JP2005256753A - 横型ロータリコンプレッサ及び車両用空気調和機 - Google Patents

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大 松浦
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裕之 松森
Takashi Sato
孝 佐藤
Takayasu Saito
隆泰 斎藤
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Abstract

【課題】 回転軸の電動要素側が触れて、ロータとステータが接触する不都合を未然に回避することができる横型ロータリコンプレッサ及び車両用空気調和機を提供する。
【解決手段】 横型の密閉容器12内に、ステータ22とロータ24から成る電動要素14と、この電動要素14の側方に位置してロータ24の回転軸16にて駆動される回転圧縮機構部18とを備えたものであって、電動要素14の回転圧縮機構部18とは反対側の密閉容器12内に設けられた転がり軸受80を備え、回転軸16の端部を転がり軸受80内に間隔を存して挿入すると共に、この転がり軸受80と回転軸16間の間隙D1を、電動要素14のステータ22とロータ24間のエアギャップD2よりも小さくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、横型の密閉容器内に、ステータとロータから成る電動要素と、この電動要素の側方に位置してロータの回転軸にて駆動される回転圧縮機構部とを備えた横型ロータリコンプレッサに関するものである。
ロータリコンプレッサ、例えば、第1の回転圧縮要素と第2の回転圧縮要素から成る回転圧縮機構部を備えた内部中間圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサは、通常縦型の密閉容器内上部に電動要素を配置し、下部に当該電動要素の回転軸で駆動される回転圧縮機構部を配置して構成されている。前記電動要素は密閉容器の内周面に沿って環状に取り付けられたステータと、このステータの内側に若干の間隔を設けて挿入設置されたロータとからなる。このロータは中心を通り密閉容器の軸心方向に延在する回転軸に固定されている。
また、前記回転圧縮機構部は第1の回転圧縮要素と第2の回転圧縮要素から成り、これらは、中間仕切板の両側に配置されたシリンダと、180度の位相差を有して回転軸に設けられた偏心部に嵌合され、各シリンダ内を偏心回転するローラと、これらローラにそれぞれ当接してシリンダ内をそれぞれ低圧室側と高圧室側に区画するベーンと、中間仕切板の上側に配置されたシリンダの電動要素側の開口面及び中間仕切板の下側に配置されたシリンダの電動要素とは反対側の開口面をそれぞれ閉塞する支持部材とから構成されている。また、前記各支持部材は回転軸の主軸受及び副軸受を兼用し、当該回転軸を回転自在に保持する構成とされていた。尚、回転軸は回転圧縮機構部の前記支持部材のみにて保持された方持ち式とされていた。
そして、第1の回転圧縮要素の吸込ポートから冷媒ガスがシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により圧縮されて中間圧となり、シリンダの高圧室側より吐出ポート、吐出消音室を経て密閉容器内に吐出される。
この密閉容器内の中間圧の冷媒ガスは第2の回転圧縮要素の吸込ポートからシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、高圧室側より吐出ポート、吐出消音室を経て、コンプレッサ外部の放熱器に流入する構成とされていた。
また、係る縦型のロータリコンプレッサでは、回転圧縮機構部の下方に位置する密閉容器内底部がオイル溜めとされており、回転軸下端に構成された給油手段としてのオイルポンプによりオイル溜めからオイルが吸引され、回転圧縮機構部等に供給されて回転圧縮機構部や回転軸の摺動部の摩耗等を防いでいた(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−105005号公報
ところで、このようなロータリコンプレッサを横型とし、例えば、車両用空気調和機に用いた場合、従来の回転圧縮機構部の支持部材のみの方持ち式の回転軸では、回転軸に強い加振力(G)がかかると、保持されていない回転軸の電動要素側が触れて、ロータとステータが接触してしまう恐れがある。これにより、ロータの回転に支障が生じ、ロータリコンプレッサの運転に影響を及ぼすと云う不都合が生じていた。
本発明は、係る技術的問題を解決するために成されたものであり、回転軸の電動要素側が触れて、ロータとステータが接触する不都合を未然に回避することができる横型ロータリコンプレッサ及び車両用空気調和機を提供することを目的とする。
請求項1の発明の横型ロータリコンプレッサは、横型の密閉容器内に、ステータとロータから成る電動要素と、この電動要素の側方に位置してロータの回転軸にて駆動される回転圧縮機構部とを備えたものであって、電動要素の回転圧縮機構部とは反対側の密閉容器内に設けられた転がり軸受を備え、回転軸の端部を転がり軸受内に間隔を存して挿入すると共に、この転がり軸受と回転軸間の間隙を、電動要素のステータとロータ間のエアギャップよりも小さくしたものである。
請求項2の発明の横型ロータリコンプレッサでは、横型の密閉容器内に、ステータとロータから成る電動要素と、この電動要素の側方に位置してロータの回転軸にて駆動される回転圧縮機構部とを備えたものであって、回転軸の電動要素の回転圧縮機構部とは反対側の端部に設けられた転がり軸受と、この転がり軸受を保持するための保持部材とを備え、転がり軸受を保持部材内に間隔を存して挿入すると共に、この転がり軸受と保持部材間の間隙を、電動要素のステータとロータ間のエアギャップよりも小さくしたものである。
請求項3の発明の横型ロータリコンプレッサでは、横型の密閉容器内に、ステータとロータから成る電動要素と、この電動要素の側方に位置してロータの回転軸にて駆動される回転圧縮機構部とを備えたものであって、電動要素の回転圧縮機構部とは反対側の密閉容器内に設けられた転がり軸受と、この転がり軸受を弾性体を介して保持するための保持部材とを備え、回転軸の端部を転がり軸受内に挿入すると共に、この転がり軸受と弾性体間、若しくは、転がり軸受と回転軸間に、電動要素のステータとロータ間のエアギャップよりも小さくしたものである。
請求項4の発明の車両用空気調和機は、上記各発明の横型ロータリコンプレッサを用いて冷媒回路が構成されたものである。
請求項1の発明の横型ロータリコンプレッサでは、電動要素の回転圧縮機構部とは反対側に転がり軸受を設けて、間隔を存して回転軸の端部を挿入し、この隙間をステータとロータ間のエアギャップより小さくすることで、回転軸の電動要素側が触れた場合には、ロータがステータに接触するより以前に回転軸が転がり軸受に接触するようになる。
これにより、常には転がり軸受の抵抗を排除しながら、強い加振力が加わった場合には回転軸の端部を受けてロータとステータの接触を防止することができるようになる。
請求項2の発明の横型ロータリコンプレッサでは、回転軸の電動要素の回転圧縮機構部とは反対側の端部に転がり軸受を設けて、保持部材内に間隔を存して挿入し、転がり軸受と保持部材間の間隙をステータとロータ間のエアギャップより小さくすることで、回転軸の電動要素側が触れた場合には、ロータがステータに接触するより以前に回転軸に設けられた転がり軸受が保持部材と接触するようになる。
これにより、常には転がり軸受の抵抗を排除しながら、強い加振力が加わった場合には保持部材が転がり軸受を受けてロータとステータの接触を防止することができるようになる。
請求項3の発明の横型ロータリコンプレッサでは、保持部材により転がり軸受を弾性体を介して保持することで、転がり軸受が受ける衝撃的な力を防止でき、転がり軸受の信頼性を向上することができるようになる。
また、請求項4の発明如く上記各発明の横型ロータリコンプレッサを車両用空気調和機として用いた場合に特に有効である。
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明の横型ロータリコンプレッサの実施例として、第1及び第2の回転圧縮要素を備えた内部中間圧型の横型多段(2段)圧縮式ロータリコンプレッサ10の縦断側面図、図2はロータリコンプレッサ10の平断面図をそれぞれ示している。
図1において、実施例のロータリコンプレッサ10は二酸化炭素(CO2)を冷媒とする内部中間圧型の横型2段圧縮式ロータリコンプレッサで、このロータリコンプレッサ10は横長円筒状の容器本体12Aと、この容器本体12Aの端部開口を閉塞するように取り付けられた略椀状のエンドキャップ12Bとから成る密閉容器12を備え、当該密閉容器12の底部をオイル溜めとしている。この密閉容器12内にはステータ22とロータ24から成る当該ロータリコンプレッサ10の駆動要素としての電動要素14と、この電動要素14側方に位置してロータ24の回転軸16により駆動される第1の回転圧縮要素32(1段目)及び第2の回転圧縮要素34(2段目)からなる回転圧縮機構部18が収納されている。尚、実施例のロータリコンプレッサ10は車両用の空気調和機として使用されるものである。
前記電動要素14は密閉容器12の内周面に沿って環状に取り付けられたステータ22と、このステータ22の内側に若干の間隔(エアギャップ)を設けて挿入設置されたロータ24とから成る。このロータ24は中心を通り密閉容器12の軸心方向(横方向)に延在する回転軸16に固定されている。
ステータ22は、ドーナッツ状の電磁鋼板を積層した積層体26と、この積層体26の歯部に直巻き(集中巻き)方式により巻装されたステータコイル28を有している。そして、前記ロータ24もステータ22と同様に電磁鋼板の積層体30で形成されている。
前記回転軸16は、従来使用していた通常の回転軸(第1回転軸16A)と当該第1回転軸16Aの電動要素14側の端部に取り付けられた延長用の第2回転軸16Bから構成されており、第2回転軸16Bの先端(エンドキャップ12B側の端部)は、エンドキャップ12Bに取り付けられた後述する転がり軸受80内に間隔を存して挿入されている。また、回転軸16の第1回転軸16Aの回転圧縮機構部18側の端部には給油手段としてのオイルポンプ101が設けられている。このオイルポンプ101は、密閉容器12内に封入された潤滑用のオイルを回転圧縮機構部18等の摺動部に供給し、摩耗を防止するためものである。このオイルポンプ101からは密閉容器12の底部に向かってオイル吸上パイプ102が降下し、オイル溜めにて開口している。当該回転軸16は回転圧縮機構部18の後述する支持部材54、56により回転自在に保持されている。
一方、前記第1及び第2の回転圧縮要素32、34は、それぞれ中間仕切板36の両側(図1では左右)に配置されたシリンダ38、40と、180度の位相差を有して回転軸16に設けられた偏心部42、44に嵌合され、シリンダ38、40内を偏心回転するローラ46、48と、これらローラ46、48にそれぞれ当接してシリンダ38、40内をそれぞれ低圧室側と高圧室側に区画するベーン50、52と、シリンダ38の電動要素14側の開口面を閉塞して回転軸16の主軸受を兼用する支持部材54と、シリンダ40の電動要素14とは反対側(オイルポンプ101側)の開口面をそれぞれ閉塞して回転軸16の副軸受を兼用する支持部材56とから構成されている。
そして、シリンダ38、40には図示しない吸込ポートにてシリンダ38、40内部の低圧室側とそれぞれ連通する吸込通路58、60が形成されている。吸込通路58は図示しない連通孔を介して前記バッフル板100の回転圧縮機構部18側の密閉容器12内と連通しており、第2の回転圧縮要素34はバッフル板100の回転圧縮機構部18側の冷媒ガスを吸引するように構成している。
また、前記支持部材54の電動要素14側は一部が凹陥されており、この凹陥部をカバー66で塞ぐことにより、吐出消音室62が形成されている。また、支持部材56の電動要素14側とは反対側は一部が凹陥されており、この凹陥部をカバー68で塞ぐことにより、吐出消音室64が形成されている。これら吐出消音室62、64はそれぞれ図示しない吐出ポートを介してシリンダ38、40の高圧側と連通している。
そして、吐出消音室64と密閉容器12内は、シリンダ38、40や中間仕切板36、支持部材54、バッフル板100を貫通して電動要素14側に開口する連通路120にて連通されており、この連通路120の端部には中間吐出管121が立設され、この中間吐出管121から第1の回転圧縮要素32で圧縮された中間圧の冷媒ガスを密閉容器12内の前記バッフル板100の電動要素14側に吐出させるように構成している。このとき、冷媒ガス中には第1の回転圧縮要素32に供給されたオイルが混入しているが、このオイルもバッフル板100のの電動要素14側に吐出されることになる。ここで、冷媒ガス中に混入したオイルは冷媒ガスから分離して密閉容器12内底部のオイル溜めに溜まる。
前述したバッフル板100は、密閉容器12内を電動要素14側と回転圧縮機構部18側とに区画して差圧を構成するためのものであり、密閉容器12の容器本体12Aに取り付けられた前記ターミナル20の下側に位置して、密閉容器12内面(容器本体12Aの内面)と僅かな隙間を存して設けられている。当該バッフル板100は、密閉容器12内を区画する円盤状の区画部103と、この区画部103の周囲から電動要素14側に延在する周壁部104とから構成されており、周壁部104の先端(周壁部104の電動要素14側の端部)を電動要素14のステータ22にスポット溶接又はボルト止め固定することにより取り付けられている。
そして、第1の回転圧縮要素32で圧縮され、密閉容器12内のバッフル板100の電動要素14側に吐出された中間圧の冷媒ガスは、バッフル板100と密閉容器12の内面との間に形成された隙間を通って回転圧縮機構部18側に流入することになるが、係るバッフル板100の存在により、密閉容器12内にはバッフル板100の電動要素14側の圧力が高く、回転圧縮機構部18側が低い差圧が構成されることになる。
また、区画部103の周囲から電動要素14側に延在する周壁部104を設けることで、当該ロータリコンプレッサ10が電動要素14側に大きく傾斜した場合、オイル溜めに位置する周壁部104の存在により、バッフル板100の電動要素14側に溜まるオイル量が少なくなるため、その分、バッフル板100の回転圧縮機構部18側のオイルレベル(油面)を上昇させることができる。これにより、ロータリコンプレッサ10が電動要素14側に傾斜する状況下でもバッフル板100の回転圧縮機構部18側のオイル吸上パイプ102の開口がオイル中に浸漬されるようになり、オイル供給を行うことが可能となる。
また、この周壁部104には切欠部105が形成されている。この切欠部105はバッフル板100が取り付けられた際、前記ターミナル20に対応する位置に形成されており、この切欠部105内にターミナル20の端子や図示しない配線等が位置する。即ち、バッフル板100の周壁部104に形成された切欠部105により、ターミナル20の端子や配線の取り回しが阻害されず、且つ、絶縁距離も確保することができるようになる。これにより、ターミナル20をバッフル板100に対応する位置に取り付けることが可能となり、メンテナンス性の向上を図ることができるようになる。また、ターミナル20をバッフル板100に対応する位置の密閉容器12(容器本体12A)に取り付けることで、ターミナル20の取り付けを従来のエンドキャップ12Bから容器本体12Aの上方に変更することによるロータリコンプレッサ10の全長の拡大も回避することができるようになる。
更に、本発明ではバッフル板100は切欠部105近傍の部分の周壁部104と密閉容器12の内面間の間隙は、他の部分の周壁部104(切欠部105近傍以外の部分の周壁部104)と密閉容器12内面との間隙よりも狭くされている。本実施例では切欠部105近傍の部分の周壁部104と密閉容器12の内面間の間隙は0.25mm、他の部分の周壁部104と密閉容器12内面との間隙は0.75mmに設定されている。
即ち、切欠部105を形成することで、当該切欠部105からも冷媒の流通が成されるようになるため、密閉容器12内面とバッフル板100の周壁部104の間の間隙を従来の如く他の部分の周壁部104と密閉容器12内面との間隙の0.75mmと同じ間隙とすると、切欠部105により差圧が有効に構成されなくなってしまう。
これにより、バッフル板100の回転圧縮機構部18側のオイルレベルを充分に確保できなくなってしまう。特に、二酸化炭素(CO2)などの密度の高い冷媒を使用した場合には、冷媒ガスの流速が遅く、通路抵抗が小さいため、他の冷媒と比べて差圧が構成され難くなり、切欠部105形成による影響は著しく、最悪の場合、差圧が殆ど構成されない恐れもある。
しかしながら、本発明の如く切欠部105近傍の周壁部104と密閉容器内12内面の間隙を他の部分の周壁部104と密閉容器12内面との間隙よりも狭くすることで、切欠部105付近の通路抵抗が増大し、差圧が構成されるようになる。
これにより、所望の差圧を得ることができるようになる。この差圧によって密閉容器12内底部のオイル溜めに貯溜されたオイルはバッフル板100の回転圧縮機構部18側に移動し、バッフル板100の電動要素14側より回転圧縮機構部18側のオイルレベルが上昇する。これにより、オイル吸上パイプ102の開口は支障無くオイル中に浸漬されるようになるので、オイルポンプ101による回転圧縮機構部18の摺動部へのオイルの供給が円滑に行われるようになる。
一方、電動要素14の回転圧縮機構部18とは反対側の密閉容器12内であるエンドキャップ12B内壁には前述した転がり軸受80が設けられている。この転がり軸受80は、図4に示すようにエンドキャップ12B内壁にボルト止め、若しくは、溶接にて固定された転がり軸受80の保持部材としてのフォルダ82内に設置されており、転がり軸受80内には間隔を存して第1回転軸16Aの電動要素14側の端部に取り付けられた第2回転軸16Bが挿入されている。
ここで、当該転がり軸受80と第2回転軸16B間の径方向(上下方向)間隙D1は転がり軸受80内に挿入された回転軸16の第2回転軸16Bの径の4/1000以上で、且つ、前記電動要素14のステータ22とロータ24間のエアギャップD2よりも小さく設定されている。このように、間隙D1を転がり軸受80内に挿入された第2回転軸16Bの径の4/1000以上とすることで第2回転軸16Bは常には転がり軸受80に接触しない状態となる。
また、間隙D1を電動要素14のステータ22とロータ24間のエアギャップD2より小さくすることで回転軸16に加振力(G)がかかって、回転軸16の電動要素14側(第2回転軸16B側)が触れた場合には、回転軸16に取り付けられたロータ24がステータ22に接触する以前に転がり軸受80にて回転軸16の第2回転軸17を受けることができるようになる。
即ち、従来の横型ロータリコンプレッサでは、回転軸は回転圧縮機構部18の支持部材54、56による保持のみとされており、電動要素14側は特に保持されていなかった(方持ち式)。上記の如く方持ち式の回転軸を備えたロータリコンプレッサを当該ロータリコンプレッサに加振力が係るような状況で使用する場合、例えば、本実施例の如く車両用空気調和機として車両に搭載する場合、車両の移動等によりロータリコンプレッサは強い加振力を受けることとなる。特に、ロータリコンプレッサをエンジンルームに搭載した場合、急なエンジン回転数の変更時に最大30Gの加振力が加わる。この加振力により、回転軸の電動要素側が触れて回転軸に固定されたロータがステータと接触し、ロータリコンプレッサ10の運転に支障をきたす恐れがあった。
一方、回転軸の電動要素14側に回転圧縮機構部18の支持部材54、56のように常に回転軸を保持する軸受けを取り付けた場合、軸受けにより抵抗が生じるため、ロータリコンプレッサの運転効率が低下し、高効率な運転状態を維持できなくなってしまう。
そこで、本発明の如く回転軸16の電動要素14側の端部(第2回転軸16Bの先端)を転がり軸受80内に間隔を存して挿入することで、常には転がり軸受80の抵抗を排除しながら、強い加振力が加わって回転軸16の電動要素14側が触れた場合には回転軸16の電動要素14側を受けることができるようになる。これにより、ロータリコンプレッサ10の運転効率を極力維持しながら、ロータ24がステータ22と接触する不都合を未然に回避することができるようになる。
また、転がり軸受80はエンドキャップ12Bの内壁にボルト止め、若しくは、溶接にて固定されたフォルダ82内に挿入するだけで容易に取り付けることができる。即ち、エンドキャップ12Bを容器本体12Aと接続する以前に、予め転がり軸受80を取り付けることができるので、ロータリコンプレッサ10の組立作業性の向上を図ることが出来るようになる。
更に、回転軸16は設計変更せずに、通常の第1回転軸16Aを兼用し、これに第2回転軸16Bを継ぎ足して回転軸16の全長を延長するだけで、転がり軸受80にて回転軸16の電動要素14側を保持することができるようになるので、コストの増大を極力回避することができるようになると共に、汎用性の向上を図ることができるようになる。
尚、密閉容器12内に封入される潤滑油としてのオイルとしては、例えば鉱物油(ミネラルオイル)、アルキルベンゼン油、エーテル油、エステル油、PAG(ポリアルキルグリコール)等既存のオイルが使用される。そして、冷媒としては、地球環境にやさしく可燃性及び毒性等を考慮して自然冷媒である前述した二酸化炭素(CO2)を使用する。このように、自然冷媒である二酸化炭素を冷媒として使用することで環境問題にも寄与することができるようになる。また、二酸化炭素冷媒は高圧側の圧力が非常に高くなるため、密閉容器12内に第1の回転圧縮要素32で圧縮された中間圧の冷媒を吐出する内部中間圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサを用いることで、密閉容器12内が著しく高温高圧となる不都合を回避することが可能となる。
他方、前記密閉容器12の容器本体12Aの側面には、シリンダ40の吸込通路60に対応する位置にスリーブ142が溶接固定されている。このスリーブ142内には冷媒導入管94の一端が挿入接続され、シリンダ40の吸込通路60と連通する。
また、容器本体12Aの側面の吐出消音室62に対応する位置にはスリーブ143が形成されている。このスリーブ143内には冷媒吐出管96が挿入接続され、この冷媒吐出管96の一端は吐出消音室62と連通されており、第2の回転圧縮要素34のシリンダ38で圧縮され、図示しない吐出ポートを通って吐出消音室62に吐出された冷媒ガスが冷媒吐出管96から外部のガスクーラ154(放熱器)に供給される。更に、密閉容器12の底部には取付用台座110が設けられている。
次に、図3は本発明のロータリコンプレッサ10を用いて冷媒回路140が構成された車両用空気調和機の冷媒回路図である。この冷媒回路140は前記ロータリコンプレッサ10、ガスクーラ154、膨張弁155及び蒸発器157を順次環状に配管接続することにより構成されている。即ち、ロータリコンプレッサ10の冷媒吐出管96はガスクーラ154の入口に接続されている。ガスクーラ154を出た配管は膨張弁155を経て蒸発器155の入口に接続されている。また、蒸発器155の出口にはロータリコンプレッサ10の冷媒導入管94が接続されている。
以上の構成で次にロータリコンプレッサ10の動作を説明する。ターミナル20及び図示しない配線を介して電動要素14のステータコイル28に通電されると、電動要素14が起動してロータ24が回転する。この回転により回転軸16と一体に設けられた偏心部42、44に嵌合されたローラ46、48がシリンダ38、40内で偏心回転する。
これにより、冷媒導入管94及び支持部材56に形成された吸込通路60を経由して図示しない吸込ポートから第1の回転圧縮要素32のシリンダ40の低圧室側に低圧の冷媒ガスが吸入され、ローラ48とベーン52の動作により圧縮されて中間圧となり、シリンダ40の高圧室側より連通路120を経てバッフル板100の電動要素14側に吐出される。このとき、密閉容器12内のバッフル板100の電動要素14側に吐出された中間圧の冷媒ガス中には、第1の回転圧縮要素32に供給されたオイルが混入しており、このオイルは分離して密閉容器12内底部のオイル溜めに溜まる。
そして、冷媒ガスはバッフル板100の周壁部104と密閉容器12の内周との間に形成された隙間を通過してバッフル板100の回転圧縮機構部18側に流入する。このとき、冷媒ガスがバッフル板100の周壁部104と密閉容器12の内周との間に形成された隙間を通過すると云う作用により、バッフル板100の電動要素14側の圧力が回転圧縮機構部18側の圧力より高くなる。
この差圧により、密閉容器12内のオイルはバッフル板100の回転圧縮機構部18側に流入しやすくなるので、回転圧縮機構部18側の油面が上昇する。これにより、オイルはオイル吸上パイプ102を介してオイルポンプ101により円滑に吸い上げられる。
更に、回転圧縮機構部18側に流入した中間圧の冷媒ガスは図示しない連通孔から、シリンダ38に形成された吸込通路58を経由して図示しない吸込ポートから上シリンダ38の低圧室側に吸入される。
第2の回転圧縮要素34に吸入された中間圧の冷媒ガスは、ローラ46とベーン50の動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、高圧室側から図示しない吐出ポートを通り吐出消音室62に吐出される。吐出消音室62に吐出された冷媒ガスは、冷媒吐出管96を経てロータリコンプレッサ10の外部のガスクーラ154に流入する。
ガスクーラ154に流入した冷媒は、空冷方式により放熱した後、膨張弁155にて減圧され、蒸発器157に流入する。そこで冷媒は蒸発し、周囲の空気から吸熱することにより冷却作用を発揮して車内を冷却する。
また、蒸発器157を出た冷媒は冷媒導入管94からロータリコンプレッサ10の第1の回転圧縮要素32に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
このように、車両用空気調和機に上述した構成のロータリコンプレッサ10を搭載することで、常には転がり軸受80の抵抗を排除して、ロータリコンプレッサ10に強い加振力がかかっての電動要素14側が触れた場合にのみ、回転軸16に設けられたロータ24がステータ22に接触する以前に転がり軸受80にて受けることができるようになる。これにより、当該ロータリコンプレッサ10を用いた車両用空気調和機の信頼性の向上を図ることができるようになる。
尚、本実施例では転がり軸受は電動要素の回転圧縮機構部とは反対側の密閉容器内に位置し、回転軸の電動要素側を受けられるものであれば構わない。また、本実施例の回転軸16は、通常の第1回転軸16Aとこの第1回転軸16Aの電動要素14側の端部に取り付けられた延長用の第2回転軸16Bとから構成するものとしたが、本発明に使用可能な回転軸はこれに限定されるものではない。
また、本実施例では、横型ロータリコンプレッサ10を第1と第2の回転圧縮要素32、34を備えた2段圧縮式の横型ロータリコンプレッサで説明したが、これに限らず、密閉容器内にステータとロータから成る電動要素と、この側方に位置してロータの回転軸にて駆動される回転圧縮機構部とを備えた横型ロータリコンプレッサであれば、どのようなものであっても本発明は有効である。
尚、上記実施例では、転がり軸受80をフォルダ82内に設置し、転がり軸受80内に間隔を存して回転軸16を挿入するものとしたが、これに限らず、図5に示すように、回転軸16の電動要素14の回転圧縮機構部18とは反対側の端部に転がり軸受80を取り付けて、回転軸16の端部に取り付けられた転がり軸受80をフォルダ82内に間隔を存して挿入し、転がり軸受80とフォルダ82間の径方向(上下方向)の間隙D3を、回転軸16の径の4/1000以上で、且つ、電動要素14のステータ22とロータ24間のエアギャップよりも小さくするものとしても構わない。
このように、間隙D3を回転軸16の径の4/1000以上とすることで回転軸16の電動要素14側の端部に取り付けられた転がり軸受80は常にはフォルダ82に接触しない状態となる。
また、間隙D3を電動要素14のステータ22とロータ24間のエアギャップD2より小さくすることで回転軸16に加振力(G)がかかって、回転軸16の電動要素14側(第2回転軸16B側)が触れた場合には、回転軸16に取り付けられたロータ24がステータ22に接触する以前にフォルダ82にて転がり軸受80を受けることができるようになる。
これにより、上記実施例と同様に常には転がり軸受80の抵抗を排除しながら、強い加振力が加わって回転軸16の電動要素14側が触れた場合には転がり軸受80とフォルダ82とが接触して回転軸16の電動要素14側を受けることができるようになる。これにより、ロータリコンプレッサ10の運転効率を極力維持しながら、ロータ24がステータ22と接触する不都合を未然に回避することができるようになる。
更に、上記各実施例において、フォルダ82の転がり軸受80と接触する面にゴムやバネ部材などの弾性を有する部材により構成された弾性体84を取り付けるものとしても良い。即ち、フォルダ82は弾性体84を介して転がり軸受80を保持するものとなる。図6に弾性体84を設けた場合の一実施例を示す。図6において、転がり軸受80は弾性体84を介してフォルダ82内に設置されており、当該転がり軸受80内には間隔を存して回転軸16の電動要素14側の端部が挿入されている。
このように、フォルダ82により転がり軸受80を弾性体84を介して保持することで、回転軸16の電動要素14側が触れて転がり軸受80と接触した場合に、転がり軸受80及び回転軸16が受ける衝撃を弾性体84により吸収することができるようになる。これにより、転がり軸受80が受ける衝撃的な力を防止でき、転がり軸受80の信頼性を向上することができるようになる。
本発明の一実施例の横型2段圧縮式ロータリコンプレッサの縦断側面図である。 図1の横型2段圧縮式ロータリコンプレッサの平断面図である。 図1の横型ロータリコンプレッサを備えた車両用空気調和機の冷媒回路図である。 図1の横型ロータリコンプレッサの転がり軸受の拡大図である。 他の実施例の横型ロータリコンプレッサの転がり軸受の拡大図である。 もう一つの他の実施例の横型ロータリコンプレッサの転がり軸受の拡大図である。
符号の説明
10 横型多段圧縮式ロータリコンプレッサ
12 密閉容器
12A 容器本体
12B エンドキャップ
14 電動要素
16 回転軸
16A 第1回転軸
16B 第2回転軸
18 回転圧縮機構部
32 第1の回転圧縮要素
34 第2の回転圧縮要素
38、40 シリンダ
54、56 支持部材
80 転がり軸受
82 フォルダ
84 弾性体
100 バッフル板
140 冷媒回路

Claims (4)

  1. 横型の密閉容器内に、ステータとロータから成る電動要素と、該電動要素の側方に位置して前記ロータの回転軸にて駆動される回転圧縮機構部とを備えた横型ロータリコンプレッサであって、
    前記電動要素の前記回転圧縮機構部とは反対側の前記密閉容器内に設けられた転がり軸受を備え、
    前記回転軸の端部を前記転がり軸受内に間隔を存して挿入すると共に、該転がり軸受と回転軸間の間隙を、前記電動要素のステータとロータ間のエアギャップよりも小さくしたことを特徴とする横型ロータリコンプレッサ。
  2. 横型の密閉容器内に、ステータとロータから成る電動要素と、該電動要素の側方に位置して前記ロータの回転軸にて駆動される回転圧縮機構部とを備えた横型ロータリコンプレッサであって、
    前記回転軸の前記電動要素の前記回転圧縮機構部とは反対側の端部に設けられた転がり軸受と、
    該転がり軸受を保持するための保持部材とを備え、
    前記転がり軸受を保持部材内に間隔を存して挿入すると共に、該転がり軸受と前記保持部材間の間隙を、前記電動要素のステータとロータ間のエアギャップよりも小さくしたことを特徴とする横型ロータリコンプレッサ。
  3. 横型の密閉容器内に、ステータとロータから成る電動要素と、該電動要素の側方に位置して前記ロータの回転軸にて駆動される回転圧縮機構部とを備えた横型ロータリコンプレッサであって、
    前記電動要素の前記回転圧縮機構部とは反対側の前記密閉容器内に設けられた転がり軸受と、
    該転がり軸受を弾性体を介して保持するための保持部材とを備え、
    前記回転軸の端部を前記転がり軸受内に挿入すると共に、該転がり軸受と前記弾性体間、若しくは、前記転がり軸受と回転軸間に、前記電動要素のステータとロータ間のエアギャップよりも小さい間隙を設けたことを特徴とする横型ロータリコンプレッサ。
  4. 請求項1、請求項2又は請求項3の横型ロータリコンプレッサを用いて冷媒回路が構成された車両用空気調和機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105114324A (zh) * 2015-09-28 2015-12-02 上海日立电器有限公司 一种滚动转子式压缩机

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