JP2005265997A - 展示用台紙 - Google Patents

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清 吉岡
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Abstract

【課題】 ポスター等の被展示物を貼るに際して作業性が良好でありながら、粘着剤層からの剥離紙の浮き上がりを防止することができる展示用台紙を提供する。
【解決手段】 ポリスチレン系樹脂発泡板100の一面側に粘着剤層201が形成され、さらにその上に剥離紙300が積層されてなる展示用台紙であって、前記粘着剤層201と前記剥離紙300の剥離強度は、その最小点荷重値が4gf以上であり、且つ、当該積分平均荷重値が10gf以上20gf以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として、写真やポスターなどの印刷物を貼って展示するための展示用台紙に関するものである。
従来、ポスター等の被展示物を貼付する展示用台紙には、熱可塑性樹脂発泡体などの樹脂発泡板の表面に粘着剤層を介して剥離紙が積層されたものがある。これは、剥離紙を剥離して、塗布されている粘着剤層表面に被展示物を貼りつけて使用される(特許文献1)。
特開2002−215072号公報
ところが、製造された前記展示用台紙は、使用する前に剥離紙が粘着剤層からトンネル状等に部分的に浮き上がってしまうことがあった。この様な状態で保管された展示用台紙を使用すると、浮き上がった部分の接着が弱く被展示物がその部分で浮き上がる「ふくれ」発生の原因になったり、貼付した被展示物の表面に浮き上がった部分がスジ状の模様となって見映えを損ねてしまうという問題があった。
一方、展示用台紙は、剥離紙を粘着剤層から剥がし易く、ポスター等の被展示物を容易にかつ確実に粘着剤層に貼着しやすいことが要請される。
本発明の課題は、ポスター等の被展示物を貼るに際して作業性が良好でありながら、粘着剤層からの剥離紙の浮き上がりを防止することができる展示用台紙を提供するところにある。
上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、前記浮きあがりが生じる原因は、粘着剤層が形成されたポリスチレン系樹脂発泡板に対して剥離紙等に含まれる紙が湿度等により水分を吸放湿して伸縮することに基づくものと考えるに至り、粘着剤層と剥離紙との剥離強度を制御することで問題の解決を図り得ることを見出した。
本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡板の一面側に粘着剤層が形成され、さらにその上に剥離紙が積層されてなる展示用台紙であって、前記粘着剤層と前記剥離紙の剥離強度はその最小点荷重値が4gf以上であり、且つ当該剥離強度の積分平均荷重値が10gf以上20gf以下であることを特徴とする展示用台紙である。
前記剥離紙は、紙を剥離剤層を介して粘着剤層に積層することもできるが、紙に樹脂フィルムを積層し、当該樹脂フィルムに前記粘着剤層と積層する剥離剤層を備えている剥離紙が好ましい。
また、本発明の態様としては、ポリスチレン系樹脂発泡板の両面に上質紙を積層し、前記粘着剤層を一方の当該紙の上に形成することができる。
また、本発明の他の態様として、ポリスチレン系樹脂発泡板の一面に紙、もう一方の面に複合紙が接合され、前記紙の上に粘着剤層が形成され、前記粘着剤層の上に前記剥離紙が積層されている展示用台紙であって、前記剥離紙は、紙に樹脂フィルムが積層され、当該樹脂フィルムに前記粘着剤層と積層する剥離剤層を備えた構成からなり、前記粘着剤層と前記剥離紙の剥離強度は、その最小点荷重値が4gf以上であり、且つ、当該積分平均荷重値が20gf以下である展示用台紙を採用することもできる。
なお、前記ポリスチレン系樹脂発泡板としてはその表面積5000cm以上の大きさを有することが好ましく、厚み3〜20mm、発泡倍率5〜25倍を備えた同発泡板を用いることが好ましい。また前記粘着剤層として例えばアクリル酸エステルポリマーを含む層とし、また剥離剤層としてシリコーン系樹脂コーティング層とすることができる。
なお、本発明における前記剥離強度は、JIS Z−0237(1980)に基づく180度引き剥がし法に準拠して測定した値である。詳細は後述の通りである。
本発明は、前記構成により、前記剥離紙の浮き上がり(トンネル現象)が発生しにくく、使用時の作業性にも優れている。なお、前記剥離強度の最小点荷重値が4gf未満では、前記剥離紙の浮き上がり(トンネル現象)が発生し易く、前記剥離強度の積分平均荷重値が10gf未満では剥離紙剥離後の粘着剤層に対する被展示物の接着強度が低くなる。前記剥離強度の積分平均荷重値が20gfを超えると、剥離紙を粘着剤層から剥がしにくく、ポスター等の被展示物を容易にかつ確実に粘着剤層に貼着しにくい。
特に、剥離紙として、紙に樹脂フィルムを積層している剥離紙の場合、粘着剤からの水分の散逸が抑制され、剥離紙自体の伸縮が少ないので、製品の粘着性が安定し、既述した剥離紙の浮き上がり(トンネル現象)の発生がさらに抑制される。
また、ポリスチレン系樹脂発泡板の両面に上質紙が積層されている場合は、台紙の見映えがよく、商品価値が向上し、また裏面への印刷が容易であると共に、剥離紙の浮き上がり(トンネル現象)の発生が抑制される。
また、ポリスチレン系樹脂発泡板の一面に紙、もう一方の面に複合紙が接合され、前記紙の上に粘着剤層が形成され、前記粘着剤層の上に前記剥離紙が積層されている展示用台紙であって、前記剥離紙は、紙に樹脂フィルムが積層され、当該樹脂フィルムに前記粘着剤層と積層する剥離剤層を備えた構成からなり、前記粘着剤層と前記剥離紙の剥離強度は、その最小点荷重値が4gf以上であり、且つ、当該積分平均荷重値が20gf以下で接合されている展示用台紙の場合は、展示用台紙としての反りの発生が少なく、さらに剥離紙の浮き上がり(トンネル現象)の発生が抑制される。
図1は本発明の一実施形態を示す展示用台紙の概略断面図である。
図において、100はポリスチレン系樹脂発泡板であり、その一面側に粘着剤層201が形成されている。ポリスチレン系樹脂発泡板100の両面にはそれぞれ接着剤層203、402を挟んで紙202、401が接合されており、その一方の紙202の上には粘着剤層が形成されている。そしてさらにその粘着剤層201の上には剥離紙300が積層されている。図示の通り、紙401は接着剤層402とともにポリスチレン系樹脂発泡板100の裏紙400を構成し、粘着剤層201は紙202及び接着剤層203とともに接着層200を構成している。
剥離紙300は、図示の通り、紙301に樹脂フィルム302が積層されており、当該樹脂フィルム302には前記接着層200の粘着剤層201と積層する剥離剤層303を備えている。
前記粘着剤層と前記剥離紙は、剥離強度の最小点荷重値が4gf以上、好ましくは5gf以上であり、且つ、剥離強度の積分平均荷重値が10gf以上20gf以下、好ましくは18gf以下、さらに好ましくは15gf以下接合されている。
従って、この展示用台紙は、使用する前に剥離紙300が粘着剤層201からトンネル状等に部分的に浮き上がってしまうことが防止されることから、この様な状態で保管された展示用台紙を使用しても、被展示物がその部分で浮き上がる「ふくれ」の発生が防がれ、貼付した被展示物の表面に浮き上がった部分がスジ状の模様となって見映えを損ねてしまうことも抑えられる。また、この展示用台紙は、剥離紙300を粘着剤層201から剥がし易く、ポスター等の被展示物を容易にかつ確実に粘着剤層201に貼着しやすい。
ここで、この実施形態を含め、本発明の「剥離強度」は、JIS Z−0237(1980)に基づく180度引き剥がし法に準拠して測定した値で特定される。
すなわち、製造後7日後の展示用台紙を、温度23±2℃、湿度60±5%に維持された室内に24時間保管した後、この展示用台紙より、長さ100mm、幅25mmの試験片を切り出し、その試験片の長手方向の一方端より剥離紙を全幅(25mm)にわたって5mm剥がし、180度折り返す。
次に、図3に示す様に、剥離紙11が剥がされた上記試験片10のその剥がされた部分12を、測定装置の下側クランプ20に挟み込んで固定し、剥離紙11の折り返し部分11aを測定装置の上側クランプ21に挟む。上側クランプ21を200mm/minの速度で図3に示す矢印方向に引き上げ、荷重を自記記録計で収録する。測定は剥離紙をすべて剥がすまで行なう。最小点荷重値は、測定開始から最初の5mmを除いた位置からすべて剥がすまでに記録された荷重曲線における最小値である。積分平均荷重値は、測定開始から最初の5mmを除いた位置からすべて剥がすまでに記録された荷重曲線より求めたものである。サンプル数は3サンプルである。最小点荷重値はそれらの中での最小値とし、積分平均荷重値はそれらの相加平均値とする。荷重の測定装置としては、テンシロン万能試験機((株)オリエンテック社製、UCT−10T)を使用した。図3は同測定装置の要部概略図であり、図4は測定結果の概念図であり、積分平均荷重値と最小点荷重値をグラフから特定する方法を説示している。
ところで、本発明のポリスチレン系樹脂発泡板に用いられるポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリスチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルの混合物などを例示できる。ポリスチレン系樹脂発泡板の大きさは、表面積5000cm以上のものが好ましい。これより表面積が小さいものではこの様な問題発生し難い。表面積5000cm以上、8000cm以上、10000cm以上の表面積を持つポリスチレン系樹脂発泡板で問題となり易い。
ポリスチレン系樹脂発泡板の厚みは好ましくは3〜20mm、さらに好ましくは5〜10mmである。ポリスチレン系樹脂発泡板の厚みが3mmより薄いと強度が不足し、20mmより厚すぎると展示スペースを取りすぎるため好ましくない。また、ポリスチレン系樹脂発泡板の発泡倍率は好ましくは5〜25倍、さらに好ましくは8〜20倍である。発泡倍率が5倍より低いと台紙が軽量性にかける。発泡倍率が25倍より高いと強度が弱くなる。
前記粘着剤層を形成する粘着剤としては、アクリル酸エステル系ポリマーを主体とするものが好ましく、溶剤系でもエマルジョン系でも使用できるが、ポリアクリル酸ブチルが好ましい。この粘着剤層はアクリル酸エステル系ポリマーのコーティング層として形成できる。なお、この粘着剤の塗布厚みは15〜35g/mが好ましい。塗布方法はグラビアロール方式の回転式塗布機やロールコータなどによることができる。
また本発明では、前記剥離紙には、紙にレジン(樹脂)をアンカーコートしたものや、紙の表面にシリコーンなどの剥離剤をコーティングしたものを用いることができる。紙の表面にシリコーンなどの剥離剤をコーティングしたものは、粘着剤層に対面する剥離剤層を構成することができ、例えばシリコーンを剥離剤とする場合はシリコーンコーティング層として適用される。
また、本発明に用いられる剥離紙としては、既述した実施形態の様に、紙に樹脂フィルムが積層された剥離紙の場合、紙にポリエチレンフィルムなどの樹脂フィルムを積層した複合紙のほか、紙の間にポリエチレンフィルムなどの樹脂フィルムをサンドイッチした複合紙などを用いることができる。シリコーンなどの剥離剤は、上記紙や上記樹脂フィルムに剥離剤層として構成することができ、例えばポリエチレンフィルムなどのプラスチックフィルムなどの表面に、シリコーンなどの剥離剤をコーティングした剥離紙を用いることができる。また、剥離紙が積層された粘着剤層を、ポリスチレン系樹脂発泡板の片面だけに形成する態様のほか、両面に形成する展示用台紙を採用することもできる。
上記剥離紙に用いられる紙は、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙や上質紙に樹脂フィルムが積層されたり、サンドイッチされた複合紙などであるが、総坪量50〜150g/mが好ましい。総坪量が50g/mより小さいと強度が低下し、剥離するときに破れやすくなる。総坪量が150g/mより大きいと展示用台紙が重くなったり、コスト高となる。
本発明で用いられる剥離剤は、フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂などが挙げられる。ほとんどの場合、シリコーン系樹脂(例えばポリジメチルシロキサン)を紙又は樹脂フィルムなどの表面に塗布処理する。これらをトルエンなどの溶媒に分散させて塗布し、トルエンを蒸発除去することで得ることができる。剥離剤のコーティング量は、剥離剤の種類によって異なり、この塗布量によって剥離強度を調整するが、シリコーン系樹脂の場合は3〜5g/m程度が好ましい。
なお、ポリスチレン系樹脂発泡板に接合される紙は、既述の様に、ポリスチレン系樹脂発泡板の両面に接着することができるが、片面に接着することもできる。前記裏紙に相当する部分に複合紙を接合することもできる。
前記発泡板に接合される紙は、表面平滑性や印刷性に優れた上質紙(クラフト紙)などの紙やそれらの紙の間にポリエチレンフィルムなどの樹脂フィルムをサンドイッチした複合紙などが用いられる。総坪量70〜150g/mのものが好ましく用いられる。
これらの紙は樹脂フィルム層を含む複合紙など湿度変化による伸縮の少ないものが、展示板の反りの発生を防止するとともにそれによる剥離紙の浮き上がりが防止できるため好ましい。
前記発泡板と紙の接着剤としては、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤など公知の接着剤が使用できる。
本発明の展示用台紙は、既述した各層を順次積層して構成することもできるが、各層を適宜組み合わせて、組み合わされた各層を接合して形成することもできる。例えば、既述した実施態様でいえば、あらかじめ紙202と粘着剤層201と剥離紙300が積層されたタック紙をつくり、これを接着剤で上記ポリスチレン系樹脂発泡板100に貼りつけることもできる。
本発明の他の実施形態としては、例えば、図2に示すように、ポリスチレン系樹脂発泡板500の一面に紙602が接着剤層603により積層され、もう一方の面に複合紙800が接着剤層804により裏紙として積層されている。前記紙602の上には粘着剤層601が形成され、粘着剤層601の上に剥離紙700が積層されている。剥離紙700は、紙701に樹脂フィルム702が積層され、当該樹脂フィルム702に前記粘着剤層601と積層する剥離剤層703を備えた構成からなる。複合紙800は、図2に示すように、樹脂フィルム801の両面に紙802、803が積層されており、この紙803が接着剤層804を介してポリスチレン系樹脂発泡板500に接合されている。なお、この複合紙800としては、例えば厚み20μmのポリエチレンフィルムを50g/mの上質紙で挟み込んだ複合部材を例示することができるが、これに限定されない。上記図2に示した各構成要素は既述したすべての構成要素の態様を含むものであるが、図2に示した展示用台紙では、前記粘着剤層と前記剥離紙は、剥離強度の最小点荷重値が4gf以上であり、且つ、剥離強度の積分平均荷重値が20gf以下で接合されていることが重要であり、これによって、ポスター等の被展示物を貼るに際して作業性が良好であり、粘着剤層からの剥離紙の浮き上がりを防止することができる。
図1に示す構造の展示用台紙を試作した。
縦1570mm、横1080mm、厚み7mm、密度0.075g/cmのポリスチレン系樹脂発泡板100の一方の面に紙401(上質紙、厚み:0.1mm 坪量82g/m)を、他方の面にタック紙を、ポリ酢酸ビニルエマルジョン接着剤(接着剤層402)を用いて貼り付け、展示用台紙を作成した。
ここでいうタック紙とは、紙202と粘着剤層201と剥離紙300が積層されたものである。
このタック紙は、上質紙(厚み:0.1mm 坪量82g/m)の紙202の上に粘着剤層201(ポリアクリル酸ブチル 塗布量24g/m)が形成され、さらにその上に上質紙(坪量80g/m)の紙301にポリエチレンの樹脂フィルム302(坪量20g/m)が積層された複合紙のポリエチレンの樹脂フィルム302面に、剥離層303を構成するシリコーン樹脂が塗布処理(シリコーン樹脂量4g/m)されている剥離紙300から構成されている。
このタック紙の紙202をポリ酢酸ビニルエマルジョン接着剤で上記ポリスチレン系樹脂発泡板100に貼りつけた。
この剥離紙300と粘着剤層201の剥離強度は、その積分平均荷重値が11.8gfで、その最小点荷重値が5.6gfであった。
タック紙を構成する剥離紙以外は実施例1と同様にして展示用台紙を作成した。実施例2の剥離紙は、上質紙(坪量80g/m)に直接に前記シリコーン処理(シリコーン樹脂量 3.5g/m)して剥離層を形成している。
この実施例2の展示用台紙では、剥離紙と粘着剤層の剥離強度は、その積分荷重平均値が13.7gf、その最小点荷重値8.1gfであった。
図2に示す構造の展示用台紙を作成した。
ポリスチレン系樹脂発泡板500の裏紙に、厚み20μmのポリエチレン樹脂フィルム801を坪量50g/mの上質紙からなる各紙802、803で挟み込んだ複合紙800を用いた以外は実施例1と同様にして展示用台紙を作成した。なお、この実施例3に示す展示用台紙の構成要素の符号は、図2に示す符号を用いている。
この実施例3の展示用台紙では、剥離紙700と粘着剤層601の剥離強度は、その積分平均荷重値が11.8gf、その最小点荷重値が5.6gfであった。
[比較例1]
剥離層を構成する前記シリコーン樹脂の塗布量を5.1g/mにした以外は実施例1と同様にして比較例1の展示用台紙を作成した。
この比較例1の展示用台紙では、剥離紙と粘着剤層の剥離強度は、その積分平均荷重値が9.4gf、その最小点荷重値が2.2gfであった。
[比較例2]
剥離層を構成する前記シリコーン樹脂の塗布量を0.3g/mにした以外は実施例1と同様にして比較例2の展示用台紙を作成した。
この比較例1の展示用台紙では、剥離紙と粘着剤層の剥離強度は、その積分平均荷重値が25.3gf、その最小点荷重値が12.73gfであった。
[剥離紙浮き上がり及び作業性の評価]
製造された前記各実施例及び各比較例の展示用台紙を、温度23±2℃、湿度60±5%に維持された室内に14日保管した後、剥離紙表面に現れた浮きスジを確認した。浮きスジの発生を以下の基準で評価した。
無し…10cm以上の長さの浮きスジが0である。
有り…10cm以上の長さの浮きスジが1本以上発生している。
次に、各実施例及び各比較例の展示用台紙について、実際に剥離紙を剥がし、粘着剤層に紙(上質紙、厚み:0.1mm 坪量82g/m)を貼り付ける作業を行なって作業性を評価した。
その結果、各実施例は浮きスジは「無し」という判定がなされた。また作業性においても問題は認められなかった。
これに対して、比較例1の展示用台紙は、浮きスジは「有り」という判定がなされた。
一方、作業性においては問題は認められなかった。比較例2の展示用台紙は、浮きスジは「無し」という判定がなされたが、剥離紙を剥がす際に多大な力を要し、作業性においては劣る結果となった。
本発明は、ポスター等の被展示物を貼るに際して作業性が良好であり、かつ粘着剤層からの剥離紙の浮き上がりを防止することができる展示用台紙を提供することができ、写真やポスターなどの印刷物を貼って展示する台紙として好適に用いられる。
図1は本発明の一実施形態を示す展示用台紙の概略断面図である。 図2は本発明の他実施形態を示す展示用台紙の概略断面図である。 図3は同測定装置の要部概略図である。 図4は測定結果の概念図である。
符号の説明
100 ポリスチレン系樹脂発泡板
200 接着層
201 粘着剤層
202 紙
203 接着剤層
300 剥離紙
301 紙
302 樹脂フィルム
303 剥離剤層
400 裏紙
401 紙
402 接着剤層
500 ポリスチレン系樹脂発泡板
601 粘着剤層
602 紙
603 接着剤層
700 剥離紙
701 紙
702 樹脂フィルム
703 剥離剤層
800 複合紙
801 樹脂フィルム
802 紙
803 紙
804 接着剤層

Claims (6)

  1. ポリスチレン系樹脂発泡板の一面側に粘着剤層が形成され、さらにその上に剥離紙が積層されてなる展示用台紙であって、前記粘着剤層と前記剥離紙の剥離強度は、その最小点荷重値が4gf以上であり、且つ、当該積分平均荷重値が10gf以上20gf以下であることを特徴とする展示用台紙。
  2. 前記剥離紙は、紙に樹脂フィルムが積層されており、当該樹脂フィルムに前記粘着剤層と積層する剥離剤層を備えていることを特徴とする請求項1に記載の展示用台紙。
  3. ポリスチレン系樹脂発泡板の両面に上質紙が積層され、前記粘着剤層は一方の当該紙の上に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の展示用台紙。
  4. ポリスチレン系樹脂発泡板の一面に紙、もう一方の面に複合紙が接合され、前記紙の上に粘着剤層が形成され、前記粘着剤層の上に前記剥離紙が積層されている展示用台紙であって、
    前記剥離紙は、紙に樹脂フィルムが積層され、当該樹脂フィルムに前記粘着剤層と積層する剥離剤層を備えた構成からなり、
    前記粘着剤層と前記剥離紙の剥離強度は、その最小点荷重値が4gf以上であり、且つ、当該積分平均荷重値が20gf以下であることを特徴とする展示用台紙。
  5. 前記ポリスチレン系樹脂発泡板が、表面積5000cm以上の大きさを有し、厚み3〜20mm、発泡倍率5〜25倍を備えた請求項1〜4のいずれかの項に記載の展示用台紙。
  6. 前記粘着剤層がアクリル酸エステルポリマーを含む層であり、前記剥離紙が有する剥離剤層がシリコーン系樹脂コーティング層である請求項1〜5のいずれかの項に記載の展示用台紙。

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