JP2005253372A - 魚釣用リールのハンドル - Google Patents

Abstract

【課題】ハンドルを起立保持させても駆動軸を露出させることのない魚釣用リールのハンドルを提供する。
【解決手段】本発明の魚釣用リールのハンドルは、基端部に開口壁部１１ｃを具備し、この開口壁部をリール本体１に対して回転可能に支持された駆動軸６の端部に起伏自在となるように軸支したハンドルアーム１１と、駆動軸６に形成された螺合部６ａに螺合して、ハンドルアーム１１を起立状態に保持可能とする操作部材１５とを有する。そして、操作部材１５のリール本体側に、操作部材１５の回転操作に伴う軸方向変位によって生じる操作部材１５とリール本体１との間の隙間をカバーするカバー部材２０を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図３

Description

本発明は、リール本体内に収容された巻取り駆動機構に連結されて巻取り操作される魚釣用リールのハンドルに関する。

一般的に、リール本体内に収容された巻取り駆動機構に連結されるハンドルは、携帯性を良くするために使用後に折り畳めるように構成されている。このような折り畳み可能なハンドルは、各種のものが知られており、例えば、特許文献１には、ハンドル軸（駆動軸）外周のハンドル側に設けられたナットを回転操作することで、ハンドルアームを起立保持状態と折り畳み状態の両状態に切換え可能とした構造が開示されている。

前記ナットは、駆動軸の端部外周に形成した螺合部に螺合されていると共に、一端側に当て付け面が形成されており、ハンドルアームは、ナットを締め付けて当て付け面をハンドルアームの端面に押し当てることで起立保持され、また、ナットを緩めて押し当て状態を解除することで折り畳めるようになっている。
実開昭５０−３９３８１号

しかしながら、上記した公知技術は、ナットを締め付けてハンドルを起立保持させようとすると、リール本体との間の隙間が大きくなってしまい、駆動軸（軸支持部）が露出して外観上好ましくないという問題がある。また、駆動軸が露出することから、内部に異物やゴミ等が侵入し易く、螺合部も露出することから、ナットの作動や軸受け部分の円滑な回転に支障をきたし易いという問題もある。

本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、ハンドルを起立保持させても駆動軸を露出させることのない魚釣用リールのハンドルを提供することを目的とする。

上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用リールのハンドルは、基端部に開口壁部を具備し、この開口壁部をリール本体に対して回転可能に支持された駆動軸の端部に起伏自在となるように軸支したハンドルアームと、前記駆動軸に形成された螺合部に螺合して、前記ハンドルアームを起立状態に保持可能とする操作部材とを有しており、前記操作部材のリール本体側に、前記操作部材の回転操作に伴う軸方向変位によって生じる前記操作部材とリール本体との間の隙間をカバーするカバー部材を設けたことを特徴としている。

上記した構成によれば、駆動軸に螺合している操作部材（ナット）を回転操作することで操作部材を軸方向に移動させ、操作部材の当て付け面をハンドルアームの端面に当て付けることでハンドル（ハンドルアーム）は起立保持される。この状態で、リール本体と操作部材との間の隙間は、カバー部材によって覆われていることから、駆動軸が露出することはなく、見栄えが悪くなるようなことはない。また、駆動軸が露出しないことから、内部に異物やゴミ等が侵入することがなく、螺合部も露出しないため、操作部材の作動や駆動軸を回転可能に支持する軸受け部分に支障をきたすことはない。

なお、上記したカバー部材は、操作部材に対してリール本体側に設けられ、操作部材を回転操作した際の変位に伴う隙間部分に位置して、ハンドルアームを軸支している駆動軸を露出させないようなものであれば良く、取り付けられる対象は、前記駆動軸、リール本体、操作部材のいずれであっても良いし、リール本体に取り付ける場合は、一体形成したものであっても良い。

本発明によれば、ハンドルを起立保持させても駆動軸の露出が防止され、これにより見栄えが良いと共に、内部への異物やゴミ等の侵入を防止できる魚釣用リールのハンドルが得られる。

図１乃至図５は、本発明の第１の実施形態を示す図であり、図１は、本発明に係るハンドルを装着した魚釣用リール（スピニングリール）の一構成例を示す図、図２は、図１のＡ−Ａ線に沿った断面図、図３は、図２におけるハンドルの支持部を拡大して示す図、図４は、図３のＢ−Ｂ線に沿った断面図、そして、図５は、ハンドルを折り畳む状態を示す図である。

スピニングリールのリール本体１には、釣竿に装着されるリール脚１ａが一体形成されており、その前方には回転可能に支持されたロータ２と、ロータ２の回転運動と同期して前後動可能に支持されたスプール３が配設されている。

リール本体１には、一対の軸受け５を介して駆動軸（ハンドル軸）６が回転可能に支持されており、駆動軸６の一端側には、駆動軸６と共に一体回転可能に駆動歯車（フェースギヤ）７が装着されている。このフェースギヤ７は、リール本体内に収容された公知の巻取り駆動機構８と連結されており、以下に説明するハンドルを巻取り操作することによって、前記ロータ２は回転駆動され、かつスプール３は前後往復駆動される。

前記駆動軸６の一端側は、リール本体１の側面から突出しており、その先端側には、ハンドル１０が装着されている。ハンドル１０は、手の指によって摘まれるハンドルノブ１０ａと、ハンドルノブ１０ａを回転可能に支持するハンドルアーム１１と、このハンドルアーム１１に係合して、ハンドルアームを起立保持状態／折り畳み状態に切換える操作部材（ナット）１５とを備えている。

前記駆動軸６の先端側には、螺合部である雄ネジ部６ａが形成されていると共に、それよりも先端側には、前記ハンドルアーム１１を軸支するスタンド６ｂが形成されている。また、前記操作部材１５は、前記駆動軸６に形成された雄ネジ部６ａに螺合されており、全体として略円柱形状を成し、回転操作し易いように、外周面には、摩擦領域（本実施形態では、ローレット目１５ａ）が形成されている。そして、操作部材１５のスタンド側の端部には、輪帯状の端面（当て付け面）１５ｂを残して円形の係合凹部１５ｃが形成されている。

前記ハンドルアーム１１の基部には、前記係合凹部１５ｃと嵌合可能となるように、係合凸部１１ａが形成されており、その係合凸部１１ａの径方向外方に操作部材１５の端面１５ｂが当て付けられる段部１１ｂが形成されて、係合凸部１１ａが前記係合凹部１５ｃ内に嵌合した状態で、操作部材１５の端面１５ｂが段部１１ｂに当て付くようになっている。この場合、操作部材１５の端面１５ｂと段部１１ｂは、図に示すように、駆動軸６に対して略直交する方向で当て付くように構成しておくことが好ましい。

前記係合凸部１１ａには、二股状に突出する開口壁部１１ｃが形成されており、図４に示すように、スタンド６ｂを挟持すると共に、開口部分を利用してスタンド６ｂに対して回動できるように構成されている。すなわち、スタンド６ｂは、互いに平行となる平行面６ｃを具備しており、ここに二股状の開口壁部１１ｃを係合させ、ピン１２でハンドルアームを軸支することによって、ハンドルアーム１１は、スタンド６ｂに対して起伏自在に軸支されている。

また、前記操作部材１５とリール本体１との間には、操作部材１５が軸方向外側に向けて移動した際（ハンドルを起立保持させるべく操作部材１５を回転操作した際）に、操作部材１５とリール本体１との間に生じる隙間をカバーするカバー部材２０が設けられている。このカバー部材２０は、例えば、樹脂、金属等によって構成されており、前記駆動軸６に形成された大径の係止部６ｄ及び鍔部６ｅに対して嵌合固定される基部２０ａと、この基部２０ａに対して円板状の連結部２０ｂを介して一体化された円筒状のスカート部２０ｃとを備えている。すなわち、軸方向に延出するスカート部２０ｃによって操作部材１５とリール本体１との間に生じる隙間をカバーしている。

前記スカート部２０ｃの内面側には、操作部材１５が回転操作されてリール本体側に移動した際、図５に示すように、操作部材１５の外周面が重合するようになっており、かつ図３に示すように、操作部材１５が回転操作されてハンドルアーム側に移動した際、部分的に重合して、駆動軸６を露出させないようにしている。すなわち、操作部材１５をいずれの方向に回転操作しても、リール本体１と操作部材１５との間には、隙間を生じさせないようにしている。

上記したように構成されるハンドル１０の取り付け構造によれば、図５に示した折り畳み状態から、操作部材１５を回転操作してハンドルアーム側に移動させると、端面１５ｂがハンドルアーム１１の基部に形成された段部１１ｂに当て付いて、係合凸部１１ａ（開口壁部１１ｃ）が操作部材１５の係合凹部１５ｃ内に入り込んだ状態で、ハンドルアーム（ハンドル）は、図３に示すように起立保持される。

この状態では、リール本体１と操作部材１５との間の隙間は、前記したカバー部材２０のスカート部２０ｃによってカバーされているため、駆動軸６を露出させることはなく、見栄えが悪くなるようなことはない。また、上記したように位置するカバー部材２０によれば、駆動軸６部分が覆われた状態にあることから、使用環境の激しい釣場で使用しても、ゴミ、異物等の内部への侵入、付着を防止でき、雄ネジ部６ａにおける回転操作性や軸受け５の回転性能が低下することを防止できる。

さらに、上記した実施形態では、カバー部材２０は、駆動軸６に固定されると共に、操作部材１５が軸方向に重合して移動するように構成されているため、カバー部材２０の取り付け状態が安定すると共に、操作部材１５の回転操作が安定して操作性の向上が図れるようになる。

なお、上記した構成においては、内部へのゴミや異物の侵入をより効果的に防止できるように、シール部材を適所に設置しておくことが好ましい。例えば、操作部材１５の外周部にカバー部材２０のスカート部２０ｃの内周面と接触するＯリング（弾性材）２２を配設したり、開口壁部１１ｃの外周部に操作部材１５の係合凹部１５ｃの内周面と接触するＯリング（弾性材）２３を配設することにより、外部から駆動軸部分にゴミや異物等が侵入することを効果的に防止することが可能となる。

図６は、上記した実施形態の第１の変形例を示す図である。
この変形例は、Ｏリング２４を操作部材１５の端面１５ｂに設置したものである。

このように、操作部材１５側にＯリングを設置しても、上記した実施形態と同様、内部へのゴミや異物等の侵入を確実に防止することが可能となる。

図７は、上記した実施形態の第２の変形例を示す図である。
この変形例は、上記したカバー部材２０の連結部２０ｂと操作部材１５のリール本体側端面１５ｄとの間にバネ部材３０を介在させたものである。

このように、カバー部材２０と操作部材１５との間にバネ部材３０を介在させたことにより、ハンドルの起立保持状態において、操作部材１５の緩み止めの効果が得られるようになる。また、この変形例では、上記した実施形態で説明したＯリング２３、及び第１変形例で示したＯリング２４を設置しており、より効果的に内部へのゴミや異物等の侵入を防止している。

図８は、上記した実施形態の第３の変形例を示す図である。
この変形例は、駆動軸６に形成される雄ネジ部６ａを駆動軸の鍔部６ｅに至る領域まで長く形成し、ここに、先端側からリール本体側に向けてカバー部材４０を螺合させ、かつ鍔部６ｅに当て付けることで駆動軸６に固定したものである。カバー部材４０は、前記カバー部材２０と比較して小径に形成されており、円筒状のスカート部４０ａの外側に、操作部材１５が重合して移動するように構成されている。

このような構成のカバー部材においても、上記した実施形態と同様な作用効果が得られる。なお、この変形例においても、操作部材１５の内周面、又はスカート部４０ａの外周面に、Ｏリングを設置しておいても良い。

図９及び図１０は、本発明の第２の実施形態を示す図であり、図９は、ハンドルを起立保持した状態を示す図、図１０は、ハンドルを折り畳んだ状態を示す図である。

この実施形態においては、円筒形状のカバー部材５０は、操作部材１５に取り付け保持されている。操作部材１５の基端側端部には、径方向外方に突出する係止部１５ｅが一体形成されており、ここにカバー部材５０の先端側端部の径方向内方に突出形成された係止部５０ａが係合している。そして、カバー部材５０の基端側の内周部には、径方向内方に向けて、Ｏリング２５によって抜け止めされた保持部５０ｂが一体的に取り付けられており、この保持部５０ｂと操作部材１５の端面１５ｄとの間にバネ部材５５を介在させて、カバー部材５０を操作部材１５に対して安定保持させている。

このような構成では、図９に示すハンドルの起立保持状態から、操作部材１５を回転操作することで、図１０に示すように、カバー部材５０の端面５０ｃがリール本体１に当て付き、操作部材１５は、カバー部材５０の内周面に沿ってバネ部材５５の付勢力に抗して移動され、ハンドル１０を折り畳むことが可能となる。

このように、カバー部材は、操作部材１５の回転操作に伴う操作部材１５の軸方向変位で生じるリール本体と操作部材１５との間の隙間、すなわち駆動軸の露出をカバーするものであれば良く、その取り付け対象は操作部材１５であっても良い。

図１１及び図１２は、本発明の第３の実施形態を示す図であり、図１１は、ハンドルを起立保持した状態を示す図、図１２は、ハンドルを折り畳んだ状態を示す図である。

この実施形態においては、カバー部材６０は、リール本体１と操作部材１５との間で、軸方向に伸縮可能な蛇腹状の部材によって構成されている。このような部材は、伸縮性のある材料、例えば、ゴム系の材料によって構成することができ、その両端をリール本体１と操作部材１５に係止することで、ハンドルの起立保持状態では、図１１に示すように伸びた状態でリール本体１と操作部材１５との間の隙間をカバーしており、ハンドルの折り畳み状態では、図１２に示すように、縮んだ状態で両者の間の隙間をカバーしている。

このような構成においても、上記した実施形態と同様な作用効果が得られる。なお、上記した操作部材１５を回転操作し易いようする摩擦領域は、図に示すように、操作部材１５の外周に止着されるゴム等の高摩擦部材１５ｆによって構成しても良い。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、ハンドル１０を起立保持させたり、折り畳む際に回転操作される操作部材（ナット）１５とリール本体１との間に、操作部材の軸方向変位に伴って生じる両者の間の隙間をカバーするカバー部材が配設されていれば良く、その形状、取り付け位置、材質等に関しては、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。

また、上記したハンドル１０の駆動軸６に対する取り付け構造は、駆動軸６を分割可能にする等、同様なカバー構造によってリール本体１の両側（右利き用、左利き用）に装着できるように構成されたものであっても良い。

本発明の第１の実施形態を示す図であり、ハンドルを装着した魚釣用リール（スピニングリール）の一構成例を示す図。 図１のＡ−Ａ線に沿った断面図。 図２におけるハンドルの支持部を拡大して示す図。 図３のＢ−Ｂ線に沿った断面図。 ハンドルを折り畳む状態を示す図。 上記した実施形態の第１の変形例を示す図。 上記した実施形態の第２の変形例を示す図。 上記した実施形態の第３の変形例を示す図。 本発明の第２の実施形態を示す図であり、ハンドルを起立保持した状態を示す図。 ハンドルを折り畳んだ状態を示す図。 本発明の第３の実施形態を示す図であり、ハンドルを起立保持した状態を示す図。 ハンドルを折り畳んだ状態を示す図。

符号の説明

１ リール本体
６ 駆動軸（ハンドル軸）
６ａ 雄ネジ部
１０ ハンドル
１１ ハンドルアーム
１１ｃ 開口壁部
１５ 操作部材（ナット）
２０，４０，５０，６０ カバー部材

Claims (2)

1. 基端部に開口壁部を具備し、この開口壁部をリール本体に対して回転可能に支持された駆動軸の端部に起伏自在となるように軸支したハンドルアームと、前記駆動軸に形成された螺合部に螺合して、前記ハンドルアームを起立状態に保持可能とする操作部材とを有する魚釣用リールのハンドルにおいて、
   前記操作部材のリール本体側に、前記操作部材の回転操作に伴う軸方向変位によって生じる前記操作部材とリール本体との間の隙間をカバーするカバー部材を設けたことを特徴とする魚釣用リールのハンドル。
2. 前記カバー部材は、前記操作部材が軸方向に重合可能となるように前記駆動軸に取り付け固定されることを特徴とする請求項１に記載の魚釣用リールのハンドル。

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