JP2007016732A - 気液分離オイル戻し通路 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の大型化や重量の増加を抑制しつつも、ブローバイガスとオイルミストを確実に分離させること。
【解決手段】一端がクランクケース52側に連通すると共に他端が吸気通路57側に連通する二重孔構造の通路を有し、この通路の外側の孔をオイル戻し路W2とする一方、この通路の内側の孔をブローバイガス還元路W1としたものにおいて、このブローバイガス還元路W1内に、ブローバイガス内に混在するオイルを分離する気液分離手段を設けること。例えば、その気液分離手段としては複数の気泡3aを有する発泡部材3を用い、この発泡部材3の外周面にてオイル戻し路W2とブローバイガス還元路W1との境界を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、クランクケース内のブローバイガスを還元する一方、そのブローバイガス内に混在するオイルを分離してオイルパンに戻す気液分離オイル戻し通路に関する。
内燃機関においては、燃焼室内のガスがピストンとシリンダの隙間を通ってクランクケース内に漏れ出る。このクランクケース内に漏れ出たガスをブローバイガスといい、主として有害成分たるHC(炭化水素)が含まれている。これが為、従来、そのブローバイガスをクランクケース内から排出し、吸気通路に再循環させて清浄化を図っている。
例えば、下記の特許文献1には、シリンダヘッド内の空間とオイルパン内の空間とを連通させる二重孔構造の通路を形成し、その通路の内の外側をオイル戻し路とし、内側をブローバイガス還元路としているものが開示されている。
ここで、そのブローバイガス内には霧化されたオイル(以下、「オイルミスト」という。)が混在しており、そのままの状態で吸気通路に再循環されると、そのオイルミストが吸気通路の壁面に付着してしまう。そして、その付着したオイルとその吸気通路を流れるガス中の成分とが反応を起こし、デポジットを発生させてしまう虞がある。
そこで、従来、そのブローバイガス内に混在しているオイル分を分離し、ブローバイガスのみを吸気通路へと流入させている。
例えば、下記の特許文献2には、環状のフィルタを気液分離手段として用意し、そのフィルタによって分離されたオイルをその周囲のオイル溜めに排出する技術が開示されている。
また、下記の特許文献3には、PCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション)バルブと気液分離器とを一体化したものをブローバイガス還元路に設けた技術が開示されている。
尚、下記の特許文献4には、ロッカーカバー内のオイルミストセパレータにおいて、オイル放出部の口に絞りを設けたものが開示されている。また、下記の特許文献5には、ブローバイガス通路やオイル落とし通路として利用可能な連絡通路が開示されている。
実開平2−56805号公報 特開2004−211670号公報 特開2000−8828号公報 特開平7−243317号公報 特開平1−280666号公報
しかしながら、例えば、上記の特許文献2〜4の気液分離手段においては装置構成が大掛かりなものになるので、製造原価が高くなるだけでなく、内燃機関の大型化や重量の増加を招来してしまう。
一方、上記特許文献1においては、その構成が簡易的なものであるので製造原価の低減,内燃機関の大型化や重量の増加の抑制の観点からは好ましいが、ブローバイガス還元路からはオイルミストも一緒に吸気通路側へと流入してしまい、また、クランクケースからオイル戻し路にブローバイガスが流入してしまうので、結局の所、別構成の気液分離手段を用意しなければならず、内燃機関の大型化や重量の増加を抑制することはできない。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、ブローバイガスとオイルミストを確実に分離させると共に、内燃機関の大型化や重量の増加の抑制が可能な気液分離オイル戻し通路を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、一端がクランクケース側に連通すると共に他端が吸気通路側に連通する二重孔構造の通路を有し、この通路の外側の孔をオイル戻し路とする一方、この通路の内側の孔をブローバイガス還元路としたものにおいて、このブローバイガス還元路内に、ブローバイガス内に混在するオイルを分離する気液分離手段を設けている。
この請求項1記載の気液分離オイル戻し通路によれば、簡易的な構成によって内燃機関の小型化や軽量化を図りながらも、クランクケース内のブローバイガスとオイルミストを確実に分離することができる。
ここで、請求項2記載の発明の如く、上記請求項1記載の気液分離オイル戻し通路において、気液分離手段を発泡部材で構成し、この発泡部材の外周面にてオイル戻し路とブローバイガス還元路との境界を形成することが好ましい。これによれば、その発泡部材の気泡にオイルミストが捉えられた後に、そのオイルミストを発泡部材の外周面の気泡からオイル戻し路に放出することができる、という簡易構成を構築することができる。
また、請求項3記載の発明の如く、上記請求項1又は2に記載の気液分離オイル戻し通路において、オイル戻し路におけるクランクケース側の端部の開口部分に、このオイル戻し路へとクランクケース側からのブローバイガスの流入を遮断するブローバイガス遮断手段を設けることが好ましい。これによれば、例えば、オイル戻し路とシリンダヘッドのオイル戻し通路とが連通している場合に、そのオイル戻し路へのブローバイガスの流入が阻止されるので、そのシリンダヘッドのオイル戻し通路へのブローバイガスの流入を防ぐことができる。
例えば、このブローバイガス遮断手段としては、請求項4記載の発明の如く、オイル戻し路におけるクランクケース側の端部に形成した絞り部を用いる。この絞り部からなるブローバイガス遮断手段においては、オイル戻し路に放出されたオイルミストが絞り部に一定量残存して膜を形成するので、かかるオイルの膜によってブローバイガスの流入を阻止することができる。
本発明に係る気液分離オイル戻し通路は、内燃機関の小型化や軽量化を図りつつクランクケース内のブローバイガスとオイルミストを確実に分離することができ、そのブローバイガスを吸気通路側へと再循環させ、且つ、そのオイルミストをオイル戻し路からオイルパンに戻すことができる。これが為、この気液分離オイル戻し通路によれば、吸気通路へのオイルミストの混入を確実に防ぐことができるので、デポジットの発生や内燃機関の出力の低下を抑制することができる。更に、そのオイルミストがブローバイガスと共に燃焼室に送られることがないので、オイルパンに貯留されるべき本来のオイル量を維持することができる。
以下に、本発明に係る気液分離オイル戻し通路の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る気液分離オイル戻し通路の実施例1を図1から図5に基づいて説明する。
図1の符号1は本実施例1の気液分離オイル戻し通路を示し、この気液分離オイル戻し通路1は図1に示す内燃機関に適用されるものとして例示する。この内燃機関は、シリンダヘッド50と、このシリンダヘッド50の下面に締結されるシリンダブロック51と、このシリンダブロック51の下面に締結されるクランクケース52と、このクランクケース52の下面に締結されるオイルパン53とを備えており、そのシリンダブロック51の内方にピストン54がクランクシャフト55を介して往復運動可能に配置されている。
ここで、その内燃機関においては、シリンダヘッド50の下面とシリンダブロック51の内壁面とピストン54の頂面とにより燃焼室が構成され、この燃焼室にて点火・爆発が行われる。その際、この燃焼室においては燃焼ガスや未燃焼ガス等の筒内ガスが発生するが、その筒内ガスは、排気通路に排出される一方で、シリンダブロック51の内壁面とピストン54の側面との間の隙間からクランクケース52内へと漏れ出てしまう。
そこで、本実施例1の内燃機関においては、そのクランクケース52内のブローダウンガスを吸気経路へと再循環させて燃焼室で燃焼させるブローダウンガス還元装置が設けられている。
本実施例1にあっては、そのブローダウンガス還元装置として気液分離オイル戻し通路1が形成されている。
本実施例1の気液分離オイル戻し通路1は、図1及び図2に示す如く、一端をシリンダヘッド50の空間50aに連通させる一方、他端をクランクケース52内に連通させるシリンダヘッド50及びシリンダブロック51に形成された円柱状の貫通孔2と、この貫通孔2の内方にて同心円上に配置された円柱状の発泡部材3とを備えている。尚、その空間50aとは、ブローダウンガス還元装置の機能を担う為の空間であってもよく、シリンダヘッド50の吸気ポートであってもよい。
その発泡部材3は、クランクケース52内の圧力上昇に伴ってその内部にブローバイガスとオイルミストが流入すると、その複数の気泡3aにオイルミストを捉えてブローバイガスとオイルミストとの分離を行う。即ち、この発泡部材3は、ブローバイガスとオイルミストを分離させる気液分離手段として設けたものである。例えば、この発泡部材3は、アルミニウムやマグネシウム、樹脂やケナフ等で形成される。また、その気泡3aの数量(換言すれば、この発泡部材3の気泡率)は、内燃機関の仕様毎に異なるので、例えば実験やシミュレーションの結果に基づいて最適なものを選択する。
この発泡部材3によって分離されたブローバイガスは、その内部を流動して上述したシリンダヘッド50の空間50aに排出される。本実施例1にあっては、その空間50aが図1に示すブローバイガス還元通路56を介して吸気通路57に連通しており、そのブローバイガスが吸気通路57に流入して再循環させられる。このことから、本実施例1の発泡部材3は、ブローバイガスを還元させるブローバイガス還元路W1として機能している。
一方、この発泡部材3によって分離されたオイルミストは、図2及び図3に示す如く、その外周面の気泡3aから放出される。これが為、本実施例1にあっては、その発泡部材3の外周面と貫通孔2の周壁面との間の環状の空間をオイル戻し路W2として利用する。
ここで、仮に空間50a側における発泡部材3の端面に気泡3aが露出していると、残存しているオイルミストが空間50a内にも放出されてしまい、共に吸気通路57へと流入してしまう虞がある。これが為、本実施例1においては、その空間50a側における発泡部材3の端面に気泡3aが露出しないように発泡部材3を形成する。
また、クランクケース52側の端部にてオイル戻し路W2に放出されたオイルや後述するが如く残存しているオイルが発泡部材3の外周面の気泡3aに逆流してしまうと、一度放出されたオイルを再び上方の気泡3aで捉えなければならず無駄である。これが為、本実施例1の発泡部材3においては、そのクランクケース52側の端部に気泡3aが形成されないようにする。
更に、本実施例1の貫通孔2は空間50a側に開口しているので、この空間50aに排出されたブローバイガスがオイル戻し路W2に逆流する虞がある。これが為、本実施例1にあっては、そのオイル戻し路W2の空間50a側の開口を閉塞する図2に示す環状部材4が配設されている。
尚、そのオイル戻し路W2を上述した空間50aではなく例えばシリンダヘッド50のオイル通路等に連通させる場合には、そのような環状部材4を設ける必要はない。
ところで、上述した発泡部材3は、その一端はシリンダヘッド50に圧入された環状部材4の内周面で保持することができるが、クランクケース52側の他端については別途保持部材等を用意しなければ全体を正規の位置に配置することができない。
そこで、例えば図4に示す如く、その発泡部材3の外周面と貫通孔2の周壁面との間に発泡部材保持部5を設けて、発泡部材3を貫通孔2の中に正規の位置で配置させることが好ましい。その図4においては、その発泡部材3の外周面から貫通孔2の周壁面に向けて発泡部材保持部5を一体的に突設したものを例示している。ここで、本実施例1にあっては、その発泡部材保持部5を発泡部材3の周方向に略同等の間隔で4つ設けている。かかる図4に示す発泡部材保持部5によれば、その発泡部材保持部5の壁面にも気泡3aが形成されるので、分離されたオイルミストの放出性能が向上する。
尚、その発泡部材保持部5は、貫通孔2の周壁面から発泡部材3の外周面に向けて一体的に突設したものであってもよく、別体のものであってもよい。
本実施例1の気液分離オイル戻し通路1においては、上述したが如き構成によりクランクケース52内のブローバイガスとオイルミストを分離して、そのオイルミストをオイル戻し路W2からオイルパン53に戻させる。このように、分離したオイルミストをオイルパン53に戻すことができるのはオイル戻し路W2のクランクケース52側が開口しているからに他ならないが、その反面、その開口からクランクケース52内のブローバイガスが流入してしまうと好ましくない場合もある。例えば、上述したが如くオイル戻し路W2をシリンダヘッド50のオイル通路等に連通させる場合には、そのオイル通路にブローバイガスが流入してしまうので好ましくない。
そこで、本実施例1においては、その開口からのブローバイガスのオイル戻し路W2への流入を遮断するブローバイガス遮断手段を設ける。本実施例1のブローバイガス遮断手段としては、その気液分離オイル戻し通路1のオイル戻し路W2におけるクランクケース52側の開口端に設けた図2に示す絞り部6を用いる。この図2に示す絞り部6は、貫通孔2の周壁面のクランクケース52側を発泡部材3の外周面に向けて突出させて形成する。尚、これに限らず、発泡部材3の外周面のクランクケース52側を貫通孔2の周壁面に向けて突出させた絞り部であってもよい。
これにより、発泡部材3の外周面の気泡3aから放出されたオイルミストは、その自重によりオイル戻し路W2内を下がり絞り部6に到達する。そして、その絞り部6においては表面張力と自重によって図5に示す如く一定量のオイルが残存して膜を張るので、そのオイルがかかる部位におけるオイル戻し路W2の開口を閉塞し、クランクケース52内のブローバイガスとオイルミストがオイル戻し路W2へと流入することを防ぐ。
以上示した如く、本実施例1の気液分離オイル戻し通路1によれば、発泡部材3によってクランクケース52内のブローバイガスとオイルミストを確実に分離することができ、そのブローバイガスを吸気通路57側へと再循環させ、且つ、そのオイルミストをオイル戻し路W2からオイルパン53に戻すことができる。これが為、この気液分離オイル戻し通路1を用いることによって吸気通路57へのオイルミストの混入を確実に防ぐことができるので、デポジットの発生や内燃機関の出力の低下を抑制することができる。更に、そのオイルミストがブローバイガスと共に燃焼室に送られた場合には、一緒に燃焼されてオイル量が減少してしまうが、この気液分離オイル戻し通路1を用いることによって、かかる不都合を防ぐことができ、オイルパン53に貯留されるべき本来のオイル量を維持することができる。
また、本実施例1の気液分離オイル戻し通路1は、主として、貫通孔2と発泡部材3とからなる簡易構成のものであり、従来の如く固有の大きさ及び重量を有する気液分離器やPCVと一体化された気液分離器を設ける必要がなく、また、その気液分離器専用のオイル戻し通路が不要になるので、部品点数を減少させることができ、且つ、内燃機関の小型化や軽量化を図ることができる。
尚、本実施例1の気液分離オイル戻し通路1においては発泡部材3を気液分離手段として設けたが、これと同等のものであれば、それを用いてもよい。例えば、本実施例1の発泡部材3の気泡3aに相当する孔が設けられている多孔質部材を用いてもよい。
また、この気液分離オイル戻し通路1は、必ずしもクランクケース52内とシリンダヘッド50の空間50aとを発泡部材3にて直接連通させるものである必要はなく、例えば、発泡部材3の一端をシリンダブロック51に形成されたブローバイガス還元通路に圧入し、その他端をシリンダヘッド50に形成されたブローバイガス還元通路に圧入したものであってもよい。
また、本実施例1にあっては、シリンダブロック51とクランクケース52とを別構成にした内燃機関を例示しているが、これらが一体成型されたシリンダブロックを有する内燃機関においても上述した本実施例1の気液分離オイル戻し通路1を適用することができる。
次に、本発明に係る気液分離オイル戻し通路の実施例2を図6から図9に基づいて説明する。
その各図の符号11は、本実施例2の気液分離オイル戻し通路を示す。本実施例2の気液分離オイル戻し通路11は、基本的に前述した実施例1の気液分離オイル戻し通路1と同様に貫通孔12と発泡部材13とで構成されたものであり、その実施例1の気液分離オイル戻し通路1に対してブローバイガス遮断手段の構成を変更したものである。尚、本実施例2における気液分離オイル戻し通路11のシリンダヘッド50側は実施例1のシリンダヘッド50側と同様に構成されているので、ここでの図示は省略する。
具体的に、先ず、本実施例2の貫通孔12は、実施例1の貫通孔2と同様に、一端をシリンダヘッド50の空間50aに連通させ、他端をクランクケース52内に連通させた断面円形のものである。
ここで、この貫通孔12は、後述するブローバイガス遮断手段を構成するスライダ16の可動時の位置規制を行う為に、図6に示す如くクランクケース52側よりもシリンダヘッド50側の直径を小さくしている。例えば、この貫通孔12は、円錐台状に形成する。尚、この貫通孔12は、その全体を円錐台状にしてもよいが、スライダ16の可動範囲内のみを円錐台状にして、残りを実施例1と同様に円柱状にしてもよい。
また、本実施例2の発泡部材13は、実施例1の発泡部材3と同様に、そのシリンダヘッド50側の端部を除いて複数の気泡13aが形成された円柱状のものであり、上述した貫通孔12の内方にて同心円上に配置される。
この本実施例2の発泡部材13においては、図7に示す如く、発泡部材13の周方向に略同等の間隔で4つの発泡部材保持部15が一体的に形成されている。尚、本実施例2にあっても、その発泡部材保持部15は、貫通孔12の周壁面から発泡部材13の外周面に向けて一体的に突設したものであってもよく、別体のものであってもよい。
このように構成された貫通孔12と発泡部材13によって、本実施例2の気液分離オイル戻し通路11においては、実施例1の気液分離オイル戻し通路1と同様に、その発泡部材13が気液分離手段及びブローバイガス還元路W1として機能し、貫通孔12の周壁面と発泡部材13の外周面との間の環状の空間がオイル戻し路W2として機能する。
続いて、本実施例2のブローバイガス遮断手段について詳述する。
本実施例2にあっては、オイル戻し路W2にその中を軸線方向へと往復移動可能なスライダ16を配置し、このスライダ16の動作に応じてクランクケース52内のブローバイガスがオイル戻し路W2へと流入するのを防ぐ。
具体的に、本実施例2のスライダ16は、上述したが如くオイル戻し路W2内に4つの発泡部材保持部15が設けられているので、その隣り合う発泡部材保持部15の間に4つ配設されている。本実施例2あっては、隣り合う発泡部材保持部15の間で図6に示す略菱形の断面を貫通孔12(発泡部材13)の周方向へと並べたが如き外形にスライダ16を成形する。
また、このスライダ16は、その略菱形の断面における貫通孔12(発泡部材13)の軸線と直交する方向の最大幅が、オイル戻し路W2のクランクケース52側の端部における貫通孔12の周壁面と発泡部材13の外周面との間の距離よりも短くなるように成形する。これにより、このスライダ16が図8に示す如くシリンダヘッド50側(紙面上方)へと上昇した際には、その最大幅部分が貫通孔12の周壁面と発泡部材13の外周面との間で係止されるので、このスライダ16よりも上方のオイル戻し路W2へとブローバイガスとオイルミストが流入するのを遮断することができる。
ここで、本実施例2のスライダ16は、クランクケース52内の圧力の上昇に伴って上昇する。これが為、かかる圧力で可動させることができるように、このスライダ16は、例えば中空のフロート形状の如く形成し、更に比重の軽い材料を用いて軽量化を図ることが好ましい。
一方、そのような最大幅に設定されたスライダ16はオイル戻し路W2のクランクケース52側の端部においては脱落してしまうので、かかる脱落を防ぐ為、その端部に、図6に示すスライダ係止部17を設ける。
ところで、このスライダ16は、上述したが如くブローバイガス等のオイル戻し路W2への流入を防ぐことができるが、その一方でかかる位置のままに保持されると、発泡部材13で分離され、オイル戻し路W2内に放出されたオイルミストをオイルパン53に戻すことができない。これが為、そのオイル戻し路W2内に放出されたオイルミストはスライダ16と貫通孔12の周壁面及び発泡部材13の外周面との間に蓄積される。
しかしながら、そのスライダ16はクランクケース52内の圧力の低下に伴って図9に示す如く下降するので、そのスライダ16と貫通孔12の周壁面及び発泡部材13の外周面との間に蓄積されたオイルは、その間に出来た隙間から流れ出てオイルパン53に戻される。
ここで、本実施例2のブローバイガス遮断手段においては、そのような隙間が出来た場合でもブローバイガス等はその隙間よりも上方のオイル戻し路W2へは流入しない。これは、スライダ16の下降時にはクランクケース52内の圧力が低下しているので、ブローバイガスの流動が少ないからであり、また、その隙間に蓄積されたオイルが当該隙間を塞ぐ膜となり、ブローバイガスとオイルミストを遮断するからである。
尚、このスライダ16は、貫通孔12の周壁面及び発泡部材13の外周面との間に所定量のオイルが蓄積されたときに、そのオイルの重さによってスライダ16が下降し始めるようにしてもよい。
以上示したスライダ16の可動範囲(即ち、クランクケース52内の圧力上昇に伴う上昇距離)は、内燃機関毎に実験やシミュレーションを行って、その結果に基づき最適なものを設定する。また、そのスライダ16の形状についても同様に実験等を行って最適なものを設定する。
このように、本実施例2の気液分離オイル戻し通路11においてもブローバイガスとオイルミストのオイル戻し路W2への流入を防ぐことができるので、例えば、オイル戻し路W2をシリンダヘッド50のオイル通路等に連通させた場合に、そのオイル通路へのブローバイガス等の流入を回避することができる。
そして、本実施例2の気液分離オイル戻し通路11によれば、発泡部材13によってクランクケース52内のブローバイガスとオイルミストを確実に分離することができ、そのブローバイガスを吸気通路57側へと再循環させ、且つ、そのオイルミストをオイル戻し路W2からオイルパン53に戻すことができるので、前述した実施例1の気液分離オイル戻し通路1と同様の効果を奏することができる。
尚、本実施例2の気液分離オイル戻し通路11においても発泡部材13を気液分離手段として設けたが、実施例1で説明したような多孔質部材を用いてもよい。
また、この気液分離オイル戻し通路11ついても、必ずしもクランクケース52内とシリンダヘッド50の空間50aとを発泡部材13にて直接連通させるものである必要はなく、例えば、発泡部材13の一端をシリンダブロック51に形成されたブローバイガス還元通路に圧入し、その他端をシリンダヘッド50に形成されたブローバイガス還元通路に圧入したものであってもよい。
また、本実施例2にあっても、シリンダブロック51とクランクケース52とを別構成にした内燃機関を例示しているが、これらが一体成型されたシリンダブロックを有する内燃機関においても本実施例2の気液分離オイル戻し通路11を適用することができる。
次に、本発明に係る気液分離オイル戻し通路の実施例3を図10及び図11に基づいて説明する。
その各図の符号21は、本実施例3の気液分離オイル戻し通路を示す。本実施例3は、図10に示す如く、前述した実施例1の内燃機関において更に別の気液分離オイル戻し通路21を設けたものとして例示する。
本実施例3の気液分離オイル戻し通路21は、図11に示す如く、両端が開口された管状部材22と、この管状部材22の内方にて同心円上に配置された円柱状の発泡部材23とを備えている。
本実施例3にあっては、その発泡部材23が気液分離手段及びブローバイガス還元路W1として機能し、管状部材22の内壁面と発泡部材23の外周面との間の環状の空間がオイル戻し路W2として機能する。
ここで、この気液分離オイル戻し通路21においては、その管状部材22の一端をシリンダブロック51の貫通孔51aに圧入する一方、その他端を吸気通路(例えば吸気マニホルド)57の貫通孔57aに圧入する。
そのシリンダブロック51の貫通孔51aは、シリンダブロック51の内外を連通させるものであり、これにより、クランクケース52内の圧力上昇に伴って当該クランクケース52内のブローバイガスとオイルミストが発泡部材23に流入する。また、その吸気通路57の貫通孔57aは、吸気通路57の内外を連通させるものであり、これにより、発泡部材23で分離されたブローバイガスが吸気通路57の中に排出される。
ところで、その発泡部材23の一端は吸気通路57の中に露出しているので、その吸気通路57内の負圧により気泡23aに捉えられたオイルが吸い上げられて吸気通路57の中へと流れ出てしまう虞がある。更に、本実施例3の気液分離オイル戻し通路21においては、その吸気通路57側の端部にてオイル戻し路W2に放出されたオイルが発泡部材23の外周面の気泡23aに逆流してしまうと、上記と同様の観点から吸気通路57内の負圧によりオイルが吸い上げられて吸気通路57の中へと流れ出てしまう虞があり好ましくない。また、クランクケース52側の端部にてオイル戻し路W2に放出されたオイルや後述するが如く残存しているオイルが発泡部材23の外周面の気泡23aに逆流してしまうと、一度放出されたオイルを再び上方の気泡23aで捉えなければならず無駄である。
そこで、本実施例3の発泡部材23は、その両端において気泡23aが形成されないようにすることが好ましい。これが為、本実施例3の発泡部材23については、その両端を除いて複数の気泡23aが形成されたものを用いる。
また、その発泡部材23の両端の外周面に図11に示す環状の仕切り部材24A,24Bを配置して、一度放出されたオイルが発泡部材23に逆流しないようにする。この夫々の仕切り部材24A,24Bの軸線方向の長さについては、各内燃機関の仕様に応じて実験やシミュレーションを行い、その結果に基づいて最適な値を設定する。
ここで、その吸気通路57側の仕切り部材24Aについては、実施例1の環状部材4と同様の環状部が一体的に設けられており、吸気通路57内の空気や排出されたブローバイガスのオイル戻し路W2への逆流を防いでいる。
更に、本実施例3の気液分離オイル戻し通路21においては、そのオイル戻し路W2におけるクランクケース52側の端部に実施例1と同様の絞り部26がブローバイガス遮断手段として設けられている。本実施例3の絞り部26は、管状部材22のクランクケース52側の端部を発泡部材3の外周面に向けて絞って形成したものであるが、これに限らず、例えば、仕切り部材24Bのクランクケース52側の端部を管状部材22の内壁面に向けて末広がり状に拡げて形成してもよい。これにより、実施例1の絞り部6と同様に、オイル戻し路W2に放出されたオイルが絞り部26に一定量残存して膜を張るので、クランクケース52内におけるブローバイガスとオイルミストのオイル戻し路W2への流入を防ぐことができる。
以上示した本実施例3の気液分離オイル戻し通路21によれば、発泡部材23によってクランクケース52内のブローバイガスとオイルミストを確実に分離することができ、そのブローバイガスを吸気通路57へと再循環させ、且つ、そのオイルミストをオイル戻し路W2からオイルパン53に戻すことができるので、前述した実施例1の気液分離オイル戻し通路1と同様の効果を奏することができる。
尚、本実施例3の気液分離オイル戻し通路21においても発泡部材23を気液分離手段として設けたが、実施例1で説明したような多孔質部材を用いてもよい。
また、本実施例3の気液分離オイル戻し通路21においても、実施例1と同様の発泡部材保持部5を設けてもよい。
また、この気液分離オイル戻し通路21は、必ずしもクランクケース52内と吸気通路57内とを発泡部材23にて直接連通させるものである必要はなく、例えば、発泡部材23の一端をシリンダブロック51に形成されたブローバイガス還元通路に圧入し、その他端を吸気通路57に接続されたブローバイガス還元通路に圧入したものであってもよい。
更に、本実施例3にあっては実施例1の気液分離オイル戻し通路1と共に本実施例3の気液分離オイル戻し通路21を1つの内燃機関に設けているが、この本実施例3の気液分離オイル戻し通路21は、前述した実施例2の気液分離オイル戻し通路11と共に1つの内燃機関に設けてもよい。
また更に、本実施例3の気液分離オイル戻し通路21は、必ずしも上述したが如く実施例1の気液分離オイル戻し通路1又は実施例2の気液分離オイル戻し通路11と共に1つの内燃機関に設ける必要はなく、これのみを単独で1つの内燃機関に設けてもよい。
また、本実施例3にあっても、シリンダブロック51とクランクケース52とを別構成にした内燃機関を例示しているが、これらが一体成型されたシリンダブロックを有する内燃機関においても本実施例3の気液分離オイル戻し通路21を適用することができる。
以上のように、本発明に係る気液分離オイル戻し通路は、ブローバイガスとオイルミストを確実に分離させる技術に有用であり、特に、かかる技術を内燃機関の大型化や重量の増加を抑制しながらも実現するのに適している。
本発明に係る実施例1,2の気液分離オイル戻し通路が適用される内燃機関について示す図である。 本発明に係る気液分離オイル戻し通路の実施例1の構成を示す断面図であって、シリンダヘッド側とクランクケース側の構成を拡大した図である。 図2に示すA−A線で切った実施例1の気液分離オイル戻し通路の断面図である。 図2に示すA−A線で切った断面図であって、実施例1の気液分離オイル戻し通路の他の構成について説明する図である。 実施例1の気液分離オイル戻し通路におけるクランクケース側を示す図であって、絞り部の作用について説明する図である。 本発明に係る気液分離オイル戻し通路の実施例2の構成を示す断面図であって、クランクケース側の構成を拡大した図である。 図6に示すB−B線で切った実施例2の気液分離オイル戻し通路の断面図である。 実施例2の気液分離オイル戻し通路におけるクランクケース側を示す図であって、スライダのブローバイガス遮断時の作用について説明する図である。 実施例2の気液分離オイル戻し通路におけるクランクケース側を示す図であって、スライダのオイル戻し時の作用について説明する図である。 本発明に係る実施例3の気液分離オイル戻し通路が適用される内燃機関について示す図である。 本発明に係る気液分離オイル戻し通路の実施例3の構成を示す断面図であって、シリンダヘッド側とクランクケース側の構成を拡大した図である。
符号の説明
1,11,21 気液分離オイル戻し通路
2,12 貫通孔
3,13,23 発泡部材
3a,13a,23a 気泡
4 環状部材
5,15 発泡部材保持部
6,26 絞り部
16 スライダ
17 スライダ係止部
22 管状部材
24A,24B 仕切り部材
50 シリンダヘッド
50a 空間
51 シリンダブロック
53 オイルパン
56 ブローバイガス還元通路
57 吸気通路

Claims (4)

  1. 一端がクランクケース側に連通すると共に他端が吸気通路側に連通する二重孔構造の通路を有し、該通路の外側の孔をオイル戻し路とする一方、該通路の内側の孔をブローバイガス還元路とし、
    このブローバイガス還元路内に、ブローバイガス内に混在するオイルを分離する気液分離手段を設けたことを特徴とする気液分離オイル戻し通路。
  2. 前記気液分離手段を発泡部材で構成し、該発泡部材の外周面にて前記オイル戻し路と前記ブローバイガス還元路との境界を形成したことを特徴とする請求項1記載の気液分離オイル戻し通路。
  3. 前記オイル戻し路における前記クランクケース側の端部の開口部分に、該オイル戻し路へと前記クランクケース側からのブローバイガスの流入を遮断するブローバイガス遮断手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の気液分離オイル戻し通路。
  4. 前記ブローバイガス遮断手段は、前記オイル戻し路における前記クランクケース側の端部に形成した絞り部であることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の気液分離オイル戻し通路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014084788A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Toyota Boshoku Corp オイル排出構造
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