JP2005248925A - スクロール型流体機械 - Google Patents

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Akira Tsukamoto
公 塚本
Yuji Takei
祐治 武井
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Abstract

【課題】 簡単な構成にして可動スクロールの摺動抵抗を低減し、耐久性の向上を図ることができるスクロール型流体機械を提供する。
【解決手段】 スクロール型流体機械としての圧縮機は、駆動ケーシング4の支持面52と可動スクロールとの間に介在されるスラストベアリングを備え、スラストベアリングは支持面52に形成された複数の保持溝72と、これら保持溝72に当該保持溝72に沿って滑動自在に収容された受圧片74とを有し、これら受圧片74は保持溝72の内面及び可動スクロールの双方に対する摺動が許容されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特に車両用空調装置に組込まれる冷凍回路の圧縮機として好適するスクロール型流体機械に関する。
この種のスクロール型流体機械、即ち、圧縮機はハウジング内に固定スクロール及び可動スクロールを備え、これら固定スクロール及び可動スクロールは互いに協働して圧力室を形成する。
可動スクロールは固定スクロールに対して旋回運動され、この旋回運動に伴い冷凍回路の冷媒が圧力室に吸い込まれ、圧力室内にて圧縮される。この後、圧縮された冷媒は圧力室から圧縮機の吐出口を通じ、冷凍回路の凝縮器に向けて吐出される。
上述した冷媒の圧縮工程では、圧力室内における冷媒の圧力が高圧になることから、可動スクロールに大きなスラスト荷重が加わり、このスラスト荷重は可動スクロールを固定スクロールからその軸線方向に離間させるように働く。
このようなスラスト荷重は可動スクロールの円滑な旋回運動を阻害することから、圧縮機はハウジングの支持面と可動スクロールとの間にスラスト受け手段、即ち、スラストベアリングを備えている。例えば、スラストベアリングとして、リング状のスラストプレートを使用した圧縮機が知られており(特許文献1)、このスラストプレートは可動スクロールに固定されている。
このようなスラストプレートは転がり軸受に比べて、その構造が簡単且つ安価に得られる利点があるものの、可動スクロールの摺動抵抗が大きいので、圧縮機の消費動力を増大させてしまう。
特に、車両用空調装置における冷凍回路の圧縮機として使用される場合には、可動スクロールのスラスト荷重が圧縮機の回転数及びその負荷(低速高負荷及び高速低負荷)、また、圧縮機の断続運転条件などにより大きく変動する。
それ故、この種のスラストプレートはスラスト荷重の大きな変動にも耐え得るものでなければならない。具体的には、スラストプレートの材料に高硬度材料を使用する一方、スラストプレートの摺動面を研磨処理して、その摺動面の面粗度を小さくするか、或いは、スラストプレートの摺動面に例えばニッケル・リンメッキ(特許文献1)やテフロン(登録商標)皮膜などを形成し、スラストプレートの摩擦抵抗を軽減させている。
特開平8−338377号公報
この種の圧縮機に使用されるスラストプレートは可動スクロールと同等の外径を有するから、比較的大きな部品であり、スラストプレートへの研磨処理や硬化処理には多大な手間がかかる。このため、圧縮機の生産性を悪化させ、そのコストを上昇させてしまう。
また、スラストプレートの摺動面にたとえ硬化皮膜が形成されていても、硬化皮膜とスラストプレートの母材との間の結合が弱く、圧縮機の駆動中に硬化皮膜の剥離が発生する。
本発明は上述の事情に基づいてなされもので、その目的とするところは、簡単な構成にして可動スクロールの摺動抵抗を低減でき、且つ、生産性の向上を図ることができるスクロール型流体機械を提供することにある。
上述の目的を達成するため、スクロール型流体機械に適用される本発明のスラスト受け手段は、ハウジングの支持面に形成され、可動スクロールの周方向に長尺で且つ可動スクロールに向けて開口した複数の保持溝と、各保持溝に当該保持溝に沿って滑動自在に保持され、保持溝の内面及び可動スクロールの双方に対する摺動が許容された受圧片とを備えている(請求項1)。
請求項1の流体機械によれば、可動スクロールの旋回運動中、各受圧片は可動スクロールに引き摺られるようにして、その保持溝に沿って滑動可能であり、滑動時には可動スクロール及び保持溝内面の双方に対して摺動する。ここで、この滑動時には、受圧片と可動スクロールとの間の摩擦抵抗及び受圧片と保持溝内面との間の摩擦抵抗の比に対応するように、受圧片は可動スクロール及び保持溝内面に対してそれぞれ摺動する。またこの滑動時、受圧片の摺動速度は、可動スクロールにおける受圧片と摺動する部分の旋回速度に比べて遅くなる。
具体的には、保持溝及び受圧片の双方は、円弧状に延びているか(請求項2)又は直線状に延びている(請求項3)。請求項2の場合、受圧片は保持溝の円弧状の軸線に沿って滑動する。一方、請求項3の場合、受圧片は、保持溝の直線状の軸線に沿って滑動する。
更に、受圧片は、前記可動スクロール側の側部に前記保持溝よりも大きな幅を有するフランジが形成されている(請求項4)。この場合、フランジはハウジングの支持面に摺接しているのが好ましい(請求項5)。これら請求項4,5の場合、受圧片はそのフランジも可動スクロールに対して摺動可能である。
上述した各請求項の受圧片の材料には、金属、セラミック、合成樹脂又は合成ゴム等が使用でき、特に限定されるものでもない。しかしながら、上述の材料の中では自己潤滑性に優れた合成樹脂が受圧片の材料として好ましい(請求項6)。この場合、受圧片は射出成形により容易に製造可能となる。
一方、金属、セラミック、合成樹脂又は合成ゴム等から選択された受圧片の基材が自己潤滑性に優れていない場合、受圧片は基材を被覆する潤滑性シート又は潤滑性コーティングを有することができ(請求項7,8)、この場合、これら潤滑性シート又は潤滑性コーティングとしてはフッ素樹脂が好適する(請求項9)。
更に、受圧片の材料としては、表面に焼結金属層を有し、この焼結金属層にフッ素樹脂が含浸された滑り材であってもよい(請求項10)。
請求項1〜10のスクロール型流体機械によれば、保持溝の内面及び可動スクロールの双方に対する各受圧片の摺動が許容されているので、受圧片の摺動は可動スクロールの摺動抵抗を低減し、流体機械の消費動力の低減に大きく寄与する。
また、受圧片の摺動速度は可動スクロールの旋回速度に比べて遅いので、滑り軸受の耐久性を表すPV値をも低下させ、たとえ個々の受圧片の面圧が上昇しても、その耐久性に悪影響を及ぼすことはない。
更に、請求項4,5のスクロール型流体機械によれば、受圧片がフランジを有しているので、フランジの面積を増大させることで可動スクロールに対する受圧片の摺動面積を大きくすることができ、可動スクロールの摺動抵抗を容易に低減することができる。
更に、請求項6〜10のスクロール型流体機械によれば、受圧片が合成樹脂、特に、自己潤滑性に優れた合成樹脂から形成されているか、その表面に例えばフッ素樹脂からなる潤滑性シート、潤滑性コーティング又はフッ素樹脂が含浸された焼結金属層を有しているので、受圧片をより円滑に摺動させることができる。受圧片が合成樹脂からなる場合、受圧片を射出成形により容易に製造でき、その寸法精度及び耐久性が大幅に向上するばかりでなく、スクロール型流体機械の軽量化にも大きく寄与する。
図1はスクロール型流体機械としての圧縮機を示し、この圧縮機は車両用空調装置の冷凍回路に組み込まれ、冷凍回路の冷媒(作動流体)を圧縮するために使用される。ここで、冷媒には潤滑油としての冷凍機油が含まれており、この冷凍機油は冷媒とともに圧縮機内の軸受や種々摺動面に供給され、これらを潤滑する。
圧縮機はハウジング2を備え、このハウジング2は駆動ケーシング4及び圧縮ケーシング6からなる。これらケーシング4,6は複数の連結ボルト8により相互に連結されている。
駆動ケーシング4内には駆動軸10が配置され、この駆動軸10は圧縮ケーシング6側に大径端部12を有し、この大径端部12から小径軸部14が延びている。大径端部12はニードル軸受16を介して駆動ケーシング4に回転自在に支持され、小径軸部14はボール軸受18を介して駆動ケーシング4に回転自在に支持されている。更に、小径軸部14にはボール軸受18と大径端部12との間にリップシール20が取付けられ、このリップシール20は小径軸部14に相対的に摺接し、駆動ケーシング4内を気密に区画している。
駆動軸10における小径軸部14は駆動ケーシング4から突出し、その突出端に電磁クラッチ22を内蔵した駆動プーリ24が取付けられており、この駆動プーリ24は、軸受26を介して駆動ケーシング4に回転自在に支持されている。
駆動プーリ24は車両のエンジンからの動力を受けて回転され、駆動プーリ24の回転はその電磁クラッチ22を介して駆動軸10に伝達可能である。従って、エンジンの駆動中、電磁クラッチ22がオン作動されれば、駆動軸10は駆動プーリ24とともに回転される。
一方、圧縮ケーシング6内にはスクロールユニット28が収容され、このスクロールユニット28は可動スクロール30及び固定スクロール32を備えている。これら可動及び固定スクロール30,32は共にアルミニウム合金からなり、端板34と、この端板34に一体に形成された渦巻き壁36とから形成されている。
図1から明らかなように可動及び固定スクロール30,32は端板34同士が互いに対向し、且つ、渦巻き壁36同士が互いに噛み合うようにして配置され、これにより、渦巻き壁36間に圧力室38が形成されている。このような圧力室38の容積は、固定スクロール32に対する可動スクロール30の旋回運動に伴い増減され、これにより、圧力室38内への冷媒の吸込工程及び冷媒の圧縮/吐出工程が実行されることになる。
上述した可動スクロール30に旋回運動を付与するため、可動スクロール30の端板34には駆動ケーシング4内に突出するボス40を有し、このボス40はニードル軸受42を介して偏心ブッシュ44に回転自在に支持されている。この偏心ブッシュ44はクランクピン46に支持されており、このクランクピン46は駆動軸10の大径端部12から偏心した状態で突出している。従って、駆動軸10が回転されると、クランクピン46及び偏心ブッシュ44を介して可動スクロール30が旋回運動する。
また、偏心ブッシュ44には可動スクロール30に対するカウンタウエイト48が取付けられているとともに、駆動ケーシング4と可動スクロール30との間には可動スクロール30のための複数の自転ストッパ50が設けられており、これら自転ストッパ50は可動スクロール30の周方向に等間隔を存して配置されている。
より詳しくは、駆動ケーシング4はその外周部に、可動スクロール30の端板34に対向した環状の支持面52を有し、この支持面52には可動スクロール30の周方向に等間隔を存して4つの凹所54が形成されている。自転ストッパ50は、その対応する凹所54に配置されたリング56と、このリング56の内周面に係合する一対のピン58とからなり、これらピン58はリング56の直径方向に離間し、凹所54の底及び可動スクロール30の端板34からそれぞれ突出している。
一方、固定スクロール32は圧縮ケーシング6内にて固定されており、固定スクロール32の端板34と圧縮ケーシング6の内壁との間にて吐出室60が形成されている。この吐出室60は固定スクロール32の吐出ポート62及び吐出弁64を通じて圧力室38に連通可能である。
より詳しくは、吐出ポート62は固定スクロール32における端板34の中央に貫通して形成され、吐出弁64により開閉される。吐出弁64は吐出室60側から吐出ポート62を開閉するリード弁体66と、このリード弁体66の開度を規制するストッパプレート68とからなり、これらリード弁体66及びストッパプレート68は共に取付けねじ70を介して固定スクロール32の端板34に取付けられている。
圧縮ケーシング6の外周壁とスクロールユニット28との間には吸入室71が形成され、そして、図1には示されていないが、圧縮ケーシング6の外周壁には吸入室71及び吐出室60のそれぞれに連通する吸込口及び吐出口が形成されている。吸込口は冷凍回路の蒸発器に冷媒管路を介して接続され、吐出口は冷凍回路の凝縮器に接続される。
上述したスクロール型圧縮機によれば、駆動軸10の回転に伴い可動スクロール30が旋回運動し、この際、可動スクロール30の自転は前述した自転ストッパ50により阻止された状態にある。前述したように可動スクロール30の旋回運動は前述した圧力室38を吐出ポート62に対して接離する方向に周期的に移動させ、これに伴い、圧力室38の容積が増減される。
この結果、吸入室71から圧力室38内に冷媒が吸い込まれ、そして、吸い込まれた冷媒は圧力室38が吐出ポート62に向けて移動し、その容積が減少していく過程にて圧縮される。そして、圧力室38が吐出ポート62に達すると、圧力室38内の冷媒の圧力は吐出弁64の締切圧に打ち勝って吐出弁64を開き、圧縮冷媒が圧力室38から吐出ポート62を通じて吐出室60内に吐出される。
なお、吸入室71内の冷媒の一部は駆動ケーシング4内にも導かれ、冷媒中の冷凍機油が駆動ケーシング4内の各軸受や各摺動面間等の潤滑に供せられる。
上述した冷媒の圧縮/吐出工程において、圧力室38内の冷媒圧力が高圧になることから、可動スクロール30は固定スクロール32から離間する方向へのスラスト荷重を受け、このようなスラスト荷重を受けるため、駆動ケーシング4の支持面52と可動スクロール30の端板34との間にはスラストベアリングが介在されており、このスラストベアリングは図2及び図3に詳図されている。
図2に示されるように、第1実施例のスラストベアリングは、駆動ケーシング4の支持面52に形成された円弧状の保持溝72を複数有し、これら保持溝72は可動スクロール30に向かって開口している。より詳しくは、これら保持溝72は、支持面52において、前述した自転ストッパ50の凹所54間の各領域に1個ずつ配置され、駆動ケーシング4の軸線を中心とした同一の円周上をその周方向に一定の幅を有して延び、そして、その両端部が半円形状をなしている。
各保持溝72には、受圧片74が保持溝72の軸線方向に沿って滑動自在に嵌合されている。より詳しくは、受圧片74は、保持溝72に沿って延びる円弧形状を有し、保持溝72の両端部と合致可能な半円形状の両端部を有する。なお、受圧片74は、その軸線方向でみてその保持溝72よりも短尺であり、その軸線方向への受圧片74の滑動を許容する空間が保持溝72には確保されている。また、図3に示されるように、受圧片74は、保持溝72の幅と略等しいかそれよりも若干狭い幅を有するとともに、保持溝72の底に密着する内側面と、駆動ケーシング4の支持面52から僅かに突出し且つ可動スクロール30の端板34に密着する外側面とを有し、外側面と支持面52との間には所定の間隔Dが確保されている。つまり、受圧片74は駆動ケーシング4の支持面52から間隔Dだけ突出されている。なお、受圧片74は、金属、セラミック、合成樹脂又は合成ゴム等の材料から形成できるが、自己潤滑性に優れた合成樹脂から形成されているのが好ましい。
上述したスラストベアリングによれば、可動スクロール30の旋回運動中、可動スクロール30の周方向に長尺な各受圧片74は可動スクロール30の端板34によって引き摺られることで、保持溝72内をこの保持溝72の軸線方向に沿って滑動し、保持溝72内を往復運動する。より詳しくは、可動スクロール30の端板34は、支持面52の直径方向に離間した2つの保持溝72の間隔よりも大きな直径を有し(図2参照)、その旋回運動中、全ての受圧片74に対して同時に密着されている。ここで、可動スクロール30の旋回運動は、支持面52と平行な直交座標でみて各座標軸上での往復直線運動の合成とみなすことができ、そのうち1つの座標軸についてみたときの一方向の直線運動は、可動スクロール30が半周旋回するのに相当し、その逆方向の直線運動は、可動スクロール30が残り半周旋回するのに相当する。従って、受圧片74は、可動スクロール30が半周旋回する間、可動スクロール30の端板34によって一方向に引き摺られて保持溝72内を一方向に滑動するとともに、可動スクロール30が残り半周旋回する間、可動スクロール30の端板34によって逆方向に引き摺られて保持溝72内を逆方向に滑動する。この結果、可動スク−ル30が1周旋回する間に、受圧片74は保持溝72内を当該保持溝72の軸線方向に沿って1回往復運動する。なお、4つの受圧片74は、各保持溝72の支持面52における周方向位置に対応して、互いに異なる位相にて往復運動する。
このような受圧片74の往復運動により、受圧片74は可動スクロール30の端板34に対してのみならず、保持溝72の内面(支持面52)に対しても摺動することから、可動スクロール30の摺動抵抗が小さくなる。この結果、保持溝72と受圧片74とからなる簡単な構成でもって、可動スクロール30の旋回運動に要求される消費動力を大幅に低減することができる。
また、保持溝72の底及び端板34に対する受圧片74の摺動速度は、保持溝72の底と受圧片74との間の摩擦係数及び受圧片74と端板34との間の摩擦係数の影響を受けて決定されるが、受圧片74が可動スクロール30に引き摺られて往復運動することにより、可動スクロール30に対する受圧片74の摺動速度は、可動スクロール30の旋回速度に比べて遅くなり、しかも、受圧片74は駆動ケーシング4の支持面52に複数配置されているので、個々の受圧片74に加わるスラスト圧の上昇もまた抑制することができる。従って、滑り軸受の耐久性を表すPV値が低減し、スラストベアリングの耐久性を向上するができる。
上述の第1実施例のスラストベアリングにあっては、駆動ケーシング4に多数の保持溝72を形成する必要があるが、しかしながら、これら保持溝72は駆動ケーシング4の鋳込み時、同時に成形可能であるから、保持溝72の成形加工は容易である。
一方、受圧片74は従来のスラストプレートに比べて小さいので、その成形加工が容易であることから、個々の受圧片74の寸法精度や面粗度もまた容易に向上させることができ、可動スクロール30の摺動抵抗を更に低減することができる。しかも、従来のスラストプレートに比べて受圧片74は生産性が高く、圧縮機を安価に提供することができる。更に、受圧片74は従来のスラストプレートに比べて小さいので、圧縮機の軽量化にも好適する。
また、受圧片74を自己潤滑性に優れた合成樹脂から形成した場合、合成樹脂の自己潤滑性により可動スクロール30の摺動抵抗を一層低減することができるとともに、金属等の他の材料に比べて圧縮機をより軽量化することもできる。その上、この場合、受圧片74を射出成形により成形可能であることから、その成形が一層容易になる上、安価な合成樹脂を用いることができるので、圧縮機を更に安価に提供することができる。
本発明は上述の一実施例に制約されるものではなく種々の変形が可能である。
図4は第2実施例のスラストベアリングの一部を示す。
第2実施例の場合、スラストベアリングは保持溝72に代えて保持溝76を有し、また受圧片74に代えて受圧片78を有する。より詳しくは、支持面52における自転ストッパ50間の各領域には、直線状の保持溝76が1個ずつ形成され、各保持溝76は支持面52の径方向と直交して延びている。従って、支持面52の直径方向に離間する2つの保持溝76は互いに平行に延び、自転ストッパを50挟んで隣接する2つの保持溝76は互いに直交する方向に延びている。各保持溝76には直線状をなす受圧片78が、当該保持溝76の軸線方向に沿って滑動自在に嵌合され、これら受圧片78の外側面も支持面52から間隔Dだけ突出されている。なお、受圧片78は、その軸線方向でみてその保持溝76よりも短尺であり、その軸線方向への受圧片78の滑動を許容する空間が保持溝76には確保されている。
このような保持溝76及び受圧片78は、可動スクロール30の旋回運動中、受圧片74の滑動を容易にし、第1実施例の場合に比べて可動スクロール30の摺動抵抗が更に低減する。つまり、第1実施例の受圧片74は、上述したように可動スクロール30の端板34に引き摺られ、互いに直交する2つの座標軸上の往復直線運動によって滑動されるが、しかしながら、実際には直線上ではなくその円弧状の軸線に沿って往復運動するので、受圧片74と保持溝72の側面との間で摩擦が生じて受圧片74の滑動が僅かながら阻害されてしまう。これに対し、第2実施例の場合、受圧片78及び保持溝76の双方が直線状をなしているので、往復直線運動によって滑動された受圧片78は、その直線状の軸線に沿って保持溝76内を往復直線運動すればよいので、受圧片78は容易に滑動することができる。
図5(a),(b)は第3実施例のスラストベアリングを示す。
第3実施例の場合、スラストベアリングは、保持溝72に代えて保持溝80を有し、また、受圧片74に代えて受圧片82を有している。より詳しくは、保持溝80及び受圧片82の双方は、保持溝72及び受圧片74と同様に円弧状をなし、保持溝80には、当該保持溝80よりも短尺な受圧片82がその軸線方向に沿って滑動自在に嵌合されているが、しかしながら、これら保持溝80及び受圧片82は、その軸線方向長さ及び幅がそれぞれ上述した保持溝72及び受圧片74に比べて小さい。
ここで、受圧片82は、支持面52に密着したフランジ84を一体に有する。フランジ84は保持溝80を囲繞するように受圧片82の全周に亘って延び、受圧片82の軸線方向でみたときに、受圧片82の両端部からのフランジ84の突出長は、それぞれ受圧片82の滑動可能な距離よりも長い。更に、フランジ84の外面は、受圧片82の外側面とともに可動スクロール30の端板34と摺動可能であるとともに、また、その内面もまた支持面52とも摺動可能である。
従って、上述の第3実施例のスラストベアリングの場合、受圧片82が、その外側面及びフランジ84で可動スクロール30の端板34と摺動する一方、保持溝80の底のみならず、そのフランジ84でも駆動ケーシング4の支持面52に対して摺動できるので、受圧片82の面圧を低下させることができる。
また、第3実施例の場合、保持溝80の幅を拡大せずとも、フランジ84の突出長を大きくすることにより受圧片82の摺動面積を増大させることができる。従って、この場合、保持溝80の側壁に十分な厚みをもたせられるので、保持溝80の成形が容易であるとともに、駆動ケーシング4における保持溝80近傍の部分の強度を確保することができる。
なお、第3実施例の保持溝80及び受圧片82の双方を、実施例2の場合と同様に直線状に形成してもよいのは勿論である。
上記した第1〜第3実施例の場合、保持溝72,76,80及び受圧片74,78,82の個数は任意に決定できるが、支持面52における自転ストッパ50間の各領域に1個ずつ設けられているのが好ましい。また、保持溝72,76,80及び受圧片74,78,82の軸線方向長さ及び幅についても適宜決定できるが、スラスト圧を下げる観点からは、これらの軸線方向長さ及び幅は大きい方が良い。ただし、受圧片82の場合には、受圧片82の軸線方向長さ及び幅を小さくして、その代わりにフランジ84の面積を大きくしてもよい。
また、第1〜第3実施例の場合、受圧片74,78,82は全て、合成樹脂等の単一の材料から形成されているが、複合材料から形成してもよい。例えば、第1実施例の場合、図6〜図8にそれぞれ示される受圧片74を使用することができる。
図6に示す受圧片74は、金属、セラミック、合成樹脂又は合成ゴム等からなる円弧状の基材74aと、この基材74aの両側面(摺動面)を被覆する合成樹脂製の潤滑性シート74bとから形成され、一方、図7に示す受圧片74は潤滑性シート74bの代わりに、基材74aの全外表面(摺動面)を被覆する合成樹脂製の潤滑性コーティング74cを有する。なお、図6,7の潤滑性シート74b及び潤滑性コーティング74cは、例えばフッ素樹脂等から形成することができる。
更に、図8に示す受圧片74は、図6,図7の潤滑性シート74b,74cに代えて金属製の潤滑性層74dを有しており、この潤滑性層74dは焼結金属層と、この焼結金属層に含浸されたフッ素樹脂とから形成されている。
図6〜図8の受圧片74によれば、その基材74aに種々の材料が使用可能であるので、摺動抵抗が小さく且つ耐摩耗性に優れた受圧片74を安価に提供でき、経済性に富んだものとなる。
なお、潤滑性コーティング74cの形態としては、受圧片の滑り特性を向上させるものであれば特に限定されず、例えば、基材74aに溶融フッ素樹脂を母材とした粉末コーティング剤を付着させるか、基材74aにポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂等のバインダ樹脂にフッ素樹脂等の固体潤滑材剤を配合した液状コーティング剤等を塗布することで、潤滑性コーテンィグ74cを得ることができる。
最後に、本発明のスクロール型流体機械は、車両用空調装置に組込まれる冷凍回路用の圧縮機のみならず、種々の分野における圧縮機又は膨脹機としても使用可能であることは言うまでもない。
スクロール型流体機械としての圧縮機を示した縦断面図である。 第1実施例のスラストベアリングを示し、図1中のII-II線に沿う断面図である。 図2中のIII-III線に沿う断面図である。 第2実施例のスラストベアリングの一部を示す正面図である。 第3実施例のスラストベアリングの一部を示し、(a)は正面図、(b)は図5(a)中のb−b線に沿う断面図である。 第1変形例の受圧片を示した断面図である。 第2変形例の受圧片を示した断面図である。 第3変形例の受圧片を示した断面図である。
符号の説明
2 ハウジング
4 駆動ケーシング
30 可動スクロール
32 固定スクロール
38 圧力室
50 自転ストッパ
52 支持面
72,76,80 保持溝
74,78,82 受圧片
84 フランジ

Claims (10)

  1. ハウジング内にそれぞれ収容された固定及び可動スクロール並びにこれら固定及び可動スクロール間に形成された圧力室を備え、前記可動スクロールが前記ハウジングの支持面にスラスト受け手段を介して支持された状態で前記固定スクロールに対して旋回運動し、この旋回運動に伴い前記圧力室の容積を増減させて作動流体の吸込プロセス及び吐出プロセスを実行するスクロール型流体機械において、
    前記スラスト受け手段は、
    前記ハウジングの前記支持面に形成され、前記可動スクロールの周方向に長尺で且つ前記可動スクロールに向けて開口した複数の保持溝と、
    前記各保持溝に当該保持溝に沿って滑動自在に保持され、前記保持溝の内面及び前記可動スクロールの双方に対する摺動が許容された受圧片と
    を具備したことを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. 前記保持溝及び受圧片のそれぞれは円弧状に延びていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  3. 前記保持溝及び受圧片のそれぞれは直線状に延びていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  4. 前記受圧片は、前記可動スクロール側の側部に前記保持溝よりも大きな幅を有するフランジが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  5. 前記フランジは前記保持溝の開口端を常時閉塞し、且つ、前記ハウジングの支持面に摺接することを特徴とする請求項4に記載のスクロール型流体機械。
  6. 前記受圧片は、合成樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のスクロール型流体機械。
  7. 前記受圧片は、金属、セラミック、合成樹脂又は合成ゴムからなる基材と、この基材を被覆する潤滑性シートとからなることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のスクロール型流体機械。
  8. 前記受圧片は、金属、セラミック、合成樹脂又は合成ゴムからなる基材と、この基材を被覆する潤滑性コーティングとからなることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のスクロール型流体機械
  9. 前記潤滑性シート又は前記潤滑性コーティングはフッ素樹脂からなることを特徴とする請求項7又は8に記載のスクロール型流体機械。
  10. 前記受圧片は、表面に焼結金属層を有し、この焼結金属層にフッ素樹脂が含浸された滑り材からなることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のスクロール型流体機械。
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