JP2005246374A - 吸着剤および脱臭装置 - Google Patents

吸着剤および脱臭装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005246374A
JP2005246374A JP2005027934A JP2005027934A JP2005246374A JP 2005246374 A JP2005246374 A JP 2005246374A JP 2005027934 A JP2005027934 A JP 2005027934A JP 2005027934 A JP2005027934 A JP 2005027934A JP 2005246374 A JP2005246374 A JP 2005246374A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
enzyme
adsorbent
gas
column
carrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005027934A
Other languages
English (en)
Inventor
Noritaka Serizawa
則隆 芹澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JCN KK
Original Assignee
JCN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JCN KK filed Critical JCN KK
Priority to JP2005027934A priority Critical patent/JP2005246374A/ja
Publication of JP2005246374A publication Critical patent/JP2005246374A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 対象とする臭気成分を十分に分解して高い脱臭効果を得ることができ、しかも、その脱臭効果を長期間に渡って維持することができる吸着剤、およびそれを備えた脱臭装置を提供すること。
【解決手段】 酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、脱離酵素、異性化酵素および合成酵素からなる群から選ばれる少なくとも2種の酵素を、被処理ガスの臭気成分に対する吸着能を有する担体に担持させる。このような担体を含む吸着剤は、対象とする臭気成分を十分に分解して高い脱臭効果を得ることができ、脱臭効果を長時間に渡って維持することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、脱臭のために用いる吸着剤、およびそれを備えた脱臭装置に関する。
従来より、ガス中の臭気成分を吸着剤に吸着させてガスの臭気を除去することが知られている。特許文献1によれば、表面に脂肪分解酵素であるリパーゼを担持させた吸着剤が開示されている。
特開2002−95730号公報
しかし、このような吸着剤では、リパーゼは油分を分解できるのみで、十分な脱臭効果を発揮することが困難であった。また、このような吸着剤では、リパーゼが担持された状態を長期間に渡って維持することはできず、リパーゼによる活性がすぐに消失するという不具合がある。
そこで、本発明の目的は、対象とする臭気成分を十分に分解して高い脱臭効果を得ることができ、しかも、その脱臭効果を長期間に渡って維持することができる吸着剤、およびそれを備えた脱臭装置を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意研究した結果、酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、脱離酵素、異性化酵素および合成酵素からなる群から選ばれる少なくとも2種の酵素(複合酵素)を担持した担体を含む吸着剤により、臭気成分を十分分解できる知見を見出し、さらに研究を進め、本研究をするに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、脱離酵素、異性化酵素および合成酵素からなる群から選ばれる少なくとも2種の酵素を担持し、被処理ガスの臭気成分に対する吸着能を有する担体を含むことを特徴とする、吸着剤、
(2) 前記担体の形状が、ハニカム状であることを特徴とする、前記(1)に記載の吸着剤、
(3) 前記担体が、さらに、金属イオンを含む水溶液、金属塩、金属酸化物および金属からなる群から選ばれる少なくとも1種の酵素の活性を向上させる酵素活性向上物質を含むことを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の吸着剤、
(4) 被処理ガスの臭気成分を除去するための脱臭装置であって、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の吸着剤と、前記吸着剤に対して被処理ガスの通過方向の上流側または下流側に配置されるフィルターと、前記吸着剤または前記フィルターに酵素を含む酵素補充液を供給する供給手段とを備えることを特徴とする、脱臭装置、
(5) 被処理ガスの臭気成分が、硫黄含有化合物、窒素含有化合物、アルデヒド類、有機酸類、炭化水素類、エステル類、ケトン類および油類からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする、前記(4)に記載の脱臭装置
を提供するものである。
本発明の吸着剤および脱臭装置によれば、対象とする臭気成分を十分に分解して高い脱臭効果を得ることができ、しかも、その脱臭効果を長期間に渡って維持することができる。
本発明において、酸化還元酵素(オキシドレダクターゼ)としては、例えば、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、パーオキシダーゼ、ヒドロキシラーゼ、オキシゲナーゼ、カタラーゼなどが挙げられる。
本発明において、転移酵素(トランスフェラーゼ)としては、例えば、キナーゼなどが挙げられる。
本発明において、加水分解酵素(ヒドロラーゼ)としては、例えば、エステラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼなどが挙げられる。
本発明において、脱離酵素(除去酵素;リアーゼ)としては、例えば、デカルボキシラーゼ、デアミナーゼ、ヒドラターゼなどが挙げられる。
本発明において、異性化酵素(イソメラーゼ)としては、例えば、幾何学的異性化酵素、構造的異性化酵素などが挙げられる。
本発明において、合成酵素(リガーゼ)としては、例えば、シンセターゼなどが挙げられる。
本発明では、これらの酵素は、上記酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、脱離酵素、異性化酵素および合成酵素のそれぞれの酵素群のうち、異なる2種以上の酵素群に属するものを併用するものとし、異なる4種以上の酵素群に属するものを併用することが好ましい。2種類以上の酵素群を併用することにより、対象とする臭気成分をほぼ完全に分解することができ、脱臭効果の向上を図ることができる。
また、これらの各酵素は、2種類以上併用することができ、好ましくは5種類以上、より好ましくは10種類以上併用することができる。
本発明において、吸着剤に吸着される被処理ガスの臭気成分(ミスト状の有機物を含む。)は、特に限定されないが、例えば、硫化水素、メチルメルカプタンなどのメルカプタン類、硫黄などのスルフィド類、二硫化メチルなどのジスルフィド類などの硫黄含有化合物、例えば、アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類などの窒素含有化合物、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ吉草酸などの有機酸類、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、例えば、油脂、脂肪族炭化水素などの油類が挙げられる。
被処理ガスの濃度は、例えば、容量基準で0.001〜1000ppm程度であり、臭気濃度で50〜20000ppm程度である。なお、本発明の吸着剤では、これら臭気成分を単独または複数種類吸着することができる。
本発明において、これらの酵素を担持する担体は、除去対象の臭気成分に対する吸着能を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、木質系や石炭系の活性炭、ゼオライト、ケイ酸塩、シリカ、アルミナ、セラミック、樹脂などからなるものなどが挙げられる。すなわち、担体は、無機物であってもよく、有機物であってもよい。また、担体は、天然物であってもよく、合成物であってもよい。これらの担体は、単独または2種以上併用することができる。
また、これらの担体の形状は、特に限定されないが、例えば、粒状、円柱状、球状、角状、十字状、星状、ヒトデ状、歯車状、円筒状、マカロニ状、ハニカム状、レンコン状、繊維状(不繊布、毛玉状を含む。)、紐状などが挙げられる。
これらの担体の形状のうち、好ましくは、ハニカム状、繊維状が挙げられ、より好ましくは、ハニカム状が挙げられる。ハニカム状の担体を用いた場合、吸着剤に対して、被処理ガスの通気抵抗を著しく小さくすることができるとともに、被処理ガスの接触効率を著しく大きくすることができ、さらに、被処理ガスの相対湿度が高い場合でも、通気抵抗の増加がなく脱臭性能を高く維持できる。
これらの形状の担体を、単独または2種以上併用することができる。
また、担体は、多孔質体であることが好ましい。
本発明において、BET法により測定される担体の比表面積は、例えば、20m2/g以上であり、好ましくは、100〜2000m2/gであり、より好ましくは、250〜1500m2/gである。
また、充填状態における担体の空間率は、例えば、10〜90%であり、好ましくは、20〜80%であり、より好ましくは、30〜65%である。
また、担体がハニカム状である場合、その開口率は、臭気成分の除去効率が損なわれず、かつ、吸着剤による圧力損失が許容できる範囲であれば、特に限定されないが、例えば、50〜80%であり、好ましくは、55〜75%である。
担体がハニカム状である場合、そのセル数は、例えば、20〜1000(個/6.45cm2)であり、好ましくは、50〜80(個/6.45cm2)である。
このような担体は、種々の方法で製造できるが、担体が活性炭や無機材料からなる場合は、例えば、それらの粉末と、バインダーと、必要により添加される添加剤とを、水とともに練合し、上記した形状に成形した後、炭化および賦活し、必要により、酸や水などで脱灰することにより得ることができる。
また、担体が活性炭および無機材料からなる場合は、例えば、活性炭の粉末と、当該無機材料の粉末と、バインダーと、必要により添加される添加剤とを、水とともに練合し、上記した形状に成形した後、乾燥および/または焼成することにより得ることができる。
これらの場合、バインダーとしては、担体の製造方法に応じて、有機系バインダーおよび無機系バインダーから選択できる。有機系バインダーとしては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、タール、ピッチなどが挙げられる。無機系バインダーとしては、例えば、木節粘土、活性白土などの粘土鉱物、シリカ、アルミナなどが挙げられる。
これらのバインダーは、単独または2種以上併用することができる。
また、これらバインダーは、それ自体、臭気成分に対する吸着能を有し得る場合には、担体中に残留してもよい。バインダーの練合物中の含有量は、特に制限されず、担体が無機材料である場合は、例えば、15重量%以上、好ましくは、20〜95重量%、より好ましくは、25〜90重量%であり、担体が活性炭である場合は、例えば、20重量%以上、好ましくは、25〜98重量%、より好ましくは、30〜95重量%である。
添加剤としては、例えば、成形助剤が挙げられる。成形助剤としては、例えば、多糖類、セルロース誘導体、天然樹脂、界面活性剤などが挙げられる。添加剤の練合物中の含有量は、例えば、25重量%以下である。
また、担体が樹脂からなる場合、例えば、当該樹脂を溶融し、押出加工またはインジェクションする方法、当該樹脂に発泡剤を添加し、押出加工またはインジェクションする方法、当該樹脂に、活性炭および/または無機材料を添加して溶融し、押出加工またはインジェクションする方法などにより、繊維状または紐状の形状に成形できる。また、これらの方法により得られた繊維状または紐状の担体をバインダーなどで接着し、球状、星状、フィルター状などの形状に成形してもよい。この際、繊維状または紐状の担体を成形型に注入するようにしてもよい。
そして、本発明では、このようにして得られた担体に酵素を担持させて吸着剤を得る。例えば、上記した酵素を含む液体(例えば、当該酵素の水溶液)を担体に噴霧または浸漬して含浸させた後、乾燥させることにより、酵素を担持した担体を得ることができる。酵素を含む液体中の酵素の濃度は、例えば、0.001〜10重量%、好ましくは、0.01〜5重量%、より好ましくは、0.1〜3重量%である。
また、吸着剤中の酵素の含有量は、例えば、吸着剤100gに対して0.001〜10g、好ましくは、0.01〜5g、より好ましくは、0.1〜3gである。
このようにして得られた吸着剤は、対象とする臭気成分を十分に分解して高い脱臭効果を得ることができ、しかも、その脱臭効果を長期間に渡って維持することができる。そして、この吸着剤は、以下に説明する脱臭装置に用いることができる。
また、本発明において、上記した担体は、さらに、金属イオンを含む水溶液、金属塩、金属酸化物および金属からなる群から選ばれる少なくとも1種の酵素の活性を向上させる酵素活性向上物質を含んでもよい。
金属イオンとしては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属の金属イオンなどが挙げられる。
アルカリ金属の金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン(Li+)、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、ルビジウムイオン(Rb+)、セシウムイオン(Cs+)などが挙げられる。
アルカリ土類金属の金属イオンとしては、例えば、ベリリウムイオン(Be2+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、ストロンチウム(Sr2+)、バリウム(Ba2+)、ラジウム(Ra2+)などが挙げられる。
遷移金属の金属イオンとしては、例えば、スカンジウムイオン(Sc2+、Sc3+など)、チタンイオン(Ti2+、Ti3+、Ti4+など)、バナジウムイオン(V2+、V3+、V4+、V5+など)、クロムイオン(Cr+、Cr2+、Cr3+、Cr4+、Cr5+など)、マンガンイオン(Mn2+、Mn3+、Mn4+、Mn5+など)、鉄イオン(Fe2+、Fe3+、Fe4+、Fe5+など)、コバルトイオン(Co2+、Co3+、Co4+、Co5+など)、ニッケルイオン(Ni2+、Ni3+、Ni4+など)、銅イオン(Cu+、Cu2+、Cu3+など)、亜鉛イオン(Zn2+など)などの第一系列の遷移金属の金属イオン、例えば、イットリウムイオン(Y3+など)、ジルコニウムイオン(Zr+、Zr2+、Zr3+、Zr4+など)、ニオブイオン(Nb2+、Nb3+、Nb4+、Nb5+など)、モリブデンイオン(Mo2+、Mo3+、Mo4+、Mo5+など)、テクネチウムイオン(Tc4+、Tc6+など)、ルテニウムイオン(Ru3+、Ru4+、Ru5+、Ru6+など)、ロジウムイオン(Rh3+、Rh4+など)、パラジウムイオン(Pd2+、Pd4+など)、銀イオン(Ag+、Ag2+など)、カドミウムイオン(Cd2+など)などの第二系列の遷移金属の金属イオン、例えば、ランタンイオン(La3+など)、ハフニウムイオン(Hf2+、Hf3+、Hf4+など)、タンタルイオン(Ta3+、Ta4+、Ta5+など)、タングステンイオン(W2+、W3+、W4+、W5+、W6+など)、レニウムイオン(Re2+、Re3+、Re4+、Re5+、Re6+など)、オスミウムイオン(Os2+、Os3+、Os4+、Os5+、Os6+)、イリジウムイオン(Ir2+、Ir3+、Ir4+、Ir5+、Ir6+など)、白金イオン(Pt2+、Pt4+、Pt5+、Pt6+など)、金イオン(Au3+など)、水銀イオン(Hg+、Hg2+など)などの第三系列の遷移金属の金属イオンなどが挙げられる。
これら金属イオンは、適宜、単独または2種以上併用することができ、その配合割合は、適宜、選択することができる。
また、金属イオンを含む水溶液には、上記した金属イオン(カチオン)の他に、これと対応するアニオンを含んでいてもよく、このようなアニオンとしては、特に制限されず、無機アニオン、有機アニオンなどが挙げられる。
無機アニオンとしては、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭素化物イオン、ヨウ素化物イオンなどのハロゲン化物イオン、例えば、硫酸イオン、硝酸イオン、りん酸イオンなどの酸素含有無機イオンなどが挙げられる。
有機アニオンとしては、炭酸イオン、ホウ酸イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、しゅう酸イオンなどが挙げられる。
金属塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属などの金属の、ハロゲン化物、無機塩、有機塩などの塩が挙げられる。
アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)などが挙げられる。
アルカリ土類金属としては、例えば、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)などが挙げられる。
遷移金属としては、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)などの第一系列の遷移金属、例えば、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)などの第二系列の遷移金属、例えば、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、水銀(Hg)などの第三系列の遷移金属などが挙げられる。
ハロゲン化物としては、例えば、フッ化物、塩化物、臭素化物、ヨウ素化物などが挙げられる。
無機塩としては、例えば、硫酸塩、硝酸塩、りん酸塩などが挙げられる。
有機塩としては、例えば、炭酸塩、ホウ酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩などが挙げられる。
これら金属塩は、適宜、単独または2種以上併用することができる。
金属塩としては、好ましくは、アルカリ土類金属の塩化物が挙げられ、具体的には、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、上記金属塩で説明したアルカリ土類金属および遷移金属の酸化物が挙げられる。具体的には、MgO、CaOなどのアルカリ土類金属の酸化物、MnO、Mn23、Mn34、FeO、Fe23、Fe34、CoO、Co23、Co34、CuO、Cu23、ZnO、Zn23などの遷移金属の酸化物などが挙げられる。
これら金属酸化物は、適宜、単独または2種以上併用することができる。
金属としては、例えば、上記金属塩で説明した遷移金属などが挙げられる。
これら金属は、適宜、単独または2種以上併用することができる。
そして、本発明では、酵素活性向上物質を担体に含ませるには、例えば、上記した酵素活性向上物質を含む液体(例えば、酵素活性向上物質の水溶液)を担体に噴霧または浸漬して含浸させた後、乾燥させて、酵素活性向上物質を担持させればよい。
なお、このような担持は、上記した酵素の担持と同時、または、その前後に行えばよい。
吸着剤中の酵素活性向上物質の含有量は、吸着剤100gに対して、例えば、0.001〜10g、好ましくは、0.01〜5g、より好ましくは、0.1〜3gであり、酵素100gに対して、例えば、0.001〜200g、好ましくは、0.01〜100g、より好ましくは、0.1〜10gである。
図1は、本発明の脱臭装置の第1の実施形態を示す要部側断面図である。
図1において、この脱臭装置10は、カラム11、排気ファン7および酵素タンク2を備えている。カラム11はほぼ円筒状の形状を有しており、その軸方向がほぼ水平になるように配置されている。カラム11内において、円板状のフィルター5、および上記に説明した酵素を担持した担体からなる円筒状の吸着剤1が、排気ファン7側から順にカラム11の軸方向に配置されている。フィルター5と吸着剤1とは、カラム11の軸方向に所定間隔を隔てて配置され、フィルター5が吸着剤1に対して被処理ガスの通過方向の上流側に配置される。
フィルター5は、例えば、セラミック、樹脂(例えば、不繊布など)、金属などからなり、また、電気集塵フィルターなどであってもよい。
カラム11の一方端には、被処理ガス導入ダクト12が接続されており、カラム11の他方端には処理ガス排出ダクト13が接続されている。被処理ガス導入ダクト12には排気ファン7が介装されており、排気ファン7により機外の被処理ガスをカラム11内に送ることができる。
フィルター5および吸着剤1は、それぞれカラム11の内側壁にほぼ全周に渡って接するように設けられている。これにより、カラム11内に導入された被処理ガスの大部分は、フィルター5および吸着剤1中を通過する。
吸着剤1がハニカム状の担体に酵素を担持させたものである場合は、被処理ガスの吸着剤1による通気抵抗を十分小さくすることができるので、専用の排気ファン7を設けずに、換気用などに用いられる既設の排気ファンまたは自然通風により、被処理ガスをカラム11内に導入することもできる。
酵素タンク2には、上記した酵素の水溶液である酵素補充液が収容されている。酵素補充液の水1リットルに対する酵素の量は、例えば、0.3〜500g、好ましくは、1〜100g、より好ましくは、2〜50gである。また、酵素タンク2の酵素補充液には、さらに、上記した酵素活性向上物質が含まれていてもよい。酵素補充液中の酵素活性向上物質の含有量は、酵素100gに対して、例えば、0.001〜200g、好ましくは、0.01〜100g、より好ましくは、0.1〜10gである。
酵素タンク2からカラム11内へと、酵素補充液供給配管14が延設されている。酵素補充液供給配管14のカラム11内の端部は、被処理ガスの通過方向において、排気ファン7とフィルター5との間に配置されており、端部の開口(散水噴霧口3)は、フィルター5を指向している。
酵素補充液供給配管14には、供給手段としてのポンプ4が介装されている。ポンプ4を作動することにより、酵素タンク2内の酵素補充液が、散水噴霧口3からフィルター5に向けて噴霧される。これにより、フィルター5に酵素補充液が供給される。
カラム11の底部で、被処理ガスの通過方向におけるフィルター5と吸着剤1との間には、ドレイン6が設けられている。カラム11の底部に流れ落ちた酵素補充液は、ドレイン6から抜き出すことができる。
そして、この脱臭装置10では、排気ファン7を作動させて、機外の被処理ガスをカラム11内に導入する。カラム11内を流れる被処理ガスの線流速は、例えば、10〜500cm/sec、好ましくは、20〜300cm/sec、より好ましくは、30〜250cm/secに設定されている。カラム11内を流れる被処理ガスの空間速度は、例えば、500〜500000/h、好ましくは、1000〜300000/h、より好ましくは、3600〜250000/hに設定されている。
カラム11内に導入された被処理ガスは、フィルター5を通過することにより、そのミスト状の臭気成分が除去され、さらに、吸着剤1を通過することにより、その残余の臭気成分が除去される。
そして、この脱臭装置10では、定期的にポンプ4が作動されて、酵素タンク2に収容された酵素補充液が、フィルター5に向けて噴霧される。これにより、脱臭効果を維持することができる。
酵素補充液を噴霧する頻度は、吸着剤1の層厚(被処理ガスの通過方向の厚さ)、臭気成分の種類および濃度、脱臭装置10の使用頻度、被処理ガスの処理量などにより異なるが、例えば、0.1分〜30日に1回、好ましくは、0.5分〜10日に1回、より好ましくは、1分〜5日に1回である。
また、1回の酵素補充液の噴霧を継続する時間は、吸着剤1の層厚、吸着剤1(担体および酵素)の劣化の程度などにより異なるが、例えば、噴霧(ポンプ4の作動)開始後、ドレイン6から酵素補充液が流出するのが確認されてから、0.1分〜300分、好ましくは、0.5〜120分、より好ましくは、1〜60分である。
そして、この脱臭装置10によれば、対象とする臭気成分を十分に分解して高い脱臭効果を得ることができ、しかも、その脱臭効果を長期間に渡って維持することができる。
このような脱臭装置10により処理される被処理ガスは、上記した臭気成分を含み、より具体的には、特に限定されないが、例えば、下水処理場、し尿処理場、畜産施設、化学工場、塗装工場、肥料工場、食品工場、飲食店などから発生するガスが挙げられる。
図2は、本発明の脱臭装置の第2の実施形態を示す要部側断面図である。なお、図2において、上記と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図2において、この脱臭装置20は、カラム21、排気ファン7および酵素タンク2を備えている。カラム21はほぼ有底円筒状の形状を有しており、その軸方向がほぼ鉛直方向に沿うように配置されている。カラム21内において、その軸方向のほぼ中間部には、円筒状の吸着剤1が配置されており、上端部には、円板状のフィルター5が設けられている。吸着剤1とフィルター5とは、カラム21の軸方向に所定間隔を隔てて配置され、フィルター5が吸着剤1に対して被処理ガスの通過方向の下流側に配置されている。
カラム21の側面底部には、被処理ガス導入ダクト12が接続されている。被処理ガス導入ダクト12には排気ファン7が介装されており、排気ファン7により機外の被処理ガスをカラム21内に送ることができる。
吸着剤1およびフィルター5は、それぞれカラム21の内側壁にほぼ全周に渡って接するように設けられている。これにより、カラム21内に導入された被処理ガスの大部分は、吸着剤1およびフィルター5中を通過する。
なお、上記と同様に、吸着剤1がハニカム状の担体に酵素を担持させたものである場合には、排気ファン7を設けなくてもよい。また、酵素タンク2には、上記と同様の酵素補充液が収容されている。
酵素タンク2からカラム21内へと、酵素補充液供給配管24が延設されている。カラム21内において、酵素補充液供給配管24は、被処理ガスの通過方向において吸着剤1とフィルター5との間に、ほぼ水平に配置されており、その長手方向に沿って下部には複数の散水噴霧口3が互いに所定間隔を隔てて形成されている。したがって、複数の散水噴霧口3は、下方に位置する吸着剤1を指向している。
酵素補充液供給配管24には、ポンプ4が介装されている。ポンプ4を作動することにより、酵素タンク2内の酵素補充液が、散水噴霧口3から吸着剤1に向けて噴霧される。これにより、吸着剤1に酵素補充液が供給される。この際、フィルター5により、酵素補充液が機外に飛散することが防止される。
カラム21の側面底部で、被処理ガス導入ダクト12が接続されている側と反対側には、ドレイン6が設けられている。すなわち、カラム21と酵素タンク2との間は、循環配管22が接続されている。循環配管22には、三方バルブ23が介装されており、この三方バルブ23にドレイン6が接続されている。三方バルブ23により流路を切り換えることにより、カラム21の底部に流れ落ちた酵素補充液を、酵素タンク2に戻したり、ドレイン6から機外に排出することができる。
図2において、脱臭装置20は、さらにpH調整剤用タンク9を備えている。pH調整剤用タンク9には、酵素補充液のpHを調整するためのpH調整剤が収容されている。pH調整剤用タンク9と酵素タンク2との間には、pH調整剤供給配管26が配設されており、このpH調整剤供給配管26を介して、pH調整剤用タンク9に収容されたpH調整剤を、酵素タンク2に収容された酵素補充液に添加して、酵素補充液のpHを調整できる。酵素補充液のpHを適正な範囲(例えば、pH2〜10、好ましくはpH5.5〜8.5)に維持することにより、長期にわたり、脱臭装置20の脱臭効率を維持することができる。
そして、この脱臭装置20では、排気ファン7を作動させて、機外の被処理ガスをカラム21内に導入する。カラム21内に導入された被処理ガスは、吸着剤1を通過することにより、臭気成分が除去される。
そして、この脱臭装置20では、定期的にポンプ4が作動されて、酵素タンク2に収容され所定のpHに調整された酵素補充液が、吸着剤1に向けて噴霧される。これにより、脱臭効果を維持することができる。
なお、三方バルブ23をカラム21と酵素タンク2とが流通するようにしておけば、カラム21の底に流れ落ちた酵素補充液は、循環配管22を介して酵素タンク2に戻され、再び、酵素補充液供給配管24を介して、吸着剤1に噴霧される。これにより、酵素補充液の消費量を低減することができる。また、酵素補充液が劣化した場合は、三方バルブ23をカラム21とドレイン5とが流通するようにすれば、酵素補充液をドレイン6を介して機外に抜き出すことができる。
なお、図1および図2において、カラム21の形状は、特に限定されず、例えば、角筒状であってもよい。
また、自然通風可能な状態であれば、排気ファン7などの動力は不要であり、また、用途によりフィルター5を設けなくてもよい。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
上記に説明した図2に示す脱臭装置を用いて、食堂の排気ガスについて脱臭試験を行なった。
カラムとして、幅が150mmで、長さが150mmのステンレス製のものを用いた。
また、吸着剤として、幅が150mmで、長さが150mmで、厚さが30mmのハニカム状活性炭を担体として、複合酵素(商品名:複合酵素JCN、株式会社ジェイシーエヌ製)を担持させたものを9枚積層し、その厚さが270mmとなるようにして用いた。
このハニカム状活性炭は、BET法により測定された比表面積が850m2/gであり、セル数が300(個/6.45cm2)であり、開口率が65%であった。上記複合酵素は、酸化還元酵素(オキシドレダクターゼ、カタラーゼ)、転移酵素(トランスフェラーゼ)、加水分解酵素(ヒドロラーゼ、アミラーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)、異性化酵素(イソメラーゼ)、合成酵素(リガーゼ)を含んでおり、上記複合酵素の上記ハニカム状活性炭への担持は、上記複合酵素を10倍に希釈した水溶液を、上記ハニカム状活性炭に均一に散布することにより行なった。得られた吸着剤において、ハニカム状活性炭100gに対する上記複合酵素の担持量は0.5gであった。
また、フィルターとしては、セラミック製オイルミストフィルターを用い、酵素補充液としては、上記複合酵素を100倍に希釈した水溶液を用いた。
このような脱臭装置を用いて、一日に約10時間、被処理ガスである食堂の排気ガスの脱臭処理を行なった。この際、排気ファンを作動させることにより、食堂の排気ガスを、線流速100cm/secでカラム内に導入した。また、ポンプを作動させることにより、酵素タンクに収容された上記酵素補充液を、上記吸着剤に、1〜7日に1回噴霧した。
実施例2
吸着剤を、外径が8mmで、内径が3mmで、長さが8mmの円筒状セラミック担体の集合物に、実施例1で使用したものと同じ複合酵素を担持させたものを用い、カラムに導入する被処理ガスの線流速を30cm/secとした以外は、実施例1と同様にして、脱臭試験を行なった。なお、吸着剤の担体100gに対する上記複合酵素の担持量は、0.1gであった。
実施例3
吸着剤として、直径が6〜12mmの球状の繊維塊を積層厚さを300mmにして用い、カラムとして直径30mmの塩化ビニール製のものを用い、酵素補充液として上記複合酵素を200倍に希釈した水溶液を用い、酵素補充液の吸着剤への供給を1分間の散水および5分間の停止状態の繰り返しとし、被処理ガスを畜産排水処理場の発生ガスとし、カラムへの被処理ガスの導入を24時間連続して、線流速30cm/secで導入した以外は、実施例1と同様にして、脱臭試験を行なった。酵素補充液は、定期的に補充または交換した。
比較例1
吸着剤として、酵素を担持していないハニカム状活性炭を用い、吸着剤に対して酵素補充液の供給を行なわない以外は、実施例1と同様にして、脱臭試験を行なった。
比較例2
吸着剤として、ハニカム状活性炭を担体とし、上記複合酵素の代わりに脂肪分解酵素であるリパーゼを単独で、すなわち他の酵素と併用しないで担持したものを用い、酵素補充液としてリパーゼを100倍に希釈した水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、脱臭試験を行なった。吸着剤の担体100gに対するリパーゼの担持量は、0.5gであった。
比較例3
吸着剤として、直径が4mmで、BET法により測定される比表面積が1120m2/gである円柱状の活性炭の集合物を担体として、ヨウ化カリウムおよびリン酸を担持したものを用い、吸着剤に対して酵素補充液の供給を行なわない以外は、実施例3と同様にして、脱臭試験を行なった。吸着剤において、活性炭100gに対するヨウ化カリウムの担持量は1.5gであり、リン酸の担持量は7.5gであった。
試験例1
実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2について、試験開始後10日目および20日目に、カラムの被処理ガス導入ダクトの入り口における被処理ガス、およびカラムの処理ガス排出ダクトの出口における処理ガスのそれぞれについて、臭気濃度を三点比較臭袋法によって測定した。結果を、表1にまとめて示す。
Figure 2005246374
実施例1および実施例2では、試験開始後30日を経過した時点においても、臭気濃度での脱臭効率は95%以上を維持しており、排気ファンによる通風を停止した後しばらくしてからガスクロマトグラフ分析を行なっても、臭気成分を確認できなかった。
これに対して、比較例1では、試験開始後30日を経過した時点で、入り口および出口での臭気濃度がほぼ同じになっており、人の臭覚によっても、カラムの出口側に臭気が流れ出しているのが確認された。
また、比較例2では、試験開始後30日を経過した時点で、カラムの出口側で、人の臭覚でカラム入り口側と同程度以上の臭気が確認された。
臭気濃度での脱臭効率は56%であった。
試験開始後30日経過後のオイルミストフィルタの表面には、実施例1および実施例2ではオイルが付着しておらず、比較例1では薄くオイルが付着しており、比較例2では比較例1より多くのオイルが付着していた。
試験例2
実施例3および比較例3について、30日間連続して脱臭装置を運転し、その間のカラムの被処理ガス導入ダクトの入り口における被処理ガス、およびカラムの処理ガス排出ダクトの出口における処理ガスそれぞれについて分析を行なった。
実施例3では、2〜3日に一度酵素補充液を取り替えることにより、試験期間中における臭気濃度の脱臭効率を、80〜95%に保つことができた。
一方、比較例3では、試験開始7日目に、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、トリメチルアミンの濃度が、カラムの入り口側と出口側で同程度になった。これらの臭気成分に対する脱臭効果を維持するためには、頻繁に(7日に1度以上の頻度で)吸着剤を取り替えねばならなかった。
実施例4
図2に示す脱臭装置を用いて、食堂の排気ガスについて脱臭試験を行った。
カラムとして、幅が150mm、長さが150mmのステンレス製のものを用いた。
吸着剤として、幅が150mm、長さが150mm、厚さが30mmのハニカム状活性炭を担体として、実施例1と同じ複合酵素(商品名:複合酵素JCN、株式会社ジェイシーエヌ製)と塩化マグネシウムと塩化カルシウムとを担持させたものを9枚積層し、その厚さが270mmとなるようにして用いた。
このハニカム状活性炭は、BET法により測定された比表面積が850m2/gであり、セル数が300(個/6.45cm2)であり、開口率が65%であった。
上記複合酵素と塩化マグネシウムと塩化カルシウムとをハニカム状活性炭へ予め担持させるために、ハニカム状活性炭を、複合酵素0.1g、塩化マグネシウム0.1g、塩化カルシウム0.1gを0.2Lの水に溶解させた水溶液に含浸させた後、乾燥させて、吸着剤を得た。得られた吸着剤において、ハニカム状活性炭100gに対して、複合酵素の担持量は0.1gであり、塩化マグネシウムの担持量は0.1gであり、塩化カルシウムの担持量は0.1gであった。
また、酵素補充液として、複合酵素を1000倍に希釈した水溶液を用意した。用意した酵素補充液30mlを、上記した吸着剤に、1週間に1回噴霧した。
上記した吸着剤以外については、実施例1と同様に脱臭処理を行った。
実施例5
実施例4の吸着剤の調製において、塩化マグネシウムと塩化カルシウムとを、ハニカム状活性炭に担持させなかった以外は、実施例4と同様に脱臭処理を行った。
試験例2
実施例4および実施例5について、試験開始後7日目、30日目および135日目に、カラムの被処理ガス導入ダクトの入り口における被処理ガス、および、カラムの処理ガス排出ダクトの出口における処理ガスのそれぞれについて、臭気濃度を三点比較臭袋法によって測定した。結果を、表2にまとめて示す。
Figure 2005246374
酵素活性向上物質を予め担持させた実施例4のハニカム状活性炭では、試験開始後135日目でも、脱臭効率は90%以上を維持している。
酵素活性向上物質を予め担持させなかった実施例5のハニカム状活性炭では、脱臭効率は80〜90%以上と、実施例4に比べて若干低い。
実施例6
実施例4の吸着剤の調製において、吸着剤として、ハニカム状活性炭の担体を6枚積層し、その厚さが180mmとなるようにして用いた。
また、酵素補充液として、上記した複合酵素を1000倍に希釈し、塩化マグネシウムを添加して、複合酵素と塩化マグネシウムとを含んだ水溶液(マグネシウムイオン(Mg2+)濃度、500mg/L)を用意した。用意した酵素補充液30mlを、上記した吸着剤に、1日に1回、30分間散水した。
この吸着剤を、図2の脱臭装置に用いて、下水処理場(汚泥貯留槽)で脱臭試験を行った。
また、上記した吸着剤および酵素補充液を用いた以外は、実施例4と同様に脱臭処理を行った。
なお、この場合、循環させる酵素溶液のpHが変動するため、脱臭装置にpH調整機を設置し、pHが7付近となるようにコントロールした。また、酵素補充液は、定期的に補充または交換した。
実施例7
実施例6の酵素補充液の用意において、酵素補充液に塩化マグネシウムを添加しなかった以外は、実施例6と同様に脱臭処理を行った。
実施例8
実施例7の吸着剤の調製において、塩化マグネシウムを、ハニカム状活性炭に担持させなかった以外は、実施例7と同様に脱臭処理を行った。
試験例3
実施例6〜8について、検知管(硫化水素用、No.4LT、(株)ガステック製)を用いて、カラムの被処理ガス導入ダクトの入り口における被処理ガスの硫化水素、および、カラムの処理ガス排出ダクトの出口における処理ガスの硫化水素について、それぞれ、脱臭効率を測定した。その結果、試験開始後6月目で、実施例6において、脱臭効率は、80〜95%であり、実施例7において、脱臭効率は、65〜75%であった。また、試験開始後約10日で、実施例8において、脱臭効率が20%であり、試験開始後1月目で、硫化水素の濃度が、カラムの入り口側と出口側とで同程度となり、脱臭効率が著しく低下した。
本発明の脱臭装置の第1の実施形態を示す要部側断面図である。 本発明の脱臭装置の第2の実施形態を示す要部側断面図である。
符号の説明
1 吸着剤
3 散水噴霧口
4 ポンプ
5 フィルター
10,20 脱臭装置

Claims (5)

  1. 酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、脱離酵素、異性化酵素および合成酵素からなる群から選ばれる少なくとも2種の酵素を担持し、被処理ガスの臭気成分に対する吸着能を有する担体を含むことを特徴とする、吸着剤。
  2. 前記担体の形状が、ハニカム状であることを特徴とする、請求項1に記載の吸着剤。
  3. 前記担体が、さらに、金属イオンを含む水溶液、金属塩、金属酸化物および金属からなる群から選ばれる少なくとも1種の酵素の活性を向上させる酵素活性向上物質を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の吸着剤。
  4. 被処理ガスの臭気成分を除去するための脱臭装置であって、
    請求項1〜3のいずれかに記載の吸着剤と、
    前記吸着剤に対して被処理ガスの通過方向の上流側または下流側に配置されるフィルターと、
    前記吸着剤または前記フィルターに、酵素を含む酵素補充液を供給する供給手段とを備えることを特徴とする、脱臭装置。
  5. 被処理ガスの臭気成分が、硫黄含有化合物、窒素含有化合物、アルデヒド類、有機酸類、炭化水素類、エステル類、ケトン類および油類からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項4に記載の脱臭装置。
JP2005027934A 2004-02-06 2005-02-03 吸着剤および脱臭装置 Pending JP2005246374A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005027934A JP2005246374A (ja) 2004-02-06 2005-02-03 吸着剤および脱臭装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004031143 2004-02-06
JP2005027934A JP2005246374A (ja) 2004-02-06 2005-02-03 吸着剤および脱臭装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005246374A true JP2005246374A (ja) 2005-09-15

Family

ID=35027362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005027934A Pending JP2005246374A (ja) 2004-02-06 2005-02-03 吸着剤および脱臭装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005246374A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008100135A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Furukawa Industrial Machinery Systems Co Ltd 脱臭装置
JP2011174041A (ja) * 2010-01-04 2011-09-08 Rohm & Haas Co 低臭気組成物および低臭気組成物を達成する方法
ITBO20100595A1 (it) * 2010-10-08 2012-04-09 Andrea Bonesi Filtro depuratore a tre stadi per loculo singolo

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01217083A (ja) * 1988-02-26 1989-08-30 Daiso Co Ltd 建築用脱臭塗料
JPH01317440A (ja) * 1988-06-18 1989-12-22 Kohjin Co Ltd 消臭用担体
JPH02169010A (ja) * 1988-12-21 1990-06-29 Kajima Corp 脱臭装置
JPH0767947A (ja) * 1993-09-07 1995-03-14 Daiso Co Ltd 海生物より発生する臭気の処理方法及びそれに使用される装置並びに吸着材
JPH07124235A (ja) * 1993-11-02 1995-05-16 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 微生物脱臭用装置及び微生物着床層
JPH08317966A (ja) * 1995-05-25 1996-12-03 Daiwabo Co Ltd 消臭方法
WO1998004334A1 (fr) * 1996-07-25 1998-02-05 Nikki-Universal Co., Ltd. Filtre d'epuration d'air
JPH11128328A (ja) * 1997-10-24 1999-05-18 Takenaga Kk 脱臭剤及びその製造方法
JP2001129394A (ja) * 1999-11-07 2001-05-15 Keijiro Nakamura 排ガスの処理方法
JP2004041276A (ja) * 2002-07-09 2004-02-12 Mitsubishi Paper Mills Ltd 空気清浄フィルター
JP2004321536A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Nikko Plant:Kk 毒性ガス簡易シェルター

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01217083A (ja) * 1988-02-26 1989-08-30 Daiso Co Ltd 建築用脱臭塗料
JPH01317440A (ja) * 1988-06-18 1989-12-22 Kohjin Co Ltd 消臭用担体
JPH02169010A (ja) * 1988-12-21 1990-06-29 Kajima Corp 脱臭装置
JPH0767947A (ja) * 1993-09-07 1995-03-14 Daiso Co Ltd 海生物より発生する臭気の処理方法及びそれに使用される装置並びに吸着材
JPH07124235A (ja) * 1993-11-02 1995-05-16 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 微生物脱臭用装置及び微生物着床層
JPH08317966A (ja) * 1995-05-25 1996-12-03 Daiwabo Co Ltd 消臭方法
WO1998004334A1 (fr) * 1996-07-25 1998-02-05 Nikki-Universal Co., Ltd. Filtre d'epuration d'air
JPH11128328A (ja) * 1997-10-24 1999-05-18 Takenaga Kk 脱臭剤及びその製造方法
JP2001129394A (ja) * 1999-11-07 2001-05-15 Keijiro Nakamura 排ガスの処理方法
JP2004041276A (ja) * 2002-07-09 2004-02-12 Mitsubishi Paper Mills Ltd 空気清浄フィルター
JP2004321536A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Nikko Plant:Kk 毒性ガス簡易シェルター

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008100135A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Furukawa Industrial Machinery Systems Co Ltd 脱臭装置
JP2011174041A (ja) * 2010-01-04 2011-09-08 Rohm & Haas Co 低臭気組成物および低臭気組成物を達成する方法
ITBO20100595A1 (it) * 2010-10-08 2012-04-09 Andrea Bonesi Filtro depuratore a tre stadi per loculo singolo

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4622372B2 (ja) 加湿装置
JPH11169654A (ja) 循環式微生物脱臭装置
JPS60175523A (ja) 廃ガス中に痕跡量ながら存在しうるガス状有機有害物質を細菌による生物学的酸化によつて分離する方法
JP2005246374A (ja) 吸着剤および脱臭装置
KR101063801B1 (ko) 희토류볼 담체를 이용한 탈취 장치
CN205672780U (zh) 一体式生物填料除臭器
KR100406495B1 (ko) 액상촉매와 바이오필터를 이용한 황화수소와 VOCs의처리시스템
CN101020130A (zh) 生物除臭装置
CN105457483A (zh) 一体式生物填料除臭器
JP2009165976A (ja) 集塵フィルター及びこれを用いた空気清浄装置
JP2002095927A (ja) 脱臭方法
JP4336346B2 (ja) 生物脱臭方法および生物脱臭装置
CN205435469U (zh) 二级生物法废气处理装置
JP5632044B1 (ja) 水の浄化装置
KR100693186B1 (ko) 생물학적 처리수(미생물 제재)를 이용한 습식형 악취제거장치
JP2000107555A (ja) 脱臭方法
CN106310920A (zh) 一种微生物处理磷化氢尾气的方法
KR20150055684A (ko) 난분해성 악취처리장치 및 악취처리방법
JP2000041670A (ja) 脱臭システムおよび脱臭装置
JPH08131761A (ja) 充填式生物脱臭装置
JP2008132459A (ja) 微生物脱臭装置
RU2381834C1 (ru) Способ очистки воздуха от вредных веществ
JP2002079050A (ja) 脱臭方法及び脱臭装置
JP5079116B2 (ja) 生物脱臭方法及び生物脱臭装置
CN217312747U (zh) 一种活性炭再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101228