JP2005255081A - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】全領域で適度なハンドル戻り性を実現し、開発工数の大幅な増加を抑制しつつ、操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング制御装置を得ることを目的としている。
【解決手段】運転者の操舵を補助するためのトルクを発生するモータと、運転者の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクに基づいて、操舵アシストトルク信号を出力する操舵アシストトルク制御手段と、タイヤが路面から受ける路面反力トルクを測定もしくは演算することにより検出する路面反力トルク検出手段と、該路面反力トルク検出手段により検出された路面反力トルクに基づいて該路面反力トルクと逆方向の路面反力補償トルクに対応する補償値を出力する路面反力トルク補償手段と、上記操舵アシストトルク信号と上記補償値に基づきモータに供給する電流を決定するモータ電流決定手段とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、モータによりトルクを発生させ、ステアリング系の操舵力を補助する自動車用の電動式パワーステアリング制御装置に関し、特に、ステアリング系に作用する路面反力トルクを補償するものに関するものである。
電動パワーステアリング制御装置としては、運転者の操舵トルクに基づいて操舵アシストトルクを演算する操舵アシストトルク制御器と、モータ速度に基づいてダンピング補償トルクを演算するダンピング補償器と、モータ加速度に基づいて慣性補償トルクを演算する慣性補償器を備え、該制御器及び補償器で演算したトルクを基に、モータに供給する電流を決定するものが一般的に知られている。しかしながら、このような装置では、タイヤが路面から受ける路面反力トルクを勘案した制御を行っていないため、適度なハンドル戻り性を実現することが困難という問題があった。
これに対して、従来、路面反力トルクに基づいて切り込みトルクと戻しトルクを演算し、これらに基づいてモータを制御するもの(特許文献1の図1)や、操舵トルクに基づいて操舵アシストトルクを演算するとともに、路面反力トルクに基づいて戻しトルクを演算するもの(特許文献1の図4)が提案されていた。
特許第3353770号公報
しかしながら、このような従来の電動パワーステアリング制御装置について、路面反力トルクに基づいて切り込みトルクと戻しトルクを演算するものについては、運転者の操舵トルクに基づいて演算していた操舵アシストトルクを、路面反力トルクに基づいて演算することになるため、過去蓄積した開発ノウハウを生かすことができず、車種ごとのパラメータマッチング等に時間を要し、開発工数が大幅に増加するという課題がある。一方、操舵トルクに基づいて操舵アシストトルクを演算するとともに、路面反力トルクに基づいて戻しトルクを演算するものについては、操舵アシストトルクを従来同様、操舵トルクに基づいて演算するため、開発工数の大幅な増加は抑制できる。しかしながら、以下に示す課題がある。
一般に、自動車の運転者は、ハンドルを切った後に手を放し、路面反力トルクによる自己復元力によりハンドルを中立位置に戻す場合が多く、これにより操舵の労力を低減している。提案される装置では、路面反力トルクを見かけ上増加させて、ハンドル戻り性を向上させることを行っており、車両自体の路面反力トルクが小さい車両(例えば前軸荷重が小さい車両)においては概ね良好な操舵フィーリングを得ることができる。ところが、車両自体の路面反力トルクが大きい車両(例えば前軸荷重が大きい車両)においては、路面反力トルクをさらに増加させる必要はなく、逆に、良好な操舵フィーリングを得るために、路面反力トルクを見かけ上低減させ、ハンドル戻り性を低減する必要が生じる場合がある。
また、操舵角から実舵角へのギヤ比が一定でない車両(例えば可変ギヤ操舵システム)では、ステアリング軸に伝わる路面反力トルクがギヤ比によって変化する。また、製造上の誤差等によりステアリング機構内の摩擦損失が一定でない場合にも、ステアリング軸に伝わる路面反力トルクは操舵角等によって変化する。このような路面反力トルク特性が特殊な車両においては、路面反力トルクを見かけ上増加させる必要のある領域と、見かけ上低減させる必要のある領域がある。
上述した従来の電動パワーステアリング装置は、路面反力トルクを見かけ上増加させるのみであり、ハンドル戻り性を低減させることはできず、そのため、車両自体の路面反力トルクが大きい車両や車両自体の路面反力トルクが特殊な車両においては、適度なハンドル戻り性を実現することが困難であった。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、車両自体の路面反力トルクが大きい車両においては、路面反力トルクを見かけ上低減させ、また、車両自体の路面反力トルク特性が特殊な車両においては、路面反力トルクを見かけ上低減させる領域と、見かけ上増加させる領域を設けることによって、全領域で適度なハンドル戻り性を実現し、開発工数の大幅な増加を抑制しつつ、操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング制御装置を得ることを目的としている。
この発明による電動パワーステアリング制御装置は、運転者の操舵を補助するためのトルクを発生するモータと、運転者の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクに基づいて、操舵アシストトルク信号を出力する操舵アシストトルク制御手段と、タイヤが路面から受ける路面反力トルクを測定もしくは演算することにより検出する路面反力トルク検出手段と、該路面反力トルク検出手段により検出された路面反力トルクに基づいて該路面反力トルクと逆方向の路面反力補償トルクに対応する補償値を出力する路面反力トルク補償手段と、上記操舵アシストトルク信号と上記補償値に基づきモータに供給する電流を決定するモータ電流決定手段とを備えるものである。
この発明によれば、車両自体の路面反力トルクが大きい車両においては、路面反力トルクを見かけ上低減させ、また、車両自体の路面反力トルク特性が特殊な車両においては、路面反力トルクを見かけ上低減する領域と見かけ上増加させる領域を設けることによって、全領域で適度なハンドル戻り性を実現し、開発工数の大幅な増加を抑制しつつ、操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング制御装置を得ることができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。図1において、1は操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段、2は操舵トルク検出手段1により検出した操舵トルクに基づいて操舵アシストトルク信号を出力する操舵アシストトルク制御手段、5はモータの回転速度を検出するモータ速度検出手段である。6はモータの回転加速度を検出するモータ加速度検出手段であり、例えば、モータ速度検出手段によって検出されたモータ回転速度を微分することによってモータ回転加速度を得る。15は前輪の操舵角を中立位置に復帰させようとする路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段であり、例えば、前輪とステアリング軸とを連結するラックの端に、ロードセルや歪みゲージのような歪測定手段を配置してなるものである。
16は、上記路面反力トルク検出手段により検出した路面反力トルクに基づいて、路面反力トルクを見かけ上低減させるために、上記路面反力トルクと逆方向の路面反力補償トルクを演算し、路面反力補償トルク信号を補償値として出力する路面反力トルク補償手段である。即ち、この実施の形態1に係わる電動パワーステアリング制御装置では、路面反力トルクと逆方向の路面反力補償トルク、言い換えれば、ハンドルが中立位置に復帰するトルクを低減させるためのトルクを演算、出力するものである。
3はモータ速度検出手段により検出したモータ回転速度に基づいてダンピング補償トルク信号を出力するダンピング補償手段、4はモータ加速度検出手段6により検出したモータ回転加速度に基づいて慣性補償トルク信号を演算する慣性補償手段、7は第1の加算器12で演算された、上記操舵アシストトルク信号、上記路面反力補償トルク信号、上記ダンピング補償トルク信号および上記慣性補償トルク信号の和であるモータ目標トルク信号に基づきモータ目標電流信号を出力するモータ電流決定手段、9は第2の加算器13で得られた上記モータ目標電流信号とモータ電流検出手段11により検出されたモータ電流検出信号との誤差に基づいてモータ10に印加する電圧を決定するとともに、モータ10に上記電圧を印加するモータ駆動手段であり、このモータ駆動手段9および第2の加算器13によって、モータ10に通流するモータ電流を、モータ目標電流に一致させるべく制御する。モータ10は印加された上記電圧に応じてトルクを発生し、図示しないステアリング機構にアシストトルクを付与する。
次に、この実施の形態1の電動式パワーステアリング制御装置の動作について、図2のフローチャートに基づき説明する。なお、モータ駆動手段9および第2の加算器13によるモータ目標電流にモータ検出電流を一致させる制御に関しては、例えばPID式の電流F/B制御、あるいは目標電流とモータ速度信号とに基づくオープンループ制御等の一般的に行われる制御を行うため、その詳細説明は省略し、以下では、図1中の一点鎖線で囲まれた、目標モータ電流信号を演算、出力するまでの動作に限定して説明を行う。
まず、ステップS101で、路面反力トルク検出手段15で検出された路面反力トルクを読み込みメモリに記憶する。次に、ステップS102で、操舵トルク検出手段1で検出された操舵トルクを読み込みメモリに記憶する。ステップS103では、モータ速度検出手段5で検出されたモータ速度を読み込みメモリに記憶する。ステップS104では、モータ加速度検出手段6で検出されたモータ加速度信号をメモリに記憶する。次に、ステップS105〜S106では、操舵アシストトルク制御手段2において、ステップS101で記憶した操舵トルクの周波数特性を改善するために位相補償し、この位相補償された操舵トルクに対してマップ演算を行い、操舵アシストトルク信号を求めてメモリに記憶する。
次に、ステップS107で、路面反力トルク補償手段16において、ステップS102で記憶した路面反力トルクに対してマップ演算を行い、路面反力補償トルク信号を求めてメモリに記憶する。ここでは、例えば図3に示すような特性に従って、路面反力トルクに対応する路面反力補償トルクを求める。図3に従えば、路面反力補償トルクは、路面反力トルクに比例関係にあり、かつその方向が逆となる。この路面反力補償トルクが付加されることによって、図4に示すように、車両自体の路面反力トルクから路面反力補償トルク分が差し引かれ、見かけ上の路面反力トルクが低減される。
次いで、ステップS108では、ダンピング補償手段3により、モータ回転速度に比例ゲインを乗じてダンピング補償トルク信号を求めメモリに記憶し、ステップS109では、慣性補償手段4により、モータ回転加速度に比例ゲインを乗じて慣性補償トルク信号を求めメモリに記憶する。次に、ステップS110に進み、第1の加算器12により、上記ステップS106〜S109で求められた操舵アシストトルク信号、路面反力補助トルク信号、ダンピング補償トルク信号及び慣性補償トルク信号を加算してモータ目標トルク信号を求め、これをメモリに記憶する。その後、ステップS111で、モータ電流決定手段7により、上記ステップS111で求められたモータ目標トルク信号にゲインを乗じて目標モータ電流信号を求めてメモリに記憶する。
このようにして求めた目標モータ電流信号を用いてモータ10を駆動し、その発生トルクをステアリング系に作用させることにより、路面反力トルクを見かけ上低減させることができるので、車両自体の路面反力トルクが大きい車両等においても、開発工数の大幅な増加を抑制しつつ、適度なハンドル戻り性を実現し、操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング装置を得ることができる。
なお、ステアリング機構自身のダンピングが強い車両や、ステアリング軸換算の慣性モーメントが小さなモータを装着した車両については、ダンピング補償手段3、慣性補償手段4、モータ速度検出手段5およびモータ加速度検出手段6を省略してもよい。また、操舵アシストトルク制御手段2を操舵トルク並びにその微分値に対して操舵アシストトルク信号を求める構成としてもよい。
なお、この実施の形態1では、図2のステップS106とS107においてはマップ演算をし、ステップS108とS109ではゲインを乗じる演算をする構成としたが、各ステップともゲインを乗じる構成、あるいは、マップ演算とする構成としてもよい。ステップS107において路面反力補助トルクを求める際に、ゲインを乗じる構成とする場合は、路面反力トルク補償手段16を、図5に示すように、検出した路面反力トルクに対するゲインを記憶した路面反力補償ゲインマップ161を用いてゲインをマップ演算し、乗算器162で、このゲインと路面反力トルクを乗じて、路面反力補償トルクを求めるようにすればよい。また、この実施の形態1においては、操舵トルク信号の周波数特性を改善するための位相補償をマイコンのS/W上で構成したが、操舵トルク信号を予めアナログの位相補償器で周波数特性を改善した後、A/D変換してマイコンに取り込む構成としてもよい。なお、その場合には、ステップS105が不要となる。
また、この実施の形態1では、路面反力トルクの検出のためにロードセルや歪みゲージを用いて測定する方法を用いたが、特許第3353770号や特開2003−312521に示される演算方式により、路面反力トルクを算出すれば、ロードセルや歪みゲージおよびそれに付随する配線等が不要となり、電動パワーステアリング制御装置のコストを低減することができる。
さらに、この実施の形態1では、操舵アシストトルク、路面反力補償トルク、ダンピング補償トルクおよび慣性補償トルクを加算して得たモータ目標トルクに基づいて目標モータ電流を求める構成としたが、操舵アシストトルク、路面反力補償トルク、ダンピング補償トルクおよび慣性補償トルクを各々電流に変換した後、加算して目標モータ電流を求めるように構成しても良い。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係わる電動パワーステアリング制御装置について説明する。この実施の形態2に係る電動パワーステアリング制御装置の構成及びフローチャートは、上述の実施の形態1と同じであり詳細な説明は省略する。
実施の形態2においては、路面反力トルク補償手段16において、路面反力補償トルクを求める際、図6に従って、路面反力トルクに対応する路面反力補償トルクを求める。図6に従えば、路面反力トルクの絶対値が所定値より大きい領域(領域A)では、路面反力トルクを見かけ上低減させるべく、路面反力トルクと逆方向の路面反力補償トルクを出力し、それ以外の領域では、路面反力トルクを見かけ上増加させるべく、路面反力トルクと同方向の路面反力補償トルクを出力する。
このように実施の形態2では、路面反力トルクの絶対値が所定値より大きい場合に、路面反力トルクを見かけ上低減させ、路面反力トルクの絶対値が所定値より小さい場合には、路面反力トルクを見かけ上増加させるようにした。これによって、ギヤ比や摩擦損失により図7の破線で示すような大操舵角での路面反力トルク増加率が大きく、小操舵角での路面反力トルク増加率が小さい車両において、見かけ上の路面反力トルクを図7の実線で示すように補償することができ、大操舵角でのハンドル戻り性を低減し、かつ、小操舵角でのハンドル戻り性を向上させることができる。この実施の形態2によれば、このような特殊な路面反力トルク特性を持つ車両においても、全領域で適度なハンドル戻り性を実現し、開発工数の大幅な増加を抑制しつつ、操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング装置を得ることができる。
また、大操舵角での路面反力トルク増加率が大きく、小操舵角での路面反力トルク増加率は適度な車両(図8の破線に示す)においては、路面反力トルクの絶対値が所定値より大きい場合に、路面反力トルクを見かけ上低減させるだけで良く、図9に示す特性に従って路面反力補償トルクを求めれば、見かけ上の路面反力トルクを図8の実線で示すようにでき、全領域で適度なハンドル戻り性を実現し、開発工数の大幅な増加を抑制しつつ、操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング装置を得ることができる。
また、この実施の形態2では、図6あるいは図9の特性に従い、路面反力補償トルクを求めるようにしたが、路面反力トルク補償手段16を図10のように構成し、路面反力補償ゲインマップ163に、図11や図12のような特性を予め記憶させ、このゲインマップを用いるようにしても同等の効果が得られる。また、一定車速では、車両の横加速度やヨーレートは操舵角に概ね比例するため、図10〜図12での操舵角を車両横加速度やヨーレートに置き換えても同等の効果が得られる。
実施の形態3.
次いで、この発明の実施の形態3に係わる電動パワーステアリング制御装置について説明する。この実施の形態3に係る電動パワーステアリング制御装置の構成及びフローチャートは、上述の実施の形態1と同じであり詳細な説明は省略する。
この実施の形態3においては、路面反力トルク補償手段16において、路面反力補償トルクを求める際、図13に従って、路面反力トルクに対応する路面反力補償トルクを求める。図13に従えば、路面反力トルクの絶対値が所定値より小さい領域(領域B)では、路面反力トルクを見かけ上低減させるべく、路面反力トルクと逆方向の路面反力補償トルクを出力し、それ以外の領域では、路面反力トルクを見かけ上増加させるべく、路面反力トルクと同方向の路面反力補償トルクを出力する。
このように実施の形態3では、路面反力トルクの絶対値が所定値より小さい場合に、路面反力トルクを見かけ上低減させ、路面反力トルクの絶対値が所定値より大きい場合には、路面反力トルクを見かけ上増加させるようにした。これによって、ギヤ比や摩擦損失により図14の破線で示すような大操舵角での路面反力トルク増加率が小さく、小操舵角での路面反力トルク増加率が大きい車両において、見かけ上の路面反力トルクを図14の実線で示すように補償することができ、小操舵角でのハンドル戻り性を低減し、かつ、大操舵角でのハンドル戻り性を向上させることができる。この実施の形態3によれば、このような特殊な路面反力トルク特性を持つ車両においても、全領域で適度なハンドル戻り性を実現し、開発工数の大幅な増加を抑制しつつ、操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング装置を得ることができる。
また、小操舵角での路面反力トルク増加率が大きく、大操舵角での路面反力トルク増加率は適度な車両(図15の破線に示す)においては、路面反力トルクの絶対値が所定値より小さい場合に、路面反力トルクを見かけ上低減させるだけで良く、図16に従って路面反力補償トルクを求めれば、見かけ上の路面反力トルクを図15の実線で示すようにでき、全領域で適度なハンドル戻り性を実現し、開発工数の大幅な増加を抑制しつつ、操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング装置を得ることができる。
また、この実施の形態3では、図13あるいは図16の特性に従い、路面反力補償トルクを求めるようにしたが、路面反力トルク補償手段16を図17のように構成し、路面反力補償ゲインマップ164に、図18や図19のような特性を予め記憶させ、このゲインマップを用いるようにしても同等の効果が得られる。また、一定車速では、車両の横加速度やヨーレートは操舵角に概ね比例するため、図17〜図19での操舵角を車両横加速度やヨーレートに置き換えても同等の効果が得られる。
実施の形態4.
次いで、この発明の実施の形態4に係わる電動パワーステアリング制御装置について説明する。この実施の形態4においては、図20に示すように、図1の構成に加え、例えば、操舵トルクの方向とモータの回転方向が一致した場合は切り込み状態、不一致の場合は戻し状態と判定する戻し状態判定手段18を設ける。また、路面反力トルク補償手段16を、図21に示すように構成し、路面反力補償トルクマップ165に記憶した図22に示すような特性から、路面反力補償トルクを求め、さらに戻し状態判定手段18の判定結果(戻し状態=1、切り込み状態=0)を乗算器162で乗算して、路面反力補償トルクを出力する。これによれば、切り込み時の操舵フィーリングに影響を与えることなく、ハンドル戻り性を低減させることが可能である。
なお、上述した実施の形態1〜4において、さらに車速を検出する車速検出手段14を設け、車速検出手段14により検出した車速を操舵アシストトルク制御手段2、路面反力トルク補償手段16、ダンピング補償手段3及び慣性補償手段4に入力するように構成し(図1および図20中に破線にて示す)、操舵アシストトルク制御手段2、路面反力トルク補償手段16、ダンピング補償手段3、慣性補償手段4の各制御パラメータ(上記マップやゲイン等)は、車速検出手段14の出力に応じて変更するようにしてもよい。
実施の形態1で用いた特性を例にとって説明すると、路面反力トルク補償手段16は、低車速では路面反力補償トルクを大きく(図3中実線で示す)、高車速では路面反力補償トルクを小さく(図3中破線で示す)すれば、低車速時には路面反力トルクを充分に低減させ、高車速時には路面反力トルクを過剰に低減することなく、低車速時の軽快感および高車速時車両安定性を両立でき、開発工数の大幅な増加を抑制しつつ、良好な操舵フィーリングを得ることができる。また、上述した実施の形態2あるいは3において、路面反力トルクと逆方向の路面反力補償トルクを与える領域と路面反力トルクと同方向の路面反力補償トルクを与える領域の閾値を車速によって変更するようにしても同様に、低車速時の軽快感および高車速時車両安定性を両立でき、開発工数の大幅な増加を抑制しつつ、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
また、上述した実施の形態1〜4においては、路面反力トルク補償手段が出力する路面反力補償トルクは、上述した特性に限るものではなく、例えば、路面反力補償トルクに適度な上下限値を設ける等、適用する車両毎に適した特性を用いれば良い。
この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1における路面反力補償トルクを示す特性図である。 この発明の実施の形態1による路面反力トルク補償の作用を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における路面反力トルク補償手段の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2における路面反力補償トルクを示す特性図である。 この発明の実施の形態2による路面反力トルク補償の作用を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による路面反力トルク補償の作用を示す説明図である。 この発明の実施の形態2における路面反力補償トルクを示す特性図である。 この発明の実施の形態2における路面反力トルク補償手段の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2における路面反力補償ゲインを示す特性図である。 この発明の実施の形態2における路面反力補償ゲインを示す特性図である。 この発明の実施の形態3における路面反力補償トルクを示す特性図である。 この発明の実施の形態3による路面反力トルク補償の作用を示す説明図である。 この発明の実施の形態3による路面反力トルク補償の作用を示す説明図である。 この発明の実施の形態3における路面反力補償トルクを示す特性図である。 この発明の実施の形態3における路面反力トルク補償手段の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3における路面反力補償ゲインを示す特性図である。 この発明の実施の形態3における路面反力補償ゲインを示す特性図である。 この発明の実施の形態4に係る電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4における路面反力トルク補償手段の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4における路面反力補償トルクを示す特性図である。
符号の説明
1 操舵トルク検出手段、2 操舵アシストトルク制御手段、3 ダンピング補償手段、4 慣性補償手段、5 モータ速度検出手段、6 モータ加速度検出手段、7 モータ電流決定手段、9 モータ駆動手段、10 モータ、11 モータ電流検出手段、12 第1の加算器、13 第2の加算器、14 車速検出手段、15 路面反力検出手段、16 路面反力トルク補償手段、18 戻し状態判定手段

Claims (7)

  1. 運転者の操舵を補助するためのトルクを発生するモータと、運転者の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクに基づいて、操舵アシストトルク信号を出力する操舵アシストトルク制御手段と、タイヤが路面から受ける路面反力トルクを測定もしくは演算することにより検出する路面反力トルク検出手段と、該路面反力トルク検出手段により検出された路面反力トルクに基づいて該路面反力トルクと逆方向の路面反力補償トルクに対応する補償値を出力する路面反力トルク補償手段と、上記操舵アシストトルク信号と上記補償値に基づきモータに供給する電流を決定するモータ電流決定手段とを備えることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 路面反力トルク補償手段は、所定領域内では路面反力トルクと逆方向の路面反力補償トルクに対応する補償値を出力し、該所定領域外では路面反力トルクと同方向の路面反力補償トルクに対応する補償値を出力することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  3. 路面反力トルク補償手段は、路面反力トルク検出手段により検出された路面反力トルクの絶対値が所定値より大きい場合に、該路面反力トルクとは逆方向の路面反力補償トルクに対応する補償値を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. 路面反力トルク補償手段は、路面反力トルク検出手段により検出された路面反力トルクの絶対値が所定値より小さい場合に、該路面反力トルクとは逆方向の路面反力補償トルクに対応する補償値を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  5. 車速を検出する車速検出手段を備え、路面反力トルク補償手段は上記車速検出手段によって検出された車速に応じて所定値を変更することを特徴とする請求項3または4に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  6. ハンドルの戻し状態を判定する戻し状態判定手段を備え、路面反力トルク補償手段は、上記戻し状態判定手段が戻し状態と判定した際に、路面反力トルク検出手段により検出された路面反力トルクに基づいて、該路面反力トルクと逆方向の路面反力補償トルクに対応する補償値を出力することを特徴とする請求項1〜5に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  7. 路面反力トルク補償手段は、車速に応じて補償値を補正することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電動パワーステアリング制御装置。
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