JP2005255894A - 保冷剤およびその保冷剤を用いた保冷方法 - Google Patents

保冷剤およびその保冷剤を用いた保冷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保冷容器や保冷場所の水濡れを最小限にして保湿しつつ保冷でき、鮮度保持に優れ、かつ取扱い性が良く、簡便な保冷剤および保冷手段、また、保冷対象物を適度な低温に急冷できる保冷剤および保冷手段、低温度を長時間持続できる保冷剤および保冷手段を提供する。
【解決手段】密閉容器30内に保冷対象物10が収納され、0℃程度のペレット状の二酸化炭素ガスハイドレートからなる保冷剤20が保冷対象物10を覆い直接、保冷対象物10に接触して、およそ0℃の低温で急冷し保冷剤20の溶解による水Wが保冷対象物10に供給されて保湿をおこない、保冷剤20から放出された二酸化炭素ガスGが保冷対象物10を覆って鮮度保持効果を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は保冷対象物の鮮度を保持するために保湿しつつ、低温で保冷するために使用される保冷剤およびその保冷剤を用いた保冷方法、低温を長時間持続できる保冷剤およびその保冷剤を用いた保冷方法に関するものである。
生鮮食品、乳製品、生菓子や生花などの輸送・保存には鮮度保持のために保冷が必要で、その一手段として氷やドライアイスが使用されている。
たとえば、鮮魚などは漁港から市場、市場から小売店、小売店から消費者というそれぞれの流通過程での保冷手段として、また売場などの保存場所での保冷手段として、主に氷が使用されている。これは、鮮魚を乾燥させずに保湿しつつ保冷できるからである。即ち、氷を保冷剤として使用すると保冷対象物を保湿でき、直接、保冷対象物に接触させることができるため適度の低温に急冷ができ、また素手で取り扱えて、コストも安いというメリットがある。
しかし、氷は溶けると水になるため保冷容器や保冷場所を濡らしてしまうという欠点がある。また、氷の冷却のみによる鮮度保持であって付加的な鮮度保持効果があるわけではない。
一方、ドライアイスは、二酸化炭素を固体にしたもので−78.9℃と非常に低温で溶けても昇華するため直接的な水濡れの心配が無く、また、二酸化炭素は生鮮食品の呼吸を抑制したり、付着した細菌の繁殖を抑制することによる鮮度保持効果もあるため、保冷手段としてよく使用されている。
果物・野菜など生鮮食品や生花については、その種類にもよるが、たとえば、イチゴなどは鮮度保持のため収穫後、発泡スチロールの箱に箱づめして、ドライアイスを噴霧して密閉し予冷をおこなった後、冷蔵機能付きの輸送車などで出荷している。これは冷却による鮮度保持に加えて、ドライアイスの二酸化炭素によってさらに鮮度保持効果をあげるためである。
また、ドライアイスは生菓子などの保冷剤としても多用されているが、これは溶けても昇華して液体とならず、包装箱を濡らさずに済むからである。
即ち、ドライアイスを保冷剤として使用すると、容器を直接濡らすことが無く、また冷却による鮮度保持に加えて、二酸化炭素によって、さらに保冷対象物の鮮度保持を図ることができる。
しかし、生鮮食品、乳製品、生菓子や生花などの多くは最適保冷温度が、0〜10℃程度であるため、ドライアイスでは低温すぎて直接、保冷対象物に接触させることができず、いわゆる間接冷却となり、急速保冷には適さない。また、直接素手で触ると低温火傷をするので取扱いにも問題があった。さらに、水分を含んでいないため保冷対象物を保湿することもできないという欠点がある。
冷凍食品について言えば、保冷にはマイナス20℃程度の低温が求められるため、氷では対応できない。
また、ドライアイスによる保冷では、外部の環境条件にもよるが低温の持続時間が比較的短く、長期の保冷をするには多量のドライアイスが必要となる。
生鮮食品などの保存方法としては保存容器に加湿装置および窒素供給装置を設け、さらにドライアイスによって二酸化炭素を供給して保存対象物を低温高湿の冷霧状態に保存する方法が提案されている(特許文献1参照)。ところが、この提案による保存方法では、装置が大掛かりで複雑となり、使用できる場所などが限定され、またコストも高くなる。
特開2003―116460号
そこで本発明は、従来の保冷剤および保冷方法の欠点を解決するためになされたものである。即ち、保冷容器や保冷場所の水濡れを最小限にして保湿しつつ保冷でき、鮮度保持に優れ、かつ取扱い性が良く、簡便な保冷剤およびその保冷剤を用いた保冷手段を提供することにある。また、保冷対象物を適度な低温に急冷できる保冷剤およびその保冷剤を用いた保冷手段を提供することにある。また別の課題は低温度を長時間持続できる保冷剤およびその保冷剤を用いた保冷手段を提供することにある。
請求項1に記載の保冷剤は、保冷対象物の鮮度を保持するために保湿しつつ、低温で保冷するための保冷剤であって、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートからなるものである。
請求項2に記載の保冷剤は、請求項1に記載の保冷剤において、保冷対象物を生鮮食品、乳製品、生菓子および生花のうちの少なくともいずれか一つとしたものである。
請求項3に記載の保冷剤は、保冷対象物を冷凍食品とし、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートをマイナス25℃以上マイナス15℃以下にしたものである。
請求項4に記載の保冷方法は、生鮮食品、乳製品、生菓子および生花のうちの少なくともいずれか一つの保冷対象物の鮮度を保持するために保湿しつつ、低温で保冷する保冷方法であって、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートからなる保冷剤を直接、前記保冷対象物に接触させるようにしたものである。
請求項5に記載の保冷方法は、保冷対象物の冷凍食品を低温で保冷する保冷方法であって、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートをマイナス25℃以上マイナス15℃以下にした保冷剤を直接、前記保冷対象物に接触させるようにしたものである。
請求項6に記載の保冷方法は、請求項4に記載の保冷方法において、保冷対象物と保冷剤とを密閉可能な容器内に収納するようにしたものである。ここでの密閉可能な容器とは、容器を封鎖して収容物を概ね容器外に出さない容器も含むものである。
請求項7に記載の保冷方法は、生鮮食品、乳製品、生菓子および生花のうちの少なくともいずれか一つの保冷対象物の鮮度を保持するために保湿しつつ、低温で保冷する保冷方法であって、前記保冷対象物と、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートからなる保冷剤とを密閉可能な容器内に収納し、該保冷剤から溶解した水と前記保冷対象物との接触を防ぐ分離手段を設けたものである。ここでの密閉可能な容器とは、容器を封鎖して収容物を概ね容器外に出さない容器も含むものである。
請求項8に記載の保冷方法は、保冷対象物の冷凍食品を低温で保冷する保冷方法であって、前記保冷対象物と、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートをマイナス25℃以上マイナス15℃以下にした保冷剤とを密閉可能な容器内に収納し、該保冷剤から溶解した水と前記保冷対象物との接触を防ぐ分離手段を設けたものである。ここでの密閉可能な容器とは、容器を封鎖して収容物を概ね容器外に出さない容器も含むものである。
請求項9に記載の保冷方法は、請求項6〜8のいずれか一の請求項に記載の保冷方法において、密閉可能な容器を、保冷対象物を輸送する輸送車両の保冷庫としたものである。
請求項1に記載の保冷剤は、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートからなるものとした。このガスハイドレートからなる保冷剤は氷状の水分子の中にガス分子を包蔵している。そのため、氷状の水分子によって保冷対象物が冷却されて鮮度が保持される。マイナス2℃から0℃程度のガスハイドレートを保冷剤とすることで直接、保冷対象物に接触させることができるので、適度な低温に急冷することが可能となり、素手で触れることができるので取扱い性も良い。特に、マイナス2℃〜15℃好ましくは0℃〜10℃に保冷する場合に適している。
また、この保冷剤が溶解することで適度の水分が保冷対象物に供給され、保湿を図ることができるが、氷ほど含水率が多くないので容器、保冷場所を過度に濡らすこともない。
さらに保冷剤の溶解により、氷状の水分子に包蔵されていた二酸化炭素ガスが放出され保冷対象物を包み込むことになる。ところで、青果物の鮮度保持には二酸化炭素ガスの濃度を上げて青果物の呼吸を抑制することにより、栄養分の損失を防ぐCA貯蔵法という手法が用いられている。この保冷剤を用いると既述したとおり、二酸化炭素ガスが保冷対象物を包み込むので、まさに自動的にCA貯蔵法を実践することになり、青果物の鮮度を保持することができる。また、二酸化炭素ガスで保冷対象物に付着した細菌の繁殖を抑制することなどにより鮮度を保持効果が向上する。
即ち、容器や保冷場所の水濡れを最小限にして保湿しつつ保冷でき、鮮度保持に優れ、かつ取扱い性が良く、簡便で、保冷対象物を適度な低温に急冷できる。
請求項2に記載の保冷剤は、請求項1に記載の保冷剤において、保冷対象物を生鮮食品、乳製品、生菓子および生花のうちの少なくともいずれか一つとした。これらの保冷対象物は鮮度を保持するために保湿しつつ、0〜10℃程度の低温で保冷することが求められるので、二酸化炭素ガスハイドレートからなる保冷剤が適している。
即ち、この保冷剤によって容器や保冷場所の水濡れを最小限にして保湿しつつ保冷でき、鮮度保持に優れ、かつ取扱い性が良く、簡便で、保冷対象物を適度な低温に急冷できる。
請求項3に記載の保冷剤は、保冷対象物を冷凍食品とし、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートをマイナス25℃以上マイナス15℃以下にした。冷凍食品の保存温度はマイナス20℃以上マイナス15℃以下程度なので、マイナス25℃以上マイナス15℃以下の保冷剤が適している。
また、ガスハイドレートは大気圧下では、自然分解して包蔵したガスを放出するが、その分解速度には特異性があり、マイナス20℃程度の時が最も分解速度が遅く、いわゆる自己保存効果が最も顕著となる。これは、減圧と周囲の熱によりガスハイドレートが溶けて分解が始まり、ガスが放出され水が表面を覆うが、分解による吸熱作用によってその水が氷の膜を形成してガスハイドレートを覆い、ガスを閉じ込めて断熱保護するためだと言われている。
したがって、ガスハイドレートをマイナス25℃からマイナス15℃、好ましくはマイナス20℃にすると自己保存効果により、その低温を長く持続することができる。つまり、冷凍食品の保存に適した温度を長時間持続できる保冷剤とすることができる。
請求項4に記載の保冷方法は、生鮮食品、乳製品、生菓子および生花のうちの少なくともいずれか一つの保冷対象物の鮮度を保持するために保湿しつつ、低温で保冷するために、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートからなる保冷剤を直接、前記保冷対象物に接触させるようにしたものである。これらの保冷対象物は鮮度を保持するために保湿しつつ、0〜10℃程度の低温で保冷することが求められるので、0℃程度のガスハイドレートからなる保冷剤の直接接触による急冷で保冷対象物の鮮度が適切に保持される。また、この保冷剤によって容器や保冷場所の水濡れを最小限にして保湿しつつ保冷でき、鮮度保持に優れ、かつ取扱い性が良く、簡便に保冷対象物の鮮度を保持できる。
請求項5に記載の保冷方法は、保冷対象物の冷凍食品を低温で保冷する保冷方法であって、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートをマイナス25℃以上マイナス15℃以下にした保冷剤を直接、前記保冷対象物に接触させるものである。これにより、保冷対象物の冷凍食品を適正保存温度のマイナス20℃程度の急冷でき、鮮度が適切に保持される。また、この保冷剤によって容器や保冷場所の水濡れを最小限にして保冷でき、簡便に長時間低温を持続して保冷対象物を保冷できる。
請求項6に記載の保冷方法は、請求項4に記載の保冷方法において、保冷対象物と保冷剤とを密閉可能な容器内に収納するようにした。即ち、密閉容器内で保冷剤に包蔵されるガスを充満させ、保冷剤の溶解による水を保持することができ、保冷対象物の鮮度の保持をさらに図ることができる。これにより、保冷容器や保冷場所の水濡れを最小限にして保湿しつつ保冷でき、鮮度保持に優れ、かつ取扱い性が良く、簡便で、保冷対象物を適度な低温に急冷できる。
請求項7に記載の保冷方法は、生鮮食品、乳製品、生菓子および生花のうちの少なくともいずれか一つの保冷対象物の鮮度を保持するために保湿しつつ、低温で保冷するために、前記保冷対象物と、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートからなる保冷剤とを密閉可能な容器内に収納し、該保冷剤から溶解した水と前記保冷対象物との接触を防ぐ分離手段を設けた。したがって、保冷剤から溶解した水が直接接触することに適さない保冷対象物の鮮度を適切に保持することができる。これにより、保冷容器や保冷場所の水濡れを最小限にして保湿しつつ保冷でき、鮮度保持に優れ、かつ取扱い性が良く、簡便に保冷対象物を保冷できる。
請求項8の保冷方法は、保冷対象物の冷凍食品を低温で保冷する保冷方法であって、前記保冷対象物と、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートをマイナス25℃以上マイナス15℃以下にした保冷剤とを密閉可能な容器内に収納し、該保冷剤から溶解した水と前記保冷対象物との接触を防ぐ分離手段を設けた。これにより、保冷容器や保冷場所の水濡れを最小限にして保冷対象物を濡らさずに保冷でき、簡便に長時間低温を持続して保冷対象物を保冷できる。
請求項9に記載の保冷方法は、請求項6〜8のいずれか一の請求項に記載の保冷方法において、密閉可能な容器を、保冷対象物を輸送する輸送車両の保冷庫とした。そのため、請求項6〜8のいずれか一の請求項に記載の保冷方法と同様の効果を発揮しつつ、保冷対象物を輸送することができる。即ち、保冷容器や保冷場所の水濡れを最小限にして保湿しつつ保冷でき、鮮度保持に優れ、かつ取扱い性が良く、簡便に保冷しながら保冷対象物を輸送することができる。もしくは、保冷対象物を適度な低温に急冷し、簡便に長時間低温を持続しながら輸送することができる。
以下、図に基づき本発明の保冷剤の実施形態を説明する。
まず、本発明による保冷剤を生成するための製造プロセスの一例を図5に示す。耐圧殻として形成されたガスハイドレート生成装置5のドラム本体1内は、例えば3.5MPa程度に圧力が保持され、このドラム本体1内に水冷却器2により例えば0℃程度に冷却された水Wが供給される。ドラム本体1の下部から二酸化炭素ガスGが供給されると、この二酸化炭素G分子の一つが、水Wの水分子が作るカゴの中に収まった結晶構造のガスハイドレートHが生成する。
ドラム本体1はドラム冷却器4で冷却され、ドラム本体1内の二酸化炭素ガスGはガス循環装置3で循環されて、ガスハイドレートHを生成し易くしている。
ガスハイドレートHを生成した後、脱水工程を経て、ガスハイドレートHをシャーベット状、パウダー状などの適切な性状で貯蔵タンク8に貯蔵する。貯蔵タンク8内のガスハイドレートHは攪拌装置14で攪拌されつつ、貯蔵タンク冷却器6で適切な温度に冷却される。
貯蔵タンク8におけるガスハイドレートHの貯蔵条件はたとえば、圧力0〜1.2MPaで温度はマイナス55〜0℃である。詳述すると、圧力を0MPa(大気圧)とした場合は温度をマイナス55℃、圧力を1.2MPaとした場合は温度を0℃としてガスハイドレートHを貯蔵する。
したがって、貯蔵タンク8内の圧力を変化させることで、ガスハイドレートHの温度を変えることができる。
保冷対象物10が生鮮食品、乳製品、生菓子および生花の場合は、0℃程度のガスハイドレートHからなる保冷剤20を使用し、冷凍食品に対してはマイナス20℃程度にしたガスハイドレートHからなる保冷剤20を用いる。
貯蔵タンク8内のガスハイドレートHは供給装置7によって、ペレット成型装置12に供給されて、ペレットに成型される。また、貯蔵タンク12に貯蔵されているたとえば、パウダー状、シャーベット状のまま使用する場合は供給装置7によって噴出ノズル16からガスハイドレートHを噴出させて用いることもできる。
つぎに、この保冷剤の使用方法、即ちこの保冷剤による保冷方法の第一の実施形態について図1に基づいて説明する。発泡スチロール製の密閉容器30内に保冷対象物10が収納され、0℃程度のペレット状の二酸化炭素ガスハイドレートHからなる保冷剤20が保冷対象物10を覆っている。この状態では保冷剤20が直接、保冷対象物10に接触して、およそ0℃の低温で急冷し、保冷剤20の溶解による水Wが保冷対象物10に供給され、保湿をおこなう。ただし、保冷剤20に含まれる水Wは氷と比べると非常に少ないので、過度に保冷対象物10や密閉容器30を濡らすこともない。この保冷方法には魚介類などの比較的高い保湿が求められる保冷対象物10が好適である。
もちろん、ペレット状の他にパウダー状、シャーベット状などの保冷剤20を用いることができる。図2のように、密閉容器30に保冷対象物10と保冷剤20を収納せずに単純に保冷対象物10に保冷剤20を接触させるだけでも保冷することができる。この場合、ガスG成分および水Wが発散してしまうが、保冷温度が比較的高く、保湿もあまり必要でない場合には適した保冷方法である。
つぎに、保冷方法の第二の実施形態について図3に基づいて説明する。発泡スチロール製の断熱性のある密閉容器30内に保冷対象物10と二酸化炭素ガスハイドレートHのペレットからなる保冷剤20が収容されて保冷対象物10を間接的に保冷するものである。即ち、この実施形態では保冷剤20から溶解した水Wが保冷対象物10に接触しないようにしている。密閉容器30は一般的なクーラーボックスとしてもよい。間接的な保冷となるので保冷剤20となるガスハイドレートHの温度は適宜、決定することができる。
まず、一般的な保冷シートを下面だけを開放した箱状に形成して保冷カバー31とし、上面外側に面ファスナ33を取り付ける。保冷シートは芯材に厚紙などが用いられている剛性のあるものが好ましい。
つぎに、同様の保冷シートで上面だけを開放した箱状に形成して保冷剤20を収容するための保冷剤トレイ32とし、下面外側に面ファスナ33を取り付ける。ここで、面ファスナ33を使用しているが、保冷剤トレイ32を保冷カバー31に固定できるものならば他のものを使用することができる。
密閉容器30の内の底面には中敷板34が配置され、底面と中敷板34の間には保冷剤20が敷きつめられる。
中敷板34の上面には保冷対象物10が置かれてその上から全体を覆うように保冷カバー31が設置され、保冷カバー31の上面には保冷剤20を収容した保冷剤トレイ32が面ファスナ33同士の結合によって固定される。
この構成により、保冷剤20がその低温により密閉容器30内の空気を冷却して、間接的に保冷対象物10を冷却して鮮度保持をする。また、保冷剤20から放出された二酸化炭素ガスGが保冷対象物10を覆い、鮮度保持効果を向上させる。この保冷剤20の効果を最大限利用するために保冷カバー31には適度な貫通孔やすき間を設けて、密閉容器30内の気流流通を確保する。
二酸化炭素ガスGは大気よりも重く、下方に溜まり易いので、保冷剤20は保冷対象物10の上方に設けるのが好ましく、上方および下方に設けて保冷するのがさらに好ましい。
この実施形態では中敷板34、保冷剤トレイ32が保冷剤20から溶解した水Wと保冷対象物10との接触を防ぐ分離手段となっている。
そのため、保冷対象物10が保冷剤20から溶解した水Wで濡れることがない。
保冷剤20から溶解した水Wは保冷剤トレイ32内部や収容容器30底面に溜まり、この水Wが蒸発することにより保冷対象物10が保湿されることになる。
この保冷方法には肉類、野菜、果物、乳製品、生菓子、生花などの直接、水に濡れることによる保冷に適さない保冷対象物10が好適である。冷凍食品を保冷対象物10とすることもできる。
保冷対象物10や保冷時間などに応じて、中敷板34の脚の高さを変えて密閉容器30底面に敷きつめる保冷剤20の量を変えることができる。
保冷剤20としてはガスハイドレートHのペレットのみならずパウダー状、シャーベット状としてものを用いることができる。
つぎに、保冷方法の第三の実施形態について図4に基づいて説明する。この実施形態は第二の実施形態の密閉容器30を輸送トラック40の保冷庫35としたものであり、その他の部分は第二の実施形態と同様である。
この実施形態では保冷庫35内に保冷対象物10と二酸化炭素ガスハイドレートHのペレットからなる保冷剤20が収容されて保冷対象物10を間接的に保冷するものである。即ち、この実施形態では保冷剤20から溶解した水Wが保冷対象物10に接触しないようにしている。
そして、保冷対象物10が保冷庫35内に収容されて、保冷対象物10が目的地まで輸送される。たとえば、収穫地から市場へ、市場から店舗へ、店舗から家庭へと輸送される。
保冷カバー31はシート状のまま使用し、上面外側となる位置に面ファスナ33を取り付ける。保冷剤トレイ32とその下面外側に面ファスナ33を取り付けるのは第二の実施形態と同じである。
保冷庫35の内の底面には中敷板34が配置され、底面と中敷板34の間には保冷剤20が敷きつめられ、中敷板34の上面には保冷対象物10が箱詰めされた状態等で積み込まれる。保冷対象物10の上から全体を覆うように保冷カバー31が取り付けられ、保冷カバー31の上面には保冷剤20を収容した保冷剤トレイ32が面ファスナ33同士の結合によって固定される。
この構成により、保冷剤20がその低温により保冷庫35内の空気を冷却して、間接的に保冷対象物10を冷却して鮮度保持をする。また、保冷剤20から放出された二酸化炭素ガスGが保冷対象物10を覆い、鮮度保持効果を向上させる。この保冷剤20の効果を最大限利用するために保冷カバー31には適度な貫通孔やすき間を設けて、保冷庫35内の気流流通を確保する。
第二の実施形態同様に保冷剤20は保冷対象物10の上方に設けるのが好ましく、上方および下方に設けて保冷するのがさらに好ましい。
この実施形態では中敷板34、保冷剤トレイ32が保冷剤20から溶解した水Wと保冷対象物10との接触を防ぐ分離手段となっている。
そのため、保冷対象物10が保冷剤20から溶解した水Wで濡れることがない。
保冷剤20から溶解した水Wは保冷剤トレイ32内部や収容容器30底面に溜まり、この水Wが蒸発することにより保冷対象物10が保湿されることになる。
この保冷方法には肉類、野菜、果物、乳製品、生菓子、生花などの直接、水に濡れることによる保冷に適さない保冷対象物10が好適である。また、冷凍食品を保冷対象物10とすることもできる。
保冷対象物10や保冷時間などに応じて、中敷板34の脚の高さを変えて密閉容器30底面に敷きつめる保冷剤20の量を変えることができる。また、必要に応じて保冷剤20を収容する保冷剤トレイ32の数を変更する。
保冷剤20としてはパウダー状、シャーベット状のガスハイドレートHを用いることができ、この場合は図5に示すように噴出ノズル16から冷凍庫35に保冷剤20を噴出して保冷剤20を敷きつめたり、予冷をすることができる。
保冷対象物10が魚介類などの場合は、保冷対象物10に直接、保冷剤20を接触させて保冷することもできる。
本発明に係る保冷剤20およびその保冷剤20を用いた保冷方法は、保冷対象物10の鮮度を保持するために保湿しつつ、低温で保冷するために利用でき、既述した保冷対象物10の他に、冷菓類、血清、薬品などを保冷対象物10とすることができる。
本発明に係る保冷方法の第一の実施形態を示す断面説明図である。 本発明に係る保冷方法の第一の実施形態の変形例を示す説明図である。 本発明に係る保冷方法の第二の実施形態を示す説明図である。 本発明に係る保冷方法の第三の実施形態を示す説明図である。 本発明に係る保冷剤を生成するための製造プロセスの一例を示す説明図である。
符号の説明
1 ドラム本体 2 水冷却器 3 ガス循環装置
4 ドラム冷却器 5 ガスハイドレート生成装置
6 貯蔵タンク冷却器 7 供給装置
8 貯蔵タンク 10 保冷対象物
12 ペレット成型装置 14 攪拌装置
16 噴出ノズル 20 保冷剤
30 密閉容器(発泡スチロールボックス) 31 保冷カバー
32 保冷剤トレイ 33 面ファスナ
34 中敷板 35 保冷庫 40 輸送トラック























Claims (9)

  1. 保冷対象物の鮮度を保持するために保湿しつつ、低温で保冷するための保冷剤であって、
    二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートからなる保冷剤。
  2. 保冷対象物が生鮮食品、乳製品、生菓子および生花のうちの少なくともいずれか一つである請求項1に記載の保冷剤。
  3. 保冷対象物を冷凍食品とし、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートをマイナス25℃以上マイナス15℃以下にした保冷剤。
  4. 生鮮食品、乳製品、生菓子および生花のうちの少なくともいずれか一つの保冷対象物の鮮度を保持するために保湿しつつ、低温で保冷する保冷方法であって、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートからなる保冷剤を直接、前記保冷対象物に接触させる保冷方法。
  5. 保冷対象物の冷凍食品を低温で保冷する保冷方法であって、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートをマイナス25℃以上マイナス15℃以下にした保冷剤を直接、前記保冷対象物に接触させる保冷方法。
  6. 保冷対象物と保冷剤とを密閉可能な容器内に収納する請求項4に記載の保冷方法。
  7. 生鮮食品、乳製品、生菓子および生花のうちの少なくともいずれか一つの保冷対象物の鮮度を保持するために保湿しつつ、低温で保冷する保冷方法であって、
    前記保冷対象物と、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートからなる保冷剤とを密閉可能な容器内に収納し、
    該保冷剤から溶解した水と前記保冷対象物との接触を防ぐ分離手段を設けた保冷方法。
  8. 保冷対象物の冷凍食品を低温で保冷する保冷方法であって、
    前記保冷対象物と、二酸化炭素のガス分子を水分子の作るカゴの中に収めた結晶構造のガスハイドレートをマイナス25℃以上マイナス15℃以下にした保冷剤とを密閉可能な容器内に収納し、該保冷剤から溶解した水と前記保冷対象物との接触を防ぐ分離手段を設けた保冷方法。
  9. 密閉可能な容器が、保冷対象物を輸送する輸送車両の保冷庫である請求項6〜8のいずれか一の請求項に記載の保冷方法。
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