JP2005248926A - ブローバイガス還流システムのベンチレータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 捕捉したブローバイガス中のオイルのオイル通路内でのスラッジ化を防止してオイルの流れを確保でき、ブローバイガス還流システムの機能を維持可能なブローバイガス還流システムのベンチレータを提供すること。
【解決手段】 ベンチレータ1のブローバイガス入口(6)とブローバイガス出口(8)との間にオイル集合部(42)、オイル通路(48)、オイル合流部(50)を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ブローバイガス還流システムのベンチレータ装置に係り、詳しくはベンチレータ装置で分離したブローバイガス中のオイルを流すオイル通路に関する。
内燃機関では、燃焼室からピストンとシリンダ壁との隙間を通りクランクケース内に吹きぬけるブローバイガスが発生するが、当該ブローバイガスを吸気系に還流し、再度燃焼室に吸入させて燃焼させるためのブローバイガス還流システムが一般に採用されている。
このブローバイガス還流システムには、ブローバイガスの発生量に対応して吸気通路に還流されるブローバイガスの還流量を吸気負圧等に応じて調節する機能と、ブローバイガスに混入しているオイルが吸気系に流入し吸気系に設けられた装置に付着する不都合やオイルの消費量の増加を防止するために、ブローバイガス中のオイルを捕捉し内燃機関に戻す機能とを備えた装置が設けられている。
このような装置として、例えば、長手方向の一方にブローバイガスの入口が設けられ、他方に出口が設けられ、入口と出口との間にブローバイガス中のオイルを捕捉する衝突式採集板が備えられていると共に、当該衝突式採集板により捕捉したオイルを一時的に蓄えるリザーバと当該リザーバを定期的に開放するドレンバルブとが本体下部に設けられた油分分離装置が開発されている(特許文献1参照)。
特開平6−229222号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された装置では、オイル通路であるリザーバやドレンバルブが油分分離装置の本体下部に設けられているために、冬季等においてはオイル通路の温度が低下してオイルが固まり、スラッジが生成されるという問題がある。このようにオイル通路内にスラッジが生成されると、スラッジがオイルやブローバイガスの流れを妨げ、ブローバイガス還流システムの機能を低下させる虞があり好ましいことではない。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、捕捉したブローバイガス中のオイルのオイル通路内でのスラッジ化を防止してオイルの流れを確保でき、ブローバイガス還流システムの機能を維持可能なブローバイガス還流システムのベンチレータ装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1のブローバイガス還流システムのベンチレータ装置では、内燃機関で発生するブローバイガスを吸気系に還流する途中に設けられるブローバイガス還流システムのベンチレータ装置において、前記ブローバイガスを導入するブローバイガス入口と、前記ブローバイガスを吸気系に還流する量を調節するブローバイガス還流量調節手段と、前記ブローバイガスに含まれているオイルを捕捉するオイル捕捉手段と、該オイル捕捉手段を通過した前記ブローバイガスを排出するブローバイガス出口と、前記オイル捕捉手段により捕捉されたオイルを排出するオイル出口と、前記オイル捕捉手段と前記オイル出口との間に設けられ、前記捕捉手段により捕捉されたオイルを集合させるオイル通路とを備え、前記オイル通路が前記ブローバイガス入口の近傍に設けられることを特徴としている。
請求項2のブローバイガス還流システムのベンチレータ装置では、前記ブローバイガス入口と前記ブローバイガス出口とは互いに接近して形成されており、前記オイル通路は、前記ブローバイガス入口と前記ブローバイガス出口との間に設けられることを特徴としている。
上記手段を用いる本発明の請求項1のブローバイガス還流システムのベンチレータ装置によれば、比較的高温であるブローバイガスが流入してくるブローバイガス入口付近にオイル通路が設けられることにより、オイル通路の温度も比較的高温に保持されるので、オイル通路内でのオイルのスラッジ化を防止できる。
これにより、オイル通路に特別に保温装置等を設けることなくオイルの流れを良好にすることができ、ブローバイガス還流システムの機能を良好に保つことができる。
請求項2のブローバイガス還流システムのベンチレータ装置によれば、ブローバイガス入口と出口が互いに接近して設けられている場合において、比較的高温となるブローバイガス入口と出口との間にオイル通路が設けられることにより、オイルのスラッジ化をより一層良好に防止でき、ブローバイガス還流システムの機能をさらに良好に保つことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1を参照すると、本発明に係るブローバイガス還流システムのベンチレータ装置の正面図が示されている。
図1に示すように、ベンチレータ1は円筒状にして上方が開口し有底のベンチレータ本体2と、ベンチレータ本体2の上方開口に蓋するキャップ4から構成されている。
ベンチレータ本体2には、ベンチレータ1の高さ方向で見て略中央部であり正面方向から見て左右方向の一方にブローバイガス入口6が、他方にブローバイガス出口8が同一方向に開口して形成されている。なお、ブローバイガス入口6はブローバイガス出口8よりも若干低い位置に形成されている。
図2を参照すると、図1のA−A線に沿う断面図が示され、図3を参照すると、図1のB−B線に沿う断面図が示されている。以下、図2、図3に基づきベンチレータの内部構成について説明する。
図2に示すように、ベンチレータ1内のブローバイガス入口6と同じ高さ位置には、ブローバイガス入口6と直接連通する平面視リング形状の第一室10が形成されている。
第一室10の下方には隔壁11を隔てて同じく平面視リング形状である第二室12が形成されており、第一室10と第二室12とは隔壁11に穿設されている孔14を介して連通している。そして、第二室12の内部には金属メッシュ(オイル捕捉手段)16が内装されている。
第二室12の下方には隔壁17を隔てて略ドーム形状の第三室18が形成されており、第二室12と第三室18とは隔壁17に穿設されている孔20を介して連通している。
第三室18には、第三室18を上空間18aと下空間18bとに隔てるPCVバルブ(ブローバイガス還流量調節手段)22が設けられている。PCVバルブ22は、周縁が第三室18の側面と密着して固定されている薄膜状のダイアフラム24の中心部にプレート26を一体化するように設け、第三室18の天井部と当該プレート26の上部との間及び第三室18の底部と当該プレート26の下部との間にそれぞれスプリング27、28を介装して構成されている。
第三室18の下空間18bは、第三室18の底部からベンチレータ本体2の底部を貫通して延びる大気導入孔29により大気開放されており、常に外気の圧力(大気圧)と同圧に保たれている。
第三室18の天井部の中心部からは、リング形状である第一室10及び第二室12の中空部を通って中央通路30が上下方向に延設されており、第三室18の上空間18aは、当該中央通路30を介してベンチレータ1内の上部空間に形成されている第四室32と連通している。そして、中央通路30の周縁部材の下部はプレート26の上部と共にPCVバルブ22の各弁体を構成している。
第四室32には、上下方向に延びて中空筒状のフィルタ(オイル捕捉手段)34が内装されている。詳しくは、フィルタ34は例えばグラスウールであり、当該フィルタ34の下部は、第四室32内に若干突出している中央通路30の周縁部材の上部に嵌合して位置決めされている。また、フィルタ34の上端部には端板36が設けられ、当該端板36はキャップ4の天井部に係合しており、端板36とキャップ4との間にはスプリング38が介装されている。
ベンチレータ本体2内においてフィルタ34の外周と第一室10の外周は略同径であり、ベンチレータ本体2の内面とフィルタ34及び第一室10との間にはリング形状の空間32aが形成されている。
図3に示すように、第四室32はブローバイガス出口8と直接連通しており、空間32aのブローバイガス出口8の近傍には平面視円弧状に板部材40が設けられている。
空間32aの底部のブローバイガス入口6とブローバイガス出口8の間部分には、第二室12まで凹状に窪んだ形状のオイル集合部42が形成されており、当該オイル集合部42以外の部分では、空間32aの底部はオイル集合部42に向かって僅かに低くなるよう形成されている。
オイル集合部42の底部には、逆止弁44の芯部44aが挿入され、芯部44aの周辺に位置して複数の孔45が穿設されている。逆止弁44は逆傘形状をなし、傘部44bがゴム等の弾性軟質材で形成されている。これより、逆止弁44は、オイル集合部42に所定以上のオイルが溜まるとオイル荷重により傘部44bが下方向にめくれてオイルが下方に流れ、オイルが減少すると傘部44bの弾性力によって元の逆傘形状となり孔45を塞ぐ働きをする。
逆止弁44の下方、即ちベンチレータ本体2下部には、ブローバイガス入口6とブローバイガス出口8との間に位置して凸部46が膨出して形成されており、当該凸部46の内面と第三室18との間にはオイル通路48が形成されている。そして、第三室18の天井部と底部との境目部分には、開口して第三室18の上空間18aとオイル通路48とを連通するオイル合流部50が形成されている。
オイル合流部50よりも下方には、ベンチレータ本体2の底部と第三室18の底部との間に位置して底部オイル通路52が形成されている。なお、底部オイル通路52はベンチレータ本体2の底部中心部に向かって低くなるよう形成されている。
ベンチレータ本体2の底部中心部には下方に延びてオイル出口54が形成されており、底部オイル通路50とオイル出口54の間には、上記逆止弁44と同様の構成の逆止弁56が介装されている。
図4を参照すると、本発明に係るベンチレータ装置を含むブローバイガス還流システムの全体模式図が示されている。
図4では上記ベンチレータ1を含むブローバイガス還流システムをターボチャージャ過給式エンジンに適用した例が示されており、エンジン60のクランクケース62とエンジン60の吸気入口側であるターボチャージャ64の上流部との間にベンチレータ1が連結されている。クランクケース62とベンチレータ1のブローバイガス入口6とはブローバイガス導入通路66により連結され、ベンチレータ1のブローバイガス出口8とターボチャージャ64の上流部とがブローバイガス戻し通路68により連結され、ベンチレータ1のオイル出口54とエンジン60のクランクケース62とがオイル戻し通路70により連結されている。
以下このように構成された本発明に係るブローバイガス還流システムのベンチレータ装置の作用について説明する。
エンジン60の作動中、ベンチレータ1のブローバイガス入口6には、エンジン60のクランクケース62からブローバイガス導入通路66を介してブローバイガスが導入される。この際、エンジン60でのブローバイガスの発生量に対応して吸気通路に還流されるブローバイガスの還流量が吸気負圧に応じてPCVバルブ22により調節される。
ブローバイガス入口6より導入されたブローバイガスはリング形状の第一室10内を旋回しつつ、孔14から第二室12へと流入していく。
第二室12に流入したブローバイガスは第二室12内を旋回しつつ、金属メッシュ16によりブローバイガス内の比較的大きな液滴のオイルが捕捉された後、孔20から第三室18の上空間18aへと流入していく。
第三室の上空間18aに流入したブローバイガスはPCVバルブ22、中央通路30を通って上昇し第四室32へと流入していく。
第四室32に流入したブローバイガスはフィルタ34の中空部分からフィルタ34の外側の空間32aに向かい流れ、比較的小さな液滴のオイルもフィルタ34により捕捉される。オイルの除去されたブローバイガスは空間32aで板部材40を避けるよう迂回してブローバイガス出口8から排出され、ブローバイガス戻し通路68を通りターボチャージャ64の上流部に戻される。
フィルタ34で捕捉され液滴化したオイルは空間32aへ流下していきオイル集合部42に集められる。そして、オイル集合部42に所定以上のオイルが溜まると逆止弁44が開き、オイルはオイル通路48へと流下していく。
また、第二室12の金属メッシュ16により捕捉され液滴化したオイルは孔20から流下し、プレート24及びダイアフラム22の上部を伝ってオイル合流部50へと流下し、上記フィルタ34で捕捉されたオイルと合流する。
オイル合流部50で合流したオイルは底部オイル通路52から底部中心部へと流下していく。
底部中心部にオイルが所定以上溜まると逆止弁56が開き、オイルは、オイル出口54へ流下していき、オイル戻し通路70を経てクランクケース62へと戻される。
この際、ベンチレータ1の正面側にはエンジン60からの比較的高温なブローバイガスが通る通路であるブローバイガス入口6及びブローバイガス出口8が形成されているため、ベンチレータ1の正面側は比較的高温となる。そして、この比較的高温となる正面側にはオイル集合部42、オイル通路48、オイル合流部50が設けられているため、オイルの温度は低下なく保持される。
このように、本発明に係るブローバイガス還流システムのベンチレータ装置では、オイル集合部42、オイル通路48、オイル合流部50等のオイル通路においてオイルの温度が保持されるので、冬季等においてオイル通路の温度が低下してオイルが固まり、オイル通路内にスラッジが生成されてしまうことが防止され、当該スラッジによってオイルやブローバイガスの流れが妨げられることが防止される。
これにより、オイル通路等に特別に保温装置等を設けることなくオイルの流れを良好にし、ひいてはブローバイガス還流システムの機能を良好に保つことができる。
以上で本発明に係るブローバイガス還流システムのベンチレータ装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、オイル出口がベンチレータ本体2の底部中心部に形成されているが、この位置に限るものではなく、例えば、オイル合流部50の真下位置にオイル出口を設けてもよい。
また、上記実施形態では、オイル捕捉手段として金属メッシュ16とフィルタ34を用いたが、これに限られるものではなく、どのような種類のオイル捕捉手段でもよく、またその数もいくつ設けても構わない。
また、上記実施形態では、逆傘形状の逆止弁44、56を用いたが、逆止弁はこれに限るものではなくどのような構成の逆止弁を用いても構わない。
さらに、図4に示した実施の形態においては、ガス戻し通路68をターボチャージャ64の上流部と連結したが、自然吸気式エンジンにあっては、エンジンの吸気入口側、例えばインテークマニホールドに連結すればよい。
本発明に係るブローバイガス還流システムのベンチレータ装置の正面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 本発明に係るベンチレータ装置を含むブローバイガス還流システムの全体模式図である。
符号の説明
1 ベンチレータ
6 ブローバイガス入口
8 ブローバイガス出口
10 第一室
12 第二室
16 金属メッシュ(オイル捕捉手段)
18 第三室
22 PCVバルブ(ブローバイガス還流量調節手段)
30 中央通路
32 第四室
34 フィルタ(オイル捕捉手段)
42 オイル集合部
46 凸部
48 オイル通路
50 オイル合流部
54 オイル出口
60 エンジン
66 ブローバイガス導入通路
68 ブローバイガス戻し通路
70 オイル戻し通路

Claims (2)

  1. 内燃機関で発生するブローバイガスを吸気系に還流する途中に設けられるブローバイガス還流システムのベンチレータ装置において、
    前記ブローバイガスを導入するブローバイガス入口と、
    前記ブローバイガスを吸気系に還流する量を調節するブローバイガス還流量調節手段と、
    前記ブローバイガスに含まれているオイルを捕捉するオイル捕捉手段と、
    該オイル捕捉手段を通過した前記ブローバイガスを排出するブローバイガス出口と、
    前記オイル捕捉手段により捕捉されたオイルを排出するオイル出口と、
    前記オイル捕捉手段と前記オイル出口との間に設けられ、前記捕捉手段により捕捉されたオイルを集合させるオイル通路とを備え、
    前記オイル通路が前記ブローバイガス入口の近傍に設けられることを特徴とするブローバイガス還流システムのベンチレータ装置。
  2. 前記ブローバイガス入口と前記ブローバイガス出口とは互いに接近して形成されており、
    前記オイル通路は、前記ブローバイガス入口と前記ブローバイガス出口との間に設けられることを特徴とする請求項1記載のブローバイガス還流システムのベンチレータ装置。
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