JP2005255906A - ガソリン組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境汚染、特に、排気ガスによる有害成分の排出を低減する機能を有するとともに、自動車の加速性などの運転性能を一層向上できるガソリン組成物を提供すること。
【解決手段】リサーチ法オクタン価が96以上、硫黄含有量が10質量ppm以下、芳香族分が45容量%以下、オレフィン分が10〜35容量%、炭素数8以上のオレフィン分が1.5〜30容量%、ベンゼン含有量が1容量%以下、70%留出温度が135℃以下であり、90%留出温度が175℃以下であるガソリン組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガソリン組成物に関し、より詳しくは運転性能が高い新規なガソリン組成物に関する。
自動車の排気ガスによる環境汚染が大きな社会問題とされて以来、従来からの課題である運転性能の向上とともに、排気ガスに含まれる有害物質を低減する、いわゆる環境対応型ガソリンの開発が集中的になされ、種々の環境対応型ガソリンが提案され、上市されてきた。
この種のガソリンとしては、例えば、排気ガス中のSOxの増加を防止するとともに、有害物質を除去する三元触媒の活性を維持するためにガソリン中の硫黄分を極度に低減し、また、排気ガス中のベンゼンの発生を抑制するためにガソリン中の芳香族分やベンゼンを低減するなどによって環境汚染を低減し、さらにその上で、ガソリンの蒸留性状を制御することによって運転性能も改良する提案が多い(例えば、特許文献1〜4参照)。
しかしながら、この種の環境対応型ガソリンであっても、運転性能については必ずしも充分ではないことがある。例えば、低温における加速性能に関してさらに改善を望む声がある。また一方、自動車の高性能化とその生産台数の増加に伴い、高性能ガソリンの需要が増加している状況下で、高性能ガソリンの急激な増産が必要となってきた。その対応策の一つとして、ガソリン基材の蒸留における終点カット温度を高くしてガソリン基材を増産する方法がある。しかし、この場合、ガソリン中に重質成分が増加するため運転性能が低下する可能性がある。また、各ガソリン基材の生産量のバランスを保つために、例えば、基材の一つである改質ガソリンの配合割合を高くして、それ以外の基材を削減したガソリンを製造することも必要になる場合がある。しかし、改質ガソリンは、芳香族分の含有量が多く通常60容量%以上であり、各芳香族成分の沸点は離れているため、その蒸留性状が110℃以上の領域において特に段階的である。そのため、改質ガソリンを主体とするガソリンの蒸留性状も110℃以上の領域において段階的となって運転性能を低下させてしまう要因になっている。つまり、いずれの場合も、適切な蒸留性状を保つことが難しく、それによって運転性能を悪化させる恐れを招いている。
したがって、環境汚染を低減しつつ、さらに運転性能を向上し、又はガソリンを増産するためなどの種々の悪条件であっても高い運転性能を確保できる技術の開発が望まれている。
特開平7−207286号公報 特開平9−111258号公報 特開平9−111260号公報 特開2000−73073号公報
本発明は、このような状況下でなされたもので、環境汚染、特に、排気ガスによる有害成分の排出を低減する機能を有するするとともに、自動車の加速性などの運転性能を一層向上でき、また悪条件の下でも高い運転性能を確保できるガソリン組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、環境汚染を低減する機能を有するとともに、運転性能を一層向上できるガソリンを開発すべく鋭意研究した結果、特定の性状及び組成を有するガソリンがその目的を達成できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
〔1〕以下の(1)〜(8)の条件を満たすガソリン組成物、
(1)リサーチ法オクタン価が96以上
(2)硫黄含有量が10質量ppm以下
(3)芳香族分が45容量%以下
(4)オレフィン分が10〜35容量%
(5)炭素数8以上のオレフィン分が1.5〜30容量%
(6)ベンゼン含有量が1容量%以下
(7)70%留出温度が135℃以下
(8)90%留出温度が175℃以下
〔2〕炭素数8以上のオレフィン分が1.5〜10容量%である〔1〕に記載のガソリン組成物、
〔3〕オレフィン分が10〜30容量%である前記〔1〕又は〔2〕に記載のガソリン組成物、
〔4〕70%留出温度が130℃以下である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のガソリン組成物、
〔5〕90%留出温度が170℃以下である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のガソリン組成物、
〔6〕(a)沸点が120℃以上150℃未満の留分、(b)沸点が150℃以上170℃未満の留分、及び(c)沸点が170℃以上の留分の各含有量がいずれも0.5容量%以上である前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のガソリン組成物、
〔7〕基材として、分解ガソリンを、ガソリン組成物を基準にして10〜90容量%配合してなる前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のガソリン組成物、
〔8〕分解ガソリンのうち、沸点110℃以上の重質留分の含有量がガソリン組成物を基準にして5〜40容量%であることを特徴とする前記〔7〕に記載のガソリン組成物、
〔9〕分解ガソリンの90%留出温度が110℃以上である前記〔7〕又は〔8〕に記載のガソリン組成物、
を提供するものである。
本発明のガソリン組成物は、硫黄分、ベンゼンなどの含有量が少なく、排気ガスによる有害物質など、環境汚染物質低減効果を有すると共に、蒸留の終点カット温度が高い基材を使用したり、改質ガソリンを多量に配合したガソリンであっても高オクタン価で、しかも加速性などの運転性能に優れている。
本発明のガソリン組成物が必要とする(1)〜(8)の条件について以下に詳述する。
(1)本発明のガソリン組成物は、リサーチ法オクタン価(RON)が96以上、好ましくは98以上、より好ましくは99以上である。RONが96未満では、ノッキングを生ずる恐れがあるなど運転性能が低下してしまう場合がある。一方、RONの上限値については特に制限はないが、通常およそ102である。なお、このリサーチ法オクタン価は、JIS K 2280により測定した値である。
(2)本発明のガソリン組成物は、硫黄分が10質量ppm以下、好ましくは6質量ppm以下である。硫黄分が10質量ppmを超えると、排ガス中のSOxが増加するとともに、有害物質を除去するための三元触媒の活性が低下し、その結果排気ガス中のCO、炭化水素、NOxなどを増加させることになる。なお、硫黄分の含有量はJIS K 2541の微量電量滴定酸化法に従って測定した値である。
(3)本発明のガソリン組成物は、芳香族分が45容量%以下、好ましくは40容量%以下である。芳香族分が45容量%を超えると排気ガス中の炭化水素やCOが増大する恐れがあるとともに、点火プラグがくすぶりを生じて、運転性能に悪影響を与える可能性がある。一方、芳香族分の下限については特に制限はないが、燃費が悪化したり、運転性能の低下を防止する観点から、20容量%以上であることが好ましく、25容量%以上が更に好ましい。なお、芳香族分は、JIS K 2536「石油製品成分試験方法」の蛍光指示薬吸着法で測定した値である。
(4)本発明のガソリン組成物は、オレフィン分が10〜35容量%、好ましくは10〜30容量%、さらに好ましくは10〜25容量%である。オレフィン分が10容量%未満であると、希薄燃焼状態で失火を起こす恐れがあるため、直噴エンジン車などの運転性能を確保できない場合がある。また、オレフィン分が35容量%を超えると、排気ガス中の窒素酸化物が増加する場合があるとともに、大気中に蒸発したガソリンがオゾンを生成する恐れもある。さらにガソリン自体の酸化安定性も悪化する可能性もある。なお、オレフィン分は、JIS K 2536「石油製品成分試験方法」の蛍光指示薬吸着法で測定した値である。
(5)本発明のガソリン組成物は、炭素数8以上のオレフィン分が1.5〜30容量%、好ましくは2.0〜20容量%、さらに好ましくは2.5〜10容量%含有する。この炭素数8以上のオレフィン分が含まれることによって、後述する70%留出温度、及び90%留出温度などの条件を満たす場合には、加速性などの運転性能を向上する効果が大きくなる。ただし、炭素数8以上のオレフィン分が1.5容量%未満では、効果が十分ではない場合があり、30容量%を超えると安定性が悪化する恐れがある。
炭素数8以上のオレフィン分の具体例としては、例えば、1−オクテン、2−オクテン、cis−4−オクテン、trans−4−オクテン、2−メチル−1−オクテン、2,4−ジメチル−1−ヘプテン、2,5−ジメチル−3−ヘプテン、1−デセン、2−メチル−3−エチル−1−ペンテン、1−ウンデセンなどが挙げられる。
炭素数8以上のオレフィン分が運転性能を高める理由については、この種の化合物自体が運転性能の向上に寄与する性質を有すると同時に、これらの化合物が110℃を超える領域における蒸留性状をなだらかにするように分布しているため、110℃を超える領域における蒸留性状が段階的である改質ガソリンを多量に配合するガソリンにおいても、蒸留性状をなだらかすることによって運転性を向上すると考えられる。
なお、炭素数8以上のオレフィン分は、JIS K 2536「石油製品成分試験方法」のガスクロによる全成分試験法によって測定した値である。
(6)本発明のガソリン組成物は、ベンゼン含有量が1容量%以下、より好ましくは0.5容量%以下である。ベンゼンが1容量%を超えると、排気ガス中のベンゼン含有量が多くなって環境汚染が問題になる恐れがある。また、ガソリン自体が人体に悪影響を及ぼす恐れもある。
なお、ベンゼン含有量は、JIS K 2536「石油製品成分試験方法」のガスクロマトグラフィーによる全成分試験方法によって測定した値である。
(7)本発明のガソリン組成物は、70%留出温度(T70)が135℃以下、好ましくは130℃以下である。T70が135℃を超えると加速性などの運転性能の向上効果が不十分になる恐れがある。
(8)本発明のガソリン組成物は、90%留出温度(T90)が175℃以下、好ましくは170℃以下である。T90が175℃を超える場合も加速性などの運転性能の向上効果が不十分になる恐れがある。なお、上記T70、及びT90は、JIS K 2254に基づいて測定した蒸留性状から求めた値である。
本発明のガソリン組成物は、上記(1)〜(8)の各条件を満たしていれば、環境汚染を低減し、加速性などの運転性能を向上する効果が得られ本発明の目的を達成できるが、さらに、以下の蒸留性状の条件を満たすように制御すれば、運転性能を一層向上することができる。すなわち、本発明のガソリン組成物は、(a)沸点が120℃以上150℃未満の留分、(b)沸点が150℃以上170℃未満の留分、及び(c)沸点が170℃以上の留分の各含有量がいずれも0.5容量%以上であることが好ましく、1容量%以上であることがより好ましい。ガソリン中にそれぞれの沸点範囲の留分が一定量以上存在することによって加速性能などの運転性能がさらに向上する効果を有する。
ここで(a)〜(c)の留分の各含有量の上限は特に制限はないが、重質留分過多によって運転性能が低下する恐れを回避する観点から、通常15容量%以下であることが好ましい。また(a)〜(c)の留分の含有比率については特に制限はなく任意に設定できるが、特に、沸点110℃よりも高い留分における蒸留性状が、段階的にならず、なだらかな曲線を描くように(a)〜(c)の留分の含有比率を制御することが好ましい。こうすることによって、さらに加速性能などの運転性能を向上させることができる。
(a)〜(c)の留分の含有量の合計については、運転性能を向上する効果が十分に発揮できるため2容量%以上が好ましく、3容量%以上がより好ましい。また(a)〜(c)の留分の含有量の合計の上限については、重質留分が過多になることによって運転性能が低下する恐れを回避し、特に低温におけるが加速性能を高める観点から20容量%以下が好ましく、15容量%以下がより好ましい。以上のことより、(a)〜(c)の留分の含有量の合計については、2〜20容量%、特に3〜15容量%にすることが好ましい。
上記(a)の沸点が120℃以上150℃未満の留分の具体例としては、オクタン、1−オクテン、2−オクテン、3−エチルヘキサン、4−エチルヘキサン、2−メチルオクタン、4−メチルオクタン、2,2,4−トリメチルヘキサン、2,6−ジメチルヘプタン、エチルベンゼン、各種キシレンなどが含まれる。
(b)の沸点が150℃以上170℃未満の留分の具体例としては、5−メチル−3−エチルヘキサン、ノナン、2−メチルノナン、3−メチルノナン、2,5−ジメチルオクタン、イソプロピルベンゼン、n−プロピルベンゼン、o-エチルトルエン、m−エチルトルエン、p−エチルトルエン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1−メチル−3−エチルベンゼンなどが含まれる。
さらに、(c)の沸点が170℃以上の留分の具体例としては、デカン、1,2,3−トリメチルベンゼン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、1,3−ジメチル−5−エチルベンゼン、1−メチル−2−n−プロピルベンゼン、1,4−ジメチル−2−エチルベンゼン、1,3−ジメチル−4−エチルベンゼン、1,2−ジメチル−4−エチルベンゼン、1,3−ジメチル−2−エチルベンゼン、1,2、4、5−テトラメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1−メチル−3−イソプロピルベンゼン、1−メチル−4−イソプロピルベンゼンなどが含まれる。
なお、各沸点留分の成分の含有量は、JIS K 2536「石油製品成分試験方法」のガスクロマトグラフィーによる全成分試験方法」によって測定した値である。
また本発明のガソリン組成物は、通常さらに次の性状を有することが好ましい。すなわち、モータ法オクタン価(MON)が84以上、好ましくは86以上である。MONが84以上であると高速においてノッキングを生ずるおそれがなく、運転性能に影響を及ぼすことがない。一方、MONの上限値については特に制限はないが、通常およそ89である。
また、リード蒸気圧(RVP)が44〜93kPaであることが好ましい。RVPが44kPa以上であると、十分な低温始動性が得られ、RVPが93kPa以下であると、排気ガス中の炭化水素が増加することがなく、またベーパロック現象により運転性能の低下をまねくことがない。
本発明のガソリン組成物は、任意の方法で製造することができる。例えば、次に示すガソリン基材を用いて、上記(1)〜(8)の条件を満たすように適宜配合することにより調製することができる。そのガソリン基材としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ、接触分解法や水素化分解法で得られる分解ガソリン、接触改質法で得られる改質ガソリン中のベンゼンを取り除いた留分(脱ベンゼン改質ガソリン)、オレフィンの重合により得られる重合ガソリン、イソブタンなどの炭化水素に低級オレフィンを付加して得られるアルキレート、直鎖の低級パラフィン系炭化水素の異性化によって得られるアイソメレート、脱n―パラフィン油、及びこれらの特定範囲の留分や芳香族炭化水素、さらにアルコール、エーテルなどの含酸素化合物などが挙げられる。
該アルコール、エーテルなどの含酸素化合物としては、主にエタノール、エチルターシャリーブチルエーテル、エチルーターシャリーアミルエーテルなどが挙げられる。
上記改質ガソリン中のベンゼン低減方法としては、通常改質ガソリンからベンゼン留分を蒸留によって取り除く方法が用いられるが、その他の方法、例えばベンゼン留分を溶剤で抽出して取り除く方法、ベンゼンと低級オレフィンや低級アルコールを用いてアルキル化する方法などによっても得ることができる。
なお、脱ベンゼン改質ガソリンやアルキレートなどのガソリン基材の蒸留の終点を高くすることによりガソリンを増産する場合においては、かなり重質な成分が存在することになり、運転性能に悪影響を与える場合がある。また、改質ガソリンを多量に配合してガソリンを製造する場合においては、芳香族分が主成分となる改質ガソリンは、沸点が110℃よりも高い留分において、蒸留性状が段階的になり、運転性に悪影響を与える場合がある。そこで、上述したように、沸点が110℃よりも高い留分における蒸留性状が段階的にならず、なだらかな曲線を描くように(a)〜(c)の留分の含有比率などを制御することが好ましく、加速性などの運転性能を向上させることができる。
次に、本発明のガソリン組成物の製造方法については、前記性状のガソリン組成物が得られる方法であればよく、特に制限はないが、好適な製造方法としては、例えば、
(i)脱ベンゼン改質ガソリン0〜90容量%
(ii)分解ガソリン10〜90容量%
(iii)軽質分解ガソリン0〜50容量%
(iv)アルキレート0〜40容量%
(v)軽質ナフサ0〜20容量%
(vi)ブタン0〜10容量%
(vii)含酸素化合物0〜30容量%
を上記(1)〜(8)の条件を満たすように調製すればよい。この場合、(i)の脱ベンゼン改質ガソリンとしては、通常のものを用いればよいが、これらの蒸留の終点カット温度を高くしたものも使用でき、例えば、終点が110〜200℃のものを利用することが可能である。また(iv)のアルキレートとしては、同様に終点が150〜210℃のものを利用することが可能である。
(ii)の分解ガソリンとしては、90%留出温度が110℃以上、さらには140℃以上、特に160℃以上である、いわゆる重質接触分解ガソリンを用いる。これにより、本発明において必要とする炭素数8以上のオレフィン分を確実に配合させることができ、その結果としてガソリンの増産のために各基材の蒸留の終点カット温度を高くするという条件下においても、ガソリン組成物の運転性能を高めることができる。また、この基材中の蒸留温度が110℃以上の重質留分は、炭素数8以上のオレフィン分を高濃度に含有するとともに、沸点が110℃以上の成分を広い蒸留範囲にわたって有しているため、改質ガソリンを多量に配合して蒸留性状が段階的になるガソリンであっても、この分解ガソリンを配合することによって、ガソリン組成物の110℃以上における蒸留性状をなだらかにし運転性能を高めることができる。
この分解ガソリンの配合量については、上記のように通常10〜90容量%が好ましく、特に20〜90容量%が好適である。分解ガソリンの配合量が10容量%未満では、炭素数8以上のオレフィン分が十分に得られない可能があり、また蒸留性状をなだらかにする効果も不十分となる恐れもあって、結局運転性能の向上が十分に達せられない恐れがある。一方、分解ガソリンの配合量が90容量%を超えるとオレフィン分が多くなり、安定性が悪くなる恐れがある。
また、分解ガソリンのうち、沸点110℃以上の重質留分の含有量がガソリン組成物を基準にして5〜40容量%、特に、10〜40容量%であることが好ましい。すなわち分解ガソリンの配合量については、その沸点110℃以上の重質留分の配合量がガソリン組成物を基準にして5〜40容量%、特に、10〜40容量%になるように分解ガソリンを配合することが好ましい。ここに示した配合量は、上記分解ガソリンの配合量を10〜90容量%にする趣旨と同じで、これによって運転性能を向上する効果がある。各分解ガソリンによって異なる蒸留性状のものが存在するため、分解ガソリンの好ましい配合量を別の基準で表したものである。したがって、特殊な蒸留性状を有する分解ガソリンについては、この110℃以上の重質留分を基準に配合量を決定すればよい場合もある。
本発明における、好適な分解ガソリンとしては上記の他、以下の性状のものである。
RON 85〜95
蒸留範囲 20〜220℃
芳香族分 5〜35容量%
オレフィン分 25〜40容量%
炭素数8以上のオレフィン分 2〜20容量%
110℃までの留出量 40〜90容量%
本発明のガソリン組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を適宜配合することができる。このような添加剤としては、フェノール系やアミン系などの酸化防止剤、シッフ型化合物やチオアミド型化合物などの金属不活性剤、有機リン化合物などの表面着火防止剤、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどの清浄分散剤、多価アルコール及びエーテルなどの氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両面界面活性剤などの帯電防止剤、アルケニルコハク酸のエステルなどのさび止め剤、キリザニン、クマリンなどの識別剤、天然精油、合成香料などの着臭剤、アゾ染料などの着色剤など、公知のガソリン添加剤が挙げられ、これらの添加剤を1種又は2種以上添加することができる。また、これら添加剤の添加量は状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は添加剤の合計量としてガソリン組成物に対して0.1質量%以下とすることが好ましい。
次に実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。なお、ガソリン組成物の性状及び性能は次の方法に従って求めた。
〔ガソリン組成物の性状〕
・リサーチ法オクタン価
JIS K 2280に準拠して測定した。
・硫黄分
JIS K 2541の微量電量滴定酸化法によって測定した。
・芳香族分、オレフィン分
JIS K 2536に準拠して測定した。
・ベンゼン、各沸点範囲の成分分析
これらについては、JIS K 2536「石油製品成分試験方法」ガスクロマトグラフィーによる全成分試験法により測定した。
・蒸留性状
JIS K 2541により測定した。
〔ガソリン組成物の性能〕
運転性能の評価方法
排気量660ccで燃料供給システムがキャブレターである車両を用いて、シャーシダイナモメーターにて加速性を測定した。
加速性の測定は、外気(室温)20℃の雰囲気で以下のようにして行った。
(i)車両の冷却水の水温及び油温を20℃に冷却した後、エンジンを始動し、次いで、アクセル開度50%で、エンジン回転数をアイドリングから3000rpmまで上げる操作を、水温が55℃になるまで繰り返した。水温が55℃になったときの、アイドリングから3000rpmに達するまでの時間を測定し、これを加速時間Aとした。
(ii)暖気運転し、水温が80℃になったときに、アクセル開度50%でエンジン回転数をアイドリングから3000rpmに達するまでの時間を測定し、これを加速時間Bとした。
(iii)上記(i)(ii)の測定値を用いて、下記の計算から加速時間増加割合(%)を求め、運転性能を評価した。加速時間増加割合が小さい方が運転性能が優れていることを示す。
加速時間増加割合(%)= 〔(A−B)/B〕×100
実施例1〜5及び比較例1〜3
第1表に示したA〜Hの基材を用いて、第2表に示す割合で混合して、ガソリン組成物を調製し、その性状・組成及び性能を第2表に示す。
Figure 2005255906
Figure 2005255906
本発明のガソリン組成物によれば、環境汚染、特に、排気ガスによる有害成分の排出を低減することができ、また、自動車の加速性などの運転性能を一層向上させることができる。

Claims (9)

  1. 以下の(1)〜(8)の条件を満たすガソリン組成物。
    (1)リサーチ法オクタン価が96以上
    (2)硫黄含有量が10質量ppm以下
    (3)芳香族分が45容量%以下
    (4)オレフィン分が10〜35容量%
    (5)炭素数8以上のオレフィン分が1.5〜30容量%
    (6)ベンゼン含有量が1容量%以下
    (7)70%留出温度が135℃以下
    (8)90%留出温度が175℃以下
  2. 炭素数8以上のオレフィン分が1.5〜10容量%である請求項1に記載のガソリン組成物。
  3. オレフィン分が10〜30容量%である請求項1又は2に記載のガソリン組成物。
  4. 70%留出温度が130℃以下である請求項1〜3のいずれかに記載のガソリン組成物。
  5. 90%留出温度が170℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載のガソリン組成物。
  6. (a)沸点が120℃以上150℃未満の留分、(b)沸点が150℃以上170℃未満の留分、及び(c)沸点が170℃以上の留分の各含有量がいずれも0.5容量%以上である請求項1〜5のいずれかに記載のガソリン組成物。
  7. 基材として、分解ガソリンを、ガソリン組成物を基準にして10〜90容量%配合してなる請求項1〜6のいずれかに記載のガソリン組成物。
  8. 分解ガソリンのうち、沸点110℃以上の重質留分の含有量がガソリン組成物を基準にして5〜40容量%であることを特徴とする請求項7に記載のガソリン組成物。
  9. 分解ガソリンの90%留出温度が110℃以上である請求項7又は8に記載のガソリン組成物。


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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007153936A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Nippon Oil Corp ガソリン
US9056549B2 (en) 2008-03-28 2015-06-16 Denso International America, Inc. Haptic tracking remote control for driver information center system

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