JPH07274742A - 虫忌避性を有する農業用被覆資材とその製造方法 - Google Patents

虫忌避性を有する農業用被覆資材とその製造方法

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JPH07274742A
JPH07274742A JP7494594A JP7494594A JPH07274742A JP H07274742 A JPH07274742 A JP H07274742A JP 7494594 A JP7494594 A JP 7494594A JP 7494594 A JP7494594 A JP 7494594A JP H07274742 A JPH07274742 A JP H07274742A
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split fiber
covering material
fiber web
synthetic resin
aluminum
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Toshio Yamamura
敏夫 山村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】太陽光線を余り遮光することなく、十分な通気
性を有しながら、且つ害虫の侵入を防止できる耐久性の
よい農業用被覆資材を提供する。 【構成】ヒドロキシ基を有する熱可塑性合成樹脂からな
るスプリット繊維ウェッブを経緯交叉させて積層した積
層物を接着処理してなる農業用被覆資材であって、該被
覆資材のスプリット繊維ウエッブ層間及び/又は表面に
アルミニウム蒸着糸を一定間隔に固着したことを特徴と
する虫忌避性を有する農業用被覆資材である。スプリッ
ト繊維ウェッブはヒドロキシ基を有する熱可塑性合成樹
脂フィルムを一軸方向に熱延伸し、割裂処理して作る。
アルミニウム蒸着糸はアルミニウムを真空蒸着した合成
樹脂フィルムを幅0.5〜3mmに切断して作る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、野菜、花などの栽培用
のハウスやトンネルに使用する農業用被覆資材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】野菜や花などの作物をハウス内やトンネ
ル内で栽培することが行われている。このハウスやトン
ネルに使用する被覆材としては、従来ポリエチレン等の
合成樹脂フィルムや、ポリエステル糸、ビニロン糸等の
合成繊維糸の編織物及び不織布が用いられているが、通
気性などの点から編織物が多用されている。しかし、編
織物を用いた場合は、編織物の目を通過して害虫が侵入
する問題点が有る。
【0003】一方、ハウスやトンネルの被覆材として、
合成樹脂にアルミニウム粉末を配合して紡糸した糸の編
織物、アルミニウム粉末配合塗料を塗布固着した編織物
或いはアルミニウム蒸着フィルムを織り込んだ編織物
を、太陽光線を遮る遮光の目的で使用することが提案さ
れている。この従来のアルミニウム粉末を固着或いは蒸
着した農業用被覆資材は、副次的な効果として害虫の忌
避効果があるが、これらの被覆材は、もともと太陽光線
を遮る遮光を目的とし、遮光効果を有するため、特定の
作物以外の作物の育成に使用した場合は、作物は光不足
により、軟弱徒長になる恐れがある。かかる観点から、
虫の忌避効果があって、遮光率の小さい、通気性の大き
い農業用被覆資材が要望される。特に春から秋の期間、
旬が夏の野菜や花を栽培には、遮光率の小さい、通気性
の大きい農業用被覆資材が必要で、これに適するハウス
やトンネルに用いる農業用被覆資材が要望される。
【0004】更に、防虫を主目的として、物理的に害虫
が侵入しない様に目合いの大きさを1mm角以下にした
織編物を被覆資材にすることが知られているが、この手
段により完全な防虫効果を求めるべく目合いを小さくす
ると、旬が夏の果菜類(トマト、キュウリ、ナス、ピー
マン、メロン)の栽培においては、その通気性が不足し
てハウスやトンネル内が高温、高湿になり、作物に病菌
が発生し易くなる問題点がある。また、ポリエチレン糸
等の合成繊維の編織物は夏期の強い太陽光線、特に紫外
線によって劣化を起こし、耐久性に劣る問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みなされたもので、太陽光線を余り遮光することな
く透過することができ、十分な通気性を有しながら、且
つ害虫の忌避効果を有する耐久性のよい農業用被覆資材
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、アルミニウ
ムが虫の忌避効果を有することに注目し、この性質を充
分に発揮させるべくアルミニウム蒸着糸を農業用被覆材
に使用することを思い付き、そして、特定の素材、構造
を有する農業用被覆材にアルミニウム蒸着糸を配するこ
とによって、その通気性、光透過性を損なうことなく、
虫忌避効果を有する耐久性のよい農業用被覆材となし得
ることを知見し、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、ヒドロキシ基を有する
熱可塑性合成樹脂からなるスプリット繊維ウェッブを経
緯交叉させて重ね合わせ、接着処理してなる農業用被覆
資材であって、該被覆資材のスプリット繊維ウエッブ層
間及び/又は表面にアルミニウム蒸着糸を一定間隔に固
着したことを特徴とする虫忌避性を有する農業用被覆資
材である。また、本発明は、ヒドロキシ基を有する熱可
塑性合成樹脂フィルムを一軸方向に熱延伸し、次いでス
プリットして扁平なスプリット繊維ウェッブとなし、こ
のスプリット繊維ウェッブを経緯に交叉させ、且つアル
ミニウム蒸着糸を一定間隔に配置して積層し、この積層
物を接着剤で接着処理することを特徴とする虫忌避性を
有する農業用被覆資材の製造方法である。
【0008】本発明について更に詳しく説明する。本発
明の農業用被覆資材の基材である不織布は、ヒドロキシ
基を有する熱可塑性合成樹脂からなるスプリット繊維ウ
ェッブで構成されている。このスプリット繊維ウェッブ
は、例えば平均重合度1400以上、鹸化度99%以上
のポリビニルアルコールのフィルムを一軸方向に延伸
し、スプリット処理(割裂処理)したものである。この
スプリット処理によって、フィルムに延伸方向に無数の
割れ線が生じ、フィルムは微細に分割されて扁平な繊維
ウェッブ状になる。このスプリット繊維ウェッブを経緯
交叉するように積層する。すなわち、2枚のスプリット
繊維ウェッブをそれぞれの割れ線方向が相互に交叉する
方向に配置して重ね合わせる。勿論スプリット繊維ウェ
ッブは2枚以上使用して積層してもよい。この積層に当
り、スプリット繊維ウェッブを横方向へ拡幅する。そし
て、この積層時の拡幅の程度によって、農業用被覆資材
の空隙率(これは通気性や遮光率に関係する)を変える
ことができる。上記の如くして得たスプリット繊維ウェ
ッブの積層物を、接着剤例えばポリビニルアルコール溶
液で浸漬或いは噴霧処理して、ウェッブ同士を接着させ
ることによって、耐久性があり、また任意の空隙率を有
する農業用被覆資材となる。
【0009】上記の如き農業用被覆資材の空隙率は、夏
が旬の野菜や花卉類の成育を良好にするためには出来る
だけ大きくし、45%以上にするのが望ましい。しかし
この空隙率を大きくすればするほど、野菜、花類に害を
及ぼす害虫が侵入する恐れが増大する。本発明は、この
害虫の侵入をを阻止するために、害虫が最も忌避する紫
外線及び可視光線の全範囲で90%以上の反射率を有し
光沢のあるアルミニウム蒸着糸を用いた農業用被覆資材
である。すなわち、本発明は、上記の農業用被覆資材の
スプリット繊維ウェッブ積層物にアルミニウム蒸着糸を
一定間隔で配置し、これによって虫忌避性を付与したも
のである。
【0010】本発明で用いるアルミニウム蒸着糸は、ポ
リエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリビニルアル
コール、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの厚さ20
〜40μmの合成樹脂フィルムに、アルミニウムを厚さ
350〜500オングストロームに真空蒸着し、この真
空蒸着フィルムを0.5〜3mm幅に切断したものであ
る。アルミニウム蒸着糸は積層したスプリット繊維ウェ
ッブのウェッブ間に挿入してもよいし、またスプリット
繊維ウェッブ積層物の表面に配置してもよい。この配置
は一定間隔で並べるのが製造操作上行ない易い。このア
ルミニウム蒸着糸は一方向のみに配置してもよいし、経
緯方向、更には斜め方向に交叉するように配置してもよ
い。アルミニウム蒸着糸の間隔は、2〜6cmである。
アルミニウム蒸着糸の糸幅とアルミニウム蒸着糸の配置
間隔によって虫忌避効果が変わり、またこの配置の間隔
は遮光率にも影響する。例えば、蒸着糸を3cmの間隔
で経緯に配置した場合には、遮光率を小さくするため被
覆材の目合いを3mm以上にしても害虫の侵入を防ぐこ
とができる。
【0011】上記の如くして得たスプリット繊維ウェッ
ブ及びアルミニウム蒸着糸からなる積層物を、接着剤で
浸漬或いは噴霧処理して、ウェッブ同士及びアルミニウ
ム蒸着糸を接着させることによって、本発明の農業用被
覆材が得られる。アルミニウム蒸着糸の光沢は空気中の
酸素と32℃前後の温度により比較的短期間に酸化され
て反射率、光沢が落ちる傾向があるが、この接着剤処理
によって、アルミニウム蒸着糸が接着剤で被覆処理され
るので、上記の酸化を防ぐことができる。また更にアル
ミニウム蒸着糸の酸化を防ぐべく保護被覆が必要な場合
は、接着処理した積層物を、合成樹脂液に浸漬し、乾燥
する。これにより長期間、90%以上の反射率を保持す
ることが可能になる。
【0012】この接着剤や保護被覆には、酸素透過率が
少ない親水性樹脂が好ましい。ポリビニルアルコール、
特に平均重合度1400以上、鹸化度99%以上のポリ
ビニルアルコール溶液が耐久性が有り好ましい。ポリビ
ニルアルコールは酸素透過率が少なく、また本発明で
は、被覆材の基材のスプリット繊維ウェッブが親水性合
成樹脂であるので、親水性樹脂のポリビニルアルコール
溶液を接着剤や保護被覆に用いることにより、アルミニ
ウム蒸着糸を強固にスプリット繊維ウェッブに結合させ
ることができる。また、このポリビニルアルコールは透
明性に優れているので、これでアルミニウム蒸着糸を被
覆してもその反射率、光沢を失わせることが少ない。
【0013】また本発明で用いるアルミニウム蒸着糸の
蒸着膜の分光反射率は、紫外線部で平均92.2%、可
視光線部で90.4%である。紫外線部と可視光線部の
両範囲で分光反射率90%以上の金属はアルミニウム以
外にない。特に害虫が識別し、忌避する紫外線部の分光
反射率はその他の金属の2倍以上である。したがって、
アルミニウム蒸着糸は優れた虫忌避性を発揮する。野菜
等に害を与えるアブラムシ、オンシツコナジラミ等は近
紫外域(340〜400nm以下)を良く識別するので
忌避効果が非常に高い。忌避効果によりアブラムシ類に
よって媒介されるウィルス病を抑制することができる。
なお、真空蒸着したアルミニウムはアルミニウム粉末と
比較すると反射率は2倍程高い。
【0014】本発明の農業用被覆資材をハウスの被覆材
に使用する場合、その西側部分は西日が強いので、この
部分の被覆は全体で遮光率30%程度にするのがよい
が、このように遮光率を大きくするために、酸化チタン
又はアルミニウム粉末を含む塗料を塗布する追加処理を
してもよい。また、本発明の農業用被覆資材をハウスに
用いる場合は、高温になりやすいので、上部やカーテン
ではなく、通気性を重視するサイドに使用するのが好ま
しい。
【0015】また、本発明の農業用被覆材は、基材とし
てヒドロキシ基を有する熱可塑性合成樹脂特にポリビニ
ルアルコールのスプリット繊維ウェッブを用いたので、
吸湿性、耐光性、耐候性に優れており、夏期の高温、強
い太陽光線のもとでも劣化が少なく10年近く使用が可
能で、耐久性に極めて富んでいる。また、これは吸湿性
に優れているので、いわゆる結露状態を生ぜず、ハウス
内で多い結露にもとづく病害などの問題点を解消する。
また接着剤として或いは保護塗料としてポリビニルアル
コールを使用することによって、その効果を維持するこ
とができる。ポリビニルアルコールとしては平均重合度
1400以上、鹸化度99%以上のものが上記の優れた
性能を発揮するので好ましい。このポリビニルアルコー
ルは透明性に優れているので、そのスプリット繊維ウェ
ッブ間にアルミニウム蒸着糸を挿入してもその光沢を失
わせることが少ない。本発明の農業用被覆材は、アルミ
ニウム蒸着糸が一定間隔で存在しているので、強度が向
上し、また形態保持性も向上する。
【0016】次ぎに、本発明の農業用被覆資材の製造方
法について更に詳しく具体的に説明する。まず、ヒドロ
キシ基を有する熱可塑性合成樹脂例えばポリビニルアル
コールでフィルムを成形し、このフィルムを一軸方法例
えば縦方向に約5.5〜6.5倍程度に熱延伸した後ス
プリット処理(割裂処理)する。このスプリット処理に
よって、フィルムに延伸方向に無数の割れ線が生じ、フ
ィルムは微細に分割されて扁平な繊維ウェッブ状にな
る。このようにして得た扁平なスプリット繊維ウェッブ
を適宜の幅に拡幅してロール状に巻き取る。この2本の
ロールを積層機に縦方向、及びこれと90度角度を変え
た横方向にそれぞれ設置する。
【0017】別に準備したアルミニウム蒸着糸を巻いた
ボビンを適宜数並べて櫛状のスリット付きの装着台に設
置する。アルミニウム蒸着糸のボビン数量は幅108c
mのスプリット繊維ウェッブに対して例えば3cm間隔
で挿入するのであれば37本用意する。上記の装着台を
2台設置し、その1台からはアルミニウム蒸着糸を櫛状
のスリットを通して等間隔且つ平行に経方向のスプリッ
ト繊維ウェッブの上に導き、他の1台からはアルミニウ
ム蒸着糸を櫛状のスリットを通して等間隔に且つ平行に
緯方向のスプリット繊維ウェッブの上に導く。そして、
積層機で積層操作する際、この経方向及び緯方向のスプ
リット繊維ウェッブを、アルミニウム蒸着糸が内側にな
るように重ね合わせる。
【0018】斯くして、経方向のスプリット繊維ウェッ
ブ層、目合いが3cmの経緯方向に交叉するアルミニウ
ム蒸着糸層、及び緯方向のスプリット繊維ウェッブ層の
順に積層された3層構造の積層物が得られる。この積層
物を酸素透過率の少ない親水性合成樹脂液例えばポリビ
ニルアルコール溶液に浸漬し、乾燥して仕上げる。な
お、積層物の層構造は、例えば、目合いが3cmの経緯
方向に交叉するアルミニウム蒸着糸層、経方向のスプリ
ット繊維ウェッブ層、及び緯方向のスプリット繊維ウェ
ッブ層の順に積層された3層構造でも良く、任意であ
る。上記の拡幅の程度によって積層物ひいては製品たる
被覆資材の空隙率、通気性を調整し、更に蒸着糸の入れ
る間隔と糸の幅によって遮光率を調整する。また、遮光
率を大きくしたいときには、更に酸化チタン液又はアル
ミニウム粉末液に浸漬し、乾燥して仕上げる。
【0019】
【実施例】次に実施例をもって本発明を説明する。重合
度1700、鹸化度99.5%のポリビニルアルコール
から厚さ60μのフィルムを成形し、このフィルムを縦
方向に6倍熱延伸した。この延伸フィルムを、表面がや
すりで構成された回転6角ロール上を擦過させて縦方向
にスプリット繊維ウェッブを得た。このスプリット繊維
ウェッブを4倍に拡げてロール状に巻き取り、経方向を
形成させるためのスプリット繊維ウェッブのロールと、
緯方向を形成させるためのスプリット繊維ウェッブのロ
ールの2本を用意した。
【0020】経方向のスプリット繊維ウェッブをロール
から引き出し前進させた。この前進する経方向のスプリ
ット繊維ウェッブの上に、別に準備したアルミニウム蒸
着糸ボビン装着台から櫛状のスリットを通して幅2mm
のアルミニウム蒸着糸を3cm間隔で引き出して載置し
た。上記の前進する経方向のスプリット繊維ウェッブの
前方且つ上方に、該ウェッブの進行方向と直交する方向
に回転する回転ラチスを設置した。この回転するラチス
の上面に緯方向となるスプリット繊維ウェッブを水で濡
らしながらロールより繰り出し、その上に幅2mmのア
ルミニウム蒸着糸を3cm間隔で載置し、水で一時的に
該スプリット繊維ウェッブに固定した。この緯方向とな
るスプリット繊維ウエッブが、経方向のスプリット繊維
ウェッブの幅の長さまでラチス上に繰り出されたとき
に、緯方向となるスプリット繊維ウエッブを経方向のス
プリット繊維ウェッブの幅の長さにヒートカットした。
カットした緯方向繊維ウェッブをラチスの回転によって
180°回転させ、経方向のスプリット繊維ウェッブの
直上に移動させた。そして、この緯方向繊維ウェッブが
経方向のスプリット繊維ウェッブの直上に移動したと
き、該緯方向繊維ウェッブをラチスから経方向のスプリ
ット繊維ウェッブの上に落下させて重ね合わせた。この
操作を繰り返して、経方向のスプリット繊維ウェッブ
層、目合いが3cmの経緯方向に交叉するアルミニウム
蒸着糸層、及び緯方向のスプリット繊維ウェッブ層の順
に積層された3層構造の長尺の積層物を作った。この積
層物を、重合度1700、鹸化度99.5%のポリビニ
ルアルコールの10%水溶液中を浸漬通過させ、110
℃で10秒間乾燥させる接着処理を行った農業用被覆材
を製造した。この農業用被覆材の空隙率は55%であっ
た。
【0021】上記実施例で得た農業用被覆資材をトマト
栽培の施設ハウスの側面部に張った。使用期間は5月か
ら7月で各種のアブラムシ、各種のコナジラミ等は識別
のある紫外線部に92%の反射率を有するアルミニウム
蒸着糸によって忌避行動をおこし侵入しなかった。また
通気性がよく、トマトは病菌の発生もなく順調に収穫を
した。またこの使用期間後の被覆資材の反射率の低下が
少ないので翌年以降繰り返して使用することができる。
【0022】また、上記実施例で得た農業用被覆資材を
沖縄県で大根のトンネル栽培に使用した。沖縄県では1
年中、温暖で害虫がおるので秋から初夏まで被覆したが
キスジノミハムシ等の被害は発生しなかった。またこの
使用後の被覆資材の反射率の低下が少ないので翌年以降
繰り返して使用することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明の農業用被覆資材は、ヒドロキシ
基を有する熱可塑性合成樹脂からなるスプリット繊維ウ
ェッブを経緯交叉させて積層した積層物を接着処理して
なる農業用被覆資材に、アルミニウム蒸着糸を一定間隔
に配置したので、アルミニウム蒸着糸の作用によって虫
忌避性を有する。そのため、この被覆資材で野菜や花な
どの作物の栽培用のトンネルやハウスを作ると害虫の侵
入を防ぐことができる。本発明の農業用被覆資材におい
ては、被覆資材の目合いを害虫が侵入できる大きさにし
ても、アルミニウム蒸着糸の虫忌避作用によって害虫の
侵入を防ぐことができる。したがって、本発明によれ
ば、空隙率が大きく、遮光率が少なく、高い通気性が有
し、しかも虫忌避性を有するという独特の農業用被覆資
材を作ることができ、この資材は、例えば春や秋の期間
に旬が夏の野菜や花を栽培するハウスやトンネルの資材
に極めて有用である。また、本発明の農業用被覆資材
は、ヒドロキシ基を有する熱可塑性合成樹脂からなるス
プリット繊維ウェッブを基材としているので、スプリッ
ト繊維ウェッブの拡幅の度合いにより容易に空隙率を調
整でき、また耐久性がよい。更に、接着剤や保護被覆に
酸素透過率の少ないポリビニルアルコール液を用いる
と、アルミニウム蒸着糸の光沢の減退を防ぐことができ
る。かくして、本発明の農業用被覆資材をトンネルやハ
ウスの被覆資材に用いると、農薬の使用量削減、撒布作
業量の削減と共に品質の良い、病害の少ない作物を得る
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロキシ基を有する熱可塑性合成樹脂か
    らなるスプリット繊維ウェッブを経緯交叉させて重ね合
    わせ、接着処理してなる農業用被覆資材であって、該被
    覆資材のスプリット繊維ウエッブ層間及び/又は表面に
    アルミニウム蒸着糸を一定間隔に固着したことを特徴と
    する虫忌避性を有する農業用被覆資材。
  2. 【請求項2】ヒドロキシ基を有する熱可塑性合成樹脂フ
    ィルムを一軸方向に熱延伸し、次いでスプリットして扁
    平なスプリット繊維ウェッブとなし、このスプリット繊
    維ウェッブを経緯に交叉させ、且つアルミニウム蒸着糸
    を一定間隔に配置して積層し、この積層物を接着剤で接
    着処理することを特徴とする虫忌避性を有する農業用被
    覆資材の製造方法。
JP7494594A 1994-04-13 1994-04-13 虫忌避性を有する農業用被覆資材とその製造方法 Pending JPH07274742A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10389295B2 (en) 2015-10-05 2019-08-20 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Enclosure for concentrator photovoltaic device and concentrator photovoltaic device using same
US10879837B2 (en) 2014-06-27 2020-12-29 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Photovoltaic module and photovoltaic panel
US11894804B2 (en) 2014-06-27 2024-02-06 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Photovoltaic module, photovoltaic panel, and production method for photovoltaic module

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