JP2005255467A - 人造大理石処理物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表面硬度が高く、硬化収縮の少ない硬化物が得られる硬化性組成物を人造大理石基材上に塗布、硬化させることで、磨耗、変質、変色などから保護された人造大理石を提供すること。
【解決手段】 人造大理石の表面に、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む開環重合性基を有する架橋性ポリマーと、分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含むエチレン性不飽和基含有化合物の両方を含有する重合性組成物中の、前記開環重合性基と前記エチレン性不飽和基の両方を重合させることにより得られるハードコート皮膜を形成させたことを特徴とする人造大理石処理物品。
一般式(1)
【化1】
式中、R1は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、P1は開環重合性基を含む一価の基であり、L1は単結合もしくは二価の連結基である。
【選択図】 なし
【解決手段】 人造大理石の表面に、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む開環重合性基を有する架橋性ポリマーと、分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含むエチレン性不飽和基含有化合物の両方を含有する重合性組成物中の、前記開環重合性基と前記エチレン性不飽和基の両方を重合させることにより得られるハードコート皮膜を形成させたことを特徴とする人造大理石処理物品。
一般式(1)
【化1】
式中、R1は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、P1は開環重合性基を含む一価の基であり、L1は単結合もしくは二価の連結基である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、人造大理石処理物品に関し、さらに詳しくは、アクリル系樹脂、または不飽和ポリエステル系樹脂を用いてつくられる人造大理石の表面をハードコート皮膜で保護した人造大理石に関する。
近年、キッチンや洗面、トイレに使用されている部材はタイルやステンレスに代わりプラスチック製品が多く使用されている。中でもキッチンのカウンタートップなどに使用されているプラスチック板は、デザインの良さや加工の多様性のゆえに人造大理石と称され、ステンレス、タイルに代わるものとなっている。しかしながら、これらプラスチック製品の表面は傷つきやすいことが欠点となっている。これらの傷つきやすさを克服するために。色々なプラスチック表面処理が行われている。例えば、ポリカーボネート成型品の表面を傷つきにくくする方法としては、(メタ)アクリル酸エステルを塗布して紫外線硬化する方法及びアクリル系プライマーを塗布・乾燥し、続いてオルガノポリシロキサン系コーティング剤を塗布・加熱硬化する方法が知られている(例えば特許文献1(特公平4-2614号公報)、特許文献2(特開平3-287634号公報)等)。
しかしながら、特許文献1における方法は硬化被膜の表面硬度、耐水性、耐候性が十分満足すべきものではなく、また硬化に伴う収縮が大きすぎる欠点を有している。一方、特許文献2における方法はプライマーコート及びトップコートを二度塗布するため作業性が悪く、かつ調湿した作業環境で塗布しないと表面白化しやすく、その上加熱硬化に長時間を要するため生産性に乏しく、しかも硬化時の熱によって基材が変形し易いといった欠点がある。
また、上記方法を改良するものとして、紫外線硬化型オルガノポリシロキサンを用いる方法が知られており、例えば特許文献3(特開昭61-111330号公報)において、アクリル官能性シリコーン樹脂組成物が開示されている。しかし、この組成物の硬化被膜は脆く、耐擦傷性に劣る。更に、特許文献4(特開昭59-204669号公報)には、メタクリロキシシラン加水分解物と多官能性アクリレート系とにコロイダルシリカを加えると、耐擦傷性を向上させうることが開示されている。しかし、この組成物もまたポリカーボネート樹脂との密着性が悪く、かつメタクリロキシシラン加水分解物のシラノール基が残存しているため、耐水性や耐湿性に乏しいという欠点があった。
一方、特許文献5(特公昭63-65115号公報)には、エポキシ基含有シラン加水分解物をオニウム塩による光分解型触媒を用いて開環重合させ、耐湿性に優れた硬質被膜を得る方法が提案されている。しかし、この被膜も残存水酸基の影響で光劣化し易く、そのため耐候性の要求される外装用途(建築材料、車両窓材等)には不適当であった。
プラスチック樹脂との密着性を向上させる目的で、オルガノポリシロキサンの硬化の際に収縮率の少ない光重合性官能基含有ラダー型ポリシロキサンを紫外線照射して硬質被膜を得る方法が特許文献6(特開平4-33936号公報)に開示されている。この光重合性官能基含有ラダー型ポリシロキサンは重合度が高く、硬化の際に体積減少が少ないことから、クラック等の欠点は改良することができるが、ポリシロキサンの重合度が高いため、樹脂表面に対する投錨効果に乏しく、耐水性や耐アルカリ性に対して満足いくものではなく、その上耐擦傷性も劣るものである。しかも、上記ラダー型ポリシロキサンは生産性が悪く、収率も低いため、工業的に適した材料ではない。
上述した紫外線硬化性被膜を有するプラスチック表面のハードコート処理物品は、十分満足な特性を有するものとは言い難く、このため各種特性に優れた紫外線硬化性樹脂で被覆されたハードコート処理物品の開発が望まれていた。
人造大理石のように常に表面を擦られる状態のプラスチック成型物においても、前述同様の紫外線硬化型アクリレート系樹脂による表面処理が特許文献7(特開昭59−108038号公報)に開示されているが、処理膜が厚くなると表面に微細な亀裂が生じるなど欠点を有し、また、スチールウールによって傷がつくなど十分な効果が得られていない。また、特許文献8(特開平8−244154)のように、人造大理石表面にシリカやガラスの粉などを混入することにより表面硬度を上げているが、スチールウールなどによる摩擦に対しては十分とは言えず、問題は残されている。また、特許文献9(特開平9−249732)では熱硬化性塗料などで表面硬化を試みているが、熱処理に要する時間がかかるなど、生産性の問題がある。
一方、長年にわたる耐久性が求められる場所、例えば外壁、床などは、汚れや、傷、変色、劣化分解などによって、その機能の低下、あるいは外観の見苦しさが目立ってくる。外壁などでは風雨、砂塵、太陽の熱、紫外線などに起因することが多く、更なる表面硬度の向上と、屋外の耐候性向上が望まれているが、上記従来の技術では解決できない。
一方、長年にわたる耐久性が求められる場所、例えば外壁、床などは、汚れや、傷、変色、劣化分解などによって、その機能の低下、あるいは外観の見苦しさが目立ってくる。外壁などでは風雨、砂塵、太陽の熱、紫外線などに起因することが多く、更なる表面硬度の向上と、屋外の耐候性向上が望まれているが、上記従来の技術では解決できない。
本発明の目的は、表面硬度が高く、硬化収縮の少ない硬化物が得られる硬化性組成物を人造大理石基材上に塗布、硬化させることで、磨耗、変質、変色などから保護された人造大理石を提供することにある。
本発明によれば、下記構成をとることで、上記目的が達成された。すなわち、本発明は、人造大理石の表面に、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む開環重合性基を有する架橋性ポリマーと、分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含むエチレン性不飽和基含有化合物の両方を含有する重合性組成物中の、前記開環重合性基と前記エチレン性不飽和基の両方を重合させることにより得られるハードコート皮膜を形成させたことを特徴とする人造大理石処理物品、である。
一般式(1)
一般式(1)
また、本発明は、人造大理石の表面に、下記一般式(1)で表される開環重合性基を有する繰り返し単位、および下記一般式(2)で表されるエチレン性不飽和基を有する繰り返し単位の両方の繰り返し単位を含む架橋性コポリマーを含有する重合性組成物中の、前記開環重合性基と前記エチレン性不飽和基の両方を重合させることにより得られた硬化性組成物よりなるハードコート皮膜を形成させたことを特徴とする人造大理石処理物品、でもある。
一般式(1)
一般式(1)
本発明で用いる硬化性組成物から、表面硬度が高く、硬化収縮が少ない硬化皮膜が形成され、これを人造大理石上に塗布、硬化させることにより、硬化樹脂層を表面に有する人造大理石が得られる。この硬化樹脂層処理(以下、ハードコート処理と言う)人造大理石は、膜剥がれやヒビ割れが生じにくく、十分な硬度を有するため、従来から求められていた実使用上の耐久性を付与することが出来る。
人造大理石は現在さまざまな材料、方法で製造されているが、本発明で用いる人造大理石はこれらすべての、およそ人造大理石と称されるものに適用できる。好ましいものは、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂に、顔料や、石粉末を適宜混入したものを型に入れて硬化させて作るもの、または加熱プレス成型して作るものなどである。また、アルミナセメントに珪砂を混ぜたものなどが使われる。本発明で得られるハードコート処理人造大理石(人造大理石処理物品)は、キッチンのカウンタートップ、洗面台、テーブルなど、また、壁面、床材などと幅広く用いることができる。
本発明に使用される人造大理石の一般的な製造方法を記すが実際の製造に当たってはこの範囲にとどまらず、さらに広範囲な条件が採用されている。一般的には大理石模様を出すために、顔料などを含む樹脂と、含まない樹脂を適宜混合して使用される。例えば、不飽和ポリエステル系樹脂をベースとし、充填剤、骨材、硬化触媒、内部離型剤、及び顔料からなる成型材料を用いて加熱加圧成型法に基づき人造大理石製品を製造する場合、綺麗な大理石模様を作るために、一般的にベースとなる樹脂組成物(I)と模様を呈する樹脂組成物(II)を調整し、適宜混ぜて使用される。
樹脂組成物(I)を構成する不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和ポリエステルと重合性ビニル単量体とを、必要に応じハイドロキノン、tert−ブチルカテコール、メトキシヒドロキノン等の如き重合禁止剤と共に相互溶解させて調製されるものである。不飽和ポリエステルは通常の公知方法、例えばα,β−不飽和二塩基酸またはこれと飽和二塩基酸との混合物と多価アルコールとをアルコール性水酸基モル数/カルボキシル基モル数を0.8〜1.2の割合となるよう混合し、炭酸ガス、窒素ガス等の如き不活性ガス気流中で140〜250℃の温度で縮合反応せしめ、生成水を除去しつつ、反応進行程度に応じて温度を徐々に上昇せしめる方法に従って得られる。こうして得られた不飽和ポリエステルは概ね酸価5〜40、分子量1,000〜5,000程度範囲にある。
この際使用するα,β−不飽和二塩基酸、飽和二塩基酸としては無水マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘツト酸等を挙げることができる。また必要に応じアクリル酸、プロピオン酸、安息香酸等の如き一塩基酸やトリメリツト酸、ベンゾールのテトラカルボノ酸の如き多塩基酸も使用することができる。
多価アルコールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、卜リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、水素化ビスフェノールA、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンなどを挙げることができる。
重合性ビニル単量体は、不飽和ポリエステルと共重合し架橋剤として作用するもので、例えばスチレン、クロルスチレン、α一メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、酢酸ビニル、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等を挙げることができ、これら単量体の1種または2種以上の混合物を不飽和ポリエステル100質量部に対して20〜300質量部の割合で用いることができる。
樹脂組成物(I)を構成する充填材としては炭酸カルシウム粉、クレー、アルミナ粉、硅石粉、タルク、モミガラ粉、木粉、骨粉等を挙げることができ、難燃性を必要とする場合は水酸化アルミニウム粉を用いることができ、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対し20〜300質量部の割合で用いることができる。骨材としては粒径0.1〜15mm、好ましくは0.2〜8mmの硅砂、川砂、寒水石、大理石屑、砕石等を挙げることができ、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対し20〜l000質量部の割合で用いることができる。充填材と骨材との配合割合は、広い範囲とすることができ、一般には経済性、作業性、所望製品の強度等を考慮して決めれば良いが、最密充損となるような割合とするのが好ましいとされる。
硬化触媒は、不飽和ポリエステル樹脂に作用するもので、例えばアゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物、tert−ブチルパーベンゾエイト、tert一ブチルパーオクトエイト、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を挙げることができ、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対し12〜2質量部の範囲で用いることができる。そして必要に応じて、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、オクチル酸コバルト、ジメチルアニリン、ジメチルパラトルイジン等を重合促進剤として硬化触媒と共に使用されている。
内部離型剤としてはステアリン酸、ステアリン酸亜鉛等の如き高級脂肪酸や該酸エステル、アルキルリン酸エステル等を挙げることができ、不飽和ポリエステル樹脂10.0質量部に対し0.1〜10質量部の割合で用いることができる。
増粘剤は不飽和ポリエステルが有する−OH基、−COOH基やエステル結合等と化学的に結合して線状または一部交叉結合を生じせしめて分子量を増大させ不飽和ポリエステル樹脂を増粘させる性質を有するもので、例えばトルイレンジイソシアネートの如きジイソシアネー卜類、アルミニウムイソプロポキシド、チタンテトラブトキシドの如き金属アルコキシド類、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ベリリウムの如き二価金属の酸化物、水酸化カルシウムの如き二価金属の水酸化物等を挙げることができる。増粘剤の使用量は、成形材料の粘度が25℃で少なくともE価50の粘度、好ましくは少なくともE価150の粘度を呈するに足りる量であれば良いが、樹脂組成物(I)を構成する不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対しO.5〜lO質量部の割合とすることができる。そして必要に応じて水の如き極性の強い物質を増粘助剤として少量使用することもできる。なお、粘度指数として用いたE価は、クンストストッフェ(Kunst-stoffe)第58巻、第12号、第918頁にDr.Kramerらが報告した稠度測定装置(昭和45年2月28日、日刊工業新聞社発行「ポリエステル樹脂」、第322〜第323頁参照)を用い、直径38mm、重さ275g(リードボルトの重さも含む)の鋼球を被測定物に接触させた時から鋼球が被測定物中に5mm入るまでの時間(秒)を示すものである。
顔料は、樹脂組成物(I)において必須の構成成分でないが、得られる製品に色彩を所望する場合に使用されるもので、不飽和ポリエステル樹脂の硬化を著しく阻害しないものであれば、いかなるものをも用いることができる。
樹脂組成物(I)は、不飽和ポリエステル樹脂、充填剤、骨材、硬化触媒、内部離型剤、増粘剤および必要に応じ顔料とから成り、常温では一般に比較的高粘度ではあるものの流動性を有する組成物で、成形物材料の中にあっては樹脂状組成物(II)より低度に増粘された状態で存在し、人造大理石製品の中にあっては基材部分を形成するものである。
樹脂組成物(I)は、不飽和ポリエステル樹脂、充填剤、骨材、硬化触媒、内部離型剤、増粘剤および必要に応じ顔料とから成り、常温では一般に比較的高粘度ではあるものの流動性を有する組成物で、成形物材料の中にあっては樹脂状組成物(II)より低度に増粘された状態で存在し、人造大理石製品の中にあっては基材部分を形成するものである。
樹脂組成物(I)は、この種の技術において慣用の技術、例えばモルタルミキサー等の混練機を用いてこれら構成成分を十分混練することにより容易に調製することができる。この際不飽和ポリエステル樹脂の含量は、樹脂組成物(I)に対し8〜40質量%の範囲が一般的で、8質量%未満の少量では混練作業に支障をきたし、また人造大理石製品の強度が小さくなる。逆に40質量%を越える多量とすると成形材料を加熱加圧する際に型内で不飽利ポリエステル樹脂と充損材や骨材との分離が起り易く流動が不均一となり、硬化むらが発生し人造大理石製品の表面状態の劣化などをきたすので好ましくないとされている。また必要ならば慣用の低収縮化剤、例えばポリメタクリル酸メチルやその共重合体、ポリ酢酸ビニルやその共重合体、飽和ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテートブチレート等の重合体を必要とする収縮率に応じて適当量添加配合させることができる。また必要ならばガラス繊維やアスベスト繊維などを強化材として配合させることができる。
樹脂組成物(II)を構成する不飽和ポリエステル樹脂、硬化触媒および内部離型剤としては、前記樹脂組成物(I)を構成するそれらと実質同一のものを用いることができる。増粘剤も樹脂組成物(I)を構成するそれと実質同一のものを用いることができるが、その使用量は両樹脂組成物を増粘させた場合に樹脂組成物(II)の方が樹脂組成物(I)に比べてより高度に増粘される量、例えば樹脂組成物(II)中の増粘剤濃慶が樹脂組成物(I)のそれよりも2〜10倍程度となる量とすべきである。2倍未満の少量では、すなわち両樹脂組成物を増粘させた場合に樹脂組成物(II)の粘度が樹脂組成物(I)のそれに比べ同等ないし低粘度では大理石模様が薄くて広すぎこともあり、顔料本来の色彩が得られないなどして綺麗な人造大理石が得られない。一方、10倍を越える多量では粘度が高くなりすぎ、作業性が悪化する。
顔料は樹脂組成物(II)の必須成分で、製品の大理石模様となるもので、このため、樹脂組成物(I)に顔料を含む場合はその色彩と異る色彩の顔料でなければならないが、樹脂組成物(I)で使用する顔料と実質同一のもの、例えばチタンホワイト、鉄黒、クロムエロー、カドミウムオレンジ、ベンガラ、パーマネントレツド、キナクリドンバイオレツト、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、合成真珠箔顔料等の顔料を不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対し0.05〜50質量部の割合で用いることができる。
樹脂組成物(II)は、不飽和ポりエステル樹脂、硬化触媒、内部離型剤、増粘剤および顔料とから成り、常温では一般に液状を呈する組成物で、成形材料の中にあっては樹脂組成物(I)より高度に増粘された状態で存在し、人造大理石製品の中にあっては大理石模様部分を形成するものである。樹脂組成物(II)はこの種の技術において慣用の技術、例えばデイスパー、デイスパーミル、TK式ホモミキサー等の混合機を用いてこれら構成成分を十分混合することにより容易に調製することができる。この際不飽和ポリエステル樹脂の含量は樹脂組成物(II)に対し50〜95質量%の範囲であることが好ましい。また必要ならば慣用の低収縮化剤、例えば樹脂組成物(I)を調製する際に必要ならば使用される低収縮化剤を適当量添加配合させることができる。さらにまた必要に応じ充填材や骨材を配合させ大理石模様の色調を所望のものとすることができるが、これらの材は可及的に少い量であることが望ましい。
人造大理石の製造では、樹脂組成物(I)100質量部に対し樹脂組成物(II)0.1〜30質量部の割合で、樹脂組成物(I)を基材とし該基材に顔料を含む樹脂組成物(II)により所望の大理石模様が描き出されるように両者をかきまぜ、樹脂組成物の揮発性成分の揮散を防止するためポリエチレンラミネートセロハン等で包み常温もしくは加熱により増粘させて調製されるもので、比較的硬い粘土状を呈しており、冷暗所において塊状物や板状物として長期間にわたり貯蔵できるものである。成形材料調製に当たって、増粘は常温においては10〜48時間程度静置しておくだけでよく、加熱においては成形材料のライフが損われない温慶、例えば35〜6℃範囲程度の温度で熟成させることによって容易に行うことができる。人造大理石製品は比較的硬い粘土状を呈し所望の大理石模様が描き出されるように調整された成彩材料を型に付込み加熱加圧し不飽和ポリエステル樹脂を重合硬化させて製造されるものであるが、従来公知の加熱加圧成形法の手順に従って容易に製造することができる。例えば調製直後のあるいは予め調製された冷暗所に貯蔵されている成形材料を所望の金型に仕込み、型締めし、概ね90〜170℃の温度範囲、成形品の投影面積に対し概ね20〜200kg/m2の圧力範囲の条件で加熱加圧成形した後、金型から成形物を離型させ所望の人造大理石製品とする。このような工程で、例えば壁材、化粧洗面台、扉、時計の枠、置物類やその台等を効率よく工業的に生産することができる。
一方、アクリル系樹脂の例としては、メタクリル酸メチルを主体とするビニルモノマー、架橋剤、必要に応じてカルボキシル基含有メタクリル酸メチルポリマー、などを含むいわゆるガムシラップに、重合禁止剤、増粘剤、顔料、内部離型剤、フィラー補強繊維などを添加した樹脂組成物が代表的なもので、この場合も色素を含有させたものと含まないものを適宜混合して、型に流し込み、硬化させて大理石模様を持った人造大理石製品製造される。
メタクリル酸メチルと併用し得るビニルモノマーとしては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸金属塩、フマル酸、フマル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸エステル、芳香族ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、無水マレイン酸等が挙げられる。
併用することができるカルボキシル基含有メタクリル酸メチルポリマーは、メタクリル酸メチルと、不飽和カルボン酸とを共重合することにより得られ、ここで不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノアルキルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル等の一塩基酸、二塩基酸又は二塩基酸のモノアルキルエステル類や、ヒドロキシル基含有ビニル単量体類、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等と二塩基酸又は三塩基酸無水物、例えば無水コハク酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等とを開環付加反応して得られる不飽和カルボン酸類等が用いられる。
なお、カルボキシル基含有メタクリル酸メチルポリマーのメタクリル酸メチルと不飽和カルボン酸以外の構成成分としては、上記のビニルモノマーとして使用される単量体をそのまま適用される場合もある。
架橋剤としては、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジメチロールエタンジメタクリレート、1,1−ジメチロールプロパンジメタクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジメタクリレート等の多官能アクリレート、及び、(メタ)アクリル酸とエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとの多価エステル、ジビニルベンゼン、トリアリールイソシアヌレート、アリールメタクリレート等が挙げられる。中でも、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等の多官能アクリレートなどが通常用いられる。尚、本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリル酸」は、それぞれ「アクリレート又はメタクリレート」、「アクリロイル又はメタクリロイル」及び「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味する。
アクリル系樹脂組成物では型に流し込む成型法のほかに、プレスによる製造も行われている。成形温度については、メタクリル酸メチルの沸点が100℃と低いことから、140℃を超える温度とするのは好ましくない。一般に、既存のプレス金型の温度調整は、蒸気によることから、成形温度は105℃〜140℃とし、この成形温度範囲内で、製品の表面側と裏面側との温度差は10℃〜20℃となるようにする(裏面側を表面側よりも低温とする。)。
型締速度は、これもメタクリル酸メチルの気化を考慮してチャージ〜加圧完了までを30秒程度とするべく、1〜8mm/secとする。この型締速度であれば、メタクリル酸メチルの目立った揮発は回避されている。
成形圧力は不飽和ポリエステルの場合と同様である。また、型締時の真空脱気は過度に強く行うとメタクリル酸メチルの気化が大きく発生する恐れがあるため、型締の最後の5〜30秒で迅速に行われている。
型締速度は、これもメタクリル酸メチルの気化を考慮してチャージ〜加圧完了までを30秒程度とするべく、1〜8mm/secとする。この型締速度であれば、メタクリル酸メチルの目立った揮発は回避されている。
成形圧力は不飽和ポリエステルの場合と同様である。また、型締時の真空脱気は過度に強く行うとメタクリル酸メチルの気化が大きく発生する恐れがあるため、型締の最後の5〜30秒で迅速に行われている。
この他ベース基材として、アルミナセメント、珪砂、チタン粉末などを配合した表面を持つ人造大理石などがあるが、本発明における硬化性組成物の硬化皮膜はこれらすべての人造大理石に適用できる。
一方、本発明で用いる硬化性組成物は、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと、同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物とを含有する組成物か、あるいは一般式(1)および一般式(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有する組成物である。
また、本発明のハードコート処理物品は、基材上に本発明で用いる硬化性組成物を塗設し、硬化して形成されるハードコート層を有するものであって、ハードコート層は単層であっても複数層から構成されていてもよい。製造工程上簡便な単層であることが好ましい。この場合の単層とは同一組成物で形成されるハードコート層であって、塗布、乾燥(両者を合わせて「塗設」という。)後の組成が、同一組成のものであれば、複数回の塗布で形成されていてもよい。一方、本明細書では、複数層とは組成の異なる複数の組成物で形成されることを表す。本発明では少なくとも一層が、硬化性組成物を塗設、硬化させて形成されるハードコート層であることが必要であり、特に最外層が硬化性組成物を塗設して、硬化させて形成されるハードコート層であることが好ましい。
また、本発明のハードコート処理物品は、基材上に本発明で用いる硬化性組成物を塗設し、硬化して形成されるハードコート層を有するものであって、ハードコート層は単層であっても複数層から構成されていてもよい。製造工程上簡便な単層であることが好ましい。この場合の単層とは同一組成物で形成されるハードコート層であって、塗布、乾燥(両者を合わせて「塗設」という。)後の組成が、同一組成のものであれば、複数回の塗布で形成されていてもよい。一方、本明細書では、複数層とは組成の異なる複数の組成物で形成されることを表す。本発明では少なくとも一層が、硬化性組成物を塗設、硬化させて形成されるハードコート層であることが必要であり、特に最外層が硬化性組成物を塗設して、硬化させて形成されるハードコート層であることが好ましい。
以下に本発明で用いる一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明する。
一般式(1)
一般式(1)
一般式(1)中、R1は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原子もしくはメチル基である。L1は単結合もしくは二価の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、アルキレン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−である。P1は開環重合性基を含む一価の基である。開環重合性基を含む一価の基とはカチオン、アニオン、ラジカルなどの作用により開環重合が進行する環構造を有する一価の基であり、この中でもヘテロ環状化合物のカチオン開環重合が好ましい。好ましいP1としては、エポキシ環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、ラクトン環、カーボネート環、オキサゾリン環などのイミノエーテル環などを含む一価の基が挙げられ、この中でも特に好ましくはエポキシ環、オキセタン環、オキサゾリン環を含む一価の基であり、最も好ましくはエポキシ環を含む一価の基である。
本発明における一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、対応するモノマーを重合させて合成することが簡便で好ましい。この場合の重合反応としてはラジカル重合が最も簡便で好ましい。
以下に一般式(1)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に一般式(1)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(1)で表される繰り返し単位のうち、より好ましい例としては、エポキシ環を有するメタクリレートまたはアクリレートから誘導される繰り返し単位であり、その中でも特に好ましい例としてグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートから誘導されるE−1、E−3をあげることができる。また、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(1)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマーであってもよく、その中でも特にE−1、E−3いずれかのコポリマーとすることでより効果的に硬化収縮を低減できる。
一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは一般式(1)以外の繰り返し単位(例えば開環重合性基を含まない繰り返し単位)を含んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーの開環重合性基の含有量をコントロールする目的で一般式(1)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとすることができる。一般式(1)以外の繰り返し単位の導入方法は、対応するモノマーを共重合させて導入する手法が好ましい。
一般式(1)以外の繰り返し単位を、対応するビニルモノマーを共重合することによって導入する場合、好ましく用いられるモノマーとしては、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から誘導されるエステル類もしくはアミド類(例えば、N−i−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メチル−2−ニトロプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ペンチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシメトキシエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2−ジメチルブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、セチルアクリレート、ベンジルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−メチル−2−プロピルペンチルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、メチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、2−イソボルニルメタクリレート、2−ノルボルニルメチルメタクリレート、5−ノルボルネン−2−イルメチルメタクリレート、3−メチル−2−ノルボルニルメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなど)、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導されるエステル類(マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチルなど)、マレイミド類(N−フェニルマレイミドなど)、マレイン酸、フマル酸、p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジエン類(例えばブタジエン、シクロペンタジエン、イソプレン)、芳香族ビニル化合物(例えばスチレン、p−クロルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、1−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等が挙げられる。これらのビニルモノマーは2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら以外のビニルモノマーはリサーチディスクロージャーNo.1955(1980年、7月)に記載されているものを使用することができる。本発明ではアクリル酸またはメタクリル酸から誘導されるエステル類、およびアミド類、および芳香族ビニル化合物が特に好ましく用いられるビニルモノマーである。
一般式(1)以外の繰り返し単位として開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位も導入することができる。特に、ハードコート層の硬度を高めたい場合や、基材もしくはハードコート上に別の機能層を用いる場合の層間の接着性を改良したい場合、開環重合性基以外の反応性基を含むコポリマーとする手法は好適である。開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位の導入方法は対応するビニルモノマー(以下、「反応性モノマー」と称する。)を共重合する手法が簡便で好ましい。
以下に反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチルメタクリレートなど)、N−メチロール基含有ビニルモノマー(例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど)、カルボキシル基含有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、安息香酸ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモノマー(例えばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート)、酸無水物含有ビニルモノマー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル基含有ビニルモノマー(例えばアクロレイン、メタクロレイン)、スルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えばスチレンスルフィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビニルモノマー(例えばアセトアセトキシエチルメタクリレート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含有モノマー(例えばアリルアミン)、アルコキシシリル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)などが挙げられる。
一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、30質量%以上100質量%以下、好ましくは50質量%以上100質量%以下、特に好ましくは70質量%以上100質量%以下である。一般式(1)以外の繰り返し単位が、架橋反応性基を有さない場合、その含量が多すぎると硬度が低下し、架橋反応性基を有する場合、硬度は維持できることもあるが、硬化収縮が大きくなったり、脆性が悪化する場合がある。特にアルコキシシリル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)と一般式(1)で表される繰り返し単位の共重合体を用いる場合などのように架橋反応時に脱水、脱アルコールなどの分子量低下を伴う場合、硬化収縮が大きくなりやすい。このような分子量低下を伴って架橋反応が進行する架橋反応性基を有する繰り返し単位を一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーに導入する場合の一般式(1)で表される繰り返し単位が含まれる好ましい割合は、70質量%以上99質量%以下、より好ましくは80質量%以上99質量%以下、特に好ましくは90質量%以上99質量%以下である。
一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は質量平均分子量で1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。
以下に一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表1および表2に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(1)で表される繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
以下、本発明に用いることのできる同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物について説明する。好ましいエチレン性不飽和基の種類は、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニルエーテル基であり、特に好ましくはメタクリロイル基又はアクリロイル基であり、特に好ましくはアクリロイル基である。エチレン性不飽和基を含む化合物はエチレン性不飽和基を分子内に2個以上有していればよいが、より好ましくは3個以上である。そのなかでもアクリロイル基を有する化合物が好ましく、分子内に2〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に数個のアクリル酸エステル基を有する分子量が数百から数千のオリゴマーを好ましく使用できる。
これら分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物の好ましい具体例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート類、ビスフェノールAのジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールのジアクリレート等のエポキシアクリレート類、ポリイソシナネートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート等を挙げることができる。また、このような化合物は市販もされていて、EB−600、EB−40、EB−140、EB−1150、EB−1290K、IRR214、EB−2220,TMPTA、TMPTMA(以上、ダイセル・ユーシービー(株)製)、UV−6300、UV−1700B(以上、日本合成化学工業(株)製)などが挙げられる。
上記で挙げた分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物のなかでも特に好ましい化合物として分子内に3個以上のアクリロイル基を有しアクリロイル当量が120以下の化合物が挙げられ、具体例としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
上記で挙げた分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物のなかでも特に好ましい化合物として分子内に3個以上のアクリロイル基を有しアクリロイル当量が120以下の化合物が挙げられ、具体例としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
また、本発明では分子内に複数のエチレン性不飽和基を有する化合物として一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーも好ましく使用できる。以下、一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明する。
一般式(2)
一般式(2)
一般式(2)中、R2は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原子もしくはメチル基である。
P2は、エチレン性不飽和基を含む一価の基である。
L2は、単結合もしくは二価の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、アルキレン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−である。
好ましいP2としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基を含む一価の基であり、最も好ましくはアクリロイル基を含む一価の基である。
P2は、エチレン性不飽和基を含む一価の基である。
L2は、単結合もしくは二価の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、アルキレン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−である。
好ましいP2としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基を含む一価の基であり、最も好ましくはアクリロイル基を含む一価の基である。
以下に一般式(2)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、(a)対応するモノマーを重合させて直接エチレン性不飽和基を導入する手法で合成してもよく、(b)任意の官能基を有するモノマーを重合して得られるポリマーに高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する手法で合成してもよい。また、(a)および(b)の手法を組み合わせて合成することもできる。重合反応としてはラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合などが挙げられる。前記、(a)の方法を用いる場合、重合反応により消費されるエチレン性不飽和基と架橋性ポリマー中に残されるエチレン性不飽和基の重合性の差を利用することが好ましい。
例えば、一般式(2)の好ましいP2のなかで、アクリロイル基、メタクリロイル基を含む一価の基を用いる場合、架橋性ポリマーを生成させる重合反応をカチオン重合とすることで前記(a)の手法によって本発明で用いる架橋性ポリマーを得ることができる。一方、P2をスチリル基を含む一価の基とする場合、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれの方法をとってもゲル化が進行しやすいため通常前記(b)の手法によって本発明で用いる架橋性ポリマーを合成する。
例えば、一般式(2)の好ましいP2のなかで、アクリロイル基、メタクリロイル基を含む一価の基を用いる場合、架橋性ポリマーを生成させる重合反応をカチオン重合とすることで前記(a)の手法によって本発明で用いる架橋性ポリマーを得ることができる。一方、P2をスチリル基を含む一価の基とする場合、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれの方法をとってもゲル化が進行しやすいため通常前記(b)の手法によって本発明で用いる架橋性ポリマーを合成する。
このように前記(b)に記述した高分子反応を利用する手法は一般式(2)で示される架橋性ポリマー中に導入されるエチレン性不飽和基の種類によらず、架橋性ポリマーを得ることが可能であり、有用である。高分子反応は、i)例えば2−クロロエチル基から塩酸を脱離させるようなエチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基を含むポリマーを生成させたあとに官能基変換(脱離反応、酸化反応、還元反応、脱保護反応など)によりエチレン性不飽和基に誘導する方法と、ii)任意の官能基を含むポリマーを生成させたあとに、該ポリマー中の官能基と結合生成反応が進行し、共有結合を生成しうる官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する化合物(以降、「反応性モノマー」と称する。)を反応させる方法が挙げられる。またこれらi)、ii)の方法は、組み合わせて行ってもよい。ここで言う結合形成反応とは、一般に有機合成分野で用いられる結合生成反応のなかで共有結合を形成する反応であれば特に制限なく使用できる。一方で、架橋性ポリマーに含まれるエチレン性不飽和基が反応中に熱重合し、ゲル化してしまう場合があるので、できるだけ低温(好ましくは60℃以下、特に好ましくは室温以下)で反応が進行するものが好ましい。また反応の進行を促進させる目的で触媒を用いても良く、ゲル化を抑制する目的で重合禁止剤を用いてもよい。
以下に好ましい高分子結合形成反応が進行する官能基の組み合わせの例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではない。
加熱もしくは室温で反応が進行する官能基の組み合わせとしては、(イ)ヒドロキシル基に対して、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、ホルミル基、アセタール基、(ロ)イソシアネート基に対してヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、N−メチロール基、(ハ)カルボキシル基に対して、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、N−メチロール基、(ニ)N−メチロール基に対して、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、(ホ)エポキシ基に対して、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、N−メチロール基、(ヘ)ビニルスルホン基に対してスルフィン酸基、アミノ基、(ト)ホルミル基に対してヒドロキシル基、メルカプト基、活性メチレン基、(チ)メルカプト基に対して、ホルミル基、ビニル基(アリル基、アクリル基など)、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、(リ)アミノ基に対して、ホルミル基、ビニル基(アリル基、アクリル基など)、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、などの組み合わせが挙げられる。
以下に反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチルメタクリレートなど)、N−メチロール基含有ビニルモノマー(例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど)、エポキシ基含有ビニルモノマー(例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、CYCLOMER−M100、A200(ダイセル化学工業(株)製)など)、カルボキシル基含有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、安息香酸ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモノマー(例えばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート)、酸無水物含有ビニルモノマー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル基含有ビニルモノマー(例えばアクロレイン、メタクロレイン)、スルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えばスチレンスルフィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビニルモノマー(例えばアセトアセトキシエチルメタクリレート)、ビニル基含有ビニルモノマー(例えばアリルメタクリレート、アリルアクリレート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含有モノマー(例えばアリルアミン)、が挙げられる。
前記ii)に記載した任意の官能基を含むポリマーは、反応性官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する反応性モノマーの重合を行うことで得ることができる。また、ポリ酢酸ビニルを変性して得られるポリビニルアルコールのように反応性の低い前駆体モノマーの重合後、官能基変換を行うことで得ることもできる。これらの場合の重合方法としては、ラジカル重合が最も簡便で好ましい。
本発明で用いる一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(2)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマーであってもよく、また、一般式(2)以外の繰り返し単位(例えばエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位)を含んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーのエチレン性不飽和基の含有量をコントロールする目的で一般式(2)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとする手法は好適である。一般式(2)以外の繰り返し単位の導入方法は、a)対応するモノマーを共重合させて直接導入する手法を用いてもよく、b)官能基変換可能な前駆体モノマーを重合させ、高分子反応により導入する手法を用いてもよい。また、a)およびb)の手法を組み合わせて導入することもできる。
a)の手法によって一般式(2)以外の繰り返し単位を、対応するビニルモノマーを重合することによって導入する場合、好ましく用いられるモノマーの例としては、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの説明で述べた一般式(1)以外の繰り返し単位として挙げたものと同じである。
また、一般式(2)で表される繰り返し単位を前記(b)のように高分子反応で導入し、反応を完結させない場合、エチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基や反応性官能基を含む繰り返し単位を有する共重合体となるが、本発明では特に制限なく用いることができる。
上記で挙げたビニルモノマーから誘導されるエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位の大部分は前述したb)官能基変換可能な前駆体モノマーを重合させ、高分子反応により導入することも可能である。一方で、一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、高分子反応によってのみでしか、導入できない一般式(2)以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。典型的な例としてポリ酢酸ビニルを変性して得られるポリビニルアルコールやポリビニルアルコールのアセタール化反応によって得られるポリビニルブチラール等を挙げることができる。これらの繰り返し単位の具体的な例を以下に示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(2)で表される繰り返し単位が含まれる好ましい割合は、30質量%以上100質量%以下、より好ましくは50質量%以上100質量%以下、特に好ましくは70質量%以上100質量%以下である。
一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は質量平均分子量で1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。
以下に一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表3に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(2)で表される繰り返し単位とポリビニルアルコールなどの繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
以下に一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明する。ここで言う一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位は前記したものと同じものであり、好ましい形態も同じである。また、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位で構成されるコポリマーであってもよく、一般式(1)および(2)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーであってもよい。また、エチレン性不飽和基および開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位を含んだコポリマーであってもよく、いずれの場合も好ましい態様は前記で挙げたものと同じである。
一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以上99質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量%以下、特に好ましくは30質量%以上70質量%以下であり、一般式(2)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以上99質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量%以下、特に好ましくは30質量%以上70質量%以下である。
一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は質量平均分子量で1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーが、一般式(1)および(2)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーの場合、一般式(1)および(2)以外の繰り返し単位が、架橋反応性基を有さない場合、その含量が多すぎると硬度が低下し、架橋反応性基を有する場合、硬度は維持できることもあるが、硬化収縮が大きくなったり、脆性が悪化する場合がある。特にアルコキシシリル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)と一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位の3元共重合体を用いる場合などのように架橋反応時に脱水、脱アルコールなどの分子量低下を伴う場合、硬化収縮が大きくなりやすい。このような分子量低下を伴って架橋反応が進行する架橋反応性基を有する繰り返し単位を一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーに導入する場合の一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位が含まれる好ましい割合は、70質量%以上99質量%以下、より好ましくは80質量%以上99質量%以下、特に好ましくは90質量%以上99質量%以下である。
一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表4に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位とポリビニルアルコールなどの繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
本発明における硬化性組成物は、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと、同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の両方を含有するか、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有するいずれかの組成物である。
本発明における硬化性組成物が、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと、同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の両方を含有する場合、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の好ましい混合比は用いる化合物の種類によっても異なるが、エチレン性不飽和基を含む化合物の割合が30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは50質量%以上80質量%以下である。
また、本発明における硬化性組成物中には、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー以外の開環重合性基を含む化合物も添加することができる。ここで言う開環重合性基を含む化合物とはカチオン、アニオン、ラジカルなどの作用により開環重合が進行する環構造を有する化合物であり、この中でもヘテロ環状化合物のカチオン開環重合が好ましい。このような化合物としてエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類などが挙げられ、特にエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、オキサゾリン誘導体が好ましい。同一分子内に有する開環重合性基の数は特に制限はなく、1個以上有していればよいが、2個以上の開環重合性基を有する化合物がより好ましい。このような化合物の具体例としては、例えばグリシジルエーテル類としてエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど、脂環式エポキシ類としてセロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401、EHPE3150CE(以上、ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど、オキセタン類としてOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)などが挙げられる。
また、本発明における硬化性組成物中には、同一分子内に1個のエチレン性不飽和基を含む化合物も添加することができる。このような化合物の好ましい例としては一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの説明で述べた共重合可能なビニルモノマーや反応性モノマーの例を挙げることができる。
本発明における硬化性組成物が、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の両方を含有する場合の上記で挙げた一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー以外の開環重合性基を含む化合物および同一分子内に1個のエチレン性不飽和基を含む化合物の添加量は、架橋性ポリマーも含めた全ての開環重合性基を含む化合物およびエチレン性不飽和基を含む化合物の総質量に対し、50質量%以下であり、好ましくは30質量%以下である。
本発明における硬化性組成物が、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有する場合も、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー以外の開環重合性基を含む化合物を添加することができ、好ましい化合物例は上記で挙げたものと同じである。 また、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー以外のエチレン性不飽和基を含む化合物も添加することができる。この場合、同一分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和基が含まれていればよいが、2個以上がより好ましく、3個以上が特に好ましい。同一分子内に1個のエチレン性不飽和基を含む化合物の好ましい例としては一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの説明で述べた共重合可能なビニルモノマーや反応性モノマーの例を挙げることができ、同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の例としては一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと併用する場合と同じであり、好ましい例も同じである。
本発明における硬化性組成物が、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含む場合、上記で挙げた一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー以外の開環重合性基を含む化合物およびエチレン性不飽和基を含む化合物の添加量は、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位を含む割合により異なるが、架橋性ポリマーも含めた全ての開環重合性基を含む化合物およびエチレン性不飽和基を含む化合物の総質量に対し、50質量%以下であり、好ましくは30質量%以下である。
本発明では、エチレン性不飽和基を含む化合物と開環重合性基を含む化合物の両方の化合物の架橋反応が進行することが好ましい。エチレン性不飽和基の好ましい架橋反応はラジカル重合反応であり、開環重合性基の好ましい架橋反応はカチオン重合反応である。いずれの場合も熱および/または光の作用により、重合反応を進行させることができる。通常、重合開始剤と称される少量のラジカル発生剤もしくはカチオン発生剤(もしくは酸発生剤)を添加し、熱および/または光によりこれらを分解し、ラジカルもしくはカチオンを発生させ重合を進行させる方法が一般的である。ラジカル重合とカチオン重合は別々に行ってもよいが、同時に進行させることが好ましい。ラジカル発生剤を添加せずに架橋反応を進行させる方法として単に加熱する方法もあるが、電子線を照射する方法が好ましく用いられる。
本発明における硬化性樹脂組成物を人造大理石表面に処理する場合人造大理石自身の耐熱性が低い場合は、加熱により硬化させる時に、できるだけ低温で硬化させることが好ましい。その場合の加熱温度は、140度以下、より好ましくは100度以下である。一方で光の作用による硬化は、低温で架橋反応が進行する場合が多く、好ましく用いられる。さらに放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線などの活性エネルギー線を利用する方法が好ましく、その中でも紫外線によりラジカルもしくはカチオンを発生させる重合開始剤を添加し、紫外線により硬化させる方法が特に好ましい。また、活性エネルギー線を照射するときの温度は特に制限はないが、低温で行うことにより硬化後の体積収縮が抑えられ、人造大理石のようなプラスチック基材の場合、基材の変形が少なく、有利な場合が多い。この場合の好ましい温度は80℃以下であり更に好ましくは50℃以下である。また活性エネルギー線を照射した後、加熱することにより、さらに硬化を進行させることができる場合があり、必要に応じて用いることができる。この場合の好ましい加熱温度は140℃以下である。
光の作用によってカチオンを発生させる光酸発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩やジアリールヨードニウム塩などのイオン性の化合物やスルホン酸のニトロベンジルエステルなどの非イオン性の化合物が挙げられ、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」ぶんしん出版社刊(1997)などに記載されている化合物等種々の公知の光酸発生剤が使用できる。この中で特に好ましくはスルホニウム塩もしくはヨードニウム塩であり、対イオンとしてはPF6 −、SbF6 −、AsF6 −、B(C6F5)4 −などが好ましい。
光の作用によりラジカルを発生させる重合開始剤の例としてはアセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物等が好ましい。アセトフェノン系化合物としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン等が挙げられる。ベンジル系化合物としては、例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。ベンゾインエーテル系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーズケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。このような芳香族ケトン類からなる感光性ラジカル重合開始剤の中でも、アセトフェノン系化合物及びベンジル系化合物が、硬化特性、保存安定性、臭気等の面で特に好ましい。これらの芳香族ケトン類からなる感光性ラジカル重合開始剤は、1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
また上記で挙げたように通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども光の作用によりラジカル発生剤として機能するため、本発明ではこれらを単独でもちいてもよい。また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン等が含まれる。
重合開始剤は、それぞれ複数種を組み合わせて用いてもよいし、単独でラジカルとカチオンの両方を発生させるような化合物の場合など単独で用いることができる。重合開始剤の添加量としては、硬化性組成物中に含まれる架橋性ポリマーも含めたエチレン性不飽和基含有化合物と開環重合性基含有化合物の総質量に対し、0.1乃至15質量%の範囲で使用することが好ましく、1乃至10質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。
本発明において一般式(1)で表される繰り返し単位を有する架橋性ポリマーや、一般式(2)で表される繰り返し単位を有する架橋性ポリマーおよび一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー(本発明において、これらを合わせて「本発明で用いるポリマー」とも称する。)は通常、固体もしくは高粘度液体となり単独での塗布は困難であり、ポリマーが水溶性の場合や水分散物とした場合は水系で塗布することもできるが、通常有機溶媒に溶解して塗布される。有機溶媒としては、本発明で用いるポリマーを可溶ならしめるものであれば特に制限なく使用できる。好ましい有機溶媒としては、メチルエチルケトン等のケトン類、イソプロパノール等のアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。また、前記した単官能もしくは多官能のビニルモノマーや単官能もしくは2官能もしくは3官能以上の開環重合性基を有する化合物が低分子量化合物である場合、これらを併用すると、硬化性組成物の粘度を調節することが可能であり、溶媒を用いなくても塗布可能とすることもできる。
本発明において基材自身の硬度が低い場合にもハードコート処理人造大理石の硬化後のハードコート層の膜厚を厚くすることで、ハードコート処理人造大理石の硬度を高めることができる。本発明におけるハードコート層の膜厚は基材の硬度によっても異なり、特に制限はないが、ハードコート層の膜厚を厚くすることで本発明の特徴である硬度が高く、ひび割れ、膜剥がれが生じにくいという効果が顕著に現れる。好ましい膜厚としては、1〜200μmであり、より好ましくは3〜200μmであり、さらに好ましくは5〜200μmであり、その中でも特に好ましくは10〜200μmである。
本発明のハードコート処理人造大理石の表面は硬度が高いことが好ましい。本発明で言うハードコート処理人造大理石の表面の硬度はJIS K5400で定義される鉛筆硬度で表すことができ、ハードコート処理人造大理石のハードコート処理表面を直接鉛筆で引っかくことによって鉛筆硬度を評価することができる。この場合の鉛筆硬度は基材の種類によっても異なるため特に制限はないが、好ましくは3H〜9H、より好ましくは4H〜9H、特に好ましくは5H〜9Hである。
本発明のハードコート処理人造大理石は、本発明で用いる架橋性ポリマーのほかにエチレン性不飽和基含有化合物、開環重合性基含有化合物、重合開始剤、架橋微粒子、溶媒などで構成される硬化性組成物を人造大理石上に塗設し、硬化することで得ることができる。硬化性組成物にはその他、紫外線吸収剤、塗布性改良のための界面活性剤、帯電防止剤など、従来公知の添加剤を添加してもよい。塗布方法としてはカーテンコーティング、ディップコーティング、印刷コーティング、スプレーコーティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。
さらに、人造大理石と硬化性樹脂の接着性を向上させる目的で、基材表面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。上記表面処理法としては、例えば薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火焔処理、高周波処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線照射処理、活性プラズマ処理、混酸処理等が挙げられる。更に、一層以上の下塗り層を設けることができる。下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ビニルエステル等の共重合体またこれらのラテックス、ポリエステル、ポリウレタン、およびゼラチン等の水溶性ポリマー等が挙げられる。
本発明で用いる硬化性樹脂組成物にはハードコート機能のほかに、紫外線吸収・赤外線吸収、選択波長吸収、電磁波シールド機能や防汚性等の各種機能を付与することができる。これらの機能は、従来公知の技術、例えば、新たに機能性層として塗布する場合、あるいは接着剤層に付与、あるいは粘着剤層に付与することなどによって作製することができる。これら機能性層を本発明の硬化性樹脂処理人造大理石のハードコート層の上にさらに接着のための表面処理をして設けることもできる。表面処理法としては、前記、基材の表面処理方法として挙げた方法が好ましく使用できる。また、接着層としては前記、基材上に施される下塗り層で挙げた素材が好ましく使用できる。
以下に本発明で用いるポリマーの合成例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1)ポリマーK−1の合成
メチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬工業(株)製重合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したものを全量添加した。その後、グリシジルメタクリレート(50g)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のMEK(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。その後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終了後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時間減圧乾燥し、K−1を45g得た。
(合成例1)ポリマーK−1の合成
メチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬工業(株)製重合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したものを全量添加した。その後、グリシジルメタクリレート(50g)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のMEK(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。その後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終了後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時間減圧乾燥し、K−1を45g得た。
(合成例2)ポリマーP−1の合成
1b(3.0mol)をテトラヒドロフラン(THF)1400ml中に溶かし、反応器を5℃に冷却した。そこに1a(3.15mol)を1時間かけて滴下し、その後6時間反応させた。得られた反応溶液を30℃で減圧濃縮後、重合禁止剤として1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル,フリーラジカルを0.3g添加し、減圧蒸留を行った。133Pa減圧下で118〜121℃の留分を採取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:アセトン/ヘキサン=5/95(体積比))にて精製し、1cを362g得た。
次にメチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬工業(株)製重合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したものを全量添加した。その後、1c(50g)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のMEK(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。その後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終了後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時間減圧乾燥し、1dを43g得た。
次に1d(43g)をアセトン(390ml)に溶解し、5℃に冷却した。そこにトリエチルアミン(390mmol)を1時間かけて滴下させ、滴下終了後、室温で24時間反応させた。その後、反応容器を5℃に冷却し、6規定の塩酸水溶液29.3mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間攪拌させた。得られた反応溶液に酢酸エチル(1L)と10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)を加えて攪拌後、水層を分離した。更に有機層を10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃縮後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、ポリマーP−1を33g得た。
次にメチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬工業(株)製重合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したものを全量添加した。その後、1c(50g)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のMEK(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。その後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終了後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時間減圧乾燥し、1dを43g得た。
次に1d(43g)をアセトン(390ml)に溶解し、5℃に冷却した。そこにトリエチルアミン(390mmol)を1時間かけて滴下させ、滴下終了後、室温で24時間反応させた。その後、反応容器を5℃に冷却し、6規定の塩酸水溶液29.3mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間攪拌させた。得られた反応溶液に酢酸エチル(1L)と10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)を加えて攪拌後、水層を分離した。更に有機層を10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃縮後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、ポリマーP−1を33g得た。
(合成例3)ポリマーP−19の合成
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−105:鹸化度98.5%)30gをジメチルスルホキシド1000mlに溶解後、ピリジン(200ml)とニトロベンゼン10mlを添加し、10℃まで冷却した。その後、無水アクリル酸100mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、室温で24時間反応させた。得られた反応溶液を水20Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を1Lの酢酸エチルに溶解し、2規定の塩酸水溶液(1L)で2回洗浄した。さらに10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃縮後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、ポリマーP−19を28g得た。
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−105:鹸化度98.5%)30gをジメチルスルホキシド1000mlに溶解後、ピリジン(200ml)とニトロベンゼン10mlを添加し、10℃まで冷却した。その後、無水アクリル酸100mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、室温で24時間反応させた。得られた反応溶液を水20Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を1Lの酢酸エチルに溶解し、2規定の塩酸水溶液(1L)で2回洗浄した。さらに10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃縮後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、ポリマーP−19を28g得た。
(合成例4)ポリマーC−1の合成
1b(3.0mol)をテトラヒドロフラン(THF)1400ml中に溶かし、反応器を5℃に冷却した。そこに1a(3.15mol)を1時間かけて滴下し、その後6時間反応させた。得られた反応溶液を30℃で減圧濃縮後、重合禁止剤として1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル,フリーラジカルを0.3g添加し、減圧蒸留を行った。133Pa減圧下で118〜121℃の留分を採取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:アセトン/ヘキサン=5/95(体積比))にて精製し、1cを362g得た。
次にメチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬工業(株)製重合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したものを全量添加した。その後、1c(41.9g)とグリシジルメタクリレート(15.0g)の混合物を2時間かけて滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のMEK(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。その後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終了後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時間減圧乾燥し、1dを49g得た。
次に1d(49g)をアセトン(390ml)に溶解し、5℃に冷却した。そこにトリエチルアミン(390mmol)を1時間かけて滴下させ、滴下終了後、室温で24時間反応させた。その後、反応容器を5℃に冷却し、6規定の塩酸水溶液29.3mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間攪拌させた。得られた反応溶液に酢酸エチル(1L)と10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)を加えて攪拌後、水層を分離した。更に有機層を10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃縮後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、ポリマーC−1(x/y=70/30質量%)を36g得た。
次にメチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬工業(株)製重合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したものを全量添加した。その後、1c(41.9g)とグリシジルメタクリレート(15.0g)の混合物を2時間かけて滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のMEK(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。その後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終了後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時間減圧乾燥し、1dを49g得た。
次に1d(49g)をアセトン(390ml)に溶解し、5℃に冷却した。そこにトリエチルアミン(390mmol)を1時間かけて滴下させ、滴下終了後、室温で24時間反応させた。その後、反応容器を5℃に冷却し、6規定の塩酸水溶液29.3mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間攪拌させた。得られた反応溶液に酢酸エチル(1L)と10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)を加えて攪拌後、水層を分離した。更に有機層を10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃縮後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、ポリマーC−1(x/y=70/30質量%)を36g得た。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<硬化性組成物の調製>
(i)架橋性ポリマーと(ii)エチレン性不飽和基含有化合物と(iii)開環重合性基含有化合物と(iv)ラジカル重合開始剤(イルガキュア184(チバガイギー社製))と(v)カチオン重合開始剤(UVI−6990(ユニオンカーバイド日本(株)製)をメチルエチルケトンに溶解後、30分攪拌し、硬化性組成物を得た。なお、(i)架橋性ポリマーと(ii)エチレン性不飽和基含有化合物と(iii)開環重合性基含有化合物の種類は表5記載の組み合わせで選択した。なお、架橋性ポリマーのうちエチレン性不飽和基と開環重合性基の両方を有するポリマーは「本発明のコポリマー」(本発明で用いるコポリマー)の欄に、開環重合性基のみを有するポリマーは開環重合性基含有化合物の欄に、エチレン性不飽和基のみを有するポリマーはエチレン性不飽和基含有化合物の欄に記載した。
(i)架橋性ポリマーと(ii)エチレン性不飽和基含有化合物と(iii)開環重合性基含有化合物と(iv)ラジカル重合開始剤(イルガキュア184(チバガイギー社製))と(v)カチオン重合開始剤(UVI−6990(ユニオンカーバイド日本(株)製)をメチルエチルケトンに溶解後、30分攪拌し、硬化性組成物を得た。なお、(i)架橋性ポリマーと(ii)エチレン性不飽和基含有化合物と(iii)開環重合性基含有化合物の種類は表5記載の組み合わせで選択した。なお、架橋性ポリマーのうちエチレン性不飽和基と開環重合性基の両方を有するポリマーは「本発明のコポリマー」(本発明で用いるコポリマー)の欄に、開環重合性基のみを有するポリマーは開環重合性基含有化合物の欄に、エチレン性不飽和基のみを有するポリマーはエチレン性不飽和基含有化合物の欄に記載した。
重合開始剤は、本発明で用いる架橋性ポリマーも含めたエチレン性不飽和基含有化合物と開環重合性基含有化合物の総質量に対し、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤を2.9%ずつ添加した。なお、開環重合性基含有化合物を含まない場合はラジカル重合開始剤のみを5.8%添加した。
ここで
DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート/ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製)
UV−6300:ウレタンアクリレート(日本合成化学工業(株)製)
DTPTA:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(Aldrich製)
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート(Aldrich製)
ECMECC:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(Aldrich製)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(Aldrich製)
ここで
DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート/ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製)
UV−6300:ウレタンアクリレート(日本合成化学工業(株)製)
DTPTA:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(Aldrich製)
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート(Aldrich製)
ECMECC:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(Aldrich製)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(Aldrich製)
<人造大理石試料1の製作>
イソフタル酸25部、無水マレイン酸35部およびプロピレングリコール40部を用い常法にてエステル化させて得られた不飽和ポリエステル75部とスチレン25部とハイドロキノン500ppm当量とを相互溶解させ不飽和ポリエステル樹脂(以下、樹脂Aと記す。)を調製した。ポリスチレン(三菱モンサント化成株式会社製、ダイヤレックスHT−44)30部とスチレン70部とを混合溶解させ低収縮化剤としたo
ホモミキサーに樹脂A75部、低収縮化剤25部、ステアリン酸亜鉛2部、tert−ブチルパーベンゾエイト1部、酸化マグネシウム(協和マグ#100)3部および鉄黒15部を仕込み十分混合し樹脂組成物(II)を調製した。この際、摩擦熱による昇温を防ぐため、外部より冷した。モルタルミキサーに樹脂A75部、低収縮化剤
25部、炭酸カルシウム(日東紛化NS#100)200部、径2mmの寒水石200部、ステアリン酸亜鉛2部、tert−ブチルパーベンゾエイト1部および酸化マグネシウム(協和マグ#100)1部を仕込み十分混練し樹脂組成物(I)を調製した。
その後樹脂組成物(I)100部に対し樹脂組成物(II)2部の割合で樹脂組成物皿)を滴下しつつ所定の大理石模様が描き出されるまでかきまぜた。ついで
モルタルミキサーより取出し、ポリエチレンラミネートセロハンで包み、常温で1昼夜放置して増粘させ粘度が25℃でE価955の比較的硬い粘土状の模様付けされた成形材料を得た。
このようにして得られた成形材料を金型に仕込み、圧力70kg/m2、金型温度150℃、型締時問3分の条件で成形したところ、外形700mm×900mm、肉厚15mmの綺麗で鮮明な大理石模様を有する人造大理石試料1を作成した。
イソフタル酸25部、無水マレイン酸35部およびプロピレングリコール40部を用い常法にてエステル化させて得られた不飽和ポリエステル75部とスチレン25部とハイドロキノン500ppm当量とを相互溶解させ不飽和ポリエステル樹脂(以下、樹脂Aと記す。)を調製した。ポリスチレン(三菱モンサント化成株式会社製、ダイヤレックスHT−44)30部とスチレン70部とを混合溶解させ低収縮化剤としたo
ホモミキサーに樹脂A75部、低収縮化剤25部、ステアリン酸亜鉛2部、tert−ブチルパーベンゾエイト1部、酸化マグネシウム(協和マグ#100)3部および鉄黒15部を仕込み十分混合し樹脂組成物(II)を調製した。この際、摩擦熱による昇温を防ぐため、外部より冷した。モルタルミキサーに樹脂A75部、低収縮化剤
25部、炭酸カルシウム(日東紛化NS#100)200部、径2mmの寒水石200部、ステアリン酸亜鉛2部、tert−ブチルパーベンゾエイト1部および酸化マグネシウム(協和マグ#100)1部を仕込み十分混練し樹脂組成物(I)を調製した。
その後樹脂組成物(I)100部に対し樹脂組成物(II)2部の割合で樹脂組成物皿)を滴下しつつ所定の大理石模様が描き出されるまでかきまぜた。ついで
モルタルミキサーより取出し、ポリエチレンラミネートセロハンで包み、常温で1昼夜放置して増粘させ粘度が25℃でE価955の比較的硬い粘土状の模様付けされた成形材料を得た。
このようにして得られた成形材料を金型に仕込み、圧力70kg/m2、金型温度150℃、型締時問3分の条件で成形したところ、外形700mm×900mm、肉厚15mmの綺麗で鮮明な大理石模様を有する人造大理石試料1を作成した。
<人造大理石試料2の製作>
ホモミキサーに樹脂A100部、ステアリン酸亜鉛2部、ベンゾイルパーオキサイドのペ一スト3部、チタンホワイト25部および酸化マグネシウム(協和マグ#40)4部を仕込み、十分混合し樹脂組成物(I)を調製した。モルタルミキサーに樹脂A100部、炭酸カルシウム80部、径2mmの寒水石100部、ステアリン酸亜鉛2部、ベンゾイルパーオキサイトのぺースト3部、酸化マグネシウム(協和マグ#40)0.7部および鉄黒15部を仕込み十分混練し、樹脂組成物(I)を調製した。樹脂組成物(I)100部に対し樹脂組成物(II)5部の割合で用い、40℃で24時間放置する他は人造大理石試料1の製作と同じ手順に従って25℃でE価200の成形材料を得た。この成形材糾を用い、人造大理石試料1の製作と同じ手順に従って人造大理石試料2を作成した。
ホモミキサーに樹脂A100部、ステアリン酸亜鉛2部、ベンゾイルパーオキサイドのペ一スト3部、チタンホワイト25部および酸化マグネシウム(協和マグ#40)4部を仕込み、十分混合し樹脂組成物(I)を調製した。モルタルミキサーに樹脂A100部、炭酸カルシウム80部、径2mmの寒水石100部、ステアリン酸亜鉛2部、ベンゾイルパーオキサイトのぺースト3部、酸化マグネシウム(協和マグ#40)0.7部および鉄黒15部を仕込み十分混練し、樹脂組成物(I)を調製した。樹脂組成物(I)100部に対し樹脂組成物(II)5部の割合で用い、40℃で24時間放置する他は人造大理石試料1の製作と同じ手順に従って25℃でE価200の成形材料を得た。この成形材糾を用い、人造大理石試料1の製作と同じ手順に従って人造大理石試料2を作成した。
<人造大理石試料3の製作>
(アクリルシラップの組成)
ビニル系モノマー:メタクリル酸メチルモノマー60質量%
架橋剤:多官能アクリレート(ジメタクリル酸エチレングリコール)5質量%
メタクリル酸メチルポリマー:カルボキシル基含有メタクリル酸メチルポリ
マー(平均分子量6万、酸価22.9)35質量%
(アクリル系樹脂配合)
アクリルシラップ:100質量部
硬化剤:t−ブチルパーオキシ−5,5,5−トリメチルヘキサノエート 1質量部
重合禁止剤:メチルターシャルブチルハイドロキノン 0.2質量部
増粘剤:酸化マグネシウム 1質量部
内部離型剤:ステアリン酸亜鉛 1質量部
フィラー:水酸化アルミニウム(平均粒径20μm) 250質量部
補強繊維:ガラス繊維(平均繊維長6mm、平均繊維径12μm) 20質量部
このアクリル系樹脂を用いて下記成形条件でプレス成形し、人造大理石を得た。
成形条件 成形温度:135℃(製品表面側)/120℃(製品裏面側)
型締速度(最終型締速度):5mm/sec
成形時間:7分
成形圧力:5MPa
真空脱気:型締の最後の約10秒間で行った。
(アクリルシラップの組成)
ビニル系モノマー:メタクリル酸メチルモノマー60質量%
架橋剤:多官能アクリレート(ジメタクリル酸エチレングリコール)5質量%
メタクリル酸メチルポリマー:カルボキシル基含有メタクリル酸メチルポリ
マー(平均分子量6万、酸価22.9)35質量%
(アクリル系樹脂配合)
アクリルシラップ:100質量部
硬化剤:t−ブチルパーオキシ−5,5,5−トリメチルヘキサノエート 1質量部
重合禁止剤:メチルターシャルブチルハイドロキノン 0.2質量部
増粘剤:酸化マグネシウム 1質量部
内部離型剤:ステアリン酸亜鉛 1質量部
フィラー:水酸化アルミニウム(平均粒径20μm) 250質量部
補強繊維:ガラス繊維(平均繊維長6mm、平均繊維径12μm) 20質量部
このアクリル系樹脂を用いて下記成形条件でプレス成形し、人造大理石を得た。
成形条件 成形温度:135℃(製品表面側)/120℃(製品裏面側)
型締速度(最終型締速度):5mm/sec
成形時間:7分
成形圧力:5MPa
真空脱気:型締の最後の約10秒間で行った。
<実施例試料の作成>
人造大理石試料1、2、3の表面に対して、上記で作成した硬化性組成物を表5記載の処方、膜厚になるようにバーコーターで塗布、90℃で2分乾燥し、750mJ/cm2の紫外線照射後、90℃、10分加熱することによって、人造大理石表面にハードコート層を形成した。
人造大理石試料1、2、3の表面に対して、上記で作成した硬化性組成物を表5記載の処方、膜厚になるようにバーコーターで塗布、90℃で2分乾燥し、750mJ/cm2の紫外線照射後、90℃、10分加熱することによって、人造大理石表面にハードコート層を形成した。
実施例試料の評価法は以下に示す方法で行った。
(鉛筆硬度の評価法)
作製したハードコート試料を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、JIS S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、1kgのおもりを用いて各硬度の鉛筆で引っ掻きを5回繰り返し、傷が全く認められなかった回数を表した。5回とも傷が全く認められなかった最大の鉛筆硬度がハードコートフィルムの鉛筆硬度である。なお、JIS K5400で定義される傷は(i)塗膜の破れ、(ii)塗膜のすり傷である。
(鉛筆硬度の評価法)
作製したハードコート試料を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、JIS S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、1kgのおもりを用いて各硬度の鉛筆で引っ掻きを5回繰り返し、傷が全く認められなかった回数を表した。5回とも傷が全く認められなかった最大の鉛筆硬度がハードコートフィルムの鉛筆硬度である。なお、JIS K5400で定義される傷は(i)塗膜の破れ、(ii)塗膜のすり傷である。
(ひび割れの評価法)
ハードコート試料を温度60℃、相対湿度90%の条件で1日放置した後、−20℃の冷蔵庫に1日放置(サイクルサーモテスト)を10回繰り返した。このサンプル表面の5cm角内のひび割れを評価した。全くひび割れのないものを○、わずかでもひび割れのあるものを×とした。
ハードコート試料を温度60℃、相対湿度90%の条件で1日放置した後、−20℃の冷蔵庫に1日放置(サイクルサーモテスト)を10回繰り返した。このサンプル表面の5cm角内のひび割れを評価した。全くひび割れのないものを○、わずかでもひび割れのあるものを×とした。
(スチールウールの評価法)
型番#0000のスチールウールに加重200g/cm2をかけ、20回往復で擦ったときの傷を目視で観察した。傷観察されず=○、多少見える△、傷有り=×で評価した。
型番#0000のスチールウールに加重200g/cm2をかけ、20回往復で擦ったときの傷を目視で観察した。傷観察されず=○、多少見える△、傷有り=×で評価した。
表5に示した人造大理石表面へ塗布した硬化性樹脂の評価結果より、硬化性樹脂を使用し、膜厚み10μ以上のときに、鉛筆硬度4H以上、表面ひび割れが無く、かつスチールウールで傷が付かない皮膜を有する人造大理石を得られた。
表6に本発明の実施例と比較例のサンプルをサンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製、WEL−300:ブラックパネル温度63℃で降雨12分、乾燥48分のサイクル)で2000時間耐久テストをした結果を示す。硬化性樹脂を使用したものが長期に渡って、ひび割れ、表面硬度が低下しにくい点で優れたものであることが確認された。
Claims (4)
- 人造大理石の表面に、
下記一般式(1)で表される開環重合性基を有する繰り返し単位、および下記一般式(2)で表されるエチレン性不飽和基を有する繰り返し単位の両方の繰り返し単位を含む架橋性コポリマーを含有する重合性組成物中の、
前記開環重合性基と前記エチレン性不飽和基の両方を重合させて得られるハードコート皮膜を形成させたことを特徴とする
人造大理石処理物品。
一般式(1)
一般式(2)
- ハードコート皮膜の厚みが1〜200μmである、請求項1又は2の人造大理石処理物品。
- 人造大理石は、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂を用いてつくられたものである、請求項1ないし3いずれか1つに記載の人造大理石処理物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004069740A JP2005255467A (ja) | 2004-03-11 | 2004-03-11 | 人造大理石処理物品 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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-
2004
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