JP2005269115A - ガラスアンテナの接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の振動やひずみ・変形により接点部の摩耗やずれが生じにくく、長期的に高周波伝送損失を小さくすることができる自動車用ガラスアンテナの接続構造を提供する。
【解決手段】本発明のガラスアンテナの接続構造は、自動車用ガラスアンテナ線条の端子部に、受信ケーブル側に接続される接点端子が押圧付勢されて当接された構造において、接点端子が、銀微粒子または銀被覆微粒子を含有するシリコーンゴム組成物の硬化物であり、体積抵抗率が1×10−1Ω・cm以下でJIS A硬度が60〜95であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のガラスアンテナの接続構造は、自動車用ガラスアンテナ線条の端子部に、受信ケーブル側に接続される接点端子が押圧付勢されて当接された構造において、接点端子が、銀微粒子または銀被覆微粒子を含有するシリコーンゴム組成物の硬化物であり、体積抵抗率が1×10−1Ω・cm以下でJIS A硬度が60〜95であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガラスアンテナの接続構造に係わり、さらに詳しくは、自動車用ガラスアンテナ線条と受信ケーブルとの接点端子が導電性シリコーンゴムの硬化物により構成されたガラスアンテナの接続構造に関する。
従来から、自動車の例えば後部窓ガラスに配線されるガラスアンテナ線条を受信ケーブルと接続するには、ガラスアンテナ線条の端子部と受信ケーブル側に接続される金属端子とをはんだ付けする方法、あるいは金属製の接続端子同士を機械的な力で挟み込む方法が採られていた。(例えば、特許文献1参照)
しかしこのような接続構造では、振動や熱的な影響により、接続端子が脱落したり、脱落しないまでも接続部の導電性が悪くなり、高周波伝送損失が増大するという問題があった。そして、より確実な接続を行うためには、大掛かりな接続装置が必要となり、あるいは接続端子の取り付け作業が煩雑になるという問題があった。
また、受信ケーブル側の接続端子としてスプリングコネクタのような接点端子を用いることで、取り付け作業の簡易化を図ることが提案されている。(例えば、特許文献2参照)
しかし、特許文献2に記載されたスプリングコネクタにおいては、長期的な振動による接点部の摩耗、あるいは荒地走行時の車体のひずみによる接点のずれが生じた場合に、高周波伝送損失が増大し、ラジオやテレビの受信時に雑音が入るなどの問題があった。
また、接点材料として、ニッケル粉末や銅粉末のような導電性充填材を配合したゴムやプラスチック材料を用いることで、車体の振動やひずみによる摩耗や接続不良を解消することも考えられるが、前記した導電性材料を使用した場合には、夏季の高温時にポリマーが熱膨張して導電性が低下するため、伝送損失が増大するばかりでなく、車体の振動やひずみ時の摩擦で、ポリマー中に配合された導電性充填材の粒子が脱落するため、経時的に伝送損失が大きくなるという問題があった。
実開平5−31319号公報
実開平4−105462公報
本発明はこれらの問題を解決するためになされたもので、車両の振動やひずみ・変形により接点部の摩耗やずれが生じにくく、長期的に高周波の伝送損失を小さくすることができ、また夏季などの高温時にも、導電性の低下による高周波伝送損失の増大が生じることがない自動車用ガラスアンテナの接続構造を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、自動車用ガラスアンテナの接続部にスプリングコネクタのような接続端子を設けるとともに、加圧側の接点材料として、所定の特性を有する導電性シリコーンゴムを用いることで、上記した課題を解決することができることを見出し、本発明を完成した。
本発明のガラスアンテナの接続構造は、自動車用ガラスアンテナ線条の端子部に、受信ケーブル側に接続される接点端子が押圧付勢されて当接されたガラスアンテナの接続構造において、前記接点端子が、銀微粒子または銀被覆微粒子を含有するシリコーンゴム組成物の硬化物であり、体積抵抗率が1×10−1Ω・cm以下でJIS A硬度が60〜95であることを特徴とする。
本発明のガラスアンテナの接続構造によれば、ガラスアンテナ線条の端子部に当接される接点端子が、銀微粒子または銀被覆微粒子を含有し、特定の体積抵抗率および硬度を有するシリコーンゴムにより構成されているので、夏季などの高温時にも、導電性の低下による高周波伝送損失の増大が生じることがない。また、車体の振動やひずみ時の摩擦で、配合された銀微粒子等の脱落が生じないので、長期に亘って低い伝送損失を維持することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係るガラスアンテナの接続構造の一実施形態を模式的に示す図である。この図において、符号1は自動車の例えば後部窓ガラス2に導体配線により描かれアンテナ線条を示し、このガラスアンテナ線条1の端子部1aに、コイルスプリング3により押圧付勢された接点端子4が当接されている。ガラスアンテナ線条1の端子部1aには、銀被覆のような導電性の高い接点材料を配置することが望ましい。なお、図中符号5は、コイルスプリング3とそれに固着されたピン6を収容するチューブを示し、ピン6の先端部が接点端子4となっている。接点端子4は、ピン6およびコイルスプリング3などを介して、図示を省略した受信ケーブルに接続されている。
本発明の実施形態においては、接点端子4が、銀微粒子または銀被覆微粒子を含有する加熱硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物により構成されている。そして、この硬化物の体積抵抗率が1×10−1Ω・cm以下であり、かつJIS A硬度が60〜95となっている。
接点端子4を構成するシリコーンゴム(硬化物)の体積抵抗率が1×10−1Ω・cmよりも大きいと、高周波の伝送損失が大きくなり好ましくない。より好ましい範囲は、1×10−2Ω・cm以下である。また、硬化物のJIS A硬度が60よりも低いと、加圧時の変形が大きくなりすぎるため、振動による疲労破壊や導電性粒子(銀微粒子または銀被覆微粒子)の脱落が起こやすく、高周波の伝送損失が大きくなってしまう。反対に硬度が95を超えるものは、接触相手であるガラスアンテナ線条1の端子部1aとの間の摩擦力が小さくなりすぎて、少しのひずみでも接点のずれが生じる。そのため、ラジオ等の雑音が発生しやすいという問題がある。
実施形態において使用されるシリコーンゴム組成物は、(A)ポリオルガノシロキサンをベースポリマーとし、(B)硬化剤および(C)銀微粒子または銀被覆微粒子を含有する加熱硬化型シリコーンゴム組成物であり、硬化物が上記した体積抵抗率およびJIS A硬度を有するものである。
ベースポリマーである(A)ポリオルガノシロキサンの種類は特に限定されない。例えば、ミラブル型シリコーンゴムの場合には、平均組成式:RaSiO(4−a)/2で表されるポリオルガノシロキサンが使用される。式中、Rは置換または非置換の1価の炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基のようなアルキル基;ビニル基、アリル基、ブチニル基、ヘキセニル基のようなアルケニル基;フェニル基、キセニル基のようなアリール基;クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−フェニルエチル基、2−シアノエチル基などが挙げられる。また、aは1.98〜2.02の範囲の数である。
ケイ素原子に結合する1価の炭化水素基Rとしては、主にメチル基が用いられる。耐熱性や加工性の点から、93モル%以上がメチル基であることが好ましい。また、架橋性の基としてビニル基を有していることが好ましい。ビニル基の割合は、機械的強度と架橋性の点から、有機基の全数に対して0.001〜5モル%含有していてもよく、特に0.05〜0.5モル%の範囲が好ましい。
なお、(A)成分であるポリオルガノシロキサンの分子鎖末端としては、水酸基(シラノール基)、アルコキシ基、またはトリオルガノシリル基が例示され、トリオルガノシリル基がより好ましい。トリオルガノシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基などが例示される。
このような(A)ポリオルガノシロキサンは、直鎖状の分子構造を有することが好ましいが、分子中に一部分岐構造を有していてもよい。平均重合度は、1,000〜20,000の範囲にあることが好ましく、より好ましくは3,000〜10,000であり、特に好ましい範囲は5,000〜10,000である。(A)ポリオルガノシロキサンの平均重合度が1,000未満であると、ロール作業性が悪く、逆に20,000を超えると系への配合が困難になる。
液状のシリコーンゴムの場合には、ミラブル型シリコーンゴムと同様に、平均組成式:RaSiO(4−a)/2で表されるポリオルガノシロキサンが使用される。この場合も、架橋性の基としてビニル基を有していることが好ましい。ビニル基は、分子側鎖に有してもかまわないが、好ましくは分子側鎖にはビニル基を有さず、分子鎖末端に、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチルジビニルシリル基などのかたちで結合している方がよい。ビニル基の量は、1分子中に1個以上有していることが好ましく、多くても有機基の全数に対して0.5モル%であることが好ましい。
このような(A)ポリオルガノシロキサンは、直鎖状の分子構造を有することが好ましいが、分子中に一部分岐構造を有していてもよい。平均重合度は、50〜2,000の範囲にあることが好ましく、より好ましくは100〜1,000である。(A)ポリオルガノシロキサンの平均重合度が50未満であると、硬化物の強度が低下し、逆に2,000を超えると、液状でなくなるため成形加工性が低下して、ミラブル型シリコーンゴム用の設備が必要になる。
また、これらのシリコーンポリマーは、単一モノマーの重合体でも共重合体でもよく、さらにそれらの重合体または共重合体の混合物でもよい。
本発明の実施形態において、ゴム弾性を有する硬化物を得るための反応機構に応じて、(B)硬化剤が適宜選択されて配合される。硬化反応の機構としては、有機過酸化物による架橋と付加反応による架橋があり、これらの反応機構によって、(B)硬化剤(架橋剤)の種類および硬化触媒との好ましい組み合わせが選択される。
ミラブル型シリコーンゴムの場合には、混合後の保存時間が長くとれることや硬化阻害の影響が小さいことから、有機過酸化物による架橋が好ましく用いられる。有機過酸化物硬化剤としては、(B)硬化剤として、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボキシ)ヘキサン、クミル−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が用いられる。これらの有機過酸化物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。特に、金属に対する腐食性の点から、ジクミルパーオキサイド、クミル−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドの使用が好ましい。
前記した有機過酸化物の配合量は、(A)成分のポリオルガノシロキサン100重量部に対して、0.05〜15重量部とすることが好ましい。有機過酸化物の配合量が0.05重量部未満では架橋が不十分であり、反対に15重量部を超えて配合しても、格別の効果がないばかりでなく、かえって得られるシリコーンゴム硬化物の物性に悪影響を与えることがある。
液状シリコーンゴムの場合には、硬化速度を速くすることができることや、反応生成物が発生しないので二次加硫が不要になることなどから、反応機構が付加反応による架橋が好ましく用いられる。付加反応の硬化剤は、1分子中に平均2個を越える数のケイ素原子に結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンが架橋剤として用いられ、硬化触媒が併用される。
架橋剤であるポリオルガノハイドロジェンシロキサンの具体例としては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、および(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2と(C6H5)3SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
これらのポリオルガノハイドロジェンシロキサンの配合量は、(A)成分のポリオルガノシロキサン中のアルケニル基に対して、ケイ素原子に結合した水素原子の数が0.5〜4.0個となるような量が好ましく、さらに好ましくは1.0〜3.0個となるような量とする。ケイ素原子に結合した水素原子の数が0.5個未満である場合には、硬化が十分に進行せず、硬化物の硬度が低くなる。また、水素原子の数が4.0個を超えると、硬化物の物理的特性と耐熱性が低下して好ましくない。
付加反応の触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビニルシロキサン錯体、白金トリフェニルフォスフィン錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金化合物、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金系触媒が挙げられる。
この付加反応の触媒の添加量は、(A)成分のポリオルガノシロキサンに対して、白金原子換算で1〜1,000ppmの範囲が好ましい。硬化触媒の添加量が1ppm未満では、硬化が十分に進行せず、また添加量が1000ppmを超えても、特に硬化速度の向上などが期待できない。
本発明の実施形態において、機械的強度の向上のために、ベースポリマーである(A)ポリオルガノシロキサンにシリカ粉末を配合することができる。低硬度のゴム硬化物を得る場合には、特にシリカ粉末を配合する必要がない。
シリカ粉末としては、特に限定されず、一般に補強用のシリカ粉末としてシリコーンゴムに配合されているフュームドシリカ、湿式シリカ、焼成シリカ等の公知のものを使用するができる。これらの微粉末状シリカは、このまま使用してもよいが、必要に応じて、ポリオルガノシロキサン、ヘキサオルガノジシラザンなどにより表面処理したものを使用してもよい。また、これらの表面処理剤とインプロセスで反応させてもよい。シリカ粉末の配合量は特に限定されないが、強度を高め加工性をよくするためには、(A)成分であるポリオルガノシロキサン100重量部に対して1〜200重量部、好ましくは5〜60重量部の範囲とすることが好ましい。
本発明の実施形態において使用される(C)銀微粒子または銀被覆微粒子は、シリコーンゴム組成物およびその硬化物の導電性を向上させ、高周波の伝送損失を低減するための導電性成分である。
(C)銀微粒子または銀被覆微粒子の平均粒子径は、0.1〜50μmであることが好ましい。平均粒子径が50μmを超えたものは、車体の振動により硬化物から脱落しやすいばかりでなく、硬化物の疲労破壊が起こりやすく、高周波の伝達損失が大きくなってしまうため好ましくない。さらに好ましい粒子径は、1.0〜20μmの範囲である。銀微粒子または銀被覆微粒子の平均粒子径が小さいほど、振動による粒子の脱落やゴム硬化物の疲労破壊が起こりにくいが、粒子径が0.01μmよりも小さいものは、粒子自体の製造が困難であるとともに、ベースポリマーである(A)成分に対して所定量配合することが難しい。
銀被覆微粒子の核材(芯材)としては、ガラス材が好ましい。ガラス材は、安価であるうえに、銀メッキのような銀被覆を強固に接着することができる。さらに、シリコーンゴムへの配合や混練の容易性の点から、球状のガラス材であることが好ましい。銀被覆の膜厚は0.05〜0.5μmであることが好ましい。銀被覆厚が0.5μmを超えた場合は、高価になるだけで機能上の長所はない。また、銀被覆厚が0.05μmよりも薄いものは、シリコーンゴムへの配合の際に、粒子同士の摩擦や粒子と装置との摩擦によって銀被覆の摩滅により高周波の伝達損失が大きくなる問題が生じるため、好ましくない。
さらに、このような銀微粒子または銀被覆微粒子をシランカップリング剤で表面処理することにより、硬化物からの粒子の脱落をより効果的に防止することができる。シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチルトメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ブチニルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシランおよびこれらの部分加水分解物などが挙げられる。
表面処理を行うには、密閉容器に(C)成分である銀微粒子または銀被覆微粒子とシランカップリング剤とを入れ、室温〜400℃の温度で化学反応させ、あるいは物理的に吸着させた後、分解生成物などを揮発させる方法が採られる。また、ジメチルシリコーンゴムのようなベースポリマーへの(C)銀微粒子または銀被覆微粒子の配合時に、シランカップリング剤を加えて、ニーダー、バンバリーミキサー、二本ロール、ゲートミキサー、プラネタリーミキサー等で混練し、次いで必要に応じて常圧あるいは減圧下50℃〜200℃の温度で1時間〜20時間程度、前記装置または乾燥機等を用いて加熱処理を行うことにより表面処理をしてもよい。
(C)銀微粒子または銀被覆微粒子の配合量は、シリコーンゴム組成物全体に対して、30体積%〜70体積%含有されているものとする。(C)銀微粒子または銀被覆微粒子の配合量が組成物全体の30体積%より少ない場合には、十分な導電性が得られないため、高周波の伝達損失が大きくなってしまう。また、70体積%を超えて配合した場合は、硬化物の強度が著しく低下し、振動時に接点端子が破損するなどの問題がある。
本発明の実施形態においては、これらの成分から成る加熱硬化型のシリコーンゴム組成物に、目的に応じて、従来から一般的に用いられている粉砕石英、ケイソウ土などのシリカ系充填材や低硬度化のためのジメチルシリコーンオイル、加工性向上のための加工助剤、あるいは各種の添加剤、例えば酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化クロム等の金属酸化物、顔料、耐熱剤、難燃性付与剤などを、組成物の特性が損なわれない範囲で添加することができる。
次に、具体的実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、部は重量部を示し、粘度は23℃における値を示す。
実施例1〜6
99.8モル%のジメチルシロキサン単位と0.2モル%のメチルビニルシロキサン単位とから成り、末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されたポリメチルビニルシロキサン(重合度約6,000)100部に、表1に示す粒子径および銀被覆厚を有する銀被覆ガラスビーズと、シランカップリング剤であるγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとを同表に示す組成でそれぞれ加え、ニーダーミキサーで均一になるまで混練した後、125℃で2時間加熱処理した。次いでこれに、硬化剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンを加え、二本ロールにより均一になるまで混合し、シリコーンゴム組成物を調製した。
99.8モル%のジメチルシロキサン単位と0.2モル%のメチルビニルシロキサン単位とから成り、末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されたポリメチルビニルシロキサン(重合度約6,000)100部に、表1に示す粒子径および銀被覆厚を有する銀被覆ガラスビーズと、シランカップリング剤であるγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとを同表に示す組成でそれぞれ加え、ニーダーミキサーで均一になるまで混練した後、125℃で2時間加熱処理した。次いでこれに、硬化剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンを加え、二本ロールにより均一になるまで混合し、シリコーンゴム組成物を調製した。
次に、このシリコーンゴム組成物を金型内で170℃で10分間加熱して硬化させ、その後型から外し、200℃の空気中で1時間熱処理を行い、厚さ2mmのシリコーンゴムシートを得た。そして、得られたシリコーンゴムシートについて、硬度をJIS K6249 タイプAデュロメータにより測定した。また、体積抵抗率を、定電流印加法による電圧値測定から抵抗値を計算する方法で求めた。テスターとしては、(株)アドバンテスト製デジタルマルチメーターR6871Eを用いた。その結果、表1に示すように、体積抵抗率が1×10−1Ω・cm以下であり、かつJIS A硬度が60〜95の範囲内に入る値が得られた。
また、比較例1〜3として、表1に示す組成の各成分から実施例と同様にして調製されたシリコーンゴム組成物を用いて、シリコーンゴムシートを成形した。そして、これらのシリコーンゴムシートについて、JIS A硬度および体積抵抗率をそれぞれ測定したところ、表1に示す測定結果が得られた。
次いで、実施例1〜6および比較例1〜3でそれぞれ得られたシリコーンゴムシートについて、絶縁抵抗を測定した。絶縁抵抗の測定は、図2に示すように、ガラス板7に厚さ10μmの銀めっき8を施した2枚の電極板の間にシリコーンゴムシート9を挟み、テスター10であるデジタルマルチメーターR6871Eを用いて行った。
さらに、温度による影響を調べるために、2枚の電極板を、低温側−10℃と高温側70℃および100℃の3つの条件とし、同様に絶縁抵抗を測定した。さらに、これらの電極板を厚さ6mmのシリコーンゴムシート(GE東芝シリコーン(株)製TSE221−5U硬化物)2枚の間に挟み込んで全体の厚さが20mmになるようにし、さらに厚さが16mmになるような圧縮(荷重0.2N)を5Hzの速度で繰り返し、1万回後および10万回後に同様に絶縁抵抗を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
実施例7
末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(重合度約700)100部に、表1に示す粒子径および銀被覆厚を有する銀被覆ガラスビーズとジビニルヘキサメチルジシラザンとを同表に示す組成でそれぞれ加え、ミキサーで均一になるまで混練した後、150℃で2時間加熱処理した。次いでこれに、硬化剤として分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン(粘度5mPa・s)・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量3mモル/g)と、硬化触媒である塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンおよび1−エチニル−1−シクロヘキサノールを加えて均一に混合し、液状シリコーンゴム組成物を調製した。
末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(重合度約700)100部に、表1に示す粒子径および銀被覆厚を有する銀被覆ガラスビーズとジビニルヘキサメチルジシラザンとを同表に示す組成でそれぞれ加え、ミキサーで均一になるまで混練した後、150℃で2時間加熱処理した。次いでこれに、硬化剤として分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン(粘度5mPa・s)・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量3mモル/g)と、硬化触媒である塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンおよび1−エチニル−1−シクロヘキサノールを加えて均一に混合し、液状シリコーンゴム組成物を調製した。
次に、このシリコーンゴム組成物を金型内で170℃で10分間加熱して硬化させ、その後型から外し、シリコーンゴムシートを得た。そして、得られたシリコーンゴムシートについて、JIS A硬度および体積抵抗率をそれぞれ測定したところ、表1に示すように、体積抵抗率が1×10−1Ω・cm以下であり、かつJIS A硬度が60〜95の範囲内に入る値が得られた。
次いで、得られたシリコーンゴムシートについて、実施例1〜6と同様にして、低温側−10℃と高温側70℃および100℃の3つの条件で絶縁抵抗を測定した。また、振動耐久後の絶縁抵抗を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
この表から、以下のことがわかる。すなわち、体積抵抗率が1×10−1Ω・cmを超える材料を接点に用いた場合には、絶縁抵抗の温度による変化が大きく、特に高温下での伝送損失が大きくなる。自動車のガラスは高温になるため、ガラスアンテナ用の接点としては好ましくない。また、ゴム硬度が、JIS A硬度で60未満の材料を接点に用いた場合には、振動耐久性試験後に絶縁抵抗が大幅に低下してしまうため、自動車用のガラスアンテナ用接点としては、長期使用に耐えず信頼性の低いものとなってしまう。
実施例の材料を使用した場合には、温度変化や長期の振動にも耐えられる信頼性の高い自動車ガラスアンテナ用の接点を得ることができる。
本発明のガラスアンテナの接続構造によれば、ガラスアンテナ線条の端子部に当接される接点端子が、銀微粒子または銀被覆微粒子を含有し、特定の体積抵抗率および硬度を有するシリコーンゴムにより構成されているので、夏季などの高温時にも、導電性の低下による高周波伝送損失の増大が生じることがないうえに、車体の振動やひずみ時の摩擦で、配合された銀微粒子等の脱落が生じることもないので、長期に亘って低い伝送損失を維持することができる。したがって、自動車用ガラスアンテナ線条の接続端子部の構造として好適している
1…ガラスアンテナ線条、3…コイルスプリング、4…接点端子、5…チューブ。
Claims (6)
- 自動車用ガラスアンテナ線条の端子部に、受信ケーブル側に接続される接点端子が押圧付勢されて当接されたガラスアンテナの接続構造において、
前記接点端子が、銀微粒子または銀被覆微粒子を含有するシリコーンゴム組成物の硬化物であり、体積抵抗率が1×10−1Ω・cm以下でJIS A硬度が60〜95であることを特徴とするガラスアンテナの接続構造。 - 前記シリコーンゴム組成物に含有される銀微粒子または銀被覆微粒子の平均粒子径が、0.1〜50μmであることを特徴とする請求項1記載のガラスアンテナの接続構造。
- 前記シリコーンゴム組成物が、重合度3,000〜10,000で、ケイ素に結合した有機基のうち0.05〜0.5モル%がビニル基で93モル%以上がメチル基であるジメチルシリコーンポリマーを主材とし、有機過酸化物を硬化剤とするシリコーンゴムであることを特徴とする請求項1または2記載のガラスアンテナの接続構造。
- 前記シリコーンゴム組成物が、重合度100〜1,000で、ケイ素に結合した有機基のうち93モル%以上がメチル基で、分子鎖末端のうちの少なくとも1個がビニル基であるジメチルシリコーンポリマーを主材とし、1分子中にケイ素に結合した水素を3個以上有するシロキサンを架橋剤とする液状の付加反応硬化型シリコーンゴムであることを特徴とする請求項1または2記載のガラスアンテナの接続構造。
- 前記シリコーンゴム組成物に含有される銀微粒子または銀被覆微粒子が、シランカップリング剤で表面処理されたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のガラスアンテナの接続構造。
- 前記シリコーンゴム組成物が、前記銀微粒子または銀被覆微粒子を30体積%〜70体積%含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のガラスアンテナの接続構造。
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