JP2005315167A - スクロール型流体機械 - Google Patents

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Yuji Takei
祐治 武井
Shinji Nakamura
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Abstract

【課題】 簡単な構成にしてスラストベアリングの可動スクロール及びハウジングに対する摺動速度を変更可能なスクロール型流体機械を提供する。
【解決手段】 スクロール型流体機械としての圧縮機は、駆動ケーシング4と可動スクロール30との間に介装されるスラストベアリング74を備え、スラストベアリング74は、駆動ケーシング4及び可動スクロール30の双方に対する摺動が許容されたスラストプレー76を有する。スラストプレート76には、可動スクロール30の自転を阻止すべく、可動スクロール30及び駆動ケーシング4に設けられた係合孔84に所定の径寸法差を存して係合する小突起82a及び大突起82bが設けられている。この径寸法差は、小突起82aと大突起82bとの間で異なっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スクロール型流体機械に関する。
この種のスクロール型流体機械として、例えば圧縮機はハウジング内に固定スクロール及び可動スクロールを備え、これら固定スクロール及び可動スクロールは互いに協働して圧力室を形成する。
可動スクロールは、自転阻止手段により自転が阻止された状態で固定スクロールに対して旋回運動され、この旋回運動に伴い作動流体としての冷媒が圧力室に吸い込まれ、圧力室内にて圧縮される。この後、圧縮された冷媒は圧力室から圧縮機の吐出口を通じて吐出される。
上述した冷媒の圧縮工程では、圧力室内における冷媒の圧力が高圧になることから、可動スクロールに大きなスラスト荷重が加わり、このスラスト荷重は可動スクロールを固定スクロールからその軸線方向に離間させるように働く。
このようなスラスト荷重は可動スクロールの円滑な旋回運動を阻害することから、圧縮機は、ハウジングと可動スクロールとの間にスラスト受け手段、即ち、スラストベアリングを備えている。例えば、スラストベアリングとして、受圧素子を有する公転位置規制リングを使用した圧縮機が知られており(特許文献1)、このリングは、ハウジング及び可動スクロールの双方に対して摺動自在である。
また、このリングには、上述した可動スクロールの自転阻止手段として、ハウジング又は可動スクロールに向けて突出する複数の自転阻止ピンが取付けられ、ハウジング及び可動スクロールには、これら自転阻止ピンと係合する回転位置規制孔が設けられている。
この自転阻止手段によれば、可動スクロールの旋回半径をrとし、自転阻止ピンの径をdとし、回転位置規制孔の径をDとしたときに、D=d+rで示される関係を満足するようd及びDの値を設定することで可動スクロールの自転が阻止される。この際、公転位置規制リングは、受圧素子を介して可動スクロールに引き摺れら、やはり受圧素子を介してハウジングに対しても摺動する。
特開平6−167284号公報
上述した公知の圧縮機では、ハウジング側の回転位置規制孔と可動スクロール側の回転位置規制孔が互いに同じ径を有し、また、これらの回転位置規制孔と係合する全ての自転阻止ピンが同じ径を有する。このため、可動スクロールが固定スクロールに対して旋回運動する際、可動スクロールと受圧素子との間での摺動速度と、ハウジングと受圧素子との間での摺動速度とが必ず同一になってしまう。
ここで、摺動速度は、摺動面の材質、面粗度、潤滑状態及び面圧等とともに摩擦係数の大小に影響するので、摺動速度によっては圧縮機の消費動力増大を招くことがある。このため、スラストベアリングの摺動速度が、ハウジング及び可動スクロールの双方に対して必ず同一になってしまうのは、消費動力低減という観点から好ましくない。
そして、摺動速度と面圧との積であるPV値は、スラストベアリングの耐久性の目安ともなることから、摺動速度は適宜変更可能であることが望ましい。
また、ハウジング側の自転阻止ピンには、可動スクロールに引き摺られて旋回する公転位置規制リングの慣性力も加わることから、可動スクロール側の自転阻止ピンよりも高い強度が求められる。しかしながら、全ての自転阻止ピンの径を同一のまま増大した場合、圧縮機の大型化を招いてしまう。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成にしてスラストベアリングの可動スクロール及びハウジングに対する摺動速度を変更することができるスクロール型流体機械を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明によれば、ハウジング内に収容された固定スクロール及び可動スクロールと、前記固定スクロールと前記可動スクロールとの間に形成された圧力室と、前記固定スクロールに対して前記可動スクロールを旋回運動させ、この旋回運動に伴い前記圧力室の容積を増減させる旋回手段と、前記旋回運動の際、前記可動スクロールの自転を阻止するとともに、前記圧力室の圧力により前記可動スクロールに対して働くスラスト力を前記ハウジングに支持させるスラストベアリングとを具備したスクロール型流体機械において、前記スラストベアリングは、前記ハウジングと前記可動スクロールとの間に介装され、前記ハウジング及び前記可動スクロールの双方に対する摺動が許容されたスラストプレートと、前記ハウジングの摺接面と前記スラストプレートとの間、及び、前記スラストプレートと前記可動スクロールの摺接面との間にそれぞれ設けられ、互いに協働して前記可動スクロールの自転を阻止する第1及び第2の自転阻止手段とを備え前記各自転阻止手段は、前記摺接面及びスラストプレートの一方に設けられ、他方に向けて突出する突起と、前記摺接面及びスラストプレートの他方に設けられ、前記突起との間に所定の径寸法差を有し且つその内周面に沿い前記突起を相対的に摺動させる係合孔とを含み、前記第1及び第2自転阻止手段での前記径寸法差は互いに異なることを特徴とするスクロール型流体機械が提供される。
上記したスクロール型流体機械では、第1及び第2自転阻止手段での径寸法差が異なることにより、可動スクロールの旋回運動の際、ハウジングの摺接面に対するスラストプレートの摺動速度と、可動スクロールの摺接面に対するスラストプレートの摺動速度とが相違する。
具体的には、前記各自転阻止手段の前記突起を前記スラストプレートに設け(請求項2)、前記第1自転阻止手段の前記径寸法差を前記第2自転阻止手段の前記径寸法差よりも小さくする(請求項3)。この場合、前記第1自転阻止手段の前記突起は、前記第2自転阻止手段の前記突起よりも大きな径を有するのが好ましい(請求項4)。
この構成によれば、第1自転阻止手段の突起の径を第2自転阻止手段の突起の径よりも大きくすることにより、可動スクロールに引き摺られてスラストプレートが旋回するとき、スラストプレートの慣性力を受ける第1自転阻止手段の突起の強度を高めることができる。
上記した構成において、前記第1自転阻止手段の前記突起は、前記スラストプレートの径方向でみたときに、前記第2自転阻止手段の前記突起よりも外側に位置付けられているのが好ましい(請求項5)。
この構成によれば、第1自転阻止手段の突起を径方向外側に位置付けることにより、スラストプレートから第1自転阻止手段の突起に加わる前述の慣性力を低減することができる。
上記した構成において、前記各自転阻止手段は、前記スラストプレートの周方向に互いに離間した複数の前記突起を有し、前記第1自転阻止手段の前記突起は、前記第2自転阻止手段の前記突起と周方向位置が異なるのが好ましい(請求項6)。
この構成によれば、複数の突起により可動スクロールの自転を規制するので、各突起に加わる剪断力を小さくすることができ、また、第1自転阻止手段と第2自転手段との間で突起の周方向位置が異なるので、スラストプレートの特定の周方向位置に応力が集中することもない。
上記した構成において、前記係合孔及び突起は互いに合致する雌雄のテーパ面を有しているのが好ましく(請求項7)、この場合、各突起に作用する剪断力を低減することができる。
上記した構成において、前記スラストプレートの両面には、前記ハウジング及び可動スクロールの前記摺接面と接する接触領域及び前記接触域よりも凹んだ非接触領域が形成され、前記突起は前記非接触領域に形成されているのが好ましく(請求項8)。また、前記突起は、その先端部及び基端部が面取りされているのが好ましい(請求項9)。この構成によれば、突起の耐久性を向上することができる。
上記した構成において、前記スラストプレートの前記接触領域にディンプルが分布されているのが好ましい(請求項10)。この構成によれば、ディンプルが潤滑油を保持することで、接触領域の焼付きや摩耗を防止して耐久性を向上することができる。また、この構成によれば、ディンプルを設けて面圧を高めることで摩擦係数を低減することもできる。
上記した構成において、前記スラストプレートは、鉄、鉄合金、アルミニウム合金、セラミックス及び合成樹脂のうち何れかからなり(請求項11)、また、前記スラストプレートは、粉末焼結法、プレス加工法及び射出成形法のうち何れかにより一体に成形するのが好ましい(請求項12)。そして、この場合、前記スラストプレートは、前記ハウジング及び可動スクロールの前記摺接面と接触する領域に被覆層を有することが好ましい(請求項13)。この構成によれば、一体成形によりスラストプレートを容易に得ることができ、また、スラストプレートと可動スクロール及びハウジングとが同じ材料からなる場合には、被覆層によりこれらの間での凝着も防止することができる。
請求項1〜13のスクロール型流体機械によれば、ハウジングに対するスラストプレートの摺動速度と、可動スクロールに対するスラストプレートの摺動速度とを異ならせることができる。従って、この流体機械にあっては、摺動面(摺接面、接触領域)の材質や面粗度、潤滑状態及び面圧等に応じて摺動速度を設定することができ、設計の自由度が高い。このため、この流体機械では、スラストプレートの摩擦係数を容易に低減することができ、もって、消費動力の低減を図ることができる。
特に、請求項4〜9のスクロール型流体機械によれば、突起への剪断力を低減するか又は突起自体の強度を増大することにより突起の寿命が向上し、もって、流体機械の寿命を向上することができる。
図1はスクロール型流体機械としての圧縮機を示し、この圧縮機は例えば車両用空調装置の冷凍回路に組み込まれ、冷凍回路の冷媒(作動流体)を圧縮するために使用される。ここで、冷媒には潤滑油としての冷凍機油が含まれており、この冷凍機油は冷媒とともに圧縮機内の軸受や種々摺動面に供給され、これらを潤滑する。
圧縮機はハウジング2を備え、このハウジング2は駆動ケーシング4及び圧縮ケーシング6からなる。これらケーシング4,6は複数の連結ボルト8により相互に連結されている。
駆動ケーシング4内には駆動軸10が配置され、この駆動軸10は圧縮ケーシング6側に大径端部12を有し、この大径端部12から小径軸部14が延びている。大径端部12はニードル軸受16を介して駆動ケーシング4に回転自在に支持され、小径軸部14はボール軸受18を介して駆動ケーシング4に回転自在に支持されている。更に、小径軸部14にはボール軸受18と大径端部12との間にリップシール20が取付けられ、このリップシール20は小径軸部14に相対的に摺接し、駆動ケーシング4内を気密に区画している。
駆動軸10における小径軸部14は駆動ケーシング4から突出し、その突出端に電磁クラッチ22を内蔵した駆動プーリ24が取付けられており、この駆動プーリ24は、軸受26を介して駆動ケーシング4に回転自在に支持されている。
駆動プーリ24は車両のエンジンからの動力を受けて回転され、駆動プーリ24の回転はその電磁クラッチ22を介して駆動軸10に伝達可能である。従って、エンジンの駆動中、電磁クラッチ22がオン作動されれば、駆動軸10は駆動プーリ24とともに回転される。
一方、圧縮ケーシング6内にはスクロールユニット28が収容され、このスクロールユニット28は可動スクロール30及び固定スクロール32を備えている。これら可動及び固定スクロール30,32は共にアルミニウム合金からなり、端板34と、この端板34に一体に形成された渦巻き壁36とから形成されている。
図1から明らかなように可動及び固定スクロール30,32は端板34同士が互いに対向し、且つ、渦巻き壁36同士が互いに噛み合うようにして配置され、これにより、渦巻き壁36間に圧力室38が形成されている。この圧力室38の容積は、固定スクロール32に対する可動スクロール30の旋回運動に伴い増減され、これにより、圧力室38内への冷媒の吸込工程及び冷媒の圧縮/吐出工程が実行される。
上述した可動スクロール30に旋回運動を付与するため、可動スクロール30の端板34には駆動ケーシング4内に突出するボス40を有し、このボス40はニードル軸受42を介して偏心ブッシュ44に回転自在に支持されている。この偏心ブッシュ44はクランクピン46に支持されており、このクランクピン46は駆動軸10の大径端部12から偏心した状態で突出している。また、偏心ブッシュ44にはカウンタウエイト48が取付けられており、駆動軸10が回転されると、カウンタウエイト48によってバランスを保った状態で、クランクピン46及び偏心ブッシュ44を介して可動スクロール30が旋回運動する。
なお、可動スクロール30の旋回半径は、渦巻き壁36のピッチの半分から壁厚を引いた値になるよう設定されるが、具体的には、偏心ブッシュ44と駆動軸10との間における軸線同士の離間距離により規定される。
一方、固定スクロール32は圧縮ケーシング6内にて固定されており、固定スクロール32の端板34と圧縮ケーシング6の内壁との間にて吐出室60が形成されている。この吐出室60は固定スクロール32の吐出ポート62及び吐出弁64を通じて圧力室38に連通可能である。
より詳しくは、吐出ポート62は固定スクロール32における端板34の中央に貫通して形成され、吐出弁64により開閉される。吐出弁64は吐出室60側から吐出ポート62を開閉するリード弁体66と、このリード弁体66の開度を規制するストッパプレート68とからなり、これらリード弁体66及びストッパプレート68は共に取付けねじ70を介して固定スクロール32の端板34に取付けられている。
圧縮ケーシング6の外周壁とスクロールユニット28との間には吸入室72が形成され、そして、図1には示されていないが、圧縮ケーシング6の外周壁には吸入室72及び吐出室60のそれぞれに連通する吸込口及び吐出口が形成されている。吸込口は冷凍回路の蒸発器に冷媒管路を介して接続され、吐出口は冷凍回路の凝縮器に接続される。
上述したスクロール型圧縮機によれば、駆動軸10の回転に伴い可動スクロール30が旋回運動し、この際、可動スクロール30の自転は後述する自転阻止手段により阻止された状態にある。可動スクロール30の旋回運動は前述した圧力室38を吐出ポート62に対して接離する方向に周期的に移動させ、これに伴い、圧力室38の容積が増減される。この結果、吸入室72から圧力室38内に冷媒が吸い込まれ、そして、吸い込まれた冷媒は圧力室38が吐出ポート62に向けて移動し、その容積が減少していく過程にて圧縮される。そして、圧力室38が吐出ポート62に達すると、圧力室38内の冷媒の圧力は吐出弁64の締切圧に打ち勝って吐出弁64を開き、圧縮冷媒が圧力室38から吐出ポート62を通じて吐出室60内に吐出される。
なお、吸入室72内の冷媒の一部は駆動ケーシング4内にも導かれ、冷媒中の冷凍機油が駆動ケーシング4内の各軸受や後述するスラストベアリング74の潤滑に供せられる。
上述した冷媒の圧縮/吐出工程において、圧力室38内の冷媒圧力が高圧になることから、可動スクロール30は固定スクロール32から離間する方向へのスラスト荷重を受け、このようなスラスト荷重を受けるため、駆動ケーシング4と可動スクロール30との間にはスラストベアリング74が設けられている。
より詳しくは、スラストベアリング74は環状をなす鉄製のスラストプレート76を有し、スラストプレート76は、駆動ケーシング4の支持面52と可動スクロール30の端板34との間に挟まれている。図2及び図3に示したように、スラストプレート76の各面には、周方向に離間して複数の摺動領域(接触領域)78が区画され、各摺動領域78は円弧形状をなして駆動ケーシング4の支持面52又は可動スクロール30の端板34に摺動自在である。また、スラストプレート76の各面において、摺動領域78同士の間には、摺動領域78よりも凹んだ非摺動領域(非接触領域)80が設けられている。非摺動領域80は、その周方向長さが摺動領域78よりも短く、略矩形形状をなしている。
ここで、スラストプレート76の各非摺動領域80には、可動スクロール30の自転阻止手段を構成する突起が1つずつ設けられている。以下の説明では、これら突起のうち可動スクロール30に向けて突出しているものを小突起と称して符号82aを付し、駆動ケーシング4に向けて突出しているものを大突起と称して符号82bを付す。
図4及び5に示したように、これら小突起82a及び大突起82bは、それぞれ円筒状をなすけれども、その先端縁及び基端のすみがR面取りされている。小突起82a及び大突起82bのスラストプレート76における周方向位置は互いに異なっており、また、大突起82bは小突起82aよりも径方向外側に位置付けられている。このような小突起82a及び大突起82bの配置に対応して、駆動ケーシング4の支持面52及び可動スクロール30の端板34には係合孔84が形成されている。係合孔84の内径は、小突起82a及び大突起82bの外径よりも大きく、小突起82a及び大突起82bの各々は係合孔84の内周面に内接している。そして、係合孔84に対して大突起82bが内接する周方向位置と、係合孔84に対して小突起82aが内接する周方向位置とは、互いに180°ずれている。なお、全ての係合孔84は同じ内径を有するけれども、大突起82bは小突起82aよりも外径が大きいので、大突起82bと係合孔84との径寸法の差は、小突起82aと係合孔84との径寸法の差よりも小さい。
上述したスラストベアリング74によれば、可動スクロール30は、その旋回運動中、スラストプレート76の摺動領域78に対して端板34が摺動する。このため、可動スクロール30は、圧力室38の圧力上昇により駆動ケーシング4側に向かって付勢されても、スラストプレート76を介して駆動ケーシング4の支持面52によって支持され、固定スクロール28からの離間が防止される。
そして、この旋回運動中、スラストプレート76は、可動スクロール30の端板34に引き摺られて駆動ケーシング4の支持面52に対しても摺動する。従って、スラストプレート76は、摺動領域78を介して可動スクロール30及び駆動ケーシング4の双方に対して摺動する。この際、スラストプレート76の小突起82a及び大突起82bが、互いに周方向に180°ずれた状態にて、係合孔84の内周面に沿って摺動しながらその内部を周回し、可動スクロール30の自転が阻止される。
ここで、可動スクロール30に対するスラストプレート76の摺動速度と、駆動ケーシング4に対するスラストプレート76の摺動速度との比をα:100−αとし、小突起82aの外径をd1とし、大突起82bの外径をd2とし、係合孔84の内径をDとし、可動スクロール30の旋回半径をrとすると、これらの間には、次の式(1)及び(2)で示す関係が存在する。
D=d1+α×2r/100 …(1)
D=d2+(100−α)×2r/100 …(2)
このスラストベアリング74では、大突起82bの方が小突起82aよりも外径が大きいことから(d1<d2)、式(1)及び(2)より、次式(3)で示される関係も成立する。
α>(100−α) …(3)
この式(3)から明らかなように、d1<d2の場合、αの値は50よりも大きくなる。具体的には、本実施例ではαの値が55になるよう、D,d1,d2,rの値が設定されており、可動スクロール30に対する摺動速度の方が、駆動ケーシング4に対する摺動速度よりも速くなっている。
このように、このスラストベアリング74では、同一径の係合孔94に対して係合する小突起82a及び大突起82bに互いに異なる外径を付与し、係合孔84の内径と小突起82a及び大突起82bの外径との径寸法差を相違させることで、スラストプレート76を可動スクロール30及び駆動ケーシング4に対して互いに異なる摺動速度で摺動させることができる。このため、例えば、可動スクロール30の端板34と駆動ケーシング4の支持面52との間で面粗度が異なるような場合でも、スラストプレート76の可動スクロール30及び駆動ケーシング4に対する摺動速度を変化させることで、スラストプレート76と可動スクロール30及び駆動ケーシング4との間における摩擦係数を低減し、圧縮機の消費動力の低減を図ることができる。あるいは、摺動速度を変化させることでPV値を変更し、スラストベアリング74の耐久性を向上することもできる。
また、上述したスラストベアリング74では、駆動ケーシング4の係合孔84に、小突起82aよりも大きな径を有する大突起82bが係合している。この構成によれば、大突起82bは十分な強度を有し、可動スクロール30に引き摺られて旋回するスラストプレート76の慣性力が加えられても破損することがなく、圧縮機の寿命が向上する。また、小突起82aの径を大突起82bの径よりも小さくしたことで、スラストプレート76の幅を増大させる必要がなく、圧縮機の大型化を招くことがない。
そして、上述したスラストベアリング74では、大突起82bが小突起82aよりもスラストプレート76の径方向外側に位置付けられている。このため、可動スクロール30に引き摺られて旋回するスラストプレート76から大突起82bが受ける慣性力を低減することができるので、大突起82bの寿命が向上し、もって圧縮機の寿命も向上する。
更に、上述したスラストベアリング74では、スラストプレート76に複数の小突起82a及び大突起82bが設けられ、小突起82aと大突起82bとの間で周方向位置が異なっている。このため、係合孔84を介して小突起82a及び大突起82bの各々に加えられる剪断力が分散されて小さくなるとともに、スラストプレート76の特定の周方向位置に応力が集中することもないので、小突起82a、大突起82b及びスラストプレート76の寿命を向上することができる。
そして、上述したスラストベアリング74では、スラストプレート76の非摺動領域80に小突起82a及び大突起82bが形成されているが、これらの小突起82a及び大突起82bは、その先端縁及び基端のすみに面取りが施されているので、耐久性が向上している。なお、面取りはC面取りであってもよい。
本発明は上述の一実施例に制約されるものではなく種々の変形が可能である。
例えば、上述した一実施例では、スラストプレート76に突起を設け、駆動ケーシング4及び可動スクロール30の端板34に係合孔84を設けたけれども、駆動ケーシング4及び可動スクロール30の端板34に突起を設け、スラストプレート76に係合孔を設けても良い。また、大突起82の数は、小突起82aの数と異なっていても良い。
そして、大突起82bを駆動ケーシング4の係合孔84に係合させたけれども、大突起を可動スクロールの係合孔に係合させ、可動スクロール30とスラストプレート76との間の摺動速度を速くしても良い。
また、小突起82a及び大突起82bを非摺動領域80に形成したけれども、小突起82a及び大突起82bを摺動領域78に設けても良く、またスラストプレート76に非摺動領域80を設けなくても良い。
一方、上述の一実施例では、全ての係合孔84の内径を同一にしたけれども、可動スクロール30及び駆動ケーシング4の係合孔に互いに異なる内径を付与してもよい。この場合、可動スクロール30における係合孔の内径をD1とし、駆動ケーシング4における係合孔の内径をD2としたときに、前記した式(1)及び式(2)は、次の式(4)及び(5)のようになる。
D1=d1+α×2r/100 …(4)
D2=d2+(100−α)×2r/100 …(5)
これらの式(4)及び(5)から分かるように、この場合も、係合孔と突起との間における径寸法差に応じて、スラストベアリングと駆動ケーシング及び可動スクロールとの間の摺動速度を変えることができる。ただし、係合孔には高い寸法精度が要求されるので、全ての係合孔の内径を同一にし、突起の外径により径寸法差を変えるのが好ましい。
そして、小突起82a及び大突起82bの形状は全て円筒形状であったけれども、図6及び7に示したように、小突起82a及び大突起82bの周壁86並びにこれらに対応する係合孔84の内周面88に雄雌のテーパをつけてもよい。このようにすれば、突起に加わる剪断力Fを、突起の周壁に垂直な成分F1と周壁に沿う成分F2とに分散させることができ、突起の寿命を長くすることができる。
また、スラストプレート76の摺動領域78は平坦であったけれども、図8及び9に示したように、摺動領域78にディンプル90を分布させてもよい良い。これらディンプル90が潤滑油を保持することで、摺動領域78の焼付きや摩耗を防止して圧縮機の耐久性を向上することができる。また、この構成によれば、ディンプル90を設けたことで摺動領域78の面圧が上昇して摩擦係数が低減され、この結果、圧縮機の消費動力低減も図ることもできる。
更に、スラストプレート76は鉄製であったけれども、鉄合金、アルミニウム合金、セラミックス又は合成樹脂等からなるスラストプレートも用いることができる。これらの材質からなるスラストプレートは、粉末焼結法、プレス加工法又は射出成形法等の方法により一体に成形することができ、容易に得られるので好ましい。ただし、スラストプレートと駆動ケーシング又は可動スクロールとが同じ材質の場合には、凝着を防止するために、図10に示したように、これらと異なる材質であってなお且つ良好な摺動特性を有する被覆層92を摺動領域78に形成するのが好ましい。また、この場合、図11に示したように、スラストプレート76の両側に、例えば良好な摺動特性を有する樹脂製のスラスト板94を更に介装して凝着を防止してもよい。この変形例では、各スラスト板94を駆動ケーシング4の支持面52及び可動スクロール30の端板34に固定し、これらスラスト板94に係合孔84を形成すればよい。
スクロール型流体機械としての圧縮機を示した縦断面図である。 図1の圧縮機に適用される駆動ケーシング、スラストプレート及び可動スクロールを分解して示した組立図である。 図2のスラストプレートの平面図である。 図1中、スラストプレートの小突起周辺を拡大して示した断面図である。 図1中、スラストプレートの大突起周辺を拡大して示した断面図である。 変形例の小突起周辺を拡大して示した断面図である。 変形例の大突起周辺を拡大して示した断面図である。 他の変形例のスラストプレートの一部を示した平面図である。 図8中、線IX−IXに沿う断面図である。 更に他の変形例のスラストプレートにおける大突起近傍の断面図である。 図2のスラストプレートの両側にスラスト板を介装した組立図である。
符号の説明
2 ハウジング
4 駆動ケーシング
30 可動スクロール
32 固定スクロール
38 圧力室
52 支持面
74 スラストベアリング
76 スラストプレート
78 摺動領域
80 非摺動領域
82a 小突起
82b 大突起
84 係合孔

Claims (13)

  1. ハウジング内に収容された固定スクロール及び可動スクロールと、
    前記固定スクロールと前記可動スクロールとの間に形成された圧力室と、
    前記固定スクロールに対して前記可動スクロールを旋回運動させ、この旋回運動に伴い前記圧力室の容積を増減させる旋回手段と、
    前記旋回運動の際、前記可動スクロールの自転を阻止するとともに、前記圧力室の圧力により前記可動スクロールに対して働くスラスト力を前記ハウジングに支持させるスラストベアリングと
    を具備したスクロール型流体機械において、
    前記スラストベアリングは、
    前記ハウジングと前記可動スクロールとの間に介装され、前記ハウジング及び前記可動スクロールの双方に対する摺動が許容されたスラストプレートと、
    前記ハウジングの摺接面と前記スラストプレートとの間、及び、前記スラストプレートと前記可動スクロールの摺接面との間にそれぞれ設けられ、互いに協働して前記可動スクロールの自転を阻止する第1及び第2の自転阻止手段と
    を備え
    前記各自転阻止手段は、
    前記摺接面及びスラストプレートの一方に設けられ、他方に向けて突出する突起と、
    前記摺接面及びスラストプレートの他方に設けられ、前記突起との間に所定の径寸法差を有し且つその内周面に沿い前記突起を相対的に摺動させる係合孔と
    を含み、
    前記第1及び第2自転阻止手段での前記径寸法差は互いに異なる
    ことを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. 前記各自転阻止手段の前記突起は、前記スラストプレートに設けられていることを特徴とする請求項1記載のスクロール型流体機械。
  3. 前記第1自転阻止手段の前記径寸法差は、前記第2自転阻止手段の前記径寸法差よりも小さいことを特徴とする請求項2記載のスクロール型流体機械。
  4. 前記第1自転阻止手段の前記突起は、前記第2自転阻止手段の前記突起よりも大きな径を有することを特徴とする請求項3記載のスクロール型流体機械。
  5. 前記第1自転阻止手段の前記突起は、前記スラストプレートの径方向でみたときに、前記第2自転阻止手段の前記突起よりも外側に位置付けられていることを特徴とする請求項4記載のスクロール型流体機械。
  6. 前記各自転阻止手段は、前記スラストプレートの周方向に互いに離間した複数の前記突起を有し、
    前記第1自転阻止手段の前記突起は、前記第2自転阻止手段の前記突起と周方向位置が異なることを特徴とする請求項5記載のスクロール型流体機械。
  7. 前記係合孔及び突起は、互いに合致可能な雌雄のテーパ面を有することを特徴とする請求項6記載のスクロール型流体機械。
  8. 前記スラストプレートの両面には、前記ハウジング及び可動スクロールの前記摺接面に接する接触領域及び前記接触領域よりも凹んだ非接触領域が形成され、
    前記突起は前記非接触領域に形成されていることを特徴とする請求項6記載のスクロール型流体機械。
  9. 前記突起は、その先端部及び基端部が面取りされていることを特徴とする請求項8記載のスクロール型流体機械。
  10. 前記スラストプレートの前記接触領域にディンプルが分布されていることを特徴とする請求項8記載のスクロール型流体機械。
  11. 前記スラストプレートは、鉄、鉄合金、アルミニウム合金、セラミックス及び合成樹脂のうち何れかからなることを特徴とする請求項8記載のスクロール型流体機械。
  12. 前記スラストプレートは、粉末焼結法、プレス加工法及び射出成形法のうち何れかにより一体に成形されていることを特徴とする請求項11記載のスクロール型流体機械。
  13. 前記スラストプレートは、前記ハウジング及び可動スクロールの前記摺接面と接する領域に被覆層を有することを特徴とする請求項11記載のスクロール型流体機械。
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