JP2005256082A - 浸炭処理部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 鋼材の化学組成を、質量割合にてC:0.15〜0.3%、Mn:0.2〜1.0%、Si:0.35%以下、P:0.015%以下、S:0.01〜0.03%、Al:0.005〜0.05%、N:0.002〜0.05%、B:0.0005〜0.005%を含むとともに残部が実質的にFeとし、鋼材鋳造時の冷却速度、熱間圧延時の加熱温度・仕上げ温度・圧下率を調節することにより、鋼材中の長径が3μm以上の介在物粒子の平均アスペクト比を6.0以下、かつ前記介在物粒子の面積率を0.6%以下とし、さらに鋼材への浸炭時間を調整して、軸部半径に対する横穴内面の有効硬化層深さの比を0.015〜0.08とする。
【選択図】 なし
Description
、またモードIIき裂は面内せん断型き裂、モードIIIき裂は面外せん断型き裂とも呼ばれ、ともにせん断応力が作用している(図1参照;図中、1はき裂、2は応力の方向、3はき裂の伝播方向である。)。シャフト類などの軸部品にねじり応力をかけた場合、モードIき裂は軸に対して45°傾いた方向、モードIIき裂は軸と平行な方向、モードIIIき裂は軸に対して垂直な方向に進展する。
ここに、F=X1/(A/n)1/2…式(2)、
A:前記断面における任意の観察視野の面積、n:前記観察視野内に存在する前記介在物粒子の数、X1:前記観察視野内に存在する前記介在物粒子すべてについて、それぞれの前記介在物粒子ごとに最も近接して存在する別の前記介在物粒子までの距離を実測し、この実測距離を算術平均して求めた値である。
〔作用〕
以下、本発明において鋼材の化学組成と、介在物粒子の形態、量および分布と、軸部の半径に対する横穴内面の有効硬化層深さの比とを上記のごとくに限定した理由を説明する。
(A)化学組成
a)C
Cは最終的に得られる浸炭(若しくは浸炭浸窒)処理部品の芯部強度を確保するため欠くことのできない元素であり、0.15%以上とする必要がある。一方、0.3%を超えてCを含有させると芯部靭性が劣化するほか、被削性や冷間鍛造性が低下して加工性を損なう。よって、C含有量は0.15〜0.3%とする。なお、C含有量のより好ましい範囲は0.18〜0.23%である。
b)Si
Siは強化元素あるいは脱酸性元素として有効に作用する反面、0.35%を超えてSiを含有させると浸炭中の粒界酸化を助長して疲労特性を劣化させるとともに冷間鍛造性にも悪影響を及ぼす。よって、Si含有量は0.35%以下とする。
c)Mn
Mnは鋼材の脱酸に有効な元素であり、その効果を有効に発揮させるためには0.2%以上とする必要がある。一方、1.0%を超えてMnを含有させると、しま状組織の生成を助長して割れが発生したり、冷間加工性や被削性を劣化させる。よって、Mn含有量は0.2〜1.0%とする。
d)S
Sは硫化物を生成し、被削性の向上に寄与するが、0.01%未満ではその効果が小さく、一方、0.03%を超えるとねじり疲労強度を低下させる。よって、S含有量は0.01〜0.03%とする。
e)P
Pは0.015%を超えると結晶粒界に偏析して靭性および疲労強度を低下させる。よって、P含有量は0.015%以下とする。
f)Cr
Crは焼入れ性を高め、十分な強度を得るために有効な元素であり、その効果を有効に発揮させるためには0.6%以上とする必要がある。一方、1.2%を超えてCrを含有させると、粒界強度が低くなるため、ねじり疲労強度が低下する。よって、Cr含有量は0.6〜1.2%とする。
g)Al
Alは鋼材の脱酸作用を有すると同時に、窒素と結合してAlNを生成し、結晶粒の粗大化を防止する作用を有しており、その効果を有効に発揮させるためには0.005%以上含有させる必要があるが、その効果は0.05%で飽和し、それを超えると酸素と結合して非金属介在物となり靭性、疲労強度などを低下させる。よって、Al含有量は0.005〜0.05%とする。
h)N
Nは鋼中でAl、V、Ti、Nbなどと結合して窒化物を形成し、結晶粒の粗大化を抑制する作用を有しており、その効果を有効に発揮させるためには0.002%以上含有させる必要があるが、その効果は0.05%で飽和し、それを超えると窒化物が介在物となって靭性、疲労強度を低下させる。よって、N含有量は0.002〜0.05%とする。
i)B
Bは少量で焼入れ性を向上させる効果を有し、高価な合金元素を低減できる。また粒界強度を向上し、ねじり疲労強度を向上させる効果も有する。その効果を有効に発揮させるためには0.0005%以上の添加が必要であるが、0.005%を超えて添加すると有害なB化合物を生成して靭性や加工性を低下させる。よってB含有量は0.0005〜0.005%とする。
j)Ni、Mo
Ni、Moは、それぞれ焼入れ性を高めるないしは焼入れ組織を微細化する作用を有しているので、これらの元素のうち1種又は2種以上を含有させるのが好ましい。これらの元素のうち、特にNiは焼入れ後の組織を微細化して耐衝撃性の向上に寄与し、その効果を有効に発揮させるためには0.1%以上含有させる必要があるが、その効果は1.5%で飽和しそれを超えての添加は経済的に全く無駄である。よって、Ni含有量は0.1〜1.5%とする。Moは不完全焼入れ組織の低減と粒界強度の向上に有効に作用し、その効果を有効に発揮させるためには0.1%以上含有させる必要があるが、一方、0.5%を超えて添加すると被削性を低下させる。よって、Mo含有量は0.1〜0.5%とする。
k)Ti、Nb、V
Ti、Nb、Vは、それぞれ炭素や窒素と結合して炭化物や窒化物を生成し結晶粒を微細化して靭性や疲労強度を向上させる効果を有するので、これらの元素のうち1種又は2種以上を含有させるのが好ましい。その効果を有効に発揮させるためには、それぞれTiで0.005%以上、Nbで0.005%以上、Vで0.01%以上含有させる必要があるが、その効果はTiで0.1%、Nbで0.1%、Vで0.5%でそれぞれ飽和し、それを超えると大型の介在物が生成し、かえって靭性を低下させる。よって、各元素の含有量は、Ti:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.1〜0.5%とする。
l)Ca、Mg、Zr、Te
Ca、Mg、Zr、Teは、それぞれ硫化物系介在物を球状化させる働きがあり、ねじり疲労強度の向上に有効であると同時に横目靭性(圧延または鍛造による部材の延伸方向と等しい方向から応力を加えたときの靭性)等の機械的特性も向上させるので、これらの元素のうち1種又は2種以上を含有させるのが好ましい。その効果を有効に発揮させるためには、それぞれの元素を0.0005%以上含有させる必要があるが、その効果はCaで0.01%、Mgで0.01%、Zrで0.5%、Teで0.5%でそれぞれ飽和し、それを超えると大型の介在物が生成し、かえって靭性を低下させる。よって、各元素の含有量は、Ca:0.0005〜0.01%、Mg:0.0005〜0.01%、Zr:0.0005〜0.05%、Te:0.0005〜0.05%とする。
m)Pb、Bi
Pb、Biは、それぞれ被削性を向上させるので、これらの元素のうち1種又は2種を含有させるのが好ましい。その効果を有効に発揮させるためには、それぞれの元素を0.01%以上含有させる必要があるが、Pbについては0.1%を超える添加、Biについては0.05%を超える添加はそれぞれ横目靭性、疲労強度等の機械的特性を劣化させる。よって、各元素の含有量は、Pb:0.01〜0.1%、Bi:0.01〜0.05%とする。
(B)介在物粒子の形態、量および分布
前述したように、長径が3μm未満の微細な介在物粒子は、ねじり疲労強度にほとんど影響を及ぼさないことから、長径が3μm以上の介在物粒子(以下、単に「介在物粒子」または「粒子」という。)についてのみ形態、量および分布を規定した。
a)介在物粒子の形態
粒子の平均アスペクト比ARが6.0を超えると粒子の偏平度が過度となり疲労き裂伝播速度が上昇し、ねじり疲労強度が低下するので、AR≦6.0とすることが望ましい。ここに、アスペクト比とは粒子の長径/短径で定義される値であり、平均アスペクト比とは任意の観察視野内に存在する全粒子のアスペクト比を算術平均した値である。
b)介在物粒子の量
粒子の面積率Af(単位:%)が0.6%を超えると母相中に存在する粒子数が増加して疲労き裂伝播速度が上昇し、ねじり疲労強度が低下するので、Af≦0.6とすることが望ましい。ここに、面積率とは任意の鋼材断面における任意の観察視野内に存在する全粒子の合計面積/観察視野の面積で定義される値を%で表したものである。なお、後述の実施例(表1、2参照)より、ねじり疲労強度を高く維持するためには、AR≦6.0とAf≦0.6とを同時に満たすことがより望ましい。
c)介在物粒子の分布
粒子の平均アスペクト比ARが6.0を超える場合または粒子の面積率Afが0.6%を超える場合であっても、粒子の分布指数Fの値を大きくすることによって下記に再掲した式(1)を満たすようにすることにより、粒子が母相中に偏在することなく万遍なく分散して存在するので、疲労き裂伝播速度が抑制され、ねじり疲労強度が高く維持される(表2の試験No.11、116、118、120参照)。なお、下記に再掲した式(2)の定義より分布指数Fの値は0から1までのいずれかの値をとるものであり、観察視野内に存在するすべての粒子が平均距離(A/n)1/2に等しい間隔で等間隔に並んでいる場合には1に等しく、粒子が偏在することにより最近接粒子までの距離が短い粒子数が増加するにしたがい1より小さくなり0に近づくものである。したがって、式(1)を満たすようにFの値を大きくして1に近づけることは、粒子を母相中に万遍なく分散して存在させるようにすることを意味する。
〔再掲〕
−21.4×AR+414.2×F−80.8×Af−30≧0…式(1)
ここに、F=X1/(A/n)1/2…式(2)、
A:鋼材断面における任意の観察視野の面積、n:前記観察視野内に存在する粒子数、X1:前記観察視野内に存在する粒子すべてについて、それぞれの粒子ごとに最も近接して存在する別の粒子までの距離を実測し、この実測距離を算術平均して求めた値である。
(C)軸部半径に対する横穴内面の有効硬化層深さの比
横穴内面の浸炭による硬化層は、横穴の端部(軸部表面)近傍ではエッジの影響で深くなる傾向があり、正確な有効硬化層深さが評価できないため、有効硬化層深さの測定は横穴の端部から0.9〜1mm深さの位置で、横穴内面に垂直な方向に行う(ただし、軸部半径の大きい部品の場合は硬化層を深くするため、横穴の端部から0.9〜1mm深さの位置では軸部表面からの浸炭の影響が生じる場合は、軸部表面からの浸炭の影響を受けない位置、例えば軸部半径の10%の深さの位置で測定を行う。)。なお、図2の横穴の断面図に示すように、応力集中を緩和する目的で横穴4の端部aに面取りが行われる場合があるが、この場合には、面取り端部b近傍で硬化層が深くなる傾向があるので、面取り端部bから0.9〜1mm深さの位置cで有効硬化層深さの測定を行う。本明細書における「横穴の0.9〜1mm深さの位置」とは、横穴4の端部aの面取りを行っていない場合には横穴4の端部aから0.9〜1mm深さの位置をいい、横穴4の端部aの面取りを行っている場合には面取り端部bから0.9〜1mm深さの位置をいう。なお、有効硬化層深さは、JIS G0557記載の方法により測定したものである。ここで、軸部半径に対する横穴内面の有効硬化層深さの比を0.015未満とした場合には硬化層が浅すぎるため、内部の低硬度の非浸炭層で、き裂が発生・伝播しやすく疲労強度が低下する。また、浸炭処理後の部品の静的強度も確保できない。一方、この比が0.08を超える場合には横穴の内表面で発生したき裂は、浸炭した硬化層では粒界を伝播するために伝播速度が速く、かつ浸炭されていない芯部に達したときにはき裂が大きくなっていることからき裂先端の応力拡大係数が大きくなり、かえって疲労寿命が低下する。軸部半径に対する横穴内面の有効硬化層深さの比の好ましい範囲は0.02〜0.05であり、さらに好ましい範囲は0.025〜0.04である。なお、横穴内面の有効硬化層深さの絶対値そのものでなく、軸部半径に対する相対的な比を指標として選択したのは以下の理由による。つまり、軸部半径の異なる部品に対し、軸部表面に一定の大きさのせん断応力を掛けた場合、軸部内部において同じせん断応力となる深さは軸部半径に比例して深くなる。また、軸部表面の硬化層深さと横穴内面の有効硬化層深さとは、通常ほぼ比例関係にある。以上より、一定の大きさのせん断応力に対して同等の疲労寿命が得られる指標として、軸部の半径に対する横穴内面の有効硬化層深さの比を採用したものである。
(1)溶鋼製造工程
精錬炉や溶解炉として、転炉、高周波誘導溶解炉、アーク炉等を用い、本発明の化学組成の範囲となるよう、通常行われる成分調整手段により溶鋼の成分を調整することができる。例えばS含有量は生石灰などの脱硫剤を適量添加して0.1%以下に調整すればよいが、脱硫剤コストが過度に上昇しない0.005%程度以上の範囲で行うことが望ましい。また、Ca、Mg、Zr、Teは溶鋼中で酸化物を作りやすい代表的な元素である。これらの元素を溶鋼に添加すると微細な酸化物が生成し、これが硫化物の核生成サイトとなるため、主として硫化物からなる介在物粒子を鋳造後のビレット中に均一に分散させることができる。また、これらの元素は介在物中に固溶し、介在物粒子の展伸を抑制する効果もある。これらの元素を単独で添加する場合、その添加量は多いほどこれらの効果は大きくなるが過剰の添加はコストを上昇させるため、0.02%以下とするのがより好ましく、0.001〜0.01%とするのがさらに好ましい。また、これらの元素を2種以上複合添加することにより、これらの効果をさらに増大させることができる。この場合の添加量は、単独で添加する場合と同様の理由で、総量で0.02%程度以下とするのがより好ましく、0.001〜0.01%とするのがさらに好ましい。
(2)ビレット鋳造工程
ビレット鋳造時の冷却速度が遅い場合、液相中に晶出した介在物粒子が凝集して粗大化し、平均アスペクト比が上昇して、ねじり疲労強度が低下するおそれがある。そのため、冷却速度は150℃/h以上とする必要があり、200℃/h以上とすることが好ましい(表1の試験No.1、10参照)。ここでいう冷却速度とは、(凝固開始温度―凝固終了温度)/(凝固開始から凝固終了までの時間)で定義されるものを意味する。
(3)加工工程
部品の大きさ・形状の複雑さ等に応じて熱間圧延、熱間鍛造、機械加工等の加工方法を適宜組合せて加工を行う。例えば歯車等と一体となったシャフト類の場合、ビレットを熱間圧延または熱間鍛造して概略所要形状に加工した後、少なくとも複雑な形状である歯車部はさらに切削や研削による成形が必要となる。またこの際に軸部に横穴(油穴)を開けておく。熱間圧延または熱間鍛造を行う際のビレットの加熱温度は1100〜1300℃、好ましくは1150〜1200℃とし(表1の試験No.1〜4参照)、圧延または鍛造仕上げ温度は1000〜1150℃、好ましくは1050〜1150℃とする(表1の試験No.1〜6参照)。一般的に高温になるほど、鋼材の母相である鋼組織は介在物粒子に比べ相対的により軟化するので、ビレット加熱温度および圧延または鍛造仕上げ温度を高くするほど介在物粒子は展伸しにくくなり、圧延または鍛造後の鋼材中の介在物粒子の平均アスペクト比は小さくなるため、ねじり疲労強度は上昇する。しかし、過度に高温にすると鋼組織の粗大化により却って圧延または鍛造後の鋼材の機械的強度が低下したり、加熱炉の燃料消費量が増大するなどの問題が生じるので上記温度範囲とすることが望ましい。圧延または鍛造による圧下率は98%以下、より好ましくは96%以下、さらに好ましくは92%以下とする(表1の試験No.1、7〜9参照)。ここに圧下率とは、圧延(または鍛造)前の圧下方向に垂直なビレット断面積をS1、圧延(または鍛造)後の圧下方向に垂直な部材断面積をS2としたとき、(S1−S2)/S1×100(単位:%)で定義される値である。圧下率が高くなるほど介在物粒子の展伸が顕著になるため、圧下率は上記範囲に制限することが望ましい。
(4)浸炭(浸窒)処理工程
浸炭処理は通常、ガス浸炭法を用いて、機械加工後の部材を900〜1000℃程度に加熱された加熱炉中で、COやCH4を含有する浸炭ガス雰囲気中に所定時間保持して、部材表面から所要の深さまでCを拡散浸透させて行う。浸炭深さは、浸炭ガス雰囲気中の保持時間を変更することにより調節することができる。あるいは、ガス浸炭法にかえて、液体浸炭法や固体浸炭法を用いてもよい。また、浸炭ガス中にNH3等を添加して浸炭と同時に浸窒を行う浸炭浸窒を行うこともできる。浸炭(浸炭浸窒)が終了した部材を水中または油中で焼入れし、さらに170〜200℃程度の温度で焼戻しを行う。そして、必要によりさらにショットピーニングを行って浸炭処理部品表面に圧縮応力を付与させて機械的性質をより向上させてもよい。
Claims (6)
- 軸部を有し、該軸部に横穴を有する浸炭処理部品の製造方法であって、
化学組成が、質量割合にてC:0.15〜0.3%、Mn:0.2〜1.0%、Si:0.35%以下、P:0.015%以下、S:0.01〜0.03%、Cr:0.6〜1.2%、Al:0.005〜0.05%、N:0.002〜0.05%、B:0.0005〜0.005%を含むとともに残部が実質的にFeであり、かつ、
圧延方向に平行な任意の断面において長径が3μm以上の介在物粒子の平均アスペクト比が6.0以下、かつ前記介在物粒子の面積率が0.6%以下である浸炭用鋼材を、
概ね前記浸炭処理部品の形状に成形し、ついで浸炭処理又は浸炭窒化処理して、前記軸部の半径に対する、前記横穴の0.9〜1mm深さの位置(前記横穴の端部の面取りを行っていない場合は当該横穴の端部から0.9〜1mm深さの位置をいい、前記横穴の端部の面取りを行っている場合は当該面取りの端部から0.9〜1mm深さの位置をいう。)における横穴内面の有効硬化層深さの比を0.015〜0.08とすることを特徴とする浸炭処理部品の製造方法。 - 軸部を有し、該軸部に横穴を有する浸炭処理部品の製造方法であって、
化学組成が、質量割合にてC:0.15〜0.3%、Mn:0.2〜1.0%、Si:0.35%以下、P:0.015%以下、S:0.01〜0.03%、Cr:0.6〜1.2%、Al:0.005〜0.05%、N:0.002〜0.05%、B:0.0005〜0.005%を含むとともに残部が実質的にFeであり、かつ、
圧延方向に平行な任意の断面において長径が3μm以上の介在物粒子の平均アスペクト比ARと前記介在物粒子の面積率Afと前記介在物粒子の分布指数Fが下式を満たす浸炭用鋼材を、
概ね前記浸炭処理部品の形状に成形し、ついで浸炭処理又は浸炭窒化処理して、前記軸部の半径に対する、前記横穴の0.9〜1mm深さの位置(前記横穴の端部の面取りを行っていない場合には当該横穴の端部から0.9〜1mm深さの位置をいい、前記横穴の端部の面取りを行っている場合には当該面取りの端部から0.9〜1mm深さの位置をいう。)における横穴内面の有効硬化層深さの比を0.015〜0.08とすることを特徴とする浸炭処理部品の製造方法。
式 −21.4×AR+414.2×F−80.8×Af−30≧0
ここに、Afの単位は%であり、
F=X1/(A/n)1/2、
A:前記断面における任意の観察視野の面積、n:前記観察視野内に存在する前記介在物粒子の数、X1:前記観察視野内に存在する前記介在物粒子すべてについて、それぞれの前記介在物粒子ごとに最も近接して存在する別の前記介在物粒子までの距離を実測し、この実測距離を算術平均して求めた値である。 - 前記浸炭用鋼材の化学組成が、質量割合にて更にNi:0.1〜1.5%、Mo:0.1〜0.5%のうち1種又は2種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の浸炭処理部品の製造方法。
- 前記浸炭用鋼材の化学組成が、質量割合にて更にTi:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.1〜0.5%のうち1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の浸炭処理部品の製造方法。
- 前記浸炭用鋼材の化学組成が、質量割合にて更にCa:0.0005〜0.01%、Mg:0.0005〜0.01%、Zr:0.0005〜0.05%、Te:0.0005〜0.05%のうち1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の浸炭用部品の製造方法。
- 前記浸炭用鋼材の化学組成が、質量割合にて更にPb:0.01〜0.1%、Bi:0.01〜0.05%のうち1種又は2種を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の浸炭用部品の製造方法。
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