JP5432508B2 - ガソリン組成物 - Google Patents

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本発明は、環境性能及び運転性能に優れたガソリン組成物に関する。
化石燃料起源の温室効果ガスによる地球温暖化が大きな社会問題とされて以来、従来の石油由来のガソリンに比して地球温暖化への影響が小さいガソリンが提案され、上市されてきた。
この種のガソリンとしては、カーボンニュートラルの概念、すなわち、植物中の炭素が比較的近い過去の大気中の二酸化炭素から固定されたことから、植物由来の燃料は大気中の二酸化炭素濃度を増加させることにならないという考えのもと、植物由来の基材を従来の石油由来ガソリンへ混合することによって、燃料消費による地球温暖化への影響を低減する、いわゆるバイオガソリンの開発が集中的になされてきた。
しかしながら、このようなバイオガソリンについては、運転性能において種々の問題が報告されている。例えば、代表的なバイオガソリン基材であるエチルアルコール(エタノール)は、従来の石油由来ガソリンに混合した際、蒸気圧を上昇させ、高温時の使用に適さない他、水分混入時の相分離によるエンジンの不具合も懸念されている(例えば、特許文献1、2)。他方、既に日本において導入されているバイオガソリン基材であるエチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)は、このような懸念は小さいものの、従来の石油由来ガソリンへ混合した際に酸化安定性を低下させるため、長期貯蔵中にガソリン内に蟻酸や酢酸などの有機酸が生成し、貯蔵施設や自動車の金属部品を腐食するなどの恐れが懸念されている(例えば、特許文献3)。
そこで、地球温暖化緩和へ貢献するとともに、従来の石油由来ガソリンと同等またはそれ以上の運転性能を持つバイオガソリンが要望されている。
特開2004−238576号公報 特開昭61−037896号公報 特開2007−270038号公報
本発明は、二酸化炭素排出量の低減による地球温暖化緩和に貢献するなど環境対応型ガソリンであって、酸化安定性や耐摩耗性等の潤滑性において優れたガソリン組成物を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、環境対応型のバイオガソリンにおいて、バイオガソリン基材と種々の運転性能との関係を鋭意検討した結果、2−ブチルアルコールを基材として配合することでその目的を達成できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1]2−ブチルアルコールを2〜30容量%含有し、かつ以下の(1)〜(7)を満たすガソリン組成物、
(1)リサーチ法オクタン価が89以上93未満
(2)硫黄分が10質量ppm以下
(3)芳香族分が10〜30容量%
(4)ベンゼン含有量が1.0容量%以下
(5)オレフィン分が20容量%以下
(6)リード蒸気圧(RVP)が55〜90kPa
(7)50%留出温度が75℃〜100℃、70%留出温度が100〜120℃、90%留出温度が140〜165℃
[2]JPI−5S−98に規定する方法において、温度25℃とした時の10分経過時の磨耗痕径が430μm以下で、75分経過時の磨耗痕径が800μm以下である前記[1]記載のガソリン組成物、
[3]JIS K−2287による酸化安定度が1000分以上である、上記[1]又は[2]に記載のガソリン組成物、
[4]酸化防止剤を1〜20質量ppm含有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のガソリン組成物、
[5]実質エチルアルコールを含有しない、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のガソリン組成物、
[6]前記2−ブチルアルコールがバイオマス由来の2−ブチルアルコールである上記[1]〜[5]のいずれかに記載のガソリン組成物、及び
[7]以下の(1)〜(7)を満たすガソリン組成物を製造する際に、ベースガソリンに2−ブチルアルコールを、ガソリン組成物に対して2〜30容量%含有するように添加する、ガソリン組成物の潤滑性及び/又は酸化安定性を改善する方法。
(1)リサーチ法オクタン価が89以上93未満
(2)硫黄分が10質量ppm以下
(3)芳香族分が10〜30容量%
(4)ベンゼン含有量が1.0容量%以下
(5)オレフィン分が20容量%以下
(6)リード蒸気圧(RVP)が55〜90kPa
(7)50%留出温度が75℃〜100℃、70%留出温度が100〜120℃、90%留出温度が140〜165℃
に関する。
本発明によれば、バイオマス由来の2−ブチルアルコールを配合することにより二酸化炭素の排出量を低減するという環境性能に優れるとともに、従来のバイオガソリン基材であるエタノールやETBEを配合したバイオガソリンの欠点であるリード蒸気圧(RVP)の上昇や酸化安定性の低下を克服し、長期貯蔵後においても酸化安定性が良好であり、さらには優れた耐摩耗性等の潤滑性を有するガソリン組成物を提供することができる。また、本発明により、酸化防止剤を著しく低減したガソリン組成物を提供することができる。
[2−ブチルアルコール]
本発明のガソリン組成物は、2−ブチルアルコールを2〜30容量%含有する。本発明のガソリン組成物中における2−ブチルアルコールの含有量が2容量%以上であれば、ガソリンの耐摩耗性及び酸化安定性を向上する効果を得ることができる。また、2−ブチルアルコールの含有量が30容量%以下であれば、エンジンの空燃比の制御が困難になることなく運転性能を良好に保つことができる。
上記の点から、2−ブチルアルコールの含有量は、好ましくは3容量%以上、より好ましくは5容量以上であり、その上限値は好ましくは20容量%、より好ましくは15容量%である。従って、ガソリン組成物中における2−ブチルアルコールの含有量は、3〜20容量%であることが好ましく、5〜15容量%であることがより好ましい。
本発明で使用する2−ブチルアルコールの製造方法については、特に制限はなく、公知のいかなる方法によって得られる2−ブチルアルコールであっても使用が可能である。例えば、2−ブチルアルコールの製法として、2−ブテンの水和による公知の方法が挙げられる。また、さとうきびやとうもろこしなどのバイオマスを発酵して得られた2−ブチルアルコールであれば、カーボンニュートラルの概念から、地球温暖化緩和の面で好ましい。
[ガソリン組成物]
本発明のガソリン組成物は、上記2−ブチルアルコールを2〜30容量%含有し、かつ以下の性状あるいは組成を満たすものである。
(1)リサーチ法オクタン価が89以上93未満
(2)硫黄分が10質量ppm以下
(3)芳香族分が10〜30容量%
(4)ベンゼン含有量が1.0容量%以下
(5)オレフィン分が20容量%以下
(6)リード蒸気圧(RVP)が55〜90kPa
(7)50%留出温度が75℃〜100℃、70%留出温度が100〜120℃、90%留出温度が140〜165℃
本発明のガソリン組成物は、リサーチ法オクタン価(RON)が89以上93未満である。RONが89以上であれば、ノッキングを生じないなど運転性能が良好となる。一方、RONの上限値は性能面からは特に制限はないが、93未満であれば、市販のレギュラーガソリン仕様車にそのまま使用できる点で好ましい。上記の点から、本発明のガソリン組成物のRONは90以上であることが好ましい。なお、このリサーチ法オクタン価(RON)は、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法ならびにセタン指数算出方法」により測定した値である。
本発明のガソリン組成物は、硫黄分が10質量ppm以下である。硫黄分が10質量ppm以下であれば、排ガス触媒の耐久性に優れ好ましい。上記の点から、硫黄分は、5質量ppm以下であることが好ましく、3質量ppm以下であることが更に好ましい。なお、この硫黄分は、JIS K 2541−2「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」に従って測定した値である。
本発明のガソリン組成物は、その芳香族分が10〜30容量%である。芳香族分が30容量%以下であれば、排気ガス中の全炭化水素や一酸化炭素の増大を抑制でき、点火プラグがくすぶりを生ずる恐れが小さく、また、運転性能を良好に保つことができる。一方、芳香族分が10容量%以上であれば、運転性能が良好である。
上記の点から、本発明のガソリン組成物における芳香族分は、好ましくは26容量%以下、より好ましくは24容量%以下であり、また、好ましくは15容量%以上である。なお、芳香族分は、JIS K 2536−2「石油製品成分試験方法」のガスクロマトグラフによる全成分試験方法で測定した値である。
本発明のガソリン組成物は、ベンゼン含有量が1.0容量%以下であり、好ましくは0.5容量%以下である。ベンゼン含有量が1.0容量%以下であれば、排気ガス中のベンゼン含有量が少なくなり、環境汚染が問題になる恐れがなく好ましい。また、ガソリン自体が人体に悪影響を及ぼす恐れも少ない。なお、ベンゼン含有量は、JIS K 2536−2「石油製品−成分試験方法」のガスクロマトグラフによる全成分試験方法によって測定した値である。
本発明のガソリン組成物においては、オレフィン分が20容量%以下であり、好ましくは18容量%以下である。オレフィン分が20容量%以下であれば、排気ガス中の窒素酸化物が低減され、例えば、大気中に蒸発したガソリンがオゾンを生成する恐れも少ない。さらにガソリン組成物自体の酸化安定性も良好である。なお、オレフィン分は、JIS K 2536−2「石油製品−成分試験方法」のガスクロマトグラフによる全成分試験方法によって測定した値である。
本発明のガソリン組成物は、リード蒸気圧(RVP)が55〜90kPaであり、55〜75kPaであることが好ましい。RVPが55kPa以上であると、十分な低温始動性が得られ、RVPが90kPa以下であると、排気ガス中の炭化水素が増加することなく、またベーパーロック現象により運転性能の低下を招くことがなく好ましい。なお、リード蒸気圧(RVP)は、JIS K−2258に準拠して測定した値である。
本発明のガソリン組成物は、以下の蒸留性状を有し、加速性等の運転性能の点から、( )内に示す値であることが好ましい。
50%留出温度(T50):75〜100℃(80〜95℃)
70%留出温度(T70):100〜125℃(105〜120℃)
90%留出温度(T90):140〜165℃(145〜160℃)
T50、T70及びT90が上記の範囲内にあれば、加速性など運転性能が良好に保たれ、また燃費を悪化させることもなく好ましい。なお、上記T50、T70及びT90は、JIS K 2254−「石油製品−蒸留試験方法」に基づいて測定した蒸留性状から求めた値である。
本発明のガソリン組成物は、蒸気圧の上昇を抑制する点から、実質エチルアルコールを含有しないことが好ましい。ここで「実質・・・含有しない」とは、本発明の効果を奏する限りにおいて、エチルアルコールを含有することができることを意味する。
本発明のガソリン組成物は、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験法(誘導期間法)」により測定した酸化安定度が、1000分以上であることが好ましい。酸化安定度が1000分以上であれば、優れた酸化安定度を有することで、貯蔵中にガムを発生する恐れがなく好ましい。上記の点から、酸化安定度は、1100分以上であることがより好ましく、1200分以上であることが更に好ましい。
本発明の耐摩耗性ガソリン組成物は、さらに酸化防止剤を含有することできる。本発明において好ましい酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、及びアミノフェノール系酸化防止剤が挙げられる。このような酸化防止剤を含有すれば、耐摩耗性を維持しつつ、酸化安定性を向上させることができる。このようなフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2、6−ジ−tert−ブチルフェノール)などのtert−アルキルフェノール等が挙げられる。
また、アミン系酸化防止剤の具体例としては、N,N’−ジセカンダリーブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのフェニレンジアミンが挙げられ、アミノフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)などのtert−アルキルアミノフェノール等が挙げられる。
これらの中でも、上記の効果の点で2,6−ジ−tert−ブチルフェノールやN,N’−ジセカンダリーブチル−p−フェニレンジアミンが好ましい。
このような酸化防止剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。この酸化防止剤の含有量は、通常1〜100質量ppmであるが、2−ブチルアルコールは、単独でもガソリンの酸化防止効果があるため、本発明においては、上記高価な酸化防止剤の使用を著しく低減できるという効果が得られるため、1〜20質量ppmが好ましく、特に1〜10質量ppmであることがより好ましい。
本発明のガソリン組成物は、耐磨耗性等の潤滑性に優れ、具体的には、JPI−5S−98に規定する「軽油−潤滑性試験方法」に準拠し、試験温度を25℃で行った潤滑性試験において、潤滑状態が良好である。本発明でいうJPI−5S−98「軽油―潤滑性試験方法」に準拠した潤滑性試験方法とは、実質的にはJPI−5S−98に規定する方法において、試験温度60℃を25℃にすると共に、ガソリン等の潤滑性試験の摩擦、摩耗状態を測定する方法である。
この場合、試験温度を25℃とするのは、試料であるガソリンの引火を考慮したものである。また、潤滑性試験の初期の段階における潤滑状態を測定するとは、JPI−5S−98で規定する試験時間75分経過時における摩耗痕径を測定するのみでなく、試験時間10分経過時における摩耗痕径、摩擦係数を測定するものである。
本発明のガソリン組成物においては、上記の潤滑性試験における、試験時間10分経過後における摩耗痕径が430μm以下であることが好ましく、420μm以下であることがより好ましく、400μm以下であることが更に好ましい。この摩耗痕径が430μm以下であるガソリンは、耐摩耗性が良好であり、燃料ポンプの摺動部の摩耗を効果的に抑制するものである点で好ましい。
本発明のガソリン組成物においては、さらに前記潤滑性試験方法において、試験時間75分経過時における摩耗痕径が800μm以下であることが好ましく、790μm以下であることがより好ましい。試験時間75分経過時における摩耗痕径が800μm以下であれば耐摩耗性が良好であることが確認できる。
本発明のガソリン組成物は、その製造方法に特に制限はないが、例えば、ベースガソリンに2−ブチルアルコールを、ガソリン組成物に対して2〜30容量%含有するように配合して、前述の性状、組成(1)〜(7)を満たすガソリン組成物を製造することができる。
上記ベースガソリンは、従来公知のガソリンを包含するが、硫黄分やリサーチオクタン価(RON)などの各性状が、前記本発明のガソリン組成物が有する(1)〜(7)の要件を満たすものであることが好ましい。ベースガソリンは、各種のガソリン基材を単独又は複数配合することにより調製することができる。そのようなガソリン基材としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ、脱硫軽質ナフサ、接触分解法や水素化分解法で得られる分解ガソリン、接触改質法で得られる改質ガソリン中のベンゼンを取り除いた留分(脱ベンゼン改質ガソリン)、オレフィンの重合により得られる重合ガソリン、イソブタンなどの炭化水素に低級オレフィンを付加して得られるアルキレート、直鎖の低級パラフィン系炭化水素の異性化によって得られるアイソメレート(異性化ガソリン)、脱n―パラフィン油、及びこれらの特定範囲の留分や芳香族炭化水素などが挙げられる。
好適なベースガソリンの調製方法としては、脱硫軽質ナフサ、分解ガソリン、脱ベンゼン改質ガソリンを配合したもの、さらにはアルキレート、異性化ガソリン及びブタンなどを配合したものが挙げられる。この場合、特に分解ガソリンを配合することが好ましく、その配合量としては、ベースガソリンを基準として、例えば10〜90容量%が好ましく、20〜80容量%がより好ましい。これによって、上述した好ましい性状、組成を有するベースガソリンを得ることができる。
本発明のガソリン組成物の調製に用いる2−ブチルアルコール及び必要に応じて用いる酸化防止剤の内容並びにそれらの好ましい配合量は、前述の通りである。
本発明のガソリン組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を適宜配合することができる。このような添加剤としては、シッフ型化合物やチオアミド型化合物などの金属不活性剤、脂肪酸、脂肪酸エステルなどの潤滑性向上剤,有機リン化合物などの表面着火防止剤、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどの清浄分散剤、多価アルコール及びエーテルなどの氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両面界面活性剤などの帯電防止剤、アルケニルコハク酸のエステルなどのさび止め剤、キリザニン、クマリンなどの識別剤、天然精油、合成香料などの着臭剤、アゾ染料などの着色剤など、公知のガソリン添加剤が挙げられ、これらの添加剤を一種又は二種以上添加することができる。また、これら添加剤の添加量は状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は添加剤の合計量としてガソリン組成物に対して0.1質量%以下とすることが好ましい。
本発明は、また、以下の(1)〜(7)を満たすガソリン組成物を製造する際に、ベースガソリンに2−ブチルアルコールを、ガソリン組成物に対して2〜30容量%含有するように配合する、ガソリン組成物の潤滑性及び/又は酸化安定性を改善する方法を提供する。
(1)リサーチ法オクタン価が89以上93未満
(2)硫黄分が10質量ppm以下
(3)芳香族分が10〜30容量%
(4)ベンゼン含有量が1.0容量%以下
(5)オレフィン分が20容量%以下
(6)リード蒸気圧(RVP)が55〜90kPa
(7)50%留出温度が75℃〜100℃、70%留出温度が100〜120℃、90%留出温度が140〜165℃
ベースガソリン、2−ブチルアルコール、ガソリン組成物及び各性状、組成等に関しては前述の通りである。また、潤滑性及び/又は酸化安定性の改善効果についても、前述のとおりである。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。なお、ガソリン基材及びガソリン組成物の性状、組成及び性能は次の方法に従って求めた。
〔組成物の性状と組成〕
(1)リサーチオクタン価(RON)
JIS K 2280により測定した。
(2)密度
JIS K 2249に準拠して測定した。
(3)蒸留性状
JIS K 2254により測定した。
(4)芳香族分及び飽和炭化水素分
石油学会規格JPI−5S−49−97に準拠して測定した。
(5)ベンゼン分、オレフィン分
JIS K 2536−2により測定した。
(6)硫黄分
JIS K 2541−2に準拠して測定した。
(7)リード蒸気圧(RVP)
JIS K 2258に準拠して測定した。
(8)潤滑性
石油学会規格JPI−5S−98に規定する方法において、試験温度60℃を25℃にすると共に、試験時間75分経過時における摩耗痕径の測定及び試験時間10分経過時における摩耗痕径も測定した。
(8)酸化安定度
JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験法(誘導期間法)」により測定した。
実施例1〜8及び比較例1〜5
表1に示すガソリン基材及び下記の化合物を用いて、表2に示す割合でガソリン基材及び2−ブチルアルコール等を配合し調製したガソリン組成物の性状、組成及び性能を表2に示す。表1及び表2において、FGは分解ガソリン、PGPZは脱ベンゼン改質ガソリン、DLNは脱硫軽質ナフサ、BBはブテン留分、2−BuOHは2−ブチルアルコール、EtOHはエチルアルコール、ETBEはエチル−tert−ブチルエーテルを表す。また、酸化防止剤としては市販のAO−613(丸和物産(株))を用いた。
Figure 0005432508
Figure 0005432508
表2から明らかなように、実施例1〜8のガソリン組成物は、リード蒸気圧が低く、かつ潤滑性が良好であって、酸化安定度も優れている。一方、2−ブチルアルコールを含有せず酸化防止剤がそれぞれ2質量ppmおよび4質量ppmという低濃度の比較例4および5は酸化安定度が劣っているのに対し、これらに2−ブチルアルコールをそれぞれ5容量%配合した実施例3および4は十分な酸化安定度を有している。更に、実施例に対して、レギュラーガソリンそのものである比較例1は潤滑性に劣り、レギュラーガソリンにエチルアルコールを配合した比較例2はリード蒸気圧が著しく上昇しており、かつ潤滑性にも劣ることがわかる。また、レギュラーガソリンにエチル−tert−ブチルエーテルを配合した比較例3は、潤滑性、酸化安定度が悪化するため、酸化防止剤を低減することはできないことがわかる。
本発明によれば、二酸化炭素の排出量を低減するという環境性能に優れるとともに、長期貯蔵後においても酸化安定性が良好であり、さらには優れた耐摩耗性を有するガソリン組成物を得ることができることから、本発明のガソリン組成物は、ガソリンエンジン用燃料油として好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 2−ブチルアルコールを2〜30容量%含有し、かつ以下の(1)〜(7)を満たすガソリン組成物。
    (1)リサーチ法オクタン価が89以上93未満
    (2)硫黄分が10質量ppm以下
    (3)芳香族分が10〜30容量%
    (4)ベンゼン含有量が1.0容量%以下
    (5)オレフィン分が20容量%以下
    (6)リード蒸気圧(RVP)が55〜90kPa
    (7)50%留出温度が75〜100℃、70%留出温度が100〜120℃、90%留出温度が140〜165℃
  2. JPI−5S−98に規定する方法において、温度25℃とした時の10分経過時の磨耗痕径が430μm以下で、75分経過時の磨耗痕径が800μm以下である、請求項1記載のガソリン組成物。
  3. JIS K−2287による酸化安定度が1000分以上である、請求項1又は2に記載のガソリン組成物。
  4. 酸化防止剤を1〜20質量ppm含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のガソリン組成物。
  5. リード蒸気圧(RVP)が55〜65.0kPaである、請求項1〜4のいずれかに記載のガソリン組成物。
  6. 前記2−ブチルアルコールがバイオマス由来の2−ブチルアルコールである、請求項1〜5のいずれかに記載のガソリン組成物。
  7. 以下の(1)〜(7)を満たすガソリン組成物を製造する際に、ベースガソリンに2−ブチルアルコールを、ガソリン組成物に対して2〜30容量%含有するように配合する、ガソリン組成物の酸化安定性を改善する方法。
    (1)リサーチ法オクタン価が89以上93未満
    (2)硫黄分が10質量ppm以下
    (3)芳香族分が10〜30容量%
    (4)ベンゼン含有量が1.0容量%以下
    (5)オレフィン分が20容量%以下
    (6)リード蒸気圧(RVP)が55〜90kPa
    (7)50%留出温度が75℃〜100℃、70%留出温度が100〜120℃、90%留出温度が140〜165℃
  8. さらに、ガソリン組成物の潤滑性も改善する請求項7に記載の方法。
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