JP2005269955A - 柿の高速脱渋方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】渋柿の果実を所定温度の温湯に浸して急速に昇温させる温度調整工程と、脱渋装置に収容して所定気圧に脱気する脱気工程と、エタノールと窒素ガスまたはエタノールと空気またはエタノールと炭酸ガスまたは炭酸ガスを急速に注入するガス注入工程と、所定の温度を維持しながら密封するガス処理工程と、炭酸ガスを回収するガス抜き工程を具備した。
【選択図】図1
Description
前述したような脱渋処理装置1の温湯処理装置2の槽3に35℃〜45℃の温湯4を満たし、柿を浸積する。この時、温湯撹拌装置8で果実同士が衝突して傷が付いたりしない速度の水流を発生させ、適宜温湯を攪拌して温湯の温度を均一に保つのが望ましい。浸積時間は30分〜1時間で、果実中心温度が所定温度に達する。この間、温度測定装置5で常時温湯の温度を観測し、温度調整装置6、加温装置7により、温湯の温度を一定に保つよう適宜加熱を行う。もっとも望ましい温湯の温度は40℃〜42℃で、果実の中心温度を40℃にして処理するのがよい。これは、柿が生来的に持っている細胞分解酵素の活性が40℃前後で抑制されるため、果実の軟化を防ぐことができることと、45℃以上の温度では柿の表皮が弱くなることと、温湯を吸収して果実が膨張するため、表皮がひび割れたり、急速に果実の軟化が進むなどの障害が発生しやすくなるためである。
所定温度に達した果実を脱渋装置9の耐圧容器10に収容し、脱気装置17により直ちに脱気する。気圧が下がりすぎると果実がダメージを受けるので、庫内の気圧は4.9kpa〜9.8kpaとするのが良く、真空度測定装置23で庫内気圧を観測し、ガス調整弁20で適宜調整すると良い。
耐圧容器10の内部が所定の気圧に達したら、炭酸ガス処理の場合は直ちに炭酸ガスまたは窒素ガス注入装置18と炭酸ガスまたは窒素ガス調整弁24により所定量の炭酸ガスを注入し、常圧に戻す。エタノール処理の場合は耐圧容器10の内部が所定の気圧に達したら、エタノール補給装置14およびエタノール注入装置15によりエタノールを耐圧容器10中に噴霧する。この時、通常は直ちにエタノールが気化して柿に付着することは無いが、エタノールの噴霧装置は柿に直接エタノールが接触しないよう設置するのが望ましく、例えばエタノール遮蔽版16のような装置を設置するとよい。もしくはエタノール気化装置を別途装備するのも良い。エタノール噴霧終了後、炭酸ガスまたは窒素ガス注入装置18と炭酸ガスまたは窒素ガス調整弁24もしくは空気導入装置22により窒素ガスまたは炭酸ガスまたは空気を注入し、庫内を常圧に戻す。この際炭酸ガス・エタノール濃度計21で適宜ガス濃度を確認し、万一ガス濃度に異常が認められたときは、脱気工程からやり直すなど適宜対処する。
耐圧容器10にガス注入終了後、加温空調装置13、温度測定装置11、温度調整装置12により耐圧容器10内部を35℃〜45℃に保ちながら、2時間〜4時間密封する。
脱渋は15℃以上で進行するが、脱渋時間の短縮効果を充分に得るためにはできるだけ高温に保つのがよく、具体的には40℃に保つのがもっとも良い。
ガス処理工程を終了後、耐圧容器10内のガスを排気する。通常耐圧容器10を開放して内部ガスを外気と置換すれば良いが、炭酸ガスの場合は炭酸ガス収集装置19、炭酸ガス収集装置調整弁25を用いて、一旦炭酸ガスを脱気収集後、空気導入装置22で外気を導入するのが望ましい。
ガス抜き工程終了後、果実を脱渋装置9から取り出し、保温装置26の保温庫27へ収容する。保温庫27は加温空調装置30、温度測定装置28、温度調整装置29により15℃〜30℃に温度を調整する。もっとも望ましいのは約25℃である。これ以上の温度では果実の蒸散が激しくなり、軟化などの障害が発生する恐れがある。これ以下の温度では自動脱渋課程が遅れ、短時間の脱渋処理ができない。処理時間は12時間〜48時間である。この間、炭酸ガス濃度計31により、庫内のガス環境を測定し、適宜換気装置32により外気を導入する。この処理工程は脱渋装置9でも可能だが、このように脱渋装置9と保温装置26を分離することにより、脱渋処理を連続的に行い、脱渋庫の稼働率を飛躍的に高めることができる。脱渋装置9の稼働率を高めることで、結果として従来型CTSD方式の脱渋処理施設よりも小さな処理施設で同じ量を処理することができる。
(実施例2〜4)
(比較例1)
2 温湯処理装置
3 槽
4 温湯
5 温度測定装置
6 温度調整装置
7 加温装置
8 温湯撹拌装置
9 脱渋装置
10 耐圧容器
11 温度測定装置
12 温度調整装置
13 加温空調装置
14 エタノール補給装置
15 エタノール注入装置
16 エタノール遮蔽版
17 脱気装置
18 炭酸ガスまたは窒素ガス注入装置
19 炭酸ガス収集装置
20 真空装置調整弁
21 炭酸ガス・エタノール濃度計
22 空気導入装置
23 真空度測定装置
24 炭酸ガスまたは窒素ガス調整弁
25 炭酸ガス収集装置調整弁
26 保温装置
27 保温庫
28 温度測定装置
29 温度調整装置
30 加温空調装置
31 炭酸ガス濃度計
32 換気装置
Claims (10)
- 渋柿の果実を所定温度の温湯に浸して急速に昇温させる温度調整工程と、脱渋装置に収容して所定気圧に脱気する脱気工程と、エタノールと窒素ガスまたはエタノールと空気またはエタノールと炭酸ガスまたは炭酸ガスを急速に注入するガス注入工程と、所定の温度を維持しながら密封するガス処理工程と、炭酸ガスを回収するガス抜き工程を具備したことを特徴とする脱渋方法。
- 温湯の温度を35〜45℃とし、柿の果実温度を35〜45℃に急速に昇温させる請求項1記載の方法。
- 脱気による気圧を4.9kpa〜9.8kpaとする請求項1記載の方法。
- 真空状態の脱渋装置内に果実1kg当たり1ml〜4mlのエタノールを噴霧し、瞬間的に気化させる請求項1記載の方法。
- エタノール注入後、窒素ガスまたは炭酸ガスまたは空気で装置内を急速に常圧に戻す請求項1記載の方法。
- 真空状態の脱渋装置内に炭酸ガスを急速に注入し、装置内を常圧に戻す請求項1記載の方法。
- ガス注入工程後、35〜45℃で2〜4時間、処理装置内を保持する請求項1記載の方法。
- 真空ポンプを具備した炭酸ガス回収装置で脱渋装置内の炭酸ガスを回収し、再利用することを具備する請求項1記載の方法。
- 柿の果実温度を急速に昇温させる温湯処理装置、真空状態まで脱気でき、ガスを急速に注入し、注入したガスを回収する設備と温度調整装置を具備した脱渋装置、保温装置を具備した柿脱渋装置。
- 請求項1記載の方法で脱渋処理を施された柿
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004086348A JP2005269955A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 柿の高速脱渋方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004086348A JP2005269955A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 柿の高速脱渋方法 |
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JP2005269955A true JP2005269955A (ja) | 2005-10-06 |
Family
ID=35170257
Family Applications (1)
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JP2004086348A Pending JP2005269955A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 柿の高速脱渋方法 |
Country Status (1)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101005766B1 (ko) * | 2010-08-30 | 2011-01-10 | 유한회사 유일 | 감 탈삽기 |
JP2011172494A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Daiichi Techno Co Ltd | 野菜又は果物の糖化方法及び糖化装置 |
KR101149440B1 (ko) * | 2009-03-13 | 2012-05-24 | 경상북도(승계청:경상북도농업기술원,관리청:경상북도 도지사) | 과일 건조,숙성 및 탈삽장치 |
KR20180080595A (ko) * | 2017-01-04 | 2018-07-12 | 정찬권 | 아로니아과즙의 떫은맛을 제거한 건강과즙음료의 제조방법 및 그 장치 |
KR102596428B1 (ko) * | 2022-07-25 | 2023-10-30 | 박문철 | 친환경 곶감 제조장치 |
-
2004
- 2004-03-24 JP JP2004086348A patent/JP2005269955A/ja active Pending
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KR102017375B1 (ko) * | 2017-01-04 | 2019-09-02 | 정찬권 | 아로니아과즙의 떫은맛을 제거한 건강과즙음료의 제조방법 및 그 장치 |
KR102596428B1 (ko) * | 2022-07-25 | 2023-10-30 | 박문철 | 친환경 곶감 제조장치 |
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