JP2005247905A - インクジェット用金属インク - Google Patents

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Abstract

【課題】 安全面、環境面で取り扱いが容易である水系の分散媒と、粒径が均一で導電性等にすぐれた金属微粒子とを含み、しかも、インクジェット印刷方法に適した物性を有するインクジェット用金属インクを提供する。
【解決手段】 水中で、金属のイオンを還元して析出させた、一次粒径が200nm以下の金属微粒子を、分子量が200〜30000の分散剤の存在下、分散媒としての、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒中に分散させた。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット印刷方法によって、微細な導体配線や、薄くて厚みの均一な導電膜等を形成するのに適した、インクジェット用金属インクに関するものである。
導体配線や導電膜等を形成する材料として、その粒径が数nm〜数十nm程度という、ごく微細な金属微粒子が用いられる。具体的には、かかる金属微粒子を、凝集を防止して、分散性を高めるために、分散剤の存在下で、分散媒中に分散した金属コロイド溶液を、各種印刷方法、塗布方法用のインクとして用いて、基材上に印刷または塗布した後、必要に応じて焼き付けることによって、導体配線や導電膜が形成される。
導体配線や導電膜の形成方法として、近時、インクジェットプリンタを用いたインクジェット印刷方法が注目されており、金属コロイド溶液を、インクジェット印刷方法用の金属インクとして使用することが検討されている。しかし、従来の金属コロイド溶液は、分散媒として水を用いた水系のものが一般的であり、その粘度や表面張力、蒸気圧(沸点)等の物性も、限られた範囲でしかなかった。
そこで、金属コロイド溶液に、インクジェット用金属インクとして適した物性を付与することが検討されている。インクジェット用金属インクに求められる物性としては、
・ 分散した金属微粒子が、容易に沈殿しないこと、
・ 金属微粒子の粒径が揃っており、しかも、複数の金属微粒子が凝集して、粒径の大きい二次粒子を生じにくい上、インクの粘度が低いため、インクジェットプリンタのノズル等で目詰まりを生じないこと、
・ ピエゾ素子を用いた、ピエゾ方式のインクジェット印刷方法用のインクの場合は、蒸気圧が低く、容易に粘度上昇したり、乾燥したりしないこと、
・ 発熱素子を用いた、いわゆるサーマル方式の、インクジェット印刷方法用のインクの場合は、逆に、蒸気圧が高く、発熱素子の発熱によって気泡を生じやすいこと、
等が挙げられる。
金属コロイド溶液からなる、インクジェット用金属インクの物性を調整するため、物性に直接に影響を及ぼす分散媒として、水だけでなく、種々の有機溶媒を用いることが検討されている。たとえば、特許文献1には、粒径の揃った金属微粒子を製造できることが知られている、いわゆる液相還元法によって、分散剤の存在下、水中で、金属のイオンを還元して金属微粒子を析出させることで、水系の金属コロイド溶液を製造する方法を応用して、
・ 有機溶媒に、金属のイオンのもとになる金属化合物を溶解し、分散剤を加えたのち、還元して金属微粒子を析出させることで、分散媒が有機溶媒である金属コロイド溶液を製造する方法、
・ 水に、金属のイオンのもとになる金属化合物を溶解し、水溶性有機溶媒と分散剤とを加えたのち、還元して金属微粒子を析出させることで、分散媒が、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒である金属コロイド溶液を製造する方法、
が記載されている。
また、特許文献2には、気相成長法によって金属微粒子を製造する方法を応用して、気相中で成長過程の金属微粒子に、ミネラルスピリット等の、高沸点の有機溶媒の蒸気を接触させて、金属微粒子を冷却、回収することで、有機溶媒中に、金属微粒子が分散された金属コロイド溶液(独立分散液)を製造する方法が記載されている。
特開平11−80647号公報(請求項11、12、第0042欄、第0045欄〜第0046欄) 特開2001−35255号公報(第0006欄)
ところが、特許文献1に記載の方法のうち、分散媒として、有機溶媒を用いる方法では、特定の有機溶媒に対する溶解性にすぐれた金属化合物や、還元剤の種類が限られるため、形成できる金属微粒子の種類が限られるという問題がある。
また、水と、水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いる方法では、汎用されている水溶性の金属化合物や還元剤を使用することができるものの、これらの多くは、水溶性有機溶媒に対する溶解性が低いために、水溶性有機溶媒を加えた時点で、その一部が析出する等して、反応系の濃度にむらを生じやすい。
そして、この濃度のむらが原因となって、形成される金属微粒子の粒径にばらつきを生じる結果、この金属コロイド溶液を、インクジェット用金属インクとして用いた場合は、インクジェットプリンタのノズル等で目詰まりを生じやすくなる。また、形成した導体配線や導電膜の、構造や導電性等が、不均一になるおそれもある。また、未反応の金属化合物が、不純物として、金属微粒子中に混入して、金属微粒子、ひいては、導体配線や導電膜の導電性等を阻害するおそれもある。
また、特許文献2に記載の方法は、安全面、環境面で、取り扱いに注意を要する高沸点の有機溶媒にしか適用できず、応用範囲が狭いという問題がある。また、ミネラルスピリット等の有機溶媒は、インクジェットプリンタのヘッドなどに用いられている接着剤を溶かすおそれもある。
本発明は、安全面、環境面で取り扱いが容易である水系の分散媒と、粒径が均一で導電性等にすぐれた金属微粒子とを含み、しかも、インクジェット印刷方法に適した物性を有する、インクジェット用金属インクを提供することにある。
請求項1記載の発明は、水中で、金属のイオンを還元して析出させた、一次粒径が200nm以下の金属微粒子と、分子量が200〜30000の分散剤と、分散媒としての、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒とを含むことを特徴とするインクジェット用金属インクである。
請求項2記載の発明は、表面張力が20〜60mN/m(25℃)、粘度が0.5〜40mPa・s(25℃)である請求項1記載のインクジェット用金属インクである。
請求項3記載の発明は、水中で、金属のイオンを還元して金属微粒子を析出させて得た、水系の金属コロイド溶液を出発原料として用いて、金属微粒子を水から完全に分離する工程を経ることなしに製造された請求項1記載のインクジェット用金属インクである。
請求項4記載の発明は、水溶性有機溶媒が、アルコール、ケトン、グリコールエーテル、および水溶性の含窒素有機化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のインクジェット用金属インクである。
請求項1記載の発明のインクジェット用金属インクにおいては、金属微粒子として、通常の、水を用いた液相還元法によって製造された、粒径が均一なものを用いているため、インクジェットプリンタのノズル等で目詰まりが発生するのを、防止することができる。また、形成される導体配線や導電膜の、構造や導電性等がばらつくのを防止して、その均一性を向上することもできる。また、この金属微粒子は、未反応の金属化合物等の不純物を殆ど含んでおらず、導電性にもすぐれているため、導体配線や導電膜の導電性を向上することもできる。
また、分散媒としては、水と、水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いているため、安全面、環境面で取り扱いが容易である。しかも、混合溶媒における、水と、水溶性有機溶媒との配合割合を調整したり、水溶性有機溶媒の種類を選択したりすることによって、インクジェット用金属インクの粘度、表面張力、蒸気圧等の物性を、インクジェット印刷方法に適した範囲に、簡単に調整することができる。
請求項2記載の発明によれば、表面張力を20〜60mN/m(25℃)、粘度を0.5〜40mPa・s(25℃)の範囲内に調整しているため、ノズル等で目詰まりを生じたり、その他の吐出不良を生じたりすることなしに、インクジェット印刷法によって、インクを、ノズルから、良好に吐出させて、導体配線や導電膜を形成することができる。
請求項3記載の発明によれば、還元析出法によって得た、水系の金属コロイド溶液を出発原料として用いて、金属微粒子を水から完全に分離する工程を経ることなしに、つまり、金属微粒子を水から完全に分離することによって生じる、凝集による二次粒子の生成や、それに伴って発生する粒径のばらつき、全体としての粒径の増加等を生じることなしに、インクジェット用金属インクが製造される。このため、製造されたインクジェット用金属インクは、金属微粒子が、還元析出法によって製造された直後の、分散媒中に、ほぼ一次粒子の状態で、均一に分散された状態を維持しており、かかるインクジェット用金属インクを用いることによって、インクジェットプリンタのノズル等で目詰まりが発生するのを、さらに確実に防止することができる。また、導体配線や導電膜の構造や導電性を、さらに均一化することもできる。
請求項4記載の発明によれば、アルコール、ケトン、グリコールエーテル、および水溶性の含窒素有機化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の、水溶性有機溶媒を選択して使用することによって、インクジェット用金属インクの物性を、インクジェット印刷方法に適した範囲に、簡単に調整することができる。
以下に、本発明を説明する。
本発明のインクジェット用金属インクは、水中で、金属のイオンを還元して析出させた、一次粒径が200nm以下の金属微粒子と、分子量が200〜30000の分散剤と、分散媒としての、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒とを含んでいる。
このうち、金属微粒子の一次粒径が、200nm以下に限定されるのは、次の理由による。すなわち、一次粒径が200nmを超える大きな金属微粒子は、インクジェット用金属インク中での分散性が低く、凝集して二次粒子を生じやすい。また、凝集しないまでも、インクジェット用金属インクの流動性を低下させる。このため、かかる大きな金属微粒子を含む、インクジェット用金属インクは、インクジェット印刷方法用としての物性を満足することができないだけでなく、ノズルの目詰まり等も生じやすい。また、このインクジェット用金属インクを用いて形成される導体配線や導電膜は、二次粒子の発生等によって、その構造や導電性が不均一になってしまう。
これに対し、一次粒径が200nm以下という、ごく微小な金属微粒子は、インクジェット用金属インク中での分散性にすぐれるため、凝集等を生じにくい。また、インクジェット用金属インクの、流動性も向上する。したがって、一次粒径が200nm以下の金属微粒子を含む、本発明のインクジェット用金属インクは、先に述べたように、水と水溶性有機溶媒の配合割合を調整したり、水溶性有機溶媒の種類を選択したりすることによって、インクジェット印刷方法用として最適な物性、すなわち粘度、表面張力、および蒸気圧の範囲を十分に満足することができる上、ノズルの目詰まり等を生じにくい。また、本発明のインクジェット用金属インクを用いて形成される導体配線や導電膜は、その構造や導電性が極めて均一なものとなる。
なお、金属微粒子の、一次粒径の下限値については、とくに限定されず、理論上、金属としての導電性を有し得る、最小の粒径のものまで、使用可能であるが、実用上は、1nm以上であるのが好ましい。すなわち、金属微粒子の一次粒径は、1〜200nmであるのが好ましい。
金属微粒子の配合割合は、インクジェット用金属インクの総量中の、0.1〜90重量%であるのが好ましい。配合割合が0.1重量%未満では、インクジェット用金属インクが薄すぎて、インクジェット印刷方法によって、十分な厚みと導電性とを有する導体配線や導電膜を形成できないおそれがある。逆に、90重量%を超える場合は、流動性が低下して、インクジェット印刷方法用として適したインクが得られないおそれがある。
なお、金属微粒子の一次粒径、および配合割合は、本発明のインクジェット用金属インクを用いて、導体配線や導電膜を形成する際に採用する各種のインクジェット印刷方法に適した、最適な物性を有するように、上記の範囲内から、それぞれのインクジェット印刷方法に適した、より好適な範囲を選択するのが好ましい。金属微粒子としては、種々の金属や合金からなるものが使用可能であるが、とくに、導体配線や導電膜に良好な導電性を付与することを考慮すると、ニッケル、銅、銀、金、白金、パラジウム、または、これらの合金からなる微粒子が好ましい。
分散剤としては、水、または、水溶性有機溶剤に対して良好な溶解性を有する、種々の分散剤の中から、分子量が200〜30000であるものが使用される。分散剤の分子量が200未満では、金属微粒子を安定に分散させる効果が得られないためである。また、分子量が30000を超える場合には、却って、金属微粒子を安定に分散させる効果が得られないためである。また、かかる高分子量の分散剤は、インクジェット用金属インクを用いて形成した導体配線や導電膜中で、金属微粒子の間に介在して、その導電性を妨げるおそれもある。
これに対し、分子量が200〜30000である分散剤は、いわゆる、ループ−トレイン−テイル構造をとりやすいため、金属微粒子の分散性を向上する効果にすぐれている上、金属微粒子の間に介在して、導電性を妨げるおそれもない。なお、金属微粒子を安定に分散させることを考慮すると、分散剤の分子量は、上記の範囲内でも、とくに、2000〜30000であるのが好ましい。
また、分散剤としては、導体配線や導電膜、あるいは、これらの近傍に配置された電子部品等が劣化するのを防止することを考慮すると、S、P、B、およびハロゲン原子を含有しない有機化合物であるのが好ましい。これらの条件を満足する、好適な分散剤としては、たとえば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン等のアミン系の高分子分散剤や、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース等の、分子中にカルボン酸基を有する炭化水素系の高分子分散剤、ポバール(ポリビニルアルコール)、あるいは、1分子中に、ポリエチレンイミン部分とポリエチレンオキサイド部分とを有する共重合体(以下「PEI−PO共重合体」とする)等の、高分子分散剤が好ましい。高分子分散剤は、インクジェット用金属インクの粘度調整剤としても機能しうる。
分散剤の配合割合は、金属微粒子100重量部あたり、2〜30重量部であるのが好ましい。配合割合が2重量部未満では、分散剤を添加したことによる、金属微粒子を、インクジェット用金属インク中に、均一に分散させる効果が十分に得られないおそれがあり、逆に、30重量部を超える場合には、粘度が高くなりすぎて、インクジェット印刷方法用として適したインクジェット用金属インクが得られないおそれがある。また、過剰の分散剤が、インクジェット用金属インクを用いて形成した導体配線や導電膜中で、金属微粒子の間に介在して、その導電性を妨げるおそれもある。
なお、分散剤の分子量や配合割合は、本発明のインクジェット用金属インクを用いて、導体配線や導電膜を形成する際に採用する各種のインクジェット印刷方法に適した、最適な物性を有するように、上記の範囲内から、それぞれのインクジェット印刷方法に適したより好適な範囲を選択するのが好ましい。また、分散剤の種類も、本発明のインクジェット用金属インクを用いて、導体配線や導電膜を形成する際に採用する各種のインクジェット印刷方法に適した、最適な物性を有するように、各種の分散剤の中から、好適なものを選択して使用するのが好ましい。
水溶性有機溶媒としては、20℃での誘電率が3以上である、種々の、水溶性を有する有機溶媒が、いずれも使用可能である。水溶性有機溶媒としては、たとえば、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、t−ブチルアルコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール、
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル、
2−ピロリドン、N−メチルピロリドン等の水溶性の含窒素有機化合物、および
酢酸エチル等が挙げられる。水溶性有機溶媒は、それぞれ1種単独で使用できる他、2種以上を併用することもできる。
本発明では、インクジェット用金属インクを用いて、導体配線や導電膜を形成するための、インクジェット印刷方法に最適な物性を有するように、分散媒として、水と、水溶性有機溶媒とを用い、その配合割合や、水溶性有機溶媒の種類、あるいは、2種以上の水溶性有機溶媒を併用する場合は、その組み合わせ等が適宜、選択される。
すなわち、ピエゾ方式のインクジェット印刷方法用として適したインクジェット用金属インクは、ノズルからの吐出性能を向上するため、先に説明したように、表面張力が20〜60mN/m(25℃)、粘度が0.5〜40mPa・s(25℃)であることが好ましい他、容易に粘度上昇したり、乾燥したりしないために、蒸気圧が低いことが求められ、沸点が、100℃以上、とくに、120〜300℃であるのが好ましい。これらの特性を満足する水溶性有機溶媒としては、グリコールエーテルなどの、比較的、分子量の大きい化合物が好ましい。
一方、サーマル方式のインクジェット印刷方法用として適したインクジェット用金属インクは、同様に、ノズルからの吐出性能を向上するため、表面張力が20〜60mN/m(25℃)、粘度が0.5〜40mPa・s(25℃)であることが好ましい他、発熱素子の発熱によって気泡を生じやすくするために、蒸気圧が高いことが求められ、沸点が、150℃以下、とくに、80〜130℃であるのが好ましい。これらの特性を満足する水溶性有機溶媒としては、低級アルコールなどの、比較的、分子量の小さい化合物が好ましい。
本発明のインクジェット用金属インクは、水中で、金属のイオンを還元して金属微粒子を析出させて得た、水系の金属コロイド溶液を出発原料として用いて、金属微粒子を水から完全に分離する工程を経ることなしに、製造するのが好ましい。より具体的には、水系の金属コロイド溶液を、たとえば、ロータリーエバポレータを用いたり、加熱したり、あるいは、遠心分離して上澄み液を除去したりすることで、所定の濃度に濃縮した後、所定量の水溶性有機溶媒を加えることによって、本発明のインクジェット用金属インクが製造される。
出発原料としての、水系の金属コロイド溶液は、従来同様に製造することができる。たとえば、水に、金属のイオンのもとになる水溶性の金属化合物と、分散剤とを溶解するとともに、還元剤を加えて、好ましくは、かく拌下、一定時間、金属のイオンを還元反応させることによって、水系の金属コロイド溶液が製造される。
金属のイオンのもとになる、水溶性の金属化合物としては、これに限定されないが、たとえば、銀の場合は、硝酸銀(I)(AgNO3)やメタンスルホン酸銀(CH3SO3Ag)等が挙げられ、とくに、硝酸銀(I)が好ましい。また、金の場合は、テトラクロロ金(III)酸四水和物(HAuCl4・4H2O)等が挙げられる。さらに、白金の場合は、ジニトロジアンミン白金(II)(Pt(NO22(NH32)や、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(H2[PtCl6]・6H2O)等が挙げられ、パラジウムの場合は、塩化パラジウム(II)(PdCl2)等が挙げられる。また、上記の水溶性金属化合物を、必要に応じて、アンモニア、クエン酸等により錯体化して用いてもよい。
還元剤としては、水溶性を有する種々の還元剤が使用できるが、その粒径が、できるだけ小さく、かつ均一な金属微粒子を形成することを考慮すると、還元力の弱い還元剤を選択して使用するのが好ましい。
かかる還元剤としては、たとえば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコールや、アスコルビン酸等が挙げられる他、エチレングリコール、グルタチオン、有機酸類(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等)、還元性糖類(グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラフィノース、スタキオース等)、および糖アルコール類(ソルビトール等)等が挙げられる。
金属微粒子の一次粒径を、前記範囲に調整するには、金属化合物、分散剤、還元剤の種類と配合割合を調整するとともに、金属化合物を還元反応させる際に、かく拌速度、温度、時間等を調整すればよい。
本発明のインクジェット用金属インクは、その物性を適宜、調整することによって、先に述べたように、ピエゾ方式やサーマル方式等の、各種のインクジェット印刷方法による、導体配線の形成や、導電膜の形成などに、好適に使用することができる。
以下に、本発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
(インクジェット用銀インク)
実施例1:
硝酸銀26gを純水200gに溶解した後、アンモニア水を加えて、液のpHを11.0に調整して、硝酸銀アンモニア溶液を調製した。つぎに、この硝酸銀アンモニア溶液に、分散剤としての、ポリビニルピロリドン(分子量30000)12gを加えて、溶解させた後、還元剤としての、エチレングリコール100gを添加して、かく拌速度1000rpmでかく拌しながら、10℃で180分間、反応させて、黄色のプラズモン吸収を有する、水系の銀コロイド溶液を得た。
つぎに、得られた銀コロイド溶液を、20000G×20分間の条件で遠心分離して、銀微粒子よりも軽い不純物を除去する操作を繰り返し行い、ついで、純水によって洗浄した後、銀微粒子の粒度分布を、レーザードップラー法を応用した粒度分布測定装置〔日機装(株)製の商品名マイクロトラック UPA150EX〕を用いて測定したところ、5nmの位置に鋭いピークが見られた。
つぎに、この銀コロイド溶液を、ロータリーエバポレータを用いて濃縮して、含水分量を20重量%まで減らし、水溶性有機溶媒としてのエチレングリコールモノブチルエーテルおよびグリセリンを加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、銀微粒子の濃度が30重量%になるまで濃縮して、分散媒が、水とエチレングリコールモノブチルエーテルとグリセリンとの混合溶媒であるインクジェット用銀インクを製造した。
インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子(Ag)と水(W)とエチレングリコールモノブチルエーテル(EGB)とグリセリン(Gl)の配合割合は、重量比で、Ag:W:EGB:Gl=30:5:60:5であった。また、インクジェット用銀インクの物性を測定したところ、表面張力は33mN/m(25℃)、粘度は16mPa・s(25℃)、沸点は220℃であった。また、インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、5nmの位置に鋭いピークが見られたことから、インクジェット用銀インクの製造工程を経ても、粒度分布が変動していないことが確認された。
上記インクジェット用銀インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったが、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生することはなく、吐出安定性は良好であった。また、上記インクジェット用銀インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、ガラス基板の表面に印刷し、大気中、300℃で30分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=50/50μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、0.3μmであった。また、導体配線の抵抗率は、2.2×10-6Ω・cmであった。
ガラス基板に印刷した、焼成前の印刷を、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、図1に示すように、粒径や形状が均一な多数の銀微粒子からなる、均一な構造を有することが確認された。そして、焼成後の導体配線を、同様に走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、図2に示すように、多数の銀微粒子が溶融、一体化して、連続したきれいな膜になっていることが確認された。
実施例2:
硝酸銀26gを純水300gに溶解した後、アンモニアガスを加えて、液のpHを11.3に調整して、硝酸銀アンモニア溶液を調製した。つぎに、この硝酸銀アンモニア溶液に、分散剤としての、ポリアクリル酸(分子量5000)16gを加えて、溶解させた後、還元剤としての、アスコルビン酸22gを添加して、かく拌速度1000rpmでかく拌しながら、5℃で5分間、反応させて、黄色のプラズモン吸収を有する、水系の銀コロイド溶液を得た。
つぎに、得られた銀コロイド溶液を、限外ろ過膜を用いた電気透析をして、不純物を除去し、ついで、純水によって洗浄した後、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、15nmの位置に鋭いピークが見られた。
つぎに、この銀コロイド溶液を、70℃に加熱することで濃縮して、含水分量を5重量%まで減らし、水溶性有機溶媒としての2−ブトキシエタノールおよびポリエチレングリコール(平均分子量200)を加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、銀微粒子の濃度が30重量%になるまで濃縮して、分散媒が、水と2−ブトキシエタノールとポリエチレングリコールとの混合溶媒であるインクジェット用銀インクを製造した。
インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子(Ag)と水(W)と2−ブトキシエタノール(BE)とポリエチレングリコール(PEG)の配合割合は、重量比で、Ag:W:BE:PEG=30:1:65:4であった。また、インクジェット用銀インクの物性を測定したところ、表面張力は30mN/m(25℃)、粘度は15mPa・s(25℃)、沸点は150℃であった。また、インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、15nmの位置に鋭いピークが見られたことから、インクジェット用銀インクの製造工程を経ても、粒度分布が変動していないことが確認された。
上記インクジェット用銀インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったが、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生することはなく、吐出安定性は良好であった。また、上記インクジェット用銀インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、ガラス基板の表面に印刷し、大気中、200℃で30分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=50/50μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、0.3μmであった。また、導体配線の抵抗率は、2.2×10-6Ω・cmであった。
実施例3:
硝酸銀の量を4gとし、分散剤として、ポリエチレンイミン(分子量600)2gを用い、なおかつ、還元剤として、三塩化チタン4gを用いるとともに、反応温度を25℃、反応時間を30分間としたこと以外は、実施例2と同様にして、水系の銀コロイド溶液を得た。
つぎに、得られた銀コロイド溶液を、限外ろ過膜を用いた電気透析をして、不純物を除去し、ついで、純水によって洗浄した後、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、8nmの位置に鋭いピークが見られた。
つぎに、この銀コロイド溶液を、ロータリーエバポレータを用いて濃縮して、含水分量を15重量%まで減らし、水溶性有機溶媒としてのエチレングリコールを加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、銀微粒子の濃度が25重量%になるまで濃縮して、分散媒が、水とエチレングリコールとの混合溶媒であるインクジェット用銀インクを製造した。
インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子(Ag)と水(W)とエチレングリコール(EG)の配合割合は、重量比で、Ag:W:EG=25:2:73であった。また、インクジェット用銀インクの物性を測定したところ、表面張力は45mN/m(25℃)、粘度は19mPa・s(25℃)、沸点は185℃であった。また、インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、8nmの位置に鋭いピークが見られたことから、インクジェット用銀インクの製造工程を経ても、粒度分布が変動していないことが確認された。
上記インクジェット用銀インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったが、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生することはなく、吐出安定性は良好であった。また、上記インクジェット用銀インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、ガラス基板の表面に印刷し、大気中、400℃で15分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=100/100μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、0.2μmであった。また、導体配線の抵抗率は、1.8×10-6Ω・cmであった。
実施例4:
分散剤として、ポリエチレンイミン(分子量10000)12gを用い、なおかつ、還元剤として、フルクトース20gを用いるとともに、反応温度を15℃、反応時間を120分間としたこと以外は、実施例2と同様にして、水系の銀コロイド溶液を得た。
つぎに、得られた銀コロイド溶液を、20000G×20分間の条件で遠心分離して、銀微粒子よりも軽い不純物を除去する操作を繰り返し行い、ついで、純水によって洗浄した後、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、30nmの位置に鋭いピークが見られた。
つぎに、この銀コロイド溶液を、70℃に加熱することで濃縮して、含水分量を3重量%まで減らし、水溶性有機溶媒としての2−エトキシエタノールおよびグリセリンを加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、銀微粒子の濃度が40重量%になるまで濃縮して、分散媒が、水と2−エトキシエタノールとグリセリンの混合溶媒であるインクジェット用銀インクを製造した。
インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子(Ag)と水(W)と2−エトキシエタノール(EE)とグリセリン(Gl)の配合割合は、重量比で、Ag:W:EE:Gl=40:1:55:4であった。また、インクジェット用銀インクの物性を測定したところ、表面張力は32mN/m(25℃)、粘度は14mPa・s(25℃)、沸点は200℃であった。また、インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、30nmの位置に鋭いピークが見られたことから、インクジェット用銀インクの製造工程を経ても、粒度分布が変動していないことが確認された。
上記インクジェット用銀インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったが、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生することはなく、吐出安定性は良好であった。また、上記インクジェット用銀インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、樹脂基板の表面に印刷し、大気中、180℃で60分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=30/30μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、0.5μmであった。また、導体配線の抵抗率は、4.0×10-6Ω・cmであった。
実施例5:
硝酸銀52gを純水200gに溶解した後、アンモニア水を加えて、液のpHを12.0に調整して、硝酸銀アンモニア溶液を調製した。つぎに、この硝酸銀アンモニア溶液に、分散剤としての、ポリビニルピロリドン(分子量30000)25gを加えて、溶解させた後、還元剤としての、2−プロパノール100gを添加して、かく拌速度1000rpmでかく拌しながら、40℃で60分間、反応させて、黄色のプラズモン吸収を有する、水系の銀コロイド溶液を得た。
つぎに、得られた銀コロイド溶液を、20000G×20分間の条件で遠心分離して、銀微粒子よりも軽い不純物を除去する操作を繰り返し行い、ついで、純水によって洗浄した後、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、5nmの位置に鋭いピークが見られた。
つぎに、この銀コロイド溶液を、ロータリーエバポレータを用いて濃縮して、含水分量を22重量%まで減らし、水溶性有機溶媒としての2−エトキシエタノールおよび2−ピロリドンを加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、銀微粒子の濃度が30重量%になるまで濃縮して、分散媒が、水と2−エトキシエタノールと2−ピロリドンの混合溶媒であるインクジェット用銀インクを製造した。
インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子(Ag)と水(W)と2−エトキシエタノール(EE)と2−ピロリドン(Py)の配合割合は、重量比で、Ag:W:EE:Py=30:5:60:5であった。また、インクジェット用銀インクの物性を測定したところ、表面張力は32mN/m(25℃)、粘度は8mPa・s(25℃)、沸点は195℃であった。また、インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、5nmの位置に鋭いピークが見られたことから、インクジェット用銀インクの製造工程を経ても、粒度分布が変動していないことが確認された。
上記インクジェット用銀インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったが、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生することはなく、吐出安定性は良好であった。また、上記インクジェット用銀インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、樹脂基板の表面に印刷し、大気中、200℃で30分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=80/80μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、0.3μmであった。また、導体配線の抵抗率は、3.5×10-6Ω・cmであった。
実施例6:
硝酸銀の量を26gとし、分散剤として、ポリビニルピロリドン(分子量25000)20gを用い、なおかつ、還元剤として、グルタミン酸10gを用いるとともに、反応温度を25℃、反応時間を30分間としたこと以外は、実施例5と同様にして、水系の銀コロイド溶液を得た。
つぎに、得られた銀コロイド溶液を、限外ろ過膜を用いた電気透析をして、不純物を除去し、ついで、純水によって洗浄した後、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、40nmの位置に鋭いピークが見られた。
つぎに、この銀コロイド溶液を、10000rpmの条件で遠心分離したのち、上澄みを取り除くことによって濃縮して、含水分量を10重量%まで減らし、水溶性有機溶媒としてのエタノールおよびグリセリンを加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、銀微粒子の濃度が60重量%になるまで濃縮して、分散媒が、水とエタノールとグリセリンの混合溶媒であるインクジェット用銀インクを製造した。
インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子(Ag)と水(W)とエタノール(Et)とグリセリン(Gl)の配合割合は、重量比で、Ag:W:Et:Gl=60:5:34:1であった。また、インクジェット用銀インクの物性を測定したところ、表面張力は30mN/m(25℃)、粘度は3mPa・s(25℃)、沸点は100℃であった。また、インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、40nmの位置に鋭いピークが見られたことから、インクジェット用銀インクの製造工程を経ても、粒度分布が変動していないことが確認された。
上記インクジェット用銀インクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったが、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生することはなく、吐出安定性は良好であった。また、上記インクジェット用銀インクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、ガラス基板の表面に印刷し、大気中、450℃で30分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=120/120μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、1μmであった。また、導体配線の抵抗率は、1.7×10-6Ω・cmであった。
実施例7:
硝酸銀の量を26gとし、分散剤として、ポリビニルピロリドン(分子量30000)5gを用い、なおかつ、還元剤として、ミリスチン酸20gを用いるとともに、反応温度を25℃、反応時間を120分間としたこと以外は、実施例5と同様にして、水系の銀コロイド溶液を得た。
つぎに、得られた銀コロイド溶液を、限外ろ過膜を用いた電気透析をして、不純物を除去し、ついで、純水によって洗浄した後、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、15nmの位置に鋭いピークが見られた。
つぎに、この銀コロイド溶液を、10000rpmの条件で遠心分離したのち、上澄みを取り除くことによって濃縮して、含水分量を12重量%まで減らし、水溶性有機溶媒としてのエタノールを加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、銀微粒子の濃度が25重量%になるまで濃縮して、分散媒が、水とエタノールの混合溶媒であるインクジェット用銀インクを製造した。
インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子(Ag)と水(W)とエタノール(Et)の配合割合は、重量比で、Ag:W:Et=25:2:73であった。また、インクジェット用銀インクの物性を測定したところ、表面張力は24mN/m(25℃)、粘度は2mPa・s(25℃)、沸点は82℃であった。また、インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、15nmの位置に鋭いピークが見られたことから、インクジェット用銀インクの製造工程を経ても、粒度分布が変動していないことが確認された。
上記インクジェット用銀インクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったが、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生することはなく、吐出安定性は良好であった。また、上記インクジェット用銀インクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、樹脂基板の表面に印刷し、大気中、180℃で60分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=50/50μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、0.2μmであった。また、導体配線の抵抗率は、6.5×10-6Ω・cmであった。
比較例1:
実施例2で得た、15nmの位置に鋭いピークを有する水系の銀コロイド溶液を、70℃に加熱して水を全て乾燥、除去することによって、銀微粒子を水から完全に分離し、2−ブトキシエタノールおよびポリエチレングリコール(平均分子量200)を加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、銀微粒子の濃度が30重量%になるまで濃縮して、分散媒が2−ブトキシエタノールとポリエチレングリコールであるインクジェット用銀インクを製造した。
インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子(Ag)と2−ブトキシエタノール(BE)とポリエチレングリコール(PEG)の配合割合は、重量比で、Ag:BE:PEG=30:50:20であった。また、インクジェット用銀インクの物性を測定したところ、表面張力は65mN/m(25℃)、粘度は32mPa・s(25℃)、沸点は150℃であった。また、インクジェット用銀インクにおける、銀微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、1500nmの位置にピークが見られたことから、銀微粒子を水から完全に分離後した際に凝集が発生して、粒度分布が大きく変動したことが確認された。
上記インクジェット用銀インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったところ、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生し、吐出安定性は不良であった。また、上記インクジェット用銀インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、ガラス基板の表面に印刷し、大気中、200℃で30分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=300/300μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、0.3μmであった。また、導体配線の抵抗率は、2.5×10-5Ω・cmであった。
比較例2:
実施例3で得た、8nmの位置に鋭いピークを有する水系の銀コロイド溶液を、ロータリーエバポレータを用いて濃縮して、含水分量を15重量%まで減らし、ついで、非水溶性の有機溶媒であるα−テルピネオールを加えた後、マグネチックスターラーを用いてかく拌したが、2液に分離してしまって、均一なインクジェット用銀インクを得ることはできなかった。
(インクジェット用パラジウムインク)
実施例8:
塩化パラジウム(II)21gを純水300gに溶解後、分散剤としてのポリアクリル酸(分子量5000)20gを加えて完全に溶解させた。つぎに、この塩化パラジウム溶液に、還元剤としての、2−プロパノール80gを加えた後、かく拌速度1000rpmでかく拌しながら、40℃で60分間、反応させて、黒色の、水系のパラジウムコロイド溶液を得た。
つぎに、得られたパラジウムコロイド溶液を、20000G×20分間の条件で遠心分離して、パラジウム微粒子よりも軽い不純物を除去する操作を繰り返し行い、ついで、純水によって洗浄した後、パラジウム微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、3nmの位置に鋭いピークが見られた。
つぎに、このパラジウムコロイド溶液を、70℃に加熱することで濃縮して、含水分量を10重量%まで減らし、水溶性有機溶媒としての2−エトキシエタノールおよびグリセリンを加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、パラジウム微粒子の濃度が25重量%になるまで濃縮して、分散媒が、水と2−エトキシエタノールとグリセリンの混合溶媒であるインクジェット用パラジウムインクを製造した。
インクジェット用パラジウムインクにおける、パラジウム微粒子(Pd)と水(W)と2−エトキシエタノール(EE)とグリセリン(Gl)の配合割合は、重量比で、Pd:W:EE:Gl=25:2:70:3であった。また、インクジェット用パラジウムインクの物性を測定したところ、表面張力は32mN/m(25℃)、粘度は12mPa・s(25℃)、沸点は200℃であった。また、インクジェット用パラジウムインクにおける、パラジウム微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、3nmの位置に鋭いピークが見られたことから、インクジェット用パラジウムインクの製造工程を経ても、粒度分布が変動していないことが確認された。
上記インクジェット用パラジウムインクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったが、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生することはなく、吐出安定性は良好であった。また、上記インクジェット用パラジウムインクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、ガラス基板の表面に印刷し、大気中、250℃で30分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=100/100μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、0.2μmであった。また、導体配線の抵抗率は、1.8×10-5Ω・cmであった。
実施例9:
分散剤として、ポリエチレンイミン(分子量1800)5gを用い、なおかつ、還元剤として、三塩化チタン16gを用いるとともに、反応温度を25℃、反応時間を30分間としたこと以外は、実施例8と同様にして、水系のパラジウムコロイド溶液を得た。
つぎに、得られたパラジウムコロイド溶液を、限外ろ過膜を用いた電気透析をして、不純物を除去し、ついで、純水によって洗浄した後、パラジウム微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、4nmの位置に鋭いピークが見られた。
つぎに、このパラジウムコロイド溶液を、ロータリーエバポレータを用いて濃縮して、含水分量を22重量%まで減らし、水溶性有機溶媒としてのエタノール、グリセリンおよびアセトンを加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、パラジウム微粒子の濃度が60重量%になるまで濃縮して、分散媒が、水とエタノールとグリセリンとアセトンの混合溶媒であるインクジェット用パラジウムインクを製造した。
インクジェット用パラジウムインクにおける、パラジウム微粒子(Pd)と水(W)とエタノール(Et)とグリセリン(Gl)とアセトン(Ac)の配合割合は、重量比で、Pd:W:Et:Gl:Ac=60:10:10:5:15であった。また、インクジェット用パラジウムインクの物性を測定したところ、表面張力は30mN/m(25℃)、粘度は1.5mPa・s(25℃)、沸点は95℃であった。また、インクジェット用パラジウムインクにおける、パラジウム微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、4nmの位置に鋭いピークが見られたことから、インクジェット用パラジウムインクの製造工程を経ても、粒度分布が変動していないことが確認された。
上記インクジェット用パラジウムインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったが、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生することはなく、吐出安定性は良好であった。また、上記インクジェット用パラジウムインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、ガラス基板の表面に印刷し、大気中、200℃で30分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=200/200μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、0.4μmであった。また、導体配線の抵抗率は、3.0×10-5Ω・cmであった。
比較例3:
実施例9で得た、4nmの位置に鋭いピークを有する水系のパラジウムコロイド溶液を、ロータリーエバポレータを用いて濃縮して、含水分量を22重量%まで減らし、ついで、非水溶性の有機溶媒であるα−テルピネオールを加えた後、マグネチックスターラーを用いてかく拌したが、2液に分離してしまって、均一なインクジェット用パラジウムインクを得ることはできなかった。
(インクジェット用金インク)
実施例10:
テトラクロロ金(III)酸四水和物42gを純水150gに溶解後、分散剤としてのポリビニルアルコール(分子量22000)16gを加えて完全に溶解させた。つぎに、この塩化金溶液に、還元剤としての、アスコルビン酸22gを加えた後、かく拌速度1000rpmでかく拌しながら、5℃で15分間、反応させて、赤紫色のプラズモン吸収を有する、水系の金コロイド溶液を得た。
つぎに、得られた金コロイド溶液を、限外ろ過膜を用いた電気透析をして、不純物を除去し、ついで、純水によって洗浄した後、金微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、5nmの位置に鋭いピークが見られた。
つぎに、この金コロイド溶液を、ロータリーエバポレータを用いて濃縮して、含水分量を15重量%まで減らし、水溶性有機溶媒としての2−ブトキシエタノールおよびポリエチレングリコール(平均分子量200)を加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、金微粒子の濃度が25重量%になるまで濃縮して、分散媒が、水と2−ブトキシエタノールとポリエチレングリコールの混合溶媒であるインクジェット用金インクを製造した。
インクジェット用金インクにおける、金微粒子(Au)と水(W)と2−ブトキシエタノール(BE)とポリエチレングリコール(PEG)の配合割合は、重量比で、Au:W:BE:PEG=25:4:65:6であった。また、インクジェット用金インクの物性を測定したところ、表面張力は35mN/m(25℃)、粘度は18mPa・s(25℃)、沸点は200℃であった。また、インクジェット用金インクにおける、金微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、5nmの位置に鋭いピークが見られたことから、インクジェット用金インクの製造工程を経ても、粒度分布が変動していないことが確認された。
上記インクジェット用金インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったが、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生することはなく、吐出安定性は良好であった。また、上記インクジェット用金インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、樹脂基板の表面に印刷し、大気中、150℃で120分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=50/50μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、0.3μmであった。また、導体配線の抵抗率は、7.5×10-6Ω・cmであった。
実施例11:
分散剤として、ポリビニルピロリドン(分子量30000)10gを用い、なおかつ、還元剤として、2−プロパノール80gを用いるとともに、反応温度を40℃、反応時間を60分間としたこと以外は、実施例10と同様にして、水系の金コロイド溶液を得た。
つぎに、得られた金コロイド溶液を、20000G×20分間の条件で遠心分離して、金微粒子よりも軽い不純物を除去する操作を繰り返し行い、ついで、純水によって洗浄した後、金微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、15nmの位置に鋭いピークが見られた。
つぎに、この金コロイド溶液を、70℃に加熱することで濃縮して、含水分量を3重量%まで減らし、水溶性有機溶媒としてのメチルエチルケトンを加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、金微粒子の濃度が40重量%になるまで濃縮して、分散媒が、水とメチルエチルケトンの混合溶媒であるインクジェット用金インクを製造した。
インクジェット用金インクにおける、金微粒子(Au)と水(W)とメチルエチルケトン(MEK)の配合割合は、重量比で、Au:W:MEK=40:1:59であった。また、インクジェット用金インクの物性を測定したところ、表面張力は29mN/m(25℃)、粘度は2mPa・s(25℃)、沸点は85℃であった。また、インクジェット用金インクにおける、金微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、15nmの位置に鋭いピークが見られたことから、インクジェット用金インクの製造工程を経ても、粒度分布が変動していないことが確認された。
上記インクジェット用金インクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったが、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生することはなく、吐出安定性は良好であった。また、上記インクジェット用金インクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、ガラス基板の表面に印刷し、大気中、350℃で20分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=100/100μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、0.5μmであった。また、導体配線の抵抗率は、3.0×10-6Ω・cmであった。
比較例4:
実施例10で得た、5nmの位置に鋭いピークを有する水系の金コロイド溶液を、ロータリーエバポレータを用いて処理して、水を全て乾燥、除去することによって、金微粒子を水から完全に分離し、2−ブトキシエタノールおよびポリエチレングリコール(平均分子量200)を加えた後、完全に分散するまで、マグネチックスターラーを用いてかく拌し、さらに、加熱して、金微粒子の濃度が10重量%になるまで濃縮して、分散媒が2−ブトキシエタノールとポリエチレングリコールであるインクジェット用金インクを製造した。
インクジェット用金インクにおける、金微粒子(Au)と2−ブトキシエタノール(BE)とポリエチレングリコール(PEG)の配合割合は、重量比で、Au:BE:PEG=10:85:5であった。また、インクジェット用金インクの物性を測定したところ、表面張力は65mN/m(25℃)、粘度は18mPa・s(25℃)、沸点は200℃であった。また、インクジェット用金インクにおける、金微粒子の粒度分布を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、600nmの位置にピークが見られたことから、金微粒子を水から完全に分離後した際に凝集が発生して、粒度分布が大きく変動したことが確認された。
上記インクジェット用金インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、1時間、連続して印刷を行ったところ、プリンタのノズルで目詰まりを生じる等して、吐出不良が発生し、吐出安定性は不良であった。また、上記インクジェット用金インクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、ガラス基板の表面に印刷し、大気中、200℃で30分間、焼成して、ラインLとスペースSの比L/S=400/400μmの導体配線を形成した。導体配線の厚みは、表面粗さ計〔(株)東京精密製〕を用いて測定したところ、0.1μmであった。また、導体配線の抵抗率は、4.0×10-4Ω・cmであった。
本発明の、実施例1のインクジェット用銀インクを用いて形成した、焼成前の印刷における、銀微粒子の構造を示す、電子顕微鏡写真である。 上記印刷を焼成して形成した導体配線における、銀微粒子が溶融、一体化して形成された膜の構造を示す、電子顕微鏡写真である。

Claims (4)

  1. 水中で、金属のイオンを還元して析出させた、一次粒径が200nm以下の金属微粒子と、分子量が200〜30000の分散剤と、分散媒としての、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒とを含むことを特徴とするインクジェット用金属インク。
  2. 表面張力が20〜60mN/m(25℃)、粘度が0.5〜40mPa・s(25℃)である請求項1記載のインクジェット用金属インク。
  3. 水中で、金属のイオンを還元して金属微粒子を析出させて得た、水系の金属コロイド溶液を出発原料として用いて、金属微粒子を水から完全に分離する工程を経ることなしに製造された請求項1記載のインクジェット用金属インク。
  4. 水溶性有機溶媒が、アルコール、ケトン、グリコールエーテル、および水溶性の含窒素有機化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のインクジェット用金属インク。
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