JP2005264126A - 接着剤及びそれを用いた床構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 主鎖が本質的にポリエーテルでありかつ架橋可能な加水分解性シリル基を有する有機重合体100重量部、針状結晶フィラー2〜30重量部、タルク30〜200重量部、重量平均分子量2000以上のヒンダードアミン0.1〜10重量部、及びシリル化触媒0.5〜5重量部からなる接着剤。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、例えば、床暖房仕様の床材の接着には、冬場の床材の目隙の問題から従来の硬化皮膜の硬い接着剤が用いられている。このような接着剤として、例えば、変成シリコーン−エポキシ1成分系接着剤が用いられている。
第1の発明において、主鎖が本質的にポリエーテルの有機重合体としては、ポリオキシアルキレンが挙げられる。ポリオキシアルキレンとしては、例えば、ポリオキシエチレン及びポリオキシブチレンなどが挙げられる。これらのポリオキシアルキレンとしては、一般に市販されているものを好ましく用いることができる。
RaXbHSi(1)
(式中、Rは1価炭化水素基及びハロゲン化1価炭化水素基からなる群より選択される基であり、aが2または3の場合、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Xはハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基及びケトキシメート基からなる群より選択される原子または基を示す。bが2または3の場合、Xはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。a及びbは0〜3の整数を表し、かつa+b=3を満足する。)により表される水素化ケイ素化合物と反応させることによって得られる。
主鎖が本質的にポリエーテルでありかつ架橋可能な加水分解性シリル基を有する有機重合体100重量部に対し、針状結晶フィラーの添加量は、2〜30重量部である。2重量部より少ないと、弾性率アップの効果が少なくなる。一方、30重量部を超えると、接着剤の粘度が高くなり、その結果、作業性に支障をきたす。
重量部より少ないと、本発明の効果が得られない。一方、200重量部を超えると、接着剤の粘度が高くなり、その結果、作業性に支障をきたす。
主鎖が本質的にポリエーテルでありかつ架橋可能な加水分解性シリル基を有する有機重合体100重量部に対し、シリル化触媒の添加量は、0.5〜5重量部とすることが好ましい。0.5重量部より少ないと、触媒効果が小さくなる。一方、5重量部を超えると、硬化が早くなり、その結果、作業性に支障をきたす。
エポキシ化合物及びケチミン化合物を添加することによって、接着剤の貯蔵安定性を向上させることができる。
第2の発明において、エポキシ化合物の内、エポキシ基を有するアクリルポリマーを好ましく用いることができる。エポキシ基を有するアクリルポリマーとしては、重量平均分子量が1000〜10000のアクリルポリマーにエポキシ基を導入したものが挙げられる。市販品としては、東亜合成株式会社製の「ARUFON UG」シリーズなどが挙げられる。
また、第1及び第2の発明において、シリル化触媒の内、架橋可能なシリル基を有するスズ系触媒を好ましく用いることができる。このような架橋可能なシリル基を有するスズ系触媒としては、ジアルキル錫オキサイド及びジアルキル錫ジアセテートなどの4価スズ化合物と、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、及びフェニルトリメトキシシランなどの加水分解性シリル基を有する低分子ケイ素化合物との反応物などが挙げられる。これらの触媒は、シラノール縮合反応を顕著に加速させる硬化触媒として有効である。
例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,
N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]アミン、及びN,N−ビス−[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミンなどが挙げられる。これらは1種類だけを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの添加剤を用いることによって、接着性を向上させることができる。
例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチ ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメチルシラン、及びジフェニルジメトキシシランなどのシラン化合物類、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、及びオルト酢酸エチルなどの加水分解性エステル化合物類が挙げられる。これらは1種類だけを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、含水ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、シリカ、二酸化チタン、クレー、タルク、カーボンブラック、及びガラスバルーンなどが挙げられる。これらは1種類だけを用いてもよいし、何種類かを併用してもよい。
例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪酸一塩基酸エステル類、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチルなどの脂肪酸二塩基酸エステル類、ポリプロピレングリコール類などが挙げられる。これらは1種類だけを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
例えば、水添ひまし油、脂肪酸ビスアマイド、及びヒュームドシリカなどのタレ防止剤を添加してもよい。 更に必要に応じて老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、
溶剤、及び香料などを用いることができる。
例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するシラン化合物が挙げられる。
本発明の床構造体は、上記の本発明による接着剤を用いて、床材と床構造部材とを積層接着することにより得られる。床材としては、針葉樹合板などの合板、MDF(メディアムデンシティファイバーボード)などの木質フローリング、ラワン合板でパネル化した床パネルなどが挙げられる。また、床構造部材とは、住宅などの床として用いる床材と積層
接着して用いる部材であり、このような部材としては、温水パイプを配管して床暖房に用いる床暖房ユニットなどが挙げられる。
第2の発明に係る接着剤では、第1の発明に係る接着剤組成物に、エポキシ化合物及びケチミン化合物がさらに上記特定の割合で含まれているため、第1の発明に係る接着剤で得られる効果に加えて、さらに、貯蔵安定性が高められる効果も得られる。
主鎖が本質的にポリエーテルでありかつ架橋可能な加水分解性シリル基を有する有機重合体(鐘淵化学製、商品名;サイリルSAT400)を100重量部、充填材としてコロイダル炭酸カルシウムCCR(白石カルシウム製)を40重量部、タルク(日本タルク工業製、商品名;タルクSS)を100重量部、針状結晶フィラー(大塚化学製、商品名;金属チタン酸カリウムティスモD)を15重量部、ヒンダードアミン(チバケミカルスペシャリティ製、商品名;チマソーブ2020FDL)を2重量部、添加剤としてビニルトリメトキシシラン(信越化学工業製)を3重量部、脱水剤として3−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製)を2重量部、及びシリル化触媒(日東化成製、商品名;ネオスタンU−700)を2重量部をプラネタリーミキサーを用い、60分間真空混練して接着剤を得た。
主鎖が本質的にポリエーテルでありかつ架橋可能な加水分解性シリル基を有する有機重合体(鐘淵化学製、商品名;サイリルSAT400)を100重量部、エポキシ化合物(ジャパンエポキシ製、商品名;エピコート828)を15重量部、充填材としてコロイダル炭酸カルシウムCCR(白石カルシウム製)を40重量部、タルク(日本タルク工業製、商品名;タルクSS)を100重量部、針状結晶フィラー(大塚化学製、商品名;金属チタン酸カリウムティスモD)を15重量部、ヒンダードアミン(チバケミカルスペシャリティ製、商品名;チマソーブ2020FDL)を2重量部、添加剤としてビニルトリメトキシシラン(信越化学工業製)を3重量部、ケチミン化合物としてN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン(チッソ製)を3重量部、及びシリル化触媒(日東化成製、商品名;ネオスタンU−700)を2重量部をプラネタリーミキサーを用い、60分間真空混練して接着剤を得た。
実施例2において用いたエピコート828(ジャパンエポキシ製)を、商品名;ARUFON UG−4010(東亜合成製)に代えた以外は、実施例2と同様にして接着剤を得た。
実施例3において用いたARUFON UG−4010(東亜合成製)の使用量を15重量部から20重量部に代え、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン(チッソ製)を、商品名;H−30(ジャパンエポキシ製)に代えて、H−30の使用量を10重量部にした以外は実施例3と同様にして接着剤を得た。
主鎖が本質的にポリエーテルでありかつ架橋可能な加水分解性シリル基を有する有機重合体(鐘淵化学製、商品名;サイリルSAT400)を100重量部、充填材としてコロイダル炭酸カルシウムCCR(白石カルシウム製)を100重量部、針状結晶フィラー(大塚化学製、商品名;金属チタン酸カリウムティスモD)を30重量部、ヒンダードアミン(チバケミカルスペシャリティ製、商品名;チマソーブ2020FDL)を2重量部、添加剤としてビニルトリメトキシシラン(信越化学工業製)を3重量部、脱水剤として3−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製)を2重量部、及びシリル化触媒(日東化成製、商品名;ネオスタンU−700)を2重量部をプラネタリーミキサーを用い、60分間真空混練して接着剤を得た。
主鎖が本質的にポリエーテルでありかつ架橋可能な加水分解性シリル基を有する有機重合体(鐘淵化学製、商品名;サイリルSAT400)を100重量部、充填材としてコロイダル炭酸カルシウムCCR(白石カルシウム製)を50重量部、タルク(日本タルク工業製、商品名;タルクSS)を200重量部、ヒンダードアミン(チバケミカルスペシャリティ製、商品名;チマソーブ2020FDL)を2重量部、添加剤としてビニルトリメトキシシラン(信越化学工業製)を3重量部、脱水剤として3−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製)を2重量部、及びシリル化触媒(日東化成製、商品名;ネオスタンU−700)を2重量部をプラネタリーミキサーを用い、60分間真空混練して接着剤を得た。
主鎖が本質的にポリエーテルでありかつ架橋可能な加水分解性シリル基を有する有機重合体(鐘淵化学製、商品名;サイリルSAT400)を100重量部、エポキシ化合物(ジャパンエポキシ製、商品名;エピコート828)を20重量部、充填材としてコロイダル炭酸カルシウムCCR(白石カルシウム製)を100重量部、ヒンダードアミン(チバケミカルスペシャリティ製、商品名;チマソーブ2020FDL)を2重量部、添加剤としてビニルトリメトキシシラン(信越化学工業製)を3重量部、ケチミン化合物(ジャパンエポキシ製、商品名;H−30)を10重量部、及びシリル化触媒(日東化成製、商品名;ネオスタンU−700)を2重量部をプラネタリーミキサーを用い、60分間真空混練して接着剤を得た。
BS粘度計を用い、ローターNO.6で回転数10rpm、接着剤の温度が23℃のときの粘度を測定した。
BS粘度計を用い、回転数1rpm及び回転数10rpm、接着剤の温度が23℃のときの粘度を測定し、(1rpmでの粘度)/(10rpmでの粘度)の比を測定した。
80℃で1週間乾燥した針葉樹合板1(300mm×1800mm×20mm厚)の短手方向に、接着剤を300mm間隔で6mm幅のビード状に6本塗布した後、別の針葉樹合板2(300mm×900mm×12mm厚)を水平に積層した。2枚の針葉樹合板を
積層した後、針葉樹合板2のコーナー端部4カ所を釘で固定して床構造体を得た。この構造体を室温23℃、湿度55%の雰囲気下で2週間養生し、80℃で1週間乾燥した後、2枚の床材間に生じた目隙を測定した。
針葉樹合板(300mm×450mm×20mm厚)の短手方向に接着剤を300mm間隔(中心線振り分け)で6mm幅のビード状に2本塗布した後、針葉樹合板の上に床材(300×450mm×12mm厚)を水平に積層した。圧力を加えて接着剤を押し広げた後、床材の中央部に10kgの重りを乗せて圧締し、床構造体を得た。この床構造体を室温23℃、湿度55%の雰囲気下で2週間養生した後、針葉樹合板の短手方向の両端部を支持台で支持し、床材上の中心部に500mm/分の速度で3mm変位の曲げ応力を加えて、剥離もしくは割れによる床鳴りの発生の有無を測定した。
○:床鳴り無し
×:床鳴りあり
得られた接着剤を、変性シリコーン専用カートリッジ(昭和丸筒製)に空気が混入しないように充填し、50℃において1週間熱履歴を加えた。その後、室温23℃において24時間放置し、粘度を測定した。
×:初期の粘度に対して、粘度が1.5倍以上
−:評価せず
Claims (6)
- 主鎖が本質的にポリエーテルでありかつ架橋可能な加水分解性シリル基を有する有機重合体100重量部、針状結晶フィラー2〜30重量部、タルク30〜200重量部、重量平均分子量2000以上のヒンダードアミン0.1〜10重量部、及びシリル化触媒0.5〜5重量部からなることを特徴とする接着剤。
- 主鎖が本質的にポリエーテルでありかつ架橋可能な加水分解性シリル基を有する有機重合体100重量部、針状結晶フィラー2〜30重量部、タルク30〜200重量部、重量平均分子量2000以上のヒンダードアミン0.1〜10重量部、シリル化触媒0.5〜5重量部、エポキシ化合物1〜100重量部、及びケチミン化合物0.5〜30重量部からなることを特徴とする接着剤。
- 前記エポキシ化合物が、エポキシ基を有するアクリルポリマーであることを特徴とする請求項2に記載の接着剤。
- 前記ケチミン化合物が、ケチミンシランであることを特徴とする請求項2に記載の接着剤。
- 前記シリル化触媒が、架橋可能なシリル基を有するスズ系触媒であることを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤を用いて、床材と床構造部材とが接着積層されていることを特徴とする床構造体。
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