JP2005262594A - 熱転写シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に接着層、染料層を順次形成した熱転写シートにおいて、該接着層に活性水素を含む水溶性樹脂と水溶性硬化剤を含有しているために、接着層の塗工、乾燥時に、その活性水素と硬化剤との硬化反応により、接着層が硬化して、基材と染料層との密着性が高いものとなる。また、接着層を薄膜で形成しているので、熱転写シートと受像シートを重ね、熱転写シートの背面側からサーマルヘッドによる加熱により、染料層から受像シート側に昇華性染料が有効に移行して、印画における転写感度が高く、特に高濃度の印画が得られるようになる。
【選択図】 図1
Description
(基材)
本発明で用いる熱転写シートの基材1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。
本発明の熱転写シートにおける基材と染料層との間に設ける接着層2は、活性水素を含む水溶性樹脂と水溶性硬化剤を含有するものである。その活性水素含有の水溶性樹脂としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、アクリル系ポリオール等のポリオール類、ポリウレタン系樹脂エマルジョン及びディスパージョン、カルボキシル化スチレン−ブタジエンラテックス、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合エマルジョン等の水性エマルジョン/水性ラテックス、ユリアーホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、水溶性ナイロン樹脂、アリルアミン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂等の水溶性樹脂等があり、これらは1種又は2種以上を併せて使用することができる。
本発明の熱転写シートは、一方の面に耐熱滑性層を設けた基材の他方の面に接着層を介して、染料層3を設けたものである。該染料層は1色の単一層で構成したり、あるいは色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成することも可能である。染料層は、熱移行性染料を任意のバインダーにより担持してなる層である。使用する染料としては、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であって、従来公知の昇華転写型熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であるが、色相、印字感度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性等を考慮して選択する。
本発明の熱転写シートは基材の一方の面に、サーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわ等の悪影響を防止するため、耐熱滑性層4を設ける。上記の対熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
水溶性ナイロン樹脂(水系アミド樹脂) 100部
(商品名トレジンFS350 E5AS、メトキシメチル化ナイロンの30%水溶液である、ナガセケムテックス(株)製)
水溶性エポキシ硬化剤 5部
(商品名デコナールEX−313、ナガセケムテックス(株)製)
水 500部
イソプロピルアルコール 500部
C.I.ソルベントブルー63 5.5部
ポリビニルアセタール樹脂 3.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 22.5部
トルエン 68.2部
ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 武田薬品工業(株)製)
リン酸エステル 0.8部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製)
メチルエチルケトン 42.5部
トルエン 42.5部
水溶性メトキシカルボニルアリルアミン樹脂 100部
(商品名「PAA−H10C」、日清紡(株)製)
水溶性カルボジライト硬化剤 30部
(商品名「V02」、日清紡(株)製)
水 500部
イソプロピルアルコール 500部
水溶性メトキシカルボニルアリルアミン樹脂 100部
(商品名「PAA−H10C」、日清紡(株)製)
水溶性エポキシ硬化剤 5部
(商品名デコナールEX−313、ナガセケムテックス(株)製)
水 500部
イソプロピルアルコール 500部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.08g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例1の熱転写シートを作製する。
水系ポリエステル樹脂(アニオン系、軟化点130〜140℃) 100部
(商品名ES901A、ナガセケムテックス(株)製)
水 500部
イソプロピルアルコール 500部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.08g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例2の熱転写シートを作製する。
水溶性ナイロン樹脂(ノニオン系の水系アミド樹脂) 100部
(商品名FS500、ナガセケムテックス(株)製)
水 500部
イソプロピルアルコール 500部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.08g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例3の熱転写シートを作製する。
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP社製) 10部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、実施例1で使用した接着層塗工液Aをグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.4g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例4の熱転写シートを作製する。
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、実施例2で使用した接着層塗工液Bをグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.4g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例5の熱転写シートを作製する。
上記に作製した各実施例及び比較例の熱転写シートを用いて、OLIMPUS社製P−400プリンター用の専用熱転写受像シートと組み合わせて、下記条件にて、印画を行い、マクベス反射濃度計RD−918にて、反射濃度を測定した。
(印画条件)
サーマルヘッド;KGT−217−12MPL20(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値;3139(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印加電力;0.10(w/dot)
1ライン周期;5(msec.)
印字開始温度;40(℃)
印加パルス(階調制御方法);1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を70%に固定し、ライン周期当たりのパルス数を0から255個を15分割した。これにより、15段階に異なるエネルギーを与えることができる。
上記の反射濃度の測定の場合と同様の印画条件において、印画物の全面がベタ(階調値255/255:濃度マックス)である印画パターンで印画し、印画を行なった際に、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとが熱融着するか、あるいは染料層ごと被転写材に転写する、いわゆる異常転写が生じるかを目視にて調べた。
評価は以下の基準にて行なった。
○:染料層と熱転写受像シートとが熱融着せず、また異常転写が生じない。
×:染料層と熱転写受像シートとが熱融着するか、あるいは異常転写が生じる。
2 接着層
3 染料層
4 耐熱滑性層
Claims (5)
- 基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に接着層、染料層を順次形成した熱転写シートにおいて、該接着層に活性水素を含む水溶性樹脂と水溶性硬化剤を含有することを特徴とする熱転写シート。
- 前記の基材は、表面にコロナ処理がされているもので、該コロナ処理面に接着層を設けたことを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
- 前記の水溶性硬化剤が、エポキシ硬化剤又はカルボジイミド系硬化剤であることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
- 前記の水溶性樹脂が、水溶性ナイロン樹脂又はアリルアミン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
- 前記の接着層は、乾燥時の塗工量が0.01〜0.3g/m2であることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
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