JP2005244433A - ファクシミリ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 通信エラーの発生をより効果的に抑制する。
【解決手段】 エラーモード検出部310は、通信エラーが発生したときに通信エラーの形態であるエラーモードを検出する。演算参照テーブル320は、エラーモードと補正すべき通信特性との対応関係を記憶する。補正値演算部300は、検出されたエラーモードでの通信エラーの再発生を抑制するために、演算参照テーブル320を参照することにより、検出されたエラーモードに対応する通信特性に対する補正値を演算する。補正値テーブル330は、演算された補正値を、通信エラーが発生した通信先に対応づけて記憶する。補正値設定部340は、通信開始時に、補正値テーブル330を参照することにより、通信を開始した通信先に対応する補正値があれば、当該補正値に対応する通信特性を設定する。
【選択図】 図3

Description

本発明はファクシミリ装置に関し、特に通信エラーの発生を効果的に抑制するための技術に関する。
ファクシミリ装置において、通信エラーが発生する毎に、通信を維持しつつ通信速度を段階的に落とすことにより、通信エラーの再発生を抑制するというフォールバック機能を有するものが知られている。また、フォールバックにより補正された通信速度を、補正値として通信先毎に記憶しておき、新たな通信を開始する際に、通信先に対応した補正値に通信速度を設定することにより、通信エラーの発生を通信開始の時点から抑制すること、或いはフォールバックの回数を低減することを意図したファクシミリ装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−75826号公報
しかしながら、特許文献1に開示される従来技術では、補正すべき通信特性として、通信速度しか考慮されていなかった。すなわち、通信信号のゲイン、各種のタイマー設定などの、通信速度以外の通信特性については考慮がなされていなかった。このことは、通信エラーの原因について、通信速度に影響する信号のノイズレベル(或いは、信号のS/N比)のみが考慮され、その他の原因、例えばジッタ、エコー、瞬断などは考慮されていなかったことをも意味する。その結果、従来技術では通信エラーを十分に抑制することができないという問題点があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、通信エラーの発生をより効果的に抑制するファクシミリ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ファクシミリ装置であって、通信エラーが発生したときに当該通信エラーの形態であるエラーモードを検出するエラーモード検出部と、前記エラーモード検出部が検出したエラーモードでの通信エラーの再発生を抑制するために、予め定められた複数の通信特性から何れか一つ又はそれ以上を選択し、選択した通信特性に対する補正値を演算する補正値演算部と、前記補正値演算部が演算した前記補正値を、通信エラーが発生した通信先に対応づけて記憶する補正値テーブルと、通信開始時に、前記補正値テーブルが、通信を開始した通信先に対応して記憶する補正値が有れば、当該補正値に、対応する通信特性を設定する補正値設定部とを備えるものである。
上記構成によれば、発生したエラーモードに応じて、予め定められた複数の通信特性から何れかが選択され、選択された通信特性に対する補正値が演算され、通信開始時に、当該補正値が通信先に対応づけて記憶された補正値テーブルを参照することにより、通信先に対応する補正値が有れば、対応する通信特性が当該補正値に設定されるので、通信開始時に、エラーモードに応じた種類の通信特性が、通信先に応じて補正される。このため、通信速度のみを補正する従来技術とは異なり、通信エラーの発生をより効果的に抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のファクシミリ装置であって、前記複数の通信特性を、2以上のエラーモードに対応づけて記憶する演算参照テーブルを更に備え、前記補正値演算部は、前記演算参照テーブルを参照することにより通信特性を選択するものである。
上記構成によれば、補正値演算部が演算参照テーブルを参照することにより、補正値を演算すべき通信特性を選択するので、通信特性の選択が容易に行われ得る。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のファクシミリ装置であって、前記演算参照テーブルは、前記複数の通信特性の少なくとも一部として、同一のエラーモードに対応づけられた少なくとも2つの通信特性を含んでおり、当該少なくとも2つの通信特性に対応づけて優先順位を更に記憶しており、前記補正値演算部は、前記演算参照テーブルを参照することにより、選択すべき通信特性が前記少なくとも2つの通信特性に該当する場合に、対応する補正値が限界に達していない通信特性の中で前記優先順位が最も高いものを選択するものである。
上記構成によれば、演算参照テーブルが、同一のエラーモードに対応づけられた少なくとも2つの通信特性を、それらに対応づけられた優先順位とともに記憶しており、補正値演算部が、演算参照テーブルを参照することにより、選択すべき通信特性が上記少なくとも2つの通信特性に該当する場合に、対応する補正値が限界に達していない通信特性の中で優先順位が最も高いものを選択するので、同一のエラーモードに対応して補正値を演算すべき通信特性が複数存在する場合においても、優先順位を参照することにより、何れかの通信特性を選択することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3記載のファクシミリ装置であって、前記演算参照テーブルは、前記2以上のエラーモードに対応づけて少なくとも2つの通信エラーの原因を記憶するエラー原因テーブルと、前記少なくとも2つの通信エラーの原因に対応づけて、前記補正値演算部が選択すべき前記複数の通信特性を記憶する補正値演算テーブルとを備えるものである。
上記構成によれば、演算参照テーブルがエラー原因テーブルと補正値演算テーブルとを備えるので、各々が作成容易なエラー原因テーブルと補正値演算テーブルとを組み込むことにより、演算参照テーブルを容易に構築することができると共に、一方のみを置き換えることによって、考慮すべきエラーモード、及び補正すべき通信特性を容易に変更することができる。すなわち、仕様変更が容易となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のファクシミリ装置であって、前記補正値演算部は、同一の通信先について、通信エラーが予め定められた通信回数まで連続して検出されなかった場合に、前記補正値テーブルが前記同一の通信先に対応づけて記憶する補正値が有れば、当該補正値を解消する方向へ変更するものである。
上記構成によれば、補正値演算部が、同一の通信先について、通信エラーが予め定められた通信回数まで連続して検出されなかった場合に、その通信先に対応づけられた補正値が有れば、この補正値を解消する方向へ変更するので、各通信特性について、通信エラーが継続して発生しないにも拘わらず、不必要に補正値を設定し続けるという不都合が解消される。
請求項6に記載の発明は、請求項2乃至4の何れかに記載のファクシミリ装置であって、前記補正値演算部は、前記演算参照テーブルを参照することにより、前記複数の通信特性のうち、対応するエラーモードの全てが同一の通信先について予め定められた通信回数まで連続して検出されない通信特性があった場合に、前記補正値テーブルが前記同一の通信先に対応づけて当該通信特性について記憶する補正値が有れば、当該補正値を解消する方向へ変更するものである。
上記構成によれば、補正値演算部が、演算参照テーブルを参照することにより、複数の通信特性のうち、対応するエラーモードの全てが同一の通信先について予め定められた通信回数まで連続して検出されない通信特性があった場合に、その通信先に対応づけられたその通信特性について設定された補正値が有れば、この補正値を解消する方向へ変更するので、各通信特性について、対応するエラーモードが継続して検出されないにも拘わらず、不必要に補正値を設定し続けるという不都合が解消される。
以上のように本発明のファクシミリ装置によれば、通信エラーの発生をより効果的に抑制することができる。
(装置の全体構成)
図1は、本発明の一実施形態によるファクシミリ装置の内部構成を概略的に示す側面図である。このファクシミリ装置は、ファクシミリ機能に加えて、コピー機能、プリンタ機能、及びスキャナ機能等の多機能を兼ね備えた複合機1として構成されている。複合機1は、本体部2と、本体部2の左方に配設されたスタックトレイ3と、本体部2の上部に配設された原稿読取部5と、原稿読取部5の上方に配設された原稿給送部6とを有している。
また、複合機1のフロント部には、操作部47が設けられている。この操作部47には、ユーザが印刷実行指示を入力するためのスタートキー471と、印刷部数等を入力するためのテンキー472と、各種複写動作の操作ガイド情報等を表示し、これら各種設定入力用にタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等からなる表示部473と、表示部473で設定された設定内容等をリセットするリセットキー474と、実行中の印刷(画像形成)動作を停止させるためのストップキー475と、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を切り換えるための機能切換キー477が備えられている。
原稿読取部5は、CCD(Charge Coupled Device)センサ及び露光ランプ等からなるスキャナ部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53とを備える。スキャナ部51は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データを制御部100(図2)へ出力する。また、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿読取スリット53を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを制御部100へ出力する。
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出するための給紙ローラ(図略)、搬送ローラ(図略)等からなる原稿搬送機構63を備える。原稿搬送機構63は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図略)を備え、原稿の両面の画像を原稿読取スリット53を介してスキャナ部51から読取可能にしている。
また、原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように本体部2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台52上面を開放することにより、原稿台52の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等を操作者が載置できるようになっている。
本体部2は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録紙を1枚ずつ繰り出して記録部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録紙に画像を形成する記録部40とを備える。
記録部40は、スキャナ部51で取得された画像データに基づきレーザ光等を出力して感光体ドラム43を露光する光学ユニット42と、感光体ドラム43上にトナー像を形成する現像部44と、感光体ドラム43上のトナー像を記録紙に転写する転写部41と、トナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる定着部45と、記録部40内の用紙搬送路中に設けられ、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等とを備える。
また、記録紙の両面に画像を形成する場合は、記録部40で記録紙の一方の面に画像を形成した後、この記録紙を排出トレイ48側の搬送ローラ462にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って記録部40の上流域に再度搬送し、記録部40により他方の面に画像を形成した後、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48に排出する。
図2は複合機1の概略構成を示す機能ブロック図である。複合機1は、装置全体の動作制御を司る制御部100を備えている。制御部100には、露光ランプ121及びCCD122等からなる原稿画像の読み取りが可能なスキャナ部120と、用紙搬送装置131,画像形成部132,転写部133及び定着部134等からなる記録部130とが接続されている。また、制御部100には、スキャナ部120で読み取られた文書データ等が一時的に保存される画像メモリ140と、大量の文書データを保存可能な記憶容量を有する大容量のHDD(記憶装置)150とが接続されている。
画像処理部160は、スキャナ部120による原稿読み取り時には、スキャナ部120から出力されるアナログ画像をデジタル画像に変換し、画質を向上させる画像処理を施した後、圧縮画像に変換する。なお、本明細書では説明を簡潔なものとするために、画像データをも適宜、画像と表現する。変換された圧縮画像は画像メモリ140に書き込まれる。制御部100は、画像メモリ140に書き込まれた圧縮画像を、文書管理の対象となるファイルデータとしてHDD150に格納する。また、登録文書のプリントアウト時には、HDD150又はネットワーク上の各コンピュータから、プリントアウト対象のファイルデータ(圧縮画像)が画像メモリ140に書き込まれ、画像処理部160は、当該圧縮されたファイルデータを伸張処理し、出力状態に応じた画像処理を施し、例えばレーザ露光の場合には、アナログの変調信号であるレーザ信号に変換する。記録部130(画像形成部132)は、例えばアナログ変調されたレーザ信号に基づいてプリントアウトを実行する。
制御部100は、不図示のCPU(Central Processing Unit;中央演算処理部)、このCPUの動作を規定するプログラムを格納するRAM(Random Access Memory)或いはROM(Read Only Memory)等の記憶部を有している。すなわち、制御部100はコンピュータを備えている。それにより、制御部100は、スキャナコントローラ101,ファクシミリコントローラ102,プリンタコントローラ103,コピーコントローラ104及びネットワークコントローラ105として機能する。
制御部100としてのコンピュータが読み取ることによってこれらの機能を実現するための上記プログラムは、HDD(ハードディスクドライブ)150等の不揮発性かつ大容量の外部記憶装置に格納しておき、上記RAM等の主記憶装置に適宜転送することにより、CPUによる実行に供することも可能である。上記プログラムは、ROM或いはCD−ROM等の記録媒体を通じて供給することも、後述するネットワークインタフェース210に接続されるネットワーク等の伝送媒体を通じて供給することも可能である。プログラムがROMを通じて供給される場合には、当該プログラムが記録されたROMを制御部100に搭載することにより、CPUによる実行に供することができる。プログラムがCD−ROMを通じて供給される場合には、CD−ROM読み取り装置を、例えば後述するパラレルインタフェース部181へ接続し、当該プログラムをRAM或いはHDD150へ転送することにより、CPUによる実行に供することができる。また、プログラムが伝送媒体を通じて供給される場合には、ネットワークインタフェース210等を通じて受信したプログラムをRAM或いはHDD150へ転送することにより、CPUによる実行に供することができる。
スキャナ部コントローラ101は、スキャナ動作に必要な各部の動作制御を行うものである。
ファクシミリコントローラ102は、ファクシミリ動作に必要な各部の動作制御を行うものであり、ファクシミリ通信に必要なデータの調整を行うファクシミリ通信部170を制御する。ファクシミリ通信部170は、符号・復号化部(CODEC;コーデック)171、モデム172及びNCU(Network Control Unit)173を備えている。NCU173は、データを送受信する相手、すなわち通信先であるファクシミリ装置との電話回線を通じた接続を制御するものである。モデム172は、ファクシミリコントローラ102から符号・復号化部171を通じて送られるデジタルの送信信号をアナログの変調信号へ変換する(すなわち、変調する)とともに、NCU173を通じて入力されるアナログの変調信号である受信信号を復調し、デジタル信号へ変換するものである。
符号・復号化部171は、ファクシミリコントローラ102から送られる送信信号を符号化してモデム172を介してNCU173へ送るとともに、NCU173からモデム172を介して送られてくる受信信号を復号化してファクシミリコントローラ102へ伝える。符号・復号化部171は、例えば、画像データを一次元符号化方式(MH)で復号化するものと、二次元符号化方式(MR)で復号化するものとが選択的に使用可能なように構成されている。なお、MR方式に代えて、あるいはMR方式とともに、先頭ラインがMH方式で符号化されたデータをその頁分だけMR方式で符号化するMMR方式によるデータを復号化する方式を採用することもできる。
複合機1を用いることにより、スキャナ部120で読み取られた画像データを、ファクシミリ通信部170を通じて通信先のファクシミリ装置へ送信することができ、通信先からファクシミリ通信部170を通じて受信した画像データを記録部130によって記録紙にプリントアウトすることができる。すなわち、複合機1は通常のファクシミリ装置が有する通信機能を実現する。複合機1は、それに加えて、ネットワーク上のコンピュータからネットワークインタフェース210を通じて受信した画像データを、ファクシミリ通信部170を通じて通信先のファクシミリ装置へ送信することも、逆に通信先からファクシミリ通信部170を通じて受信した画像データを、ネットワークインタフェース210を通じてネットワーク上のコンピュータへ配信することも可能にする。複合機1は更に、HDD150等に蓄積される画像データを、ファクシミリ通信部170を通じて通信先のファクシミリ装置へ送信することも、逆に通信先からファクシミリ通信部170を通じて受信した画像データを、HDD150等に蓄積することも可能にする。
コピーコントローラ104は、コピー動作に必要な各部の動作制御を行うものである。プリンタコントローラ103は、プリンタ動作に必要な各部の動作制御を行うものである。このプリンタコントローラ103には、複数の信号線を用いて同時に数ビットまとめてデータを送るパラレル伝送で外部機器と接続するパラレルI/F(インタフェース)部181と、単一の信号線を用いて1ビットずつ順次データを送るシリアル伝送で外部機器と接続するシリアルI/F(インタフェース)部182とが接続されている。
ネットワークコントローラ105は、本複合機1とネットワーク上のコンピュータ、更には、インターネット上のサイトとの間で行われるデータ送受信を制御するものである。ネットワークコントローラ105は、ネットワークI/F部210に、外部とデータを送受信させる。
操作パネル部190は、複合機1の操作に必要な各種の指示を操作者(ユーザ)が入力するためのものである。操作パネル部190は、LCD(liquid crystal display)等からなり、複合機1の操作に必要な各種操作メッセージや登録文書の各種情報が表示される表示部191と、プリントアウト実行指示や文書のプリントアウト部数等が入力されるテンキー等からなる操作キー部192とを有している。なお、表示部191は、タッチパネル機能を備え、操作者が当該タッチパネルに接触することによって必要な指示を入力できる構成を有することが好ましい。ファクシミリ機能を用いて画像データを送信する場合には、ユーザは、操作パネル部190を操作することにより、通信先をファクシミリ番号で指定したり、ユーザが予め登録している短縮ファクシミリ番号で指定したりすることができる。
管理用メモリ200は、HDD150に格納された登録文書の管理情報及び文書コード等が格納されるものである。
(ファクシミリコントローラの構成)
図3は、ファクシミリコントローラ102の機能に基づく内部構成を示すブロック図である。ファクシミリコントローラ102は、補正値演算部300、エラーモード検出部310、演算参照テーブル320、補正値テーブル330、補正値設定部340及び通信先情報取得部350を備えている。エラーモード検出部310は、通信エラーが発生したときに、通信エラーの形態であるエラーモードを検出する。エラーモードには、ファクシミリコントローラ102の機能として検出されるものと、モデム172によって検出されるものとが含まれる。エラーモード検出部310は、これら双方のエラーモードを検出するものであり、ファクシミリコントローラ102とモデム172の双方に属する。ファクシミリコントローラ102としてのコンピュータ及びモデム172は、エラーモードに予め対応づけられた識別符号であるエラーコードの形態で、検出したエラーモードを出力する。ファクシミリコントローラ102及びモデム172が、エラーモードを検出し、対応するエラーコードを出力する技術自体は、ファクシミリ装置の分野において従来周知であるので、その詳細な説明を略する。
補正値演算部300は、エラーモード検出部310が検出したエラーモードでの通信エラーの再発生を抑制するために、予め定められた複数の通信特性から何れか一つ又はそれ以上を選択し、選択した通信特性に対する補正値を演算する。複数の通信特性として、本実施の形態では、通信速度、最低着信レベル、信号入力時間、5種類のタイムアウト、及びゲイン対周波数(すなわち、ゲインの周波数特性)の9種類の通信特性が、予め定められている。補正値演算部300は、エラーモードに対応して各通信特性に対する補正値を演算するための通信速度演算部301、最低着信レベル演算部302、信号入力時間演算部303、タイムアウト演算部304、及びゲイン対周波数演算部305を備えている。補正値演算部300は、演算参照テーブル320を参照することにより、エラーモード検出部310が検出したエラーモードに応じて、補正値を演算すべき通信特性を選択する。演算参照テーブル320は、補正値演算部300が通信特性の選択を容易に行うことを可能にする。
図4は、演算参照テーブル320の内容を例示する説明図である。演算参照テーブル320は、複数のエラーモードに対応する複数のエラーコードと、これらに対応する通信エラーの原因(以下、エラー原因)と、エラー原因に対応する通信特性とを記憶している。すなわち、演算参照テーブル320は、エラーコードとエラー原因とを対応づけて記憶するエラー原因テーブル321(図3)と、エラー原因と補正値を演算すべき通信特性とを対応づけて記憶する補正値演算テーブル322(図3)とを有している。補正値演算部300は、双方のテーブル321及び322を参照することにより、エラーモード検出部310が検出したエラーモードに対応する通信特性を特定することができる。
演算参照テーブル320は、例えば複合機1の製造過程でマニュアルにより作成され、制御部100が備えるROM等に書き込まれる。図4の例では、演算参照テーブル320は、7種類のエラーモードに対応するエラーコードA〜Gを記憶している。また、演算参照テーブル320は、エラー原因として、通信信号に現れるジッタ、エコー、瞬断、遅延、ノイズ、周波数特性の劣化、及び信号レベルの低下を記憶している。更に、演算参照テーブル320は、補正値を演算すべき通信特性として、既に述べた5つの通信特性を記憶している。なお、ジッタとは、受信信号の到着時間の揺らぎを意味する。エコーとは、送信信号が反射して受信信号に重畳する現象をいう。瞬断とは通信先との接続が一時的に断たれる現象をいう。遅延とは、受信信号の到着の遅れをいう。ノイズとは、受信信号に重畳する雑音信号をいう。周波数特性とは、受信信号のレベルの周波数特性を意味する。更に、信号レベルとは、受信信号のレベルを意味する。
図4において、エラーコードAは、エラー原因としてのジッタとエコーとの双方に対応している。また、ジッタは通信速度に対応し、エコーは最低着信レベルと信号入力時間との双方に対応している。従って、エラーコードAは、通信速度、最低着信レベル及び信号入力時間の3つの通信特性に対応している。このように演算参照テーブル320が、1対複数の対応関係を含む場合には、優先順位を同時に記憶しておくと良い。エラーコードAは、ジッタとエコーとに対応するので、図4に数値1,2で示すように、例えばジッタに第1位、エコーに第2位の優先順位が付される。また、エコーは、最低着信レベルと信号入力時間とに対応するので、図4に数値1,2で示すように、例えば最低着信レベルに第1位、信号入力時間に第2位の優先順位が付される。その結果、演算参照テーブル320は、エラーコードAが対応する通信速度と最低着信レベルと信号入力時間との3つの通信特性に対応づけて、図4に数値(1)〜(3)で示すように優先順位を記憶していることと同等となる。すなわち、通信速度に第1位、最低着信レベルに第2位、信号入力時間に第3位の優先順位が付されていることと同等となる。
エラーモード検出部310がエラーコードAを検出したときには、補正値演算部300は、直接にはエラー原因テーブル321に付された優先順位1,2と補正値演算テーブル322に付された優先順位1,2とを参照することにより、結果として、3つの通信特性に対応する優先順位(1)〜(3)を把握することができる。補正値演算部300は、把握した優先順位(1)〜(3)に基づいて、補正値を演算すべき通信特性として、通信速度を最優先に選択し、次に最低着信レベルを選択し、最後に信号入力時間を選択する。各補正値が取り得る範囲には限界がある。このため、補正値演算部300は、例えば通信速度の補正値が既に限界に達しておれば、優先順位第2位の最低着信レベルを選択し、最低着信レベルの補正値も限界に達しておれば、優先順位第3位の信号入力時間を選択する。
図3及び図4には、演算参照テーブル320がエラー原因テーブル321と補正値演算テーブル322とを備え、エラーコードがエラー原因を介して通信特性に対応づけられている例を示した。これに対して、演算参照テーブル320がエラー原因テーブル321と補正値演算テーブル322とを備えることなく、エラーコードが通信特性に直接に対応づけられていてもよい。この場合には、エラーコードAに対応する3つの通信特性に、優先順位(1)〜(3)が付される。
しかしながら、演算参照テーブル320がエラー原因テーブル321と補正値演算テーブル322とを備える図3及び図4の形態は、各々が作成容易なエラー原因テーブル321と補正値演算テーブル322とを組み込むことにより、演算参照テーブル320を容易に構築することができるという利点を有している。更に、一方のテーブルのみを置き換えることによって、考慮すべきエラーモード、及び補正すべき通信特性を容易に変更することができる。すなわち、図3及び図4の形態は、演算参照テーブル320の容易な変更を可能にするという利点をも有している。
演算参照テーブル320は、同一のエラーコードに対応する複数の通信特性に、優先順位を付さない形態をも採ることができる。この場合には、補正値演算部300は、例えばエラーモード検出部310がエラーコードAで表されるエラーモードを検出した場合には、エラーコードAに対応する3つの通信特性の何れについても、補正値を演算してもよい。このように、補正値演算部300は、検出されたエラーモードに対応する通信特性を、2以上選択しても良い。
補正値演算部300は、演算参照テーブル320を参照することにより、通信速度を選択する場合には、通信速度を低下させるように、通信速度に対する補正値を演算する。この場合、補正値演算部300は、規定する通信速度領域の高い規格から低い規格へ、通信を許可すべき通信規格を変更することを前提として、補正値の演算を行っても良い。例えば、ITU−T(国際電気通信連合の電気通信標準化部門)のVシリーズ勧告のうち、高い通信速度領域を規定するV34規格から、それよりも低い通信速度領域を規定するV29規格、或いはV17規格へ変更することを前提として、通信速度を低下させるように補正値を演算してもよい。
補正値演算部300は、最低着信レベルを選択した場合には、受信信号のレベルを引き上げるべく増幅器のゲインの補正値を演算する。補正値演算部300は、信号入力時間を選択した場合には、信号入力時間を長くするように、後述するエコー検出タイマーの設定時間T0に対する補正値を演算する。補正値演算部300は、5種類のタイムアウトの何れかを選択した場合には、後述する各種のタイマー設定時間T1〜T5のうち、何れか対応するものを長くするように、設定時間T1〜T5に対する補正値を演算する。また、補正値演算部300は、ゲイン対周波数を選択した場合には、受信信号のレベルの周波数特性を改善するように、イコライザに指示する補正値を演算する。このように、補正値演算部300は、通信エラーの再発生を抑制するように、通信特性の補正値を演算する。
図3に戻って、補正値演算テーブル322は、補正値演算部300が演算した補正値を、通信エラーが発生した通信先に対応づけて記憶する。すなわち、補正値演算テーブル322は、図3に例示するように、通信先毎に各通信特性の補正値を記憶している。何れの通信特性についても補正値が演算されていない通信先については、補正値演算テーブル32は、情報を記憶する必要はない。補正値演算テーブル330は、例えばファクシミリ番号、或いはユーザが予め登録している短縮ファクシミリ番号の形式で、通信先を記憶する。
通信先情報取得部350は、新たな通信が開始される時に、ユーザが操作パネル部190を操作することにより入力する通信先、例えばファクシミリ番号を取得し、補正値設定部340へ伝える。補正値設定部340は、補正値演算テーブル322を参照することにより、通信先情報取得部350が伝える通信先に対応する補正値を特定し、当該補正値を、対応する通信特性に設定する。補正値演算テーブル322が記憶する通信速度に関する補正値が、通信規格の変更を前提とするものである場合には、補正値設定部340は、変更すべき通信規格による通信の許可をも同時に行う。
(通信特性に対する補正値の例)
図5は、複合機1がファクシミリ機能に基づいて、画像データを送信する場合に、G3規格に従って行う伝送制御手順を示すシーケンス図である。G3規格は、ITU−T勧告に基づくファクシミリ装置の規格の一つであり、ファクシミリ装置において現在最も広く採用されているものである。図5において、受信側は、送信側からのCNG信号(呼出音)を受信すると、送信側にCED信号(被呼端末識別信号)を送信した後、NSF・CSI・DIS信号(各識別信号)を送信する。送信側は、これらの信号を検出すると、TSI信号とともに、DCS信号を送信して、通信モードを選択する。
その場合、受信側は、DCS信号で選択された符号化方式,記録幅等の画像デ−タと、後に送られてくる画像データとが異なる場合、受信データの処理を正常に行える場合にはその処理を続行するが、正常処理が不可能な場合には、通信エラーとして通信を停止する。また、送信側は、DCS信号を送信した後、TCF信号(トレーニングチェック信号)を送信し、受信側からのCFR信号(受信準備確認信号)を待って原稿の送信を開始する。送信側は、CFR信号を検出すると、フレーム単位で、PIX(画像データ)とRTC(フレーム終了符号)を送信する。
その場合、受信側は、画像データ伝送方式として、ECM(自動誤り訂正方式)で受信する場合には、送信側から無意味なフレーム、例えばRTCを受信した後に、別のフレ−ム(PIX)を受信した場合でも、直ちに通信エラ−として処理せず、一応そのフレームを受信して、次の処理を続行する。すなわち、送信側は、1ページ分の画像データの送信を終えると、EOM信号(終了信号)を送信して、受信側からのMCF信号(確認信号)を待つ。その場合、受信側は、ECMで通信する際に、ECMによって正常なラインが1ラインも(あるいは所定ライン数)ないフレ−ム(PIX)を受信した場合には、通信エラーとして通信を停止する。
次に、送信側は、次ページの画像データを上記同様の手順で送信する。受信側がすべての画像データを受信すると、送信側はDCN信号(切断命令信号)を送信し、通信を終了する。
図5に示した通信のプロセスにおいて、エラー原因としての、ジッタ、遅延、ノイズ、周波数特性の劣化、及び信号レベルの低下は、画像データ(PIX)の送信が行われている期間に問題となる。エコーは、通信プロセスのどの部分においても発生し得るが、問題となるのは、画像データ(PIX)へのエコーの重畳である。遅延については、受信側がNSF・CSI・DIS信号(各識別信号)を送信した後、TSI信号とともにDCS信号を受信するまでの時間の遅延も問題となる。瞬断は、通信プロセスの全ての段階において問題となる。
図5には、各種タイマーの設定時間T0、T1、・・・T5を同時に示している。エコー検出タイマーの設定時間T0は、図4に示した「信号入力時間」に相当するものであり、エコーによる誤検知を回避するために、信号を受け取らないように設定された期間である。言い換えると、設定時間T0は、エコーの入力を防ぐために、受信側が信号の入力をマスクする期間である。
設定時間T1〜T5は、ITU−TのTシリーズ勧告T.30に基づくタイマー設定時間である。すなわち、設定時間T1は、発呼/着呼から、いわゆるフェーズBまでの期間である。設定時間T2は、受信側応答から送信側返信までの期間である。設定時間T3は、会話予約に関する期間であり、画像データの送信/受信の後に、会話予約要求信号が出力されてから通信先の応答があるまでの期間である。設定時間T4は、送信側の信号送信から受信側の応答までの期間である。設定時間T5は、ECMのフロー制御において設定される最大遅延時間である。すなわち、設定時間T5は、ECM送信時に、データ送信が終了してから受信側でデータが展開されるまでの待ち時間である。待ち時間の間は、受信側はダミー信号を応答として返す。
既に述べたように演算参照テーブル320は、送信側として機能する複合機1が、検出されたエラーモードに基づいてこれらの設定時間T0〜T5の何れを補正すべきかを予め記憶している。
(装置の動作)
図6は、複合機1がファクシミリ装置として機能し、かつ送信側として機能する場合の動作手順を示すフローチャートである。処理が始まると、ユーザは原稿をスキャナ部120へセットする(S1)。次に、ユーザは操作キー部192を操作することにより、通信先のファクシミリ番号を入力する(S2)。次に、ユーザは操作キー部192のうち、ファクシミリ送信開始を指示するスタートキーを押下する(S3)。
すると、補正値設定部340は、通信先情報取得部350を通じて取得する通信先に対応づけられた補正値が、補正値演算テーブル322に記憶されているか否かを判断する(S4)。当該補正値が補正値演算テーブル322に記憶されていなければ(S4でNo)、ファクシミリコントローラ102は、通信先に向けて発呼する(S5)。通信先が発呼に応答することにより接続が確立すると、ファクシミリコントローラ102は、通信プロトコルに従って所定の制御信号を自身と通信先との間で送受信する(S6)。このステップS6において、送信側と受信側との間で一種のトレーニングが行われ、通信状態に応じて通信を維持しつつフォールバックも行われる。
次に、ファクシミリコントローラ102は、セットされた原稿から読み取られた画像データの送信を開始する(S7)。その後、或いは、それより以前において、通信エラーが発生すると(S8)、エラーモード検出部310がエラーモードを検出し、対応するエラーコードを出力した後、ファクシミリコントローラ102は、通信回線を切断する(S10)。続いて、補正値演算部300は、演算参照テーブル320を参照することにより、エラーモード検出部310が出力するエラーコードに対応する通信特性を選択し、選択した通信特性に対して補正値を演算する。補正値演算テーブル322は、補正値演算部300が演算した補正値を、通信先と対応づけて記憶する(以上、S11)。その後、処理は終了する。
ステップS7においてファクシミリ送信開始が開始されて後、終了するまで、通信エラーが発生しなかった場合には(S8でNo)、ファクシミリコントローラ102は、ファクシミリ送信が終了した後に、通信回線を切断する(S9)。その後、処理は終了する。
ステップS4において、通信先に対応づけられた補正値が補正値演算テーブル322に記憶されておれば(S4でYes)、補正値設定部340は、記憶されている補正値に、対応する通信特性を設定する。例えば、設定時間T1の補正値が記憶されておれば、補正値設定部340は、設定時間T1を補正値に設定する。それ以後は、ステップS5〜S11と同様の処理が実行される。
図7は、ある一つの通信特性、例えば設定時間T1に対する補正値が、通信回数と共に移り変わる様子を例示するグラフである。図7では、設定時間T1について、補正値が1から5までの5段階に設定されているものとしている。この場合には、補正値の限界値は5である。補正値が大きいほど、設定時間T1は長くなり、例えば設定時間T1を超えた遅延が発生し難くなる。すなわち、この場合、補正値は設定時間T1の延長時間に対応している。補正値0は、設定時間T1が初期値のままであること、すなわち補正が行われないことに対応する。
第2回の通信において、設定時間T1に対応するエラーモードの通信エラーが発生しており、それにより設定時間T1に対する補正値が1と演算され、補正値演算テーブル322に記憶される。次の第3回の通信では、通信開始時に設定時間T1が補正値1に設定される。第3回の通信では、設定時間T1に対応するエラーモードの通信エラーは発生せず、その結果、設定時間T1の補正値は1のまま維持される。次の第4回の通信では、再び設定時間T1に対応するエラーモードの通信エラーが発生しており、それにより設定時間T1に対する補正値が2へ更新される。以下同様にして、設定時間T1に対応するエラーモードの通信エラーが発生する毎に、設定時間T1に対する補正値が1段階上昇するように変更される。
以上のように複合機1は、発生したエラーモードに応じて、予め定められた複数の通信特性から何れかを選択し、選択した通信特性に対する補正値を、エラーモードの再発生を抑制するように演算し、通信開始時に、通信先に応じて通信特性を、演算した補正値に設定する。それにより、通信開始時に、エラーモードに応じた種類の通信特性が、通信先に応じて補正される。このため、通信速度のみを補正する従来技術とは異なり、通信エラーの発生がより効果的に抑制される。
(補正値の引き戻し)
図8は、複合機1がファクシミリ装置として機能し、かつ送信側として機能する場合の動作手順の別の例を示すフローチャートである。図8の動作手順は、ステップS9の後にステップS31〜S33が実行される点、及びステップS10の後にステップS40が実行される点において、図6の動作手順とは異なっている。ステップS40では、補正値演算部300は、今回の通信先に対応づけられた制御変数kを0に初期化する。続くステップS11では、補正値演算テーブル322は、補正値演算部300が演算した補正値とともに制御変数k(=0)を、通信先と対応づけて記憶する。
ステップS31では、補正値演算部300は、補正値演算テーブル322が今回の通信先に対応する制御変数kを記憶しておれば、この制御変数kをインクリメントする。続くステップS32では、補正値演算部300は、制御変数kを予め設定された値、図8の例では5と比較する。制御変数kが5と一致すれば(S32でYes)、補正値演算部300は、今回の通信先に対応する補正値を、例えば1段階引き戻す(S33)。その後、補正値演算部300は、制御変数kを0に初期化する(S34)。制御変数kが5と一致しなければ(S32でNo)、補正値演算部300は、今回の通信先に対応する補正値をそのまま維持する。
図9は、ある一つの通信特性、例えば設定時間T1に対する補正値が、図8の処理により通信回数と共に移り変わる様子を例示するグラフである。図9では図7と同様に、設定時間T1について、補正値が1から5までの5段階に設定されているものとしている。
第10回の通信において、第5回の通信以来、5回連続して通信エラーが発生していない。その結果、設定時間T1に対する補正値が3から1段階引き戻され、2と演算され、補正値演算テーブル322に記憶される。同様に、第21回、第26回及び第31回の通信において、5回連続して通信エラーが発生していないため、設定時間T1に対する補正値が1段階ずつ引き戻されている。このように、図8の動作手順によれば、各通信特性について、通信エラーが継続して発生しないにも拘わらず、不必要に補正値を設定し続けるという不都合が解消される。
(その他の実施形態1)
ファクシミリコントローラ102は、図8の動作手順を以下のように一部変形して実行しても良い。ステップS40では、補正値演算部300は、演算参照テーブル320を参照することにより、エラーモード検出部310が出力するエラーコードに対応する通信特性を選択し、今回の通信先及び選択した通信特性に対応づけられた制御変数kを0に初期化する。続くステップS11では、補正値演算テーブル322は、補正値演算部300が演算した補正値とともに制御変数k(=0)を、通信先に対応づけて記憶する。それにより、補正値演算テーブル322は、制御変数kを通信先及び通信特性毎に個別に保持することとなる。補正値演算部300は、ステップS9の後にステップS31〜S34を制御変数k毎すなわち通信特性毎に個別に実行する。補正値演算部300は、更にステップS40の後においても、ステップS40で初期化されなかった制御変数k毎にステップS31〜S34と同一の処理を個別に実行する。
このように変形された図8の動作手順により、各通信特性について、当該通信特性に対応するエラーモードが、同一の通信先について例えば5回連続して発生しなければ、補正値演算部300は、当該通信特性に対する補正値を1段階引き戻すこととなる。従って、各通信特性について、対応するエラーモードが継続して検出されないにも拘わらず、不必要に補正値を設定し続けるという不都合が解消される。
(その他の実施形態2)
上記実施の形態では、ファクシミリ装置として、ファクシミリ機能を有する複合機1を例示した。しかしながら、本発明のファクシミリ装置は、複合機に限らず、ファクシミリ専用機はもちろん、ファクシミリ機能を有する装置一般を広く包含するものである。
(その他の実施形態3)
図7及び図9では、補正値が5段階の値を取る例を示したが、これは言うまでもなく一例であって、例えば1段階の値のみを取ってもよい。優先順位が付された複数の通信特性に対する補正値が、いずれも1段階の値のみを取り得る場合には、補正値演算部300は、優先順位第1位の通信特性について補正値が既に設定されておれば、優先順位第2位の通信特性を選択することとなる。優先順位第2位の通信特性についても補正値が既に設定されておれば、補正値演算部300は、優先順位第3位の通信特性について補正値を設定することとなる。このように、優先順位が付された複数の通信特性の間で、対応するエラーモードが検出される度に、補正値が優先順位に従って順に設定されることとなる。
本発明の実施形態によるファクシミリ装置の概略内部側面図である。 図1のファクシミリ装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 図2のファクシミリコントローラの機能ブロック図である。 図3の演算参照テーブルの内容を例示する説明図である。 図1のファクシミリ装置による伝送制御手順を示すシーケンス図である。 図1のファクシミリ装置の動作手順を示すフローチャートである。 図1のファクシミリ装置の動作説明図である。 図1のファクシミリ装置の動作手順の別の例を示すフローチャートである。 図1のファクシミリ装置の図8の手順に基づく動作説明図である。
符号の説明
1 複合機(ファクシミリ装置) 300 補正値演算部
310 エラーモード検出部 320 演算参照テーブル
321 エラー原因テーブル 322 補正値演算テーブル
330 補正値テーブル 340 補正値設定部
A〜G エラーコード(エラーモード)

Claims (6)

  1. 通信エラーが発生したときに当該通信エラーの形態であるエラーモードを検出するエラーモード検出部と、
    前記エラーモード検出部が検出したエラーモードでの通信エラーの再発生を抑制するために、予め定められた複数の通信特性から何れか一つ又はそれ以上を選択し、選択した通信特性に対する補正値を演算する補正値演算部と、
    前記補正値演算部が演算した前記補正値を、通信エラーが発生した通信先に対応づけて記憶する補正値テーブルと、
    通信開始時に、前記補正値テーブルが、通信を開始した通信先に対応して記憶する補正値が有れば、当該補正値に、対応する通信特性を設定する補正値設定部とを備えるファクシミリ装置。
  2. 前記複数の通信特性を、2以上のエラーモードに対応づけて記憶する演算参照テーブルを更に備え、
    前記補正値演算部は、前記演算参照テーブルを参照することにより通信特性を選択する請求項1記載のファクシミリ装置。
  3. 前記演算参照テーブルは、前記複数の通信特性の少なくとも一部として、同一のエラーモードに対応づけられた少なくとも2つの通信特性を含んでおり、当該少なくとも2つの通信特性に対応づけて優先順位を更に記憶しており、
    前記補正値演算部は、前記演算参照テーブルを参照することにより、選択すべき通信特性が前記少なくとも2つの通信特性に該当する場合に、対応する補正値が限界に達していない通信特性の中で前記優先順位が最も高いものを選択する請求項2記載のファクシミリ装置。
  4. 前記演算参照テーブルは、
    前記2以上のエラーモードに対応づけて少なくとも2つの通信エラーの原因を記憶するエラー原因テーブルと、
    前記少なくとも2つの通信エラーの原因に対応づけて、前記補正値演算部が選択すべき前記複数の通信特性を記憶する補正値演算テーブルとを備える請求項2又は3記載のファクシミリ装置。
  5. 前記補正値演算部は、同一の通信先について、通信エラーが予め定められた通信回数まで連続して検出されなかった場合に、前記補正値テーブルが前記同一の通信先に対応づけて記憶する補正値が有れば、当該補正値を解消する方向へ変更する請求項1乃至4の何れかに記載のファクシミリ装置。
  6. 前記補正値演算部は、前記演算参照テーブルを参照することにより、前記複数の通信特性のうち、対応するエラーモードの全てが同一の通信先について予め定められた通信回数まで連続して検出されない通信特性があった場合に、前記補正値テーブルが前記同一の通信先に対応づけて当該通信特性について記憶する補正値が有れば、当該補正値を解消する方向へ変更する請求項2乃至4の何れかに記載のファクシミリ装置。
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