JP2005246609A - インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド並びにインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ノズル基板4となるシリコン基板30に第1のノズル孔部分6となる凹部6bを異方性エッチングにより形成する工程と、少なくとも第1のノズル孔部分6となる凹部6bの側面及び底面にエッチングマスク33を形成する工程と、エッチングによりシリコン基板30を部分的に薄板化する工程と、シリコン基板30の第1のノズル孔部分6となる凹部6bの形成されている面に支持基板40を貼り合わせる工程と、シリコン基板30のエッチングにより薄板化された部分に第2のノズル孔部分7を形成する工程と、支持基板40をシリコン基板から分離する工程とを有するものである。
【選択図】 図1
Description
フェイスイジェクトタイプのインクジェットヘッドでは、ノズルの孔の部分の流路抵抗を調整し、ノズルの長さが最適になるようにノズル基板の厚さを調整するのが望ましい。
さらにこのインクジェットヘッド用ノズルプレートの製造方法では、ドライエッチング加工の際に、加工形状を安定させるためにノズルプレートの加工面の反対側からヘリウムガス等で冷却を行うが、ノズルの貫通時にヘリウムガス等が加工面側にリークしてエッチングができなくなってしまうという問題点もあった。
エッチングによりシリコン基板を部分的に薄板化するため、シリコン基板に肉厚の部分が残り、製造工程の途中でシリコン基板が割れたり、欠けてしまうことを防止することができる。また薄板化された部分をダイシング(切断)してノズル基板を製造するようにすれば、シリコン基板として比較的厚いシリコン基板を使用することができる。さらにシリコン基板に支持基板が貼り合わされるため、ノズルの貫通時にヘリウムガスが加工面側にリークしてエッチングができなくなってしまうのを防止することができる。
エッチングによりシリコン基板を部分的に薄板化する工程では、エッチングするシリコンの量が比較的多いためウェットエッチングを用いれば、容易に薄板化を行うことができる。
シリコン基板のエッチングにより薄板化された部分に、第2のノズル孔部分を形成するためのエッチングマスクとしてシリコン酸化膜を形成すれば、第2のノズル孔部分を高精度に形成することができる。
例えば、上記のシリコン酸化膜の表面にスピンコーティングでレジストを形成すると、シリコン基板の薄板化された部分で段切れ(段差による塗布不良)が起こる可能性があるが、スプレーコーティングでレジストを形成することによりレジストの段切れを防止することができる。
レジストを用いてシリコン基板と支持基板を貼り合わせれば、貼り合わせが容易となる。また、レジストを溶解することによりシリコン基板と支持基板を容易に分離することができる。
1枚のシリコン基板から複数のノズル基板を製造するため、多数のノズル基板を製造することができ、製造コストを低くすることができる。
第1のノズル孔部分となる凹部を凹状のクレータの部分に形成するため、例えば印刷用紙との接触でノズルの周辺部分が摩耗したり、ノズルの周辺に施された撥水層が摩耗してしまったりするのを防止することができる。
またこのクレータの深さは比較的浅いため、インク液滴が飛行中に曲がってしまったり、ワイピング作業が困難になるということがない。
シリコン酸化膜からなるエッチングマスクを形成するようにすれば、高精度のエッチングマスクを容易に形成することができる。
熱酸化によりエッチングマスクを形成するようにすれば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等に比べて、容易にエッチングマスクを形成することができる。
第1のノズル孔部分となる凹部をドライエッチングで形成することにより、短時間で高精度の凹部を形成することができる。
第1のノズル孔部分となる凹部をICP(Inductively Coupled Plasma、誘導結合プラズマ)放電によるドライエッチングで形成することにより、短時間で高精度の凹部を形成することができる。
第2のノズル孔部分をドライエッチングで形成することにより、第1のノズル孔部分よりも径の大きい第2のノズル孔部分を短時間で高精度に形成することができる。
上記のいずれかのインクジェットヘッドの製造方法で製造されているため、ノズル基板に割れや欠けがなく、インク吐出性能が高いインクジェットヘッドである。
上記のインク吐出性能が高いインクジェットヘッドが搭載されているため、印字性能の高いインクジェット記録装置である。
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドを示した縦断面図である。なお図1では、駆動回路21の部分を模式的に示している。また図1では、インクジェットヘッドの例として、静電駆動方式でフェイスイジェクトタイプのインクジェットヘッドを示している。
本実施形態1に係るインクジェットヘッド1は、主にキャビティ基板2、電極基板3及びノズル基板4が接合されることにより構成されている。ノズル基板4は、シリコンからなり、例えば円筒状の第1のノズル孔部分6と釣鐘状の第2のノズル孔部分7を有するノズル8が形成されている。第1のノズル孔部分6は、インク吐出面10(キャビティ基板2との接合面11の反対側の面)の側に形成されており、第2のノズル孔部分7は、第1のノズル孔部分6と連通し、接合面11に向かって径が大きくなるようになっている。
なおノズル基板4は、後に示す所定の加工を施しやすように単結晶シリコンを使用するのが望ましい。
また本実施形態1のインクジェットヘッドは、第1のノズル孔部分6と第2のノズル孔部分7の中心軸が高い精度で一致している。
なお本実施形態1では、インクジェットヘッドの例として静電駆動方式のインクジェットヘッドを示しているが、本実施形態1で示すインクジェットヘッドの製造方法は圧電駆動方式やバブルジェット(登録商標)方式等のインクジェットヘッドにも適用することができる。
さらにインク吐出面10の、第1のノズル孔部分6の周辺には凹状のクレータ20が形成されている。
まず、例えば厚さが525μmのシリコン基板30を準備し、このシリコン基板30の両面にシリコン酸化膜31を均一に成膜する(図3(A))。このシリコン酸化膜31は、例えば熱酸化装置により温度1075℃、酸素と水蒸気の混合雰囲気中で4時間熱酸化することにより形成する。
この後、シリコン基板30に塗布されたレジストをすべて剥離する。
それからクレータ20となる部分20aのシリコン酸化膜31のみが除去されるように、緩衝フッ酸水溶液等でシリコン酸化膜31をハーフエッチングする。そして、クレータ20となる部分20a及び第1のノズル孔部分6となる部分6aを、ICP放電によるドライエッチングによって、例えば垂直方向に深さ5μmだけ異方性エッチングする。これにより第1のノズル孔部分6となる凹部6b及びクレータ20が形成される(図3(C))。
そして、第1のノズル孔部分6となる凹部6bの反対側の面をレジスト等でパターニングしてエッチングマスク33の一部を除去する。それから、エッチングマスク33の除去された部分を、例えば32重量%の水酸化カリウム水溶液でウェットエッチングして、この部分のシリコン基板30の厚さが例えば70μmになるまで部分的に薄板化する(図4(E))。
それから、シリコン基板30の両面にレジスト41を塗布し、シリコン基板30の薄板化された部分に第2のノズル孔部分7となる部分7aをパターニングして、緩衝フッ酸水溶液等でエッチングすることにより第2のノズル孔部分7となる部分7aのシリコン酸化膜34を除去する(図4(G))。この時、レジスト41をスプレーコーティングで塗布するようにすれば、シリコン基板30の薄板化された部分に均一にレジスト41を形成することができる。ここで、例えばレジスト41をスピンコーティングで行うと、シリコン基板30の薄板化された部分と薄板化されていない部分の間で段切れが起こる可能性があるため、スプレーコーティングによってレジスト41を形成するのが望ましい。なお、第1のノズル孔部分6となる凹部6bの形成されている面のレジスト41は、エッチングマスクとしてのシリコン酸化膜34を保護するため厚めに形成するのが望ましい。その後、シリコン基板30に塗布されたレジスト41をすべて剥離する。
それから、シリコン酸化膜34をエッチングマスクとしてドライエッチングにより、例えば深さ45μmで第2のノズル孔部分7を形成する(図4(I))。このドライエッチングは、ICP放電によるドライエッチングや平行平板放電によるRIE(Reactive Ion Etching)を用いることができ、エッチングガスとしてXeF2(フッ化キセノン)やSF2を使用することができる。なおエッチングガスとしてXeF2又はSF2を使用した場合には、等方性エッチングとなり第2のノズル孔部分7は釣鐘状(又は半球状)になる。なお第2のノズル孔部分7は、異方性エッチングで形成してもよく、この場合は第2のノズル孔部分7は円筒状となる。
この図4(I)の工程では、シリコン基板30に支持基板40が貼り合わされているため、第2のノズル孔部分7をドライエッチングによって形成するときに、第1のノズル孔部分6となる凹部6bの底面のシリコン酸化膜(図4(I)参照)が破れた場合でも、冷却用のヘリウムガス等が第2のノズル孔部分7側にリークすることがない。
しかしこの製造工程では、レジストを塗布して第1のノズル孔部分となる部分をパターニングする際に、クレータ20の段差部分でレジストの段切れが起こる可能性があるため、スプレーコーティングでレジストを塗布するか又は上記のようにシリコン酸化膜31を形成するのが望ましい。
また図4(F)と図4(G)の工程において、シリコン酸化膜34を形成せず、レジスト41のみを形成するようにして、レジスト41を第2のノズル孔部分7のエッチングマスクとしてもよい。
図6は、本発明の実施形態2に係るインクジェット記録装置の例を示した図である。図6に示されるインクジェット記録装置100は、インクジェットプリンタであり、実施形態1のインクジェットヘッドの製造方法で得られたインクジェットヘッドを搭載している。実施形態1のインクジェットヘッドの製造方法で得られるインクジェットヘッドは、インク吐出性能の高いノズル基板を備えているため、本実施形態2のインクジェット記録装置100は、印字性能が高いものである。
Claims (14)
- 所定の加工が施されたシリコンからなり複数のノズルを有するノズル基板を備え、個々のノズルが、少なくとも第1のノズル孔部分と、該第1のノズル孔部分と連通する第2のノズル孔部分を有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記ノズル基板となるシリコン基板に第1のノズル孔部分となる凹部を異方性エッチングにより形成する工程と、少なくとも前記第1のノズル孔部分となる凹部の側面及び底面にエッチングマスクを形成する工程と、エッチングにより前記シリコン基板を部分的に薄板化する工程と、前記シリコン基板の第1のノズル孔部分となる凹部の形成されている面に支持基板を貼り合わせる工程と、前記シリコン基板のエッチングにより薄板化された部分に第2のノズル孔部分を形成する工程と、前記支持基板を前記シリコン基板から分離する工程とを有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。 - エッチングにより前記シリコン基板を部分的に薄板化する工程が、ウェットエッチングによって行われることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記シリコン基板のエッチングにより薄板化された部分に、シリコン酸化膜を形成することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記シリコン酸化膜の表面に、スプレーコーティングによってレジストを形成することを特徴とする請求項3記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記シリコン基板に支持基板を貼り合わせるときに、レジストを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 1枚のシリコン基板から複数のノズル基板を製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記シリコン基板に凹状のクレータを形成し、前記第1のノズル孔部分となる凹部を前記クレータの部分に形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記エッチングマスクが、シリコン酸化膜からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記エッチングマスクを、熱酸化により形成することを特徴とする請求項8記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記第1のノズル孔部分となる凹部を形成する異方性エッチングが、ドライエッチングであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記第1のノズル孔部分となる凹部を形成する異方性エッチングが、ICP放電によるドライエッチングであることを特徴とする請求項10記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記第2のノズル孔部分を形成するエッチングが、ドライエッチングであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法で製造されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
- 請求項13記載のインクジェットヘッドが搭載されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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JP2004055690A JP2005246609A (ja) | 2004-03-01 | 2004-03-01 | インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド並びにインクジェット記録装置 |
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JP2010240852A (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Seiko Epson Corp | ノズルプレートの製造方法、ノズルプレート、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッド、プリンター |
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2004
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