JP2009112287A - 魚釣用リール - Google Patents
魚釣用リール Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009112287A JP2009112287A JP2007292381A JP2007292381A JP2009112287A JP 2009112287 A JP2009112287 A JP 2009112287A JP 2007292381 A JP2007292381 A JP 2007292381A JP 2007292381 A JP2007292381 A JP 2007292381A JP 2009112287 A JP2009112287 A JP 2009112287A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nut
- rotor
- drive shaft
- fishing
- reel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Abstract
【課題】ロータを損傷することなく、駆動軸に対してロータを確実に回り止め固定し、効率的に軽量化することのできる魚釣用リールを提供すること。
【解決手段】ハンドル32の回転操作で連動回転する駆動軸22の前部をリール本体12から突出し、この駆動軸の前部に回り止め嵌合するロータ60を、駆動軸の外周部に形成した雄ネジ22cに螺合するナット88でこの駆動軸に締結する魚釣用リールであって、ナットは、ロータの前端面67に係合する係合面90aを一端側の端面に形成した円筒部90と、この円筒部の他端側で、円筒部よりも外方に突出して外周面を非円形状に形成した操作部92とを有し、このナットの係合面90aをロータの前端面67aに圧接して、ロータ60を駆動軸22に締付け固定する魚釣用リール。
【選択図】 図3
【解決手段】ハンドル32の回転操作で連動回転する駆動軸22の前部をリール本体12から突出し、この駆動軸の前部に回り止め嵌合するロータ60を、駆動軸の外周部に形成した雄ネジ22cに螺合するナット88でこの駆動軸に締結する魚釣用リールであって、ナットは、ロータの前端面67に係合する係合面90aを一端側の端面に形成した円筒部90と、この円筒部の他端側で、円筒部よりも外方に突出して外周面を非円形状に形成した操作部92とを有し、このナットの係合面90aをロータの前端面67aに圧接して、ロータ60を駆動軸22に締付け固定する魚釣用リール。
【選択図】 図3
Description
本発明は、釣竿に装着されて釣糸を巻き取る魚釣用リールに関する。
通常、このような魚釣用リールは、ハンドルの回転操作で連動回転する駆動軸の前部をリール本体から突出し、この駆動軸の前部に回り止め嵌合するロータが、駆動軸の外周部に形成した雄ネジに螺合するナットでこの駆動軸に締結される。
このような魚釣用リールの駆動軸とロータとの嵌合部は、リール本体から突出する駆動軸の前部に横断面形状が非円形の非円形部と雄ネジ部とを順に形成し、この駆動軸の非円形部に対応する非円形の内周面を形成したロータを、駆動軸の非円形部に回り止め嵌合した後、ナットを駆動軸の雄ネジ部に螺合し、このナットを駆動軸の雄ネジ部に締付けることにより、駆動軸上にロータを固定することが行われている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−222579
しかし、ナットのロータ側は、ロータの非円形部すなわち駆動軸に回り止めされる装着部に対して、径方向外方に向けて押圧力を作用させる形状となっている。このため、ナットの押圧力が軸方向に沿って直線状にロータに作用せず、径方向外方に分散し、駆動軸に対してロータを回り止め嵌合するための十分な力を得るのが困難である。一方、ナットをより強い力で締付けると、特に、径方向外方に作用する力が、ロータの装着部に作用して、この装着部にクラック、変形、破損等の不具合を生じさせることになる。
また、金属製ナットのロータ側が、ロータの装着部に対して径方向外方に押圧力を作用させる形状に形成されることにより、このナットの軸方向寸法が大きくなり、魚釣用リールの全体の重量が増大し、軽量化を阻害する。
本発明は、このような事情に基づいて成されたもので、ロータを損傷することなく、駆動軸に対してロータを確実に回り止め固定し、効率的に軽量化することのできる魚釣用リールを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の魚釣用リールは、ハンドルの回転操作で連動回転する駆動軸の前部をリール本体から突出し、この駆動軸の前部に回り止め嵌合するロータを、駆動軸の外周部に形成した雄ネジに螺合するナットでこの駆動軸に締結する魚釣用リールであって、前記ナットは、ロータの前端面に係合する係合面を一端側の端面に形成した円筒部と、この円筒部の他端側で、円筒部よりも外方に突出して外周面を非円形状に形成した操作部とを有し、このナットの係合面をロータの前端面に圧接して、ロータを駆動軸に締付け固定することを特徴とする。
中空構造に形成された前記駆動軸に挿通されるスプール軸を前記ナット内に収容した軸受を介して支える場合には、前記操作部の非円形状の外周面に嵌合する非円形凹部を形成したナット回り止め部材を前記ロータの前端面にネジ止めし、このナット回り止め部材の前記非円形凹部の内周側に突出させた係止部により、前記ナット内に設けた軸受を軸方向規制することが好ましい。
また、前記ナットの収容凹部内に、このナットとスプール軸との間をシールするシール部材を配置し、このナットに装着した係止板により、このシール部材を介して前記軸受を抜け止めすることもできる。
更に、前記ナット回り止め部材の前部に、釣糸が侵入するのを防止する係止突起が設けられてもよい。
前記ナットは、前記円筒部の前記一端側に径方向外方に突出するフランジ部を有し、このフランジ部の端面に、前記係合面が形成されてもよい。
このような特徴を備える本発明の魚釣用リールは、ナットの締付け力が円筒状部の一端側に形成した係合面を介してロータの前端面に軸方向に直接的に作用させることができ、ロータに径方向外方の無用の力を作用させて損傷させることなく、駆動軸に対してロータを確実に回り止め固定し、効率的に軽量化することができる。
中空構造に形成された駆動軸に挿通されるスプール軸をナット内に収容した軸受を介して支える場合には、ロータの前端面にネジ止めしたナット回り止め部材の係止部が、ナット内に設けた軸受を軸方向規制することにより、軸受にガタ付きを生じさせることなく、ロータおよびスプール軸を安定した状態で支えることができる。
ナットの収容凹部内に、このナットとスプール軸との間をシールするシール部材を配置し、このナットに装着した係止板により、このシール部材を介して軸受を抜け止めする場合には、ナットに軸受とシール部材とを装着したユニット構造とすることができる。
また、ナット回り止め部材の前部に、釣糸が侵入するのを防止する係止突起が設けられる場合には、釣糸がスプール軸側に侵入するのを防止することができる。
また、ナットの円筒部の一端側に、径方向外方に突出するフランジ部を設け、このフランジ部の端面に、ロータに係合する係合面が形成される場合には、ロータとの係合面積を増大させ、より安定した状態でロータを締付け固定することができる。
図1から図6は、本発明の好ましい実施形態による魚釣用リール10を概略的に示す。
図1に示すように、本実施形態の魚釣用リール10はスピニングリールとして形成してあり、剛性構造のリールボディ12aの側部開口14aを蓋体12bで閉塞したリール本体12を備え、この蓋体12bの固定ネジ16を取外すことで、内部空間Sを外部に露出させることができる。また、リールボディ12aの後端側には、切欠き14bを形成し、この切欠き14bを後部キャップ18で閉じてあり、この後部キャップ18の固定ネジ20を取外すことにより、後端側でも内部空間Sを開閉することができる。この魚釣用スピニングリール10は、通常と同様に、リールボディ12aから上方に延出する脚部(図示しない)を介して釣竿に取り付けられる。
リール本体12内には、通常のスピニングリールと同様に、後述するロータを駆動するための中空駆動軸22を回転駆動する駆動機構24およびこの中空駆動軸22内に挿通されたスプール軸26をこの軸方向に沿って一定のストロークで前後方向に往復動する公知のオシレーティング機構が収容されており、このオシレーティング機構の摺動子28が止めネジ30でスプール軸26の後端部に固定されている。これらの駆動機構24およびオシレーティング機構は、一端にハンドル32が連結されるハンドル軸34により、互いに同期して作動される。
本実施形態のハンドル軸34は中空構造を有し、それぞれリールボディ12aと蓋体12bとに設けられた軸受36a,36bを介してリール本体12で回転自在に支持されている。このハンドル軸34には、後述する駆動歯車34aが一体に形成される。このハンドル軸34の両端部には、雌ネジを形成してあり、一方の端部に、ハンドル32に基端部を枢着ピン38で枢着されたネジ部材40の先端部が螺合することで装着される。したがって、ハンドル軸34は軸受36a,36bと共にハンドル装着部を形成する。
このハンドル32を装着するためのネジ部材40は、スタンド部材42に挿通されており、ハンドル32を介してハンドル軸34内に締付けられると、スタンド部材42の内周側突条42aがハンドル軸34の端面に当接し、ネジ部材40の締付け力で、ハンドル32およびスタンド部材42をハンドル軸34に強固に固定する。スタンド部材42は、ハンドル32をリール本体12から離隔させ、後述するロータとの干渉を防止しつつ自由に回転可能とする。また、この内周側突条42aの外周側に配置した外周側突条42bは、リール本体12から突出する環状突起13aを僅かな間隙を介して囲み、リール本体12の内部空間S内に異物が侵入するのを防止する。
このネジ部材40を緩め、スタンド部材42とハンドル32との間に間隙を形成すると、枢着ピン38を中心としてハンドル32を回転し、持運びあるいは保管に便利な折り畳み状態とすることができる。この折り畳み状態からハンドル32を介してネジ部材40をハンドル軸34内に締め込むとことで簡単に、釣糸巻取り状態に復帰させることができる。
また、ハンドル軸34の反対側には、蓋体12bに形成した環状突起13bを囲む軸受キャップ44を取り付けてあり、異物の侵入が防止されている。この軸受キャップ44を取り外して、ハンドル32およびスタンド部材42を取付けることにより、ハンドル32をリール本体12の一側から他側に自由に付け換えることができる。いずれの場合も、釣糸巻回方向にネジ部材40を締め付けることにより、ハンドル32とハンドル軸34とが一体化され、釣糸巻取り状態とすることができる。
リール本体12の内部空間S内では、ハンドル軸34と一体に形成された駆動歯車34aと共に駆動機構24を形成するピニオン22aが、ハンドル軸34と直交する方向に延設された駆動軸22の外周部に形成されており、このピニオン22aは駆動歯車34aと常時噛合した状態に配置されている。このピニオン22aを形成した中空駆動軸22は、ハンドル軸34の軸受36a,36bを配置したハンドル装着部から前方に突出する前部F内で前方に延び、ハンドル軸34に近接した後端側が軸受46aを介してリール本体12で支えられ、前方部位を、リール本体12の前部内に配置した軸受46bを介して支えられ、前端側がこのリール本体12の前部Fから突出し、リール本体12に対して自由に回転することができる。この中空駆動軸22は、軸方向に貫通する内孔内に、先端部にスプール50を装着するスプール軸26を前後方向に摺動自在に案内する。
このスプール軸26は、中空駆動軸22の先端側から突出する先端部に断面非円形部26aと、ネジ部26bとを順に形成してあり、この断面非円形部26aにストッパ48aを介して装着されたスプール50が、袋ナット状に形成した締付けネジ48bにより、スプール軸26の先端部に取外し可能に装着される。
本実施形態では、ストッパ48aは断面非円形部26aに対応した挿通孔を有する板状に形成してあり、この断面非円形部26aの後端部に回り止めされた状態で係止され、後方すなわちリール本体12側への移動を阻止されている。そして、スプール50は、円筒状あるいはテーパ状の周面を有する胴部52の前後に、径方向外方に突出するフランジ部52a,52bを形成し、この胴部52の前端側を閉じる前壁部54の中央部から、後方の開口側に向けて、短軸部56が突出する。
この短軸部56には、断面非円形部26aに対応する断面形状を有する挿通孔が軸方向に貫通しており、この断面非円形部26a上で回り止めされた状態でスプール軸26に装着され、締め付けネジ48bをネジ部26bに締付けることにより、ストッパ48aに締付けられ、固定される。
また、短軸部56が配置される前壁部54には、短軸部56を囲んで、多数の軸方向貫通孔55を等間隔に形成してある。これらの貫通孔55は、スプール50を軽量化すると共に、魚釣り操作時の空気抵抗を小さくする構造に形成してあり、外方に開口する後端側には、釣糸が内部に入り込むのを防止するスカートあるいは内側フランジ部58が形成される。なお、胴部52に、周方向に沿って多数の凹溝を形成してもよく、この場合には、スプール50に巻き取った釣糸が移動して緩むのを防止することができる。
このスプール50をスプール軸26に取付ける締付けネジ48bは、釣糸が引っ掛かるのを防止するために、前壁部54からの突出量をできる限り小さくし、また、その周部は可能な限り滑らかな外面で形成することが好ましい。
スプール50に釣糸を巻回するロータ60は、スプール50が軸方向に沿って前後動するときに、後方開口端を介してこのスプール50内に出入りするロータボディ62を有する。このロータボディ62は後方に開口する後方開口部62aと前方に開口する前方開口部62bとを有し、リール本体12の前方部位を囲む周壁部64の前端部で径方向に延びる連結壁部66に設けた筒状の駆動部68を介して、中空駆動軸22に連結される。更に、ロータ60は、周壁部64の後方開口端すなわちハンドル軸34側の径方向に対向した部位から延出する一対の腕部70,70有する。これらの腕部70,70は、周壁部64の後方開口端から前方に向けてスプール軸26の軸方向に沿って先細状に延び、ロータボディ62との間に、スプール50の胴部52を受け入れる間隙を形成する。
これらの腕部70,70の先端部に取付けられたベール72は、釣糸をスプール50上に案内する釣糸巻取位置とスプール50から自由に放出させる釣糸放出位置との間を自在に反転することができる。このベール72の一方の端部は、釣糸案内部72aを装着した支持脚73を介して腕部70に取り付けられ、一部を概略的に示す振り分けバネ機構74により、釣糸巻取位置と釣糸放出位置との一方に保持され、ハンドル32を釣糸巻回方向に反転後、ベール72を手動操作で釣糸巻取位置へ復帰させたり、図示しない反転復帰機構により、釣糸巻取位置へ自動復帰される。
また、ロータボディ62の周壁部64は、前端側を連結壁部66で閉じ、後方開口部62a内に駆動部68を収容し、軸方向の中間部位の屈曲部64aを挟んで、前方よりも後方側でより大きな角度で径方向外方に向けて拡径する。この周壁部64の後方開口端に隣接する部位には、この周壁部64を径方向に貫通する径方向開口部63(図2参照)が形成されており、この径方向開口部63は、周壁部64の後方開口端から屈曲部64aを超えて連結壁部66側の位置まで、開口幅を狭めつつ軸方向に沿って延びる。
図2に示すように、本実施形態のロータ60は、4つの径方向開口部63が、周壁部64の後方開口端に隣接した部位で径方向に対向させて形成してあり、各腕部70にも周壁部64の径方向開口部63に対応した径方向開口部71が形成してある。この腕部70の径方向開口部71は、周壁部64の径方向開口部63と径方向に整合した位置に配置されており、後方に向けて開口する。したがって、腕部70に形成した径方向開口部71は、周壁部64の対応する径方向開口部63と連続した開口部を形成する。これにより、いずれの径方向開口部63,71も、内部に配置したリール本体12の前部Fを外部に大きく露出し、この径方向開口部63,71を介して、外部から例えば蓋体12bの固定ネジ16を締付けあるは取外すことができる。
一方、周壁部64の腕部70,70間に形成された2つの径方向開口部63の内の一方は、弧状の連結片64bをその後端部に設けてあり、この周壁部64と一体形成される部位によって、ベール72および釣糸案内部72a等のアンバランス部材に対するバランス化を図り、ロータ60を滑らかに回転させることができる。リール本体12から突出する軸受キャップ44及びハンドル軸34に連結するスタンド部材42を、リール本体12の前部Fにフランジ部が形成されていないので、従来のような形状的な制約が少なくなり、ロータ60の後端部の極近接する位置まで、ロータ60の凹部61内にリール本体12の前部Fを挿入することが可能となり、魚釣用スピニングリール10の軸方向寸法を可級的に短くすることができる。
図1に示すように、ロータ60の凹部61内に挿入されるリール本体12の前部F内では、中空駆動軸22のピニオン22aよりも前方部位が、断面非円形の外面形状を有してロータ60の駆動部68を回り止め嵌合する作動部22bとして形成してあり、この作動部22bの後端部に、前側軸受46bであるボール軸受が装着される。この軸受46bの内輪が作動部22bの後端で支えられ、外輪はリール本体12のリールボディ12aに形成した環状段部78a内に収容され、後方への移動を阻止される。
更に、こ前部F内では、軸受46bの前方にスペーサ76を介して一方向クラッチ78を装着し、押え板80とリテーナ82との間に介挿したシール部材84をリールボディ12aの先端面に固定する止めネジ86により、前方に抜出るのを防止している。これらの軸受46bおよび一方向クラッチ78は、リールボディ12aの内面側に形成された段部で、外周側後端部を係止し、後方への移動を阻止しされる。したがって、前部Fの先端部すなわち軸受46bおよび一方向クラッチ78を収容する部位は、前部F内で、中空駆動軸22を軸方向移動を阻止しつつ回転自在に支える。
なお、この前部Fに配置された一方向クラッチ78は、リール本体12の後端部に配置した公知の操作レバー(図示しない)を切換操作することにより、釣糸繰り出し方向への中空駆動軸22、つまりロータ60の逆回転を阻止する逆転防止位置と、正回転および逆回転を許容する規制解除位置とに自由に切換えることができる。
本実施形態のシール部材84は、環状のリテーナ80で押圧される環状の基部84aの内周側から前方かつ半径方向内方に向けて傾斜した状態に延びるリップ部84bを有する環状の板状に形成されている。このリップ部84bは、先端すなわち内周側に向けて肉厚が次第に減少し、内周縁部は丸められている。これにより、リップ部84bがどの位置にあっても、相手方のロータ60の駆動部68の外周面に損傷を与えることなく、わずかに内周が拡開変形して弾性的にシール係合する。これにより、前部Fの内部が密封される。
このシール部材84が駆動部68の周囲すなわち外周面に摺接係合する駆動部68の後方部は、外部の圧力で内方に湾曲してシール効果が低下するのを防止するため、前方部より段部を介して小径に形成されている。また、このシール部材84は駆動部68の外周面との間に好適なシール効果を形成するものであれば適宜材料の弾性材で形成することができるが、ゴム製の材料で形成することが好ましい。いずれの場合も、シール部材84は、ロータ60の径方向開口部63よりも連結壁部66側に配置し、スプール50が前方に移動した場合であっても、径方向開口部63から外部に露出させないことが好ましい。
本実施形態のロータ60は、このように形成されたリール本体12の前部Fから突出する中空駆動軸22の前部である作動部22bに回り止め嵌合される。このロータ60は、駆動部68の後端を一方向クラッチ78の内輪部材を兼ねるリテーナ76の前端に当接され、中空駆動軸22の先端側外周部に形成した雄ネジ22cに螺合するナット88により、連結壁部66を介してこの駆動軸22に締結される。
図3および図4に示すように、このロータ60の連結壁部66には、駆動部68の周部に沿って複数の軸方向貫通孔65を形成し、ナット88の後端側部位を受入れる円形状の前部凹部67を駆動部68の前方側に開口させて形成してある。この前部凹部67の底面67aは、中空駆動軸22の中心軸線に対して垂直方向に配置され、ナット88の後端面が当接する前端面として作用する。このロータ60が、リール本体12の前部Fから突出する駆動軸22の作動部22bに回り止め嵌合され、駆動部68の後端部が一方向クラッチ78のリテーナ76の前端部に当接させると、中空駆動軸22の先端側部位に形成した雄ネジ22cが前部凹部67内に配置される。
図3から図6に示すように、ロータ60を中空駆動軸22に締結するナット88は、円筒部90と、外周面を非円形状に形成した操作部92とを有し、この内部に軸方向孔を貫通させた中空構造に形成してある。このナット88は、円筒部90に形成した雌ネジ88aを介して駆動軸22の雄ネジ22cに螺合し、円筒部90の一端側にこの円筒部90の中心軸線に対して垂直に形成される環状端面90aが、ロータ60の前端面すなわち前部凹部67の底面67aに係合する係合面として作用する。
本実施形態では、このナット88の係合面である環状端面90aが形成される一端側は、径方向外方に突出するフランジ部94を形成してあり、このフランジ部94の外方に向く端面がロータ60の前端面(底面67a)に係合する係合面90aを形成する。このフランジ部94により、ナット88とロータ60との係合面積が特に径方向外方に拡大する態様で増大し、より安定した状態でロータ60を駆動軸22に締付け固定することができ、更に、フランジ部94と操作部92との間の円筒部90の肉厚を薄くし、ナット88を軽量化することができる。
更に、ナット88の他端側に形成した操作部92は、外周面が例えば6角形等の非円形状に形成してあり、一端側の係合面90aを底面67aに当接させた状態でロータ60の前部凹部67内に配置したときに、操作部92の全体あるいは少なくとも一部がこの前部凹部67から外方に突出する状態に形成され、ナット88と中空駆動軸22との十分なネジ係合量を確保しつつ、ロータ60の連結壁部66からのナット88の突出量を少なくすることができる。
これにより、この操作部92を介してナット88を容易かつ確実に締付け操作することができ、中空駆動軸22に対するロータ60の取付け、取外しを容易かつ確実に行うことができる。しかも、ナット88の係合面90aが、係合するロータ60の前端面すなわち底面67aは、中空駆動軸22の中心軸線に対して垂直方向に配置されているため、ナット88の締付け力Pを、ロータ60の底面67aを介して軸方向に直接的に作用させることができ、ロータ60に径方向外方の無用の力を作用させて損傷させることなく、中空駆動軸22に対してロータ60を確実に回り止め固定し、効率的に軽量化することができる。
更に、ナット88の他端側には、雌ネジ88aよりも大径に形成された凹部96が開口し、スプール軸26を樹脂製の保護カラー99を介して支える軸受98とシール部材100とを収容している。この凹部96は、軸受98およびシール部材100を収容する収容凹部として作用し、操作部92に突片部102aを介して取付けた係止板102が、これらの軸受98およびシール部材100が収容凹部96から抜け出るのを防止している。
本実施形態では、軸受98はボール軸受で形成してあり、シール部材100は、軸受98の外輪と係止板102との間に挟持される厚肉環状構造の基部100aの内周側から前方かつ半径方向内方に向けて傾斜した状態に延びるリップ部100bとを有する。このシール部材100のリップ部100bも、上述の駆動部68に係合するシール部材84と同様に、先端すなわち内周側に向けて肉厚が次第に減少し、内周縁部は丸められている。これにより、リップ部100bがどの位置にあっても、相手方のスプール軸26の外周面に損傷を与えることなく、わずかに内周が拡開変形して弾性的にシール係合する。これにより、ナット88の収容凹部96および中空駆動軸22の内部が密封される。
これらの軸受98とシール部材100とをナット88の凹部96すなわち収容凹部内に収容配置し、このナット88の操作部92に装着した係止板102でシール部材100の基部100aを係止し、更に軸受98を抜け止めすることにより、リップ部100bの弾性を維持しつつナット88に軸受98とシール部材100とを装着したユニット構造に形成することができる。
本実施形態の係止板100はシール部材100の基部100aと操作部92の前端面を覆う環状構造の本体部から舌片状に径方向外方に突出する3つの突片部102a等間隔に形成し、これらの突片部102aを操作部92の外周面に沿って折り曲げ、その端部を操作部92の背面に係止させることで、取付け固定してある。このように、係止板100を介して軸受98およびシール部材100をナット88に一体化したユニット構造とすることにより、これらの部材を一個の部材として取扱うことができ、保守および組付け等が極めて容易となる。
なお、ナット88、軸受98およびシール部材100をこのようなユニット構造とする場合には、係止板102の突片部102aが操作部92の外周面から突出しないように、この突片部102aを収容する溝部を形成してもよい。
このナット88が使用中に緩むのを防止するため、ロータ60の連結壁部66にナット回り止め部材104が取付けられる。
図1,図3および図4に示すように、本実施形態のナット回り止め部材104は、ナット88の操作部92に嵌合する非円形凹部106を後方すなわちリール本体12側に開口させた形状に形成され、ロータ60の前端面すなわち連結壁部66の前方側の端面に、例えば2本のねじ108で固定されている。このナット回り止め部材104の前方側では、非円形凹部106の内周側に鍔状の係止部110が突出し、この係止部110がナット88の係止板102の前面側に当接可能に係合するように配置されており、ナット88内に設けた軸受98を、シール部材100及び係止板102を介して、軸方向規制する機能を有している。
これにより、ロータ88の前端面にネジ止めしたナット回り止め部材104の係止部110が、ナット88の凹部96内から軸受98およびシール部材100が抜け出るのを防止し、軸受98にガタ付きを生じさせることなく、ロータ60およびスプール軸26を安定した状態で支えることができる。
なお、ナット回り止め部材104の係止部110が係止板102を係止する場合には、係止板102をナット88の操作部92に固定するための突片部102aを省略することもできる。更に、このような係止部110を更に内方に突出させて、シール部材100の基部100aを直接係止させることも可能であり、この場合には係止板102を省略することも可能である。また、係止部110は、図示のようにリング状あるいは鍔状に形成することに代え、複数の舌片状部を非円形凹部106内に突出させて形成することも可能である。
このナット回り止め部材104の非円形凹部106は、ナット88の操作部92を回り止めできる内面形状を有するものであればどのようなものでもよく、操作部92の外周部に形成した角部を収容する凹部を更に多く形成することにより、中空駆動軸22に対するナット88の締付量を微細に調整し、その調整位置を保持することができる。
図1,図2および図4に示すように、本実施形態では、回り止め部材104の前部に更に、前方円筒部112が一体的に設けられている。
この前方円筒部112は、ナット回り止め部材104の前端面から前方に延び、前端が開口し、その外周部には、周方向に沿ってほぼ等間隔に複数の羽根状の係止突起114を突出し、その間には凹部116を形成してある。これらの係止突起114と凹部116とはロータボディ62の前部に凹凸外周部を形成し、この凹凸外周部を形成する複数の凹部116と係止突起114とが釣糸の係止機能を形成することにより、あらゆる向きからの糸落ちを防止する。
具体的には、様々な向きから侵入した釣糸がの係止突起114の側面や角部に引っかかり易く、弛んだ釣糸を凹部116内に保持することにより、スプール50の後方側の開口から内側に入り込んだ釣糸の内側への糸落ちによる糸絡み現象を効果的に防止する。図には、放射状に配置した8つのの係止突起114と、これらの間に配置された8つの凹部116とを形成してあるが、これらの係止突起114および凹部116の数および形状は、適宜に変更することが可能である。
例えば、係止突起114の外周側縁部を逆テーパ状すなわち後方に向けてスプール軸26側に縮径する傾斜面で形成し、釣糸が更に前方側に移動するのを防止してもよい。また、係止突起114の前側先端部に、径方向外方に突出する突部114aを設け、この突部114aにより、釣糸を係止し、これによりスプール軸26側に釣糸が入り込む糸落ちを更に確実に防止することもできる。これらの係止突起114および突部114aの外周側縁部は、接触した釣糸が損傷するのを防止するために、図4に示すような湾曲面で形成することが好ましい。
この魚釣用リール10によると、ロータボディ62の後方開口部62a内に配置された駆動部68が、リール本体12内の駆動機構24で駆動される中空駆動軸22に一体的に連結され、この駆動部68の周囲と、中空駆動軸22を回転自在に支える前部88の先端部との間に配置されたシール部材98が、リール本体12の前部88内を密封することにより、異物の侵入する隙間がなくなり、リール本体12の前部Fの防水および防塵が確実に図られる。更に、ナット88の凹部96に収容した軸受98がスプール軸26をガタ付きを生じさせることなく支え、シール部材96がスプール軸26との間を密封し、これにより、中空駆動軸22内への異物の侵入する隙間がなく、リール本体12から突出する中空駆動軸22内の防水および防塵を確実に行うことができる。
そして、ナット88の締付け力Pが円筒状部90の一端側に形成した係合面90aを介してロータ60の連結壁部66の前端面(凹部67の底面67a)に軸方向に直接的に作用させることができ、ロータ60に径方向外方の無用の力を作用させて損傷させることなく、中空駆動軸22に対してロータ60を確実に回り止め固定し、効率的に軽量化することにより、このような中空駆動軸22およびリール本体12の前部の防水および防塵機能を長期間にわたって維持することができ、その保守も容易に行うことが可能となる。
図7は、他の実施形態による魚釣用リール10Aを示す。なお、以下に示す実施形態あるいは変形例は、基本的には上述の実施形態と同様であり、したがって、同様な部位には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この魚釣用リール10Aでは、ナット回り止め部材104Aが軽量化されており、上述の実施形態における糸落ち防止用の前方円筒部112および係止突起114を省略してある。この場合には、スプール50内の空気抵抗も極めて小さくなる。
特に、釣竿と共に勢いよく振り下ろしながら釣糸放出操作を行う飛距離を競う投げ専用リールにおいては、リール本体の後部側から前方側に向く空気抵抗を受け易く、特にこの釣糸放出操作時の風の抵抗が微妙に釣糸放出操作性を低下させる要因となっていたものであるが、上述のようなリール本体12の前部Fのフランジレス構造に加え、ロータ60およびスプールの貫通孔65,55による空気抵抗の減少、および、スプール50内の空気抵抗の減少で、釣糸放出操作性を向上させることが可能となり、投げ専用リールに極めて好適に用いることができる。
図8に記載の魚釣用リール10Bは、更に軽量化したナット回り止め部材104Bを備える。このナット回り止め部材104Bは、ナット88の操作部92が回り止め嵌合する非円形凹部106を有する板状に形成してあり、この上述の実施形態における鍔状の係止部110を省略してある。このナット回り止め部材104Bで回り止めされれるナット88は、例えばカシメ、接着等で固着した係止板118により、軸受98およびシール部材100を凹部96から抜け止めしたユニット構造に形成してある。なお、必要な場合には、ロータ60の連結壁部66に適宜の支持突起120を設け、ナット抜け止め部材104Bの位置決めを行ってもよい。
なお、上述の実施形態あるいは変形例はリール本体12のフランジ部を省略した魚釣用スピニングリールに関するものであるが、他の形式の魚釣用リールについても適用可能なことは明らかである。
10…魚釣用リール、12…リール本体、22…駆動軸、60…ロータ、67a…前端面(底面)、88…ナット、90…円筒部、90a…係合面、92…操作部。
Claims (5)
- ハンドルの回転操作で連動回転する駆動軸の前部をリール本体から突出し、この駆動軸の前部に回り止め嵌合するロータを、駆動軸の外周部に形成した雄ネジに螺合するナットでこの駆動軸に締結する魚釣用リールであって、
前記ナットは、ロータの前端面に係合する係合面を一端側の端面に形成した円筒部と、この円筒部の他端側で、円筒部よりも外方に突出して外周面を非円形状に形成した操作部とを有し、このナットの係合面をロータの前端面に圧接して、ロータを駆動軸に締付け固定することを特徴とする魚釣用リール。 - 中空構造に形成された前記駆動軸に挿通されるスプール軸を、前記ナットの収容凹部内に収容した軸受を介して支え、前記操作部の非円形状の外周面に嵌合する非円形凹部を形成したナット回り止め部材を前記ロータの前端面にネジ止めし、このナット回り止め部材の前記非円形凹部の内周側に突出させた係止部により、前記ナットの収容凹部に設けた軸受の軸方向規制を可能とした請求項1に記載の魚釣用リール。
- 前記ナットの収容凹部内に、このナットとスプール軸との間をシールするシール部材を配置し、このナットに装着した係止板により、このシール部材を介して前記軸受を抜け止めする請求項2に記載の魚釣用リール。
- 前記ナット回り止め部材の前部に、釣糸が侵入するのを防止する係止突起が設けられる請求項2又は3に記載の魚釣用リール。
- 前記ナットは、前記円筒部の前記一端側に径方向外方に突出するフランジ部を有し、このフランジ部の端面に、前記係合面が形成される請求項1から4のいずれか1つに記載の魚釣用リール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007292381A JP2009112287A (ja) | 2007-11-09 | 2007-11-09 | 魚釣用リール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007292381A JP2009112287A (ja) | 2007-11-09 | 2007-11-09 | 魚釣用リール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009112287A true JP2009112287A (ja) | 2009-05-28 |
Family
ID=40780145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007292381A Withdrawn JP2009112287A (ja) | 2007-11-09 | 2007-11-09 | 魚釣用リール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009112287A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20150109274A (ko) * | 2014-03-19 | 2015-10-01 | 글로브라이드 가부시키가이샤 | 낚시용 스피닝 릴 |
JP2016029949A (ja) * | 2014-07-30 | 2016-03-07 | グローブライド株式会社 | 魚釣用スピニングリール |
-
2007
- 2007-11-09 JP JP2007292381A patent/JP2009112287A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20150109274A (ko) * | 2014-03-19 | 2015-10-01 | 글로브라이드 가부시키가이샤 | 낚시용 스피닝 릴 |
US9743649B2 (en) | 2014-03-19 | 2017-08-29 | Globeride, Inc. | Fishing spinning reel |
KR102274258B1 (ko) | 2014-03-19 | 2021-07-07 | 글로브라이드 가부시키가이샤 | 낚시용 스피닝 릴 |
JP2016029949A (ja) * | 2014-07-30 | 2016-03-07 | グローブライド株式会社 | 魚釣用スピニングリール |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7614576B2 (en) | Spool for spinning reel | |
JP2007054016A (ja) | スピニングリールのリール本体 | |
JP2008005713A (ja) | 釣り用リールの連結部材 | |
KR100291010B1 (ko) | 낚시용 릴 | |
US7665683B2 (en) | Fishing line guiding mechanism of spinning reel | |
JP2010063434A (ja) | 魚釣用スピニングリール | |
KR101694486B1 (ko) | 스피닝 릴의 드래그 손잡이 | |
JP2009112287A (ja) | 魚釣用リール | |
JP4804331B2 (ja) | スピニングリールのリール本体 | |
JP5331861B2 (ja) | 魚釣用スピニングリール | |
JP4975531B2 (ja) | 魚釣用スピニングリール | |
TWI785109B (zh) | 雙軸承捲線器 | |
JP4812122B2 (ja) | 魚釣用スピニングリール | |
JP2008295375A (ja) | 魚釣用スピニングリール | |
JP2009106233A (ja) | 魚釣用リール | |
JP2594253Y2 (ja) | スピニングリール | |
KR20190074942A (ko) | 낚시용 릴의 스풀 및 낚시용 릴 | |
JP4970147B2 (ja) | 魚釣用スピニングリール | |
KR100665068B1 (ko) | 낚시용 릴 | |
JP4381885B2 (ja) | 釣り用リールのスプールの制動操作構造 | |
KR200375048Y1 (ko) | 보빈의 풀림 방지구 | |
JP2003259770A (ja) | スピニングリールのリール本体 | |
JP2008295371A (ja) | 魚釣用スピニングリール | |
JP3934663B2 (ja) | スピニングリールの防水構造 | |
JP2007111061A (ja) | 魚釣用スピニングリール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110201 |