JP2005266189A - 感光性樹脂組成物並びにそれを用いた半導体装置及び表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高感度で、本発明は、遮光性に優れ、スカムが無くパターニングできる感光性樹脂組成物及び半導体装置又は表示素子を提供する。
【解決手段】 ポリアミド樹脂(A)、感光材(B)及び着色剤(C)からなる感光性樹脂組成物であり、着色剤(C)はカーボンブラック、チタンブラック、酸化クロム、酸化鉄、酸化マンガン又は酸化チタンであることが好ましく、ポリアミド樹脂(A)はポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリアミド酸構造又はポリアミド酸エステル構造をそれぞれ単独又は2種類以上含んでなるものであることが好ましい。
【解決手段】 ポリアミド樹脂(A)、感光材(B)及び着色剤(C)からなる感光性樹脂組成物であり、着色剤(C)はカーボンブラック、チタンブラック、酸化クロム、酸化鉄、酸化マンガン又は酸化チタンであることが好ましく、ポリアミド樹脂(A)はポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリアミド酸構造又はポリアミド酸エステル構造をそれぞれ単独又は2種類以上含んでなるものであることが好ましい。
Description
本発明は、感光性樹脂組成物並びにそれを用いた半導体装置及び表示素子に関するものである。
従来、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜には、耐熱性に優れ又卓越した電気特性、機械特性等を有するポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂が用いられている。一方、プロセスを簡略化するため、それらポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂の前駆体に感光材のジアゾキノン化合物と組み合わせた感光性樹脂も使用されている(例えば、特許文献1参照)。この感光性樹脂組成物の現像メカニズムは、未露光部ではジアゾキノン化合物のポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂などの樹脂へ溶解抑止効果によってアルカリ水溶液に難溶となる。一方、露光部ではジアゾキノン化合物が化学変化を起こし、アルカリ水溶液に可溶となる。この露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、露光部を溶解除去することにより未露光部のみの塗膜パターンの作成が可能となるものである。これら感光性樹脂はパターン作成の後、熱硬化を行い環化させポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂の変換する。これらの熱硬化後の膜は茶褐色をしており、半導体素子の回路は透過して見える。しかし最近では回路設計の機密性の観点より、不透明なポジ型感光性樹脂の要求がある。
一方、表示素子の分野では、パソコンや大型テレビの需要から液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置が普及し始めている。それら表示素子に用いられるブラックマトリックスは各着色画素間に用いられ、コントラスト向上や光によるトランジスタ特性劣化の防止のために用いられる重要な材料である。ブラックマトリックス材料は一般的には金属クロム系の薄膜が用いられてきたが、近年、樹脂に黒色となる顔料を加えた感光性の樹脂ブラックマトリックスが使われだしている。一般的にはアクリル樹脂に顔料、開始剤、架橋剤をくわえたものであるが、これらのアクリル樹脂系のブラックマトリックスは、現像液に溶けない顔料を多量に入れているため、現像性が悪くパターンの底部にスカムとして残ったり、現像時間が極端に長くなったりして、実用性に問題がある。
特公平1−46862号公報
一方、表示素子の分野では、パソコンや大型テレビの需要から液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置が普及し始めている。それら表示素子に用いられるブラックマトリックスは各着色画素間に用いられ、コントラスト向上や光によるトランジスタ特性劣化の防止のために用いられる重要な材料である。ブラックマトリックス材料は一般的には金属クロム系の薄膜が用いられてきたが、近年、樹脂に黒色となる顔料を加えた感光性の樹脂ブラックマトリックスが使われだしている。一般的にはアクリル樹脂に顔料、開始剤、架橋剤をくわえたものであるが、これらのアクリル樹脂系のブラックマトリックスは、現像液に溶けない顔料を多量に入れているため、現像性が悪くパターンの底部にスカムとして残ったり、現像時間が極端に長くなったりして、実用性に問題がある。
本発明の目的は、遮光性に優れ、スカムが無くパターニングできる感光性樹脂組成物並びに半導体装置及び表示素子を提供するものである。
このような目的は、下記[1]〜[9]に記載の本発明により達成される。
[1] ポリアミド樹脂(A)、感光材(B)及び着色剤(C)を含んでなる感光性樹脂組成物。
[2] 着色剤(C)がカーボンブラック、チタンブラック、酸化クロム、酸化鉄、酸化マンガン及び酸化チタンからなる群より選ばれたものである[1]項に記載の感光性樹脂組成物。
[3] ポリアミド樹脂(A)がポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリアミド酸構造又はポリアミド酸エステル構造をそれぞれ単独又は2種類以上含んでなるポリアミド樹脂である[1]又は[2]項記載の感光性樹脂組成物。
[4] ポリアミド樹脂(A)が下記一般式(1)で表される構造である[1]〜[3]項のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[1] ポリアミド樹脂(A)、感光材(B)及び着色剤(C)を含んでなる感光性樹脂組成物。
[2] 着色剤(C)がカーボンブラック、チタンブラック、酸化クロム、酸化鉄、酸化マンガン及び酸化チタンからなる群より選ばれたものである[1]項に記載の感光性樹脂組成物。
[3] ポリアミド樹脂(A)がポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリアミド酸構造又はポリアミド酸エステル構造をそれぞれ単独又は2種類以上含んでなるポリアミド樹脂である[1]又は[2]項記載の感光性樹脂組成物。
[4] ポリアミド樹脂(A)が下記一般式(1)で表される構造である[1]〜[3]項のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[5] 感光材(B)がキノンジアジド化合物及び/又はジヒドロピリジン化合物からなる[1]〜[4]項のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[6] [1]〜[5]項のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて製作されてなる半導体装置。
[7] [1]〜[5]項のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて製作されてなる表示素子。
[8] [1]〜[5]項のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、必要に加熱して得られることを特徴とする半導体装置の製造方法。
[9] [1]〜[5]項のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように表示素子用基板に塗布し、プリベーク、露光、現像、必要に加熱して得られることを特徴とする表示素子の製造方法。
[6] [1]〜[5]項のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて製作されてなる半導体装置。
[7] [1]〜[5]項のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて製作されてなる表示素子。
[8] [1]〜[5]項のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、必要に加熱して得られることを特徴とする半導体装置の製造方法。
[9] [1]〜[5]項のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように表示素子用基板に塗布し、プリベーク、露光、現像、必要に加熱して得られることを特徴とする表示素子の製造方法。
本発明に従うと、遮光性に優れ、スカムが無くパターニングできる感光性樹脂組成物並びに半導体装置及び表示素子を提供することができる。
本発明の感光性樹脂組成物はポリアミド樹脂(A)、感光材(B)及び着色剤(C)を含むものである。本発明で用いるポリアミド樹脂としては、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリアミド酸構造又はポリアミド酸エステル構造であって、主鎖又は側鎖に水酸基、カルボキシル基、又はスルホン酸基を有する樹脂であることが好ましい。これらの中で、最終加熱後の耐熱性の点から一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂が好ましい。また、これらの樹脂の一部が、閉環し、ポリベンゾオキサゾール構造、ポリイミド構造となっていてもかまわない。
一般式(1)で示される構造を有するポリアミド樹脂のXは、2〜4価の有機基を表し、またR1は、水酸基又はO−R3であり、mは0〜2の整数である。各々のR1は同一でも異なっていても良い。一般式(1)中のYは、2〜6価の有機基を表し、R2は水酸基、カルボキシル基、O−R3又はCOO−R3であり、nは0〜4の整数である。各々のR2は同一でも異なっていても良い。ここでR3は炭素数1〜15の有機基である。但し、R1として水酸基がない場合は、R2は少なくとも1つはカルボキシル基でなければならない。又R2としてカルボキシル基がない場合は、R1は少なくとも1つは水酸基でなければならない。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂は、例えば、Xの構造を有するジアミン或いはビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物とYの構造を有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応して得られるものである。なお、ジカルボン酸の場合には反応収率等を高めるため、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂において、Xの置換基としてのO−R3、Yの置換基としてのO−R3、COO−R3は、水酸基、カルボキシル基のアルカリ水溶液に対する溶解性を調節する目的で、炭素数1〜15の有機基であるR3で保護された基であり、必要により水酸基、カルボキシル基を保護しても良い。R3の例としては、ホルミル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーブトキシカルボニル基、フェニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
このポリアミド樹脂を約300〜400℃で加熱すると脱水閉環し、ポリイミド樹脂、又はポリベンゾオキサゾール樹脂、或いは両者の共重合という形で耐熱性樹脂が得られる。
より選ばれるものであり、又2種類以上用いても良い。
又本発明においては、保存性という観点から、末端を封止する事が望ましい。封止にはアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を有する誘導体を一般式(1)で示されるポリアミドの末端に酸誘導体やアミン誘導体として導入することができる。具体的には、例えば、Xの構造を有するジアミン或いはビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物とYの構造を有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応させて得られた一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂を合成した後、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端のアミノ基をアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物又は酸誘導体を用いてアミドとしてキャップすることが好ましい。アミノ基と反応した後のアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物又は酸誘導体に起因する基としては、例えば、
より選ばれるものであり、又2種類以上用いても良い。またこの方法に限定される事はなく、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端の酸をアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含むアミン誘導体を用いてアミドとしてキャップすることもできる。
本発明で用いる感光材はポジ型のパターニングが可能となる感光材を用いることができ、具体的にはジアゾキノン化合物やジヒドロピリジン化合物を用いることができる。ジアゾキノン化合物は、1,2−ベンゾキノンジアジド或いは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許明細書第2772975号、第2797213号、第3669658号により公知の物質である。例えば、下記のものが挙げられる。
これらの内で、特に好ましいのは、フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステルである。それらについては例えば、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは2種以上用いても良い。
本発明で用いるジヒドロピリジン化合物としては、例えば2,6−ジメチル−3,5−ジアセチル−4−(2′−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、4−(2′−ニトロフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン、4−(2′,4′−ジニトロフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ジカルボメトキシ−1,4−ジヒドロピリジン等を挙げることができる。
本発明で用いることができる着色剤(C)は、感光性樹脂組成物に添加し、目的とする遮光性を発現できるものを使用することができる。着色材として好ましいものはカーボンブラック、チタンブラック、酸化クロム、酸化鉄、酸化マンガン、酸化チタンからから選ばれてなるものを挙げることができる。
本発明ではポリアミド樹脂(A)、感光材(B)、着色剤(C)を溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
また溶解方法については、一般的な混合機、分散機、スリーロール以外に、分散性を高めるためにビーズミル、アニュラー型ビーズミル、ビーズレス型分散機等を用いる好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物の使用方法は、まず該組成物を適当な支持体、例えば、シリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等などの半導体用基板やソーダーガラス、パイレックス(R)ガラス、無アルカリガラス等の表示素子用基板に塗布する。塗布量は、半導体装置の場合、硬化後の最終膜厚が0.1〜30μmになるよう塗布する。膜厚が下限値を下回ると、半導体素子の保護表面膜としての機能を十分に発揮することが困難となり、上限値を越えると、微細な加工パターンを得ることが困難となるばかりでなく、加工に時間がかかりスループットが低下する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等がある。次に、60〜130℃でプリベークして塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。
次に照射部を現像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得る。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール、エタノールのごときアルコール類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、蒸留水を使用する。次に加熱処理を行い、オキサゾール環及び/又はイミド環を形成し、耐熱性に富む最終パターンを得る。感光材のブリージング特性を利用して、透明にするために硬化前に全面露光した後に硬化を行っても良い。
本発明による感光性樹脂組成物は、半導体の表面保護膜用や層間絶縁膜又は多層回路の層間絶縁に使用することができる。また有機EL素子や液晶の表示素子における層間絶縁膜やブラックマトリックスとしても有用である。
《実施例1》
[ポリアミド樹脂の合成]
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸4.13g(0.016モル)、と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール4.32g(0.032モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物(0.016モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.33g(0.020モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン57.0gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン7gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物1.31g(0.008モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポリアミド樹脂(A−1)を得た。
[ポリアミド樹脂の合成]
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸4.13g(0.016モル)、と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール4.32g(0.032モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物(0.016モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.33g(0.020モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン57.0gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン7gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物1.31g(0.008モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポリアミド樹脂(A−1)を得た。
[樹脂組成物の作製]
合成したポリアミド樹脂(A−1)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2g、カーボンブラック0.6gをγ―ブチロラクトン40gに、三本ロールを用いて混合分散させ、2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を得た。
合成したポリアミド樹脂(A−1)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2g、カーボンブラック0.6gをγ―ブチロラクトン40gに、三本ロールを用いて混合分散させ、2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を得た。
[現像性評価]
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハーにスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約4μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、(株)ニコン製g線ステッパNSR―1553G3Aを用いて、露光量を400mJ/cm2で露光を行った。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に現像時の膜べりが1.5μmになるように現像時間を調整し、露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。パターンを観察したところ、7μmのパターンがスカムが無く良好にパターンが開口していることが確認できた。
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハーにスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約4μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、(株)ニコン製g線ステッパNSR―1553G3Aを用いて、露光量を400mJ/cm2で露光を行った。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に現像時の膜べりが1.5μmになるように現像時間を調整し、露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。パターンを観察したところ、7μmのパターンがスカムが無く良好にパターンが開口していることが確認できた。
[透過率評価]
作成したパターンをオーブンで300℃/30分で過熱を行った後、硬化後約2μmのフィルムを得た。2%のフッ酸水溶液に浸漬することにより、フィルムを剥がし400nmの透過率を測定したところ、8.4%と良好な遮光性を示した。
作成したパターンをオーブンで300℃/30分で過熱を行った後、硬化後約2μmのフィルムを得た。2%のフッ酸水溶液に浸漬することにより、フィルムを剥がし400nmの透過率を測定したところ、8.4%と良好な遮光性を示した。
《実施例2》
実施例1において使用したカーボンブラック0.6gの代わりにカーボンブラック0.3g、チタンブラック0.3gを使用し、それ以外については実施例1と同様に評価を行った。
《実施例3》
実施例1において使用した感光ジアゾキノン(B−1)2gの代わりに2,6−ジメチル−3,5−ジカルボキシメチル−4−(2’−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン(DHPMと略)(B−2)3.0gを使用し、それ以外については実施例1と同様に評価を行った。
実施例1において使用したカーボンブラック0.6gの代わりにカーボンブラック0.3g、チタンブラック0.3gを使用し、それ以外については実施例1と同様に評価を行った。
《実施例3》
実施例1において使用した感光ジアゾキノン(B−1)2gの代わりに2,6−ジメチル−3,5−ジカルボキシメチル−4−(2’−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン(DHPMと略)(B−2)3.0gを使用し、それ以外については実施例1と同様に評価を行った。
《実施例4》
[ポリアミド樹脂の合成]
4,4’―オキシジフタル酸無水物17.06g(0.055モル)と2−メチル−2−プロパノール8.15g(0.110モル)とピリジン10.9g(0.138モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン150gを加えて溶解させた。この反応溶液に1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール14.9g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン30gと共に滴下した後、ジシクロヘキシルカルボジイミド22.7g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン50gと共に滴下し、室温で一晩反応させた。その後、この反応溶液にジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)27.1g(0.055モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン44.7g(0.122モル)をN−メチル−2−ピロリドン70gと共に添加し、室温で2時間攪拌した。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン20gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.94g(0.024モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。他は実施例1と同様に、再沈、精製を行い目的とするポリアミド樹脂(A―2)を合成した。
[ポリアミド樹脂の合成]
4,4’―オキシジフタル酸無水物17.06g(0.055モル)と2−メチル−2−プロパノール8.15g(0.110モル)とピリジン10.9g(0.138モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン150gを加えて溶解させた。この反応溶液に1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール14.9g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン30gと共に滴下した後、ジシクロヘキシルカルボジイミド22.7g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン50gと共に滴下し、室温で一晩反応させた。その後、この反応溶液にジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)27.1g(0.055モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン44.7g(0.122モル)をN−メチル−2−ピロリドン70gと共に添加し、室温で2時間攪拌した。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン20gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.94g(0.024モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。他は実施例1と同様に、再沈、精製を行い目的とするポリアミド樹脂(A―2)を合成した。
[樹脂組成物の作製、現像性、透過率評価]
合成したポリアミド樹脂(A−2)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−3)1.5g、カーボンブラック0.8gをγ―ブチロラクトン40gに、三本ロールを用いて混合分散させ、1μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を得た。現像性、透過率評価は実施例1と同様に実施した。
合成したポリアミド樹脂(A−2)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−3)1.5g、カーボンブラック0.8gをγ―ブチロラクトン40gに、三本ロールを用いて混合分散させ、1μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を得た。現像性、透過率評価は実施例1と同様に実施した。
本発明によれば、遮光性に優れ、スカムが無くパターニングできる感光性樹脂組成物並びに半導体装置及び表示素子を提供することができる。
Claims (9)
- ポリアミド樹脂(A)、感光材(B)及び着色剤(C)を含んでなる感光性樹脂組成物。
- 着色剤(C)がカーボンブラック、チタンブラック、酸化クロム、酸化鉄、酸化マンガン及び酸化チタンからなる群より選ばれたものである請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(A)がポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリアミド酸構造又はポリアミド酸エステル構造をそれぞれ単独又は2種類以上含んでなるポリアミド樹脂である請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
- 感光材(B)がキノンジアジド化合物及び/又はジヒドロピリジン化合物からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて製作されてなる半導体装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて製作されてなる表示素子。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、必要に加熱して得られることを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように表示素子用基板に塗布し、プリベーク、露光、現像、必要に加熱して得られることを特徴とする表示素子の製造方法。
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