JP2005244336A - 電子回路モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】電力増幅器で増幅した送信信号は非常に高出力であることから、電子回路モジュールが小型化すると電磁波の干渉、電磁結合によって信号の漏洩や、デュプレクサ、分波回路の特性劣化によって、電子回路モジュールの送受信特性が悪化する問題があった。
【解決手段】複数の誘電体層を積層して成る誘電体基板表面に、少なくとも電力増幅素子を搭載し、且つ前記誘電体基板表面または内部に分波または合波回路、あるいは弾性表面波素子を搭載した電子回路モジュールにおいて、電力増幅素子と、前記分波または合波回路あるいは弾性表面波素子とを平面的に重ならない位置に形成するとともに、電力増幅素子と前記分波または合波回路と、あるいは弾性表面波素子との間に干渉防止接地部を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は携帯型情報端末機、無線LAN、WLL(Wireless Local Loop)等の電子機器・電子装置等に用いられる、高周波電力増幅器、高周波フィルタおよび高周波分波器を一体構成した高周波モジュールなどに好適な電子回路モジュールに関するものである。
近年、無線による情報伝達量の増加、高速化が進んでいる。このため1周波数帯のみの通信から複数の周波数帯を活用した通信が展開されるため、シングルバンド方式の携帯電話機からデュアルバンド方式の携帯電話機が提案されている。デュアルバンド方式の携帯電話機は、1台の携帯電話機内に2つの送受信系を搭載するもので、地域性や使用目的等に合った送受信系を選択して送信することができるようにした利便性の高い機器として期待されているものである。
すでに米国ではセルラーバンド(800MHz帯)とPCSバンド(1900MHz帯)の双方を搭載したデュアルバンド方式の携帯電話機が採用されている。
このデュアルバンド方式の携帯電話機の高周波回路部は、図8の回路図に示されるとおり、アンテナ(ANT)側から見ると、通過周波数帯域を分波回路にて分岐された後、誘電体デュプレクサやSAWデュプレクサなどにて送信系と受信系に分波される(特許文献1、2参照)。受信系はデュプレクサからLNA(低雑音増幅器)、受信帯域通過フィルタに接続されており、送信系は送信用バンドパスフィルタ、電力増幅器、検波回路、アイソレータから構成されており、デュプレクサの送信側端子と接続されている。
送信時には、電力増幅器で増幅された送信信号が、検波回路、アイソレータ、デュプレクサ、分波回路を経由してアンテナから高周波信号として送信され、受信時は、アンテナで受信された高周波信号は分波回路、デュプレクサを介して取り出され、帯域通過フィルタでフィルタリングされた後、LNAで増幅される。
デュアルバンド方式の携帯電話機では、各送受信系の構成に必要な回路を搭載する必要があるが、それぞれ個別の専用部品を用いて回路を構成すれば、機器の大型化を招来することとなる。そこで、共通可能な回路部分は、可及的に共通化するようにして機器の小型化、低コスト化を有利に展開する事が要請されている(特許文献3参照)。
特開平11−112382号 特開平11−355205号 特開2001−177433号
今日、デュアルバンド方式においては、構成する部品を所定の誘電体基板上に実装するタイプで構成されており、回路構成にアイソレータが含まれることと、デュプレクサなどの構成部品自身の体積が大きいことから、モジュール化の検討は進んでいなかった。
また、デュプレクサ、送信用電力増幅器の各部品をプリント配線基板上にそれぞれ実装した場合、そのままでは携帯電話機の高周波回路部としての特性を満足することは稀で、部品間に特性調整用の回路がさらに必要となるという設計時の制約と、その付設回路分だけ機器の大型化を招き、さらにその付設回路分だけの電力損失が発生することによる電力増幅器の電力付加効率の劣化を招くという問題があった。
そこで、電力増幅器、デュプレクサ、分波回路を一体化した電子回路モジュールを構成することによって、分波回路から電力増幅器までを構成する回路要素を一体化できるため、小型化が達成できる。また各部品を同時設計する事ができるため、モジュールとして最適な特性調整を行なうことができるため、低ロス化を実現することができる。
しかし、電力増幅器で増幅した送信信号は、非常に高出力であることから、モジュールを小型化していくと、電磁波の漏洩によってフィルタ部や分波、合波回路を通らない経路が発生し電子回路モジュールの特性が劣化する問題や、受信弾性表面波素子フィルタの減衰特性が劣化によって、送受信間のアイソレーションを確保できない問題があった。
従って、本発明は、上記の課題を解決し、電力増幅器と、分波回路あるいは合波回路と、デュプレクサとを一体化した電子回路モジュールにおける送受信間のアイソレーションを確保した電子回路モジュールを提供することを目的とするものである。
本発明の電子回路モジュールは、複数の誘電体層を積層して成る誘電体基板表面に、少なくとも電力増幅素子を搭載し、且つ前記誘電体基板表面または内部に分波または合波回路を形成してなり、前記電力増幅素子と前記分波または合波回路とを平面的に重ならない位置に形成するとともに、前記電力増幅素子と前記分波または合波回路との間に干渉防止接地部を設けたことを特徴とする。
なお、前記分波または合波回路は、デュプレクサ、FBAR、コンデンサ用導体パターンと分布定数線路からなる回路のいずれかからなる場合でもよい。
また、複数の誘電体層を積層して成る誘電体基板表面に、少なくとも電力増幅素子と弾性表面波素子を搭載してなる電子回路モジュールにおいて、前記電力増幅素子と前記弾性表面波素子の間に干渉防止接地部を設けたことを特徴とする。
なお、誘電体基板表面に、周波数帯域が異なる複数の電力増幅器が搭載されている場合、該複数の電力増幅器間にも前記干渉防止接地部を設けることが望ましい。
前記干渉防止接地部は、少なくとも誘電体基板表面に形成された接地用導体帯と、前記誘電体基板の内部または裏面に形成された接地層と、前記接地用導体帯と前記接地層とを電気的に接続する接続導体を具備することが望ましい。
そして、前記接続導体が、下記数1の間隔W
(数1)
W≦1/8×λg=1/8×(C/εr1/2)×f
(C:光速、εr:積層基板の実効誘電率、f:通過周波数)
に配置した複数のビアホール導体からなること、または前記誘電体基板を垂直方向に貫通する導体壁からなることが望ましい。
誘電体基板の表面や内部に、分波または合波回路を構成した際、電力増幅素子から発生した電磁波が誘電体層内部を経由して分波または合波回路の分布定数線路に信号が漏洩する場合がある。分波または合波回路を形成する内層のインダクタが電力増幅素子に近接していると、弾性表面波素子からなるデュプレクサや分波回路のコンデンサ部分を通過せず、信号が短縮経路で漏洩するため、不要周波数の信号を減衰出来ない、分波回路の特性が劣化する等原因になる。しかし電力増幅素子と分波または合波回路の間に干渉防止接地用パターンが設けたことにより、構成回路を飛び越えて信号が漏洩する経路を遮断することが出来るため、良好な特性を有する電子回路モジュールを提供することができる。
また、強力な電磁波が電力増幅素子から放出されると、弾性表面波素子を越えて次の回路素子や受信側回路へと電磁結合により信号が漏洩するため、充分なフィルタリングが出来ない。またデュプレクサ回路において、受信用弾性表面波素子のグランドは、周囲の電磁波の影響を特に受けやすく、電力増幅素子から延伸する出力整合回路が受信用弾性表面波素子のグランドに近接した場合、減衰特性が急激に劣化することがあった。
しかし電力増幅素子と弾性表面波素子の間に干渉防止接地用パターンを設けることで、信号の漏洩経路を遮断でき、電磁波の影響を受けにくい配置に出来るので、良好な特性を有する電子回路モジュールを提供することができる。
このように、電力増幅素子と弾性表面波素子の間、電力増幅素子と分波、合波回路の間、さらには送信系の周波数帯域が異なる複数の電力増幅器間に干渉防止接地部を設けることによって、電磁結合する経路を遮断し、信号の漏洩を防止できる。またデュプレクサの受信用弾性表面波素子のグランドに対して、電力増幅素子から発生する電磁波の影響を受けにくい配置となるので、デュプレクサの特性を良好に維持することが出来る。その結果、特性劣化を引き起こすことなく、良好な送受信特性の電子回路モジュールを提供することができる。
図1は、本発明に係る電子回路モジュールのブロック図である。電子回路モジュール1は、通過帯域の異なる複数の送受信系を各送受信系セルラー(800MHz帯)、PCS(1900MHz帯)に分ける分波回路2と、各送受信系セルラー、PCSを送信系TXと受信系RXとに分波するデュプレクサ3A、3Bと、デュプレクサ3A、3Bの各送信系TX側に設けられた、電力増幅器4A、4Bの出力をモニタするカプラ5A、5Bと、電力増幅器を構成する整合回路6A、6B、電力増幅素子7A、7B、入力の帯域通過フィルタ8A,8Bで構成されている。
電力増幅素子7A、7Bは、入力信号を増幅させる機能を持ち、小型化、高効率化を図るためにGaAs HBT(ガリウム砒素ヘテロジャンクションバイポーラトランジスタ)構造を有した半導体素子で形成されている。なお、本実施例ではGaAs HBT 半導体素子を電力増幅素子7A、7Bに用いているが、HBT構造のInGaP半導体素子や、p−HEMT構造のGaAs半導体素子やSiGeトランジスタで形成された半導体素子を用いてもよい。
整合回路6A、6Bは、それぞれ電力増幅素子7A、7Bの出力インピーダンスである0.5〜2Ωを30〜50Ωまでのインピーダンスに変換させる機能のほか、電力増幅素子7A、7Bの増幅性能を最大限まで引き出すための機能、及びカプラ5A、5Bと電力増幅器4A、4B間のインピーダンスを調整するためのものである。この電力増幅器4A、4Bは前述の電力増幅素子7A、7Bと整合回路6A、6Bとから構成されている。
図2は、本発明に係る電子回路モジュール1の概略断面図、図3はその概略平面図である。図2に示すように、電子回路モジュール1は、複数の誘電体層を積層して成る誘電体基板を具備する。誘電体基板を構成する誘電体材料には、例えばアルミナセラミックス、ムライトセラミックス、またはガラスセラミックスなどの低温焼成セラミックスや、有機樹脂材料とセラミック材料との混合系絶縁材料を用いることができる。とりわけ、導体としてCu、Agを使用し同時焼成にて各種の回路を形成する上では、ガラスセラミックスなどの低温焼成セラミックス、有機樹脂材料とセラミック材料との混合系絶縁材料が挙げられ、熱的安定性に優れる点で、ガラスセラミックスなどの低温焼成セラミックスが最も望ましい。
図2、図3の電子回路モジュールにおいては、8層のセラミック誘電体層2a〜2aが積層されて誘電体基板2が構成されており、セラミックグリーンシートの表面に導電ペーストを塗布して上述した各回路を構成する導体パターンをそれぞれ形成した後、導体パターンが形成されたグリーンシートを積層し、所要の圧力と温度の下で熱圧着し焼成して形成されている。また、各誘電体層2a〜2aには複数の層にわたって回路を構成乃至は接続するために必要なビアホール導体14が適宣形成されている。
また、誘電体基板2の最表面には、各種パターンのほか、チップ部品(集中定数素子)11、電力増幅素子7A、7B、弾性表面波素子9A、9Bが搭載されている。
また、この電子回路モジュールにおいては、デュプレクサ3A、3Bを構成する、弾性表面波素子9A、9Bや、帯域通過フィルタ8A、8Bが、導体バンプを介して誘電体基板2に形成された導体パターンから成る電極部と接地用シールリングに電気的に接続して搭載されている。導体バンプには、金や半田、熱硬化型Agペースト等を用いることができ、例えば金を用いる場合には、超音波熱圧着法により弾性表面波素子9A、9B、帯域通過フィルタ8A、8Bの電極と電極部とを電気的に接続させることが可能となる。
弾性表面波素子としては、例えば共振器型フィルタ・共振子ラダー型および格子型接続フィルタ・マルチIDT(Inter Digital Transducer)型フィルタ等が用いられる。弾性表面波素子が例えば共振器型フィルタの場合には、圧電体基板として、36°Yカット−X伝搬のLiTaO結晶、64°Yカット−X伝搬のLiNbO結晶、45°Xカット−Z伝搬のLiB結晶等が、電気機械結合係数が大きくかつ群遅延時間温度係数が小さいことから、好適に使用される。また、弾性表面波素子には、圧電体基板表面上に弾性表面波を励起させ、伝播・共振させるため、その表面に、互いに噛み合うように形成された少なくとも一対の櫛歯状電極のIDT(Inter Digital Transducer)電極(図示せず)を設ける。このIDT電極は、所望のフィルタ特性を得るために、複数対の櫛歯状電極を直列接続や並列接続等の方式で接続して構成される。このようなIDT電極は、圧電体基板上に蒸着法・スパッタリング法またはCVD法等の薄膜形成法により所望の形状・寸法に形成することができる。
この電子回路モジュール1において、本モジュールを構成する電力増幅素子7A、7Bの駆動電圧が低下すると、電力増幅器4A、4Bの出力レベル、および電力付加効率が劣化するため、電力増幅素子7A、7Bに電圧を供給する役割を持つ整合回路6A、6Bを形成する分布定数線路、コンデンサ用導体パターン、ビアホール導体の導体材料として、低抵抗導体である銀、または銅を用いることが望ましい。これにより、電力増幅器4A、4Bの駆動電圧の低下を最小限に抑制することが可能となる。
さらに、電力増幅素子7A、7BをAgまたはAuSnなどの導電性ペーストを用いてダイアタッチに固定するとともに、Auなどの細線(ワイア)により電力増幅素子7A、7B上の信号パターン、接地用パターンと基板面に形成した信号用パターン、接地用パターンとを電気的に接続することにより、小面積化、薄型化、低価格化を実現できる。
また、増幅回路素子7A、7Bは金あるいはアルミニウムなどのバンプを用いてフリップチップボンディング法を用いて搭載しても良い。この場合には、フリップチップボンディング法を用いて搭載することにより小面積化、薄型化、低価格化を促進できる。
本発明の電子回路モジュール1では、図3に示すように、電力増幅素子7A、7Bと、弾性表面波素子9A、9Bの間に干渉防止接地部10が設けられている。この干渉防止接地部10は、少なくとも誘電体基板2表面に接地用導体帯10aを具備する。また、この接地用導体帯10aは、誘電体基板2の裏面に形成された接地層10bと、誘電体基板2を垂直に貫通して形成された複数のビアホール導体10cによって電気的に接続されている。
このようにして、電力増幅素子7A、7Bと、デュプレクサを構成する弾性表面波素子9A、9Bとは、干渉防止接地部10によって分離され、電力増幅器4A、4Bと、弾性表面波素子9A、9Bとの間の電磁結合により信号が他の回路へ漏れることを抑制することができる。
なお、上記ビアホール導体10cは、直径(短径)が0.1〜0.3mmであることが適当であり、これらは下記数1の間隔W
(数1)
W≦1/8×λg=1/8×(C/εr1/2)×f
(C:光速、εr:積層基板の実効誘電率、f:通過周波数)
に配置することによって、電磁波がビアホール導体間の間隙から漏れるのを効果的に防止することできる結果、干渉防止接地部10の電磁波に対するシールド効果を高めることができる。
また、この電子回路モジュールに示すように、異なる周波数の送信信号(例えばセルラーとPCS)を増幅する電力増幅器4A、4Bを構成する整合回路6A、6Bを、モジュール小型化のため近接して配置した場合、セルラーの送信信号が整合回路6Aと6B間の電磁結合により、PCSの整合回路6Bからグランドに漏洩出力してしまうという不具合が発生する。
そこで、このモジュールにおいては、電力増幅器4A、4Bを構成する電力増幅素子7A、7Bの間、整合回路6A、6Bの間にも、干渉防止接地部10を延設することが望ましい。
このような構造とすることにより、整合回路6Aの分布定数線路から発生した電場は整合回路6Aと干渉防止接地部10との間に集中するため、漏洩することを極減させることができる。さらに、干渉防止接地部10は、整合回路6A、6Bを形成する接地用コンデンサのパッドとしても使用することができ、小型化に寄与することができる。
図2の電子回路モジュールにおいては、誘電体基板2表面に搭載、または形成された電力増幅素子7A、7B、弾性表面波素子9A,9B、帯域通過フィルタ8A、8Bなどの回路または部品は、エポキシ系などの熱硬化性樹脂からなる封止材12によって完全に固定され、また外部からの異物混入などを防止でき、これらの回路を保護することができる。
図2、図3の形態では、8層の誘電体層からなる誘電体基板の例で説明したが、誘電体層の層数はこれに限定されるものではなく、また電力増幅素子7A、7Bと弾性表面波素子9A、9Bは誘電体基板2の同一面に搭載された例で説明したが、電力増幅素子7A、7Bまたは弾性表面波素子9A、9Bのどちらか一方または両方を誘電体基板表面や裏面に形成されたキャビティ内に収納、搭載するものであってもかまわない。
図4は、本発明の電子回路モジュールの他の形態を示す概略平面図である。この電子回路モジュールにおいては、通過帯域の異なる複数の送受信系を各送受信系に分ける分波回路13が、誘電体基板2の内部に形成されたコンデンサ部と分布定数線路によって形成されたローパスフィルタおよびハイパスフィルタを用いて構成されている。
この電子回路モジュールでは、電力増幅素子4Aと、分波回路13との間に、図2,3で説明したものと同様な構造の干渉防止接地部10が設けられている。この干渉防止接地部10により、電力増幅器4Aと、分波回路13が分離され、電力増幅器4Aと、分波回路13との間の電磁結合により信号が短縮経路により漏洩することを抑制することができる。
図2〜図4においては、干渉防止接地部10は、誘電体基板2表面の接地用導体帯10aと誘電体基板2裏面の接地層10bとは、複数のビアホール導体10bによって接続した場合について説明したが、誘電体基板2表面の接地用導体帯10aと誘電体基板2裏面の接地層10bとは、誘電体基板2を垂直方向に貫通する導体壁によって接続することもできる。
導体壁の形成は、例えば、導体壁形成部分に貫通穴を形成したセラミックグリーンシートを貫通穴が整合するように積層した後、その積層体の貫通穴内に導体ペーストを充填し焼成する。このとき、貫通穴の内壁面に導体ペーストを塗布形成し焼成してもよい。
また、他の方法としては、誘電体基板2内にこのような導体壁を具備するモジュールを形成するには、例えば、積層される誘電体層2a1〜2anとして、図5の概略斜視図に示すような、誘電体層21の一部に、少なくとも導体層22が該誘電体層21を貫通して形成されてなる複合シートAを作製し、これを図6に示すように、複合シートA〜Aを積層した構造とすることによって、3次元的回路を具備するモジュールを構成する。この場合、誘電体層の厚みは100μm以下、特に50μm以下、さらには15〜30μmの厚さまで薄くすることによって、より微細な3次元回路を形成することができる。
また、導体層22は、誘電体層21を平面方向に伸びることによって平面回路となる配線回路を形成することができる。また、部分的に導体層22を厚み方向に積み上げることにより、導体壁10d、およびビアホール導体に代わる垂直導体15を形成することができる。
この複合シートは、例えば、以下の方法で作製することができる。図7に、複合シートAの製造工程を示す。図7によれば、(a)光透過可能なキャリアフィルム30表面に、導体ペーストによって光非透過性の所定のパターンの導体パターン層31を形成し、(b)その上に、光硬化スラリーを導体パターン層31の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化セラミック層32を形成した後、(c)キャリアフィルム30の裏面より、光を照射して、導体パターン層31形成以外の領域の光硬化セラミック層32を光硬化させる。(d)その後、現像処理して、光が照射されていない部分を洗浄除去することによって、(e)光硬化セラミック層32と導体パターン層31からなる複合シートAを作製する。
キャリアフィルム30をはがして複合シートAを積層して、平面の導体層とビア導体による3次元的な回路を形成する。その後、これを焼成することによって、図6で示したようなモジュール基板を形成することができる。
かかる工法において、用いられる光硬化スラリーは、望ましくは、セラミック粉末に、光硬化可能なモノマーと、光重合開始剤と、有機バインダと、可塑剤とを、有機溶剤に混合し、ボールミルで混練して調製する。
光硬化可能なモノマーとしては、周知のものが使用できるが、低温で短時間の焼成工程に対応するために、熱分解性に優れたものであることが望ましい。また、光硬化可能なモノマーは、スリップ材の塗布・乾燥後の露光によって光重合される必要があり、遊離ラジカルの形成、連鎖生長付加重合が可能で、2級もしくは3級炭素を有したモノマーが好ましく、例えば少なくとも1つの重合可能なエチレン系基を有するブチルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびそれらに対応するアルキルメタクリレート等が挙げられる。また、テトラエチレングリコールジアクリレート等のポリエチレングリコールジアクリレートおよびそれらに対応するメタクリレートも有効である。また、光開始系材料としては、ベンゾフェノン類,アシロインエステル類化合物などが挙げられる。
また、有機バインダも、光硬化可能なモノマーと同様に熱分解性が良好であることが望まれ、同時にスリップの粘性を決めるものであるため、固形分との濡れ性も考慮することが必要である。本発明によれば、アクリル酸もしくはメタクリル酸系重合体のようなカルボキシル基、アルコール性水酸基を備えたエチレン性不飽和化合物が好ましい。
有機溶剤としては、エチルカルビトールアセテート、ブチルセルソルブ、3メトキシブチルアセテートの群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
各成分の含有量は、セラミック粉末100質量部あたり、光硬化モノマー及び光重合開始剤を5〜20質量部、有機バインダを10〜40質量部、可塑剤を1〜5質量部、有機溶剤を50〜100質量部の割合が適当である。
また、導体パターン層11を形成するための導体ペーストは、平均粒径が1〜3μm程度の導体材料の粉末に、必要に応じてセラミック材料を添加した無機成分に対して、エチルセルロース、アクリル樹脂などの有機バインダを加え、さらにジブチルフタレート、αテルピネオール、ブチルカルビトール、2・2・4−トリメチル−3・3−ペンタジオールモノイソブチレートなどの適当な溶剤を混合し、3本ローラ等により均質に混練して調製される。
なお、複合シートAの製造は、上記の方法に必ずしも限られるものではなく、実質的に複合シートAと同一構造のシートが形成できるものであれば他の方法であってもよい。
(試料作製1)
誘電体材料として、ホウケイ酸ガラス70質量%、アルミナ30質量%からなれるガラスセラミック系誘電体材料を用いてグリーンシートを作製し、これにAg導体材料を用いて、導体層および一般のビアホール導体、一般回路用の配線層、表面実装される電力増幅素子とデュプレクサ間に設けられる干渉防止接地部の接続導体となるビアホール導体、接地層、接地用導体層を形成した。その後、グリーンシートを積層して900℃で焼成して多層のモジュール基板を作製した。その際、干渉防止用のビアホール導体の端面間隔をかえたモジュール基板(試料No.1〜5)を作製した。なお、ビアホール導体の大きさがいずれも直径30μmとした。
(試料作製2)
厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる光透過可能なキャリアフィルム上に、導体ペーストをスクリーン印刷法により印刷して、厚さ20μmの導体パターン層を形成した。尚、導体ペーストは、Ag粉末にバリウムホウ珪酸ガラス粉末と、エチルセルロース、有機溶剤として2・2・4−トリメチル−3・3−ペンタジオールモノイソブチレートを加え3本ロールミルで混合したものを使用した。
次に、上記導体パターン層の上に、感光性スラリーをドクターブレード法により塗布乾燥し、導体パターンの存在しない場所での乾燥後の厚みが28μmとなるように光硬化セラミック層を形成した。
感光性スラリーは、セラミック原料粉末100質量部と、光硬化可能なモノマー(ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート)8質量部と、有機バインダ(アルキルメタクリレート)35質量部と、可塑剤を3質量部、有機溶剤(エチルカルビトールアセテート)に混合し、ボールミルで混練して作製した。
セラミック原料粉末は、0.95モルMgTiO−0.05モルCaTiOで表される主成分100質量部に対して、BをB換算で10質量部、LiをLiCO換算で5質量部添加したものを用いた。
次に、キャリアフィルムの裏面側より光硬化セラミック層の裏面に、超高圧水銀灯(照度30mW/cm)を光源として2秒間全面露光した。そして希釈濃度2.5%のトリエタノールアミン水溶液を現像液として用いて30秒間スプレー現像を行った。この後、現像後の純水洗浄の後、乾燥を行った。
こうして、出来上がった光硬化セラミック層は、電極層上の溶化部が現像により除去され電極層が露出して、その結果、厚みが20μmの電極層と、厚みが20μmの光硬化セラミック層とが一体化した複合シートを作製することができた。
上記の手法に基づき、内部配線用の導体層、表面配線用の導体層、および干渉防止用接地部を構成する接地用導体層、接地層、表面実装される電力増幅素子とデュプレクサ間に厚みが30μmのシールド壁を形成するための導体層などを具備する延べ50層の複合シートを作製した。
上記のようにして作製した複合シートより、それぞれキャリアフィルムを剥離し、順番に位置合わせを行いながら、積層を行い、3次元的な回路構造を形成した。この後、プレス機を用いて、プレス圧1トン、温度60℃にて5分間プレスを行い、積層体を圧着した。
そして、この積層体を大気中で300℃で、4時間脱バインダ処理した後、900℃大気中で6時間焼成を行い、モジュール基板を作製した(試料No.5、11)。
さらに比較例として、干渉防止接地部を全く設けないものを作製した(試料No.6、12)。
これらの基板表面に、弾性表面波素子、電力増幅素子、その他のチップ部品を搭載した後、エポキシ樹脂で気密封止を行い、電子回路モジュールを形成した。その後、これをガラス織布−エポキシ樹脂複合材料からなる評価基板上に、実装した。
その後、駆動電圧を加え、出力電力をセルラーバンドで25dBm,PCSバンドで24dBmになるように調整した状態で、Rx端子からの送信パワーリーク量を測定評価した。
Figure 2005244336
表1の結果より、本発明の構造によれば、干渉防止接地用パターンを設けなかった試料No.6と、ビアホールの端面間隔が大きい試料No.4では、Rx端子からの送信パワーリーク量が劣化する傾向にあり、携帯電話の受信感度が劣化することがわかった。
本発明の電子回路モジュールの一例を示すブロック図である。 本発明の電子回路モジュールの一例を示す概略断面図である。 本発明の電子回路モジュールの一例を示す概略平面図である。 本発明の電子回路モジュールの他の例を示す概略平面図である。 本発明の電子回路モジュールの一例を構成する複合シートを説明するための概略斜視図である。 図5の複合シートを用いた本発明の電子回路モジュールの一例を示す概略断面図である。 複合シートの製造工程を説明するための図である。 従来のデュアルバンド携帯電話機に用いられているブロック図である。
符号の説明
1・・・・電子回路モジュール
2・・・・・・・誘電体基板
3A、3B・・・デュプレクサ
4A、4B・・・電力増幅器
5A、5B・・・カプラ
6A、6B・・・整合回路
7A、7B・・・電力増幅素子
8A、8B・・・帯域通過フィルタ
9A、9B・・・弾性表面波素子
10 ・・・干渉防止接地部
10a ・・・接地用導体層あ
10b ・・・接地層
10c ・・・ビアホール導体
10d ・・・導体壁

Claims (7)

  1. 複数の誘電体層を積層して成る誘電体基板表面に、少なくとも電力増幅素子を搭載し、且つ前記誘電体基板表面または内部に分波または合波回路を形成してなる電子回路モジュールにおいて、前記電力増幅素子と前記分波または合波回路とを平面的に重ならない位置に形成するとともに、前記電力増幅素子と前記分波または合波回路との間に干渉防止接地部を設けたことを特徴とする電子回路モジュール。
  2. 前記分波または合波回路が、デュプレクサ、FBAR、コンデンサ用導体パターンと分布定数線路からなる回路のいずれかからなることを特徴とする請求項1記載の電子回路モジュール。
  3. 複数の誘電体層を積層して成る誘電体基板表面に、少なくとも電力増幅素子と弾性表面波素子を搭載してなる電子回路モジュールにおいて、前記電力増幅素子と前記弾性表面波素子の間に干渉防止接地部を設けたことを特徴とする電子回路モジュール。
  4. 誘電体基板表面に、周波数帯域が異なる複数の電力増幅器が搭載され、該複数の電力増幅器間にも前記干渉防止接地部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の電子回路モジュール。
  5. 前記干渉防止接地部が、少なくとも誘電体基板表面に形成された接地用導体帯と、前記誘電体基板の内部または裏面に形成された接地層と、前記接地用導体帯と前記接地層とを電気的に接続する接続導体を具備することを特徴とする請求項4記載の電子回路モジュール。
  6. 前記接続導体が、下記数1の間隔W
    (数1)
    W≦1/8×λg=1/8×(C/εr1/2)×f
    (C:光速、εr:積層基板の実効誘電率、f:通過周波数)
    に配置した複数のビアホール導体からなることを特徴とする請求項5記載の電子回路モジュール。
  7. 前記接続導体が、前記誘電体基板を垂直方向に貫通する導体壁からなることを特徴とする請求項5記載の電子回路モジュール。
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