浄槽2内に搬送収納し、前記自動開閉蓋8を閉じる。
次いで、真空ポンプ等の減圧機構により、洗浄槽2内を初期設定された減圧(真空)状態まで減圧する。
一方、真空蒸溜装置12で洗浄液(循環利させた洗浄液)を蒸溜して汚れ成分の少ない洗浄液を得る。
次いで、前記蒸溜によって得られた洗浄液を脱水脱酸装置13に導入して、酸成分,硫黄成分,水分等を除去する。
次いで、酸成分等を除去した洗浄液を、熱交換器14に導入して加温する。
この際の加温度合いは、前述のように、ノズル4から洗浄液が蒸気化した状態で噴射されない加温度合いに設定されている。
次いで、所定の減圧状態に設定されたワーク1を収納した洗浄槽2内において、前記加温された洗浄液を、ノズル4から内容器2Aの加熱された周壁部6(加熱部3)に向けて噴射する。
この加熱された周壁部6(加熱部3)に向けて噴射された洗浄液は、周壁部6の熱によってその一部が蒸気化する。この蒸気化される洗浄液の量は、少なくともノズル4から噴射される洗浄液量の半分以下となるよう設定している。
また、この際、ノズル4から周壁部6に向けて噴射された蒸気化する前の洗浄液は、周壁部6に対して飛散しようとしても、遮蔽板材5によって前記飛散が阻止されるため、この遮蔽板材5よりも内方に載置したワーク1に、前記蒸気化する前の洗浄液がかかることを確実に防止できることとなる。
この蒸気化した洗浄液は、遮蔽板材5を介して内容器2A中央に載置したワーク1に接触した際、ワーク1が蒸気化した洗浄液よりも温度が低いことから凝縮して液化する。
そして、このワーク1の表面で液化した洗浄液がワーク1表面に付着する油脂等の汚れを落とすこととなる。つまり、ワーク1表面と蒸気の界面で起こる液化現象により即ちワーク1の汚れを落とす洗浄作用が発揮される。
尚、ワーク1の温度は蒸気化した洗浄液との接触により上昇嗣、ワーク1の温度が蒸気化した洗浄液の温度と同じ温度となるまで凝縮が起こることとなる。
尚、ノズル4から洗浄液が噴射されると、この洗浄液の噴射により、減圧された洗浄槽2内が加圧されて大気圧方向に傾こうとするが、これに応じて真空ポンプ等の減圧機構が作動して、洗浄槽2内が略一定の減圧状態に維持される構成となっている。
ノズル4から噴射した洗浄液のうち、蒸気化しない洗浄液は、内容器2Aの周壁部6及び底面部17に沿って流下し、内容器2A底部中央のドレイン9から洗浄槽2外(ドレインタンク)に排出される。
また、ノズル4から噴射した洗浄液のうち、蒸気化してワーク1を洗浄した洗浄液もまた、遮蔽板材5や内容器2Aの底面部17等に沿って流下して前記ドレイン9からドレインタンクに向けて洗浄槽2外に排出される。
次いで、ドレインタンクに導入された洗浄液は、チラー冷却による凝縮作用を利用して液を回収する回収トラップやフィルタートラップを導通することで、例えば真空ポンプに異物が混入することを防ぎ、更に、冷却能力の高いガス冷による凝縮にて高効率の液回収を行いO.F貯槽を経由し、再び真空蒸溜装置12に導入する。
尚、ドレインタンク,回収トラップ及びフィルタートラップにて回収された油分等の汚れ成分を含む回収液は、O.F貯槽に貯められる。
以上、本実施例は、洗浄液を各種装置に導通させて循環させ、この循環させた洗浄液を使用してワーク1を洗浄する構成としている。
また、前記ワーク1の洗浄,洗浄液の浄化,洗浄液の加温及び洗浄槽の加熱部3の加熱は、前述のように、自動制御により行われる。
尚、本実施例における具体的な温度数値及び圧力数値は、洗浄液として炭化水素系第2石油類を使用した場合の数値である。よって、使用する洗浄液の液素性及び油脂素性により前記温度数値及び圧力数値は変化するため、使用する洗浄液に応じて前記数値を随時設定変更する。
本実施例は上述のように構成したから、洗浄液をワーク1に直接噴射するのではなく、ノズル4から噴射される洗浄液の一部を蒸気化し、この蒸気化した洗浄液によってワーク1を間接的に洗浄するため、循環利用する洗浄液中に含まれる油脂分等の汚れ成分がワーク1に付着することを阻止してシミの発生を極めて良好に阻止することができる。
即ち、本実施例は、洗浄液がノズル4から蒸気化しない状態で噴射され、整流状態で周壁部6及び底面部17を流下する途中において、熱溶媒により加熱された前記周壁部6及び底面部17(加熱部3)の熱によって洗浄液の一部が蒸気化されるため、洗浄液の煮沸現象が起こらず、これにより、油脂分等の汚れ成分が共沸しない。
従って、油脂分等の汚れ成分をほとんど含まない清浄化された洗浄液によってワーク1を洗浄することとなるため、洗浄によるシミの発生を極めて良好に抑制することができる。
その上、本実施例は、洗浄毎に新しい洗浄液を使用せずとも、循環利用する洗浄液によってワーク1を良好に洗浄できるため、コストをかけずにワーク1へのシミの発生を極めて良好に抑制することができる。尚、この煮詰めによって極端に洗浄液が汚れた場合は廃棄処分とする。
また、本実施例は、ノズル4から洗浄槽2内に噴射される洗浄液の全量を回収して再利用するため、洗浄液の消費が少なく、その分ランニングコストも安く抑えることができる。
また、本実施例は、載置部8を振動させながらワーク1の洗浄を行うことで、たとえワーク1が重なり合った状態であっても、シミの発生を抑制しつつ洗浄を良好に行うことができる。
また、本実施例は、各々の装置が自動制御可能に連結されてシステム化されているため、通常の運転状態であれば洗浄液の品質を日常管理する必要がなく、よって、管理費(人件費等)を削減することができる。
また、本実施例は、図示省略の点検窓から洗浄槽2内の洗浄状態を常時確認することができる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例の洗浄装置を示す説明図である。
符号の説明
1 ワーク
2 洗浄槽
3 加熱部
4 噴射部
5 飛散防止部,遮蔽板部
6 周壁部
7 載置部
18 通過部

Claims (8)

  1. 洗浄槽内でワークを洗浄する洗浄装置であって、前記洗浄槽に洗浄液を加熱して蒸気化する加熱部を設け、蒸気化する前の洗浄液と非接触状態でワークを前記洗浄槽に収納し得るように構成し、前記加熱部により加熱することで蒸気化した洗浄液が前記ワークに接触して洗浄し得るように構成したことを特徴とする洗浄装置。
  2. 前記加熱部を面状に構成し、この加熱部に洗浄液を接触させて蒸気化するように構成したことを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
  3. 前記加熱部による前記洗浄液の加熱度合いを、前記洗浄液を油脂分等の汚れ成分の共沸を伴わずに蒸気化する加熱度合いに設定したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の洗浄装置。
  4. 洗浄液を前記ワークに向けて噴射せず前記加熱部に向けて噴射する噴射部を前記洗浄槽に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄装置。
  5. 前記噴射部から前記加熱部に向けて洗浄液を噴射した際、前記噴射した洗浄液が飛散して前記ワークに付着することを防止する飛散防止部を前記洗浄槽に設けたことを特徴とする請求項4記載の洗浄装置。
  6. 前記洗浄槽の少なくとも周壁部を前記加熱部とし、前記周壁部の内側には前記周壁部に向けて洗浄液を噴射する噴射部を設け、この噴射部の内側には前記周壁部に向けて噴射される前記洗浄液が飛散することを防止する遮蔽板材を設け、この遮蔽板材の内側に前記ワークを収納し、前記噴射部から噴射した洗浄液が前記加熱部となる前記周壁部により加熱されて蒸気化した洗浄液が通過する通過部を前記遮蔽板材と前記周壁部との間に設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗浄装置。
  7. 前記洗浄槽内にワークを載置する載置部を設け、この載置部を振動可能に構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の洗浄装置。
  8. 前記加熱部を鏡面研磨処理したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の洗浄装置。
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JP2010012417A (ja) * 2008-07-03 2010-01-21 Mitsubishi Materials Techno Corp 洗浄装置及び洗浄方法
JP2017196560A (ja) * 2016-04-27 2017-11-02 株式会社不二越 真空脱脂洗浄装置および真空脱脂洗浄方法

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