JP2005246609A - インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド並びにインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 歩留まりの高いインクジェットヘッドの製造方法等を提供する。
【解決手段】 ノズル基板4となるシリコン基板30に第1のノズル孔部分6となる凹部6bを異方性エッチングにより形成する工程と、少なくとも第1のノズル孔部分6となる凹部6bの側面及び底面にエッチングマスク33を形成する工程と、エッチングによりシリコン基板30を部分的に薄板化する工程と、シリコン基板30の第1のノズル孔部分6となる凹部6bの形成されている面に支持基板40を貼り合わせる工程と、シリコン基板30のエッチングにより薄板化された部分に第2のノズル孔部分7を形成する工程と、支持基板40をシリコン基板から分離する工程とを有するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド並びにインクジェット記録装置に関し、特に歩留まりの高いインクジェットヘッドの製造方法等に関する。
インクジェット記録装置は、高速印字が可能、記録時の騒音が極めて小さい、インクの自由度が高い、安価な普通紙を使用できる等の多くの利点を有する。近年、インクジェット記録装置の中でも、記録が必要なときにのみインク液滴を吐出する、いわゆるインク・オン・デマンド方式のインクジェット記録装置が主流となっている。このインク・オン・デマンド方式のインクジェット記録装置は、記録に不要なインク液滴の回収を必要としない等の利点がある。
このインク・オン・デマンド方式のインクジェット記録装置には、インク液滴を吐出させる方法として、駆動手段に静電気力を利用した、いわゆる静電駆動方式のインクジェット記録装置がある。また、駆動手段に圧電素子(ピエゾ素子)を利用した、いわゆる圧電駆動方式のインクジェット記録装置や、発熱素子等を利用した、いわゆるバブルジェット(登録商標)方式のインクジェット記録装置等がある。
上記のようなインクジェット記録装置では、一般にインクジェットヘッドのノズルからインク液滴を吐出するようになっている。インクジェットヘッドにノズルを設ける方式には、インクジェットヘッドの側面側からインク液滴を吐出するサイドイジェクトタイプと、インクジェットヘッドの表面側からインク液滴を吐出するフェイスイジェクトタイプがある。
フェイスイジェクトタイプのインクジェットヘッドでは、ノズルの孔の部分の流路抵抗を調整し、ノズルの長さが最適になるようにノズル基板の厚さを調整するのが望ましい。
従来のフェイスイジェクトタイプのインクジェットヘッド用ノズルプレートの製造方法では、シリコン基板を所望の厚さに研削した後に、シリコン基板の両面からドライエッチングによって第1のノズル孔と第2のノズル孔を形成するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
従来のフェイスイジェクトタイプの噴射装置(インクジェットヘッド)のノズル形成方法では、シリコン基板の一方の面からICP放電を用いた異方性ドライエッチングにより、内径の異なる第1のノズル孔と第2のノズル孔を2段に形成した後に、反対側の面を異方性ウェットエッチングにより掘り下げてノズルの長さを調整するようにしていた(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−57981号公報(図1、図2) 特開平11−28820号公報(図1〜図4)
従来のインクジェットヘッド用ノズルプレートの製造方法では(例えば、特許文献1参照)、ドライエッチングによって第1のノズル孔と第2のノズル孔を形成する前に、シリコン基板を研削して薄くするため、製造工程の途中でシリコン基板が割れたり、欠けてしまうことがあるという問題点があった。またこの製造方法では、歩留まりが低くなるため、製造コストが高くなってしまうという問題点があった。
さらにこのインクジェットヘッド用ノズルプレートの製造方法では、ドライエッチング加工の際に、加工形状を安定させるためにノズルプレートの加工面の反対側からヘリウムガス等で冷却を行うが、ノズルの貫通時にヘリウムガス等が加工面側にリークしてエッチングができなくなってしまうという問題点もあった。
また従来の噴射装置のノズル形成方法では(例えば、特許文献2参照)、第1のノズル孔が開口する吐出面が、基板表面から深く下がった位置に形成されるため、インク液滴が飛行中に曲がってしまうという問題点があった。またこのような構造では、ノズルの目詰まりの原因となる紙粉、インク等を、ゴム片やフェルト片で吐出面から除去するワイピング作業が困難になるという問題点があった。
本発明は、比較的厚いシリコン基板を使用でき、歩留まりの高いインクジェットヘッドの製造方法及びこのインクジェットヘッドの製造方法で製造された吐出性能の高いインクジェットヘッド並びにこのインクジェットヘッドが搭載されたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、所定の加工が施されたシリコンからなり複数のノズルを有するノズル基板を備え、個々のノズルが、少なくとも第1のノズル孔部分と、該第1のノズル孔部分と連通する第2のノズル孔部分を有するインクジェットヘッドの製造方法であって、ノズル基板となるシリコン基板に第1のノズル孔部分となる凹部を異方性エッチングにより形成する工程と、少なくとも第1のノズル孔部分となる凹部の側面及び底面にエッチングマスクを形成する工程と、エッチングによりシリコン基板を部分的に薄板化する工程と、シリコン基板の第1のノズル孔部分となる凹部の形成されている面に支持基板を貼り合わせる工程と、シリコン基板のエッチングにより薄板化された部分に第2のノズル孔部分を形成する工程と、支持基板をシリコン基板から分離する工程とを有するものである。
エッチングによりシリコン基板を部分的に薄板化するため、シリコン基板に肉厚の部分が残り、製造工程の途中でシリコン基板が割れたり、欠けてしまうことを防止することができる。また薄板化された部分をダイシング(切断)してノズル基板を製造するようにすれば、シリコン基板として比較的厚いシリコン基板を使用することができる。さらにシリコン基板に支持基板が貼り合わされるため、ノズルの貫通時にヘリウムガスが加工面側にリークしてエッチングができなくなってしまうのを防止することができる。
また本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、エッチングによりシリコン基板を部分的に薄板化する工程が、ウェットエッチングによって行われるものである。
エッチングによりシリコン基板を部分的に薄板化する工程では、エッチングするシリコンの量が比較的多いためウェットエッチングを用いれば、容易に薄板化を行うことができる。
また本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、シリコン基板のエッチングにより薄板化された部分に、シリコン酸化膜を形成するものである。
シリコン基板のエッチングにより薄板化された部分に、第2のノズル孔部分を形成するためのエッチングマスクとしてシリコン酸化膜を形成すれば、第2のノズル孔部分を高精度に形成することができる。
また本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、上記のシリコン酸化膜の表面に、スプレーコーティングによってレジストを形成するものである。
例えば、上記のシリコン酸化膜の表面にスピンコーティングでレジストを形成すると、シリコン基板の薄板化された部分で段切れ(段差による塗布不良)が起こる可能性があるが、スプレーコーティングでレジストを形成することによりレジストの段切れを防止することができる。
また本発明に係るインクジェトヘッドの製造方法は、上記のシリコン基板に支持基板を貼り合わせるときに、レジストを用いるものである。
レジストを用いてシリコン基板と支持基板を貼り合わせれば、貼り合わせが容易となる。また、レジストを溶解することによりシリコン基板と支持基板を容易に分離することができる。
また本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、1枚のシリコン基板から複数のノズル基板を製造するものである。
1枚のシリコン基板から複数のノズル基板を製造するため、多数のノズル基板を製造することができ、製造コストを低くすることができる。
また本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、上記のシリコン基板に凹状のクレータを形成し、第1のノズル孔部分となる凹部をクレータの部分に形成するものである。
第1のノズル孔部分となる凹部を凹状のクレータの部分に形成するため、例えば印刷用紙との接触でノズルの周辺部分が摩耗したり、ノズルの周辺に施された撥水層が摩耗してしまったりするのを防止することができる。
またこのクレータの深さは比較的浅いため、インク液滴が飛行中に曲がってしまったり、ワイピング作業が困難になるということがない。
また本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、上記のエッチングマスクが、シリコン酸化膜からなるものである。
シリコン酸化膜からなるエッチングマスクを形成するようにすれば、高精度のエッチングマスクを容易に形成することができる。
また本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、上記のエッチングマスクを、熱酸化により形成するものである。
熱酸化によりエッチングマスクを形成するようにすれば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等に比べて、容易にエッチングマスクを形成することができる。
また本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、上記の第1のノズル孔部分となる凹部を形成する異方性エッチングが、ドライエッチングであるものである。
第1のノズル孔部分となる凹部をドライエッチングで形成することにより、短時間で高精度の凹部を形成することができる。
また本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、上記の第1のノズル孔部分となる凹部を形成する異方性エッチングが、ICP放電によるドライエッチングであるものである。
第1のノズル孔部分となる凹部をICP(Inductively Coupled Plasma、誘導結合プラズマ)放電によるドライエッチングで形成することにより、短時間で高精度の凹部を形成することができる。
また本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、上記の第2のノズル孔部分を形成するエッチングが、ドライエッチングであるものである。
第2のノズル孔部分をドライエッチングで形成することにより、第1のノズル孔部分よりも径の大きい第2のノズル孔部分を短時間で高精度に形成することができる。
本発明に係るインクジェットヘッドは、上記のいずれかのインクジェットヘッドの製造方法で製造されたものである。
上記のいずれかのインクジェットヘッドの製造方法で製造されているため、ノズル基板に割れや欠けがなく、インク吐出性能が高いインクジェットヘッドである。
本発明に係るインクジェット記録装置は、上記のインクジェットヘッドが搭載されているものである。
上記のインク吐出性能が高いインクジェットヘッドが搭載されているため、印字性能の高いインクジェット記録装置である。
実施形態1.
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドを示した縦断面図である。なお図1では、駆動回路21の部分を模式的に示している。また図1では、インクジェットヘッドの例として、静電駆動方式でフェイスイジェクトタイプのインクジェットヘッドを示している。
本実施形態1に係るインクジェットヘッド1は、主にキャビティ基板2、電極基板3及びノズル基板4が接合されることにより構成されている。ノズル基板4は、シリコンからなり、例えば円筒状の第1のノズル孔部分6と釣鐘状の第2のノズル孔部分7を有するノズル8が形成されている。第1のノズル孔部分6は、インク吐出面10(キャビティ基板2との接合面11の反対側の面)の側に形成されており、第2のノズル孔部分7は、第1のノズル孔部分6と連通し、接合面11に向かって径が大きくなるようになっている。
なおノズル基板4は、後に示す所定の加工を施しやすように単結晶シリコンを使用するのが望ましい。
キャビティ基板2は、例えば単結晶シリコンからなり、底壁が振動板12である吐出室13となる凹部が複数形成されている。なお複数の吐出室13は、図1の紙面奥側又は紙面手前側に並んで形成されているものとする。またキャビティ基板2には、各吐出室13にインク等の液滴を供給するためのリザーバ14となる凹部と、このリザーバ14と各吐出室13を連通する細溝状のオリフィス15となる凹部が形成されている。さらにキャビティ基板2の全面には、例えば熱酸化によって酸化シリコンからなる絶縁膜16が形成されている。この絶縁膜16は、インクジェットヘッド1の駆動時の絶縁破壊やショートを防止するために設けられる。
キャビティ基板2の振動板12側には、例えばホウ珪酸ガラスからなる電極基板3が接合されている。電極基板3には、振動板12と対向する複数の電極17が形成されている。この電極17は、例えばITO(Indium Tin Oxide)をスパッタすることにより形成する。また電極基板3には、リザーバ14と連通するインク供給孔18が形成されている。このインク供給孔18は、リザーバ14の底壁に設けられた孔と繋がっており、リザーバ14にインク等の液滴を外部から供給するために設けられている。
本実施形態1では、主にノズル基板4の製造方法について説明するが、図1に示すノズル基板4には、インク吐出面に凹状のクレータ20が形成されている。このクレータ20は、第1のノズル孔部分8の位置に形成されており、例えば印刷用紙とノズル基板4が接触することによりノズル8の周辺部分が摩耗したり、ノズル8の周辺部分に施された撥水層が摩耗してしまったりするのを防止するために設けられている。
また本実施形態1のインクジェットヘッドは、第1のノズル孔部分6と第2のノズル孔部分7の中心軸が高い精度で一致している。
ここで図1に示すインクジェットヘッドの動作について説明する。キャビティ基板2と個々の電極17には駆動回路21が接続されている。駆動回路21によりキャビティ基板2と電極17の間にパルス電圧が印加されると、振動板12が電極17の側に撓み、リザーバ14の内部に溜まっていたインク等の液滴が吐出室13に流れ込む。そして、キャビティ基板2と電極17の間に印加された電圧がなくなると、振動板12が元の位置に戻って吐出室13の内部の圧力が高くなり、ノズル8からインク等の液滴が吐出される。
なお本実施形態1では、インクジェットヘッドの例として静電駆動方式のインクジェットヘッドを示しているが、本実施形態1で示すインクジェットヘッドの製造方法は圧電駆動方式やバブルジェット(登録商標)方式等のインクジェットヘッドにも適用することができる。
図2は、ノズル基板4をインク吐出面10側から見た上面図である。図2に示すように、第1のノズル孔部分6がノズル基板4の吐出面10側に複数開口している。なお第2のノズル孔部分7は、図2の個々の第1のノズル孔部分6の紙面奥側に形成されている。またキャビティ基板2の吐出室13は、個々の第1のノズル孔部分6ごとに形成されており、個々の吐出室13は図2のA−A線方向に細長いものとする。
さらにインク吐出面10の、第1のノズル孔部分6の周辺には凹状のクレータ20が形成されている。
図3、図4及び図5は、本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドの製造工程を示した縦断面図である。なお図3、図4及び図5では、ノズル基板4となるシリコン基板30の1つのノズル基板4の周辺部分のみを示している。また図3、図4及び図5では、図2のA−A線に沿った断面について示している。
まず、例えば厚さが525μmのシリコン基板30を準備し、このシリコン基板30の両面にシリコン酸化膜31を均一に成膜する(図3(A))。このシリコン酸化膜31は、例えば熱酸化装置により温度1075℃、酸素と水蒸気の混合雰囲気中で4時間熱酸化することにより形成する。
そしてシリコン基板30の両面にレジスト(図示せず)を塗布して、シリコン基板30の片方の表面にクレータ20となる部分20aをパターニングし、この部分のシリコン酸化膜31をハーフエッチングによって薄くする。このハーフエッチングは、例えば緩衝フッ酸水溶液(フッ酸水溶液とフッ化アンモニウム水溶液の混合液)を用いて行う。その後、シリコン基板30の両面に形成されたレジストを一旦剥離する。それから、再度シリコン基板30の両面にレジスト(図示せず)を塗布して、第1のノズル孔部分6となる部分6aをパターニングし、例えば上記の緩衝フッ酸水溶液でエッチングしてこの部分のシリコン酸化膜31を除去する(図3(B))。なお第1のノズル孔部分6となる部分6aは、クレータ20となる部分20aに形成する。
この後、シリコン基板30に塗布されたレジストをすべて剥離する。
その後、ICP放電によるドライエッチングにより第1のノズル孔部分6となる部分6aから異方性エッチングを行い、例えば深さ20μmの凹部を形成する。この異方性ドライエッチングのエッチングガスとしてCF2、SF6を交互に使用することができる。このとき、CF4は凹部の側面方向にエッチングが進行しないように凹部の側面を保護するために使用し、SF6は凹部の垂直方向のエッチングを促進するために使用する。
それからクレータ20となる部分20aのシリコン酸化膜31のみが除去されるように、緩衝フッ酸水溶液等でシリコン酸化膜31をハーフエッチングする。そして、クレータ20となる部分20a及び第1のノズル孔部分6となる部分6aを、ICP放電によるドライエッチングによって、例えば垂直方向に深さ5μmだけ異方性エッチングする。これにより第1のノズル孔部分6となる凹部6b及びクレータ20が形成される(図3(C))。
次に、シリコン基板30の第1のノズル孔部分6となる凹部6bの側面及び底面とクレータ20の部分にシリコン酸化膜からなるエッチングマスク33を、例えば厚さ1μmで均一に成膜する(図3(D))。このエッチングマスク33は、例えば熱酸化装置により温度1075℃、酸素と水蒸気の混合雰囲気中で4時間熱酸化することにより形成する。このときエッチングマスク33は、シリコン基板30の両面に形成される。なおこのエッチングマスク33は、フッ酸水溶液等でシリコン酸化膜31を除去した後に形成してもよい。
そして、第1のノズル孔部分6となる凹部6bの反対側の面をレジスト等でパターニングしてエッチングマスク33の一部を除去する。それから、エッチングマスク33の除去された部分を、例えば32重量%の水酸化カリウム水溶液でウェットエッチングして、この部分のシリコン基板30の厚さが例えば70μmになるまで部分的に薄板化する(図4(E))。
その後、シリコン基板30の部分的に薄板化された部分に、例えば厚さ1μmのシリコン酸化膜34を成膜する(図4(F))。このシリコン酸化膜34は、例えば熱酸化装置により温度1075℃、酸素と水蒸気の混合雰囲気中で4時間熱酸化することにより形成する。このときシリコン酸化膜34は、シリコン基板30の両面に形成される。なおシリコン酸化膜34は、フッ酸水溶液等でエッチングマスク33を除去した後に形成してもよい。
それから、シリコン基板30の両面にレジスト41を塗布し、シリコン基板30の薄板化された部分に第2のノズル孔部分7となる部分7aをパターニングして、緩衝フッ酸水溶液等でエッチングすることにより第2のノズル孔部分7となる部分7aのシリコン酸化膜34を除去する(図4(G))。この時、レジスト41をスプレーコーティングで塗布するようにすれば、シリコン基板30の薄板化された部分に均一にレジスト41を形成することができる。ここで、例えばレジスト41をスピンコーティングで行うと、シリコン基板30の薄板化された部分と薄板化されていない部分の間で段切れが起こる可能性があるため、スプレーコーティングによってレジスト41を形成するのが望ましい。なお、第1のノズル孔部分6となる凹部6bの形成されている面のレジスト41は、エッチングマスクとしてのシリコン酸化膜34を保護するため厚めに形成するのが望ましい。その後、シリコン基板30に塗布されたレジスト41をすべて剥離する。
そして、シリコン基板30の第1のノズル孔部分6となる凹部6bの形成されている面にレジスト(図示せず)を塗布し、この面に例えばガラスからなる支持基板40を貼り合わせる(図4(H))。このときレジストは接着剤として機能しており、支持基板40はレジストが乾く前にシリコン基板30に貼り合わせるようにする。
それから、シリコン酸化膜34をエッチングマスクとしてドライエッチングにより、例えば深さ45μmで第2のノズル孔部分7を形成する(図4(I))。このドライエッチングは、ICP放電によるドライエッチングや平行平板放電によるRIE(Reactive Ion Etching)を用いることができ、エッチングガスとしてXeF2(フッ化キセノン)やSF2を使用することができる。なおエッチングガスとしてXeF2又はSF2を使用した場合には、等方性エッチングとなり第2のノズル孔部分7は釣鐘状(又は半球状)になる。なお第2のノズル孔部分7は、異方性エッチングで形成してもよく、この場合は第2のノズル孔部分7は円筒状となる。
この図4(I)の工程では、シリコン基板30に支持基板40が貼り合わされているため、第2のノズル孔部分7をドライエッチングによって形成するときに、第1のノズル孔部分6となる凹部6bの底面のシリコン酸化膜(図4(I)参照)が破れた場合でも、冷却用のヘリウムガス等が第2のノズル孔部分7側にリークすることがない。
その後、シリコン基板30に貼り合わされている支持基板40を、レジスト(図示せず)を溶解させることによってシリコン基板30から分離する。この際、レジストを溶解させる溶液として硫酸と過酸化水素水の混合液等を使用することができる。そして、シリコン基板30に形成されているシリコン酸化膜34をフッ酸水溶液等ですべて除去して、シリコン基板30の全面に酸化シリコン等からなる耐インク保護膜を形成し、第1のノズル孔部分6の形成された側の面(インク吐出面10)に撥インク処理を行う。最後に、シリコン基板30の薄板化された部分をダイシング装置で切断して、個々のノズル基板4をが完成する(図5(J))。これにより、1枚のシリコン基板30から複数のノズル基板4を製造することができる。
なお、上記の図3(A)から図3(C)の製造工程を以下のように変更して、第1のノズル孔部分6となる凹部6b及びクレータ20を形成してもよい。まずシリコン基板30のインク吐出面10側にレジストを塗布して、クレータ20となる部分をパターニングする。それからこのレジストをエッチングマスクとして例えば深さ5μmのクレータ20をドライエッチングし、レジストを一旦剥離する。そして再度シリコン基板30のインク吐出面10側にレジストを塗布して、第1のノズル孔部分となる部分をパターニングし、例えば深さ20μmで第1のノズル孔部分となる凹部をドライエッチングする。
しかしこの製造工程では、レジストを塗布して第1のノズル孔部分となる部分をパターニングする際に、クレータ20の段差部分でレジストの段切れが起こる可能性があるため、スプレーコーティングでレジストを塗布するか又は上記のようにシリコン酸化膜31を形成するのが望ましい。
また図4(F)と図4(G)の工程において、シリコン酸化膜34を形成せず、レジスト41のみを形成するようにして、レジスト41を第2のノズル孔部分7のエッチングマスクとしてもよい。
本実施形態1では、エッチングによりシリコン基板30を部分的に薄板化するため、シリコン基板30に肉厚の部分が残り、製造工程の途中でシリコン基板30が割れたり、欠けてしまうことを防止することができる。また薄板化された部分をダイシング(切断)してノズル基板4を製造するため、シリコン基板30として比較的厚いシリコン基板を使用することができる。さらにシリコン基板30に支持基板40が貼り合わされるため、ノズル8の貫通時にヘリウムガスが加工面側にリークしてエッチングができなくなってしまうのを防止することができる。
なお本実施形態1の図1では、インクジェットヘッドの例として静電駆動方式のインクジェットヘッドを示しているが、本実施形態1で示すインクジェットヘッドの製造方法はノズル基板の製造方法に特徴があるため、圧電駆動方式やバブルジェット(登録商標)方式等のインクジェットヘッドにも適用することができる。
実施形態2.
図6は、本発明の実施形態2に係るインクジェット記録装置の例を示した図である。図6に示されるインクジェット記録装置100は、インクジェットプリンタであり、実施形態1のインクジェットヘッドの製造方法で得られたインクジェットヘッドを搭載している。実施形態1のインクジェットヘッドの製造方法で得られるインクジェットヘッドは、インク吐出性能の高いノズル基板を備えているため、本実施形態2のインクジェット記録装置100は、印字性能が高いものである。
本発明の実施形態2に係るインクジェット記録装置には、図6に示すようなインクジェットプリンタの他に、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造装置や、液晶表示装置のカラーフィルタの製造装置、DNAデバイスの製造装置等がある。
本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドを示した縦断面図。 ノズル基板をインク吐出面側から見た上面図。 実施形態1に係るインクジェットヘッドの製造工程を示した縦断面図。 図3の製造工程の続きの製造工程を示す縦断面図。 図4の製造工程の続きの製造工程を示す縦断面図。 本発明の実施形態2に係るインクジェット記録装置の例を示した図。
符号の説明
1 インクジェットヘッド、2 キャビティ基板、3 電極基板、4 ノズル基板、6 第1のノズル孔部分、7 第2のノズル孔部分、8 ノズル、10 インク吐出面、11 接合面、12 振動板、13 吐出室、14 リザーバ、15 オリフィス、16 絶縁膜、17 電極、18 インク供給孔、20 クレータ、21 駆動回路、30 シリコン基板、40 支持基板、100 インクジェット記録装置。

Claims (14)

  1. 所定の加工が施されたシリコンからなり複数のノズルを有するノズル基板を備え、個々のノズルが、少なくとも第1のノズル孔部分と、該第1のノズル孔部分と連通する第2のノズル孔部分を有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記ノズル基板となるシリコン基板に第1のノズル孔部分となる凹部を異方性エッチングにより形成する工程と、少なくとも前記第1のノズル孔部分となる凹部の側面及び底面にエッチングマスクを形成する工程と、エッチングにより前記シリコン基板を部分的に薄板化する工程と、前記シリコン基板の第1のノズル孔部分となる凹部の形成されている面に支持基板を貼り合わせる工程と、前記シリコン基板のエッチングにより薄板化された部分に第2のノズル孔部分を形成する工程と、前記支持基板を前記シリコン基板から分離する工程とを有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. エッチングにより前記シリコン基板を部分的に薄板化する工程が、ウェットエッチングによって行われることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記シリコン基板のエッチングにより薄板化された部分に、シリコン酸化膜を形成することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 前記シリコン酸化膜の表面に、スプレーコーティングによってレジストを形成することを特徴とする請求項3記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 前記シリコン基板に支持基板を貼り合わせるときに、レジストを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 1枚のシリコン基板から複数のノズル基板を製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 前記シリコン基板に凹状のクレータを形成し、前記第1のノズル孔部分となる凹部を前記クレータの部分に形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  8. 前記エッチングマスクが、シリコン酸化膜からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 前記エッチングマスクを、熱酸化により形成することを特徴とする請求項8記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 前記第1のノズル孔部分となる凹部を形成する異方性エッチングが、ドライエッチングであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  11. 前記第1のノズル孔部分となる凹部を形成する異方性エッチングが、ICP放電によるドライエッチングであることを特徴とする請求項10記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  12. 前記第2のノズル孔部分を形成するエッチングが、ドライエッチングであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法で製造されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  14. 請求項13記載のインクジェットヘッドが搭載されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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