JP2005244189A - 半導体チップ接合用接着性樹脂シート及び半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、半導体チップの高さをばらつきなく安定させ水平に保ち積層することができる半導体チップ間接合用接着性樹脂シートおよびこれを用いて得られた半導体装置を提供することである。
【解決手段】平均粒径が10〜500μmの樹脂微粒子を含有する半導体チップ間接合用接着性樹脂シート。
【選択図】 なし


Description

本発明は、半導体チップ間接合用樹脂シート及び半導体装置に関する。
近年、半導体装置の製造において、複数の半導体チップを積層して多層半導体チップとする3次元実装への動きが進んできている。これにともない、半導体チップはきわめて薄い薄膜となり、さらに半導体チップ間は微細な配線が形成されるようになってきた。このような3次元実装の多層半導体チップにおいて、半導体チップ間を精度よく配置して三次元配線したりワイヤーボンディングを精度よく行ったりするためには、各半導体チップを損傷なく、且つ水平を保って積層することが求められている。
そして、半導体チップの接合においては、半導体チップと被着体との間隔を一定に保つために、ギャップ調整材として微粒子等の球状充填剤を含有する接合用ペーストや接着性樹脂シートが用いられてきた。
例えば、特許文献1には、平均粒径10〜100μmのシリカ等の無機質粒子を含有するシリコーン接着剤を用いてチップ取り付け部材に半導体チップを接着した半導体装置が開示されている。
また、特許文献2には、平均粒径100〜1000μmでアスペクト比が1.0〜1.5のシリカ等の無機質粒子を含有するシリコーン接着剤を用いてチップ取り付け部材に半導体チップを接着した半導体装置が開示されている。
また、特許文献3には、平均粒径がシート膜厚より小さいシリカ粒子を含有するシリコーン系接着性シートを用いてチップ取り付け部材に半導体チップを接着した半導体装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載のシリカ等の無機質球状充填剤を用いたギャップ調整剤を用いて接合する場合、接合用ペーストや接着性樹脂シートが硬化収縮した際に生じる応力や、温度変化に対して半導体チップと硬化後の接合用ペーストや接着性樹脂シートとが異なる変化率で膨張収縮するために生じる応力が半導体チップに加わることにより、これらギャップ調整剤によって半導体チップを損傷しうるという問題があった。また、これら無機質球状充填剤は粒子の粒径分布を極めてシャープにしなければ半導体チップを安定して水平に保つことが難しいため、半導体チップの製造時の圧力によってチップ表面保護膜を破損させるといった問題があった。
特開2001−019928号公報 特開2001−019936号公報 特開2001−139894号公報
本発明は、上記現状に鑑み、半導体チップを損傷することなく、半導体チップと被着体との間隔を一定、且つ水平に積層させることのできる半導体チップ接合用接着性シート、及びこれを用いて得られる半導体装置を提供することである。
本発明は、平均粒径が10〜500μmである樹脂微粒子を含有する半導体チップ接合用接着性樹脂シートである。
以下に本発明を詳細に述べる。
本発明の半導体チップ接合用接着性シートは、接着剤組成物と平均粒径が10〜500μmである樹脂微粒子とを含有する。樹脂微粒子の平均粒径が10μm未満の場合、半導体チップと被着体の間隔を一定に保つことができないことがあり、500μmを超える場合、半導体と被着体との間隔を必要以上に大きくさせることがある。
上記樹脂微粒子としては、特に限定はされず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール等が挙げられる。
中でも、微粒子の硬さと回復率を調整しやすく耐熱性も向上することから、上記樹脂は架橋樹脂であることが好ましく、このような樹脂としては特に限定はされず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体、トリアリルイソシアヌレート重合体、ベンゾグアナミン重合体等の網目構造を有する樹脂が挙げられる。
上記架橋樹脂の中でも特に好適な樹脂として、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン系共重合体、ジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体等が挙げられる。
また、上記樹脂微粒子はイオン不純物等を含有する恐れが低く、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、銅、鉄、塩素等をほとんど含有しないものとなる。
また、半田リフロー(例えば260℃、30秒)やワイヤーボンディング(例えば260℃、60秒)等の工程においても、これらの樹脂微粒子は高い耐熱性を有する。
上記樹脂微粒子は、粒径分布の標準偏差が樹脂微粒子の平均粒径の10%以内であることが好ましい。
樹脂微粒子は一般的にシリカ粒子等と比べて柔軟であるため、樹脂微粒子の粒径分布が多少広い場合であっても粒子の変形によって半導体チップと被着体とのギャップを一定に保つことができる。しかしながら、粒径分布の標準偏差が樹脂微粒子の平均粒径の10%以内であると、例えば半導体チップを積層する場合に、より安定して水平に積層させることができるためより好ましい。
上記樹脂微粒子は、粒径のアスペクト比が1.1以下であることが好ましい。本明細書においてアスペクト比とは、粒子の長径と短径に関して、短径の長さに対する長径の長さの比(長径の長さを短径の長さで割った値)を意味する。このアスペクト比の値が1に近いほど微粒子の形状は真球に近く、この値が1.1以下の微粒子をギャップ調製材として用いると、半導体チップと被着体との間隔を安定して一定に保つことができる。
上記樹脂微粒子は、下記式(1)で表されるCV値が2%以下であることが好ましい。CV値が2%以下であると、粒径のばらつきが非常に小さく、半導体チップと被着体との間隔を安定して一定に保持することができる。
粒径のCV値=(σ2/Dn2)×100% (1)
(σ2は粒径の標準偏差を表し、Dn2は数平均粒径を表す)
上記樹脂微粒子は、下記式(2)で表されるK値が、980〜4900N/mm2であることが好ましい。
上記K値は、下記式、
K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 (2)
〔ここに、F、Sはそれぞれ樹脂微粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)、圧縮変位(mm)であり、Rは該スペーサーの半径(mm)である〕で定義される。
上記K値は、ランダウーリフシッツ理論物理学教程「弾性理論」(東京図書1972年発行)42頁に準拠して、以下のように求めることができる。
半径がそれぞれR、R′の二つの弾性球体が接触した際、hは次式により与えられる。
h=F2/3[D2(1/R+1/R′)]1/3 …(1)
D=(3/4)[(1−σ2)/E+(1−σ′2)/E′] …(2)
ここに、hはR+R′と両球の中心間の距離の差、Fは圧縮力、E、E′は二つの弾性球体の弾性率、σ、σ′は弾性球のポアッソン比を表す。
一方、球を剛体の板の上に置いて、かつ両側から圧縮する場合、R′→∞、E》E′とすると、近似的に次式が得られる。
F=(21/2/3)(S3/2)(E・R1/2)(1−σ2) …(3)
ここに、Sは圧縮変形量を表す。この式を変形すると容易に次式が得られる。
K=E/(1−σ2) …(4)
よって、上記K値を表す式が得られる。
上記K値は球体の硬さを普遍的かつ定量的に表すものであり、微小圧縮試験機(例えばフィッシャー・インストルメンツ社製、フィッシャースコープH100C)などを用いた電気的な測定結果から算出できるものである。
このK値の大きさが980〜4900N/mm2の範囲にある樹脂微粒子をギャップ調整材として用いると、半導体チップと被着体の間隔を安定して一定に保持することができ、例えば半導体チップを積層する場合には、各半導体チップを水平に、高さばらつきなく積層することができる。
つまり、K値の大きさが上記のような範囲にある樹脂微粒子は、シリカ粒子などとは異なり一定以上の硬さを持ちながらも半導体チップほど硬くはないため、ワイヤーボンディング等の際に各半導体チップに荷重が加わり、介在するギャップ調整材が半導体チップに押しつけられた場合にも半導体チップを傷つける恐れがない。
また、上記樹脂微粒子は20℃、10%の圧縮変形状態から解放した時の圧縮回復率が20%以上であることが好ましい。
圧縮回復率が20%以上の樹脂微粒子を用いると、積層されたチップ間に平均粒径よりも大きな粒子が存在しても、圧縮変形により形状を回復してギャップ調整材として働かせることができる。したがって、より安定した一定間隔でチップを水平に積層することができる。
なお、上記K値や圧縮回復率はつぎの測定方法により測定することができる。
K値は、平滑表面を有する鋼板の上に微粒子を散布し、その中から1個の微粒子を選び、微小圧縮試験機を用いてダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑な端面で微粒子を圧縮する。この際、圧縮荷重を電磁力として電気的に検出し、圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出する。そして、得られた圧縮変位−荷重の関係から10%圧縮変形における荷重値、圧縮変位をそれぞれ求める。得られた結果からK値を算出することができる。
また圧縮回復率は、上記K値の測定の場合と同様の手法によって圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出し、反転荷重値まで圧縮したのち荷重を減らしていき、この際、荷重と圧縮変位との関係を測定する。得られた測定結果から圧縮回復率を算出する。ただし、除荷重における終点は荷重値ゼロではなく、0.1g以上の原点荷重値とする。
上記樹脂微粒子は、260℃に加熱しても熱変形が起こらない樹脂微粒子であることが好ましい。
熱変形が起こらないとは、260℃に加熱しても樹脂微粒子が熱膨張や形状変化を起こすことがなく寸法が一定しており、外観や粒径が変わらないことを意味する。このような樹脂微粒子の組成としては、例えばジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体等の網目構造を有する樹脂を挙げることができる。
また、上記樹脂微粒子は、260℃以下で揮発する揮発成分を含有しない樹脂微粒子であることが好ましい。本明細書において260℃以下で揮発する揮発成分を含有しない樹脂微粒子であるとは、樹脂微粒子が内部気泡や残存モノマー、残留溶剤を含んでないか、含んでいる場合にも問題を起こさない程度に極少量であることを意味する。内部気泡や残存モノマーが存在すると、樹脂微粒子が破裂したり、加熱により揮発した揮発成分が接着剤中にボイドとして現れて接続信頼性を低下させたりすることがある。
上述のような、260℃に加熱しても熱変形が起こらず、かつ260℃以下で揮発する揮発成分を含有しない樹脂微粒子は、半田リフロー(例えば260℃、30秒)、ワイヤーボンディング(例えば260℃、60秒)などの加熱工程を経る半導体装置に対して用いる場合にも有効である。
本発明の接着性樹脂シートにおける上記樹脂微粒子の含有量としては、使用する樹脂微粒子の平均粒径によって適宜調整されるべきであるが、0.01〜10重量%であることが好ましい。
上記樹脂微粒子の含有量が0.01重量%より少ないと、接着面積に対して樹脂微粒子が少なく、半導体チップと被着体との間隔を安定に保持することができないことがある。また、10重量%より多いと、接着剤としての粘度が高くなりすぎるため、半導体チップ間を完全に充填することができず空隙を生じることがある。
上記樹脂微粒子のより好ましい含有量としては、平均粒径が10〜50μmの樹脂微粒子については0.1〜5重量%であり、平均粒径が50〜500μmの樹脂微粒子については2〜10重量%である。
本発明の半導体チップ接合用接着性樹脂シート(以下、本発明の接着性樹脂シートとも記載する)は、上述した樹脂微粒子と、接着性組成物とを含有することが好ましい。
上記接着性組成物としては、硬化性化合物と、硬化剤を含有することが好ましい。
上記硬化性化合物としては特に限定はされないが、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂;光硬化樹脂、架橋樹脂、有機無機ハイブリッド重合体樹脂等が挙げられる。
中でも、不純物が少なく設計可能な物性範囲が広いという点において、エポキシ樹脂が特に好ましい。エポキシ樹脂としては特に限定はされず、硬化したエポキシ樹脂や、未硬化のエポキシ樹脂と他の樹脂を混合したものや、半硬化状態のエポキシ樹脂等、種々のエポキシ樹脂を用いることができる。
上記エポキシ樹脂としては特に限定はされないが、例えば、エピコート828EL、エピコート1003(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピコート806、エピコート4004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;エピクロンEXA1514(大日本インキ社製)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;RE−810NM(日本化薬社製)等の2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピクロンEXA7015(大日本インキ社製)等の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂;EP−4000S(旭電化社製)等のプロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂;EX−201(ナガセケムテックス社製)等のレゾルシノール型エポキシ樹脂;エピコートYX−4000H(ジャパンエポキシレジン社製)等のビフェニル型エポキシ樹脂;YSLV−50TE(東都化成社製)等のスルフィド型エポキシ樹脂;YSLV−80DE(東都化成社製)等のエーテル型エポキシ樹脂;EP−4088S(旭電化社製)等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれも大日本インキ社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂;エピクロンN−770(大日本インキ社製)等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂;ESCN195 (住友化学工業社製)等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等を用いることができる。
上記硬化剤としては、上記硬化性化合物と反応し、硬化させることが可能な化合物であれば特に限定はされないが、例えばアジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、ジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、グアニジン誘導体、イミダゾール誘導体や、無水フタル酸やトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸やイソフタル酸無水物等の酸無水物、ポリアミン化合物、アミン化合物、フェノール系化合物、カチオン系触媒型硬化剤等を用いることができる。なかでも、加熱硬化型硬化剤や、多官能であり、当量的に添加量が少量で良いジシアンジアミド等の潜在性硬化剤が好適に用いられる。これらの硬化剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
また、上記接着性組成物は、硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤としては特に限定はされないが、例えば、第3級アミン化合物、芳香族性水酸基含有第3級アミン、ジアゾビシクロ化合物等が挙げられる。
また、上記接着性組成物は、更に、シリカ粒子を含有してもよい。シリカ粒子を含有することで、上記接着性組成物は成形性に優れたものとなり、本発明の接着性シートに好適に用いることができる。
また、上記接着剤組成物は、更に、必要に応じて着色料、各種カップリング剤や、増粘剤、硬化促進剤、ガラス繊維やアルミナ粒子等の無機充填物等の各種添加剤や、反応性希釈剤や溶剤等を適宜含有してもよい。
上記硬化性化合物と、硬化剤と、必要に応じて添加される上記添加物等を所望の配合量で配合し、攪拌混合することで接着性組成物を得ることができる。また、該接着性組成物と上述した樹脂微粒子とを所望の配合比で配合して攪拌混合し、シート状に成形すると、本発明の接着性樹脂シートを得ることができる。
上記攪拌混合する方法としては特に限定はされず、例えば、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いることができる。
また、上記攪拌混合する際には溶剤を用いてもよく、そのような溶剤としては特に限定はされないが、例えば酢酸エチルやメチルエチルケトン、イソブチルケトン等が挙げられる。
上記シート状に成形する方法としては特に限定はされず、例えば押出成形法、キャスト法等が挙げられる。中でも高温を必要としないことから、とりわけキャスト法を好適に用いることができる。
上記キャスト法に用いる溶媒としては特に限定はされないが、酢酸エチルやメチルエチルケトン、イソブチルケトン等が挙げられる。
また、例えばバー、ナイフ、コンマ、グラビア、ダイ、スリット等のコーターを用いて、離型処理の施されたフィルム上に塗工することによりシートを成形してもよい。
上記接着性樹脂シートの厚みとしては特に限定はされず、添加した樹脂微粒子の粒径の1.0〜1.5倍とすることが好ましい。シートの厚みが樹脂微粒子の粒径の1.0倍未満であると、半導体チップと被着体を安定して接着できないことがある。また、シートの厚みが樹脂微粒子の粒径の1.5倍を超えると、半導体チップと被着体の間隔を一定に保つことができない場合がある。より好ましい厚みとしては、粒径の1.0〜1.2倍である。
本発明の接着性樹脂シートを用いて複数の半導体チップを多段に積層させ、封止剤等で封止することにより半導体装置を作製することができる。このようにして得られる半導体装置もまた、本発明の一つである。
本発明の接着性樹脂シートを用いると、各半導体チップを水平に保った状態で積層することができる。従って、個々のチップが傾いて多層積層された上層部のチップのワイヤーボンディングパット高さにばらつきが生じたり、その結果ボンディングにばらつきが生じたり、パッド位置あわせがうまくいかずにワイヤーボンディング装置が停止したりする、等の問題を回避することができる。
また、本発明の半導体装置は、フェイスアップ方式の多層チップパッケージであることが好ましい。フェイスアップ方式の多層チップパッケージは電極の高さ調節が困難であるため、本発明の接着性樹脂シートを用いることにより高さのばらつきを解消することができることの意義が大きい。
また、下層チップサイズより大きなチップサイズを搭載する場合に、下層チップのワイヤを保護するため、現行ではワイヤ高さを超える厚みのスペーサチップを搭載しているが、本接着性樹脂シートに対応するワイヤ高さを超える粒子を使用することで、スペーサチップが不要となる。
また、本発明の半導体装置は、メモリ用半導体チップを搭載した半導体装置であることが好ましい。従来のような合成シリカ微粒子等の無機微粒子をギャップ調整材として用いた場合、不純物として微量の放射性元素がアルファ線を放射してメモリに影響することがある。従って、シリカ微粒子を用いた場合には放射性元素をほとんど含有しない天然の材料を用いる等の対策が必要であったが、樹脂微粒子ではそのような考慮が必要ない。
また、従来多層チップパッケージを作成する際、半導体チップ間のギャップ精度を正確に制御するためには、半導体チップを下段の半導体チップに搭載する際に接着剤や接合用ペースト等を硬化させてから半導体チップを搭載していた。これは、下段の半導体チップに接着性樹脂シートから接着剤が流出して、ギャップの間隔が狭くなることを防止するためである。これに対して、本発明の接着性樹脂シートを使用することにより、各半導体チップ間に介在させる接着剤が未硬化の状態であってもギャップ調整材となる樹脂微粒子が半導体チップ間のギャップ間隔を維持するため、半導体チップを積層した後に接着性樹脂シートを一括硬化させるといった工程を採ることも可能となる。
本発明によれば、半導体チップを損傷することなく半導体チップの高さをばらつきなく安定させ水平に保ち積層させることのできる半導体チップ接合用接着性シート、及びこれを用いて得られる半導体装置を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に記述するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例、比較例に記載の粒子径の測定には粒子サイズ測定機(コールターエレクトロニクス社製、コールターカウンターZB/C-1000)を、K値および圧縮回復率の測定には、圧縮試験微小圧縮試験機(フィッシャーインストルメンツ社製、フィッシャースコープH100C)を使用した。
(実施例)
(1)半導体チップ接合用接着性樹脂シートの作製
液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、「エピコート828」)40重量部、固形エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、「エピコート1003」)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業社製、「ESCN195」)20重量部、疎水性ヒュームドシリカ(トクヤマ社製、「レオシールMT−10」)4重量部、硬化剤(味の素FT社製、VDH)6重量部を酢酸エチル100重量部に加え、ホモディスパーにて撹拌し、接着性組成物の溶液を作製した。この接着性組成物の溶液100重量部に樹脂微粒子製ギャップ調整材(積水化学工業社製、「ミクロパールSP−240」、平均粒径40μm、標準偏差0.6、K値3700N/mm2、アスペクト比1.01)10重量部を酢酸エチルに溶解させ攪拌混合し、固形分50%のエポキシ樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。次いで、表面に離型処理が施されたPETシートの離型処理面上にバーコーターを用いて、上記エポキシ樹脂の酢酸エチル溶液を乾燥後の樹脂シート厚みが50μmになるように塗布した。続いて110℃で3分間乾燥させ、半導体チップ接合用接着性樹脂シートを得た。
(2)半導体装置の作製
得られた半導体チップ接合用接着性樹脂シートを所定の大きさに裁断し、厚さ100μmの半導体チップ(10mm×10mm角、アルミ配線厚み0.7マイクロメートルがL/S=15/15でメッシュ状にパターンニングされ、表面に1.0マイクロメートルの窒化シリコン膜、ペリフェラル状に110マイクロメートルのパッド開口部を172個もつ)に積層し、ボンディング装置(澁谷工業社製、DB−100)を用いて荷重0.15MPa、温度90℃で圧着して積層させた。これを繰り返し5層の半導体チップを積層した後、熱風乾燥炉内にて80℃で60分間放置後、150℃で60分間かけて硬化させ、多層チップを作製した。
(比較例)
樹脂微粒子製ギャップ調整材を同径のガラスビーズ製のギャップ材に変えたこと以外は実施例と同様にして半導体チップ接合用接着性樹脂シートを得た。得られた接着性樹脂シートを用いて、実施例と同様にして多層チップを得た。
(評価)
実施例、比較例で得られた半導体チップ接合用接着性樹脂シート及び半導体装置について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)得られた半導体多層チップの積層状態
各半導体チップの積層状態をレーザー顕微鏡(レーザーテック社製、走査型レーザー顕微鏡1LM21)にて観察した。また、同レーザー顕微鏡を用いて高さばらつきを測定した。結果について下記の基準で評価した。
○:各半導体チップが水平に保たれており、傾き、高さばらつきともにみられない。
△:各半導体チップのうちわずかに傾いているものあるいはわずかな高さばらつきがみられる。
×:各半導体チップのうち目立った傾きあるいはめだった高さばらつきもみられる。
(2)半田耐熱性
得られた半導体多層チップについて、125℃で6時間乾燥させ、続いて30℃/80%×48時間の湿潤条件で処理した後、ハンダリフロー260℃×30sとなる条件で処理を行った。このリフロー処理後の各半導体チップの層間について、層間が剥離しているか否かについて観察を行った。リフロー処理後の半導体多層チップについて、再び30℃/80%×48hの湿潤条件で処理したのち、ハンダリフロー260℃×30sとなる条件で処理を行った。この2回目のリフロー処理を行った後の層間についても、層間が剥離しているか否かについて観察を行った。このようなリフロー処理をリフロー回数5回まで行い、半田耐熱性評価を行った。層間の剥離についての観察は、超音波探査映像装置(日立建機ファインテック社製、mi-scope hyper II)を用いて行った。
その後、半導体多層チップの接着性樹脂シートを混酸で除去し、チップ表面の窒化シリコン保護膜に割れが生じているか否かについて観察を行った。
層間の剥離及び保護膜の割れについて、下記の基準で評価を行った。
○:層間の剥離及び保護膜の割れが観察されなかった。
△:層間の剥離あるいは保護膜の割れがわずかに観察された。
×:層間の目立った剥離あるいは保護膜の目立った割れが観察された。
(3)TCT評価
得られた半導体多層チップについて、−55℃9分間、125℃9分間を1サイクルとする温度サイクル試験を行い、1000サイクル後の層間について、層間が剥離しているか否かについて観察を行った。同時に、チップ表面の窒化シリコン保護膜に割れが生じているか否かについて観察を行った。結果について、以下の基準で評価を行った。
○:層間の剥離及び保護膜の割れが観察されなかった。
△:層間の剥離あるいは保護膜の割れがわずかに観察された。
×:層間の目立った剥離あるいは保護膜の目立った割れが観察された。
Figure 2005244189
本発明によれば、半導体チップを損傷することなく半導体チップの高さをばらつきなく安定させ、水平に保ち積層させることのできる半導体チップ接合用接着性シート、及びこれを用いて得られる半導体装置を得ることができる。

Claims (9)

  1. 平均粒径が10〜500μmである樹脂微粒子を含有することを特徴とする半導体チップ接合用接着性樹脂シート。
  2. 粒径分布の標準偏差が、樹脂微粒子の平均粒径の10%以内であることを特徴とする請求項1記載の半導体チップ接合用接着性樹脂シート。
  3. 樹脂微粒子の含有量が0.01〜10重量%であることを特徴とする、請求項1又は2記載の半導体チップ接合用接着性樹脂シート。
  4. 樹脂微粒子の粒径のアスペクト比が1.1以下であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか一項に記載の半導体チップ接合用接着性樹脂シート。
  5. 下記式で求められる樹脂微粒子の粒径のCV値が、2%以下であることを特徴とする、請求項1〜4いずれか一項に記載の半導体チップ接合用接着性樹脂シート。
    粒径のCV値=(σ2/Dn2)×100%
    (σ2は粒径の標準偏差を表し、Dn2は数平均粒径を表す)
  6. 下記式で求められる樹脂微粒子のK値が、980〜4900N/mm2であることを特徴とする、請求項1〜5いずれか一項に記載の半導体チップ接合用接着性樹脂シート。
    K値=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2
  7. 20℃、10%の圧縮変形状態から解放した時の樹脂微粒子の圧縮回復率が、20%以上であることを特徴とする、請求項1〜6いずれか一項に記載の半導体チップ接合用接着性樹脂シート。
  8. 樹脂微粒子は、260℃に加熱しても熱変形が起こらず、かつ260℃以下で揮発する揮発成分を含有しない樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1〜7いずれか一項に記載の半導体チップ接合用接着性樹脂シート。
  9. 複数の半導体チップが請求項1〜8記載の半導体チップ接合用接着性樹脂シートにより多段に積層されてなることを特徴とする半導体装置。
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