JP2005256203A - 遮光遮熱ネット - Google Patents
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Abstract
【課題】 引張強度とともに耐候性に優れ、しかも低コストで軽量化が図れる遮光遮熱テープヤーン、及び遮光遮熱ネットを提供する。
【解決手段】 光安定剤を含有する一軸延伸高密度ポリエチレンフイルムの易接着処理をした面に、片面を金属化したポリエチレンテレフタレートフイルムを金属面を向けるようにして接着して得た遮光フイルムを、長さ方向に裁断或いは溶断して遮光テープヤーンを得る。そして、この遮光テープヤーンを緯糸や経糸、挿入糸或いはその一部に用いて遮光遮熱ネットを編織する。
【選択図】 図1
【解決手段】 光安定剤を含有する一軸延伸高密度ポリエチレンフイルムの易接着処理をした面に、片面を金属化したポリエチレンテレフタレートフイルムを金属面を向けるようにして接着して得た遮光フイルムを、長さ方向に裁断或いは溶断して遮光テープヤーンを得る。そして、この遮光テープヤーンを緯糸や経糸、挿入糸或いはその一部に用いて遮光遮熱ネットを編織する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、農業や園芸の分野、或いはゴルフ場や養魚池等において使用される遮光遮熱ネットの改良に係わり、殊に耐候性、強度及び両面の金属光沢性に優れたものに関する。
遮光遮熱ネットとは、各種農産物や園芸作物の成育時等に、種々な目的で通気性を有しながら太陽光線の一部をカットするために用いられるもので、古くは寒冷紗や筵などが用いられて来た。現在では、アルミ蒸着フイルムをスリット(細巾)状に裁断したり溶断したテープヤーンを緯糸に用いた織物が広く用いられている。
ただ、アルミ蒸着フイルムは、蒸着面が酸性雨等で侵され易い(腐蝕し易い)欠点がある。腐蝕すると透明になり、遮光効果が無くなる。そこで現在使用されているものは、蒸着面を更に他のフイルムで被覆して保護するものが殆どである。例えば、アルミ箔をラミネートしたりアルミ蒸着した低密度ポリエチレンフイルムの金属面に中密度一軸延伸のポリエチレンフイルムを低密度ポリエチレンで押出しラミネートしたり貼り合わせたもの(実公昭57−23150号)、延伸ポリエチレンフイルム上にアルミニウムを蒸着し、その上から無延伸のポリエチレンフイルムをウエット又はドライラミネートしたり積層したもの(実公平5−33339号)などを裁断した糸状物を使用したものが知られている。
ところがこれらの糸状体は、引張強度が低くて裁断時や織成時或いは使用時にある一定以上の力が加わると延伸し、該部分のアルミが薄くなって遮蔽効果が減少する等の欠点がある。
そこで本発明者は、衝撃や引き裂きには弱いが、透明性が高く強度や剛性、特に引張強度に優れた一軸延伸高密度ポリエチレンフイルムと、強靱で透明度や蒸着強度が大きいポリエチレンテレフタレートフイルムに金属蒸着したものとを積層(2層体)し、これを裁断した非常に引張強度の優れた遮光テープヤーンを得ることに成功した(特許文献1)。また、この遮光テープヤーンは表裏の反射率が殆どかわらず、キラキラした美しい外観(金属光沢)を示す。そのため、この遮光テープヤーンを用いて織成した遮光遮熱ネットは、遮光テープヤーンが途中で表裏反転しても外観ムラや反射ムラが生じない利点がある。
ところが、この遮光テープヤーンを使用した遮光遮熱ネットは、耐候性が悪くて2年程度しか使用に耐えないことが判明した。これは、一軸延伸高密度ポリエチレンフイルムが低耐候性特に紫外線劣化が激しいことに起因する。
即ち図3に示すように、一軸延伸高密度ポリエチレンフイルムAの片面に金属蒸着した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムBを張り合わした積層体F(2層体)では、一軸延伸高密度ポリエチレンフイルムA側から入射した太陽光線Lは、蒸着層C面で反射され再度一軸延伸高密度ポリエチレンフイルムAを通過する。従って、一軸延伸高密度ポリエチレンフイルムAは倍近い量の紫外線に曝されることになる。その結果、1〜2シーズン(約500時間)程度の曝露で亀裂Kが入り、そこから雨水がしみ込んで蒸着金属を腐食することになる。また、破断強伸度が極端に低下し、ちょっとした外力で破れるなどの欠点もある。尚、図中符号Dは接着剤層である。一方、ポリエチレンテレフタレートフイルムBは紫外線抵抗力が大きく、例え太陽光線Lが二度通過しても、劣化は生じにくい。
そこで、本発明者はこのような欠点を解消するために、一軸延伸高密度ポリエチレンフイルムの両面に金属蒸着した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルム、或いは金属箔と補強フイルムを張り合わせた遮光遮熱フイルム(3層体、5層体)、及び該フイルムを裁断した遮光テープヤーンを用いて編織した遮光遮熱ネットを開発した(特許文献2)。
この3層体又は5層体フイルムから得られた遮光テープヤーンは、引張強度とともに耐候性に優れ、これらから織成した遮光遮熱ネットは耐候性が数倍も向上し長期の使用が可能になった。また、両面の外観は、前記2層体以上に差がないものとなった。ところが、この3層体、5層体のフイルムは2層体のものに比べて製造コストがかかる上に、特に両面にアルミ箔を積層したもの(5層体)は重量も大きく、これを用いた遮光遮熱ネットは重たくて使用し難い難点があった。
そこで本発明者らは、一軸延伸高密度ポリエチレンフイルム(以下、一軸延伸HDPEフイルムとも言う)自体に耐紫外線効果を持たせることに着目して本発明を完成させたものである。即ち、本発明の遮光遮熱ネットは、高密度ポリエチレン(HDPE)に光安定剤を添加して製膜し一軸方向に延伸したフイルムを主体として使用するものである。
この光安定剤を含有する一軸延伸HDPEフイルムは、これ自体紫外線耐光性を有するとともに、経日しても優れた引張強度を有する。従って、このフイルムに蒸着を施せば、一工程で簡単に高強度で反射能の優れた遮光フイルムが得られることになる。
ところが、この直接蒸着は不可能乃至非常に困難であることが判明した。即ち、蒸着は真空中で行われるため、光安定剤がフイルムからブリードアウトしてアルミニウム金属の蒸着を妨げたり紫外線耐光の効果を低下させてしまう、更に、蒸着装置内部に光安定剤が付着するのでその後の手入れが非常に厄介であるなどの問題が生じた。
そこで、光安定剤を含有する一軸延伸HDPEフイルムに直接蒸着することに代えて、金属を蒸着したプラスチックフイルムを貼り合わすと言う逆転の発想によりこの問題を解決するに至った。そして、金属を蒸着するプラスチックフイルムとして、それ自体優れた紫外線抵抗力を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムを採用した。
本発明の遮光遮熱ネットは、このようにして得られたフイルム状積層体、即ち、光安定剤を含有する一軸延伸HDPEフイルムと金属を蒸着した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムの積層体を、長さ方向に裁断或いは溶断して遮光テープヤーンとし、この遮光テープヤーンを用いて編織したものである。尚、このフイルム状積層体自体を、遮光遮熱フイルムとして農業その他の分野において使用することもできる。
本発明において、基材となる光安定剤入り一軸延伸HDPEフイルム(商品名:ハイブロンSMC、三井化学プラテック(株)製)は、密度が0.92〜0.97程度の延伸されたもので、厚みが10〜50μ程度、より好ましくは15〜30μのものを使用する。延伸は、常法により一軸延伸を施す。延伸後、寸法安定性向上のために熱処理を施してもよい。このフイルムは、透明度が大きく衝撃や引裂きには幾分弱いが引張強度や剛性に優れた特性を有する。
光安定剤のうち紫外線吸収剤としては、400〜700nmの可視領域の吸収が少なく、250〜400nmに大きな吸収を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。なかでも、ポリオレフィン系フイルムには、相溶性その他の特性から、IRGANOX B 215、IRGANOX 1076、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−フチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく用いられる。紫外線吸収剤の混入割合は、0.1〜1%(重量%)である。1%以上を混入してもコストがかかるだけで効果はさほど変わらず、しかも紫外線吸収剤のブリードが生じてアルミ蒸着面の接着がしにくくなる。0.1%未満だと紫外線吸収の効果が少なくなる。より好ましくは0.1〜0.5%である。尚、この程度の紫外線吸収剤の添加では、透明性にはそれほど大きな影響はない。
本発明において、光安定剤は紫外線吸収剤のみでも良好な耐候性が得られるが、紫外線吸収剤に加えてヒンダードアミン系光安定剤(HALS)を添加すれば、耐候性は更に向上する。ヒンダードアミン系光安定剤としては、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ビベリジンエタノールの重合物(TINUVIN 622 LD)などがある。紫外線吸収剤は、連鎖開始阻害剤の機能を持つが、ヒンダードアミン系光安定剤はラジカルの発生を抑制したり紫外線により発生したラジカルを補足する機能がある。これらを併せて広義の光安定剤と言う。HALSの混入割合は、0.1〜1%(重量%)である。1%以上を混入してもコストがかかるだけで効果はさほど変わらない。0.1%未満だとラジカル発生抑制の効果が少なくなる。より好ましくは0.1〜0.5%である。尚、この程度のHALSの添加では、透明性にはそれほど大きな影響はない。
この光安定剤添加の効果は顕著であり、後述するように無添加のものは500時間(促進試験)で強度が実用上の限度以下になるのに対し、添加したものは3000時間経過後も十分な強度を保っている。500時間と言うのは、紫外線の量としては自然界の照射の約半年分である。これに対し、光安定剤入りのものはその5倍以上の耐久性を持つ。
もう一方の基材となるPETフイルムは、密度が1.35〜1.45程度の二軸延伸されたもので、この片面を蒸着等により金属化する。一般に、二軸延伸PETフイルムは他の類似のフイルムに比べて透明度や蒸着強度が大きくて金属化にはより好ましいものである。また、このフイルムは、強靱性、耐引き裂き性、耐衝撃性、耐酸性雨性等に優れている。用いるフイルムの厚みは6〜50μm程度、より好ましくは9〜25μmである。また延伸は公知の方法により行う。
ここに金属化とは、アルミニウム等の金属を、真空蒸着やスパッター蒸着等公知の方法でフイルムの表面に薄く付着させることを言う。金属層の厚みは200〜900・程度でよい。尚、蒸着等に先立ってフイルム表面にアンカーコートを施しておくと、金属付着強度はさらに向上する。
金属化したPETフイルムの接着は、接着剤を用いたドライラミネートにより行う。ドライラミネートを施す方法は公知の方法でよく、また接着剤としては脂肪層エステル系や芳香属エステル・ウレタン系等の各種のものが使用できる。接着剤は、乾燥後の厚みで0.5〜5μm程度、殊に1〜2μmの厚みに塗布する。ラミネートに先立って、コロナ放電などの易接着処理を施しておく。尚、両者の接着は、蒸着面保護のため、金属化PETフイルムの蒸着面側を一軸延伸HDPEフイルムと貼り合わす。
本発明の遮光遮熱ネットは、以上のようにして得られたフイルム積層体を、長さ方向に適宜巾例えば数〜十数mm程度に裁断又は溶断して遮光テープヤーンとし、この遮光テープヤーンを用いて編織したものである。通常は、この遮光テープヤーンを緯糸にし、強度の強いモノフィラメント等を経糸にして、平織やカラミ織り等に織成する。或いは、強度の強いモノフィラメント等を用いて多数列の鎖編を編みつつ相隣る鎖編間に遮光テープヤーンを挿入し、且つ、遮光テープヤーンの表裏を鎖編間を連結するループ状緯糸で挟むように編成してもよい。この場合の編成は、ジャガードラッセル編機などで行う。尚、遮光遮熱ネットの遮光率は、対象とする植物等の使用場所や使用目的、通気性等を考慮して30〜99%程度とする。より好ましくは、50〜95%程度である。
ここに遮光遮熱ネットの遮光率とは、遮光フイルムが100%遮光すると仮定した場合、編織物の面積に占める遮光テープヤーンの面積割合のことを言う。遮光テープヤーン以外の部分は、モノフィラメントなどで目の荒い織地や編み地で構成されており、実質的に遮光率は0である。ただ、遮光フイルム自体の遮光率が100%ではないので、遮光遮熱ネットの遮光率は遮光テープヤーンの面積割合よりは低くなる。或いはこのフイルムを裁断せず、そのまま遮光遮熱フイルムとして使用してもよい。この遮光遮熱フイルムの遮光率は略100%(98%程度)である。そして、農業や園芸その他直射日光を嫌う分野、例えば配管などの覆いや包装資材として使用される。
以上説明したように、本発明の遮光遮熱ネットは、光安定剤を添加した一軸延伸HDPEフイルムの片面に、片面を金属化したPETフイルムをドライラミして得た遮光遮熱フイルムを、適宜幅に裁断或いは溶断したものを編織したものである。そのため、耐候性特に耐紫外線特性が大幅に向上するとともに、雨水等による金属層の腐蝕が少なく、長期に渡って高品質を維持できる特徴がある。また、両面とも反射率が大きくキラキラした綺麗で差の少ない外観(金属光沢)を示す。
しかも、前述の3層、5層構造のものと比較して構造が簡単・軽量で製造コストも低いうえ、従来の光安定剤無添加のものに比べて使用可能時間が数倍になりその結果張り替えの手間も省けるので、単年度比のコストは大幅に減少する。また本発明の遮光遮熱用のフイルムはポリオレフイン等衛生協議会の認可を受けており、遮光や遮熱に限らず防霜や虫よけなどの効果もあり、農産物や園芸作物の成育時やゴルフ場の芝の保護の他に、養魚池における魚の日除けや盗難防止、包装資材、配管の被覆、冷蔵庫の断熱材等にも使用できるものである。
軽量で引張強度と耐候性に優れ、しかも両面とも反射率が大きく綺麗な金属光沢を示す遮光遮熱ネットを、簡単な構造で且つ低コストで提供する。
次に、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明遮光遮熱フイルム(フイルム積層体)の一例を示す断面図である。この遮光遮熱フイルム1は、密度が0.95で厚み20μ程度で、光安定剤として紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤を添加した一軸延伸高密度ポリエチレンフイルム2の易接着処理をした面2aに、金属蒸着PETフイルム3の蒸着面3aを向けるようにしてドライラミネートにより接着したものである。金属蒸着PETフイルム3は、密度が1.41厚み12μの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、アルミニウム金属を600・程度の厚みで蒸着したものである。この両者2、3のラミネートは、厚み2μ程度の芳香属エステル・ウレタン系接着剤の層4を介して、常法により行なった。尚、一軸延伸HDPEフイルム2の易接着処理はコロナ放電により施した。また、図中符号5は、紫外線吸収剤等の光安定剤である。
光安定剤としては、重量比で0.2%添加した。そして、この添加一軸延伸HDPEフイルム2と光安定剤を添加していない一軸延伸HDPEフイルムとの耐候性試験(促進試験)の結果の平均値を、表1に示す。耐候性試験は、厚みがJIS K7130、引張破断強伸度がK7127、曝露試験がK7753(サンシャインカーボンアーク燈式耐候性試験機)に準拠して行った。また試験条件は、ブラックパネル温度63±3℃、120分間噴霧サイクルで、WEL−SUN−HCH型(スガ試験機製)を使用して行った。尚、光はコロナ未処理面に照射した。
表1から分かるように、光安定剤を添加したものは、3000時間の経過後も引張破断強度は初期値と殆ど変わらない。これに比べて、未添加のものは時間の経過とともに急激に低下し、500時間経過後には実用上の限度以下になってしまう。また、1500時間以上経過では低すぎて測定不能になってしまった。また、引張破断伸度の場合、添加したものは初期値こそ無添加のものよりも低いが、時間の経過に伴う低下は少ない。これに対し、無添加の場合は初期値こそ大きいがあとは急激に低下する。
これは、遮光遮熱フイルム1に当たった太陽光線Lの内可視光線L1 は、図1の矢印のように蒸着面3aで反射されて一軸延伸HDPEフイルム2内を2度通過するが、紫外線L2 はその途中で吸収されて消滅することによるものと思われる。従って、一軸延伸HDPEフイルム2ひいては遮光遮熱フイルム1を長期間紫外線劣化させないこととなる。
次に、この遮光遮熱フイルム1を、巾3mmに切断して遮光テープヤーン6を得る。この遮光テープヤーン6は、強靱性、耐引裂き性、耐衝撃性や耐酸性雨性等に優れた一軸延伸PETフイルムの性質と、衝撃や引裂きには弱いが引張強度や剛性に優れた延伸HDPEフイルムの性質を併せ持つうえ、表裏の金属光沢と反射率がほぼ同じという優れた性質を有する。従って、図2に示すように、この遮光テープヤーン6を用いて製織した遮光遮熱ネット7は、遮光テープヤーン6が途中で表裏反転(H)しても、外観が全く変わらず美観を損ねないとともに、光の反射率も場所によってバラ付かず設計通りの均一遮光率のものが得られる。尚、図中符号8はモノフイラメントからなる経糸である。特に、遮光テープヤーン6は表裏とも耐候性殊に紫外線に強く、遮光遮熱ネット7は従来の数倍もの長期使用に耐えるものである。
得られた遮光遮熱ネット7について、光安定剤入りフイルム(表1)と同一条件で耐候性試験(促進試験)を行った。光等の照射面は、遮光遮熱ネットの表側(光安定剤入り一軸延伸HDPEフイルム側)と裏側(PETフイルム側)に別々に行った。その結果の平均値を、表2に示す。表2から分かるように、本発明遮光遮熱ネットは、3000時間の経過後も引張破断強度は初期値と殆ど変わらない値を示し、非常に耐候性(耐紫外線性)に優れていることが分かる。
図4は、遮光遮熱ネットの他の例を示し、この遮光遮熱ネット9は、編成により得たものである。遮光遮熱ネット9は、例えば巾8mm程度に切断した遮光テープヤーン10を、強度の強いモノフィラメント11を用いた鎖編12の列(間隔約8mm)の間に挿入し、且つ、遮光テープヤーン10の表裏を鎖編間を連結する表側ループ状緯糸13及び裏側ループ状緯糸14で挟むように編成したものである。図示の遮光遮熱ネット9は、遮光テープヤーン10を鎖編12の一列おきに挿入しているので、遮光率は50%程度となる。遮光テープヤーン10の挿入割合をかえることにより、遮光率や通風性を調整することができる。鎖編12の列の全てに遮光テープヤーン10を挿入すれば、遮光率はほぼ100%になるが、このものは、遮光遮熱フイルムに比べて強度やドレープ性がでてきて扱いやすい利点がある。
1 遮光遮熱フイルム
2 一軸延伸HDPEフイルム(光安定剤含有)
2a 易接着処理面
3 金属蒸着PETフイルム
3a 蒸着面
4 接着剤層
5 光安定剤
6 遮光テープヤーン
7 遮光遮熱ネット
8 モノフイラメント
9 遮光遮熱ネット
10 遮光テープヤーン10
11 モノフィラメント
12 鎖編
13 表側ループ状緯糸
14 裏側ループ状緯糸
L 太陽光線
L1 可視光線
L2 紫外線
(H) 遮光テープヤーンの表裏反転箇所
2 一軸延伸HDPEフイルム(光安定剤含有)
2a 易接着処理面
3 金属蒸着PETフイルム
3a 蒸着面
4 接着剤層
5 光安定剤
6 遮光テープヤーン
7 遮光遮熱ネット
8 モノフイラメント
9 遮光遮熱ネット
10 遮光テープヤーン10
11 モノフィラメント
12 鎖編
13 表側ループ状緯糸
14 裏側ループ状緯糸
L 太陽光線
L1 可視光線
L2 紫外線
(H) 遮光テープヤーンの表裏反転箇所
Claims (1)
- 光安定剤を含有する一軸延伸高密度ポリエチレンフイルムの易接着処理をした面に、片面を金属化したポリエチレンテレフタレートフイルムを金属面を向けるようにして接着して得た遮光フイルムを、長さ方向に裁断或いは溶断して遮光テープヤーンを得、この遮光テープヤーンを経糸、緯糸、挿入糸或いはその一部に用いて編織したことを特徴とする遮光遮熱ネット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004067265A JP2005256203A (ja) | 2004-03-10 | 2004-03-10 | 遮光遮熱ネット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004067265A JP2005256203A (ja) | 2004-03-10 | 2004-03-10 | 遮光遮熱ネット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005256203A true JP2005256203A (ja) | 2005-09-22 |
Family
ID=35082215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004067265A Pending JP2005256203A (ja) | 2004-03-10 | 2004-03-10 | 遮光遮熱ネット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005256203A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103477915A (zh) * | 2013-10-14 | 2014-01-01 | 中国农业大学 | 一种延长日光温室保温被使用寿命的方法 |
CN106498610A (zh) * | 2016-12-13 | 2017-03-15 | 浙江港龙织造科技有限公司 | 双面多重反射抗紫外针织面料及其织造方法 |
JP2017101364A (ja) * | 2015-12-04 | 2017-06-08 | ズーホォースウイェークウフェンヨウシェンコンスー | 可視光領域において高い光透過率を有する断熱織物及びその製造方法 |
JP2018008402A (ja) * | 2016-07-12 | 2018-01-18 | 福井県 | 金属/樹脂繊維テープ材織物及びその製造方法、並びに金属/樹脂繊維テープ材織物積層材 |
-
2004
- 2004-03-10 JP JP2004067265A patent/JP2005256203A/ja active Pending
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