JP2005280253A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱転写画像の高濃度、高品質の要求に対応し、印画における転写感度が向上した熱転写シートを提供することを目的とする。
【解決手段】 基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に金属薄膜層、染料層を順次形成したもので、金属薄膜層は染料染着性が非常に低いため、サーマルヘッドの印字加熱の際に、染料層から染料が金属薄膜層側にほとんど移行せずに、被転写体の受容層側に有効に染料が移行して、高濃度の印画物が得られ、印画における転写感度を高くすることができた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に金属薄膜層、染料層を順次形成した熱転写シートに関し、さらに詳しくは印画における転写感度が高く、特に高濃度の印画が得られる熱転写シートに関するものである。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、それらの中でも、昇華転写用染料を記録材とし、これをポリエステルフィルム等の基材上に適当なバインダーで担持させた染料層を有する熱転写シートから、昇華染料で染着可能な被転写材、例えば、紙やプラスチックフィルム等に染料受容層を形成した熱転写受像シート上に昇華染料を熱転写し、各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この場合には、加熱手段として、プリンターのサーマルヘッドによる加熱によって、3色または4色の多数の加熱量が調整された色ドットを熱転写受像シートの受容層に転移させ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラーを再現するものである。このように形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、かつフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
このような昇華転写による熱転写記録方式で、熱転写プリンターの印字速度の高速化が進むに従って、今までの熱転写シートでは十分な印字濃度が得られないという問題が生じてきた。また、熱転写による画像の印画物に対し、より高濃度で鮮明なものが要求されてきて、熱転写シート及びその熱転写シートから転写される昇華染料を受容して画像の形成される熱転写受像シートを改良する試みが多くなされている。例えば、熱転写シートの薄膜化により印画における転写感度の向上を試みることが行なわれているが、熱転写シートの製造時や、熱転写記録の際に、熱や圧力等により、シワが生じたり、場合によっては切断するという問題が生じる。
また、熱転写シートの染料層における染料/樹脂(Dye/Binder)の比率を大きくして、印画濃度や印画における転写感度の向上を試みることを行なったが、巻き取り保管中に熱転写シートの裏面側の耐熱滑性層へ染料が移行し、その移行した染料が巻き返した時に、他の色の染料層等へ再転移し(キックバック)、この汚染された層を受像シートへ熱転写すると、指定された色と異なる色相になったり、いわゆる地汚れが生じたりする。熱転写シート側ではなく、熱転写プリンターにおいて、画像形成時の熱転写の際、高エネルギーをかけることを行なったが、染料層と受容層とが融着し、いわゆる異常転写が生じやすくなる。その異常転写を防止するため、受容層に多量の離型剤を添加すると、画像のにじみ・地汚れ等が生じる。
また、先行技術として、特許文献1にポリビニルピロリドンを主成分とし、染料転写効率を高める成分として、ポリビニルアルコールを混合使用した親水性バリヤー/下塗り層を染料層と支持体との間に設けた熱転写シートが開示されている。特許文献2において、ベースフィルムと昇華性染料を含む記録層との間に、拡散係数が記録層に含まれる昇華性染料の拡散係数よりも小さい昇華性染料を含む中間層を設けた熱転写シートが記載されている。この中間層の内容として、ヒドロキシエチルセルロースを用いたことしか記載されていない。特許文献1、2のいずれの熱転写シートでも、それを用いた印画物では最高濃度として、未だ充分なレベルまで至っていない状況である。
また熱転写シートに金属薄膜層として、蒸着層を設けることが特許文献3、4に示すように、開示されている。特許文献3では、導電性樹脂フィルムの片面に金属薄膜層を設け、その金属薄膜層上に熱溶融性剥離層を介して熱転写性のインク層を設けたことを特徴とする通電転写用記録材料、そして金属薄膜層がアルミニウム蒸着層であることが示されている。その導電性樹脂フィルムが抵抗層として機能し、金属薄膜層は導電層であり、記録材料の抵抗レベルを低くし電流の集中を長くして、クロストークを低減させる働きをもち、低い電圧でかつ小さい記録エネルギーでシャープな記録を可能とするものである。
また、特許文献4では、基材の一方の面に、少なくとも、蒸着アンカー層、金属蒸着層、接着層が設けられ、該接着層が、ワックス成分と共に、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる化合物群から選ばれた少なくとも一つ以上の樹脂成分を含有していることを特徴とする金属光沢を有する熱転写記録素子が示され、その金属蒸着層が被転写体に転写して金属光沢を与えるものである。この特許文献3、4に示すような蒸着層は、通電転写の導電層や金属光沢を提供する層であり、本発明の昇華転写の画像を提供する染料層と基材との間の中間層の働きとは全く異なるものである。
特公平7−102746号公報 特公平5−69718号公報 特開平1−105787号公報 特開平9−58141号公報
したがって、上記のような印画における転写感度が高くなく、充分に満足できる高濃度の印画が得られていないという課題を解決するために、本発明は、熱転写画像の高濃度、高品質の要求に対応し、印画における転写感度が向上した熱転写シートを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に金属薄膜層、染料層を順次形成したことを特徴とする。請求項2の発明は、請求項1に記載の金属薄膜層が、金属蒸着層であることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の基材は、表面にコロナ処理がされているもので、該コロナ処理面に金属薄膜層を設けたことを特徴とする。請求項4の発明は、請求項1に記載の金属薄膜層の厚さが50Å〜700Åであることを特徴とする。
本発明は、基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に金属薄膜層、染料層を順次形成したもので、金属薄膜層は染料染着性が非常に低いため、サーマルヘッドの印字加熱の際に、染料層から染料が金属薄膜層側にほとんど移行せずに、被転写体の受容層側に有効に染料が移行して、高濃度の印画物が得られ、印画における転写感度を高くすることができた。
図1に本発明の熱転写シートである一つの実施の最良の形態を示し、基材1の一方の面にサーマルヘッドの滑り性を良くし、かつスティッキングを防止する耐熱滑性層4を設け、基材1の他方の面に金属薄膜層2、染料層3を順次形成した構成である。
以下、本発明の熱転写シートを構成する各層毎に詳述する。
(基材)
本発明で用いる熱転写シートの基材1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。
上記基材において、金属薄膜層、染料層を形成する面に、接着処理を施すことがよく行なわれている。上記基材のプラスチックフィルムはその上に金属薄膜層を形成する場合、基材と金属薄膜層との接着性等が不足しやすいので、接着処理を施すものである。その接着処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を二種以上を併用することもできる。上記のプライマー処理は、例えばプラスチックフィルムの溶融押出しの成膜時に、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行なうことができる。本発明では、基材と金属薄膜層との密着性を高めるために、上記の接着処理の中でも、コストが高くならずに、容易に入手することができるコロナ処理が好ましい。
(アンカー層)
基材上に、金属薄膜層を設ける際に、金属薄膜層は金属成分が主成分であり、バインダーを用いていないので、基材と金属薄膜層との接着性が低下しやすい。そのために、基材と金属薄膜層との間に、アンカー層(接着層)を設けることができる。アンカー層の材質としては、2液性硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩素含有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂等を使用するとよい。アンカー層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法があり、その厚さは乾燥時で、0.1〜20μm程度である。
(金属薄膜層)
本発明の熱転写シートにおける基材と染料層との間に設ける金属薄膜層2は、金属成分を主成分として、バインダーを使用していない。その金属薄膜層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)による蒸着層、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)による蒸着層や、電解反応を利用した電着法や、化学めっき法による金属薄膜層等を挙げることができる。特に、上記の蒸着層により、金属薄膜層を形成することが、長尺の熱転写シートとして、連続的に形成しやすく、好ましく行われる。
金属薄膜層を構成する金属としては、Cr,Ti,Fe,Co,Ni,Cu,Ag,Au,Ge,Al,Mg,Sb,Pb,Pd,Cd,Bi,Sn,Se,In,Ga,Rb等の金属及びその酸化物、窒化物等を単独若しくは2種類以上組み合わせることができる。上記金属の中でもAl,Cr,Ni,Ag,Ti等が特に実用的で好ましく、その膜厚は50〜2000Å、好ましくは50Å〜700Åである。金属薄膜層の厚さが少なすぎると、部分的にムラが生じて、本来の染料染着性が低い点が失われてくる。つまり、基材に染料が染着するようなことが生じてくる。また、一方で、金属薄膜層の厚さが多すぎると、印画における転写感度が低くなり、またコストアップとなる。
(染料層)
本発明の熱転写シートは、一方の面に耐熱滑性層を設けた基材の他方の面に金属薄膜層を介して、染料層3を設けたものである。該染料層は1色の単一層で構成したり、あるいは色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成することも可能である。染料層は、熱移行性染料を任意のバインダーにより担持してなる層である。使用する染料としては、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であって、従来公知の昇華転写型熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であるが、色相、印字感度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性等を考慮して選択する。
染料としては、例えばジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン、ピラゾロンメチン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等のものが挙げられる。
染料層のバインダーとしては、従来公知の樹脂バインダーがいずれも使用でき、好ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
また、本発明では上記の樹脂バインダーに代えて、次のような離型性グラフトコポリマーを離型剤またはバインダーとして用いることができる。この離型性グラフトコポリマーは、ポリマー主鎖にポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、フッ化炭化水素セグメント、または長鎖アルキルセグメントから選択された少なくとも1種の離型性セグメントをグラフト重合させてなるものである。これらのうち、特に好ましいのはポリビニルアセタール樹脂からなる主鎖にポリシロキサンセグメントをグラフトさせて得られたグラフトコポリマーである。
本発明の熱転写シートでは、金属薄膜層は金属成分が主成分であり、バインダーを用いていないので、その金属薄膜層と染料層との接着性が低下しやすい。そのために、染料層を構成するバインダー樹脂として、上記に挙げた中で、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニルや、ポリエステル系樹脂、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂等の接着性の高い樹脂の単独及び混合物が好ましく用いられる。
染料層は、上記染料、バインダーと、その他必要に応じて従来公知と同様な各種の添加剤を加えてもよい。その添加剤として、例えば、受像シートとの離型性やインキの塗工適性を向上させるために、ポリエチレンワックス等の有機微粒子や無機微粒子が挙げられる。このような染料層は、通常、適当な溶剤中に上記染料、バインダーと、必要に応じて添加剤を加えて、各成分を溶解または分散させて塗工液を調製し、その後、この塗工液を基材の上に塗布、乾燥させて形成することができる。この塗布方法は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用いることができる。このように形成された染料層は、0.2〜6.0g/m2、好ましくは0.3〜3.0g/m2程度の乾燥時の塗工量である。
(耐熱滑性層)
本発明の熱転写シートは基材の一方の面に、サーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわ等の悪影響を防止するため、耐熱滑性層4を設ける。上記の耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂からなる耐熱滑性層に添加あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、リン酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及びリン酸エステル系化合物からなる層であり、さらに充填剤を添加することがより好ましい。
耐熱滑性層は、基材シートの上に、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱滑性層塗工液を調整し、これを、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗工し、乾燥して形成することができる。耐熱滑性層の塗工量は、固形分で、0.1g/m2〜3.0g/m2が好ましい。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳述する。尚、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。基材して、厚さ5.0μmのコロナ処理済みのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に、下記組成のアンカー層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.08g/m2になるように塗布し、110℃で1分間乾燥してアンカー層を形成した。さらに、そのアンカー層の上に、真空蒸着法により、150Åの厚さでアルミニウムの蒸着層を形成した。
その蒸着層の上に、下記組成の染料層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.8g/m2になるように塗布、乾燥して染料層を形成し、実施例1の熱転写シートを作製する。尚、上記基材の他方の面に、予め下記組成の耐熱滑性層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が1.0g/m2になるように塗布、乾燥して、耐熱滑性層を形成しておいた。
<アンカー層組成液>
ポリウレタン系樹脂(タケラックW−605、武田薬品工業株式会社製) 50部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
<染料層組成液>
C.I.ソルベントブルー63 6.0部
ポリビニルブチラール樹脂 3.0部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 45.5部
トルエン 45.5部
<耐熱滑性層組成液>
ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 武田薬品工業(株)製)
リン酸エステル 0.8部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製)
メチルエチルケトン 42.5部
トルエン 42.5部
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、蒸着層を真空蒸着法により、300Åの厚さでアルミニウムの蒸着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを作製した。
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、蒸着層をスパッタリング法により、450Åの厚さでアルミニウムの蒸着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを作製した。
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、蒸着層をスパッタリング法により、565Åの厚さでアルミニウムの蒸着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを作製した。
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、蒸着層をスパッタリング法により、600Åの厚さでアルミニウムの蒸着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを作製した。
(比較例1)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、直接、実施例1で使用した染料層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.8g/m2になるように塗布、乾燥して染料層を形成し、比較例1の熱転写シートを作製する。
(比較例2)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.08g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例2の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液1>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP社製) 10部
水 100部
イソプロピルアルコール 100部
(比較例3)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.08g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例3の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液2>
ポリエステル樹脂(WR−961、日本合成化学工業(株)製) 3部
水 50部
イソプロピルアルコール 50部
<反射濃度>
上記に作製した各実施例及び比較例の熱転写シートを用いて、OLIMPUS社製P−400プリンター用の専用熱転写受像シートと組み合わせて、下記条件にて、印画を行い、マクベス反射濃度計RD−918にて、反射濃度を測定した。
(印画条件)
サーマルヘッド;KGT−217−12MPL20(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値;3139(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印加電力;0.10(w/dot)
1ライン周期;5(msec.)
印字開始温度;40(℃)
印加パルス(階調制御方法);1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を70%に固定し、ライン周期当たりのパルス数を0から255個を15分割した。これにより、15段階に異なるエネルギーを与えることができる。
上記の各実施例及び比較例における印画物について、240階調目(シャドウ部)の反射濃度を測定した。
<離型性評価>
上記の反射濃度の測定の場合と同様の印画条件において、印画物の全面がベタ(階調値255/255:濃度マックス)である印画パターンで印画し、印画を行なった際に、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとが熱融着するか、あるいは染料層ごと被転写材に転写する、いわゆる異常転写が生じるかを目視にて調べた。
評価は以下の基準にて行なった。
○:染料層と熱転写受像シートとが熱融着せず、また異常転写が生じない。
×:染料層と熱転写受像シートとが熱融着するか、あるいは異常転写が生じる。
上記の反射濃度の測定結果及び離型性評価の結果は以下の表1の通りである。
Figure 2005280253
上記の結果より、基材と染料層との間に金属薄膜層であるアルミニウム蒸着層を設けた実施例1〜5の熱転写シートは、全て、上記の反射濃度が1.9以上であり、高濃度であった。また、実施例の熱転写シートは全て、離型性について良好な結果が得られた。
比較例1、2、3は、基材と染料層との間に金属薄膜層を設けていないもので、上記の反射濃度が1.7未満であり、高濃度の印画物として満足できるものではない。
本発明の熱転写シートである一つの実施形態を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基材
2 金属薄膜層
3 染料層
4 耐熱滑性層

Claims (4)

  1. 基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に金属薄膜層、染料層を順次形成したことを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記の金属薄膜層が、金属蒸着層であることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
  3. 前記の基材は、表面にコロナ処理がされているもので、該コロナ処理面に金属薄膜層を設けたことを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
  4. 前記の金属薄膜層の厚さが50Å〜700Åであることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
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