JP2005246405A - 熱間スラブの板厚圧下方法、板厚圧下装置及び金型回動機構 - Google Patents

熱間スラブの板厚圧下方法、板厚圧下装置及び金型回動機構 Download PDF

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Abstract

【課題】スラブの板厚方向圧下時の圧下荷重を低減してより一層の大圧下や硬質材の圧下、設備のコンパクト化等を可能とし、かつ圧下にともなうスラブの先進量を増大して生産性を向上させることが可能な熱間スラブの板厚圧下方法を提供する。
【解決手段】熱間スラブの進行方向に対し入側方向に拡開傾斜した上流側圧下面18及びこの上流側圧下面と連続し前記進行方向に向けて拡開傾斜した下流側圧下面19を有し、熱間スラブを挟んで上下に対峙して設けられた1対の金型2,2を用いて熱間スラブを断続的に板厚方向に圧下する熱間スラブの板厚圧下方法であって、前記金型を板厚方向に圧下して上流側圧下面及び下流側圧下面によりスラブの圧下動作を開始するとともに、圧下に伴いスラブとの接触面が下流側圧下面に移り変わるように金型を回動させながら圧下動作の下死点まで金型を圧下する熱間スラブの板厚圧下方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱間スラブに単一パスで板厚方向の大圧下を可能とする板厚圧下方法、板厚圧下装置及び金型回動機構に関する。
2本の圧延ロール間でスラブを圧延する通常の圧延機では、噛込角の限界から1パスでの大圧下は困難である。そのため、例えば250mm程度の厚さの熱間スラブを30〜50mm程度の厚さのシートバーに圧下する熱間圧延プロセスの粗圧延ラインでは、通常、2〜5基の圧延機を直列に配置し、スラブを往復動させて圧延するリバースを含めて5〜7パス程度の圧延が行われるが、本設備の導入には多額の設備費が必要であり、また設備長が長くなる等の問題がある。
一方、1パスで大圧下が可能な圧延手段として、多数の遊星ロールを具備したプラネタリーミルが提案されている。しかし、プラネタリーミルでは小径ロールが高速で被圧延材に当たるため、衝撃が大きく、ベアリング等の寿命が短いことから頻繁にメンテナンスが必要となる等、量産型設備には適さないという問題があった。
上述した問題を解決するために、1パスで大圧下が可能な熱間スラブの圧下手段として、従来の幅圧下プレスを板厚圧下に適用した板厚圧下プレス装置が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
図6は、特許文献1に開示されている熱間スラブプレス装置である。この装置は、スラブSを挟んで上下に設けられた金型50,50と、各金型ごとに設けられ金型を上下および前後に揺動させるスライダー51,51と、このスライダーを駆動する駆動装置とを備え、前記スライダーは、スラブ幅方向に中心軸を有する円孔52,52が設けられた本体53,53と、この円孔に嵌合する第1軸とこの第1軸より小径の第2軸で第1軸と中心軸をずらして構成されたクランク54,54とを有し、この第2軸が前記駆動装置で回動駆動されることを特徴としている。特許文献1に開示されている熱間スラブプレス装置では、特許文献2に開示されているように、スラブの進行方向に対し入側方向に拡開傾斜したテーパ部55と該テーパ部と連続し前記進行方向と平行な平行部56からなる主加工面をもつ金型を用いている。これらの圧下方法では、圧下にともない金型とスラブがスリップすることを防止するため、スラブと金型の接触開始面が、前記テーパ部と平行部間の遷移領域及び前記平行部の一部であることを特徴とする。
また、図7は特許文献3に開示されている板厚圧下装置である。この装置は、被成形材料Sの上下から、スラブ進行方向の側方から見て該スラブ進行方向に向かって凸曲面状の成形面61,61を有する金型60,60を、同調してスラブ進行方向に近接させながら成形面の被成形材料に接する部分がスラブ進行方向下流側からスラブ進行方向上流側へ移り変わるように揺動させて被成形材料を板厚方向に圧下成形することを特徴とする板厚圧下方法が開示されている。
特開平11−239832号公報、特許請求の範囲など 特開2000−254702号公報、特許請求の範囲など 特開平11−90502号公報、特許請求の範囲など
しかし、図6、図7に例示したような従来の板厚圧下プレス装置では、単一パスでスラブに大きな圧下量を与えることができるが、各々以下のような問題点を有していた。まず、特許文献1に開示されている図6の熱間スラブプレス装置では、上下の金型の平行部がスラブSと平行となるように設定されており、金型50,50の圧下動作に伴い、スラブと金型が接触してから板厚方向圧下の下死点に至るまで、金型とスラブの接触面積は漸次増大し、圧下荷重が大きくなることが避けられない。圧下荷重を低減するためには、金型とスラブの接触面積を低減する、すなわち単一パス間のスラブの下流側への送り量を小さく設定すればよい。一方で、特許文献2に示されているように、圧下開始時に発生しやすい金型とスラブ間のスリップを防止するため、スラブと金型の接触開始面が、前記テーパ部と平行部間の遷移領域及び前記平行部の一部とする必要がある。そのためには、単一パス間のスラブの下流側への送り量の下限値は金型形状と圧下量により自ずと決定される。しかし、例えばこの観点からスラブ進行方向に対する金型傾斜角度を過度に大きくした場合、1パスあたりの送り量を小さく設定することは可能であるが、生産性が大きく低下するという問題点がある。
特許文献3に開示されている図7の板厚圧下装置では、円弧状の圧下面61,61を有する金型60,60を揺動させながら圧下するが、この目的は、金型とスラブ間の接触長を低減すること、すなわち圧下荷重を低減させることである。しかし、この目的を達成するには、金型を揺動させるための装置機構が非常に複雑となる。またスラブ進行方向下流側から上流側へ金型を揺動させることより、圧下に伴う材料の後進量が大きい。これを補償するため、金型前後動機構により圧下中に金型をスラブ進行方向上流側へ送り出さなければならず、いずれにせよ装置機構が複雑となることが避けられない。
また、断続加工となる板厚圧下プレス装置では、圧延と比較してライン速度が遅くなることが避けられず、圧延材温度低下を防ぐ観点からも生産性の低下は大きな問題となる。しかし、従来の板厚圧下プレス装置では、先進量が小さくこの問題が解決されていないという問題があった。
すなわち、スラブの板厚方向の圧下時に生ずる圧下荷重は、簡易的には式(1)で求めることができる。
P=Qp・k・lm・W …(1)
Qpは圧下力関数であり、スラブ厚み、圧下量、金型とスラブ間の摩擦係数などの板厚圧下条件により決定される。また、kはスラブの変形抵抗、lmは金型とスラブの接触長、Wはスラブ幅である。(1)式より、圧下荷重低減のための実質的な手段としては、(a)圧下力関数Qpを低減させる、(b)変形抵抗kを低減させる、(c)接触弧長1mを低減させる、等である。圧下力関数Qpを低減させるためには、潤滑により金型とスラブ間の摩擦係数を低減させることが有効であり、従来より熱間圧延、熱間鍛造加工では常用されている手段である。変形抵抗kを低減させるためには、圧下時のスラブ温度を高くする、圧下速度を遅くすることが有効であるが、加熱エネルギーと生産性等を総合して考えると、所定の加工条件にてkを大きく低減することは困難である。これに対し、接触弧長1mを低減させるためには、例えば圧延加工においては、噛込性や圧延ロール表面強度や被圧延材の断面形状を保つ限り、圧延ロール径を可能な限り小さくすれば良く、従来より本目的のために小径圧延ロールが用いられることが多々ある。
熱間スラブを板厚方向に圧下する鍛造加工では、特許文献3に開示されているがごとく、圧下中に金型を揺動化させることにより接触弧長1mを低減することが可能である。この際、特許文献3では、凸曲面状の成形面の被成形材料に接している部分がスラブ進行方向下流側からスラブ進行方向上流側へ移り変わるように金型を揺動させているが、この加工方法ではスラブ進行方向上流側に向かった材料の塑性流動が大きくなり、圧下に伴う材料の後進量が大きくなることが問題であった。鍛造による板厚圧下では、金型と被成形材間の相対速度が0となる点が存在し(以下、中立点と呼ぶ)、中立点を境としてスラブ上流側に位置する材料はスラブ上流側、すなわちスラブ進行方向に対して後方に変形することから、この後方への変形による変位量を後進量とよぶ。また、中立点を境としてスラブ下流側に位置する材料はスラブ下流側、すなわちスラブ進行方向に対して先方に変形することから、この先方への変形による変位量を先進量とよぶ。断続加工となる板厚圧下プレス装置では、圧延と比較してライン速度が遅くなることが避けられず、圧延材温度低下を防ぐ観点からも生産性の低下は大きな問題となり、圧下による材料の後進量を低減し、先進量を大きくすることが望ましい。
そこで本発明者等は、熱間スラブの板厚圧下における圧下荷重を低減し、かつ材料の先進量を増大させる手段について鋭意検討した結果、圧下中、あるいは圧下下死点における金型の回動方向を、金型とスラブの接触面積がスラブ進行方向上流側から下流側へ移り変わるようにすることにより、スラブ進行方向下流側に向かった材料の塑性流動を大きくすることが可能であることを見出した。この際、金型形状と回動角度を適切に設定することにより、圧下後のスラブ板厚を均一とすることが可能である。
また、特許文献3のごとく金型の成形面を凸曲面状とした場合、金型を揺動させて圧下しても、図8に示すごとく圧下後の板厚分布が凹凸となりやすい。さらに、通常、金型の成形面がある程度摩耗した後には、切削、あるいは研削加工にて成形面の再仕上げを実施するが、凸曲面状の加工には長時間を要する。
以上、本発明は、従来技術の問題点を解決すべくなされたもので、スラブの板厚方向圧下時の圧下荷重を低減してより一層の大圧下や硬質材の圧下、設備のコンパクト化等を可能とし、かつ圧下にともなうスラブの先進量を増大して生産性を向上させることが可能な熱間スラブの板厚圧下方法及び装置を提供することを目的としている。
また、圧下による材料の後進量を低減し、先進量を大きくすることにより、圧延材温度低下を防ぐことができる熱間スラブの板厚圧下方法及び装置を提供することを目的としている。
さらにまた本発明では、圧下後の板厚分布が凹凸とならない熱間スラブの板厚圧下方法及び装置を提供することを目的としている。
本発明はこれらの知見に基づきなされたもので、以下のような特徴を有する。
(1)熱間スラブの進行方向に対し入側方向に拡開傾斜した上流側圧下面及びこの上流側圧下面と連続し前記進行方向に向けて拡開傾斜した下流側圧下面を有し、熱間スラブを挟んで上下に対峙して設けられた1対の金型を用いて熱間スラブを断続的に板厚方向に圧下する熱間スラブの板厚圧下方法であって、
前記金型を板厚方向に圧下して上流側圧下面及び下流側圧下面によりスラブの圧下動作を開始するとともに、圧下に伴いスラブとの接触面が下流側圧下面に移り変わるように金型を回動させながら圧下動作の下死点まで金型を圧下することを特徴とする熱間スラブの板厚圧下方法。
(2)熱間スラブの進行方向に対し入側方向に拡開傾斜した上流側圧下面及びこの上流側圧下面と連続し前記進行方向に向けて拡開傾斜した下流側圧下面を有し、熱間スラブを挟んで上下に対峙して設けられた1対の金型を用いて熱間スラブを断続的に板厚方向に圧下する熱間スラブの板厚圧下方法であって、
前記金型を板厚方向に圧下して上流側圧下面及び下流側圧下面によりスラブを板厚方向への圧下動作の下死点まで圧下し、しかる後にスラブとの接触面が下流側圧下面に移り変わるように金型を回動させることを特徴とする熱間スラブの板厚圧下方法。
(3)金型の回動角度をスラブ進行方向と下流側圧下面のなす角度と同一とし、下流側圧下面がスラブ進行方向と平行になるまで金型を回動させることを特徴とする(1)または(2)に記載の熱間スラブの板厚圧下方法。
(4)熱間スラブを挟んで上下に対峙して配置される一対の金型と、これら金型を金型回動軸を軸として回動運動させる駆動機構と、これら金型を熱間スラブの板厚方向に圧下する圧下手段とを具備し、前記金型は、熱間スラブの進行方向に対し入側方向に拡開傾斜した上流側圧下面及びこの上流側圧下面と連続し前記進行方向に向けて拡開傾斜した下流側圧下面を有することを特徴とする熱間スラブの板厚圧下装置。
(5)金型との接触面を円弧状とした金型受けと、金型回動軸に取り付けられ、金型受けとの接触面を円弧状とした金型と、金型の接触面と金型受けの接触面との間に介装され、金型を回動可能としたコロと、金型回動軸を軸として金型の回動運動をさせる駆動機構とを具備したことを特徴とする熱間スラブ板厚圧下装置用の金型回動機構。
(6)熱間スラブを挟んで上下に対峙して設けられる1対の金型であって、各金型は熱間スラブの進行方向に対し入側方向に拡開傾斜した上流側圧下面及びこの上流側圧下面と連続し前記進行方向に向けて拡開傾斜した下流側圧下面を有することを特徴とする熱間スラブ板厚圧下装置用の金型。
本発明の熱間スラブの板厚圧下方法及び装置によると、圧下荷重を従来技術と比較して大幅に低減することが可能であり、また圧下による材料の先進量を大きくすることができる。これにより、より一層の板厚の大圧下が可能となる、硬質材の大圧下が可能となる、設備自体をコンパクトとすることができる等、多くの面で大きな効果が期待できる。
以下、本発明の実施形態について図1〜図4を参照して説明する。図1に示す本発明の実施形態1では、図3に示すごとく金型2がスラブ進行方向に対して上流側圧下面18が角度θ、下流側圧下面19が角度φだけ傾いた状態にて圧下上死点位置(金型2がスラブ1から最も離れる位置)からスラブ1の圧下を開始し、圧下下死点位置(金型2がスラブ1を最も圧下する位置)まで、圧下方向に金型を上下に移動させるとともに、金型2とスラブ1の接触面がスラブ進行方向の下流側に移り変わるように図中の矢印方向(以下、順回動方向とよび、逆向きの回動方向を逆回動方向とよぶ)に金型を角度φだけ回動させている。本実施形態では、圧下中のスラブ1と金型2の接触面はほぼ下流側圧下面19のみとなる。
また、図2に示す本発明の実施形態2では、図3に示すごとく金型2がスラブ進行方向に対して上流側圧下面18が角度θ、下流側圧下面19が角度φだけ傾いた状態にて圧下上死点位置からスラブ1の圧下を開始し、圧下下死点位置までは圧下方向のみに金型を上下に移動させ、圧下下死点位置にて金型2とスラブ1の接触面がスラブ進行方向の下流側に移り変わるように順回動方向に金型を角度φだけ回動させている。本実施形態では、圧下下死点位置までは圧下中のスラブ1と金型2の接触面は上流側圧下面18と下流側圧下面19の両面(ただし、図6に示すような従来の板厚圧下プレス装置の場合よりは接触長は短い)であり、圧下下死点にて金型を順回動方向に回動させることにより、接触面は下流側圧下面19のみとなる。
なお、角度θは、特に限定されるものではないが、好ましくは15°〜35°、特に好ましくは20°〜30°がよい。これは、角度θが小さすぎると金型と材料間の接触長が長くなるため荷重が増大し、また角度θが大きすぎると上流側圧下面18と材料間の接触が不安定となり、安定したプレス加工が難しくなるという問題があるためである。
また、角度φは、特に限定されるものではないが、好ましくは5°〜30°、特に好ましくは20°〜30°がよい。これは、角度φが小さすぎると金型と材料間の接触長を短くする効果が小さい、すなわち荷重低減効果が小さく、また、角度φを過大に大きくしても荷重低減効果が飽和傾向となるためである。
図4は、本発明の実施形態1および実施形態2による熱間スラブの圧下方法を実現するための金型回動機構の一実施形態を示す説明図である。金型2は、金型受け4との接触面が円弧状となっており、金型受け4とは円筒コロ8を介して接触するように金型回動軸10にて変位を固定され、回動運動のみが可能となっている。また、金型2は油圧シリンダー11と回動軸を介して連結されており、油圧シリンダー11の上下運動により、金型回動軸10を軸とした回動運動を行う。また、金型2の回動範囲は、金型受台17によって上流側圧下面18が逆回動方向位置が拘束されることにより制限される。この時、図4には示していないが、金型2が設置されている金型受け4の上下運動は、図6に示した従来の熱間スラブプレス装置に用いられている偏心運動による圧下動作の他、単純な上下方向の圧下運動のいずれでもよく、板厚方向の圧下動作間のスラブ進行方向へのスラブ送りはピンチロール12によって行えばよい。
以下、図1と図2の熱間スラブの圧下方法の実施形態に関し、図4の金型回動機構を用いてその動作を説明する。
図1の実施形態1では、圧下上死点位置にて金型2は油圧シリンダー11にてその下流側端連結部を引き上げられて逆回動方向に回動し、金型受台17にて回動が固定された状態となっている。圧下上死点位置より、上下方向への圧下を開始するとともに、油圧シリンダー11により金型2の下流側端連結部を押し出しながら順方向に回動させ、圧下下死点位置にて金型回動角度がφとなるように、圧下と回動を同時に行う。この際、油圧シリンダー11の最大ストロークにて金型回動角がφとなる、すなわち下流側圧下面19が水平となるように設定しておけばよく、圧下動作位置に応じて金型回動角を制御すればよい。パス間、すなわち上下の金型を離反させて圧下上死点位置まで移動させるまでの間に、ピンチロール12にてスラブ1を所定の送り量だけ送り、油圧シリンダー11によって金型2の下流側端連結部を引き上げて逆回動方向に回動させ、金型受台17にて回動が固定された状態とする。以下、本動作を連続して実施することにより、長手方向全長に渡る熱間スラブの圧下を行う。
図2の実施形態2では、圧下上死点位置にて金型2は油圧シリンダー11にてその下流側端連結部を引き上げられて逆回動方向に回動し、金型受台17にて回動が固定された状態となっている。圧下上死点位置より、上下方向への圧下を開始して圧下下死点位置に達するまで本状態を維持し、圧下下死点位置にて油圧シリンダー11により金型2の下流側端連結部を押し出しながら順方向に金型2を角度φだけ回動させ、下流側圧下面19にて圧下を完了する。この際、油圧シリンダー11の最大ストロークにて金型回動角がφとなるように設定しておけばよい。パス間、すなわち上下の金型を離反させて圧下上死点位置まで移動させるまでの間の動作は、上記図1の実施形態での動作と同一であり、以下、本動作を連続して実施することにより、長手方向全長に渡る熱間スラブの圧下を行う。
なお、図4の金型回動機構の実施形態では、金型回動の制御タイミングを変更するだけで図1と図2の両方の動作が実施可能である。ただし、図1の実施形態1では、圧下動作と金型回動の両機構により下流側圧下面19でのみスラブ1の圧下を行い、図2の実施形態2では、上下方向の圧下動作が完了後、金型を回動させることにより下流側圧下面19と接触している部分のみの圧下を行う。したがって、実施形態1は実施形態2に対して接触長が短く、圧下荷重が小さいため、装置全体を小型化することができる。逆に実施形態2は、油圧シリンダー11は圧下下死点まで圧下後の金型回動に伴う圧下を行うのみであるので、実施形態1に対して油圧シリンダー11の容量を小さくすることができるという特徴がある。これらは、対象とするスラブ材質、スラブ寸法による圧下荷重範囲や設備費等を考慮し、適宜選択すればよい。
なお、本発明における金型の回動は、図4に示す金型回動機構を用いることに限定されるものではなく、例えばリンク機構によりその回動動作を実現してもよい。
実施例として、図4に示した金型回動機構を備えた板厚圧下プレス装置を用い、前述の実施形態1(実施例1)および実施形態2(実施例2)にて熱間スラブの板厚圧下を行った。圧下荷重と圧下に伴う材料の先進量の比較例として、図6に示した従来の板厚圧下装置も用いた。対象としたスラブは、板厚254mm、板幅1500mm、長さ9000mmの普通鋼である。まず、本スラブを加熱炉にて1200℃まで加熱した後に加熱炉から抽出し、搬送テーブルにて板厚圧下プレス装置まで搬送し、板厚方向の圧下を開始した。この際、圧下開始時のスラブの温度は1100℃程度であり、板厚38mmまで圧下を行った(圧下率約85%)。金型形状は図3に示した形態のものを使用したが、上流側圧下面の傾斜角θを20゜で一定とし、下流側圧下面の傾斜角φを0〜20゜の範囲で変更した。この際、金型回動角は下流側圧下面の傾斜角φと同じである。つまり、下流側圧下面の傾斜角φが0゜の条件では、図6に示した従来の板厚圧下装置と同じ圧下条件となる。
図5は、下流側圧下面の傾斜角φを0〜20゜による最大圧下荷重の変化を示す図であり、比較例での圧下荷重を1.0として整理した。なお、最大圧下荷重とは、圧下開始から圧下終了までの間での圧下荷重の最大値である。本発明の実施例1では、下流側圧下面のみでの圧下となるため、下流側圧下面の傾斜角φによらず最大圧下荷重は一定であり、比較例と比べ約45%の荷重低減効果があった。また、本発明の実施例2では、最大圧下荷重は下流側圧下面の傾斜角φに大きく依存しており、φ=10゜で約30%の荷重低減効果、φ=20゜の場合には約40%の荷重低減効果があった。また、圧下によるスラブの先進量と後進量の関係を調べたところ、従来の板厚圧下装置では先進量と後進量の比が約0.5:0.5であったのに対し、本発明の実施例1と実施例2では0.6:0.4ないし0.7:0.3と、先進量が大きくなることが確認できた。
本発明の板厚圧下方法の一実施形態(実施形態1)を示す説明図。 本発明の板厚圧下方法の一実施形態(実施形態2)を示す説明図。 本発明の実施に供される金型形状の一例を示す説明図。 本発明の実施に供される金型回動機構の一例を示す説明図。 本発明による熱間スラブ板厚圧下時の圧下荷重の低減効果の実施例を示す説明図。 従来の熱間スラブプレス装置の構成図。 従来の板厚圧下装置の構成図。 成形面が凸局面状の金型による板厚圧下で発生する板厚凹凸の模式図。
符号の説明
2…金型、3…スライダー、4…金型受け、5…本体、6…円孔、7…クランク、8…円筒コロ、9…フレーム、10…金型回動軸、11…油圧シリンダー、12…ピンチロール、13…テーブルローラ、14…ロッド、15…金型前後動機構、16…ハウジング、17…金型回動受台、18…上流側圧下面、19…下流側圧下面。

Claims (6)

  1. 熱間スラブの進行方向に対し入側方向に拡開傾斜した上流側圧下面及びこの上流側圧下面と連続し前記進行方向に向けて拡開傾斜した下流側圧下面を有し、熱間スラブを挟んで上下に対峙して設けられた1対の金型を用いて熱間スラブを断続的に板厚方向に圧下する熱間スラブの板厚圧下方法であって、
    前記金型を板厚方向に圧下して上流側圧下面及び下流側圧下面によりスラブの圧下動作を開始するとともに、圧下に伴いスラブとの接触面が下流側圧下面に移り変わるように金型を回動させながら圧下動作の下死点まで金型を圧下することを特徴とする熱間スラブの板厚圧下方法。
  2. 熱間スラブの進行方向に対し入側方向に拡開傾斜した上流側圧下面及びこの上流側圧下面と連続し前記進行方向に向けて拡開傾斜した下流側圧下面を有し、熱間スラブを挟んで上下に対峙して設けられた1対の金型を用いて熱間スラブを断続的に板厚方向に圧下する熱間スラブの板厚圧下方法であって、
    前記金型を板厚方向に圧下して上流側圧下面及び下流側圧下面によりスラブを板厚方向への圧下動作の下死点まで圧下し、しかる後にスラブとの接触面が下流側圧下面に移り変わるように金型を回動させることを特徴とする熱間スラブの板厚圧下方法。
  3. 金型の回動角度をスラブ進行方向と下流側圧下面のなす角度と同一とし、下流側圧下面がスラブ進行方向と平行になるまで金型を回動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱間スラブの板厚圧下方法。
  4. 熱間スラブを挟んで上下に対峙して配置される一対の金型と、これら金型を金型回動軸を軸として回動運動させる駆動機構と、これら金型を熱間スラブの板厚方向に圧下する圧下手段とを具備し、前記金型は、熱間スラブの進行方向に対し入側方向に拡開傾斜した上流側圧下面及びこの上流側圧下面と連続し前記進行方向に向けて拡開傾斜した下流側圧下面を有することを特徴とする熱間スラブの板厚圧下装置。
  5. 金型との接触面を円弧状とした金型受けと、金型回動軸に取り付けられ、金型受けとの接触面を円弧状とした金型と、金型の接触面と金型受けの接触面との間に介装され、金型を回動可能としたコロと、金型回動軸を軸として金型の回動運動をさせる駆動機構とを具備したことを特徴とする熱間スラブ板厚圧下装置用の金型回動機構。
  6. 熱間スラブを挟んで上下に対峙して設けられる1対の金型であって、各金型は熱間スラブの進行方向に対し入側方向に拡開傾斜した上流側圧下面及びこの上流側圧下面と連続し前記進行方向に向けて拡開傾斜した下流側圧下面を有することを特徴とする熱間スラブ板厚圧下装置用の金型。
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