JP2005263751A - 節煙用タブレット及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 摂取しやすい節煙用タブレットおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】
プーアル茶65〜75wt%、ウーロン茶20〜30wt%、ポーレン1〜20wt%の混合物を90〜98℃で60分間煮出した後、この抽出液をスプレードライヤーを用いて、上記の濃縮液を脱水乾燥して濃縮粉末化し禁煙茶粉末を製造する。この禁煙茶粉末を5〜30wt%、ソルビトール30〜75wt%、ビタミンC40〜5wt%と、アセロラパウダー2〜10wt%またはミントパウダー2〜10wt%の割合で混合し、それを打錠してタブレットを形成する。ポーレンとしては、ホップを使用する。

Description

本発明は、喫煙常習者が摂取することにより、長時間の禁煙に耐え得る節煙用タブレット及びその製造方法に関する。
近年、健康志向が高まり、嫌煙権が主張されるに伴って、飛行機の機内、バス・地下鉄・電車等の車両内、駅の構内、レストラン等、禁煙場所は激増している。一方、喫煙常習者においても、喫煙による健康への種々の障害を考慮して、禁煙もしくは節煙を試みようとする傾向が強まっている。
しかしながら、喫煙の習慣を断ち切るには、精神的、肉体的苦痛を伴う場合が多く、例えば、禁煙によって情緒不安に陥ったり、頭痛、動悸等の障害が現れやすいことが知られている。このような禁煙による種々の影響を軽減するために、煙草の成分であるニコチンを含有させたニコチンタブレットが市販されている。
しかし、このニコチンタブレットは、煙草の成分であるニコチンを喫煙行為によらずに摂取するものであり、ニコチンそのものの摂取量を大幅に低減するものではなかった。そのため、服用者の健康に少なからず悪影響を及ぼすものであった。そこで、このような問題点を解決すべく、本出願人は既に特許文献1に示されたような経口節煙剤を開発した。
特許第2924099号
しかしながら、特許文献1に示された経口節煙剤は、ある種のフラボノール化合物、フラボノール化合物を含有する植物体の粉末またはその抽出物を、通常の食品、嗜好品あるいは飲料の中に混入させることにより、これを摂取した喫煙者を、半ば無意識のうちに禁煙あるいは節煙に導くことを目的としたものである。
そのため、飛行機の機内、バス・地下鉄・電車等の車両内、レストラン等の禁煙場所において、煙草を吸いたくても吸えない状況になった時にすぐに服用することができず、また、吸いたくても吸えないイライラを解消するといった即時的な効果を得られるものではなかった。また、ポーレンに含まれているフラボノール化合物は、通常、かなりの苦みを有するものであり、節煙効果が得られる程度の量を他の食品に混入したとしても、その食品の味を損ない、飲食あるいは摂取することが困難であった。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、服用しやすく、吸いたくても吸えないイライラを即時的に解消することができ、継続して服用することにより、体内に蓄積しているニコチンを分解することができる節煙用タブレット及びその製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1の節煙用タブレットは、プーアル茶などの後発酵茶、または、烏龍茶、鉄観音、岩茶、黄金桂、包種茶などの半発酵茶と、ポーレンの混合物の抽出液を濃縮粉末化してなる禁煙茶粉末を主成分とする。
請求項2の節煙用タブレットは、プーアル茶などの後発酵茶と、烏龍茶、鉄観音、岩茶、黄金桂、包種茶などの半発酵茶と、ポーレンの混合物の抽出液を濃縮粉末化してなる禁煙茶粉末を主成分とする。
これら請求項1または請求項2の発明では、ポーレンの有する苦みが、後発酵茶や半発酵茶の持つ味と香りで和らげられ、節煙効果の高いポーレンの含有量を増やしても、摂取者に不快感を与えることがない。特に、請求項2のように、後発酵茶と半発酵茶とを混合すると、両者の独特な香りが相俟ってポーレンの苦みの解消に効果が大きい。
請求項3の節煙用タブレットは、プーアル茶65〜75wt%、ウーロン茶20〜30wt%、ポーレン1〜20wt%の混合物の抽出液を濃縮粉末化してなる禁煙茶粉末を主成分とする。このような割合でポーレンをプーアル茶とウーロン茶に混合すると、ポーレンの苦みによる違和感が効果的に除去できると同時に、ポーレンの持つ節煙効果も十分発揮される。
請求項4の節煙用タブレットは、前記禁煙茶粉末5〜30wt%、ソルビトール30〜75wt%、ビタミンC40〜5wt%含有することを特徴とする。また、請求項5の節煙用タブレットは、前記禁煙茶粉末5〜30wt%、ソルビトール30〜75wt%、ビタミンC40〜5wt%およびアセロラパウダー2〜10wt%含有することを特徴とする。請求項6の節煙用タブレットは、前記禁煙茶粉末5〜30wt%、ソルビトール30〜75wt%、ビタミンC40〜5wt%およびミントパウダー2〜10wt%含有することを特徴とする。これらの節煙用タブレットでは、添加したビタミンC、アセロラパウダー、あるいはミントパウダーの酸味やミント臭により、ポーレンの苦みがより緩和されるとともに、喫煙で蓄積するニコチンにより失われやすいビタミンCの補充もできる。
請求項7の節煙用タブレットは、前記ポーレンとして、ホップを使用したことを特徴とする。この請求項7のタブレットでは、ホップに豊富に含まれるフラボノイド化合物が節煙効果を向上させることができる。また、ビール原料として、広く利用されているので、入手も用意である。
請求項8の節煙用タブレットは、外周部に糖衣層が形成されていることを特徴とする。このタブレットは、糖衣の存在により、ポーレンの苦みにもかかわらず、容易に摂取可能である。
請求項9の製造方法は、プーアル茶などの後発酵茶と、烏龍茶、鉄観音、岩茶、黄金桂、包種茶などの半発酵茶と、ポーレンの混合物に対して水を加えて煮出した後、抽出液を回収し、この抽出液を濃縮粉末化して、禁煙茶粉末を製造し、この禁煙茶粉末をソルビトールおよびビタミンCの粉末と混合した後、打錠することを特徴とする。この製造方法では、ポーレンを茶葉とともに煮出すことにより、ポーレンの成分を水に容易に溶解させることが可能になり、節煙成分が茶の抽出成分と均質に混合された禁煙茶粉末を得ることが可能になる。
本発明によれば、服用しやすく、吸いたくても吸えないイライラを即時的に解消することができ、継続して服用することにより、体内に蓄積しているニコチンを分解することができる節煙用タブレット及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の節煙用タブレット及びその製造方法の一例について、より具体的に説明する。
(1)節煙用タブレット
本発明に係る節煙用タブレットは、後述する禁煙茶粉末を主成分とし、ビタミンC、マリンコラーゲン等を配合したものであり、添加する香料によって種々の味に調整することができるものである。
(1−1)節煙用タブレットの成分
例えば、アセロラ味及びミント味の節煙用タブレットは、それぞれ以下のような成分構成を有している。
(1−1−1)アセロラ味
禁煙茶粉末 8.70%
ビタミンC 13.30
結晶セルロース 5.00
ソルビトール 60.00
アセロラパウダー 5.00
クエン酸 2.00
香料 2.00
ショ糖エステル 3.00
甘味料(ステビア) 1.00
(1−1−2)ミント味
禁煙茶粉末 8.70%
ビタミンC 13.30
結晶セルロース 5.00
ソルビトール 60.00
ミントパウダー 5.00
クエン酸 2.00
香料 2.00
ショ糖エステル 3.00
甘味料(ステビア) 1.00
(1−2)禁煙茶粉末
本発明に係る節煙用タブレットの主要成分である「禁煙茶粉末」は、一例として、プーアル茶65〜75wt%、ウーロン茶20〜30wt%、ポーレン1〜20wt%の割合で含有し、後述する製造方法により得られたものである。
前記ポーレンとしては、たとえばホップを用いることが好ましい。このホップは、ホップのまり花(鞠花)の中のルプリン顆粒に由来するもので、このルプリン顆粒には、樹脂(resins)と精油成分(essential oils)が存在する。
(2)節煙用タブレットの製造方法
(2−1)禁煙茶粉末の原料の製造方法
プーアル茶の茶葉とウーロン茶の茶葉の原材料を選別し、プーアル茶の茶葉を65〜75wt%、ウーロン茶の茶葉を20〜30wt%混合し、火入れ専用機にて火を入れる。その後所定の大きさ(0.3〜1mm)に粉砕し、ふるいにかける。次に、0.2〜0.3mm程度に粉砕したホップを1〜20wt%の割合で添加し、ミックス機にて混合する。
(2−2)禁煙茶粉末の製造方法
上記のようにして得られた禁煙茶エキス原料1tに対して水10tを加え、90〜98℃で60分間煮出した後、抽出液を回収する。回収量は約8tである。
ここで、茶はおよびホップを煮出す理由は次の通りである。すなわち、ホップ樹脂の成分は主にα-acids(アルファー酸)とβ-acids(ベーター酸)に分けられるが、α-acidsはウーロン茶やプーアル茶にはほとんど溶けないため、本実施形態ではウーロン茶やプーアル茶と共にホップを煮沸することで、溶解可能なiso-α-acidsに異性化(isomerization)させ、苦味成分を茶液中に溶解させている。α-acidsの代表としてHumulone(フムロン)を例にとると、茶液の沸騰中、ベンゼン環の一番と六番のC結合が切り離され、新たに一番と五番目のC結合が形成され、Isohumulone(イソフムロン)が形成されます。同様の反応が他のα-acidsにも生じることで、ホップ樹脂の茶液中に対する溶解が可能となる。
その後、真空薄層濃縮法を用いて、前記抽出液8tを1000〜1500kgになるまで濃縮する。続いて、この濃縮液をシフターパス(200mesh pass)に通して異物を除去した後、ジャケット釜にて撹拌しながら95℃で30分間加熱殺菌する。続いて、スプレードライヤーを用いて、上記の濃縮液を脱水乾燥して粉末化する。その後、再度シフターパス(40mesh pass)に通して異物を除去する。
(2−3)タブレットの製造方法
上記のようにして得られた禁煙茶粉末を、製剤用の打錠機によって、所定の形状のタブレット(例えば、直径7mm程度の扁平な球状)に成形する。その後、このタブレットの表面に、コーティングパンで糖衣(ノンシュガータイプ)を施し糖衣錠とし(例えば、直径8.2mm程度)、さらに艶出工程をへて、製剤化する。なお、このタブレットの形状や大きさは、必ずしもこの寸法に限定されるものではなく、摂取者の好みに応じて大小適宜変更可能である。
(3)節煙用タブレットの摂取方法
上記のようにして製造された節煙用タブレットを、煙草が吸いたくなった時に、1回に2〜3粒を口中に含み、噛むあるいは舐めて溶かす。1日当たり、20粒程度を摂取することが望ましい。
(4)節煙用タブレットの効果
本発明に係る節煙用タブレットは、上記のような禁煙茶エキスを含有させることにより、ホップに含まれるフラボノール化合物が、喫煙常習者に対しては、煙草の味をまずく感じさせて、喫煙願望を消失させることができる。一方、非喫煙者がこの節煙用タブレットを摂取したとしても、その材料は中国茶やビール原材料として使用されるホップであるため、何ら悪影響を与えることはない。
特に、本発明に係る節煙用タブレットは、ビタミンCやアセロラパウダーあるいはミントパウダーを含んでいるため、ホップの苦みがこれらの材料が有する酸味とほどよい調和をとるため、単に、ホップの粉末や固形物を口中に含んだ場合のような強い苦みによる不快感もなく、口中に含くんで噛んだり舐めたりした場合でも、爽快感や軽い刺激感を得ることができ、容易に摂取することが可能である。その結果、口中でタブレットを溶かして摂取することにより、煙草を吸いたくても吸えないイライラを、数時間(約3時間)抑制することができる。さらに、本実施形態の節煙用タブレットを継続して摂取することにより、体内に蓄積しているニコチンを分解し、尿より排出することができる。
また、ビタミンC・マリンコラーゲンを配合することにより、皮膚や粘膜の老化を防止することができ、さらに、ノンシュガーなので、カロリーは控えめであり、カロリー摂取量を気にすることなく服用することができる。
(5)他の実施形態
前記の実施の形態は、打錠後にコーティングパンにより糖衣した糖衣錠としたが、糖衣をしない素錠やカプセル剤、あるいは禁煙茶粉末その他の材料を顆粒剤や細粒剤に加工してもよい。
前記実施の形態は、プーアル茶とウーロン茶の混合物を禁煙茶粉末の原料として使用したが、これらの一方を使用したり、他の後発酵茶や半発酵茶を単独あるいは組み合わせて使用することもできる。
ただし、発明者の研究によれば、プーアル茶のような後発酵茶は、その製造時において、酸化による発酵を止めた後、水分の残ったままの茶葉を堆積し、高温多湿の場所で放置し、その堆積中に空気中の細菌(黒麹菌)等が茶葉に付着して、細菌による発酵が起こったものであるから、独特の臭いを有しており、これがポーレンの苦みと調和して摂取時の苦みによる不快感を改善するのに効果があることが確認されている。従って、ウーロン茶単独の場合よりも、ホップの混合割合を増加させても飲みやすいタブレットを作成できる点で有利である。
ポーレンとしては、ホップの代わりに、他の花粉を使用することも可能である。例えば、ビーポーレンとして知られるミツバチが収集した各種の花の花粉を使用することもできる。また、ホップ樹脂として、発酵完了後のビール酵母を原料として乾燥酵母を製造する場合に、ビール酵母中から分離・精製したものを使用することも可能である。

Claims (9)

  1. プーアル茶などの後発酵茶、または、烏龍茶、鉄観音、岩茶、黄金桂、包種茶などの半発酵茶と、ポーレンの混合物の抽出液を濃縮粉末化してなる禁煙茶粉末を主成分とする節煙用タブレット。
  2. プーアル茶などの後発酵茶と、烏龍茶、鉄観音、岩茶、黄金桂、包種茶などの半発酵茶と、ポーレンの混合物の抽出液を濃縮粉末化してなる禁煙茶粉末を主成分とする節煙用タブレット。
  3. プーアル茶65〜75wt%、ウーロン茶20〜30wt%、ポーレン1〜20wt%の混合物の抽出液を濃縮粉末化してなる禁煙茶粉末を主成分とする節煙用タブレット。
  4. 前記禁煙茶粉末5〜30wt%、ソルビトール30〜75wt%、ビタミンC40〜5wt%含有することを特徴とする請求項3に記載の節煙用タブレット。
  5. 前記禁煙茶粉末5〜30wt%、ソルビトール30〜75wt%、ビタミンC40〜5wt%およびアセロラパウダー2〜10wt%含有することを特徴とする請求項3に記載の節煙用タブレット。
  6. 前記禁煙茶粉末5〜30wt%、ソルビトール30〜75wt%、ビタミンC40〜5wt%およびミントパウダー2〜10wt%含有することを特徴とする請求項3に記載の節煙用タブレット。
  7. 前記ポーレンとして、ホップを使用したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3に記載の節煙用タブレット。
  8. 外周部に糖衣層が形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6のいずれか一つに記載の節煙用タブレット。
  9. プーアル茶などの後発酵茶と、烏龍茶、鉄観音、岩茶、黄金桂、包種茶などの半発酵茶と、ポーレンの混合物に対して水を加えて煮出した後、抽出液を回収し、この抽出液を濃縮粉末化して、禁煙茶粉末を製造し、この禁煙茶粉末をソルビトールおよびビタミンCの粉末と混合した後、打錠することを特徴とする節煙用タブレットの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010209022A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Sapporo Breweries Ltd 心理状態改善剤
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