JP2005246120A - 厨房用空気処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 脱臭手段を構成する脱臭フィルタの交換を適切な時期に行うことができ、これにより、本装置の脱臭性能を維持することができる厨房用空気処理装置を提供する。
【解決手段】 厨房において食材を調理するフライヤー5の上方に配置され、フライヤー5からの排気を処理する空気処理部1を備えた調理装置Sにおいて、フライヤー5からの排気中の油分を除去するためのグリスフィルタ20と、フライヤー5からの排気中の水分を除去するための冷却装置6と、フライヤー5からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭器9と、フライヤー5からの排気をグリスフィルタ20を経て冷却装置6及び脱臭器9に送給するための送風機7と、脱臭器9の空気下流側に設けられた臭気センサ52と、該臭気センサ52の出力に基づいて脱臭器9の交換時期を判断する制御装置50とを備えた。
【選択図】図1
【解決手段】 厨房において食材を調理するフライヤー5の上方に配置され、フライヤー5からの排気を処理する空気処理部1を備えた調理装置Sにおいて、フライヤー5からの排気中の油分を除去するためのグリスフィルタ20と、フライヤー5からの排気中の水分を除去するための冷却装置6と、フライヤー5からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭器9と、フライヤー5からの排気をグリスフィルタ20を経て冷却装置6及び脱臭器9に送給するための送風機7と、脱臭器9の空気下流側に設けられた臭気センサ52と、該臭気センサ52の出力に基づいて脱臭器9の交換時期を判断する制御装置50とを備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、レストランなどの厨房に設置されて食材の調理を行う調理手段から発生する排気を処理するための厨房用空気処理装置に関するものであり、特に、排気中の臭気成分を除去する脱臭手段の交換時期の判断手法に関するものである。
従来よりホテルやレストラン、ファーストフード店などの厨房では、フライヤーやグリドルなどの調理器により食材の調理が行われている。これら調理器からは水分や臭いを多く含んだ蒸気或いは湯気(以下、排気と云う)が立ち上り、或いは、飛散するものであるが、従来ではフードを調理器の上方に配置し、調理器から生じる排気を送風機によりフード内に収集して外部に排出していた(例えば、特許文献1参照。)。そして、外部より給気を行って厨房内を換気し、作業者の作業環境維持を図っていた。
しかしながら、特にビル地下街などに出店するレストランやファーストフード店では調理器から出る排気を外部に排出することが建物の構造上困難となる場合もあり、係る場合には厨房内に湿気や臭いが充満し、作業環境が劣悪化する問題があった。
そこで、従来では調理器から発生する排気中の水分を除去するための除湿手段と、排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段とを備えた厨房用空気処理装置が開発されている。この厨房用空気処理装置は、調理器の上方に設置され、調理器からの排気を除湿手段を構成する冷却器に送給し、除湿処理した後の排気を脱臭手段を構成する脱臭フィルタに送給し、脱臭処理した後の排気を厨房内に排出するものである。
特開平8−94140号公報
脱臭フィルタは、ある程度排気の脱臭処理を行うことで、活性炭等の吸着能力の低下を生じ、脱臭能力が低下する。そのため、脱臭能力の低下した脱臭フィルタは、交換をする必要がある。これまでは、脱臭フィルタの交換時期を使用期間によって脱臭フィルタ交換警報を発令することで、使用者に脱臭フィルタの交換を促すか、使用者の目視によって脱臭フィルタの汚れ度合いを判断し、脱臭フィルタの交換を行っていた。
しかしながら、このような脱臭フィルタの交換方法では、脱臭フィルタの脱臭能力が維持されている場合にも交換が行われていたり、脱臭能力のない脱臭フィルタを継続して使用している場合などがあったため、経済的に無駄な交換や、装置の脱臭性能が維持できない状態での使用が生じる問題があった。
本発明の厨房用空気処理装置は、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理するものであって、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に送給するための送風手段と、脱臭手段の空気下流側に設けられた臭気センサと、該臭気センサの出力に基づいて脱臭手段の交換時期を判断する制御手段とを備えたものである。
請求項2の発明の厨房用空気処理装置は、上記発明において、制御手段は、所定期間における臭気センサの出力最大値と最小値から当該臭気センサの出力の最大変化量を算出し、該最大変化量に基づいて脱臭手段の交換時期を判断するものである。
請求項3の発明の厨房用空気処理装置は、上記発明において、制御手段は、一日の運転開始から終了までの間における臭気センサの出力最大値と最小値から最大変化量を算出するものである。
請求項4の発明の厨房用空気処理装置は、請求項2又は請求項3の発明において、制御手段は、最大変化量が所定の値以上となった場合に脱臭手段の交換を促すための出力を発生するものである。
請求項5の発明の厨房用空気処理装置は、請求項2又は請求項3の発明において、制御手段は、最大変化量の変化を最小二乗法により近似変化量に換算し、当該換算された近似変化量が所定の値以上となった場合に脱臭手段の交換を促すための出力を発生するものである。
請求項6の発明の厨房用空気処理装置は、請求項2又は請求項3の発明において、制御手段は、最大変化量が所定の値以上となった回数が所定回数に達した場合に脱臭手段の交換を促すための出力を発生するものである。
請求項7の発明の厨房用空気処理装置は、請求項2又は請求項3の発明において、制御手段は、最大変化量が所定回数連続して所定の値以上となった場合に脱臭手段の交換を促すための出力を発生するものである。
請求項8の発明の厨房用空気処理装置は、請求項2又は請求項3の発明において、制御手段は、最大変化量の所定回数当たりの平均値が所定の値以上となった場合に脱臭手段の交換を促すための出力を発生するものである。
請求項9の発明の厨房用空気処理装置は、上記各発明において、制御手段は、運転開始後及び/又は運転終了前の所定期間における臭気センサの出力を脱臭手段の交換時期判断から除外するものである。
本発明の厨房用空気処理装置によれば、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理するものであって、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に送給するための送風手段と、脱臭手段の空気下流側に設けられた臭気センサと、該臭気センサの出力に基づいて脱臭手段の交換時期を判断する制御手段とを備えたので、調理手段から立ち上る蒸気などの排気を受け止めて送風手段により除湿手段に送り、この排気中の水分を除湿手段により除去することができる。そのため、調理手段からの排気を厨房外部に排出できない状況においても、厨房内に湿気が充満することがなくなる。また、水分中に含まれる臭気成分も同時に除去されるので、或る程度の脱臭も可能となり、総じて厨房内の作業環境を良好に維持することができるようになる。
また、送風手段により除湿手段にて処理された後の排気を脱臭手段に送給するようにしているので、特にフライヤーやグリドルなどで調理を行う場合に生じる臭いを脱臭手段により除去することができるようになり、作業環境をより一層改善することができるようになるものである。
特に、本発明によれば、脱臭手段の空気下流側に設けられた臭気センサの出力に基づいて脱臭手段の交換時期を判断する制御手段を備えたので、直接脱臭手段を目視することなく、脱臭手段の交換時期を判断することができるようになる。これにより、脱臭手段の脱臭能力に応じて交換時期を判断することが可能となり、経済的に無駄な交換や、装置の脱臭性能が維持できない状態を回避することができるようになる。
また、本発明によれば、脱臭手段の脱臭能力を検出する臭気センサは、脱臭手段の空気下流側に設けられているため、比較的安定性の低い臭気センサを保護することができ、安定した脱臭能力の検出が可能となる。
請求項2の発明によれば、上記発明において、制御手段は、所定期間、例えば請求項3の如く一日の運転開始から終了までの間における臭気センサの出力最大値と最小値から当該臭気センサの出力の最大変化量を算出し、該最大変化量に基づいて脱臭手段の交換時期を判断するので、上記期間における臭気センサの初期値の変動による測定誤差を相殺することができ、より適切な脱臭能力の検出が可能となる。
請求項4の発明によれば、請求項2又は請求項3の発明において、制御手段は、最大変化量が所定の値以上となった場合に脱臭手段の交換を促すための出力を発生するので、適切な交換時期に脱臭手段を交換することが可能となる。これにより、経済的に無駄な交換や、装置の脱臭性能が維持できない状態を回避することができ、常に、快適な使用状態で、排気の脱臭処理を行うことができるようになる。
請求項5の発明によれば、請求項2又は請求項3の発明において、制御手段は、最大変化量の変化を最小二乗法により近似変化量に換算し、当該換算された近似変化量が所定の値以上となった場合に脱臭手段の交換を促すための出力を発生するので、一時的な臭気増加の検出を除外することで、一時的な調理増加による高い検出値のみで脱臭手段の交換時期と判断してしまう不都合を防止することができるようになる。
請求項6の発明によれば、請求項2又は請求項3の発明において、制御手段は、最大変化量が所定の値以上となった回数が所定回数に達した場合に脱臭手段の交換を促すための出力を発生するので、一時的な臭気増加の検出を除外することが可能となり、一時的な調理増加による高い検出値のみで脱臭手段の交換時期と判断してしまう不都合を防止することができるようになる。これにより、経済的に無駄な交換を回避することができるようになる。
請求項7の発明によれば、請求項2又は請求項3の発明において、制御手段は、最大変化量が所定回数連続して所定の値以上となった場合に脱臭手段の交換を促すための出力を発生するので、一時的な臭気増加の検出を除外することが可能となり、一時的な調理増加による高い検出値のみで脱臭手段の交換時期と判断してしまう不都合を防止することができるようになる。これにより、経済的に無駄な交換を回避することができるようになる。
請求項8の発明によれば、請求項2又は請求項3の発明において、制御手段は、最大変化量の所定回数当たりの平均値が所定の値以上となった場合に脱臭手段の交換を促すための出力を発生するので、最大変化量の経年変化に基づいて脱臭手段の交換時期を判断することが可能となる。これにより、一時的な増加、減少の値に左右されることなく、脱臭手段の交換を促す時期を的確に判断することが可能となる。
請求項9の発明によれば、上記各発明において、制御手段は、運転開始後及び/又は運転終了前の所定期間における臭気センサの出力を脱臭手段の交換時期判断から除外するので、不安定な状況における臭気センサの出力を脱臭手段の交換時期判断から除外することができ、適切な脱臭手段の交換時期を判断することができるようになる。
本発明は、従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、脱臭手段を構成する脱臭フィルタの交換を適切な時期に行うことができ、これにより、本装置の脱臭性能を維持することができる厨房用空気処理装置を提供する。以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の厨房用空気処理装置としての空気処理部1を備えた調理装置Sの縦断側面図である。
調理装置Sはホテルやレストラン、ファーストフード店などの厨房に設置されるものであり、略縦長矩形状の外装フレーム4に調理手段としてのフライヤー5、除湿手段としての冷却装置6、シロッコファンから成る送風手段としての送風機7、脱臭手段としての脱臭器9などを組み付けて一体的に構成されている。
外装フレーム4の略中央は奥側に凹陥して前面及び左右面が開放した作業領域4Cとされており、この作業領域4Cの上面は中央が高く略湾曲したフード部4Dとされている。そして、前記フライヤー5はこの作業領域4Cの下部に配置されて作業者の腰付近の高さとされている。このフライヤー5は、例えばポテトなどの食材をざるごと収容できる容量を有する上面開口の金属製フライ釜5Aと、このフライ釜5Aに誘導渦電流を流して発熱させ、フライ釜5A内の油を加熱するためのIH加熱装置などから構成されている。また、外装フレーム4の下部には機械室4Aが構成され、この機械室4A内には前記冷却装置6の周知の冷媒サイクルを構成する圧縮機10、凝縮器11や凝縮器用送風機8などが設置されている。尚、圧縮機10及び凝縮器用送風機8は、詳細は後述する制御装置50に接続されているものとする。
一方、外装フレーム4の上部4B内の上側には、外装フレーム4の背面を形成する背面部4Eと所定間隔を存して断熱箱体12が取り付けられており、この背面部4Eと断熱箱体12との間、及び、該背面部4Eと断熱箱体12の下端から前記機械室4Aにまで渡って形成される背面板4Fとの間には、上方に開放すると共に、前記機械室4A内と連通する一連の背面ダクト15が形成されている。このため、機械室4A内の廃熱は、背面ダクト15を上昇して、調理装置Sの上方から外部に排出することができるようになる。また、調理装置Sの上方から排出された廃熱は、通常、厨房の天井面などに設けられる一般換気口より厨房外に排出することができる。
断熱箱体12は、前方及び下方に開口していると共に、この断熱箱体12内には、該断熱箱体12内を前後に区画する仕切板16が設けられている。これにより、該仕切板16の後方には、除湿用ダクト17が形成されると共に、仕切板16の前方には、脱臭用ダクト18が形成される。尚、この仕切板16は、断熱箱体12の上部において除湿用ダクト17と脱臭用ダクト18が連通するように開放して形成されているものとする。
そして、この断熱箱体12内後部即ち、除湿用ダクト17の下側には、前記冷却装置6の冷媒サイクルを構成するフィンチューブタイプの冷却器13が収納設置され、その上側にはこれも冷却装置6の冷媒サイクルを構成するフィンチューブタイプの加熱器14が収納設置されている。尚、冷却器13の下方には、断熱箱体12の下奥部に位置してドレン受け32が設けられており、このドレン受け32には、該ドレン受け32に受容された水を外部に排出するためのドレンホース33が接続されている。
そして、加熱器14の上側の断熱箱体12内には、除湿用ダクト17内の排気を脱臭用ダクト18内に送給するための前記送風機7が収納設置されている。尚、この送風機7は、前記制御装置50に接続されているものとする。また、断熱箱体12内の前側、即ち、脱臭用ダクト18内には前記脱臭器9が収納設置されている。この脱臭器9は例えば、複数の略V字状に成型された多孔質の例えば活性炭を含有する図示しない脱臭フィルタなどから構成されており、各脱臭フィルタは、それぞれ前方から抜き差し可能とされており、各脱臭フィルタが独立して交換可能とされているものとする。
更にまた、脱臭器9の空気下流側には、臭気センサ52が設けられており、係る臭気センサ52は、前記制御装置50に接続されているものとする。
また、この断熱箱体12の前面には、当該前面開口を開閉自在に密閉するための隔壁22が設けられている。この隔壁22の下部には、断熱箱体12内に形成される脱臭用ダクト18の脱臭器9の下方に対応して排気連通部28が形成されている。
更にまた、この隔壁22の前方には、外装ケース4の上部に位置する空気処理部1の前方を開閉自在に閉塞するための扉2が設けられている。この扉2は、内部中空とされており、当該扉2内に排気ダクト25が形成されている。そして、この扉2の前面上部には、排気口26が複数形成されていると共に、扉2の後面下部には、前記隔壁22の排気連通部28を介して断熱箱体12内の排気を排気ダクト25内に流入させるための吸込口27が形成されている。尚、このとき、扉2の後面若しくは、隔壁22の前面には、全周囲に渡ってシール部材としてのパッキン29が設けられていると共に、扉2が閉じた状態で、吸込口27の周縁部及び排気連通部28の周縁部とを密閉するためのパッキン30が設けられている。
これにより、脱臭用ダクト18内の脱臭フィルタを交換する際には、扉2を開放し、隔壁22を開放することにより、断熱箱体12の前方より容易に脱臭フィルタの交換を行うことができる。そのため、脱臭フィルタのメンテナンス作業性が向上し、利便性が良くなる。
一方、作業領域4C上部に位置するフード部4D奥側(フライヤー5の上方奥側)には、吸気口19が形成されて作業領域4Cに臨んでおり、この吸気口19の下方には、前記除湿用ダクト17の前端から後端に位置して前方から後方へ低く傾斜して形成されるグリスフィルタ20(油分除去手段)が取り付けられている。このグリスフィルタ20はオイルミストを付着除去するために網状を呈している。尚、このグリスフィルタ20の下端には、該グリスフィルタ20に付着したオイル(油分)を受容するための油受け34が設けられているものとする。
そして、吸気口19の上方に対応する位置の除湿用ダクト17の下部であって、前記ドレン受け32の前方には、吸込口21が形成されている。
他方、作業領域4Cのフード部4Dには照明(蛍光灯)38が取り付けられている。この照明38の下方には、該照明38の下面を被覆するように酸化チタンを被覆した透光性の照明カバー39が設けられているものとする。
尚、図中40は断熱箱体12内において吸込口21から冷却器13、凝縮器14、送風機7及び脱臭器9と順次経て排気連通部28に至る除湿用ダクト17及び脱臭用ダクト18を構成するためのファンケーシングである。
次に、図2を参照して前記制御装置50について説明する。この制御装置50は、時限手段としてのタイマ51を内蔵した汎用マイクロコンピュータにより構成されている。また、この制御装置50の入力側には、前記臭気センサ52が接続されていると共に、出力側には、前記圧縮機10、前記送風機7、前記凝縮器用送風機8、前記脱臭フィルタの交換を使用者に促す脱臭フィルタ用警報ランプ53が接続されているものとする。
以上の構成で次に調理装置Sの動作について説明する。制御装置50により前記冷却装置6の圧縮機10及び送風機7が運転されると、上述した如く加熱器14が加熱作用を発揮し、冷却器13が冷却作用を発揮すると共に、調理装置Sの作業空間4Cに生じた排気は、グリスフィルタ20を介して吸込口21から断熱箱体12内の除湿用ダクト17内に吸い込まれ、冷却器13、加熱器14、送風機7、脱臭用ダクト18の脱臭器9、扉2内の排気ダクト25と順次通過して排気口26より調理装置S外に吐出される空気の流通が形成される。
一方、フライヤー5からは湿気(湯気)、オイルミスト及び臭いを大量に含んだ排気が作業領域4Cのフード部4Dに向けて立ち上り、上部奥側の吸気口21に吸い込まれていく。この吸気口21に吸い込まれた排気中のオイルミストは、グリスフィルタ20を通過する過程でそこに付着除去される。尚、グリスフィルタ20に付着したオイル(油分)はグリスフィルタ20の下端に取り付けられたオイル受け34に収集されて廃棄される。
上述の如くグリスフィルタ20を通過した排気は、吸込口21から断熱箱体12の除湿用ダクト17内に吸い込まれ、やがて冷却器13に至る。冷却器13に至った排気はそこを通過する過程で冷却されるので、排気中に含まれる湿気(水分)は露となって冷却器13の表面に付着する。これにより排気は除湿される。尚、冷却器13に付着した排気はドレン受け32により受容されドレンホース33を介して外部に廃棄される。
係る冷却器13にて除湿された後の排気は、次に加熱器14に至り、そこを通過する過程で加熱されるので、排気の相対湿度は低下する。係る相対湿度の低下した排気は、送風機7を経て脱臭用ダクト18内の脱臭器9に至り、脱臭フィルタを通過する過程で排気中に含まれる臭気成分が吸着される。この脱臭器9を通過した排気は、扉2が閉じた状態で排気連通部28により円滑に排気ダクト25内に送給される。排気ダクト25内に流入した排気は、排気ダクト25内を上昇し、最終的に排気口26より装置Sの外部(厨房内)に吹き出される。
このとき、上述した如く除湿用ダクト17及び脱臭用ダクト18が配置されていることにより、装置自体のコンパクト化を図りつつ、排気口26からの排気は、作業領域4C内に流入することなく、扉2の上部に形成された排気口26より装置Sの外部(厨房内)に吹き出すことができる。このため、作業領域4Cの気流を乱すことなく効率的に排気を排出することができるようになる。また、フライヤー5からの排気は、円滑に作業領域4Cの上方に形成された吸気口21から空気処理部1内に流入させることができ、排気の処理効率が向上される。
このように、本実施例の調理装置Sでは、フライヤー5からの排気を吸引し、冷却器13で除湿して厨房内に排出する個別式循環換気を行うので、厨房の構造上フライヤー5からの排気を厨房外部に排出できない設置状況であっても、厨房内に湿気が充満することがなくなる。また、フライヤー5から立ち上った湯気に含まれる臭気成分もこのとき除去されるので、この段階でも脱臭される。
そして、排気は脱臭器9が設けられる脱臭用ダクト18に送られるので実施例のようなフライヤー5やグリドルなどで調理を行う場合に生じる臭いをこの脱臭器9により除去することができるようになり、厨房内の作業環境をより一層改善することができるようになる。
また、冷却器13の空気下流側の脱臭器9との間に加熱器14を配置し、冷却器13表面に水分を凝結付着させた後の低温の排気を加熱器14にて加熱するようにしているので、脱臭器9には相対湿度の下がった排気が送給されることになる。これにより、多孔質の活性炭から成る脱臭器9に水分が入り込み、湿気を帯びて脱臭作用が低下する不都合も未然に回避することが可能となる。
次に、脱臭器9のメンテナンス時期の報知について説明する。制御装置50は、電源がONとされている状態で、常に、臭気センサ52からの入力を監視しており、該臭気センサ52によって検出された臭気センサ値(本実施例にて用いられる臭気センサ52による臭気成分の検出度数を示すもの)を記憶している。尚、本実施例において、制御装置50は電源がONとされてから所定期間、即ち運転開始後の所定期間は、計測値無効時間として、臭気センサ値の記憶を除外するものとする。本実施例では、運転開始後の所定期間のみを計測値無効時間としているが、これ以外にも運転終了前の所定期間を計測値無効時間としても良いものとする。
ここで、図3に一日の臭気センサ値の推移を示す。これによると、臭気センサ52により検出される臭気センサ値は、フライヤー5における調理が行われている時間帯(非調理時)と、調理が行われている時間帯(調理時)とで、大きく上下に推移していることが分かる。そこで、制御装置50は、一日の運転開始から終了までの間における臭気センサ52の出力最大値と出力最小値から最大変化量を算出し、該最大変化量をその日の最大変化量として記憶する。本実施例では、臭気センサ52は脱臭器9の空気下流側に設けられているため、この最大変化量が小さいということは、脱臭器9における脱臭能力が十分に発揮されていることを示し、最大変化量が大きいということは、脱臭器9の脱臭能力が低下していることを示している。
そして、制御装置50は、図4に示すような各日の最大変化量の推移を監視し、当該最大変化量が所定の警報発令基準値に達したか否かを判断する。本実施例では、制御装置50は、警報発令基準値を20とし、各日の最大変化量が20に達した場合に、脱臭器9の脱臭フィルタの活性炭等の吸着能力の低下を生じ、脱臭能力が低下したものとみなし、メンテナンス必要条件を満たしたものとして、脱臭フィルタ用警報ランプ53を点灯し、使用者に、脱臭フィルタの交換メンテナンス、若しくは、洗浄メンテナンスを行うことを促す。図4では点Pの時点、使用から25日目で警報発令基準値を越えているため、この時点で、制御装置50により警報発令を行う。尚、図4におけるラインQは、警報発令が行われても、脱臭フィルタのメンテナンスが行われなかった場合の最大変化量の推移を示しており、ラインRは警報発令に従って脱臭フィルタのメンテナンスを行った場合の最大変化量の推移を示している。
これにより、直接脱臭フィルタを目視することなく、脱臭フィルタのメンテナンス時期を脱臭フィルタ用警報ランプ53の点灯により報知することができ、メンテナンス作業を簡素化することができるようになる。また、当該脱臭フィルタ用警報ランプ53の点灯により、脱臭フィルタを交換等することにより、脱臭フィルタの脱臭能力に応じて交換を行うことができ、経済的に無駄な交換や、装置の脱臭性能が維持できない状態を回避することができるようになる。これにより、常に、快適な使用状態で、排気の脱臭処理を行うことができるようになる。
特に、本実施例では、臭気センサ52の一日の出力最大値と最小値から臭気センサ52の出力の最大変化量を算出し、該最大変化量に基づいて脱臭フィルタの交換時期を判断するので、臭気センサ52の初期値の変動による測定誤差を相殺することができ、より適切な脱臭能力の検出が可能となる。尚、本実施例では、一日の出力最大値と最小値から臭気センサ52の出力の最大変化量を算出しているが、一日に限るものではない。
また、本実施例では、上述したように運転開始後及び/又は運転終了前の所定期間における臭気センサ52の出力を計測値無効として脱臭フィルタの交換時期判断から除外しているので、不安定な状況における臭気センサ52の出力を脱臭フィルタの交換時期判断から除外することができ、適切な脱臭フィルタの交換時期を判断することができるようになる。
また、本実施例では、臭気センサ52は上述したように脱臭器9の空気下流側に設けられているため、比較的安定性の低い臭気センサ52を保護することができ、安定した脱臭能力の検出が可能となる。
尚、上記実施例では、制御装置50は、各日の最大変化量の推移を監視し、当該最大変化量が所定の警報発令基準値に達した時点で、脱臭フィルタ用警報ランプ53を点灯を行っているが、これ以外にも、図5に示すように最大変化量の変化を最小二乗法により近似変化量に換算し、この換算された近似変化量が所定の警報発令基準値(本実施例では20)に達した時点で、脱臭フィルタ用警報ランプ53の点灯を行っても良いものとする。図5に最大変化量の変化を最小二乗法により近似変化量に換算したグラフを示す。この図では点Tの時点、使用から28日目で近似変化量が警報発令基準値を超えているため、この時点で、制御装置50により警報発令を行う。
これにより、上記実施例に加えて、一時的な臭気増加の検出を除外することが可能となり、一時的な調理増加による高い検出値のみで脱臭フィルタの交換時期と判断してしまう不都合を防止することができるようになる。
また、上記実施例以外にも、図6に示すように制御装置50は、各日の最大変化量の推移を監視し、当該最大変化量が所定の警報発令基準値に達した回数が、所定回数、本実施例では、6回に達した時点で、脱臭フィルタ用警報ランプ53の点灯を行っても良いものとする。図6では点Uの時点、使用から31日目で最大変化量が警報発令基準値を超えた回数が6回に達しているため、この時点で、制御装置50により警報発令を行う。
これにより、上記実施例に加えて、一時的な臭気増加の検出を除外することが可能となり、一時的な調理増加による高い検出値のみで脱臭フィルタの交換時期と判断してしまう不都合を防止することができるようになる。
尚、係る実施例では、最大変化量が所定の警報発令基準値に達した回数が、所定回数に達した時点で、脱臭フィルタ用警報ランプ53の点灯を行っているが、これ以外にも、図7に示すように最大変化量が所定の回数連続して所定の警報発令基準値に達した時点で、脱臭フィルタ用警報ランプ53の点灯を行っても良いものとする。即ち、図7では点Vの時点、使用から26日目で最大変化量が警報発令基準値を下回っているため、この時点でカウントをリセットし、次回、最大変化量が警報発令基準値に達した時点から、再びカウントを行うものとする。そのため、図7では、連続して最大変化量が所定の警報発令基準値に達した点Wの時点、使用から32日目で、制御装置50により警報発令を行う。
これによっても、一時的な臭気増加の検出を除外することが可能となり、一時的な調理増加による高い検出値のみで脱臭フィルタの交換時期と判断してしまう不都合を防止することができるようになる。そのため、経済的に無駄な交換を回避することができるようになる。
また、上記各実施例以外にも、制御装置50は、最大変化量の所定回数当たりの平均値を算出し、当該平均値が警報発令基準値に達した時点で、警報発令を行っても良いものとする。
これにより、最大変化量の経年変化に基づいて脱臭フィルタの交換時期を判断することが可能となり、一時的な増加、減少の値に左右されることなく、脱臭フィルタの交換を促す時期を的確に判断することが可能となる。
尚、本実施例では、調理手段としてのフライヤー5と空気処理部1とを一体に形成した調理装置Sを例に採りあげて説明したが、これ以外に調理手段とは別に空気処理部1を空気処理装置として構成しても同様の効果を奏するものとする。
また、本実施例では、調理装置Sは、空気処理部1を構成する外装ケース4の上部と調理手段(フライヤー5)を構成する外装ケース4の下部とは、一体に構成されているが、これ以外に搬入時における搬送を容易とするため、上下分離可能に構成しても良いものとする。尚、かかる場合には、冷却装置6を構成する図示しない冷媒配管は、バルブ等により容易に接続可能なものとする。
尚、上記実施例では調理手段としてフライヤー5を例に採りあげて説明したが、それに限らず、レストランやファーストフード店で使用される各種調理器に本発明は適用可能である。
S 調理装置
1 空気処理部
4C 作業領域
5 フライヤー
6 冷却装置
7 送風機
9 脱臭器(脱臭手段)
13 冷却器
17 除湿用ダクト
18 脱臭用ダクト
19 吸込口
20 グリスフィルタ(油分除去手段)
21 吸込口
25 排気ダクト
50 制御装置
51 タイマ
52 臭気センサ
53 脱臭フィルタ用警報ランプ
1 空気処理部
4C 作業領域
5 フライヤー
6 冷却装置
7 送風機
9 脱臭器(脱臭手段)
13 冷却器
17 除湿用ダクト
18 脱臭用ダクト
19 吸込口
20 グリスフィルタ(油分除去手段)
21 吸込口
25 排気ダクト
50 制御装置
51 タイマ
52 臭気センサ
53 脱臭フィルタ用警報ランプ
Claims (9)
- 厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、前記調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、
前記調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、前記調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、前記調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、前記調理手段からの排気を前記油分除去手段を経て前記除湿手段及び脱臭手段に送給するための送風手段と、前記脱臭手段の空気下流側に設けられた臭気センサと、該臭気センサの出力に基づいて前記脱臭手段の交換時期を判断する制御手段とを備えたことを特徴とする厨房用空気処理装置。 - 前記制御手段は、所定期間における前記臭気センサの出力最大値と最小値から当該臭気センサの出力の最大変化量を算出し、該最大変化量に基づいて前記脱臭手段の交換時期を判断することを特徴とする請求項1の厨房用空気処理装置。
- 前記制御手段は、一日の運転開始から終了までの間における前記臭気センサの出力最大値と最小値から前記最大変化量を算出することを特徴とする請求項2の厨房用空気処理装置。
- 前記制御手段は、前記最大変化量が所定の値以上となった場合に前記脱臭手段の交換を促すための出力を発生することを特徴とする請求項2又は請求項3の厨房用空気処理装置。
- 前記制御手段は、前記最大変化量の変化を最小二乗法により近似変化量に換算し、当該換算された近似変化量が所定の値以上となった場合に前記脱臭手段の交換を促すための出力を発生することを特徴とする請求項2又は請求項3の厨房用空気処理装置。
- 前記制御手段は、前記最大変化量が所定の値以上となった回数が所定回数に達した場合に前記脱臭手段の交換を促すための出力を発生することを特徴とする請求項2又は請求項3の厨房用空気処理装置。
- 前記制御手段は、前記最大変化量が所定回数連続して所定の値以上となった場合に前記脱臭手段の交換を促すための出力を発生することを特徴とする請求項2又は請求項3の厨房用空気処理装置。
- 前記制御手段は、前記最大変化量の所定回数当たりの平均値が所定の値以上となった場合に前記脱臭手段の交換を促すための出力を発生することを特徴とする請求項2又は請求項3の厨房用空気処理装置。
- 前記制御手段は、運転開始後及び/又は運転終了前の所定期間における前記臭気センサの出力を前記脱臭手段の交換時期判断から除外することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8の厨房用空気処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004056041A JP2005246120A (ja) | 2004-03-01 | 2004-03-01 | 厨房用空気処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004056041A JP2005246120A (ja) | 2004-03-01 | 2004-03-01 | 厨房用空気処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005246120A true JP2005246120A (ja) | 2005-09-15 |
Family
ID=35027125
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004056041A Pending JP2005246120A (ja) | 2004-03-01 | 2004-03-01 | 厨房用空気処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005246120A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013051746A1 (ko) * | 2011-10-04 | 2013-04-11 | 주식회사 춘천에이취피 | 유증기 분리기 |
-
2004
- 2004-03-01 JP JP2004056041A patent/JP2005246120A/ja active Pending
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