JP2005247982A - 芳香族アミドブロック共重合体組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は熱可塑性エラストマーの性質を有し、高温長期の耐熱老化性、耐光性に優れた芳香族アミドブロック共重合体組成物、特に繊維、フィルム、シート、ブーツ、ギヤ、チューブ、パッキンなどの各種成形材料に適した芳香族アミドブロック共重合体組成物に関するものである。
熱可塑性エラストマーは常温でゴム弾性を示し、プラスチック成形加工機で容易に成形可能なことから近年注目を集め、自動車部品、電気・電子部品、機械部品等に使用されている。そして、本出願人は、耐熱性、機械特性に優れた熱可塑性エラストマーとして、ハードセグメントに芳香族オリゴアミド単位、ソフトセグメントに脂肪族ポリ(オキシアルキレン)単位、ポリオルガノシロキサン単位、脂肪族炭化水素単位、脂環式炭化水素単位、脂肪族ポリエステル単位、脂肪族ポリカーボネート単位を用いた芳香族アミドブロック共重合体について、すでに提案を行っている。(特願2003−375508号、特願2003−315609号)。
一般に、熱可塑性エラストマーは、使用環境に応じて、耐熱性、耐光性等の諸特性が優れていることが要求される材料であり、種々の添加剤を用いることにより、材料の特性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
一般に熱可塑性エラストマーを単独で用いた場合、その化学結合様式により劣化の機構は異なるが、熱や光によって比較的容易に劣化し、機械特性の低下、着色等の好ましくない現象が生じることがあり、高温の酸素含有雰囲気下や直射日光が当たる場所で長期に使用される用途において、その使用に制限を受ける可能性があった。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の芳香族アミドブロック共重合体及び酸化防止剤、紫外線吸収剤または光安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の添加剤からなる芳香族アミドブロック共重合体組成物が、高温長期の耐熱老化性、耐光性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位からなる芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対して、酸化防止剤、紫外線吸収剤または光安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の添加剤0.01〜20重量部からなる芳香族アミドブロック共重合体組成物に関するものである。
(ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して炭素数1〜20の2価のオキシアルキレン基、アルキレンカルバモイル基、またはアリーレンカルバモイル基を示す。また、G1は下記一般式(2)及び/または(3)に示される2価の有機基示す。)
(ここで、R3、R4は、それぞれ独立して炭素数2〜20の2価の脂肪族炭化水素基、p、qはそれぞれ独立して1以上の実数を示す。また、Xは下記一般式(4)、(5)、(6)に示される群から選ばれる少なくとも1種以上の単位を示す。)
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の芳香族アミドブロック共重合体組成物は、芳香族アミドブロック共重合体と添加剤からなる組成物であり、該添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤から選ばれるものである。
本発明で用いられる芳香族アミドブロック共重合体とは、上記一般式(1)で示される繰り返し単位からなるものである。該一般式(1)中のR1およびR2は、それぞれ独立して炭素数1〜20の2価のオキシアルキレン基、アルキレンカルバモイル基、アリーレンカルバモイル基であり、R1およびR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、また直鎖状又は分岐状であってよい。
該オキシアルキレン基としては、例えばオキシエチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシペンタメチレン基、オキシヘキサメチレン基等の無置換オキシアルキレン基またはこれらにメチル基、エチル基等のアルキル置換基もしくはフェニル基等のアリール置換基が1個以上結合したものが挙げられる。さらには、上記の無置換オキシアルキレン基単位やアルキルまたはアリール置換オキシアルキレン基単位が任意に2個以上結合したものであっても良く、これらの1種または2種以上が使用される。中でも、オキシエチレン基、オキシプロピレン基が好ましい。
該アルキレンカルバモイル基としては、例えばメチレンカルバモイル基、エチレンカルバモイル基、トリメチレンカルバモイル基、テトラメチレンカルバモイル基、ペンタメチレンカルバモイル基、2,2−ジメチルトリメチレンカルバモイル基、ネオペンチルカルバモイル基、ヘキサメチレンカルバモイル基、3−メチルペンタメチレンカルバモイル基、2−メチルヘプタメチレンカルバモイル基、ヘプタメチレンカルバモイル基、オクタメチレンカルバモイル基、ノナメチレンカルバモイル基、デカメチレンカルバモイル基、1,4−シクロヘキシレンカルバモイル基等を挙げることができ、これらの1種または2種以上が使用される。中でもエチレンカルバモイル基が好ましい。
該アリーレンカルバモイル基としては、例えば2−ベンジルカルバモイル基、3−ベンジルカルバモイル基、4−ベンジルカルバモイル基、1,2−フェニレンカルバモイル基、1,3−フェニレンカルバモイル基、1,4−フェニレンカルバモイル基等を挙げることができ、これらの1種または2種以上が使用される。
該一般式(1)中のG1は下記一般式(2)及び/または(3)に示される2価の有機基を示す。
(ここで、R3、R4は、それぞれ独立して炭素数2〜20の2価の脂肪族炭化水素基、p、qはそれぞれ独立して1以上の実数を示す。また、Xは下記一般式(4)、(5)、(6)に示される群から選ばれる少なくとも1種類以上の単位を示す。)
本発明で用いられる芳香族アミドブロック共重合体における一般式(2)中のR3およびR4は、それぞれ独立して炭素数2〜20の2価の脂肪族炭化水素基であり、R3、R4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、直鎖状または分岐状であってもよい。該脂肪族炭化水素基としては、例えばエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の炭素数2〜20のアルキレン基またはこれらにメチル基等のアルキル置換基が1個以上結合したものが挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。中でも安価なことからペンタメチレン基が好ましい。
該一般式(2)中のp、qは、それぞれ1以上の実数であり、平均連鎖数(p+q)の合計は1〜5000が好ましく、さらには2〜100が好ましく、ゴム状弾性が得られることから特に4〜50であることが好ましい。
また、該一般式(2)中のXは下記一般式(4)、(5)、(6)に示される群から選ばれる少なくとも1種類以上の単位を示す。
(ここで、R7はカルボニル基または炭素数1〜20の2価の有機基を示す。)
本発明で用いられる芳香族アミドブロック共重合体における一般式(2)、(3)中のXは、二官能性ハライド化合物、二官能性イソシアネート化合物、二官能性カーボネート化合物、二官能性エステル化合物、二官能性アシルラクタム化合物、二官能性エポキシ化合物、二官能性テトラカルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物の残基であることが好ましい。
本発明で用いられる芳香族アミドブロック共重合体における一般式(4)中のR5は炭素数1〜20の2価の有機基であり、例えばアリーレン基、置換アリーレン基、アルキレン基、置換アルキレン基等が挙げられ、該置換基にヘテロ原子を含有していてもよい。該有機基の具体例としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等のアルキレン基;1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2,6−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリーレン基等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。中でも特に耐熱性に優れることから、テトラメチレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基が好ましい。
本発明で用いられる芳香族アミドブロック共重合体における一般式(5)中のR6は炭素数2〜20の2価の有機基であり、例えばエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等のアルキレン基;1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2,6−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基等のアリーレン基;これらのアルキル置換体;メチレン基もしくはアルキレン基とアリーレン基とが結合した置換基等を挙げることができ、これらの1種または2種以上が使用される。中でも特に耐熱性に優れることから、4,4’−ジフェニルメタン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、キシリレン基、ヘキサメチレン基、またはこれらのメチル置換体が好ましい。
本発明で用いられる芳香族アミドブロック共重合体における一般式(6)中のR7はカルボニル基または炭素数1〜20の2価の有機基であり、例えばアリーレン基、置換アリーレン基、アルキレン基、置換アルキレン基、該置換基にヘテロ原子を含有していてもよい。該有機基の具体例としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等のアルキレン基;1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2,6−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリーレン基;テレフタル酸ジグリシジルエステル残基等のジカルボン酸のジグリシジルエステル化合物残基;p−フェニレンジグリシジルエーテル残基等のジグリシジルエーテル化合物残基等を挙げることができ、これらの1種または2種以上が使用される。
本発明で用いられる芳香族アミドブロック共重合体における一般式(3)中のG2は2価のポリオール残基であり、例えばポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ビニル系ポリオール、ジエン系ポリオール、ひまし油系ポリオール、ポリオルガノシロキサン系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ダイマージオールまたはこれらの共重合体等の残基が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。
該ポリエステル系ポリオールは、例えばジカルボン酸と短鎖ポリオールを縮合重合することによって得られる。このときジカルボン酸成分としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。一方短鎖ポリオール成分としては、脂肪族、脂環式、芳香族、置換脂肪族または複素環式のジヒドロキシ化合物、トリヒドロキシ化合物、テトラヒドロキシ化合物等であり、例えば1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ブテンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカメチレンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キシレンジオール、ジヒドロキシエチルテトラハイドロフタレート、トリメチロールプロパン、グリセリン、2−メチルプロパン−1,2,3−トリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。
該ポリエステル系ポリオールを得る別の方法として、β−プロピオラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、メチル−ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、トリメチル−ε−カプロラクトン等のラクトン化合物の1種または2種以上を前記短鎖ポリオール成分から選ばれる1種または2種以上のヒドロキシ化合物と共に反応せしめる方法によることも可能である。
該ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。
該ポリカーボネート系ポリオールとしては、前記の短鎖ポリオールから選ばれるヒドロキシ化合物の1種または2種以上と、ジアリルカーボネート、ジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート等のカーボネート化合物とのエステル交換法によって得られたものが挙げられ、該カーボネート化合物としては、例えばポリ(1,6−ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ(2,2’−ビス(4−ヒドロキシヘキシル)プロピレンカーボネート)等が挙げられる。また、ポリカーボネートポリオールを得る他の方法としては、いわゆるホスゲン法によっても得ることもできる。
その他の該ポリオールとしては、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン単量体よりなるポリジエン系ポリオール;ポリジエン系ポリオールを水素添加したポリオレフィン系ポリオールまたはエチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類の単独重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体の両末端をヒドロキシル化したポリオレフィン系ジオール;β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシ基を持つアクリル単量体とアクリル酸エステルとの共重合によって得られるアクリル系ポリオール等のビニル系ポリオール;ポリプロピレングリコールリシノレート等のひまし油系ポリオール;ポリジメチルシロキサンの両末端をヒドロキシル化したポリオルガノシロキサン系ポリオール等も使用することができる。
本発明で用いられる芳香族アミドブロック共重合体はゴム状弾性を有することからG2の数平均分子量は300〜10000の範囲であることが好ましく、特に500〜5000の範囲であることが好ましい。
本発明で用いられる芳香族アミドブロック共重合体は耐熱性に優れることからG1はポリエステル含むことが好ましく、さらには製造のし易さからG1はポリ(ε−カプロラクトン)を含むことが好ましい。
また、本発明で用いられる芳香族アミドブロック共重合体におけるG1の含有量は特に制限はなく、柔軟性、ゴム弾性、成形加工性に優れることから、G1の含有量は5〜95重量%の範囲であることが好ましく、さらに10〜85重量%の範囲であることが好ましい。
本発明で用いられる芳香族アミドブロック共重合体の分子量は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(以下、GPCと記す。)で測定した標準ポリスチレン換算の数平均分子量が10000〜1000000であることが好ましく、さらに好ましくは30000〜500000である。
本発明で用いられる酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤が挙げられる。
該フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、カルシウム(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−モノエチル−フォスフェート)、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン〕、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ビス〔3,3−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)酪酸〕グリコールエステル、トリフェノール、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、N,N’−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン、2,2’−オキサミドビス〔エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,1,3−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミックアシッドトリエステルと1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)の混合物、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナアミド)、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン等を挙げることができる。
該リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(ミックスド、モノ及びジノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,3−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)フォスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルフォスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン フォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、ジフェニルデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリオクチルフォスファイト、トリドデシルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、トリドデシルトリチオフォスファイト等を挙げることができる。
該イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジオクタデシルサルファイド、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、トリブチルチオ尿素等を挙げることができる。
該アミン系酸化防止剤としては、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、ジフェニルアミンとアセトンの反応物、フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン等を挙げることができる。
該ラクトン系酸化防止剤としては、例えば、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−t−ブチルフラン−2−オンとO−キシレンとの反応生成物を挙げることができる。
該ビタミンE系酸化防止剤としては、例えば、3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−ベンゾピラン−6−オールを挙げることができる。
また、これらの酸化防止剤は、より大きな効果を発現するために2種以上を併用して用いることができる。
本発明で用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が挙げられる。
該ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジイソアミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
該ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−ブチルフェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、4−オクチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等を挙げることができる。
該ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ステアリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等を挙げることができる。
また、これらの紫外線吸収剤は2種以上を併用して用いることができる。
本発明で用いられる光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられ、該ヒンダードアミン系光安定剤としては常温液状型と分子量500以上の常温固体型が挙げられる。
該常温液状型ヒンダードアミン系光安定剤としては、常温(23℃)で液状のヒンダードアミン系光安定剤であり、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリメチルプロピル−3−オキシ[1−(2,2−6,6−テトラメチル)ピペリジル]シロキサン等を挙げることができる。
該分子量500以上の常温固体型ヒンダードアミン系光安定剤としては、分子量が500以上、好ましくは700以上で、常温(23℃)で固体のヒンダードアミン系光安定剤であり、例えば、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N´−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等を挙げることができる。
また、これらのヒンダードアミン系光安定剤は2種以上を併用して用いることができる。
本発明の芳香族アミドブロック共重合体組成物は、芳香族アミドブロック共重合体と、酸化防止剤、紫外線吸収剤または光安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の添加剤からなり、その中でも特に良好な高温長期の耐熱老化性、耐光性に優れた芳香族アミドブロック共重合体組成物が得られることから、添加剤が、酸化防止剤並びに、紫外線吸収剤及び/または光安定剤からなることが好ましい。
本発明の芳香族アミドブロック共重合体組成物は、芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対して、酸化防止剤、紫外線吸収剤または光安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の添加剤が0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部配合されたものである。これらの酸化防止剤、紫外線吸収剤または光安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の添加物の配合量が0.01重量部未満では、高温長期の耐熱老化性、耐光性の改良効果がなく、20重量部を超えると、着色、ブリードアウトする。
本発明の芳香族アミドブロック共重合体組成物の製造方法は特に制限がなく、公知のいかなる方法を用いて製造してもよく、例えば、芳香族アミドブロック共重合体の重合中に添加剤を添加する方法;重合後の任意の時期に添加剤を添加する方法;加熱ロール、押出機、バンバリミキサー等の混練機により芳香族アミドブロック共重合体と添加剤を溶融混合する方法等が挙げられる。芳香族アミドブロック共重合体と添加剤とを溶融混合する際の温度としては、芳香族アミドブロック共重合体組成物の熱安定性を考慮すると150〜280℃が好ましい。
また、本発明の芳香族アミドブロック共重合体組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、熱可塑性樹脂、繊維、染料、有機顔料、無機顔料、ナノ粒子、ガラス繊維、ウィスカーを含む無機補強剤、カーボンナノチューブ及びその化学修飾物、フラーレン類及びその化学修飾物、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤、発砲剤、エポキシ化合物やイソシアネート化合物等の公知の添加剤を加えることができる。
本発明の芳香族アミドブロック共重合体組成物は、一般の成形加工機で容易に成形加工でき、優れた柔軟性及び耐熱老化性を有する成形体を得ることができる。
本発明の芳香族アミドブロック共重合体組成物は、例えば、バンパー部品、シールド、ステアリングホイール、ジョイントブーツ、モール、エアバック、座席シート、ワイパーゴム等の自動車部品;革靴、サンダル等の履物;電線被覆、コネクター、キャッププラグ等の電気部品;野球バット、ゴルフクラブ、テニスラケット、スキーポール等のグリップ部分;水泳用フィン、水中眼鏡、ゴルフボール、サッカーボール等のスポーツまたはレジャー用品;マスク、サック、手袋、コンドーム、水枕、哺乳器用乳首、キャップ容器、レインウェア等の日用品;水着、レオタード、パンティストッキング、靴下等の弾性繊維衣服;油圧ホース、パワーステリングホース、スプレーホース等のホース類;バキュームチューブ、コイルチューブ等のガーデンホース等のチューブ類;キーボードスイッチ等のラバーコンタクト;カールコード、カップリング、Oリング、ガスケット、防水布等のパッキン類;印刷用ロール、帯電ロール、給紙ロール、定着ロール等の各種機器用ロール等のロール類;帯電ベルト、転写ベルト、給紙ベルト、定着ベルト等のOA機器用ベルトやコンベヤベルト等の搬送用コンベヤベルト類;Vベルト、歯付きベルト等の動力伝達ベルト類等に用いることができる。
本発明の芳香族アミドブロック共重合体組成物は、熱可塑性エラストマーの性質を有し、高温長期の耐熱老化性、耐光性に優れている。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
評価・分析に用いた評価・分析機器及び方法を以下に示す。
〜数平均分子量の測定〜
カラム(東ソー(株)製、商品名TSK−GEL GMHHR−H)を装着したGPC装置(東ソー(株)製、商品名HLC−8020)により、カラム温度40℃、流量0.4ml/分の条件下で、溶離液に20mmol/lの塩化リチウム−N−メチル−2−ピロリドン溶液を用いて測定し、標準ポリスチレン換算で算出した。
カラム(東ソー(株)製、商品名TSK−GEL GMHHR−H)を装着したGPC装置(東ソー(株)製、商品名HLC−8020)により、カラム温度40℃、流量0.4ml/分の条件下で、溶離液に20mmol/lの塩化リチウム−N−メチル−2−ピロリドン溶液を用いて測定し、標準ポリスチレン換算で算出した。
〜平均連鎖数(p+q)の測定〜
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GSX270型)を用い、重水素化ジメチルスルホキシド中、室温の条件で1H−NMRを測定した。
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GSX270型)を用い、重水素化ジメチルスルホキシド中、室温の条件で1H−NMRを測定した。
芳香族基とラクトン単位のメチレン基のピーク強度比より、一般式(1)における平均連鎖数(p+q)を算出した。
〜融点測定〜
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、商品名DSC200)を用い、昇温速度10℃/分、−100〜300℃の範囲で測定した。
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、商品名DSC200)を用い、昇温速度10℃/分、−100〜300℃の範囲で測定した。
〜タイプAデュロメータ硬さ〜
芳香族アミドブロック共重合体を圧縮成形した厚さ2mmのシートを用いて、タイプAデュロメータ硬さ(JIS K6253:1997年)を測定した。
芳香族アミドブロック共重合体を圧縮成形した厚さ2mmのシートを用いて、タイプAデュロメータ硬さ(JIS K6253:1997年)を測定した。
〜耐熱老化試験〜
得られた芳香族アミドブロック共重合体組成物を、D=36mm、L/D=20である東芝(株)製射出成形機IS100Eを用い、射出温度210℃、金型温度60℃にて厚さ2mmの平板(70mm×150mm)を成形した後、試験片を得た。この試験片をスガ試験機(株)製ギヤーオーブン中、150℃で、500時間処理を行い、JIS K6251(1993年)に従い切断時伸びを求め、処理前後の切断時伸びより保持率を求め、この値を耐熱老化性伸び保持率とした。
得られた芳香族アミドブロック共重合体組成物を、D=36mm、L/D=20である東芝(株)製射出成形機IS100Eを用い、射出温度210℃、金型温度60℃にて厚さ2mmの平板(70mm×150mm)を成形した後、試験片を得た。この試験片をスガ試験機(株)製ギヤーオーブン中、150℃で、500時間処理を行い、JIS K6251(1993年)に従い切断時伸びを求め、処理前後の切断時伸びより保持率を求め、この値を耐熱老化性伸び保持率とした。
〜耐光性試験〜
耐熱老化試験と同様に得た試験片を、83℃、500時間、フェードメーター照射処理を行い、JIS K6251(1993年)に従い切断時伸びを求め、処理前後の切断時伸びより保持率を求め、この値を耐光性伸び保持率とした。
耐熱老化試験と同様に得た試験片を、83℃、500時間、フェードメーター照射処理を行い、JIS K6251(1993年)に従い切断時伸びを求め、処理前後の切断時伸びより保持率を求め、この値を耐光性伸び保持率とした。
合成例1(ジヒドロキシ芳香族アミド化合物の合成)
窒素導入管、温度計および攪拌翼を備えた10Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下でp−アミノフェノール763g(7.0mol)及びN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す。)2.1L、トルエン1.4Lを加え50℃に昇温し溶解させた。別途、窒素導入管を備えた3L滴下ロートに、テレフタル酸ジクロライド710g(3.5mol)、NMP0.3L、トルエン1.4Lを加え、撹拌し均一溶液とし、この溶液を先の溶液中に80℃を保ちながら30分かけて滴下した。さらに80℃で2時間反応を行った。
窒素導入管、温度計および攪拌翼を備えた10Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下でp−アミノフェノール763g(7.0mol)及びN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す。)2.1L、トルエン1.4Lを加え50℃に昇温し溶解させた。別途、窒素導入管を備えた3L滴下ロートに、テレフタル酸ジクロライド710g(3.5mol)、NMP0.3L、トルエン1.4Lを加え、撹拌し均一溶液とし、この溶液を先の溶液中に80℃を保ちながら30分かけて滴下した。さらに80℃で2時間反応を行った。
得られたスラリーの固形分を吸引濾過により回収し、メタノール7Lで2回攪拌洗浄した。N,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テレフタルアミドを得た。
続いて、窒素導入管、温度計および攪拌翼を備えた10Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下でN,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テレフタルアミド1045g(3.0mol)、炭酸エチレン555g(6.3mol)、触媒としてカリウムt−ブトキシド1.51g(13.5mmol)、NMP6.0Lを加え、180℃に昇温して完全に溶解させ、さらに180℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、析出した固形分を吸引濾過により回収し、得られた固形分をNMPにより再結晶し、メタノール7.5Lで2回攪拌洗浄した。N,N’−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミド1028g(収率79%)を得た。その構造式を下記に示す。この化合物を(a)と記す。
窒素導入管、温度計および攪拌翼を備えた10Lの4つ口フラスコに、4−アミノ−N−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド1600g(8.9mol)、NMP4.0Lを加え均一溶液を得た。別途に、窒素導入管を備えた3L滴下ロートに、イソフタル酸ジクロライド901g(4.4mol)、NMP2.0Lを加え、撹拌し均一溶液とし、この溶液を先の溶液中に1時間かけて滴下した。さらに50℃で2時間反応させた後、得られたスラリーをアセトン25Lに投入し、吸引ろ過により白色固体を回収した。得られた固体をNMPにより再結晶を行い、N,N’−ビス(4−(2−ヒドロキシエチルカルバモイル)フェニル)イソフタルアミド3745g(収率86%)を得た。その構造式を下記に示す。この化合物を(b)と示す。
窒素導入管を備えた15Lのオートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(a)896g(2.1mol)、ε−カプロラクトン2342g(20.5mol)、NMP5380gを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート1.4g(4.1mmol)を加え、180℃で2時間開環重合を行った。引き続いて、テレフタロイルビス(ε−カプロラクタム)731g(2.1mol)を添加し、180℃で5時間反応させた。その後、内温を250℃まで昇温しながら、NMP及び副生成物のε−カプロラクタムを減圧下で2時間かけて留去した。更に、同温で1時間反応させた。続いて、系内を加圧にした後、オートクレーブ下部から溶融状態のポリマーをストランドとして抜き出し、カッティングして芳香族アミドブロック共重合体のペレット3100gを得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量78000、融点225℃、タイプAデュロメータ硬さ95であった。また、平均連鎖数(p+q)は9.2であった。この芳香族アミドブロック共重合体を共重合体Aとする。
合成例4(芳香族アミドブロック共重合体の合成)
窒素導入管を備えた15Lのオートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(a)934g(2.1mol)、ε−カプロラクトン2442g(21.4mol)、NMP5611gを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート1.5g(4.3mmol)を加え、180℃で2時間開環重合を行った。その後、リン酸1.7g(17.1mmol)を添加して180℃で30分攪拌した。引き続いて、ヘキサメチレンジイソシアネート360g(2.1mol)を30分かけて滴下し、180℃で4時間反応させた。その後、内温を250℃まで昇温しながら、NMPを減圧下で2時間かけて留去した。更に、同温で1時間反応させた。続いて、系内を加圧にした後、オートクレーブ下部から溶融状態のポリマーをストランドとして抜き出し、カッティングして芳香族アミドブロック共重合体のペレット3300gを得た。
窒素導入管を備えた15Lのオートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(a)934g(2.1mol)、ε−カプロラクトン2442g(21.4mol)、NMP5611gを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート1.5g(4.3mmol)を加え、180℃で2時間開環重合を行った。その後、リン酸1.7g(17.1mmol)を添加して180℃で30分攪拌した。引き続いて、ヘキサメチレンジイソシアネート360g(2.1mol)を30分かけて滴下し、180℃で4時間反応させた。その後、内温を250℃まで昇温しながら、NMPを減圧下で2時間かけて留去した。更に、同温で1時間反応させた。続いて、系内を加圧にした後、オートクレーブ下部から溶融状態のポリマーをストランドとして抜き出し、カッティングして芳香族アミドブロック共重合体のペレット3300gを得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量84000、融点226℃、タイプAデュロメータ硬さ95であった。また、平均連鎖数(p+q)は9.3であった。この芳香族アミドブロック共重合体を共重合体Bとする。
合成例5(芳香族アミドブロック共重合体の合成)
窒素導入管を備えた15Lのオートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(b)979g(2.0mol)、ε−カプロラクトン3991g(35.0mol)、NMP3668gを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート2.4g(7.0mmol)を加え、180℃で8時間開環重合を行った。引き続いて、テレフタロイルビス(ε−カプロラクタム)711g(2.0mol)を添加し、180℃で5時間反応させた。その後、内温を230℃まで昇温しながら、NMP及び副生成物のε−カプロラクタムを減圧下で2時間かけて留去した。更に、同温で1時間反応させた。続いて、系内を加圧にした後、オートクレーブ下部から溶融状態のポリマーをストランドとして抜き出し、カッティングして芳香族アミドブロック共重合体のペレット4700gを得た。
窒素導入管を備えた15Lのオートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(b)979g(2.0mol)、ε−カプロラクトン3991g(35.0mol)、NMP3668gを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート2.4g(7.0mmol)を加え、180℃で8時間開環重合を行った。引き続いて、テレフタロイルビス(ε−カプロラクタム)711g(2.0mol)を添加し、180℃で5時間反応させた。その後、内温を230℃まで昇温しながら、NMP及び副生成物のε−カプロラクタムを減圧下で2時間かけて留去した。更に、同温で1時間反応させた。続いて、系内を加圧にした後、オートクレーブ下部から溶融状態のポリマーをストランドとして抜き出し、カッティングして芳香族アミドブロック共重合体のペレット4700gを得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量75000、融点188℃、タイプAデュロメータ硬さ80であった。また、平均連鎖数(p+q)は14.1であった。この芳香族アミドブロック共重合体を共重合体Cとする。
合成例6(芳香族アミドブロック共重合体の合成)
窒素導入管、温度計、攪拌翼を備えた10Lのガラス製オートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(a)873g(2.0mol)、ε−カプロラクトン4566g(40.0mol)、NMP5Lを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート1.4g(4mmol)を加え、180℃で1時間開環重合を行った。室温まで冷却し、ピリジン316g(4.0mol)を加え、アジピン酸ジクロライド366g(2.0mol)をゆっくり滴下し、さらに室温で15時間反応させた。反応終了後の溶液に、NMP1Lを加えて希釈溶解し、メタノール50Lに投入した。得られた固形分をメタノール10Lで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥し芳香族アミドブロック共重合体5380gを得た。
窒素導入管、温度計、攪拌翼を備えた10Lのガラス製オートクレーブに、窒素雰囲気下で化合物(a)873g(2.0mol)、ε−カプロラクトン4566g(40.0mol)、NMP5Lを仕込み、180℃に昇温した後、テトラブチルチタネート1.4g(4mmol)を加え、180℃で1時間開環重合を行った。室温まで冷却し、ピリジン316g(4.0mol)を加え、アジピン酸ジクロライド366g(2.0mol)をゆっくり滴下し、さらに室温で15時間反応させた。反応終了後の溶液に、NMP1Lを加えて希釈溶解し、メタノール50Lに投入した。得られた固形分をメタノール10Lで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥し芳香族アミドブロック共重合体5380gを得た。
得られた芳香族アミドブロック共重合体は、数平均分子量96000、融点160℃、タイプAデュロメータ硬さ85であった。また、平均連鎖数(p+q)は19.4であった。この芳香族アミドブロック共重合体を共重合体Dとする。
実施例1
上記合成例3で得た共重合体A100重量部に対して、フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、商品名 IRGANOX1010)2.0重量部を配合し、D=20mm、L/D=25である東洋精機(株)製二軸押出機を用い、押出温度220℃、回転数50rpmで混合押出し、芳香族アミドブロック組成物を得た。得られた芳香族アミドブロック組成物の評価結果を表2に示す。
上記合成例3で得た共重合体A100重量部に対して、フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、商品名 IRGANOX1010)2.0重量部を配合し、D=20mm、L/D=25である東洋精機(株)製二軸押出機を用い、押出温度220℃、回転数50rpmで混合押出し、芳香族アミドブロック組成物を得た。得られた芳香族アミドブロック組成物の評価結果を表2に示す。
実施例2〜12
上記合成例で得た共重合体、及び表1に示す酸化防止剤、紫外線吸収剤または光安定剤を、表2の通り配合し、実施例1と同様の方法により芳香族アミドブロック共重合体組成物を得た。その評価結果を表2に示す。
上記合成例で得た共重合体、及び表1に示す酸化防止剤、紫外線吸収剤または光安定剤を、表2の通り配合し、実施例1と同様の方法により芳香族アミドブロック共重合体組成物を得た。その評価結果を表2に示す。
上記合成例で得た共重合体、及び表1に示す酸化防止剤、紫外線吸収剤または光安定剤を、表3の通り配合し、実施例1と同様の方法により芳香族アミドブロック共重合体組成物を得た。その評価結果を表3に示す。
上記合成例で得た共重合体、及び表1に示す酸化防止剤、紫外線吸収剤または光安定剤を、表4の通り配合し、実施例1と同様の方法により芳香族アミドブロック共重合体組成物を得た。その評価結果を表4に示す。
上記合成例で得た共重合体、及び表1に示す酸化防止剤、紫外線吸収剤または光安定剤を、表5の通り配合し、実施例1と同様の方法により芳香族アミドブロック共重合体組成物を得た。その評価結果を表5に示す。
Claims (6)
- 下記一般式(1)で示される繰り返し単位からなる芳香族アミドブロック共重合体100重量部に対して、酸化防止剤、紫外線吸収剤または光安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の添加剤0.01〜20重量部からなることを特徴とする芳香族アミドブロック共重合体組成物。
(ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して炭素数1〜20の2価のオキシアルキレン基、アルキレンカルバモイル基、またはアリーレンカルバモイル基を示す。また、G1は下記一般式(2)及び/または(3)に示される2価の有機基示す。)
(ここで、R3、R4は、それぞれ独立して炭素数2〜20の2価の脂肪族炭化水素基、p、qはそれぞれ独立して1以上の実数を示す。また、Xは下記一般式(4)、(5)、(6)に示される群から選ばれる少なくとも1種以上の単位を示す。)
(ここで、G2は2価のポリオール残基を示す。また、Xは下記一般式(4)、(5)、(6)に示される群から選ばれる少なくとも1種以上の単位を示す。)
(ここで、R5は炭素数1〜20の2価の有機基を示す。)
(ここで、R6は炭素数2〜20の2価の有機基を示す。)
(ここで、R7はカルボニル基または炭素数1〜20の2価の有機基を示す。) - Xが、二官能性ハライド化合物、二官能性イソシアネート化合物、二官能性カーボネート化合物、二官能性エステル化合物、二官能性アシルラクタム化合物、二官能性エポキシ化合物、二官能性テトラカルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物残基である芳香族アミドブロック共重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の芳香族アミドブロック共重合体組成物。
- G1がポリエステルを含む芳香族アミドブロック共重合体からなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の芳香族アミドブロック共重合体組成物。
- G1がポリ(ε−カプロラクトン)を含む芳香族アミドブロック共重合体からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族アミドブロック共重合体組成物。
- 添加剤が、酸化防止剤並びに、紫外線吸収剤及び/または光安定剤からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族アミドブロック共重合体組成物。
- 酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも2種類以上の酸化防止剤からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族アミドブロック共重合体組成物。
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